JP2002126147A - テニス挙動測定方法 - Google Patents

テニス挙動測定方法

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JP2002126147A
JP2002126147A JP2000323205A JP2000323205A JP2002126147A JP 2002126147 A JP2002126147 A JP 2002126147A JP 2000323205 A JP2000323205 A JP 2000323205A JP 2000323205 A JP2000323205 A JP 2000323205A JP 2002126147 A JP2002126147 A JP 2002126147A
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ball
racket
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tennis
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JP2000323205A
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Yumi Kanemitsu
由実 金光
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テニスラケット及びボールの挙動の測定解析
を高精度で行う。 【解決手段】 挙動測定用の2台の高速カメラ3,4で
得たインパクト前後のテニスラケット1およびボール2
の画像に基づく3次元座標系の演算処理をコンピュータ
7で実行することによりテニスラケット1及びボール2
の挙動にかかる各種数値を算出する。また、上記測定演
算と同時に、スピン量測定用の高速カメラ5により得た
ボール2の回転している状態の画像に基づきコンピュー
タ7で演算処理を実行することによりボール2のスピン
量を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テニス挙動測定方
法に関し、詳しくは、テニスラケットをスイングしてボ
ールをインパクトする際の前後にわたるラケットとボー
ルの挙動およびボールのスピン量を高精度で測定解析す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ボールを打撃するスポーツで
あるゴルフ、テニス等に対しては、打撃状況等を解析す
るため、ボールのインパクト時等の挙動をカメラで撮影
すると共に、得られた撮影データを基とした画像処理や
演算処理等を経て、スイング等にかかる種々の解析等が
行われている。このような解析結果は、使用される道具
等の開発、プレーヤーのスイング動作の矯正、プレーヤ
ーに最適な道具を選択する場合等に利用されている。
【0003】ゴルフにおける各種挙動測定に関しては、
特開平5−81232号公報、特許第3061640号
において、ゴルフクラブのスイングを正面および上方な
どにセットした2台のカメラで二つの撮影方向から画像
として捉えて、インパクト時の前後にわたり得られた複
数枚の画像に基づいてクラブやゴルフボールの挙動を二
次元的に測定する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、テニス
の挙動を測定する場合、ゴルフと同様の測定方法で行う
ことは困難である。即ち、ゴルフの場合は静止している
ボールをインパクトするのに対し、テニスの場合は動い
ているボールをインパクトするため、インパクト位置が
前後左右上下と三次元的に変化するからである。例え
ば、図24に示すように、打ち返されたボール位置によ
っては、スイング状況20aとスイング状況20bでは
テニスラケットの位置が上下に20cmも相違すること
がある。さらに、ゴルフクラブのインパクトする箇所の
面積に比べ、テニスラケットのストリングス面の面積が
大きいので打点位置も三次元的に移動するため、二次元
的な測定では高精度な測定結果を得られない問題があ
る。
【0005】その上、プレヤーが異なれば打点位置等も
広範囲に三次元的に分布することとなり、また、スイン
グの軌跡自体もゴルフに対してテニスの方が自由度は大
きいため、スイング挙動も三次元的な広がりを有する問
題もある。よって、これらを考慮すれば、もはや、テニ
スにおいては、二次元でインパクト位置や打点位置を特
定することが殆ど不可能となる。そのため、テニスの挙
動測定では、高精度の測定結果を得るためには、ゴルフ
の挙動測定と同じ測定項目であるインパクト時の打撃箇
所の面角度、開き角度、ヘッド速度(ラケットの場合は
トップ位置の速度)に対しても、三次元的な測定を行う
必要がある。
【0006】さらに、テニスの場合には、ゴルフの測定
項目には無い項目も測定する必要がある。例えば、上述
したようにテニスラケットはストリングス面積が大きい
ため、ラケットのトップ位置と打点位置は離反してお
り、トップ位置の速度測定だけでは正確なラケットの挙
動を測定できず、打点位置の速度も測定する必要があ
る。また、インパクト時のボールとの接触時間も、ゴル
フの場合はゴルフクラブとの接触時間は1万分の数秒単
位であるのに対し、テニスの場合はラケットとの接触時
間は千分の数秒単位と一桁長くなっている。このように
接触時間が長ければ、ラケットを振り上げる角度もボー
ルの挙動に影響を及ぼすため、ラケットの振り上げ角度
も測定項目に追加する必要がある。しかも、これらの新
たな測定項目も三次元的に測定しなければならない。
【0007】その上、ボールのスピンに対しては、ゴル
フの場合、インパクトされたボールに加わるスピンの種
類は、バックスピンとサイドスピンのみであるが、テニ
スの場合はテニスラケットのスイングの仕方によって
は、トップスピン、バックスピン、サイドスピンとスピ
ンの種類も多く、これらの種類を区別して測定する必要
もある。このように、テニスに関する各種挙動測定は、
ゴルフの場合に比べて多くの困難な問題を抱えているた
め、テニスのスイングに係るラケットの挙動やボールに
関する挙動を三次元的に画像として捉え、高精度で測定
して三次元的に解析する方法は、現時点では確立されて
いないのが実情である。
【0008】本発明は、上記した問題に鑑みてなされた
