JP2002126422A - フィルタ用濾過材、フィルタ、その製造方法及び空気濾過器 - Google Patents

フィルタ用濾過材、フィルタ、その製造方法及び空気濾過器

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JP2002126422A
JP2002126422A JP2000326335A JP2000326335A JP2002126422A JP 2002126422 A JP2002126422 A JP 2002126422A JP 2000326335 A JP2000326335 A JP 2000326335A JP 2000326335 A JP2000326335 A JP 2000326335A JP 2002126422 A JP2002126422 A JP 2002126422A
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Yasuo Namita
靖夫 波田
Tetsuo Sato
哲雄 佐藤
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Fujiko KK
Nitto Kogyo Co Ltd
Fujikoo KK
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Fujiko KK
Nitto Kogyo Co Ltd
Fujikoo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】濾過性能が良好で、且つ成形加工性のよい安価
なフィルタ用濾過材、これを用いたフィルタ及びそのフ
ィルタを内装した空気濾過器を提供する。 【解決手段】所定の形状を形成可能でありかつその形状
を保持可能である基材層と、不織布に形成可能な繊維集
合体の層をニードルパンチ法により積層した濾過性を有
する積層材であるフィルタ用濾過材。これを用いたフィ
ルタ。そのフィルタを用いた空気濾過器。濾過部と鍔部
を別体の材料で形成したフィルタの製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体濾過用のフィル
タ、その製造方法及び空気濾過器に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車分野、機械製造分野、機械加工分
野、工作機分野、船舶分野その他の分野においては、空
気濾過器用フィルタは種々の形態のものが提案され、使
用されてきた。具体的には、例えば自動車等の内燃機関
では、吸気した空気に含まれるゴミ、埃等のダストを除
去するための空気濾過器が設けられている。この空気濾
過器はケースとこれに内蔵されるフィルタからなってい
る。フィルタは、その本体の直方体状の下面を開口した
袋状の濾過部と、この濾過部の開口部外周に設けた支持
体からなり、この支持体が上下のボックス状ケース部材
のそれぞれの合わせ目に突設された接合用鍔部に挟持さ
れてフィルタはケースに内蔵される。
【0003】ところで、上記の袋状の濾過部は、濾過面
積の増大を図るため、一般には濾過材を襞状に加工して
から袋状に成形される場合が多く、そのため濾過材は襞
状に加工し易く、その襞状の形状を維持し易い硬質の材
料のシートが用いられる場合が多い。このような硬質材
料のシートは、濾過性能の観点からは、一般的には空隙
率の低下につながり易く、結果として通気性の劣る材料
になり易い。これを改善するために、通気性の良い材料
のシートを襞状に加工し易くする方法として、(i)片
面に樹脂をコートし、片面だけを硬くする方法、(i
i)片面を加熱し、硬化して片面だけを硬くする方法、
(iii)網状体と組み合わせて用いる方法等が考えら
れてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(i)、(ii)の方法は片面に通気性を害する緻密層
を形成することになり、通気性の良い材料のシートを用
いることのメリットを活かすことができないのみなら
ず、片面加工工程が加わり、工程が煩雑になるという問
題がある。上記(iii)の方法における組み合わせ工
程を加えることも工程が煩雑になる。また、上記のいず
れの方法もシートそのものは厚さには制限があり、その
種類も限られ、フィルタの用途に応じた最適厚さのシー
トを得難いという問題もある。
【0005】本発明の第1の目的は、成形加工性が良い
とともに、空隙率をコントロールし易く、通気性を損な
