JP2002128801A - ガラクトマンナン又はその誘導体ゲルの着色成分除去方法 - Google Patents

ガラクトマンナン又はその誘導体ゲルの着色成分除去方法

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JP2002128801A
JP2002128801A JP2000324072A JP2000324072A JP2002128801A JP 2002128801 A JP2002128801 A JP 2002128801A JP 2000324072 A JP2000324072 A JP 2000324072A JP 2000324072 A JP2000324072 A JP 2000324072A JP 2002128801 A JP2002128801 A JP 2002128801A
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galactomannan
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water
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Satoshi Kawanaka
聡 川中
Yoshio Nakai
美穂 中井
Norihiro Naito
宣博 内藤
Satoko Wada
里子 和田
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラクトマンナン又はその誘導体架橋ゲルの
着色成分除去方法を提供する。 【解決手段】ガラクトマンナン又はその誘導体粉末を有
機溶媒中に浸漬した後、固液分離し、そのガラクトマン
ナン又はその誘導体を乾燥して水に膨潤させ、架橋剤と
反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラクトマンナン
又はその誘導体架橋ゲルからの着色成分の除去方法に関
するものである。このようなガラクトマンナン又はその
誘導体ゲルは乾燥することにより、例えば、紙おむつ
(使い捨てオムツ)や生理用ナプキン、失禁パットなど
の衛生材料やドリップシートなどの鮮度保持材のほか、
土壌改良材、種子被覆材、農薬や肥料の崩壊補助材など
の農園芸用途材料、コンクリート養生材、シーリング
材、ヘドロや汚泥の固化材、携帯用トイレ、汚物処理
袋、保冷材、汗取りシートなどのトイレタリー用品、創
傷被覆材、湿布材などの医薬、メディカル用品などに好
適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】[吸水性樹脂の技術的背景]吸水性樹脂
は、自重の数十倍から数千倍の水を吸収できる樹脂であ
り、生理用品、紙おむつ、母乳パット、使い捨て雑巾等
の衛生用品、創傷保護用ドレッシング材、医療用アンダ
ーパット、パップ剤等の医療用品、ペット用シート、携
帯用トイレ、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤、吸汗性繊維、使
い捨てカイロ等の生活用品、シャンプー、セット用ジェ
ル剤、保湿剤等のトイレタリー用品、農・園芸用の保水
材、切り花の延命剤、フローラルフォーム(切り花の固
定化材)、育苗用苗床、水耕栽培、植生シート、種子テ
ープ、流体播種、結露防止用農業用シート等の農・園芸
用品、食品用トレー用鮮度保持材、ドリップ吸収性シー
ト等の食品包装材、保冷材、生鮮野菜運搬用吸水性シー
ト等の運搬用資材、結露防止用建築材料、土木・建築用
のシーリング材、シールド工法の逸泥防止剤、コンクリ
ート混和剤、ガスケット・パッキング等の土木建築資
材、光ファイバー等の電子機器のシール材、通信ケーブ
ル用止水材、インクジェット用記録紙等の電気機器関連
資材、汚泥の凝固剤、ガソリン、油類の脱水、水分除去
剤等の水処理剤、捺染用のり、水膨潤性玩具、人工雪等
の幅広い分野に使用されている。また、その薬品徐放性
を利用して、徐放性肥料、徐放性農薬、徐放性薬剤等の
用途にも期待されている。さらにその親水性を利用して
湿度調整材、電荷保持性を利用して帯電防止剤等への使
用も期待される。
【0003】[吸水性樹脂に関する先行技術]このよう