もので、スイングされたテニスラケットの挙動、ボール
挙動等を複数のカメラで同時に撮影し、撮影データを基
に三次元的に演算処理を行い、プレーヤー毎に相違する
インパクト位置に対応して、二次元的には計測不可能な
打点位置速度や角速度を計測することを第一の課題とし
ている。また、二次元的な測定では誤差の大きい各種速
度や角度も高精度で測定演算することを第二の課題とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、スイングされたテニスラケットの挙動お
よびボールの挙動を少なくとも2台の同期させた挙動撮
影用カメラにより、各カメラの光軸が一致しない夫々相
違する方向から画像として順次捉えると同時に、ボール
のスピン状況を少なくとも1台のスピン量撮影用カメラ
により画像として順次捉え、上記挙動撮影用カメラによ
り得られた複数の画像に基づき三次元座標系の演算処理
を行い、テニスラケット挙動及びボール挙動にかかる数
値を算出すると共に、上記スピン量撮影用カメラで得ら
れた複数のボール画像に基づき演算処理を行い、ボール
のスピン量を算出しているテニス挙動測定方法を提供し
ている。
【0010】このように、本発明の測定方法では、ラケ
ット挙動及びボール挙動に対しては、2台以上の挙動撮
影用カメラで撮影を行うので、ゴルフと異なり三次元的
な動きを示すテニスのラケットやボール挙動の画像デー
タを得ることができ、また、これらのデータを基に三次
元座標系で演算処理すると三次元的な解析を行え高精度
な測定解析結果を得ることができる。本発明では、三次
元座標系の演算処理には、DLT(Direct Liner Trans
formation)法を用いている。DLT法とは、同一直線
上に位置しない相違する方向から得られた画像より抽出
した複数の定点の三次元座標値を基に多数の連立一次方
程式を立てると共にこれらの方程式を解くことで対象と
なる挙動数値を算出するものであり、高精度で三次元的
な挙動解析を行える。
【0011】一方、ボールのスピン量に対しては、専用
のスピン量撮影用カメラを設置して、ゴルフに比べて種
類の多いテニスボールのスピン状況も確実に捉えること
ができる。しかも、本発明では、上記挙動撮影用カメラ
とスピン量撮影用カメラで同時に撮影すると共に並行し
て演算処理を行うので、一度にスイング及びボールの各
挙動とスピン量とを同時並行で解析でき、測定を効率的
に行える。
【0012】上記挙動撮影用カメラの中の1台は、テニ
スラケットをスイングするプレーヤを該プレーヤーの利
き腕側となる横方向から捉える位置に設置すると共に、
別の1台は、該プレーヤの利き腕側の後方位置に設置し
ている。基本的に各挙動撮影用カメラは、DLT法の適
用より各カメラレンズの光軸が一致しない範囲で、スイ
ングされるラケットがプレーヤーの体に隠れることがな
いように撮影できる位置に設置すればよいが、上記した
箇所に設置することで確実に高精度な撮影を行える。即
ち、上記箇所の設置であれば、三次元的に変化するイン
パクト位置等に対しても、撮影した画像上でインパクト
の瞬間にボールが打球面に当たってつぶれる様子を目視
で容易に確認することができ、その上、三次元的に変化
する各種挙動を捉えやすく、また、DLT法の演算にお
いても、演算結果の精度向上を図ることができる。
【0013】上記挙動撮影用カメラは、撮影コマ速度を
250から5000コマ/秒の範囲に設定して、インパ
クトの前後に亘る画像を撮影している。ボールとラケッ
トのインパクト時の接触時間は約4ミリ秒であるため、
カメラの撮影コマ速度を250コマ/秒未満にすると、
速度が遅すぎてラケットのスイングやボールの挙動を正
確に捉えることが難しく、また、5000コマ/秒を越
えると、大量の画像メモリを必要とする上に撮影装置が
大型になって使用性の悪化を招くと共に装置にかかる費
用も高価になる。よって、撮影コマ速度は上記した範囲
が適しており、撮影精度を重視すると1000コマ/秒
以上が好ましく、画像量と撮影精度のバランスを考慮す
ると、750から1500コマ/秒の範囲が好ましい。
なお、各方向に設置された挙動撮影用カメラは、それぞ
れの撮影時期が異なると相違する方向より各種挙動を正
確に解析できないので、これら挙動撮影用カメラは撮影
時期を同期させている。
【0014】また、DLT法でカメラによる撮影画像上
の距離を実際の距離に変換する演算には最低6点の座標
が必要となり、そのため、例えば立方体の角の座標を決
めるような所謂キャリブレーション(校正)が行われ
る。このキャリブレーション用の空間の大きさは、40
cm×40cm×40cm以上100cm×100cm
×100cm以下の範囲が好ましく、40cm×40c
m×40cm未満であれば、測定に必要な点がキャリブ
レーション用の空間からはみ出し測定精度が悪化し、1
00cm×100cm×100cmを越えると、画像に
おける走査線数は同数なので走査線のピッチが荒くな
り、それに伴い測定点の座標の測定誤差が大きくなり十
分な測定精度を確保することが困難になる。
【0015】一方、上記スピン量撮影用カメラは、撮影
コマ速度を50から500コマ/秒の範囲に設定すると
共に、テニスラケットをスイングするプレーヤーから打
出側となる前方へ80cmから150cm離れた範囲で
ボールを横方向から捉える位置に設置して、インパクト
前後の画像を撮影する。ボールのスピン量を精度良く算
出するためには、時間差のある2枚の画像が必要であ
り、そのためには一定の時間差の間に移動するボールを
カメラ枠内に収まる範囲で、かつ、できるだけ狭い画角
でボールが大きく写るように調整する必要がある。これ
に対応するために、本発明は、高速度撮影可能なカメラ
を用いて上記撮影コマ速度で撮影することにより、時間
差のある画像を連続して2枚以上撮影でき、また、カメ
ラを上記範囲に設置することで、ボールを大きく捉えた
画像を撮影できる。
【0016】具体的には、撮影されるボール画像はボー
ルの角度変化が適度に大きく、例えば、ボールが約90
度の範囲でスピン回転する変化状態を読みとれるように
スピン量撮影用カメラの撮影コマ速度等を調整すること
が好ましい。例えば、ボールのスピン量が3000rp
mの場合、200コマ/秒の速度で2回連続撮影する
と、撮影された2画面には0度の状態と90度回転した
状態のボール画像を得ることができ、スピンによる変化
量を確実に捉えることができる。よって、上記とは逆