わず、濾過性能が良く、しかも厚さを任意に選択できる
ようにしたフィルタ用濾過材、これを用いたフィルタ、
その製造方法及び空気濾過器を提供することにある。本
発明の第2の目的は、製造工程を煩雑化しないで済むよ
うなフィルタ用濾過材、これを用いたフィルタ、その製
造方法及び空気濾過器を提供することにある。本発明の
第3の目的は、コストの低減化を図ることができるフィ
ルタ用濾過材、これを用いたフィルタ、その製造方法及
び空気濾過器を提供することにある。本発明の第4の目
的は、不燃材料を含まず廃棄処理し易いフィルタ用濾過
材、これを用いたフィルタ、その製造方法及び空気濾過
器を提供することにある。本発明の第5の目的は、自然
界で分解不能な廃棄物量を減少させるとともに、再生材
料を使用することができるフィルタ用濾過材、これを用
いたフィルタ、その製造方法及び空気濾過器を提供する
ことにある。本発明の第6の目的は、鍔部の剛直性を任
意に選択することができるフィルタ、その製造方法及び
空気濾過器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、所定の形状を形成可能でありか
つ該形状を保持可能である基材層と、不織布に形成可能
な繊維集合体の層との少なくとも2層をニードルパンチ
法(ニードルにより基材層に繊維を植え込んで基材層上
に繊維集合体による層を形成する)により積層した濾過
性を有する積層材であるフィルタ用濾過材を提供するも
のである。また、本発明は、(2)、不織布に形成可能
な繊維集合体の層には低融点接着性繊維が5〜50重量
%含有されている上記(1)のフィルタ用濾過材、
(3)、不織布に形成可能な繊維集合体の層の該繊維集
合体の一部は基材の該繊維集合体の層を積層した側とは
反対側の裏面にも突出されている上記(1)又は(2)
のフィルタ用濾過材、(4)、複数の襞を連続して形成
しその両側の開放部を閉塞した波状袋部を有する濾過部
と、該濾過部の波状袋部の開口部に鍔部を有するフィル
タにおいて、少なくとも該濾過部は上記(1)ないし
(3)のいずれかのフィルタ用濾過材により形成されて
いるフィルタ、(5)、複数の襞を連続して形成しその
両側の開放部を閉塞した波状袋部を有する濾過部と、該
濾過部の波状袋部の開口部に鍔部を有するフィルタにお
いて、該濾過部と該鍔部は上記(1)ないし(3)のい
ずれかのフィルタ用濾過材の一体成形体であるフィル
タ、(6)、複数の襞を連続して形成しその両側の開放
部を閉塞した波状袋部を有する濾過部と、該濾過部の波
状袋部の開口部に鍔部を有するフィルタにおいて、上記
波状袋部は上記襞部及びその閉塞した両側部の少なくと
も該襞部の頂部近傍を含む全体が上記(1)ないし
(3)のいずれかのフィルタ用濾過材により形成されて
いるとともに、上記鍔部は該波状袋部の開口部周縁に接
合部を有しかつ上記波状袋部に使用のフィルタ用濾過材
とは別体の接着性基材を用いて形成されているフィル
タ、(7)、上記(1)ないし(6)のいずれかのフィ
ルタを用いた空気濾過器、(8)、自動車用エアフィル
タである上記(7)の空気濾過器、(9)、上記(1)
ないし(3)のいずれかのフィルタ用濾過材を用いて複
数の襞を連続して有する波状シート体を形成する工程
と、該波状シート体の全数の襞の両側の開放部をプレス
成形により閉塞する工程を有することにより波状袋部を
形成し、該波状袋部の開口部の少なくとも外周縁周辺に
該波状袋部に使用したフィルタ用濾過材とは別体の接着
性材料を配置する工程と、該配置した接着性基材と波状
袋部の開口部周辺とを加圧加熱する工程を有することに
より鍔部を形成するとともに鍔部と波状袋部の接合を行
なう上記(6)のフィルタの製造方法を提供するもので
ある。
【0007】本発明において、「所定の形状を形成可能
でありかつ該形状を保持可能である基材層」は、基本的
には襞状に加工できる基材からなる層であり、例えば濾
紙、織布、不織布等の基材からなる層が挙げられるが、
これらの繊維加工体に限らず、その種類は特に制限はな
い。これらは多孔質であり、その細孔の径と分布により
空隙率が決まり、通気性の程度が決められるが、後述の
ニードルパンチ法による穿孔によっても、空隙率、通気
性が増大する。また、「不織布に形成可能な繊維集合体
の層」とは、通常の不織布を形成できる繊維集合体から
なる層であり、後述のニードルパンチ法により不織布を
形成できる材料であれば特に制限なく使用できる。この
繊維集合体には、接着性繊維を5〜50重量%含有する
ことが好ましい。この接着性繊維はそれ自体相互や他の
繊維あるいは基材と接着することができ、繊維集合体の