な用途に使用されている吸水性樹脂としては、例えば、
架橋ポリアクリル酸部分中和物(特開昭55−8430
4号公報、米国特許4625001号)、澱粉−アクリ
ロニトリル共重合体の部分加水分解物(特開昭46−4
3995号公報)、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体
(特開昭51−125468号公報)、酢酸ビニル−ア
クリル酸エステル共重合体の加水分解物(特開昭52−
14689号公報)、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸とアクリル酸の共重合架橋物(欧州
特許0068189号)、カチオン性モノマーの架橋体
(米国特許4906717号)、架橋イソブチレン−無
水マレイン酸共重合体(米国特許4389513号)な
どが知られている。
【0004】ところがこれらの吸水性樹脂組成物は分解
性を有しないため、使用後の廃棄が問題である。現状と
しては、これらの吸水性樹脂は、廃棄時には焼却処理す
る方法と埋め立てする方法が行われているが、焼却炉で
処理する方法では、焼却時に発生する熱による炉材の損
傷のほかに、地球の温暖化や酸性雨の原因となることが
指摘されている。さらに、含水率の高い使用済み紙おむ
つなどを焼却する場合、焼却炉への投入時に炉内燃焼温
度が低下し、炉材の劣化やダイオキシンが発生し易い燃
焼雰囲気となるために後段での排ガス処理設備への負担
が大きくなり、またより性能の高い排ガス処理設備が必
要とされる。埋め立て処理する方法では、プラスチック
は容積がかさばる、腐らないため地盤が安定しない等の
問題があるうえ、埋め立てに適した場所がなくなってき
たことが大きな問題となっている。
【0005】すなわち、これらの樹脂は分解性に乏し
く、水中や土壌中では半永久的に存在するので、廃棄物
処理における環境保全を考えると非常に重大な問題であ
る。例えば紙おむつ、生理用品等の衛生材料に代表され
る使い捨て用途の樹脂の場合、それをリサイクルすれば
多大な費用がかかり、焼却するにも大量であるため地球
環境への負荷が大きい。また農・園芸用保水材として架
橋ポリアクリル酸樹脂を使用した場合、土壌中でCa2+
等の多価イオンとコンプレックスを形成し、不溶性の層
を形成すると報告されている(松本ら、高分子、42
巻、8月号、1993年)。しかし、このような層はそ
のもの自体の毒性は低いと言われているが、自然界には
全くないものであり、長期に渡るそれら樹脂の土中への
蓄積による生態系への影響は不明であり、十分に調べる
必要があり、その使用には慎重な態度が望まれる。同様
に非イオン性の樹脂の場合、コンプレックスは形成しな
いが、非分解性のため土壌中へ蓄積する恐れがあり、そ
の自然界への影響は疑わしい。さらにこれらの重合系の
樹脂は、人間の肌等に対して毒性の強いモノマーを使用
しており、重合後の製品からこれを除去するために多く
の検討がなされているが、完全に除くことは困難であ
る。特に工業的規模での製造ではより困難となることが
予想される。
【0006】[生分解性を有する吸水性樹脂の技術的背
景]一方、近年、「地球にやさしい素材」として生分解
性ポリマーが注目されており、これを吸水性樹脂として
使用することも提案されている。このような用途に使用
されている生分解性を有する吸水性樹脂としては、例え
ばポリエチレンオキシド架橋体(特開平6−15779
5号公報等)、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキ
シメチルセルロース架橋体(米国特許4650716
号)、ポリアミノ酸架橋体(特開平7−224163号
公報、特開平7−309943号公報、特開平8−59
820号公報、特開平8−504219号公報、特開平
9−169840号公報等)、ガラクトマンナン又はそ
の誘導体金属イオン架橋体(特開平8−59891号公
報、特公平3−66321号公報、特開昭56−974
50号公報)などが知られている。
【0007】多糖類と多価金属イオン、特にガラクトマ
ンナン又はその誘導体とチタン又は/及びホウ素イオン
から成る吸水材としては、ガラクトマンナン又はその誘
導体(グアガム)とチタン又はジルコニウムから成る吸
水材(米国特許5532350号、特開平8−5989