に、ボールのスピン回転における角度変化が小さけれ
ば、スピン量が判別しにくくなり、測定誤差も大きくな
るため、撮影コマ数が多くなるように撮影コマ速度を調
整するのが好ましい。
【0017】なお、スピン量撮影用カメラの設置位置に
関しては、上記数値の設置範囲の下限より小さいと、イ
ンパクト後のボールの変形が収束していないため、スピ
ン量の算出が困難であり、上記した範囲の上限を超える
と、スピン量が減衰しているため測定値のバラツキが大
きくて十分な測定精度を得ることが困難となる。つま
り、出来るだけインパクトの瞬間に近くてボールの変形
が納まっている時期に撮影できる箇所に設置されるのが
好ましい。
【0018】上記三次元座標系の演算処理によりテニス
ラケット挙動として、インパクト前のラケットの面角
度、インパクト時のラケットの面角度、インパクト後の
ラケットの面角度、インパクト時のラケットの持ち角
度、インパクト時のラケットの開き角度、インパクト前
後のラケットの振り上げ角度、ボールのストリングス面
上の打点位置、インパクト前後のラケットのトップ位置
速度、インパクト前後のラケットの打点位置速度のいず
れか、あるいは、全てを算出している。また、上記以外
にもインパクト前後のラケットの角速度も算出してい
る。このように、ゴルフの挙動測定と共通の測定項目で
あるラケットの面角度(ゴルフクラブのロフト角と同
等)、ラケットの開き角度(ゴルフクラブのライ角と同
等)、ラケットのトップ位置速度(ゴルフクラブのヘッ
ド速度と同等)を三次元的に演算処理し、インパクト位
置が異なる場合でも精度良く算出できる。また、テニス
固有の測定項目であるラケットの持ち角度、ラケットの
振り上げ角度、ボールの打点位置、打点位置速度、ラケ
ットの角速度も三次元的な演算処理により高精度で算出
できる。
【0019】上記においてラケットの面角度や開き角度
などを測定する場合、ラケットの面をとらえることにな
るが、少なくともラケットにおける3点の位置を確認す
れば、ラケットの打撃面となるストリングス面を捉えら
れる。この場合のラケットにおける3点としては、特定
の点に限られるものではないが、例えば次のような3点
を挙げることができる。即ち、ラケットの打球面を時計
面とみてトップ位置を12時とし、12時(トップ位
置)、2時、6時(ヨーク位置)の各位置を3点として
ラケットの面を捉えることができる。
【0020】一方、上記三次元座標系の演算処理により
ボール挙動として、インパクト前後のボール速度、ボー
ルの入射角度、ボールの打出角度、ボールの入射方向、
ボールの打出方向、ボールの反発係数のいずれか、ある
いは、全てを算出する。このようにボール挙動にかかる
各種数値もスイング挙動と同様にして三次元的な演算処
理により求めることができる。また、このようにボール
の速度等を測定するためには、ボール中心を捉える必要
があり、目視により概略の中心を捉えるようにしてもよ
いが、精度を高めるためには、ボール外形の異なる接線
の交点を二点求めてボール中心を求めることが好まし
い。
【0021】上記ボールのスピン量は、インパクト時の
前後にわたり算出される。スピン量の測定には、対象と
なるテニスボールの外形に対する接線の交点の二点と、
求めて行う方法と、テニスボール表面に付加した二点の
印から求める方法があり、テニスの場合、更に、トップ
スピンとバックスピンを区別するために回転方向を認識
するための演算をすることが必要である。よって、イン
パクト時の前後のスピン量の算出は、インパクト時の前
後に得られた複数画像より上記のような処理で得ること
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は、本発明のテニス挙動測定方
法にかかる全体的な測定システムを示し、この測定シス
テムにおいては、本発明の測定方法を用いてテニスラケ
ット1でボール2をインパクトする際のテニスラケット
1及びボール2の挙動に加えて、ボール2のスピン量も
同時に測定している。
【0023】図1に示す測定システムでは、レンズの光
軸が一致しないように設置された2台の挙動撮影用の高
速カメラ3、4で、テニスラケット1のスイング挙動お
よびボール2の挙動を撮影し、画像として捉えると同時
に、他の1台のスピン量撮影用の高速カメラ5で所定の
撮影方向からボール2のスピン状況を撮影している。3
台の高速カメラ3〜5により得られた画像は、各高速カ
メラ3〜5に接続された画像メモリ6に記録され、これ
ら記録された画像データに基づいてコンピュータ7で演
算処理を行ってテニスラケット1の挙動及びボール2の
挙動、さらに、ボール2のスピン量を算出している。
【0024】図2に示すようなプレーヤーのスイングを
利き腕側となる横方向から捉えた画像が得られるよう
に、2台の挙動撮影用の高速カメラ3、4のうち高速カ
メラ3はプレーヤーPLと対向する正面方向に設置する
と共に、高速カメラ4は、図3に示すようなインパクト
時の瞬間にボール2がテニスラケット1のストリングス
面に当たり変形してつぶれる様子の画像が得られるよう
に、プレーヤーPLの後方で、かつ、プレーヤPLの利
き腕である右腕側の位置に設置している。
【0025】上記高速カメラ3,4の撮影コマ速度は、
250コマ/秒以上5000コマ/秒以下に設定してお
り、精度が必要な場合は、1000コマ/秒以上に設定
しており、画像量と撮影精度のバランスを重要視した場
合は、750〜1500コマ/秒の範囲に設定してい
る。なお、高速カメラ3、4は、撮影時期を同期させて
同じ時間における画像を相違する方向から得るようにし
ている。
【0026】一方、スピン量撮影用の高速カメラ5は、
プレーヤーPLの打出側の前方へプレーヤPLからの距
離PDが80cm〜150cmの範囲で、ボールを横方
向から捉えられる位置に設置している。また、上記範囲
の中で、図4(A)(B)に示すように、ボールスピン
量は、通常、撮影時期を相違させて時間差のある2枚の
ボールの画像PH1,PH2に基づいて求めており、2
枚の画像PH1,PH2に移動するボール2がなるべく
大きく映り、かつ、出来るだけ狭い画角になるように高
速カメラ5の撮影コマ速度を50から500コマ/秒の
範囲に設定している。よって、上記数値範囲で、2枚の
画像PH1,PH2の間でボールの角度変化が適度に大
きくなる(例えば90°の角度変化が読み取れる)よう
にしており、例えばボール2に3000rpmのスピン
