JP2001226525A - 吸水剤及びその製造方法 - Google Patents
吸水剤及びその製造方法Info
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- JP2001226525A JP2001226525A JP2000038005A JP2000038005A JP2001226525A JP 2001226525 A JP2001226525 A JP 2001226525A JP 2000038005 A JP2000038005 A JP 2000038005A JP 2000038005 A JP2000038005 A JP 2000038005A JP 2001226525 A JP2001226525 A JP 2001226525A
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 生分解性を有し、高いゲル強度と優れた塩化
ナトリウム水溶液吸水能を有する吸水剤及びその製造方
法を提供する。 【解決方法】 ガラクトマンナン及びその誘導体と多価
金属イオンから成り、吸水剤粒子の表面と内部の架橋程
度が異なる不均一性を有し、脱イオン水の吸水量及び5
重量%以下の塩化ナトリウム水溶液の吸水量がいずれも
自重の20倍以上であることを特徴とする吸水剤。
ナトリウム水溶液吸水能を有する吸水剤及びその製造方
法を提供する。 【解決方法】 ガラクトマンナン及びその誘導体と多価
金属イオンから成り、吸水剤粒子の表面と内部の架橋程
度が異なる不均一性を有し、脱イオン水の吸水量及び5
重量%以下の塩化ナトリウム水溶液の吸水量がいずれも
自重の20倍以上であることを特徴とする吸水剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、紙おむつ
(使い捨てオムツ)や生理用ナプキン、失禁パットなど
の衛生材料に好適に用いられる、吸水性ポリマー組成物
に関する。詳しくは本発明は生分解性の高いガラクトマ
ンナン及びその誘導体とチタン及びホウ素イオンから成
る吸水剤及びその製造方法に関するものである。さらに
詳しくは、優れた塩化ナトリウム水溶液吸水能を有し、
廃棄時には容易に分解しやすい吸水剤及びそれらの製造
方法に関する。
(使い捨てオムツ)や生理用ナプキン、失禁パットなど
の衛生材料に好適に用いられる、吸水性ポリマー組成物
に関する。詳しくは本発明は生分解性の高いガラクトマ
ンナン及びその誘導体とチタン及びホウ素イオンから成
る吸水剤及びその製造方法に関するものである。さらに
詳しくは、優れた塩化ナトリウム水溶液吸水能を有し、
廃棄時には容易に分解しやすい吸水剤及びそれらの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】[吸水性樹脂の技術的背景]吸水性樹脂
は、自重の数十倍から数千倍の水を吸収できる樹脂であ
り、生理用品、紙おむつ、母乳パット、使い捨て雑巾等
の衛生用品、創傷保護用ドレッシング材、医療用アンダ
ーパット、パップ剤等の医療用品、ペット用シート、携
帯用トイレ、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤、吸汗性繊維、使
い捨てカイロ等の生活用品、シャンプー、セット用ジェ
ル剤、保湿剤等のトイレタリー用品、農・園芸用の保水
材、切り花の延命剤、フローラルフォーム(切り花の固
定化材)、育苗用苗床、水耕栽培、植生シート、種子テ
ープ、流体播種、結露防止用農業用シート等の農・園芸
用品、食品用トレー用鮮度保持材、ドリップ吸収性シー
ト等の食品包装材、保冷材、生鮮野菜運搬用吸水性シー
ト等の運搬用資材、結露防止用建築材料、土木・建築用
のシーリング材、シールド工法の逸泥防止剤、コンクリ
ート混和剤、ガスケット・パッキング等の土木建築資
材、光ファイバー等の電子機器のシール材、通信ケーブ
ル用止水材、インクジェット用記録紙等の電気機器関連
資材、汚泥の凝固剤、ガソリン、油類の脱水、水分除去
剤等の水処理剤、捺染用のり、水膨潤性玩具、人工雪等
の幅広い分野に使用されている。また、その薬品徐放性
を利用して、徐放性肥料、徐放性農薬、徐放性薬剤等の
用途にも期待されている。さらにその親水性を利用して
湿度調整材、電荷保持性を利用して帯電防止剤等への使
用も期待される。
は、自重の数十倍から数千倍の水を吸収できる樹脂であ
り、生理用品、紙おむつ、母乳パット、使い捨て雑巾等
の衛生用品、創傷保護用ドレッシング材、医療用アンダ
ーパット、パップ剤等の医療用品、ペット用シート、携
帯用トイレ、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤、吸汗性繊維、使
い捨てカイロ等の生活用品、シャンプー、セット用ジェ
ル剤、保湿剤等のトイレタリー用品、農・園芸用の保水
材、切り花の延命剤、フローラルフォーム(切り花の固
定化材)、育苗用苗床、水耕栽培、植生シート、種子テ
ープ、流体播種、結露防止用農業用シート等の農・園芸
用品、食品用トレー用鮮度保持材、ドリップ吸収性シー
ト等の食品包装材、保冷材、生鮮野菜運搬用吸水性シー
ト等の運搬用資材、結露防止用建築材料、土木・建築用
のシーリング材、シールド工法の逸泥防止剤、コンクリ
ート混和剤、ガスケット・パッキング等の土木建築資
材、光ファイバー等の電子機器のシール材、通信ケーブ
ル用止水材、インクジェット用記録紙等の電気機器関連
資材、汚泥の凝固剤、ガソリン、油類の脱水、水分除去
剤等の水処理剤、捺染用のり、水膨潤性玩具、人工雪等
の幅広い分野に使用されている。また、その薬品徐放性
を利用して、徐放性肥料、徐放性農薬、徐放性薬剤等の
用途にも期待されている。さらにその親水性を利用して
湿度調整材、電荷保持性を利用して帯電防止剤等への使
用も期待される。
【0003】[吸水性樹脂に関する先行技術]このよう
な用途に使用されている吸水性樹脂としては、例えば、
架橋ポリアクリル酸部分中和物(特開昭55−8430
4号、米国特許4625001号)、澱粉−アクリロニ
トリル共重合体の部分加水分解物(特開昭46−439
95号)、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体(特開昭
51−125468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エス
テル共重合体の加水分解物(特開昭52−14689
号)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸とアクリル酸の共重合架橋物(欧州特許00681
89号)、カチオン性モノマーの架橋体(米国特許49
06717号)、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共
重合体(米国特許4389513号)などが知られてい
る。
な用途に使用されている吸水性樹脂としては、例えば、
架橋ポリアクリル酸部分中和物(特開昭55−8430
4号、米国特許4625001号)、澱粉−アクリロニ
トリル共重合体の部分加水分解物(特開昭46−439
95号)、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体(特開昭
51−125468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エス
テル共重合体の加水分解物(特開昭52−14689
号)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸とアクリル酸の共重合架橋物(欧州特許00681
89号)、カチオン性モノマーの架橋体(米国特許49
06717号)、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共
重合体(米国特許4389513号)などが知られてい
る。
【0004】ところがこれらの吸水性樹脂組成物は分解
性を有しないため、使用後の廃棄が問題である。現状と
しては、これらの吸水性樹脂は、廃棄時には焼却処理す
る方法と埋め立てする方法が行われているが、焼却炉で
処理する方法では、焼却時に発生する熱による炉材の損
傷のほかに、地球の温暖化や酸性雨の原因となることが
指摘されている。さらに、含水率の高い使用済み紙おむ
つなどを焼却する場合、焼却炉への投入時に炉内燃焼温
度が低下し、炉材の劣化やダイオキシンが発生し易い燃
焼雰囲気となるために後段での排ガス処理設備への負担
が大きくなり、またより性能の高い排ガス処理設備が必
要とされる。埋め立て処理する方法では、プラスチック
は容積がかさばる、腐らないため地盤が安定しない等の
問題があるうえ、埋め立てに適した場所がなくなってき
たことが大きな問題となっている。すなわち、これらの
樹脂は分解性に乏しく、水中や土壌中では半永久的に存
在するので、廃棄物処理における環境保全を考えると非
常に重大な問題である。
性を有しないため、使用後の廃棄が問題である。現状と
しては、これらの吸水性樹脂は、廃棄時には焼却処理す
る方法と埋め立てする方法が行われているが、焼却炉で
処理する方法では、焼却時に発生する熱による炉材の損
傷のほかに、地球の温暖化や酸性雨の原因となることが
指摘されている。さらに、含水率の高い使用済み紙おむ
つなどを焼却する場合、焼却炉への投入時に炉内燃焼温
度が低下し、炉材の劣化やダイオキシンが発生し易い燃
焼雰囲気となるために後段での排ガス処理設備への負担
が大きくなり、またより性能の高い排ガス処理設備が必
要とされる。埋め立て処理する方法では、プラスチック
は容積がかさばる、腐らないため地盤が安定しない等の
問題があるうえ、埋め立てに適した場所がなくなってき
たことが大きな問題となっている。すなわち、これらの
樹脂は分解性に乏しく、水中や土壌中では半永久的に存
在するので、廃棄物処理における環境保全を考えると非
常に重大な問題である。
【0005】[生分解性を有する吸水性樹脂の技術的背
景]一方、近年、「地球にやさしい素材」として生分解