1号公報)やcis-1,2-ジオールを含む多糖類とホウ酸ナ
トリウムから成る吸水材(米国特許4333461号)
がある。また、本発明者らも、ガラクトマンナン又はそ
の誘導体とホウ素及びホウ素以外の多価金属イオンから
成り、実用的ゲル強度と吸水能、ナトリウムやカルシウ
ムのような二価以下のカチオン水溶液に対する吸水性能
安定性を改善した生分解性吸水材を発明し、特許出願し
た(特願2000−224014号)。
【0008】一方、生理用品、紙おむつ等の衛生用品、
創傷保護用ドレッシング材、医療用品、携帯用トイレ、
ゲル芳香剤、ゲル消臭剤、吸汗性繊維等の生活用品、ト
イレタリー用品、農・園芸用の保水材、農・園芸用品、
食品用トレー用鮮度保持材、ドリップ吸収性シート等の
食品包装材、運搬用資材、人工雪などに用いられる吸水
材は使用者にとって外見が清潔感、爽快感の高い白色の
ものが好まれる傾向にある。
【0009】ガラクトマンナン又はその誘導体架橋ゲル
から成る生分解性吸水材は、生分解性に優れ、実用的吸
水性能やゲル強度を有していることから非常に優れた生
分解性吸水材である。しかし、ガラクトマンナン又はそ
の誘導体をホウ素やチタンなどの三価以上の多価金属イ
オンで架橋した場合、その架橋に伴って黄色の着色が発
生する。従来、この着色成分の除去方法は明らかになっ
ておらず、使用者にとって外見上、清潔感や爽快感に欠
けることから印象が悪く問題となっていた。また場合に
よってはこのような着色したゲルを乾燥して得た吸水材
を吸水させた場合、被吸収液中に着色成分が溶出する場
合があり、好適ではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来の問題点を解決し、黄着色したガラクトマ
ンナン又はその誘導体架橋ゲルから着色成分を除去する
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、驚くべきことに、ガラクトマンナン又はそ
の誘導体粉末を有機溶媒に浸漬して固液分離したガラク
トマンナン又はその誘導体を水で膨潤し架橋剤で架橋す
る方法、或いはガラクトマンナン又はその誘導体を水
で膨潤して架橋剤と反応させてゲル化させたものを有機
溶媒と共に浸漬・破砕したあと、固液分離する方法によ
り、架橋によって発生したガラクトマンナン又はその誘
導体ゲル中の着色成分を除去でき、そのゲルを乾燥する
ことで黄色度が35以下の乾燥物を得ることが可能であ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。なお、本
発明における黄色度とは、乾燥粉末の色差計におけるイ
エローインデックス値を示すものとする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、着色成分の除去された
ガラクトマンナン又はその誘導体架橋ゲル、及び着色成
分の除去方法であって、その方法は2種類に分けられ
る。方法−:ガラクトマンナン又はその誘導体粉末を
有機溶媒に浸漬して固液分離したガラクトマンナン又は
その誘導体を乾燥した後、水で膨潤させ、次いで架橋剤
で架橋してゲルを形成さる方法、或いは方法−:ガラ
クトマンナン又はその誘導体を水で膨潤して架橋剤と反
応させてゲル化させたものを有機溶媒と共に浸漬・破砕
したあと、固液分離してゲル粒子を得る方法である。
【0013】方法−では(a−1)ガラクトマンナン
又はその誘導体粉末を有機溶媒に浸漬し、固液分離して
から固体相を乾燥すること、(b−1)前記乾燥させた
ガラクトマンナン又はその誘導体粉末に水を供給して水
和、膨潤させゾル液を作成すること、(c−1)前記ガ
ラクトマンナン又はその誘導体ゾル液に三価以上の多価
金属イオンを添加して架橋ゲルを形成させることによ
り、脱色ガラクトマンナン又はその誘導体ゲルを作成す
る。
【0014】前記工程(a−1)で用いられるガラクト
マンナン又はその誘導体は、三価以上の多価金属イオン
と架橋できるものであれば特に限定されるものではな
い。例えば、ローカストビーンガム、グアガム及びこれ
らの誘導体が挙げられる。これらは単独で三価以上の多
価金属イオンと架橋させてもよいが、他のガラクトマン
ナン又はその誘導体を混合してから架橋させてもよい。
このようなガラクトマンナン又はその誘導体としては、