がかかっている場合、200コマ/秒の撮影速度に設定
すると、画像PH1,PH2間でのボール2の角度変化
は90°となる。
【0027】コンピュータ7はインパクト時の前後にわ
たり高速カメラ3,4で順に得られた複数枚のテニスラ
ケット1の画像に基づき三次元座標系の演算処理を行
い、インパクト時のラケットの面角度、インパクト前後
のラケットの面角度、インパクト時のラケットの持ち角
度、インパクト時のラケットの開き角度、インパクト前
後のラケットの振り上げ角度、ボールのストリングス面
上の打点位置、インパクト前後のラケットのトップ位置
速度、および、インパクト前後のラケットの打点位置速
度を算出しており、さらに、インパクト前後のラケット
の角速度を算出している。
【0028】テニスラケット1の面角度や開き角度等を
測定する場合、テニスラケット1の打撃にかかる面を捉
えることになるが、本実施形態ではテニスラケット1に
おける次の3点の位置を確認することでテニスラケット
1の打撃面であるストリングス面を捉える構成としてい
る。即ち、図5に示すように、テニスラケット1のスト
リングス面を時計面とみてトップ位置を12時とし、1
2時(トップ位置)のトップ点P1,2時の位置の2時
点P2,6時の位置(ヨークの位置)のヨーク点P3の
3点でテニスラケット1の打撃面を捉えている。
【0029】また、コンピュータ7は上記テニスラケッ
ト1の場合と同様にして得られたボール2の画像に基づ
き三次元座標系の演算処理を行い、インパクト前後のボ
ール速度、ボールの入射角度、ボールの打出角度、ボー
ルの入射方向、ボールの打出方向、ボールの反発係数を
算出している。ボール2の速度などを測定する場合、ボ
ール2の中心点P4を捉える必要があるが、この場合、
画像上でボール2の中心点P4を目視により捉えてもよ
いし、ボール2の外形に対する接線の交点を二点求めて
両点の中心をボール2の中心点P4として求めてもよ
い。
【0030】なお、高速カメラ3,4で撮った画像上の
距離を実際の距離に換算するために、最低6点の座標を
求めており、本実施形態では立方体の角の座標を決めて
所謂キャリブレーション(校正)を行っている。このキ
ャリブレーション用の空間の大きさは、40cm×40
cm×40cm以上100cm×100cm×100c
m以下の範囲で行っている。
【0031】また本実施形態では、上記したラケット等
の測定演算と同時に、インパクトの前後にわたり高速カ
メラ5で順に得られた複数のボール画像に基づき、コン
ピュータ7が三次元座標系の演算処理を行い、インパク
ト前後のトップスピン、バックスピン及びサイドスピン
についてのボールスピン量も測定解析し、ゴルフの場合
にはないトップスピン(スライス、フック)も含めた4
種のボールスピン量を測定することができる。なお、さ
らに、詳細な測定を行う場合等は、挙動撮影用カメラ台
数を増加させて、上記高速カメラ3,4と異なる方向よ
り撮影するようにしてもよく、スピンの測定に対しても
スピン量撮影用の高速カメラ台数も増加させてもよい。
【0032】続いて、テニスラケット1の挙動及びボー
ル2の挙動を測定解析するための3次元座標系の演算処
理を具体的に説明する。本発明では、コンピュータ7に
おいてDLT法を用いて演算処理しており、演算処理の
対象となる基データ画像を、図6(A)に示すように、
挙動測定用の高速カメラ3,4で、ラケットのスイング
にかかるインパクト前の2枚の画像a,bと、インパク
トの瞬間の画像cと、インパクトの数ミリ秒後の画像d
と、インパクト後の2枚の画像e,fとして計6画像撮
影している。なお、インパクト前の画像a,bとインパ
クト後の画像e,fには、テニスラケット1にボール2
が接触していない時の画像を選択している。次に、これ
ら撮影された画像a〜f毎に、テニスラケット1に関す
る上述した3個の点P1〜P3及びボール2の中心点P
4を抽出して、図6(B)に示すテニスコートのサイド
ラインと平行なX軸、地面と垂直なY軸、テニスコート
のエンドラインに平行なZ軸で構成されるXYZ直交3
次元座標における座標値を求めている。これらの座標値
を表1に示す。なお、以下の各表における数値単位はc
mである。
【0033】
【表1】
【0034】さらに、表1の各座標値に対して、ヨーク
点P3が原点となるように座標変換処理を行っている。
即ち、XYZ座標を、図6(B)に示すヨーク点P3が
原点となるX’Y’Z’座標に平行移動し、表1の画像
a〜fのXYZ座標系における各座標値から、X3、Y
3、Z3を減算して、表2に示す新たなX’Y’Z’座
標系における座標値を得ている。例えば、画像aにおけ
るX’Y’Z’座標における各座標値には、 xa1=Xa1−Xa3、ya1=Ya1−Ya3、z
a1=Za1−Za3 の関係が成立している。
【0035】
【表2】
【0036】上記変換された表2における各座標におい
て、インパクト前の画像b、インパクトの瞬間の画像
c、インパクトの数ミリ秒後の画像dの各点P1〜P4
の各座標値については、さらに、回転座標変換を行って
いる。この回転座標変換には三通りの変換処理があり、
一つ目は、テニスラケット1の点P1と点P3を結ぶ長
手方向の中心軸1aがYZ面と平行となるようにする第
1回転座標変換を行う処理であり、下記の数式(1)で
行われる。二つ目は、上記第一回転座標変換を行った
後、テニスラケット1の中心軸1aがXZ面と平行とな
るようにする第二回転座標変換を行う処理であり、第二
回転座標変換は数式(2)で行われる。三つ目は、第二
回転座標変換のみを行う処理である。上記一つ目の変換
結果を表3に、二つ目の変換結果を表4に、三つ目の変
換結果を表5に示す。なお、二つ目の変換においては、
表3の座標値を使用している。
【0037】
【数1】
【数2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0038】以下、上記表1から表5の座標値を用いて
演算処理を行い、スイングされたテニスラケット1の挙
動として、インパクト前のラケットの面角度、インパク
ト時のラケットの面角度、インパクト後のラケットの面
角度、インパクト時のラケットの持ち角度、インパクト
時のラケットの開き角度、インパクト前後のラケットの
振り上げ角度、ボールのストリングス面上の打点位置、
インパクト前後のラケットのトップ位置速度、インパク
ト前後のラケットの打点位置速度、および、インパクト