性ポリマーが注目されており、これを吸水性樹脂として
使用することも提案されている。このような用途に使用
されている生分解性を有する吸水性樹脂としては、例え
ばポリエチレンオキシド架橋体(特開平6−15779
5号等)、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメ
チルセルロース架橋体(米国特許4650716号)、
アルギン酸架橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体な
どが知られている。
景]一方、近年、「地球にやさしい素材」として生分解
性ポリマーが注目されており、これを吸水性樹脂として
使用することも提案されている。このような用途に使用
されている生分解性を有する吸水性樹脂としては、例え
ばポリエチレンオキシド架橋体(特開平6−15779
5号等)、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメ
チルセルロース架橋体(米国特許4650716号)、
アルギン酸架橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体な
どが知られている。
【0006】現在市販されている吸水性樹脂は生分解性
を有しないポリアクリル酸系のものが主流であり、その
吸水剤の脱イオン水吸水能は数百倍から千倍と非常に優
れている。しかしながら、これらの吸水剤の塩化ナトリ
ウム水溶液吸水能、例えば生理食塩水(0.9重量%塩化
ナトリウム水)吸水能はカタログなどの数値から引用す
ると50〜75g/g程度しかなく、脱イオン水吸水能
の1/5〜1/10程度しかないものがほとんどであ
る。さらに塩化ナトリウム濃度の高い水溶液、例えば海
水に対しては20〜25g/g程度の吸水能しか有しな
い。
を有しないポリアクリル酸系のものが主流であり、その
吸水剤の脱イオン水吸水能は数百倍から千倍と非常に優
れている。しかしながら、これらの吸水剤の塩化ナトリ
ウム水溶液吸水能、例えば生理食塩水(0.9重量%塩化
ナトリウム水)吸水能はカタログなどの数値から引用す
ると50〜75g/g程度しかなく、脱イオン水吸水能
の1/5〜1/10程度しかないものがほとんどであ
る。さらに塩化ナトリウム濃度の高い水溶液、例えば海
水に対しては20〜25g/g程度の吸水能しか有しな
い。
【0007】多糖類と多価金属イオンから成る吸水剤と
してはガラクトマンナンとチタン又はジルコニウムから
成る吸水剤(米国特許5532350号)やcis-1,2-ジオール
を含む多糖類とホウ酸ナトリウムから成る吸水剤(米国
特許4333461号)がある。
してはガラクトマンナンとチタン又はジルコニウムから
成る吸水剤(米国特許5532350号)やcis-1,2-ジオール
を含む多糖類とホウ酸ナトリウムから成る吸水剤(米国
特許4333461号)がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら米国特許
5532350号では実施例としてカルボキシメチル化ガラク
トマンナンとチタン或いはジルコニウム又は両イオンに
よる内部架橋によって生理食塩水吸水量を自重の30〜
50倍程度吸水する能力有することは開示されているも
のの、これらのゲルは表面架橋処理を施されておらず、
このためゲル強度が弱いので実用化できるようなもので
はなかった。
5532350号では実施例としてカルボキシメチル化ガラク
トマンナンとチタン或いはジルコニウム又は両イオンに
よる内部架橋によって生理食塩水吸水量を自重の30〜
50倍程度吸水する能力有することは開示されているも
のの、これらのゲルは表面架橋処理を施されておらず、
このためゲル強度が弱いので実用化できるようなもので
はなかった。
【0009】また米国特許4333461号においてはガラク
トマンナンとホウ酸ナトリウムから成る吸水剤を作成し
生理食塩水吸水能を測定している。発明者らも実施例に
基づいてガラクトマンナンをホウ素で内部架橋した吸水
剤を作成し吸水能を測定したところ、生理食塩水吸水能
は50〜70倍有しているものの、表面架橋処理を施さ
れていないためにゲル強度が非常に弱く、不織布やナイ
ロンバッグからゲル漏れが生じ、実用化できるようなも
のではなかった。さらにこれらの特許では生理食塩水
(0.9重量%塩化ナトリウム水)吸水能について述べて
いるものの、0.9重量%以上の濃度の塩化ナトリウム水
溶液吸水能については全く検討されていない。
トマンナンとホウ酸ナトリウムから成る吸水剤を作成し
生理食塩水吸水能を測定している。発明者らも実施例に
基づいてガラクトマンナンをホウ素で内部架橋した吸水
剤を作成し吸水能を測定したところ、生理食塩水吸水能
は50〜70倍有しているものの、表面架橋処理を施さ
れていないためにゲル強度が非常に弱く、不織布やナイ
ロンバッグからゲル漏れが生じ、実用化できるようなも
のではなかった。さらにこれらの特許では生理食塩水
(0.9重量%塩化ナトリウム水)吸水能について述べて
いるものの、0.9重量%以上の濃度の塩化ナトリウム水
溶液吸水能については全く検討されていない。
【0010】また市販のアクリル酸系吸水剤を多価アル
コールやエポキシ化合物などで表面架橋した吸水剤も特
開昭58−180233や特開昭60−255814、
特公平6−74331、特開平8−217909、特開
平9−124710に見ることが出来るが、これらは環
境負荷の高い化合物を使用しており、またその吸水剤は
生分解性を有していない。米国特許4043952号において
はカルボキシル基や硫酸基のようなアニオン性基を有す
るセルロース誘導体やデンプン誘導体、カラギーナンな
どの多糖類粉末を多価金属イオンで表面架橋して吸水剤
を得る方法が記載されているが、この様な方法で得られ
た吸水剤は多糖類粉末の内部まで架橋されていないの
で、吸水後にゲル内部から未架橋の多糖類ゾルが漏れ出
し実用化できるものではなかった。
コールやエポキシ化合物などで表面架橋した吸水剤も特
開昭58−180233や特開昭60−255814、
特公平6−74331、特開平8−217909、特開
平9−124710に見ることが出来るが、これらは環
境負荷の高い化合物を使用しており、またその吸水剤は
生分解性を有していない。米国特許4043952号において
はカルボキシル基や硫酸基のようなアニオン性基を有す
るセルロース誘導体やデンプン誘導体、カラギーナンな
どの多糖類粉末を多価金属イオンで表面架橋して吸水剤
を得る方法が記載されているが、この様な方法で得られ
た吸水剤は多糖類粉末の内部まで架橋されていないの
で、吸水後にゲル内部から未架橋の多糖類ゾルが漏れ出
し実用化できるものではなかった。
【0011】本発明の目的は、上記のような従来の問題
点を解決し、生分解性を有し、高いゲル強度と優れた塩
化ナトリウム水溶液吸水能を有する吸水剤を提供するこ
とにある。
点を解決し、生分解性を有し、高いゲル強度と優れた塩
化ナトリウム水溶液吸水能を有する吸水剤を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、ガラクトマンナン及びその誘導体を多価金属
イオンでで架橋(内部架橋)したゲルを親水性溶媒中で
破砕し、その破砕液に再度多価金属イオンを添加して破
砕ゲル粒子の表面近傍(表面架橋)を架橋したのち、乾
燥することにより作成された吸水剤がガラクトマンナン
及びその誘導体と多価金属イオンで均一に内部架橋した
のみのゲルを乾燥した吸水剤よりもゲル強度が改善され
ること、及びこれらの吸水剤が5重量%の塩化ナトリウ
ム水溶液に対して脱イオン水とほとんど変わらない自重
の20倍以上の高い吸水能を有することを見出し本発明を
完成するに至った。即ち本発明においては、ガラクトマ
ンナン及びその誘導体と多価金属から成る吸水剤が脱イ
オン水又は5重量%の塩化ナトリウム水溶液を自重の2
0倍以上吸水することが可能で、吸水後のゲル強度も不
織布やナイロンバッグからゲルが漏れない程度に強くな
ること、及びその吸水剤が被吸水液の塩化ナトリウム濃
度に影響を受け難く安定した吸水能を有することを見出
し、本発明を完成するに至った。なお本発明における塩
化ナトリウム水溶液とは塩化ナトリウムのみが溶解され
た水溶液だけでなく、他の電解質(塩化カリウムや硫酸
マグネシウムなど)が塩化ナトリウムと共に溶解してい
る水溶液も示すものとする。
した結果、ガラクトマンナン及びその誘導体を多価金属
イオンでで架橋(内部架橋)したゲルを親水性溶媒中で
破砕し、その破砕液に再度多価金属イオンを添加して破
砕ゲル粒子の表面近傍(表面架橋)を架橋したのち、乾
燥することにより作成された吸水剤がガラクトマンナン
及びその誘導体と多価金属イオンで均一に内部架橋した
のみのゲルを乾燥した吸水剤よりもゲル強度が改善され
ること、及びこれらの吸水剤が5重量%の塩化ナトリウ
ム水溶液に対して脱イオン水とほとんど変わらない自重
の20倍以上の高い吸水能を有することを見出し本発明を
完成するに至った。即ち本発明においては、ガラクトマ
ンナン及びその誘導体と多価金属から成る吸水剤が脱イ
オン水又は5重量%の塩化ナトリウム水溶液を自重の2
0倍以上吸水することが可能で、吸水後のゲル強度も不
織布やナイロンバッグからゲルが漏れない程度に強くな
ること、及びその吸水剤が被吸水液の塩化ナトリウム濃
度に影響を受け難く安定した吸水能を有することを見出
し、本発明を完成するに至った。なお本発明における塩
化ナトリウム水溶液とは塩化ナトリウムのみが溶解され
た水溶液だけでなく、他の電解質(塩化カリウムや硫酸
マグネシウムなど)が塩化ナトリウムと共に溶解してい
る水溶液も示すものとする。
【0013】すなわち、本発明の第一は、ガラクトマン
ナン及びその誘導体と多価金属イオンから成り、吸水剤
粒子の表面と内部の架橋程度が異なる不均一性を有し、
脱イオン水の吸水量及び5重量%以下の塩化ナトリウム
水溶液の吸水量がいずれも自重の20倍以上であること
を特徴とする吸水剤を要旨とするものである。また本発
明の第二は、ガラクトマンナン及びその誘導体を水中で