カルボキシルメチルガラクトマンナン、カルボキシメチ
ルヒドロキシプロピルガラクトマンナンやヒドロキシプ
ロピルガラクトマンナン、ヒドロキシエチルガラクトマ
ンナンなどのガラクトマンナンエーテル化誘導体、酢酸
ガラクトマンナン、リン酸ガラクトマンナンなどのガラ
クトマンナンエステル化誘導体が挙げられる。ガラクト
マンナン又はその誘導体の分子量は1万以上が好まし
く、より好ましくは5万以上である。分子量が1万以下
の場合は多価金属イオンで架橋してもゲルを形成しない
ので不適当である。
【0015】本工程で用いることができる有機溶媒は生
分解性を有し、脱色効果の高い有機溶媒が好ましい。例
えばメタノールやエタノール、イソプロピルアルコール
のような炭素数1〜8個の一価のアルコール類、アセト
ンなどの炭素数3〜6個のケトン類、N−メチル−2−
ピロリドンなどのピロリドンまたはその誘導体が挙げら
れるが、黄色成分の除去効果が高く、人体や環境に対す
る安全性が高く、且つ揮発性が高い点で、イソプロピル
アルコールやN−メチル−2−ピロリドンが特に好まし
い。また本工程で用いる有機溶媒が親水性有機溶媒の場
合は、含水させた方が無水の溶媒よりも好適である。有
機溶媒の含水率は50質量%以下が好ましく、5〜30
質量%が特に好ましい。含水率が50質量%を超えると
ガラクトマンナン又はその誘導体粉末が溶媒中の水によ
って膨潤しはじめ、固液分離や乾燥が困難になるので望
ましくない。逆に含水率が5%未満ではガラクトマンナ
ン又はその誘導体粉末の構造中に含水溶媒が浸透してい
かず、結果として着色成分が除去され難い。
【0016】ガラクトマンナン又はその誘導体の粉末と
有機溶媒との混合比率は特に限定されるものではないが
質量比でガラクトマンナン又はその誘導体:有機溶媒は
1:100〜7:3が好ましく、3:7〜5:5が特に
好ましい。1:100未満では脱色工程後の粉末再乾燥
に必要なエネルギーが膨大であり、7:3を超えるとゲ
ル同士が付着しあい、着色成分の除去効率が極度に悪化
する。またガラクトマンナン又はその誘導体粉末を溶媒
中に浸漬する時間は1分以上が好ましく、10分以上が
特に好ましい。
【0017】ガラクトマンナン又はその誘導体粉末と有
機溶媒との固液分離方法は特に限定されるものではな
く、公知の分離方法、例えば遠心分離法やデカンテーシ
ョン法、ろ紙や布によるろ別法などを用いることができ
る。また固体相の乾燥法は特に限定しないが流動床式乾
燥法、真空乾燥法、熱風乾燥法などを用いればよい。沸
点が100℃以上である揮発性の低い有機溶媒を使用し
た場合は、沸点が100℃以下である揮発性の高い溶媒
で置換してから乾燥することが好ましい。
【0018】前記工程(b−1)における脱色済みガラ
クトマンナン又はその誘導体粉末の水への膨潤濃度は、
ガラクトマンナン又はその誘導体が水に均一に膨潤が可
能で三価以上多価金属イオンとの架橋時にゲルが容易に
作成できる濃度であれば特に限定されるものではない
が、好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは
0.5〜3質量%である。またこの時の膨潤温度はガラ
クトマンナン又はその誘導体が膨潤でき、熱分解により
分子量の低下を招かない温度であれば特に限定されるも
のではないが、好ましくは5〜80℃、さらに好ましく
は20〜60℃である。
【0019】本発明の前記工程(c−1)に用いる架橋
剤は、ガラクトマンナン又はその誘導体と架橋すること
ができる三価以上の多価金属イオンを含むことが必要で
ある。ガラクトマンナン又はその誘導体ゲルの乾燥物を
吸水材として用いる場合、三価以上の多価金属イオンと
してはホウ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、
イットリウム、セリウムなどが挙げられるが、安価で安
全性が高いことからホウ素、チタン、ジルコニウムが最
も好ましい。ホウ素、チタン、ジルコニウムイオンの形
態としては特に限定しないが、チタンに関しては水溶液
でのpHが中性付近であり、安定性が高いことからアル
コキシド化合物が好ましく、ホウ素に関しては安価なこ
とから四ホウ酸ナトリウムが好ましい。チタンのアルコ
キシド化合物としては、デュポン社の製品にTyzor131、
TyzorTE(チタニウムIV トリエタノールアミネート