前後のラケットの角速度を算出する。また、上記と同様
にボール2の挙動としてインパクト前後のボール速度、
ボールの入射角度、ボールの打出角度、ボールの入射方
向、ボールの打出方向、ボールの反発係数を算出する。
【0039】〔インパクト時とその3ミリ秒後のラケッ
トの面角度及びその変化の算出〕図7、8に示すよう
に、テニスラケット1の面角度とは、テニスラケット1
の中心軸1aを地面と水平に回転させた状態で、3点P
1〜P3により構成されるラケット平面1bとテニスラ
ケット1の中心軸1aを通り地面に垂直な平面H1とな
す角度であり、ボール2の入射および打出側をマイナス
(−)とし、その反対側をプラス(+)とする。テニス
ラケット1の打球面がボール2に対して開いている場合
(平面1bが上方側へ向いている場合)には面角度はプ
ラスであり、インパクト後に更に開いた場合は変化量が
プラスとなる。本実施形態では画像b、画像c、画像d
における面角度を算出すると共に、時間差が3ミリ秒で
ある画像cと画像dの面角度の変化を算出する。
【0040】表4における画像bに対する座標値を用い
てテニスラケット1の面角度Aは、下記数式(3)によ
り算出される。 A(度)=ATAN(xb2”/yb2”)/π×180 …(3) また、表4における画像cに対する座標値を用いてテニ
スラケット1の面角度A’は、下記数式(3’)により
算出される。 A’(度)=ATAN(xc2”/yc2”)/π×180 …(3’) さらに、表4における画像dに対する座標値を用いてテ
ニスラケット1の面角度Bは、下記数式(4)により算
出される。 B(度)=ATAN(xd2”/yd2”)/π×180 …(4) なお、xb1”>xb2”、xc1”>xc2”、xd
1”>xd2”の関係が個々に成立すれば、上記数式
(3)(3’)(4)で算出されるA、A’、Bに、そ
れぞれ90度を加えた角度が、画像b、c、dにおける
それぞれの面角度になり、xb1”<xb2”、xc
1”<xc2”、xd1”<xd2”であれば、上記数
式(3)(3’)(4)で算出されるA、A’、Bか
ら、それぞれ90度を引いた角度が、画像b、c、dに
おけるそれぞれの面角度になる。一方、画像cと画像d
の面角度の変化ΔA’Bは、下記数式(5)より算出さ
れる。 ΔA’B(度)=−(A’−B) …(5)
【0041】〔インパクト時のラケットの持ち角度の算
出〕図9に示すように、ラケットの持ち角度とは、テニ
スラケット1の中心軸1aの地面に対する角度とし、テ
ニスラケット1が水平ラインより下向きの場合はプラス
(+)、水平線より上向きの場合は(−)とする。イン
パクト時のテニスラケット1の持ち角度Cは表3の画像
cの座標値を用いて、下記数式(6)により算出する。 C(度)=−ATAN(yc1’/zc1’)/π×180 …(6)
【0042】〔インパクト時のラケットの開き角度の算
出〕図10に示すように、ラケットの開き角度とは、テ
ニスラケット1の中心軸1aと、YZ平面H2に対する
角度とし、この時、テニスラケット1の中心軸1aは地
面に対して水平となるように回転するものとする。テニ
スラケット1がボールに対して開いている場合をプラス
(+)、逆の場合を(−)とする。インパクト時のテニ
スラケット1の開き角度Dは、表5の画像cの座標値を
用いて、下記数式(7)により算出する。 D(度)=−ATAN(xc1”’/zc1”’)/π×180 …(7)
【0043】〔ラケットのストリングス面上の打点位置
の算出〕図11に示すように、テニスラケット1のスト
リングス面の中心1cを原点としトップ側をXB 軸,3
時側をYB 軸とする。X’Y’Z’座標系では上記中心
1cの座標は、表4の座標値より(xc1”、yc
1”、zc1”/2)と表示でき、つまり(0、0、z
c1”/2)となる。これらより、ボールの打点位置の
座標(XB ,YB )を、表4の画像cの座標値を用いて
数式(8)により算出する。 (XB ,YB )=(zc4”−zc1”/2、yc4”) …(8)
【0044】〔インパクト前後のラケットの振り上げ角
度の算出〕図12に示すように、インパクト前の振り上
げ角度Eは、画像a,bにおけるテニスラケット1の各
トップ点P1を通る直線と地面(水平面)との角度とす
る。同様に、インパクト後の振り上げ角度Fは、画像
e,fにおけるテニスラケット1の二つのトップ点P1
を通る直線と地面(水平面)との角度とする。なお、水
平面より上方に移動した場合をプラス(+)とし、水平
面より下方に移動した場合をマイナス(−)とし、本実
施形態の算出では、画像a、b間の時間差、画像e、f
間の時間差は、それぞれ3ミリ秒に設定している。イン
パクト前の振り上げ角度Eは表1の画像a、bの座標値
を用いて、下記数式(9)により算出する。 E(度)=ATAN(Ya1−Yb1/L1)/π×180 …(9) 但し、上記数式(9)において、 L1={(Xa1−Xb1)+(Za1−Zb
1)1/2 また、インパクト後の振り上げ角度Fは表1の画像e、
fの座標値を用いて、数式(10)により算出する。 F(度)=ATAN(Ye1−Yf1/L2)/π×180 …(10) 但し、上記数式(10)において、 L2={(Xe1−Xf1)+(Ze1−Zf
1)1/2
【0045】〔インパクト前後のラケットのトップ位置
速度の算出〕インパクト前のテニスラケット1のトップ
点P1のトップ位置速度は、表1における画像a,bに
対するトップ点P1の座標値を用いて算出する。即ち、
画像aと画像bとの時間差をtミリ秒として、各X、
Y、Z軸方向のトップ位置速度VTX、VTY、VTZ(m/
秒)を下記数式(11)〜(13)により算出する。 VTX=|Xa1−Xb1|/100/(t/1000) …(11) VTY=|Ya1−Yb1|/100/(t/1000) …(12) VTZ=|Za1−Zb1|/100/(t/1000) …(13) また、各軸方向の速度を合成したトップ位置速度VT
(m/秒)を表1における画像a、bのトップ点P1の
座標値を用いて、数式(14)により算出する。 VT={(Xa1−Xb1)+(Ya1−Yb1) +(Za1−Zb1)1/2/100/(t/1000) …(14) また、インパクト後のテニスラケットのトップ位置速度
も、表1における時間差tミリ秒の画像e,fにおける
トップ点P1の座標値より上記数式(11)〜(14)
を用いて各X、Y、Z軸方向のトップ位置速度VTX、V
TY、VTZ(m/秒)および合成したトップ位置速度VT