溶解、膨潤後、多価金属イオンを添加してガラクトマン
ナン及びその誘導体ゾルを内部架橋させてヒドロゲルを
形成し、得られたヒドロゲルを親水性溶媒中で破砕し、
その破砕液に多価金属イオンを添加して再度ゲル粒子の
表面近傍を架橋した後に乾燥させることにより上記の吸
水剤を得ることを特徴とする吸水剤の製造方法を要旨と
するものである。
ナン及びその誘導体と多価金属イオンから成り、吸水剤
粒子の表面と内部の架橋程度が異なる不均一性を有し、
脱イオン水の吸水量及び5重量%以下の塩化ナトリウム
水溶液の吸水量がいずれも自重の20倍以上であること
を特徴とする吸水剤を要旨とするものである。また本発
明の第二は、ガラクトマンナン及びその誘導体を水中で
溶解、膨潤後、多価金属イオンを添加してガラクトマン
ナン及びその誘導体ゾルを内部架橋させてヒドロゲルを
形成し、得られたヒドロゲルを親水性溶媒中で破砕し、
その破砕液に多価金属イオンを添加して再度ゲル粒子の
表面近傍を架橋した後に乾燥させることにより上記の吸
水剤を得ることを特徴とする吸水剤の製造方法を要旨と
するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の吸水剤の製造方法は、
(a)水にガラクトマンナン及びその誘導体を供給して
溶解、膨潤すること、(b)前記ガラクトマンナン及び
その誘導体溶液に1種以上の多価金属イオンを添加して
架橋ゲル体を形成させること、(c)前記ゲルと親水性
溶媒を混合し、ゲル体を機械的に破砕してゲル粒子懸濁
液を得ること、(d)前記ゲル粒子懸濁液に多価金属イ
オンを添加し、その表面近傍を架橋すること、(e)前
記表面架橋したゲル粒子を回収、洗浄し、乾燥するこ
と、の各工程からなるものである。
(a)水にガラクトマンナン及びその誘導体を供給して
溶解、膨潤すること、(b)前記ガラクトマンナン及び
その誘導体溶液に1種以上の多価金属イオンを添加して
架橋ゲル体を形成させること、(c)前記ゲルと親水性
溶媒を混合し、ゲル体を機械的に破砕してゲル粒子懸濁
液を得ること、(d)前記ゲル粒子懸濁液に多価金属イ
オンを添加し、その表面近傍を架橋すること、(e)前
記表面架橋したゲル粒子を回収、洗浄し、乾燥するこ
と、の各工程からなるものである。
【0015】前記工程(a)で用いられるガラクトマン
ナン及びその誘導体は多価金属と架橋でき、その架橋処
理乾燥物が自重の20倍以上の塩化ナトリウム水溶液を
吸水する能力を有するものであれば特に限定されるもの
ではない。例えば、ガラクトマンナン(ローカストビー
ンガム、グアガム)、カルボキシルメチルガラクトマン
ナン、カルボキシメチルヒドロキシプロピルガラクトマ
ンナンなどのグループから選ばれる1種以上のガラクト
マンナン及びその誘導体が挙げられるが、好ましくはガ
ラクトマンナンである。また本発明である吸水量及び生
分解性を妨げない範囲において、他の溶解性多糖類であ
るグルコマンナン、プルラン、カラギーナン、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ア
ラビアガム、カッシアガム、アルギン酸ナトリウム、ペ
クチンなどを添加しても良い。添加量は主成分であるガ
ラクトマンナン及びその誘導体に対して0.1〜30重
量%が好ましい。
ナン及びその誘導体は多価金属と架橋でき、その架橋処
理乾燥物が自重の20倍以上の塩化ナトリウム水溶液を
吸水する能力を有するものであれば特に限定されるもの
ではない。例えば、ガラクトマンナン(ローカストビー
ンガム、グアガム)、カルボキシルメチルガラクトマン
ナン、カルボキシメチルヒドロキシプロピルガラクトマ
ンナンなどのグループから選ばれる1種以上のガラクト
マンナン及びその誘導体が挙げられるが、好ましくはガ
ラクトマンナンである。また本発明である吸水量及び生
分解性を妨げない範囲において、他の溶解性多糖類であ
るグルコマンナン、プルラン、カラギーナン、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ア
ラビアガム、カッシアガム、アルギン酸ナトリウム、ペ
クチンなどを添加しても良い。添加量は主成分であるガ
ラクトマンナン及びその誘導体に対して0.1〜30重
量%が好ましい。
【0016】本発明である吸水剤を作成する場合のガラ
クトマンナン及びその誘導体の水への溶解濃度は、ガラ
クトマンナン及びその誘導体が水に均一に溶解及び膨潤
が可能で多価金属イオンとの架橋時にゲルが作成できる
濃度であれば特に限定されるものではないが、好ましく
は0.1重量%〜20重量%、さらに好ましくは0.5
重量%〜5重量%以上である。またこの時の溶解温度は
ガラクトマンナン及びその誘導体が溶解・膨潤する温度
であれば特に限定されるものではないが、好ましくは1
5℃〜90℃、さらに好ましくは40〜70℃である。
ガラクトマンナン及びその誘導体の溶解に関わる時間は
ガラクトマンナン及びその誘導体の溶解濃度や溶解温度
により適宜変わるが、最低30分間以上が必要である。
クトマンナン及びその誘導体の水への溶解濃度は、ガラ
クトマンナン及びその誘導体が水に均一に溶解及び膨潤
が可能で多価金属イオンとの架橋時にゲルが作成できる
濃度であれば特に限定されるものではないが、好ましく
は0.1重量%〜20重量%、さらに好ましくは0.5
重量%〜5重量%以上である。またこの時の溶解温度は
ガラクトマンナン及びその誘導体が溶解・膨潤する温度
であれば特に限定されるものではないが、好ましくは1
5℃〜90℃、さらに好ましくは40〜70℃である。
ガラクトマンナン及びその誘導体の溶解に関わる時間は
ガラクトマンナン及びその誘導体の溶解濃度や溶解温度
により適宜変わるが、最低30分間以上が必要である。
【0017】これらガラクトマンナン及びその誘導体と
多価金属イオンとのゲル架橋及び乾燥後の吸水能を低下
させない範囲であれば、吸水速度の向上やゲル強度の向
上の目的で食塩、コロイダルシリカ、ホワイトカーボ
ン、超微粒子状シリカ、酸化チタン粉末等の無機化合
物、キレート剤等の有機化合物を添加しても構わない。
さらに可塑剤、酸化剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線吸
収剤、抗菌剤、殺菌剤、防カビ剤、肥料、香料、消臭
剤、顔料等を混合しても構わない。また場合によっては
架橋遅延剤を添加することも可能である。
多価金属イオンとのゲル架橋及び乾燥後の吸水能を低下
させない範囲であれば、吸水速度の向上やゲル強度の向
上の目的で食塩、コロイダルシリカ、ホワイトカーボ
ン、超微粒子状シリカ、酸化チタン粉末等の無機化合
物、キレート剤等の有機化合物を添加しても構わない。
さらに可塑剤、酸化剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線吸
収剤、抗菌剤、殺菌剤、防カビ剤、肥料、香料、消臭
剤、顔料等を混合しても構わない。また場合によっては
架橋遅延剤を添加することも可能である。
【0018】本発明に使用される可塑剤としては、各種
の親水性化合物が使用できる。その目的は、吸水剤に柔
軟性を付与することにある。本発明に使用される可塑剤
としては特に限定されないが、水、アルコール、カルボ
ン酸、スルホン酸、グリコール類、水溶性合成ポリマ
ー、アミノアルコール、単糖類、二糖類、三糖類、20
種類の必須アミノ酸、アミノ酸及びアミノ酸誘導体、核
酸及びその誘導体、リン脂質、ビタミン及び補酵素類が
挙げられる。これらの中で分子内に親水基を豊富に持つ
化合物が均一に混合しやすいので好ましい。すなわち、
ソルビトール、ペンタエリスリトール、イズロン酸、ガ
ラクタル酸、α−ガラクツロン酸、グルカル酸、β−グ
ルクロン酸、グルコン酸、グルロン酸、2−デオキシグ
ルコン酸、マンヌロン酸−6,3−ラクトン、α−ガラ
クトサミン塩酸塩、α−マンノサミン塩酸塩、ムラミン
酸、アルギン酸、コンドロイチン−4−硫酸塩、コンド
ロイチン−6−硫酸塩、ヒアルロン酸、ペクナン酸、キ
トサン、キトサン−コハク酸変性物、カチオン化デンプ
ン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カチオン化セルロースが好ましく、ソルビト
ール、ペンタエリスリトール、グルコン酸、α−ガラク
トサミン塩酸塩、コンドロイチン−4−硫酸塩、コンド
ロイチン−6−硫酸塩、アルギン酸、ヒアルロン酸、キ
トサン、キトサン−コハク酸変性物、カチオン化デンプ
ン、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロー
スが特に好ましい。本発明に使用される可塑剤は必要に
より、2種以上の他の可塑剤と混合して用いても良い。
これらの可塑剤の使用量は特に限定されないが、吸水剤
に対して、0.1〜70重量%が好ましく、0.1〜3
0重量%がより好ましい。
の親水性化合物が使用できる。その目的は、吸水剤に柔
軟性を付与することにある。本発明に使用される可塑剤
としては特に限定されないが、水、アルコール、カルボ
ン酸、スルホン酸、グリコール類、水溶性合成ポリマ
ー、アミノアルコール、単糖類、二糖類、三糖類、20
種類の必須アミノ酸、アミノ酸及びアミノ酸誘導体、核
酸及びその誘導体、リン脂質、ビタミン及び補酵素類が
挙げられる。これらの中で分子内に親水基を豊富に持つ
化合物が均一に混合しやすいので好ましい。すなわち、
ソルビトール、ペンタエリスリトール、イズロン酸、ガ
ラクタル酸、α−ガラクツロン酸、グルカル酸、β−グ
ルクロン酸、グルコン酸、グルロン酸、2−デオキシグ
ルコン酸、マンヌロン酸−6,3−ラクトン、α−ガラ
クトサミン塩酸塩、α−マンノサミン塩酸塩、ムラミン
酸、アルギン酸、コンドロイチン−4−硫酸塩、コンド
ロイチン−6−硫酸塩、ヒアルロン酸、ペクナン酸、キ
トサン、キトサン−コハク酸変性物、カチオン化デンプ
ン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カチオン化セルロースが好ましく、ソルビト
ール、ペンタエリスリトール、グルコン酸、α−ガラク