層の強度、硬さ及び定着強度を向上させることができ
る。また、「2層をニードルパンチ法により積層し」と
は、ニードルにより繊維を植え込んで積み重ねた層を形
成する、ということもできるが、より具体的には例えば
繊維が互いに絡み合っている繊維集合体を面状に引き延
ばし、これを上記の基材に重ねてその上から例えば二股
のニードルを刺し込み、繊維を基材の中にまで植え込
み、基材の繊維等と絡ませ、基材上の繊維集合体はニー
ドルにより突き固めてもよい繊維集合体を面状に基材に
一体的に積層することをいう。その積層材は濾過性を持
つようにする。そのニードルの刺し込む頻度、すなわち
穿孔密度を調節することにより、「繊維集合体の層」の
硬軟を調節でき、空隙率、通気性を調整することができ
る。また、繊維集合体を面状に引き延ばすときのその面
状の厚さも繊維集合体の量を加減することにより容易に
コントロールすることができ、「維集合体の層」の厚さ
も加減することができる。また、ニードルの差し込む度
合いにより、繊維集合体の一部を基材の裏面、すなわ
ち、「維集合体の層」を積層した側とは反対側の基材の
面に突出させ、表面側とともに裏面もソフトに仕上げる
(例えば毛羽立ってみえる)ようにすることも外観や通
気性、濾過性の調整のためにも好ましい。なお、「ニー
ドルパンチ法」は、一般的には不織布を得る方法として
知られており、薄い不織布から絨毯のような厚手のもの
まで得られ、薄地に厚手の模様を形成することもでき
る。
【0008】不織布素材としては、天然繊維及び化学繊
維(天然繊維に対して人工的に得られる繊維の総称であ
り、無機繊維(ガラス、岩石、鉱さいなどの各繊維)、
再生繊維(セルロース系(ビスコース人絹、銅アンモニ
ア人絹)等)、半合成繊維(セルロース系(アセテート
人絹、酢化スフ)、合成繊維(ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリビニ
ルアルコールその他))の少なくとも1種、例えばポリ
エステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレ
フィン、ナイロン、レーヨン、アクリル、羊毛等を任意
選択して使用することができる。接着性繊維としては、
特に制限されないが、具体的にはポリエステル、ナイロ
ン、ポリエチレン等のポリオレフィン等の合成繊維の中
から任意に選択することができる。接着性繊維として
は、これらの材料を用いて例えば繊維の表面に接着剤を
有する同軸構造の接着性繊維も挙げられる。接着性ポリ
マーとしては、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン
等のポリオレフィン、その他の熱可塑性樹脂、セルロー
ズ誘導体、さらに加熱により硬化するフェノール樹脂、
エポキシ樹脂等も使用できる。これらのポリマーを接着
剤として機能させるためには、熱溶融による場合、溶剤
による場合等を挙げることができる。低融点の接着性繊
維が好ましく、例えば鞘−芯タイプの同軸のポリエステ
ル等が挙げられる。
【0009】本発明において、上記基材層と繊維集合体
の層をニードルパンチ法により積層した積層材を用い
て、複数の襞を連続して形成しその両側の開放部を閉塞
した波状袋部を有する濾過部を形成し、該濾過部の波状
袋部の開口部に鍔部を有するフィルタを一体成形により
形成してもよいが、その濾過部のみをこの積層材により
形成してもよい。上記積層材と別体の異なる材料を用い
て鍔部を構成するには、この積層材と接着性を有する接
着性基材を用いることが好ましい。接着性基材として
は、紙シート、段ボール等の弾性体シート、不織布シー
ト、綿状材料、ひも状材料、微小砕片材料等に、上記の
接着性繊維、接着性ポリマーその他の接着性のある材料
を含有させたものが挙げられるが、自然界で分解し易い
天然材料のみを使用したものが最も好ましいが、その割
合が多いものも好ましく、接着性のある材料を含有させ
るには、各シートを成形するまえに接着性のある材料を
混入したり、各シート成形後接着性のある材料を含浸、
塗布、積層する等により含有させる。不織布シートとし
ては、上記の天然繊維及び化学繊維の少なくとも1種を
選択して使用することができるが、例えば合成繊維から
なる通常の不織布のほか、レーヨン、パルプ、セルロー
ス繊維等を合繊繊維と混ぜた複合材料も含まれる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を上述した材
料を用いて図1ないし図7に基づいて説明する。図1に