(m/秒)を算出する。
【0046】〔インパクト前後のラケットの打点位置速
度の算出〕テニスラケット1の打点位置速度を求めるに
あたり、図5においてボール2の打撃時の位置、即ち、
インパクト時のテニスラケット1に対するボールの中心
点P4を打点位置と考えると、図13にも示すように、
トップ点P1、打点(ボール中心点P4)、ヨーク点P
3は線形の関係にあると近似して、上記で算出したトッ
プ位置速度、および、下記で算出するヨーク位置速度よ
り打点位置速度を算出する。
【0047】先ず、テニスラケット1のヨーク点P3の
ヨーク位置速度である各X、Y、Z軸方向のヨーク位置
速度VYX、VYY、VYZ(m/秒)および合成したヨーク
位置速度VY(m/秒)を、インパクト前は、表1にお
ける時間差tミリ秒の画像a、bにおけるヨーク点P3
の座標値を用いて下記数式(15)〜(18)により算
出する。 VYX=|Xa3−Xb3|/100/(t/1000) …(15) VYY=|Ya3−Yb3|/100/(t/1000) …(16) VYZ=|Za3−Zb3|/100/(t/1000) …(17) VY={(Xa3−Xb3)+(Ya3−Yb3) +(Za3−Zb3)1/2/100/(t/1000) …(18) また、インパクト後のヨーク位置速度VYX、VYY、VY
Z、VY(m/秒)も表1における時間差tミリ秒の画像
e、fより上記同様数式(15)〜(18)で算出す
る。
【0048】上記算出したインパクト前後のトップ位置
速度(VTX、VTY、VTZ、VT)およびヨーク位置速度
(VYX、VYY、VYZ、VY)と、表4におけるボール中
心点P4の座標値より、各軸方向の打点位置速度VDX、
VDY、VDZ(m/秒)、および合成したVD(m/秒)
を、下記数式(19)〜(22)により算出する。 VDX={(VTX−VYX)/(zc1”−zc3”)}×zc4”+VTX −{(VTX−VYX)/(zc1”−zc3”)}×zc1” …(1 9) VDY={(VTY−VYY)/(zc1”−zc3”)}×zc4”+VTY −{(VTY−VYY)/(zc1”−zc3”)}×zc1” …(2 0) VDZ={(VTZ−VYZ)/(zc1”−zc3”)}×zc4”+VTZ −{(VTZ−VYZ)/(zc1”−zc3”)}×zc1” …(2 1) VD={(VT−VY)/(zc1”−zc3”)}×zc4”+VT −{(VT−VY)/(zc1”−zc3”)}×zc1” …(2 2)
【0049】〔インパクト前後のラケットの角速度の算
出〕図14に示すように、テニスラケットの角速度は、
インパクト前であれば画像a,bのテニスラケット1の
トップ点P1とヨーク点P3を通る中心軸1a同士が形
成する角度変化に対する画像a、bの時間差の割合であ
る。即ち、画像aにおける中心軸1aが有するベクトル
S1と画像bにおける中心軸1aが有するベクトルS2
とが形成する角度の画像a、b間の時間差tミリ秒に対
する割合である。よって、インパクト前のラケットの角
速度ω(度/秒)は、表1の座標値を用いて下記数式
(23)より算出する。 ω=ACOSΦ/π×180/(t/1000) …(23) 但し、 Φ=|ρ×ρ’+σ×σ’+τ×τ’|/ {(ρ+σ+τ1/2×(ρ’+σ’
τ’1/2}である。なお、ρ、σ、τはベクトル
S1の各X、Y、Zの成分を意味し、ρ’、σ’、τ’
はベクトルS2の各X、Y、Zの成分を意味し、ベクト
ルS1、S2は、表1のトップ点P1とヨーク点P3対
する画像a、bの座標値より (ρ、σ、τ)=(Xa1−Xa3、Ya1−Ya3、
Za1−Za3) (ρ’、σ’、τ’)=(Xb1−Xb3、Yb1−Y
b3、Zb1−Zb3) の関係が成立する。また、インパクト後の角速度は、表
1における時間差tミリ秒後の画像e、fの座標値を用
いて上記同様数式(23)で算出する。
【0050】〔インパクト前後のボール速度の算出〕イ
ンパクト前のボール2の速度、即ち、各X、Y、Z軸方
向のボール速度VBX、VBY、VBZ(m/秒)および合成
したボール位置速度VB(m/秒)は、表1における時
間差tミリ秒の画像a,bに対するボール中心点P4の
座標値を用いて数式(24)〜(27)により算出す
る。 VBX=|Xa4−Xb4|/100/(t/1000) …(24) VBY=|Ya4−Yb4|/100/(t/1000) …(25) VBZ=|Za4−Zb4|/100/(t/1000) …(26) VB={(Xa4−Xb4)+(Ya4−Yb4) +(Za4−Zb4)1/2/100/(t/1000) …(27) インパクト後のボール2の各速度は、表1における時間
差tミリ秒後の画像e、fに対するボール中心点P4の
座標値を用いて、上記同様、数式(24)〜(27)に
より算出する。
【0051】〔ボールの入射角度と打出角度の算出〕図
15(A)に示すように、ボール2の入射角度は、ボー
ル2の飛行方向と水平面である地面との成す角度として
おり、水平面より上の場合をプラス(+)、逆の場合を
マイナス(−)とする。ボールの入射角度θA(度)
は、画像a、bのボール中心点P4の座標値を用いて数
式(28)により算出する。 θA=−ATAN[(Ya4−Yb4)/ {(Xa4−Xb4)+(Za4−Zb4)1/2]/π×180 …(28) また、ボール2の打出角度は、図15(B)に示すよう
に、ボール2の飛行方向と水平面である地面との成す角
度としており、水平面より上の場合をプラス(+)、逆
の場合をマイナス(−)とする。ボールの打出角度θB
(度)は、画像e、fのボール中心点P4の座標値を用
いて数式(29)により算出する。 θB=ATAN[(Yf4−Ye4)/ {(Xf4−Xe4)+(Zf4−Ze4)1/2]/π×180 …(29)
【0052】〔ボールの入射方向と打出方向の算出〕図
16(A)に示すように、ボール2の入射方向はボール
2の飛行方向と、地面に垂直でX軸方向と平行な面H3
との成す角度としており、面H3に対しプレーヤーの利
き腕側をマイナス(−)とし、その逆をプラス(+)と
する。ボールの入射方向θa(度)は、画像a、bのボ
ール中心点P4の座標値を用いて数式(30)により算
出する。 θa=−ATAN{(Za4−Zb4)/(Xa4−Xb4)}/π×180 …(30) ボールの打出方向は、図16(B)に示すように、ボー
ル2の飛行方向と、地面に垂直でX軸方向と平行な面H