トサミン塩酸塩、コンドロイチン−4−硫酸塩、コンド
ロイチン−6−硫酸塩、アルギン酸、ヒアルロン酸、キ
トサン、キトサン−コハク酸変性物、カチオン化デンプ
ン、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロー
スが特に好ましい。本発明に使用される可塑剤は必要に
より、2種以上の他の可塑剤と混合して用いても良い。
これらの可塑剤の使用量は特に限定されないが、吸水剤
に対して、0.1〜70重量%が好ましく、0.1〜3
0重量%がより好ましい。
【0019】本発明の前記工程(b)に用いる架橋剤は
少なくとも1種以上の多価金属イオンを含むことが必要
である。本発明で選ばれる多価金属イオンとしてはホウ
素、チタン、ジルコニウム、セリウム、ランタン、イッ
トリウム、鉄が挙げられるが、好ましくはホウ素、チタ
ン、ジルコニウム、セリウムであり、さらに好ましくは
ホウ素、チタンである。
少なくとも1種以上の多価金属イオンを含むことが必要
である。本発明で選ばれる多価金属イオンとしてはホウ
素、チタン、ジルコニウム、セリウム、ランタン、イッ
トリウム、鉄が挙げられるが、好ましくはホウ素、チタ
ン、ジルコニウム、セリウムであり、さらに好ましくは
ホウ素、チタンである。
【0020】多価金属イオンの形態としては塩化物、硫
酸化物、炭酸化物、酢酸化物、蟻酸化物、乳酸化物、ア
ルコキシドなどが挙げられるが、使用する金属によって
好ましい形態が異なるので適宜選択する必要がある。例
えば、チタンに関しては塩化物、アルコキシドが好まし
く、ホウ素に関してはホウ酸ナトリウムが好ましい。本
発明に用いられる架橋剤は少なくとも1種以上の多価金
属イオンを含むことが必要であるが、吸水能力の低下を
招かない範囲であれば他の架橋剤、例えばグルタルアル
デヒド、グリオキサールなどのアルデヒド化合物、エチ
レンジアミン、ポリアミドレジンなどのアミン化合物、
2,2-ビスヒドロキシメチルブタノールトリ[3-(1-アジリ
ジン)]プロピオン酸などのアジリジン化合物、トリレン
ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、
トルエンジイソシアナートなどのイソシアナート化合
物、グリセロール、プロピレングリコール、エチレング
リコールなどの多価アルコール、エピクロルヒドリン、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレン
グリコールジグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物
などと混合して用いることも可能である。ガラクトマン
ナン及びその誘導体溶液の架橋に用いられる多価金属イ
オン濃度はガラクトマンナン及びその誘導体濃度によっ
て適宜変更されるので特に限定されないが、好ましくは
金属イオン濃度として0.01mM〜100mMであり、
さらに好ましくは0.1mM〜50mMである。ガラクト
マンナン及びその誘導体と多価金属イオンとの架橋ゲル
を形成させるときの温度は特に限定されないが、反応を
促進させるためにも5〜90℃が好ましく、30〜60
℃がさらに好ましい。
酸化物、炭酸化物、酢酸化物、蟻酸化物、乳酸化物、ア
ルコキシドなどが挙げられるが、使用する金属によって
好ましい形態が異なるので適宜選択する必要がある。例
えば、チタンに関しては塩化物、アルコキシドが好まし
く、ホウ素に関してはホウ酸ナトリウムが好ましい。本
発明に用いられる架橋剤は少なくとも1種以上の多価金
属イオンを含むことが必要であるが、吸水能力の低下を
招かない範囲であれば他の架橋剤、例えばグルタルアル
デヒド、グリオキサールなどのアルデヒド化合物、エチ
レンジアミン、ポリアミドレジンなどのアミン化合物、
2,2-ビスヒドロキシメチルブタノールトリ[3-(1-アジリ
ジン)]プロピオン酸などのアジリジン化合物、トリレン
ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、
トルエンジイソシアナートなどのイソシアナート化合
物、グリセロール、プロピレングリコール、エチレング
リコールなどの多価アルコール、エピクロルヒドリン、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレン
グリコールジグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物
などと混合して用いることも可能である。ガラクトマン
ナン及びその誘導体溶液の架橋に用いられる多価金属イ
オン濃度はガラクトマンナン及びその誘導体濃度によっ
て適宜変更されるので特に限定されないが、好ましくは
金属イオン濃度として0.01mM〜100mMであり、
さらに好ましくは0.1mM〜50mMである。ガラクト
マンナン及びその誘導体と多価金属イオンとの架橋ゲル
を形成させるときの温度は特に限定されないが、反応を
促進させるためにも5〜90℃が好ましく、30〜60
℃がさらに好ましい。
【0021】本発明の前記工程(c)において内部架橋
ゲルを親水性溶媒中で破砕する方法としては、ロールミ
ル、加圧ニーダー、ホモジナイザー、インターナルミキ
サー、バンバリーミキサー、セルマスター、オスターブ
レンダー、ミル、ディスパーサーなどバッチ式のもの
や、エクストルーダー、ミートチョッパー、コンティニ
アスニーダーなど連続式のものを挙げることが出来る。
また親水性溶媒としては単素数1〜5個の一価のアルコ
ール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールな
ど)や単素数3〜6個のクトン(アセトンなど)又はこ
れらの混合液のような吸湿性、揮発性の無水親水性有機
溶媒及びこれらと水との混合液などが挙げられ、経済的
及び環境影響の観点から好ましくはエタノール、イソプ
ロパノールである。このような無水親水性溶媒と内部架
橋ゲルを混合する割合は重量比で3:7〜7:3が好ま
しく、4:6〜6:4がさらに好ましい。水と無水親水
性溶媒とを混合する場合にその比は3:7〜7:3が好
ましく、4:6〜6:4がさらに好ましい。内部架橋ゲ
ルの多価金属イオン濃度が高く、ゲル強度が高いゲルを
破砕する場合にはこの溶媒中の水の割合は高くても良い
が、ゲル強度が弱いゲルを破砕する場合は無水親水性溶
媒の混合割合が高いことが好ましい。ゲル強度が高いゲ
ルの場合は水中で破砕し、その後前記工程(d)を経て
もゲル粒子は粒子状で存在するが、ゲル強度が弱いゲル
を水中或いは水の割合が高い溶媒中で破砕し、前記工程
(d)を経ている間にゲル粒子同士が付着しあって塊状
となり、ゲル粒子として回収することが出来ない。これ
らの溶媒の水の割合及び溶媒とゲルの混合割合はゲル強
度によって異なるので、適宜選択する必要がある。これ
らのゲルと親水性溶媒を混合した後、上記破砕機によっ
て内部架橋ゲルを破砕してゲル粒子を得るが、そのゲル
粒子の大きさは0.01〜5mmが好ましく、0.1〜
2mmがさらに好ましい。あまり小さいと乾燥したとき
に粉塵となって作業環境が悪化するし、あまり大きいと
配管の詰まりを起こしたり、その後の工程中で摩耗して
均一な径の乾燥粒子が得られない。
ゲルを親水性溶媒中で破砕する方法としては、ロールミ
ル、加圧ニーダー、ホモジナイザー、インターナルミキ
サー、バンバリーミキサー、セルマスター、オスターブ
レンダー、ミル、ディスパーサーなどバッチ式のもの
や、エクストルーダー、ミートチョッパー、コンティニ
アスニーダーなど連続式のものを挙げることが出来る。
また親水性溶媒としては単素数1〜5個の一価のアルコ
ール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールな
ど)や単素数3〜6個のクトン(アセトンなど)又はこ
れらの混合液のような吸湿性、揮発性の無水親水性有機
溶媒及びこれらと水との混合液などが挙げられ、経済的
及び環境影響の観点から好ましくはエタノール、イソプ
ロパノールである。このような無水親水性溶媒と内部架
橋ゲルを混合する割合は重量比で3:7〜7:3が好ま
しく、4:6〜6:4がさらに好ましい。水と無水親水
性溶媒とを混合する場合にその比は3:7〜7:3が好
ましく、4:6〜6:4がさらに好ましい。内部架橋ゲ
ルの多価金属イオン濃度が高く、ゲル強度が高いゲルを
破砕する場合にはこの溶媒中の水の割合は高くても良い
が、ゲル強度が弱いゲルを破砕する場合は無水親水性溶
媒の混合割合が高いことが好ましい。ゲル強度が高いゲ
ルの場合は水中で破砕し、その後前記工程(d)を経て
もゲル粒子は粒子状で存在するが、ゲル強度が弱いゲル
を水中或いは水の割合が高い溶媒中で破砕し、前記工程
(d)を経ている間にゲル粒子同士が付着しあって塊状
となり、ゲル粒子として回収することが出来ない。これ
らの溶媒の水の割合及び溶媒とゲルの混合割合はゲル強
度によって異なるので、適宜選択する必要がある。これ
らのゲルと親水性溶媒を混合した後、上記破砕機によっ
て内部架橋ゲルを破砕してゲル粒子を得るが、そのゲル
粒子の大きさは0.01〜5mmが好ましく、0.1〜
2mmがさらに好ましい。あまり小さいと乾燥したとき
に粉塵となって作業環境が悪化するし、あまり大きいと
配管の詰まりを起こしたり、その後の工程中で摩耗して
均一な径の乾燥粒子が得られない。
【0022】本発明の前記工程(d)では前記工程
(c)で得られた破砕ゲル粒子を含む親水性有機溶媒懸
濁液に1種以上の多価金属イオンを添加し、破砕ゲル粒
子の表面近傍を再度、架橋する。この時用いられる多価
金属イオンとしてはホウ素、チタン、ジルコニウム、セ
リウム、ランタン、イットリウム、鉄が挙げられるが、
好ましくはホウ素、チタン、ジルコニウム、セリウムで
あり、さらに好ましくはホウ素、チタンである。これら
の形態などについては前記工程(b)中で述べている。
ゲル破砕粒子の表面近傍の架橋に用いられる多価金属イ
オン濃度は多糖類濃度によって適宜変更されるので特に
限定されないが、好ましくは金属イオン濃度として0.