示すように、基材層と繊維集合体の層との少なくとも2
層をニードルパンチ法により積層した濾過性を有する積
層材であるフィルタ用濾過材からなるシート1を通常の
加工法によりプリーツ状(襞状)に成形し、複数の襞を
連続して形成した波状シート体2を得る。その後、波状
シート体2を想像線(一点鎖線)より外側を加熱加圧す
るプレス成形することにより波状シート体2の両側の開
放部2a、2a・・、2b、2b・・を、その周囲の一
部を押しつぶし、一部を折り畳んだ状態で熱融着により
全部又は少なくともその一部、すなわちその襞の頂部側
を閉塞し、その周囲のはみ出した部分はトリミングして
除き、波状袋体3を形成する。波状袋体3は、複数の襞
3a、3a・・・と、両側の壁部3b、3b・・、3
c、3c・・からなる図示下面を開口の袋状に形成され
ている。次に、図2に示すように、接着性のある材料を
混入した材料により得られた接着性基材からなるシート
を打ち抜き加工して中抜きシート4を作製した後、図3
に示すように、これを上記波状袋体3に対してその中抜
き穴4aの周辺が一部積層し(一点鎖線の想像線で積層
範囲を示す)、その外周がはみ出すように重ねて、上記
と同様にプレス加工する。これにより、図4に示すよう
に、波状袋体3の下端周辺、すなわち両端の下端周辺及
び両側壁部の下端周辺にその一部積層した部分を融着し
(この際波状シート体がその頂部側だけしか閉塞されて
いない場合はその下側を閉塞してもよい)、そのはみ出
した部分を押し固める。その結果、波状袋体3の下端外
周に立上壁5aを接合した硬質の鍔体5が形成され、波
状袋部の濾過部と鍔部からなるフィルタ6が得られる。
【0011】本発明の別の実施の形態として、図5に示
すように、接着性のある材料を含有しない基材からなる
シート等を打ち抜き加工して中抜きシート7を作製した
後、接着性のある材料からなる接着性シート8、8をそ
の中抜きシートの外周より外側にはみ出しかつ中抜き穴
7aより内側にはみ出すように中抜き穴8a、8aを設
けて上下両側から積層し、接着性基材からなる積層中抜
きシート9を作製する。次に、この積層中抜きシート9
を上記波状袋体3に対してその中抜き穴7aよりはみ出
した部分の接着性シートが積層し、中抜きシート7及び
接着性シート8、8の中抜き穴7aより外周部分がはみ
出すように重ねて、上記と同様にプレス加工する。これ
により、波状袋体3の下端周辺、すなわち両端の下端周
辺及び両側壁部の下端周辺にその一部積層した部分を融
着し、そのはみ出した部分を押し固める。その結果、波
状袋体3の下端外周に立上壁10aを接合した硬質の鍔
体10が形成され、波状袋部の濾過部と鍔部からなるフ
ィルタ11が作製される。
【0012】本発明のさらに別の実施の形態として、図
6に示すように、基材層と繊維集合体の層との少なくと
も2層をニードルパンチ法により積層した濾過性を有す
る積層材であるフィルタ用濾過材からなるシート12を
通常の加工法によりプリーツ状に成形し、複数の襞を連
続して形成した波状シート体13を得る。次いで、想像
線(一点鎖線)より外側を加熱加圧するプレス成形によ
り圧縮圧着し、波状シート体13の両側の開放部13
a、13a・・、13b、13b・・を、その周囲の一
部を押しつぶし、一部を折り畳んだ状態で熱融着により
閉塞し、襞14a、14a・・と閉塞した両側面14
b、14b・・、14c、14c・・を有する波状袋体
14を形成するするとともに、その開口部に外周平坦部
14dを形成する。その後、この外周平坦部14dを横
方向から加圧加熱し、波状袋体14の周囲壁面に向かっ
て起立させ、その一部をその壁面に融着し、起立壁14
eを形成する。次に、接着性のある材料を混入した材料
により得られた接着性基材からなるシートを打ち抜き加
工して中抜きシート15を作製した後、これを上記波状
袋体14に対してその中抜き穴15aの周辺が一部積層
し、その外周がはみ出すように重ねて、上記と同様にプ
レス加工する。これにより、起立壁14eに沿ってその
一部積層した部分を融着し、そのはみ出した部分を押し
固める。その結果、起立壁14eに沿って立上壁16a
を接合した硬質の鍔体16が形成され、波状袋部の濾過
部と鍔部からなるフィルタ17が得られる。このフィル
タは起立壁14eに沿って立上壁16aが接合されてお
り、波状袋部と鍔部の接合がより強固になるとともに、
これらによる枠体は変形し難く、フィルタ全体も変形し
難くするという長所がある。上記波状袋体の濾過部と鍔
部は別体の異なる材料で形成されたが、図6に示すよう
に、基材層と繊維集合体の層との少なくとも2層をニー