イソプロポキシド)、TyzorAA(チタニウムIV ジイソ
プロポキシド ビスアセチルアミネート)、TyzorGBA、
TyzorTOT(チタニウムIVテトラ−2−エチルヘキソキシ
ド)、TyzorTPT(チタニウムIV テトライソプロポキシ
ド)、ニッソー社の製品にTAT(チタニウムIV ジ−n
−ブトキシ ビストリエタノールアミネート)、TOG
(チタニウムIV イソプロポキシオクチレングリコレー
ト)、三菱ガス化学社製のTEAT(チタニウムIV ビ
ストリエタノールアミネート ジイソプロポキシド)、
TAA(チタニウムIV ビスアセチルアセトネート ジ
イソプロポキシド)などが挙げられる。ジルコニウムに
関してはアルコキシド化合物は非常に高価なので酢酸ジ
ルコニルやオキシ塩化ジルコニルが好ましい。これらは
使用する溶媒やpHなどの条件によって安定性が異なる
ので適宜選択すればよい。
【0020】本発明に用いられる架橋剤は少なくとも三
価以上の多価金属イオンを含むことが必要であるが、乾
燥物を吸水材として利用する場合、吸水性能の低下や新
たな着色成分の発生を招かなければ他の架橋剤、例えば
グルタルアルデヒド、グリオキサールなどのアルデヒド
化合物、エチレンジアミン、ポリアミドレジンなどのア
ミン化合物、2,2-ビスヒドロキシメチルブタノールトリ
[3-(1-アジリジン)]プロピオン酸などのアジリジン化合
物、トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソ
シアナート、トルエンジイソシアナートなどのイソシア
ナート化合物、グリセロール、プロピレングリコール、
エチレングリコールなどの多価アルコール、エピクロル
ヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、
ジエチレングリコールジグリシジルエーテルなどのエポ
キシ化合物などと混合して用いることも可能である。
【0021】また架橋剤を添加することによってゲルの
pHが変化するが、ゲルの最終的なpHは5〜10が好
ましく、6〜9がさらに好ましい。このためpHがこの
範囲外にある場合は、適宜水酸化ナトリウムや塩酸など
を添加してゲルpHを調製すればよい。特にガラクトマ
ンナン又はその誘導体は強酸の存在下で加水分解されて
低分子化するため、酸性の架橋剤液を用いる場合は架橋
剤添加と同時或いは直後にpH調製を行う必要がある。
またこのような架橋剤を用いる場合は、加水分解反応速
度を遅くするためにできるだけガラクトマンナン又はそ
の誘導体ゾルを冷却してから添加したほうがよい。冷却
温度は1〜10℃の範囲である。場合によっては、架橋
後のゲルを回転刃付きのブレンダーなどで破砕し、ゲル
粒子表面を再度、架橋剤で架橋することも可能である。
この場合に用いる架橋剤としては前述の三価以上の多価
金属イオンが好ましい。
【0022】このようにして得たガラクトマンナン又は
その誘導体ゲルの乾燥物を吸水材として利用しようとす
る場合には公知の乾燥方法を用いればよく、特に限定し
ない。ゲルを乾燥する方法としては、乾燥後の吸水能、
吸水速度、吸水後のゲル強度を低下させるような方法で
なければいかなる乾燥方法でも限定されるものではない
が、例えば常温乾燥、加熱乾燥や凍結乾燥、減圧乾燥、
真空乾燥などの方法のほかに、ゲル中の水分を炭素数1
〜5個の一価のアルコール類(メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコールなど)や炭素数3〜6個の
ケトン(アセトンなど)、又はこれらの混合液のような
吸湿性、揮発性の無水親水性有機溶媒に置換してから乾
燥する方法があるが、好ましくは30〜50℃での加熱
乾燥又は凍結乾燥である。
【0023】方法−では(a−2)ガラクトマンナン
又はその誘導体粉末に水を供給して水和、膨潤させゾル
液を作成すること、(b−2)前記ガラクトマンナン又
はその誘導体ゾル液に三価以上の多価金属イオンを添加
して架橋ゲルを形成させること、(c−2)前記ガラク
トマンナン又はその誘導体ゲルと有機溶媒と共に破砕す
ることにより、脱色ガラクトマンナン又はその誘導体ゲ
ルを作成する。
【0024】前記工程(a−2)においては、脱色処理
していないガラクトマンナン又はその誘導体粉末を用い