01mM〜100mMであり、さらに好ましくは0.1m
M〜50mMである。ゲル破砕粒子の表面近傍を多価金属
イオで架橋する場合の温度は特に限定されないが、反応
を促進させるためにも5〜90℃が好ましく、30〜6
0℃がさらに好ましい。またこの時の温度、ゲル粒子の
大きさ、親水性溶媒とゲルの割合などの条件によって、
多価金属イオンの架橋が表面から内部まで進行する時間
が異なってくるので反応時間は適宜選択する必要が有る
が1分〜5時間が好ましく、10分〜1時間がさらに好まし
い。この表面架橋処理によってゲル粒子の表面は、前記
工程(b)で行われた内部架橋に加えて多価金属イオン
でさらに強固に架橋されることによってゲル強度が向上
する。一方、粒子内部は吸水量が向上するような内部架
橋のみでよく、反応時間、架橋剤濃度などを適宜選ぶこ
とによってゲル粒子の表面近傍と内部との架橋程度を任
意に異ならせることが出来、吸水能とゲル強度を任意で
制御することが出来る。
(c)で得られた破砕ゲル粒子を含む親水性有機溶媒懸
濁液に1種以上の多価金属イオンを添加し、破砕ゲル粒
子の表面近傍を再度、架橋する。この時用いられる多価
金属イオンとしてはホウ素、チタン、ジルコニウム、セ
リウム、ランタン、イットリウム、鉄が挙げられるが、
好ましくはホウ素、チタン、ジルコニウム、セリウムで
あり、さらに好ましくはホウ素、チタンである。これら
の形態などについては前記工程(b)中で述べている。
ゲル破砕粒子の表面近傍の架橋に用いられる多価金属イ
オン濃度は多糖類濃度によって適宜変更されるので特に
限定されないが、好ましくは金属イオン濃度として0.
01mM〜100mMであり、さらに好ましくは0.1m
M〜50mMである。ゲル破砕粒子の表面近傍を多価金属
イオで架橋する場合の温度は特に限定されないが、反応
を促進させるためにも5〜90℃が好ましく、30〜6
0℃がさらに好ましい。またこの時の温度、ゲル粒子の
大きさ、親水性溶媒とゲルの割合などの条件によって、
多価金属イオンの架橋が表面から内部まで進行する時間
が異なってくるので反応時間は適宜選択する必要が有る
が1分〜5時間が好ましく、10分〜1時間がさらに好まし
い。この表面架橋処理によってゲル粒子の表面は、前記
工程(b)で行われた内部架橋に加えて多価金属イオン
でさらに強固に架橋されることによってゲル強度が向上
する。一方、粒子内部は吸水量が向上するような内部架
橋のみでよく、反応時間、架橋剤濃度などを適宜選ぶこ
とによってゲル粒子の表面近傍と内部との架橋程度を任
意に異ならせることが出来、吸水能とゲル強度を任意で
制御することが出来る。
【0023】本発明の前記工程(e)において、乾燥後
の吸水能を低下させるような方法でなければいかなる乾
燥方法でも限定されるものではないが、例えば常温乾
燥、加熱乾燥や凍結乾燥、減圧乾燥、真空乾燥などの方
法のほかに、前記工程(c)で用いられたような親水性
溶媒で表面架橋処理ゲル粒子を洗浄し、ゲル中の水分を
揮発性の無水親水性有機溶媒に置換してから熱風乾燥す
る方法がある。好ましくはエネルギー効率の観点から親
水性有機溶媒置換による熱風乾燥方法である。
の吸水能を低下させるような方法でなければいかなる乾
燥方法でも限定されるものではないが、例えば常温乾
燥、加熱乾燥や凍結乾燥、減圧乾燥、真空乾燥などの方
法のほかに、前記工程(c)で用いられたような親水性
溶媒で表面架橋処理ゲル粒子を洗浄し、ゲル中の水分を
揮発性の無水親水性有機溶媒に置換してから熱風乾燥す
る方法がある。好ましくはエネルギー効率の観点から親
水性有機溶媒置換による熱風乾燥方法である。
【0024】こうして得られる本発明の吸水剤に、さら
に、必要に応じて、消臭剤、香料、各種の無機粉末、発
泡剤、顔料、染料、抗菌剤、親水性短繊維、可塑剤、粘
着剤、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類等
を添加し、これにより、吸水剤に種々の機能を付与して
もよい。無機粉末としては、水性液体等に対して不活性
な物質、例えば、各種の無機化合物の微粒子、粘土鉱物
の微粒子等が挙げられる。本発明の吸水剤に対する無機
粉末の使用量は、吸水剤および無機粉体の組み合わせ等
にもよるが、吸水剤100重量部に対し0.001〜1
0重量部の範囲内、より好ましくは0.01〜5重量部
の範囲内とすればよい。
に、必要に応じて、消臭剤、香料、各種の無機粉末、発
泡剤、顔料、染料、抗菌剤、親水性短繊維、可塑剤、粘
着剤、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類等
を添加し、これにより、吸水剤に種々の機能を付与して
もよい。無機粉末としては、水性液体等に対して不活性
な物質、例えば、各種の無機化合物の微粒子、粘土鉱物
の微粒子等が挙げられる。本発明の吸水剤に対する無機
粉末の使用量は、吸水剤および無機粉体の組み合わせ等
にもよるが、吸水剤100重量部に対し0.001〜1
0重量部の範囲内、より好ましくは0.01〜5重量部
の範囲内とすればよい。
【0025】本発明の吸水剤は、例えば、パルプ等の繊
維質材料と複合化する(組み合わせる)ことにより、吸
収物品とされる。吸収物品としては、例えば、紙オムツ
や生理用ナプキン、失禁パット、創傷保護材、創傷治癒
材等の衛生材料(体液吸収物品)、ペット用の尿等の吸
収物品、建材や土壌用保水材、止水材、パッキング材、
ゲル水嚢等の土木建築用資材、ドリップ吸収材や鮮度保
持材、保冷材等の食品用物品、油水分離材、結露防止
材、凝固材などの各種産業用物品、植物や土壌等の保水
材等の農園芸用物品等が挙げられるが、特に限定される
ものではない。なお、例えば、紙オムツは、液不透過性
の材料からなるバックシート(裏面材)、本発明の吸水
性樹脂を含むコア層、および液透過性の材料からなるト
ップシート(表面材)を、この順に積層して互いに固定
するとともに、この積層物に、ギャザー(弾性部)やい
わゆるテープファスナー等を取り付けることにより形成
される。また、紙オムツには、幼児に排尿・排便の躾を
する際に用いられる紙オムツ付きパンツも含まれる。
維質材料と複合化する(組み合わせる)ことにより、吸
収物品とされる。吸収物品としては、例えば、紙オムツ
や生理用ナプキン、失禁パット、創傷保護材、創傷治癒
材等の衛生材料(体液吸収物品)、ペット用の尿等の吸
収物品、建材や土壌用保水材、止水材、パッキング材、
ゲル水嚢等の土木建築用資材、ドリップ吸収材や鮮度保
持材、保冷材等の食品用物品、油水分離材、結露防止
材、凝固材などの各種産業用物品、植物や土壌等の保水
材等の農園芸用物品等が挙げられるが、特に限定される
ものではない。なお、例えば、紙オムツは、液不透過性
の材料からなるバックシート(裏面材)、本発明の吸水
性樹脂を含むコア層、および液透過性の材料からなるト
ップシート(表面材)を、この順に積層して互いに固定
するとともに、この積層物に、ギャザー(弾性部)やい
わゆるテープファスナー等を取り付けることにより形成
される。また、紙オムツには、幼児に排尿・排便の躾を
する際に用いられる紙オムツ付きパンツも含まれる。
【0026】特に本発明の吸水剤は高濃度の塩化ナトリ
ウム水溶液に対して、塩化ナトリウム濃度に影響を受け
難く安定した吸水能を有するので海水を対象とした吸水
剤、止水剤、パッキング材や乾電池などに利用すること
が有用である。
ウム水溶液に対して、塩化ナトリウム濃度に影響を受け
難く安定した吸水能を有するので海水を対象とした吸水
剤、止水剤、パッキング材や乾電池などに利用すること
が有用である。
【0027】
【実施例】以下実施例によって本発明をより具体的に説
明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。 実施例1 グアガム(三晶社製 PF-20)2gを50℃に加温した
純水200mlに攪拌しながら添加し、溶解・膨潤させ
ゾル液を作成した。1時間膨潤後、そのゾル液200m
lにTyzor 131溶液(Du Pont社製:原液のチタ
ン含量は6重量%)を脱イオン水で5倍希釈した溶液
0.2mlをゾル液200mlに添加(チタンとして
0.3mM)し、ゲル化させた。次いでこのゲルに5重
量%の四ホウ酸ナトリウム七水和物水溶液を2ml(ホ
ウ素として5.3mM)添加し、ブレンダーで破砕混合
しながら充分に架橋させた。このゲル100gとイソプ
ロパノール100mlをブレンダーで攪拌・破砕し、ゲ
ルを2mm以下の粒子とさせた。ここにTyzorTE
溶液(Du Pont社製:原液のチタン含量は15重量%)
をイソプロパノールで5倍希釈した溶液を0.4ml
(チタンとして1.3mM)添加した後、50℃で緩や
かに約1時間反応させた。その後、この懸濁液をガーゼ
でろ過してろ過物を得、ろ過物にイソプロパノール10
0mlを加えて再度ろ過して得たろ過物を40℃で熱風
乾燥した。得られた乾燥物について吸水量及び吸水速度
の測定、ゲル粒子の有無の判定を行った。
明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。 実施例1 グアガム(三晶社製 PF-20)2gを50℃に加温した