ドルパンチ法により積層した濾過性を有する積層材であ
るフィルタ用濾過材からなるシートを、同図の上から3
番目までの図に示すように、波状袋体14と外周平坦部
14dを一体成形し、波状袋体14の濾過部と外周平坦
部14dの鍔部を有するフィルタとしてもよい。製造が
容易で生産性がよく、接合部もないので全体を均一に丈
夫にすることができる。
【0013】上記のようにして得られたフィルタは、例
えばフィルタ6は、図7に示すように、上下のケース部
材18、19のそれぞれの接合部に鍔部5が挟持される
が、この鍔部は硬質で変形し難い枠形状を維持し、フィ
ルタ全体の変形も抑えて取扱い、装着をし易くする。こ
れによりフィルタ6は、これらのケース部材からなるケ
ースに内装され、空気濾過器20が得られるが、波状袋
体3からなる袋状濾過部の特に襞3a、3a・・は気体
透過性が維持されているので、その外側から内側に濾過
したい気体を透過させると濾過することができ、例えば
自動車等のエンジンの吸気用その他の空気濾過器として
使用することができる。このようにして得られるフィル
タは、基材層により成形可能であり、その形状を維持し
易く、いわゆる成形加工性がよく、繊維集合体の層は繊
維の使用量によりその厚さを容易に変えられ、その硬軟
もニードルの穿孔密度や進入度合いにより容易に変えら
れ、その使用目的に適った形態と濾過性能を有するもの
を得ることができる。また、波状シート体の両側開放部
はそのシート体の一部を使用して熱融着により閉塞され
ており、これは同一材料による融着であるので、異種材
料の熱融着のように材料の伸び縮み等の相違、接着性の
相違等により接着力を弱められ、融着部が剥離したりす
るようなことが起こり難く、その気密性を良く、長く維
持できる。また、鍔体は波状袋体とは異なる材料で形成
され、その剛直性は波状袋体の材料にこだわらずに独自
に選択することができる自由度が大きいので、鍔部をそ
の形状、ひいてはフィルタの形状が変形することを防止
する最適な材料を用いて形成することができるととも
に、リサイクル可能な材料を選択することができる。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。なお、
「%」は質量%を示す。 実施例1 図1に示す基材層と繊維集合体の層との少なくとも2層
をニードルパンチ法により積層した濾過性を有する積層
材であるフィルタ用濾過材からなるシート1として、厚
み0.3mmの多孔質ポリエステル不織布上に厚み20
mm、目付け350g/m2 のポリエステル綿材(繊維
集合体)をニードルパンチ法によ積層し、厚みが10m
mになるまでパンチングした積層材からなるシートを使
用し、接着性のある材料を混入した材料により得られた
接着性基材からなる中抜きシート4として、紙を水に再
分散して再生させたセルロース繊維40%、レーヨン2
0%、ポリエステル繊維10%、接着性ポリエステル繊
維30%を混合したシートを中抜き加工して使用したこ
と以外は、図1〜4に従ってフィルタを得た。その結
果、シート1は成形性が優れ、その形状を維持する保形
性も良く、濾過性能も良好であった。また、濾過部の周
囲に存在する鍔部に約40%の再生紙材を使用したフィ
ルタを得ることが出来た。このフィルタを焼却や埋め立
て処理しても、再生紙材分は天然物の処理を行うことが
でき、環境汚染の問題を軽減できるとともに、処理負担
を軽減できる。
【0015】実施例2 図5に示す中抜きシート7として紙製中抜きシートを使
用しその両面に、接着性シートとしてレーヨン50%、
ポリエステル繊維20%、ポリエステル接着性繊維30
%からなる不織布を使用して接着剤で貼り付け、積層中
抜きシート9を作製し、これを使用したこと以外は、図
5に従ってフィルタを得た。この結果紙が大部分を占め
る鍔部を有するフィルタが得られ、紙は再生紙を使用す
ることもでき、資源を有効利用できるとともに、このフ
ィルタを焼却や埋め立て処理しても、紙は天然物の処理
を行うことができ、環境汚染の問題を軽減できるととも
に、処理負担を軽減できる。
【0016】実施例3 図6に示す基材層と繊維集合体の層との少なくとも2層
をニードルパンチ法により積層した濾過性を有する積層
材であるフィルタ用濾過材からなるシート12として、
厚み0.3mmの多孔質ポリエステル不織布上に厚み2
0mm、目付け400g/m2 の混合綿材(ポリエステ
ル60%、接着性ポリエステル40%)(繊維集合体)
をニードルパンチ法により積層し、厚みが10mmにな
るまでパンチングした後、加熱して接着性ポリエステル
の溶融による接着を行わせた積層材(透気度 0.5)