る以外は前記工程(b−1)と同様である。前記工程
(b−2)においては、膨潤させたガラクトマンナン又
はその誘導体ゾルを架橋してガラクトマンナン又はその
誘導体ゲルを得る工程であり、前記工程(c−1)と同
様である。前記工程(c−2)においては、作成したガ
ラクトマンナン又はその誘導体ゲルを有機溶媒と共に破
砕すればよく、このときの用いられる有機溶媒は前記工
程(a−1)で用いたものがよい。また本工程では含水
した溶媒よりも無水の溶媒を用いることが好ましい。ゲ
ルと溶媒の混合比率は質量比でゲル:有機溶媒が1:1
0〜10:1が好ましく、3:7〜7:3が好ましい。
1:10未満では溶媒が過剰でコストが高くなり、1
0:1を超えると脱色効率が極度に悪化する。破砕後の
ゲルの粒径は特に限定されないが、乾燥物を吸水材とし
て使用する場合は0.5〜2mmが好ましい。ゲルの破
砕に伴ってゲル中の着色成分が溶媒中に抽出されるの
で、破砕後にゲル粒子と溶媒の混合液を好ましくは1分
〜3時間、さらに好ましくは10〜30分間放置する。
放置後、これらを固液分離したり、或いは乾燥するが分
離方法や乾燥方法は前記工程(c−1)で記述した方法
でよい。
【0025】上記のような方法でガラクトマンナン又は
その誘導体、或いはガラクトマンナン架橋ゲルから脱色
された着色成分は有機溶媒中に抽出されるが、回収され
た着色成分を含む使用済み有機溶媒をエバポレーターな
どの分蒸留装置によって再度利用可能な有機溶媒と水性
廃液に分留することが可能である。回収された有機溶媒
は必要に応じて含水させたり、そのまま本脱色工程に用
いることができる。水性廃液中の着色成分は公知の廃水
脱色方法、例えば微生物分解法、オゾン処理法、過塩素
酸処理法、活性炭吸着処理法などの方法により除去、分
解が可能である。
【0026】
【実施例】以下実施例によって本発明をより具体的に説
明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。なお、黄色度の評価方法として、目視による官能試
験と、色差計(日本電色工業:Z−Σ90 カラーメジ
ャーリングシステム)によるイエローインデックス値測
定を同時に行った。
【0027】実施例1〜9、比較例1 グアガム(大日本製薬社製 PF-20:黄色度21.5)
4gを50℃に加温した純水200ml(固形分濃度2
質量%)に攪拌しながら添加し、溶解・膨潤させゾル液
を作成した。1時間膨潤後、そのゾル液200mlにT
EAT(三菱ガス化学社製:チタニウムIVビストリエタ
ノールアミネートジイソプロポキシド)溶液を最終的な
チタン含有量がグアガム質量1kg当たり15ミリモ
ル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム十水和物水溶液を最
終的なホウ素含有量が500ミリモルになるようにそれ
ぞれ添加し、ブレンダーで破砕混合しながら充分に架橋
させた。これらのゲルのpHは9.0±0.1になるよ
う調製した。このゲル100gを含水率が0、10、3
0質量%のイソプロピルアルコール30、50、100
gと混合し、刃付きブレンダーによりゲルを破砕し、次
いでTEATをこの混合懸濁液中にチタン含量が85ミ
リモルになるように添加し、10分間静置したあと濾過
分別した。固形分を各溶媒で洗浄したあと、30℃にて
乾燥し、粒子状乾燥物を得た。なお、脱色未処理のもの
に関しては有機溶媒の替わりに脱イオン水を用いて破砕
し、同様の方法で乾燥物を得た(比較例1)。表1にゲ
ル100gに対する無水又は含水イソプロピルアルコー
ル添加量と乾燥物の黄色度評価を示した。
【0028】
【表1】
【0029】実施例10〜18、比較例2 グアガム粉末10gを含水率が0、10、30質量%の
イソプロピルアルコール20、50、100gと混合
し、30分間放置後、濾過分別した。回収したグアガム
を乾燥し、脱色グアガム粉末を得た。この粉末を用いて
実施例1と同様にゾル化、架橋した後、ゲルを同質量の
エタノールと混合してブレンダーで破砕、濾過、洗浄、
乾燥して粒子状乾燥物を得た。なお、脱色未処理のもの
に関しては有機溶媒の替わりに脱イオン水を用いて破砕
し、同様の方法で乾燥物を得た(比較例2)。表2に粉
末10gに対する無水又は含水イソプロピルアルコール
添加量と乾燥物の黄色度評価を示した。