純水200mlに攪拌しながら添加し、溶解・膨潤させ
ゾル液を作成した。1時間膨潤後、そのゾル液200m
lにTyzor 131溶液(Du Pont社製:原液のチタ
ン含量は6重量%)を脱イオン水で5倍希釈した溶液
0.2mlをゾル液200mlに添加(チタンとして
0.3mM)し、ゲル化させた。次いでこのゲルに5重
量%の四ホウ酸ナトリウム七水和物水溶液を2ml(ホ
ウ素として5.3mM)添加し、ブレンダーで破砕混合
しながら充分に架橋させた。このゲル100gとイソプ
ロパノール100mlをブレンダーで攪拌・破砕し、ゲ
ルを2mm以下の粒子とさせた。ここにTyzorTE
溶液(Du Pont社製:原液のチタン含量は15重量%)
をイソプロパノールで5倍希釈した溶液を0.4ml
(チタンとして1.3mM)添加した後、50℃で緩や
かに約1時間反応させた。その後、この懸濁液をガーゼ
でろ過してろ過物を得、ろ過物にイソプロパノール10
0mlを加えて再度ろ過して得たろ過物を40℃で熱風
乾燥した。得られた乾燥物について吸水量及び吸水速度
の測定、ゲル粒子の有無の判定を行った。
【0028】吸水量の測定は、ティーバッグ法にて脱イ
オン水及び0.9重量%食塩(塩化ナトリウム)水溶
液、5重量%食塩(塩化ナトリウム)水溶液、人工尿
(1.94重量%尿素、0.8重量%塩化ナトリウム、
840ppm塩化カルシウム、2050ppm硫酸マグ
ネシウム)を対象として行った。すなわち、250メッ
シュのナイロン製ティーバッグに吸水剤1gを入れ、1
Lの脱イオン水又は0.9重量%食塩水、5重量%食塩
水、人工尿にティーバッグを3時間浸し、ティーバッグ
を引き上げ、10分間水切りを行った後、その重量を測
定した。吸水剤の吸水量は、3時間水に浸した吸水剤が
入っていないティーバッグの重量をブランクとし、吸水
して膨潤した吸水剤が入ったティーバッグの重量から、
膨潤前の吸水剤の重量とブランクの重量を減じた値を、
膨潤前の吸水剤の重量で除した値を吸水量(g/g樹
脂)とした。
オン水及び0.9重量%食塩(塩化ナトリウム)水溶
液、5重量%食塩(塩化ナトリウム)水溶液、人工尿
(1.94重量%尿素、0.8重量%塩化ナトリウム、
840ppm塩化カルシウム、2050ppm硫酸マグ
ネシウム)を対象として行った。すなわち、250メッ
シュのナイロン製ティーバッグに吸水剤1gを入れ、1
Lの脱イオン水又は0.9重量%食塩水、5重量%食塩
水、人工尿にティーバッグを3時間浸し、ティーバッグ
を引き上げ、10分間水切りを行った後、その重量を測
定した。吸水剤の吸水量は、3時間水に浸した吸水剤が
入っていないティーバッグの重量をブランクとし、吸水
して膨潤した吸水剤が入ったティーバッグの重量から、
膨潤前の吸水剤の重量とブランクの重量を減じた値を、
膨潤前の吸水剤の重量で除した値を吸水量(g/g樹
脂)とした。
【0029】また吸水速度の測定は5分後の吸水量(g
/g樹脂)を3時間後の吸水量(g/g樹脂)で除した
数値を100倍した値を吸水速度率(%)と規定し、評
価した。
/g樹脂)を3時間後の吸水量(g/g樹脂)で除した
数値を100倍した値を吸水速度率(%)と規定し、評
価した。
【0030】さらに、加圧下での吸水量を測定すること
により、ゲル強度の向上を確認した。測定方法は図1に
示したような装置を用いて測定した。即ち直径80mm
の漏斗の上にステンレススクリーンを設置し、その上に
400メッシュのナイロンスクリーンを設置した。吸水
剤粉末1gをナイロンスクリーン上に均一に広げ、さら
にその上に同じナイロンスクリーンで挟み込んだ。その
上に0.7psiとなるようピストン及び重りをのせ、
漏斗下部から徐々にタンク内の生理食塩水を浸し、ピス
トン下部が僅かに浸る程度まで水面を調節した。この時
点で測定を開始し、測定開始30分後の生理食塩水吸水
量を測定した。30分後に漏斗内の生理食塩水を除去
し、10分間水切り後、タンク内、チューブ、漏斗内の
すべての生理食塩水重量を測定開始前の生理食塩水重量
から減し、吸水剤当たりの吸水量とした。
により、ゲル強度の向上を確認した。測定方法は図1に
示したような装置を用いて測定した。即ち直径80mm
の漏斗の上にステンレススクリーンを設置し、その上に
400メッシュのナイロンスクリーンを設置した。吸水
剤粉末1gをナイロンスクリーン上に均一に広げ、さら
にその上に同じナイロンスクリーンで挟み込んだ。その
上に0.7psiとなるようピストン及び重りをのせ、
漏斗下部から徐々にタンク内の生理食塩水を浸し、ピス
トン下部が僅かに浸る程度まで水面を調節した。この時
点で測定を開始し、測定開始30分後の生理食塩水吸水
量を測定した。30分後に漏斗内の生理食塩水を除去
し、10分間水切り後、タンク内、チューブ、漏斗内の
すべての生理食塩水重量を測定開始前の生理食塩水重量
から減し、吸水剤当たりの吸水量とした。
【0031】その結果、本実施例で得られた吸水剤は3
時間後の脱イオン水の吸水量が65g/g、0.9重量
%食塩水吸水量が50g/g、5重量%食塩水吸水量が
48g/g、人工尿吸水量が49g/gであった。また
ナイロンバッグからのゲル漏れは全く認められず、吸水
後のゲルは全て粒子状で存在し、粒子間に粘着性も認め
られなかった。5分後の0.9重量%食塩水吸水量は3
2g/gであり、吸水速度率は64%であった。また
0.7psi加圧下吸水量は25g/gであった。
時間後の脱イオン水の吸水量が65g/g、0.9重量
%食塩水吸水量が50g/g、5重量%食塩水吸水量が
48g/g、人工尿吸水量が49g/gであった。また
ナイロンバッグからのゲル漏れは全く認められず、吸水
後のゲルは全て粒子状で存在し、粒子間に粘着性も認め
られなかった。5分後の0.9重量%食塩水吸水量は3
2g/gであり、吸水速度率は64%であった。また
0.7psi加圧下吸水量は25g/gであった。
【0032】実施例2 実施例1と同様に1重量%のグアガムゾル溶液を作成
し、そのゾル液200mlにTyzor 131溶液(D
u Pont社製:原液のチタン含量は6重量%)を脱イオン
水で5倍希釈した溶液0.2mlを添加(チタンとして
0.3mM)し、ゲル化させた。次いでこのゲルに5重
量%の四ホウ酸ナトリウム七水和物水溶液を2ml(ホ
ウ素として5.3mM)添加し、ブレンダーで破砕混合
しながら充分に架橋させた。このゲル100gとイソプ
ロパノール100mlをブレンダーで攪拌・破砕し、ゲ
ルを2mm以下の粒子とさせた。ここにTyzorTE
溶液(Du Pont社製:原液のチタン含量は15重量%)
をイソプロパノールで5倍希釈した溶液を0.2ml
(チタンとして0.65mM)添加した後、50℃で緩
やかに約1時間反応させた。その後、この懸濁液をガー
ゼでろ過してろ過物を得、ろ過物にイソプロパノール1
00mlを加えて再度ろ過して得たろ過物を40℃で熱
風乾燥した。得られた乾燥物について吸水量及び吸水速
度の測定、ゲル粒子の有無の判定を行った。
し、そのゾル液200mlにTyzor 131溶液(D
u Pont社製:原液のチタン含量は6重量%)を脱イオン
水で5倍希釈した溶液0.2mlを添加(チタンとして
0.3mM)し、ゲル化させた。次いでこのゲルに5重
量%の四ホウ酸ナトリウム七水和物水溶液を2ml(ホ
ウ素として5.3mM)添加し、ブレンダーで破砕混合
しながら充分に架橋させた。このゲル100gとイソプ
ロパノール100mlをブレンダーで攪拌・破砕し、ゲ
ルを2mm以下の粒子とさせた。ここにTyzorTE
溶液(Du Pont社製:原液のチタン含量は15重量%)
をイソプロパノールで5倍希釈した溶液を0.2ml
(チタンとして0.65mM)添加した後、50℃で緩
やかに約1時間反応させた。その後、この懸濁液をガー
ゼでろ過してろ過物を得、ろ過物にイソプロパノール1
00mlを加えて再度ろ過して得たろ過物を40℃で熱
風乾燥した。得られた乾燥物について吸水量及び吸水速
度の測定、ゲル粒子の有無の判定を行った。
【0033】本実施例で得られた吸水剤は3時間後の脱
イオン水の吸水量が78g/g、0.9重量%食塩水吸
水量が72g/g、5重量%食塩水吸水量が68g/
g、人工尿吸水量が68g/gであった。またナイロン
バッグからのゲル漏れは全く認められず、吸水後のゲル
は全て粒子状で存在し、粒子間に粘着性も認められなか
った。5分後の0.9重量%食塩水吸水量は37g/g
であり、吸水速度率は51%であった。また0.7ps
i加圧下吸水量は28g/gであった。
イオン水の吸水量が78g/g、0.9重量%食塩水吸
水量が72g/g、5重量%食塩水吸水量が68g/
g、人工尿吸水量が68g/gであった。またナイロン
バッグからのゲル漏れは全く認められず、吸水後のゲル
は全て粒子状で存在し、粒子間に粘着性も認められなか
った。5分後の0.9重量%食塩水吸水量は37g/g
であり、吸水速度率は51%であった。また0.7ps
i加圧下吸水量は28g/gであった。
【0034】実施例3 実施例1と同様に1重量%のグアガムゾル溶液を作成
し、そのゾル液200mlに四塩化チタン17%溶液