からなるシートを使用し、同図に示す接着性のある材料
を混入した材料により得られた接着性基材からなる中抜
きシート15として、セルロース繊維10%、レーヨン
60%、接着性ポリエステル繊維30%を混合した不織
布シートを中抜き加工して使用したこと以外は、図6に
従ってフィルタを作製した。その結果、シート12は成
形性が優れ、その形状を維持する保形性も良く、濾過性
能も良好であった。また、濾過部の周囲に存在する鍔部
に10%のセルローズ、60%にセルローズ誘導体を使
用したフィルタを得ることが出来た。セルローズは再生
物を使用することができ、資源を有効利用できる。この
フィルタを焼却や埋め立て処理しても、セルローズやセ
ルローズ誘導体は天然物やこれに準じた処理を行うこと
ができ、環境汚染の問題を軽減できるとともに、処理負
担を軽減できる。
【0017】実施例4 上記実施例1〜3は波状袋部の濾過部と鍔部は別体の異
なる材料で形成されたが、一体の同一材料で形成しても
よく、例えば基材層と繊維集合体の層との少なくとも2
層をニードルパンチ法により積層した濾過性を有する積
層材であるフィルタ用濾過材からなるシートとして実施
例1、3において使用したそれぞれのものを使用し、図
6に示すように、このシートを同図の上から3番目まで
の図に示すように、波状袋体14と外周平坦部14dを
一体成形し、波状袋体14の濾過部と外周平坦部14d
の鍔部を有するフィルタとする。なお、外周平坦部14
dの幅は広めにする。上記いずれの実施例のフィルタも
図7のように例えば自動車等のエンジンの吸気用の空気
濾過器として使用することができる。
【0018】比較例1 実施例1において、多孔質ポリエステル不織布を使用し
ないこと以外は同様にしてニードルパンチ法によりポリ
エステル綿材の厚み10mmの不織布を形成し、この不
織布を用いて図1のように波状袋体3を成形しようとし
たが、この不織布は軟らか過ぎ、襞3a、3a・・・の
形状を保持することができなかった。
【0019】比較例2 実施例3において、多孔質ポリエステル不織布を使用し
ないこと以外は同様にしてニードルパンチ法により混合
綿材の厚み10mmの不織布を形成し、この不織布を用
いて図1のように波状袋体3を成形しようとしたが、こ
の不織布は軟らか過ぎ、襞3a、3a・・・の形状を保
持することができなかった。そこで、更に0.2mmに
なるまでパンチングを追加した後、接着性ポリエステル
を溶融し接着させる加熱硬化をさせたところ、図1のよ
うに襞3a、3a・・・の形状を保持した波状袋体3が
得られたが、透気度は0.8まで低下し、通気性の劣化
が認められた。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、所定の形状を形成可能
でありかつ該形状を保持可能である基材層に繊維集合体
の層をニードルパンチ法により積層した濾過性を有する
積層材を使用したので、成形加工性がよいとともに、空
隙率をコントロールし易いため、通気性を損なわず、濾
過性能が良く、しかも厚さを任意に選択することができ
るフィルタ用濾過材、これを用いたフィルタ、その製造
方法及び空気濾過器を提供することができる。また、製
造工程を煩雑化しないで済み、コストの低減化を図るこ
とができるフィルタ用濾過材、これを用いたフィルタ、
その製造方法及び空気濾過器を提供することができる。
また、不燃材料を含まず廃棄処理し易く、自然界で分解
不能な廃棄物量を減少させるとともに、再生材料を使用
することができるフィルタ用濾過材、これを用いたフィ
ルタ、その製造方法及び空気濾過器を提供することがで
きる。さらに、鍔部の剛直性を任意に選択することがで
きるフィルタ及びその製造方法を提供することができ
る。そして、特に自動車のエンジンの吸気用として最適
な空気濾過器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のフィルタの製造工程の
一部を示す説明図である。
【図2】その製造工程の他の一部を示す説明図である。
【図3】その製造工程のさらに他の一部を示す説明図で
ある。
【図4】そのフィルタの斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施例のフィルタ及びその製造
工程を示す説明図である。
【図6】本発明の第3の実施例のフィルタ及びその製造
工程を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施例の空気濾過濾過器の断面図で
ある。
【符号の簡単な説明】