3とのなす角度としており、面H3に対しプレーヤーの
利き腕側をマイナス(−)とし、その逆をプラス(+)
とする。ボールの打出方向θbは、画像e、fのボール
中心点P4の座標値を用いて数式(31)により算出す
る。 θb=−ATAN{(Zf4−Ze4)/(Xf4−Xe4)}/π×180 …(31)
【0053】〔反発係数の測定〕ボールの反発係数K
は、数式(27)により算出したインパクト前後のボー
ル速度VB1、VB2、数式(22)により算出したイ
ンパクト前のラケットの打点速度VD1より下記数式
(32)により算出する。 K=(インパクト後のボール速度VB2)/(インパクト前のボール速度VB1 −インパクト前のラケット速度VD1) …(32)
【0054】上記のテニスラケット1及びボール2の挙
動に関する各数値の算出は、右利きのプレーヤのフォア
スイング及び左利きのプレーヤのバックスイングについ
てのものである。右利きのプレーヤのバックスイング及
び左利きのプレーヤのフォアスイングの場合は、最初に
得られる表1のX座標値にマイナス(−)を掛けた数値
を用いて、その他の箇所は上記と同様にして算出する。
【0055】続いて、ボール2のスピン量の算出につい
て説明する。撮影対象となるボール2には、表面に印と
なる二点Q1、Q2を表記しており、図17(A)に示
すように、高速カメラ5で撮ったボール2に係る画像P
H1より、ボール2の最上点及び最右点で接する二つの
接線の交点Qa、最下点及び最左点で接する二つの接線
の交点Qb、ボール2の表面の2点Q1,Q2のx、y
座標に対する各座標値を読み取る。さらに、図17
(B)に示すように、画像PH1のtミリ秒後の画像P
H2においても、上記と同様にして接線の交点Qa’,
Qb’及びボール2の表面の2点Q1’,Q2’の各座
標値を読み取る。読み取った座標値を表6に示す。
【0056】
【表6】
【0057】なお、図18にボール2におけるトップス
ピンとバックスピンの場合の回転方向と符号(+,−)
の関係を示し、トップスピンとバックスピンとでは回転
の向きが逆になる。また、図19(A)(B)にサイド
スピンの場合の回転方向と符号(+,−)の関係を示
す。サイドスピンの場合、図19(A)に示す右利きの
プレーヤと、図19(B)に示す左利きのプレーヤと
は、フック・スライスの関係が全く反対となる。
【0058】スピン量の演算に関しては、まず、図20
に示すように、両画像PH1,PH2から読み取った表
6の座標値に基づいてX、Y、Z軸における3次元座標
化を行う。3次元座標化においては、最初に、ボール2
の画像PH1における中心座標cx、cyを数式33
で、画像PH2における中心座標cx’、cy’を数式
34で算出する。 (cx、cy)=((xa+xb)/2、(ya+yb)/2) …(33) (cx’、cy’)=((xa’+xb’)/2、(ya’+yb’)/2) …(34) また、画像PH1におけるボール2のX方向の半径rx
およびY方向の半径ryを数式(35)(36)で、画
像PH2におけるボール2のX方向の半径rx’および
Y方向の半径ry’を数式(37)(38)で算出す
る。 rx=|(xa−xb)/2| …(35) ry=|(ya−yb)/2| …(36) rx’=|(xa’−xb’)/2| …(37) ry’=|(ya’−yb’)/2| …(38)
【0059】上記で算出した数値より、半径を1とした
基準化でもって、表6の画像PH1における二点Q1、
Q2、および、画像PH2における二点Q1’、Q2’
の各座標値を、下記数式(39)〜(42)を用いて3
次元座標化を行い、三次元化した各点Q1(X1、Y
1、Z1)、点Q2(X2、Y2、Z2)、点Q1’
(X1’、Y1’、Z1’)、点Q2’(X2’、Y
2’、Z2’)の各座標値を数式化する。 (X1、Y1、Z1)= ((x1−cx)/rx、(y1−cy)/ry、(1−x1−y11/ ) …(39) (X2、Y2、Z2)= ((x2−cx)/rx、(y2−cy)/ry、(1−x2−y21/ ) …(40) (X1’、Y1’、Z1’)= ((x1’−cx’)/rx’、(y1’−cy’)/ry’ 、(1−x1’−y1’1/2) …(41 ) (X2’、Y2’、Z2’)= ((x2’−cx’)/rx’、(y2’−cy’)/ry’ 、(1−x2’−y2’1/2) …(42 )
【0060】一方、図21に示すように、ボール2のス
ピンに対する回転軸Vの単位ベクトルUVを(α,β,
γ)とすると、この単位ベクトルUVと、点Q1,Q
1’を結ぶベクトルQ1・Q1’(X1−X1’、Y1
−Y1’、Z1−Z1’)とは、垂直であるから、下記
数式(43)の関係が成立する。 α(X1−X1’)+β(Y1−Y1’)+γ(Z1−Z1’)=0 …(4 3) 上記数式(43)において、X1−X1’をX1”、Y
1−Y1’をY1”、Z1−Z1’をZ1”と置き換え
ると、下記数式(44)となる。 α・X1”+β・Y1”+γ・Z1”=0 …(44)
【0061】上記と同様に、単位ベクトルUVと、点Q
2,Q2’を結ぶベクトルQ2・Q2’(X2−X
2’、Y2−Y2’、Z2−Z2’)も垂直なので、下
記数式(45)の関係が成立する。 α(X2−X2’)+β(Y2−Y2’)+γ(Z2−Z2’)=0 …(4 5) 上記数式(45)において、X2−X2’をX2”、Y
2−Y2’をY2”、Z2−Z2’をZ2”と置き換え
ると、下記数式(46)となる。 α・X2”+β・Y2”+γ・Z2”=0 …(46) また、球の方程式より、下記数式(47)の関係も成立
する。 α+β+γ=1 …(47)
【0062】上記のようにして求めた数式(44)(4
6)(47)からなる連立方程式を解いて、α,β,γ
に関する数式(48)〜(50)を求める。 α=−γ×(Z1”・Y2”−Z2”・Y1”)/(X1”・Y2”−X2”・ Y1”) …(48) β=−γ×(Z1”・X2”−Z2”・X1”)/(Y1”・X2”−Y2”・ X1”) …(49) γ=1/ [{(Z1”・Y2”−Z2”・Y1”)/(X1”・Y2”−X2”・Y1 ”)} +{(Z1”・X2”−Z2”・X1”)/(Y1”・X2”−Y2”・X1 ”)} +1]1/2 …(50)
【0063】α,β,γが求まると、ボール2の回転軸
Vが各X、Y、Z軸となす角度ΦX,ΦY,ΦZは、数