(和光純薬社製)をイソプロパノールで5倍希釈した溶
液0.053mlを添加(チタンとして0.3mM)
し、ゲル化させた。次いでこのゲルに5重量%の四ホウ
酸ナトリウム七水和物水溶液を2ml(ホウ素として
5.3mM)添加し、ブレンダーで破砕混合しながら充
分に架橋させた。このゲル100gとイソプロパノール
100mlをブレンダーで攪拌・破砕し、ゲルを2mm
以下の粒子とさせた。ここに四塩化チタン17%溶液
(和光純薬社製)をイソプロパノールで5倍希釈した溶
液0.106mlを添加(チタンとして0.6mM)し
た後、50℃で緩やかに約1時間反応させた。その後、
この懸濁液をガーゼでろ過してろ過物を得、ろ過物にイ
ソプロパノール100mlを加えて再度ろ過して得たろ
過物を40℃で熱風乾燥した。得られた乾燥物について
吸水量及び吸水速度の測定、ゲル粒子の有無の判定を行
った。
し、そのゾル液200mlに四塩化チタン17%溶液
(和光純薬社製)をイソプロパノールで5倍希釈した溶
液0.053mlを添加(チタンとして0.3mM)
し、ゲル化させた。次いでこのゲルに5重量%の四ホウ
酸ナトリウム七水和物水溶液を2ml(ホウ素として
5.3mM)添加し、ブレンダーで破砕混合しながら充
分に架橋させた。このゲル100gとイソプロパノール
100mlをブレンダーで攪拌・破砕し、ゲルを2mm
以下の粒子とさせた。ここに四塩化チタン17%溶液
(和光純薬社製)をイソプロパノールで5倍希釈した溶
液0.106mlを添加(チタンとして0.6mM)し
た後、50℃で緩やかに約1時間反応させた。その後、
この懸濁液をガーゼでろ過してろ過物を得、ろ過物にイ
ソプロパノール100mlを加えて再度ろ過して得たろ
過物を40℃で熱風乾燥した。得られた乾燥物について
吸水量及び吸水速度の測定、ゲル粒子の有無の判定を行
った。
【0035】本実施例で得られた吸水剤は3時間後の脱
イオン水の吸水量が55g/g、0.9重量%食塩水吸
水量が46g/g、5重量%食塩水吸水量が40g/
g、人工尿吸水量が42g/gであった。またナイロン
バッグからのゲル漏れは全く認められず、吸水後のゲル
は全て粒子状で存在し、粒子間に粘着性も認められなか
った。5分後の0.9重量%食塩水吸水量は32g/g
であり、吸水速度率は70%であった。また0.7ps
i加圧下吸水量は22g/gであった。
イオン水の吸水量が55g/g、0.9重量%食塩水吸
水量が46g/g、5重量%食塩水吸水量が40g/
g、人工尿吸水量が42g/gであった。またナイロン
バッグからのゲル漏れは全く認められず、吸水後のゲル
は全て粒子状で存在し、粒子間に粘着性も認められなか
った。5分後の0.9重量%食塩水吸水量は32g/g
であり、吸水速度率は70%であった。また0.7ps
i加圧下吸水量は22g/gであった。
【0036】実施例4 実施例3で使用した四塩化チタンの代わりに塩化ジルコ
ニウム(ナカライテスク社製)を用い、金属イオン濃度
は実施例3のチタンと同じにして、同様の実験を行ない
吸水剤を得た。
ニウム(ナカライテスク社製)を用い、金属イオン濃度
は実施例3のチタンと同じにして、同様の実験を行ない
吸水剤を得た。
【0037】本実施例で得られた吸水剤は3時間後の脱
イオン水の吸水量が35g/g、0.9重量%食塩水吸
水量が32g/g、5重量%食塩水吸水量が30g/
g、人工尿吸水量が35g/gであった。またナイロン
バッグからのゲル漏れは全く認められず、吸水後のゲル
は全て粒子状で存在し、粒子間に粘着性も認められなか
った。5分後の0.9重量%食塩水吸水量は20g/g
であり、吸水速度率は63%であった。また0.7ps
i加圧下吸水量は22g/gであった。
イオン水の吸水量が35g/g、0.9重量%食塩水吸
水量が32g/g、5重量%食塩水吸水量が30g/
g、人工尿吸水量が35g/gであった。またナイロン
バッグからのゲル漏れは全く認められず、吸水後のゲル
は全て粒子状で存在し、粒子間に粘着性も認められなか
った。5分後の0.9重量%食塩水吸水量は20g/g
であり、吸水速度率は63%であった。また0.7ps
i加圧下吸水量は22g/gであった。
【0038】実施例5 実施例3で使用した四塩化チタンの代わりに塩化セリウ
ム(ナカライテスク社製)を用い、金属イオン濃度は実
施例3のチタンと同じにして、同様の実験を行ない吸水
剤を得た。
ム(ナカライテスク社製)を用い、金属イオン濃度は実
施例3のチタンと同じにして、同様の実験を行ない吸水
剤を得た。
【0039】本実施例で得られた吸水剤は3時間後の脱
イオン水の吸水量が28g/g、0.9重量%食塩水吸
水量が25g/g、5重量%食塩水吸水量が22g/
g、人工尿吸水量が20g/gであった。またナイロン
バッグからのゲル漏れは全く認められず、吸水後のゲル
は全て粒子状で存在し、粒子間に粘着性も認められなか
った。5分後の0.9重量%食塩水吸水量は18g/g
であり、吸水速度率は72%であった。また0.7ps
i加圧下吸水量は15g/gであった。
イオン水の吸水量が28g/g、0.9重量%食塩水吸
水量が25g/g、5重量%食塩水吸水量が22g/
g、人工尿吸水量が20g/gであった。またナイロン
バッグからのゲル漏れは全く認められず、吸水後のゲル
は全て粒子状で存在し、粒子間に粘着性も認められなか
った。5分後の0.9重量%食塩水吸水量は18g/g
であり、吸水速度率は72%であった。また0.7ps
i加圧下吸水量は15g/gであった。
【0040】実施例6 実施例1で用いたグアガムの代わりにカルボキシメチル
化グアガム(三晶社製メイプロイドガムCR−New)
を用いた以外は実施例1と同様の実験を行い、吸水剤を
得た。
化グアガム(三晶社製メイプロイドガムCR−New)
を用いた以外は実施例1と同様の実験を行い、吸水剤を
得た。
【0041】本実施例で得られた吸水剤は3時間後の脱
イオン水の吸水量が65g/g、0.9重量%食塩水吸
水量が36g/g、5重量%食塩水吸水量が20g/
g、人工尿吸水量が32g/gであった。またナイロン
バッグからのゲル漏れは全く認められず、吸水後のゲル
は全て粒子状で存在し、粒子間に粘着性も認められなか
った。5分後の0.9重量%食塩水吸水量は25g/g
であり、吸水速度率は69%であった。また0.7ps
i加圧下吸水量は20g/gであった。
イオン水の吸水量が65g/g、0.9重量%食塩水吸
水量が36g/g、5重量%食塩水吸水量が20g/
g、人工尿吸水量が32g/gであった。またナイロン
バッグからのゲル漏れは全く認められず、吸水後のゲル
は全て粒子状で存在し、粒子間に粘着性も認められなか
った。5分後の0.9重量%食塩水吸水量は25g/g
であり、吸水速度率は69%であった。また0.7ps
i加圧下吸水量は20g/gであった。
【0042】比較例1 実施例1と同様にグアガム(三晶社製PF-20)2gを5
0℃に加温した純水200mlに攪拌しながら添加し、
溶解・膨潤させゾル液を作成した。1時間膨潤後、その
ゾル液200mlにTyzor 131溶液(Du Pont社
製:原液のチタン含量は6重量%)を脱イオン水で5倍
希釈した溶液0.2mlをゾル液200mlに添加(チ
タンとして0.3mM)し、ゲル化させた。次いでこの
ゲルに5重量%の四ホウ酸ナトリウム七水和物水溶液を
2ml(ホウ素として5.3mM)添加し、ブレンダー
で破砕混合しながら充分に架橋させた。このゲル100
gを凍結乾燥し、吸水剤を得た。
0℃に加温した純水200mlに攪拌しながら添加し、
溶解・膨潤させゾル液を作成した。1時間膨潤後、その
ゾル液200mlにTyzor 131溶液(Du Pont社
製:原液のチタン含量は6重量%)を脱イオン水で5倍
希釈した溶液0.2mlをゾル液200mlに添加(チ
タンとして0.3mM)し、ゲル化させた。次いでこの
ゲルに5重量%の四ホウ酸ナトリウム七水和物水溶液を
2ml(ホウ素として5.3mM)添加し、ブレンダー
で破砕混合しながら充分に架橋させた。このゲル100
gを凍結乾燥し、吸水剤を得た。
【0043】本比較例で得られた吸水剤は3時間後の脱
イオン水の吸水量が103g/g、0.9重量%食塩水
吸水量が95g/g、5重量%食塩水吸水量が85g/
g、人工尿吸水量が82g/gであったが、ナイロンバ
ッグからのゲル漏れがやや認められ、その表面に滑りが
生じていた。また吸水後のゲルは全て塊状で存在し、粒
子間に粘着性も認められた。5分後の0.9重量%食塩
水吸水量は35g/gであり、吸水速度率は41%であ
った。また0.7psi加圧下吸水量は15g/gであ
った。
イオン水の吸水量が103g/g、0.9重量%食塩水
吸水量が95g/g、5重量%食塩水吸水量が85g/
g、人工尿吸水量が82g/gであったが、ナイロンバ
ッグからのゲル漏れがやや認められ、その表面に滑りが
生じていた。また吸水後のゲルは全て塊状で存在し、粒
子間に粘着性も認められた。5分後の0.9重量%食塩
水吸水量は35g/gであり、吸水速度率は41%であ
った。また0.7psi加圧下吸水量は15g/gであ
った。