【0030】
【表2】
【0031】実施例19〜26、比較例3〜9 実施例1で用いたイソプロピルアルコールの替わりに、
無水のメタノール、エタノール、n-ブタノール、n-ヘキ
サノール、n-オクタノール、アセトン、N−メチル−2
−ピロリドン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ヘキサン、キシレン、
ジクロロメタンをゲルと等質量混合し、ブレンダーで破
砕、濾過、洗浄、乾燥して粒子状乾燥物を得た。表3に
各種無水有機溶媒と乾燥物の黄色度評価を示した。
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】本発明のガラクトマンナン又はその誘導
体と多価金属イオンから成る黄色着色成分が除去された
架橋ゲルを乾燥することにより、清潔感、爽快感の高い
乾燥物を得ることできる。またその脱色方法は非常に簡
便、安全、安価であり容易に工業化可能である。このよ
うにして得た乾燥物を生分解性吸水材、ハップ材、人工
雪などに好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 里子 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内 Fターム(参考) 4C090 AA03 BA70 BB05 BB13 BB14 BB32 BB37 BB52 CA11 DA29 4D056 AB11 AB20 AC06 AC08 AC11 AC18 BA03 CA28 CA39 4F070 AA01 AB01 AC36 BB01 4G066 AA02D AC01A AC01B AE05A AE05B AE06A AE06B BA09 CA43 DA11 EA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラクトマンナン又はその誘導体乾燥粉
    末を水に膨潤させ、架橋剤と反応させるガラクトマンナ
    ン又はその誘導体架橋ゲルの製造において、前記ガラク
    トマンナン又はその誘導体乾燥粉末として、有機溶媒に
    浸漬した後、固液分離し、乾燥させた粉末を用いること
    を特徴とするガラクトマンナン又はその誘導体架橋ゲル
    の着色成分除去方法。
  2. 【請求項2】 ガラクトマンナン又はその誘導体乾燥粉
    末を水に膨潤させ、架橋剤と反応させるガラクトマンナ
    ン又はその誘導体架橋ゲルの製造において、前記ガラク
    トマンナン又はその誘導体架橋ゲルを有機溶媒と共に破
    砕し、固液分離することを特徴とするガラクトマンナン
    又はその誘導体架橋ゲルの着色成分除去方法。
  3. 【請求項3】 ガラクトマンナン又はその誘導体と架橋
    剤から成るゲルの乾燥物の黄色度が35以下であること
    を特徴とする請求項1または2記載の着色成分除去方
    法。
  4. 【請求項4】 架橋剤がホウ素イオン、チタンイオン、
    ジルコニウムイオン、アルミニウムイオン、セリウムイ
    オン、イットリウムイオンから成る三価以上の多価金属
    イオンから選ばれる1種以上であることを特徴とする請
    求項1から3のいずれかに記載の着色成分除去方法。
  5. 【請求項5】 有機溶媒が炭素数1〜8個の一価のアル
    コール類、炭素数3〜6個のケトン類、ピロリドン類ま
    たはその誘導体から選ばれる1種以上であることを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載の着色成分除去
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012516936A (ja) * 2009-02-05 2012-07-26 アルコン リサーチ, リミテッド グアールを精製するためのプロセス
EP2307470A4 (en) * 2008-07-30 2013-04-03 Rhodia Operations METHODS FOR PRODUCING RETICULATED POLYSACCHARIDE PARTICLES

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