1、12 フィルタ用濾過材からなるシート体 2、13 波状シート体 3、14 濾過体としての波状袋体 4、15 接着性基材からなる中抜きシート体 5a、10a、16a 立上壁 5、10、16 鍔部としての鍔体 6、11、17 フィルタ 20 空気濾過器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D019 AA01 BA13 BB04 BB10 CA04 CB06 4D058 JA06 JB25 JB39 KA01 KA11 KA13 SA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の形状を形成可能でありかつ該形状
    を保持可能である基材層と、不織布に形成可能な繊維集
    合体の層との少なくとも2層をニードルパンチ法(ニー
    ドルにより基材層に繊維を植え込んで基材層上に繊維集
    合体による層を形成する)により積層した濾過性を有す
    る積層材であるフィルタ用濾過材。
  2. 【請求項2】 不織布に形成可能な繊維集合体の層には
    低融点接着性繊維が5〜50重量%含有されている請求
    項1に記載のフィルタ用濾過材。
  3. 【請求項3】 不織布に形成可能な繊維集合体の層の該
    繊維集合体の一部は基材の該繊維集合体の層を積層した
    側とは反対側の裏面にも突出されている請求項1又は2
    に記載のフィルタ用濾過材。
  4. 【請求項4】 複数の襞を連続して形成しその両側の開
    放部を閉塞した波状袋部を有する濾過部と、該濾過部の
    波状袋部の開口部に鍔部を有するフィルタにおいて、少
    なくとも該濾過部は請求項1ないし3のいずれかに記載
    のフィルタ用濾過材により形成されているフィルタ。
  5. 【請求項5】 複数の襞を連続して形成しその両側の開
    放部を閉塞した波状袋部を有する濾過部と、該濾過部の
    波状袋部の開口部に鍔部を有するフィルタにおいて、該
    濾過部と該鍔部は請求項1ないし3のいずれかに記載の
    フィルタ用濾過材の一体成形体であるフィルタ。
  6. 【請求項6】 複数の襞を連続して形成しその両側の開
    放部を閉塞した波状袋部を有する濾過部と、該濾過部の
    波状袋部の開口部に鍔部を有するフィルタにおいて、上
    記波状袋部は上記襞部及びその閉塞した両側部の少なく
    とも該襞部の頂部近傍を含む全体が請求項1ないし3の
    いずれかに記載のフィルタ用濾過材により形成されてい
    るとともに、上記鍔部は該波状袋部の開口部周縁に接合
    部を有しかつ上記波状袋部に使用のフィルタ用濾過材と
    は別体の接着性基材を用いて形成されているフィルタ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のフ
    ィルタを用いた空気濾過器。
  8. 【請求項8】 自動車用エアフィルタである請求項7に
    記載の空気濾過器。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし3のいずれかに記載のフ
    ィルタ用濾過材を用いて複数の襞を連続して有する波状
    シート体を形成する工程と、該波状シート体の全数の襞
    の両側の開放部をプレス成形により閉塞する工程を有す
    ることにより波状袋部を形成し、該波状袋部の開口部の
    少なくとも外周縁周辺に該波状袋部に使用したフィルタ
    用濾過材とは別体の接着性材料を配置する工程と、該配
    置した接着性基材と波状袋部の開口部周辺とを加圧加熱
    する工程を有することにより鍔部を形成するとともに鍔
    部と波状袋部の接合を行なう請求項6に記載のフィルタ
    の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004243314A (ja) * 2003-01-22 2004-09-02 Toyo Roki Mfg Co Ltd 自動変速機又はエアクリーナ用濾材及びその製造方法
CN109195681A (zh) * 2016-03-17 2019-01-11 欧罗菲利特斯公司 包含粉末状和/或纤维状的回收材料的真空清洁器滤袋
JP2019063701A (ja) * 2017-09-28 2019-04-25 トヨタ紡織株式会社 フィルタ及びその製造方法

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