【0044】比較例2 実施例2と同様に1重量%のグアガムゾル溶液を作成
し、そのゾル液200mlにTyzor 131溶液(D
u Pont社製:原液のチタン含量は6重量%)を脱イオン
水で5倍希釈した溶液0.2mlを添加(チタンとして
0.3mM)し、ゲル化させた。次いでこのゲルに5重
量%の四ホウ酸ナトリウム七水和物水溶液を2ml(ホ
ウ素として5.3mM)添加し、ブレンダーで破砕混合
しながら充分に架橋させた。このゲル100gを凍結乾
燥し、吸水剤を得た。
し、そのゾル液200mlにTyzor 131溶液(D
u Pont社製:原液のチタン含量は6重量%)を脱イオン
水で5倍希釈した溶液0.2mlを添加(チタンとして
0.3mM)し、ゲル化させた。次いでこのゲルに5重
量%の四ホウ酸ナトリウム七水和物水溶液を2ml(ホ
ウ素として5.3mM)添加し、ブレンダーで破砕混合
しながら充分に架橋させた。このゲル100gを凍結乾
燥し、吸水剤を得た。
【0045】本比較例で得られた吸水剤は3時間後の脱
イオン水の吸水量が95g/g、0.9重量%食塩水吸
水量が90g/g、5重量%食塩水吸水量が83g/
g、人工尿吸水量が85g/gであったが、ナイロンバ
ッグからのゲル漏れがやや認められ、その表面に滑りが
生じていた。また吸水後のゲルは全て塊状で存在し、粒
子間に粘着性も認められた。5分後の0.9重量%食塩
水吸水量は32g/gであり、吸水速度率は36%であ
った。また0.7psi加圧下吸水量は16g/gであ
った。
イオン水の吸水量が95g/g、0.9重量%食塩水吸
水量が90g/g、5重量%食塩水吸水量が83g/
g、人工尿吸水量が85g/gであったが、ナイロンバ
ッグからのゲル漏れがやや認められ、その表面に滑りが
生じていた。また吸水後のゲルは全て塊状で存在し、粒
子間に粘着性も認められた。5分後の0.9重量%食塩
水吸水量は32g/gであり、吸水速度率は36%であ
った。また0.7psi加圧下吸水量は16g/gであ
った。
【0046】比較例3 実施例3と同様に実施例1と同様に1重量%のグアガム
ゾル溶液を作成し、そのゾル液200mlに四塩化チタ
ン17%溶液(和光純薬社製)をイソプロパノールで5
倍希釈した溶液0.053mlを添加(チタンとして
0.3mM)し、ゲル化させた。次いでこのゲルに5重
量%の四ホウ酸ナトリウム七水和物水溶液を2ml(ホ
ウ素として5.3mM)添加し、ブレンダーで破砕混合
しながら充分に架橋させた。このゲル100gを凍結乾
燥し、吸水剤を得た。
ゾル溶液を作成し、そのゾル液200mlに四塩化チタ
ン17%溶液(和光純薬社製)をイソプロパノールで5
倍希釈した溶液0.053mlを添加(チタンとして
0.3mM)し、ゲル化させた。次いでこのゲルに5重
量%の四ホウ酸ナトリウム七水和物水溶液を2ml(ホ
ウ素として5.3mM)添加し、ブレンダーで破砕混合
しながら充分に架橋させた。このゲル100gを凍結乾
燥し、吸水剤を得た。
【0047】本比較例で得られた吸水剤はナイロンバッ
グからのゲル漏れがかなり認められたため、測定不能と
判断した。また吸水後のゲルは全て液状で存在し、粒子
間に粘着性も認められた。
グからのゲル漏れがかなり認められたため、測定不能と
判断した。また吸水後のゲルは全て液状で存在し、粒子
間に粘着性も認められた。
【0048】実施例1〜6で見られるように本発明の吸
水剤であるガラクトマンナン及びその誘導体を1種以上
の多価金属イオンで内部架橋し、さらにそのゲル粒子を
多価金属イオンで表面架橋させた吸水剤は、比較例1〜
3のような内部架橋のみの吸水剤に比べて吸水量は低下
するものの、吸水速度率、ゲル強度に明らかに優れてお
り、実用化が可能である諸性能を有していることが分か
る。また脱イオン水とほとんど同程度の5%以下の食塩
水又は人工尿などを安定して吸水することが出来るので
海水などへの適用も可能である
水剤であるガラクトマンナン及びその誘導体を1種以上
の多価金属イオンで内部架橋し、さらにそのゲル粒子を
多価金属イオンで表面架橋させた吸水剤は、比較例1〜
3のような内部架橋のみの吸水剤に比べて吸水量は低下
するものの、吸水速度率、ゲル強度に明らかに優れてお
り、実用化が可能である諸性能を有していることが分か
る。また脱イオン水とほとんど同程度の5%以下の食塩
水又は人工尿などを安定して吸水することが出来るので
海水などへの適用も可能である
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、安価な原料を用いて容
易に脱イオン水及び5重量%の塩化ナトリウム水溶液吸
水能が20倍以上の生分解性を有する吸水剤が製造でき
るので、紙おむつや生理用品などの衛生用品、土木建築
資材、凝固剤などとして利用することができる。
易に脱イオン水及び5重量%の塩化ナトリウム水溶液吸
水能が20倍以上の生分解性を有する吸水剤が製造でき
るので、紙おむつや生理用品などの衛生用品、土木建築
資材、凝固剤などとして利用することができる。
【図1】実施例で使用した加圧下での吸水量測定装置
1 透明ボトル 2 生理食塩水 3 精密天秤 4 コック 5 ステンレスメッシュスクリーン 6 吸水材 7 ピストン 8 400メッシュナイロンスクリーン 9 透明ロート 10 ナイロンチューブ 11 重り
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 13/15 Fターム(参考) 3B029 BA17 4C003 AA24 4C090 AA02 AA05 BA61 BB67 BD03 BD12 CA35 DA03 DA22 4G066 AA11A AA32A AA38A AB23A AC01A AC01B BA28 BA36 CA43 DA11 EA05 FA11 FA21 4J002 AB051 BG01 DD076 DE236 EC076 EG046 FD010 FD020 FD140 GA00 GA02 GG02 GJ02 GL00
Claims (2)
- 【請求項1】 ガラクトマンナン及びその誘導体と多価
金属イオンから成り、吸水剤粒子の表面と内部の架橋程
度が異なる不均一性を有し、脱イオン水の吸水量及び5
重量%以下の塩化ナトリウム水溶液の吸水量がいずれも
自重の20倍以上であることを特徴とする吸水剤。 - 【請求項2】 ガラクトマンナン及びその誘導体を水中
で溶解、膨潤後、多価金属イオンを添加してガラクトマ
ンナン及びその誘導体ゾルを内部架橋させてヒドロゲル
を形成し、得られたヒドロゲルを親水性溶媒中で破砕
し、その破砕液に多価金属イオンを添加して再度ゲル粒
子の表面近傍を架橋した後に乾燥させることにより請求
項1記載の吸水剤を得ることを特徴とする吸水剤の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000038005A JP2001226525A (ja) | 2000-02-16 | 2000-02-16 | 吸水剤及びその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000038005A JP2001226525A (ja) | 2000-02-16 | 2000-02-16 | 吸水剤及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001226525A true JP2001226525A (ja) | 2001-08-21 |
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ID=18561814
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---|---|---|---|
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---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007516768A (ja) * | 2003-12-30 | 2007-06-28 | エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー | 吸収体構造およびその吸収体構造を含む吸収性物品 |
US8486854B2 (en) | 2003-09-29 | 2013-07-16 | Archer Daniels Midland Company | Polysaccharide phyllosilicate absorbent or superabsorbent nanocomposite materials |
JP2018204243A (ja) * | 2017-06-01 | 2018-12-27 | 国立大学法人宇都宮大学 | ヒドロゲルを用いた土壌改良舗装工法 |
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2000
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