式(51)〜数式(53)により求まる。 ΦX(度)=ACOS{α/(α+β+γ)} …(51) ΦY(度)=ACOS{β/(α+β+γ)} …(52) ΦZ(度)=ACOS{γ/(α+β+γ)} …(53)
【0064】他方、図22に示すように、点Q1よりボ
ール2の回転軸Vへ垂線を下ろし、この垂線と回転軸V
との交点の座標を(Xh1,Yh1,Zh1)とする
と、この交点は単位ベクトルUVの定数倍と考えられる
ので、定数としてt1を用いると、(Xh1,Yh1,
Zh1)=(t1α、t1β、t1γ)の関係が成立す
る。ここで、一般的な平面の方程式であるαX+βY+
γZ+k=0(kは定数)において、X、Y、Zに(t
1α、t1β、t1γ)と点Q1の座標をそれぞれ代入
して、下記の二式を作り、 α・t1α+β・t1β+γ・t1γ+k=0 α・X1+β・Y1+γ・Z1+k=0 上式から下式を引くと共に、数式(47)の関係より下
記数式(54)の関係が成立する。 t1=αX1+βY1+γZ1 …(54)
【0065】また、上記同様に、点Q1’よりボール2
の回転軸Vへ垂線を下ろし、この垂線と回転軸Vとの交
点の座標を(Xh1’,Yh1’,Zh1’)とする
と、数式(55)が成立する。 t1=αX1’+βY1’+γZ1’ …(55) さらに、点Q2およびQ2’からもボール2の回転軸V
へ垂線をおろし、交点の座標をそれぞれ(Xh2,Yh
2,Zh2)、(Xh2’,Yh2’,Zh2’)とし
て、これら交点は単位ベクトルUVのt2倍と考えて、
上記同様、下記数式(56)(57)が成立する。 t2=αX2+βY2+γZ2 …(56) t2=αX2’+βY2’+γZ2’ …(57)
【0066】上記数式を用いて、ボール2の回転軸Vを
中心に点Q1から点Q1’へ回転した角度θ1(度)は
下記数式(58)で算出でき、また、ボール2の回転軸
Vを中心に点Q2から点Q2’へ回転した角度θ2
(度)は下記数式(59)で算出できる。 θ1=ACOS[{(X1−Xh1)(X1’−Xh1’) +(Y1−Yh1)(Y1’−Yh1’) +(Z1−Zh1)(Z1’−Zh1’)} /(J11/2×J21/2)] …(58) 但し J1=(X1−Xh1)+(Y1−Yh1)+(Z1−Zh1) J2=(X1’−Xh1’)+(Y1’−Yh1’)+(Z1’−Zh1’ ) θ2=ACOS[{(X2−Xh2)(X2’−Xh2’) +(Y2−Yh2)(Y2’−Yh2’) +(Z2−Zh2)(Z2’−Zh2’)} /(J31/2×J41/2)] …(59) 但し J3=(X2−Xh2)+(Y2−Yh2)+(Z2−Zh2) J4=(X2’−Xh2’)+(Y2’−Yh2’)+(Z2’−Zh2’ )
【0067】よって、ボール2の点Q1に関する総スピ
ン量をS1、点Q2に関する総スピン量をS2とする
と、総スピン量S1,S2は、数式(60)(61)で
求まる。 S1(rpm)=θ1/360/(60t/1000) …(60) S2(rpm)=θ2/360/(60t/1000) …(61)
【0068】次に、トップ方向とバック方向のスピン量
(以下、「トップバックスピン量」という)、サイド方
向のスピンの量(サイドスピン量)を求めるため、先
ず、図23(A)に示すように、単位ベクトルUV(=
α,β,γ)と数式(39)で求めた点Q1の座標(X
1,Y1,Z1)より、UV・Q1ベクトル(Xα、Y
β、Zγ)を作成すると共に、単位ベクトルUV(=
α,β,γ)と数式(40)で求めた点Q1’の座標
(X1’,Y1’,Z1’)より、UV・Q1’ベクト
ル(Xα’、Yβ’、Zγ’)を作成し、それぞれのベ
クトルを下記数式(62)(63)で示す。 (Xα、Yβ、Zγ)=(X1−α、Y1−β、Z1−γ) …(62) (Xα’、Yβ’、Zγ’)=(X1’−α、Y1’−β、Z1’−γ)…(6 3)
【0069】図23(B)に示すように、XY平面上で
UV・Q1ベクトルがX軸と成す角度θ3は、θ3=A
tan(Yβ/Xα)であり、回転軸Vを中心に点Q1
のXY平面に投射した点を−θ3だけ回転させた点q1
(xα、yβ)は、下記数式(64)で求める。
【0070】
【数3】
【0071】同様に、回転軸Vを中心に点Q1’のXY
平面に投射した点を−θ3だけ回転させた点q1’(x
α’、yβ’)は、下記数式(65)で求める。
【0072】
【数4】
【0073】上記点q1’と原点を結ぶ直線がXY平面
上におけるX軸との成す角度をθ4とすると、θ4=A
tan(yβ’/xα’)である。よってθ4にかかる
指標値εは、下記数式(66)で求まる。 ε=θ4/|θ4| …(66) 上記数式(66)において、指標値εが正の場合はスピ
ンの方向は左回転、負の場合は、右回転といる認識がで
きる。また、θ4が90°以上の場合は指標値εの符号
が変わるためにθ4が90°未満となるように読み取り
の対象となる画像を選択する。
【0074】点Q1にかかるトップバックスピン量Stb
1、および、点Q2にかかるトップバックスピン量Stb
2は、数式(53)(60)(61)より下記数式(6
7)(68)のようになる。 Stb1(rpm)=S1×COSΦZ …(67) Stb2(rpm)=S2×COSΦZ …(68) また、点Q1にかかるサイドスピン量Sside1、およ
び、点Q2にかかるトップバックスピン量Sside2は、
数式(52)(60)(61)より、下記数式(69)
(70)のようになる。 Sside1(rpm)=S1×COSΦY …(69) Sside2(rpm)=S2×COSΦY …(70) なお、上記で求めた各トップバックスピン量およびサイ
ドスピン量に、下記表7に示すプレーヤーが利き腕側の
フォアあるいはバックにおける入射時、打出時の指標値
の符号をかけてスピン方向も表記する。
【0075】
【表7】
【0076】なお、上記のように求めたラケットの面角
度や持ち角度等のラケット挙動、ボール速度や入射角度
等のボール挙動は、必ずしも全ての項目を算出する必要
はなく、必要な項目のみを算出するようにしてもよい。
【0077】次に、上述した測定方法を用いた実打試験
を説明する。3人の女性中上級プレーヤL、M、Nによ
りフォアハンドで実打試験を行い、テニスラケットの挙
動およびボールの挙動等を高速カメラ3〜5により画像
として捉え、撮影データを基にラケットおよびボールに
かかる各種数値の演算を行った。なお、テニスラケット
はDUNLOP製のSPACELITE を使用した。また、高速カメラ
3,4の画像a,bの時間差、画像c,dの時間差、及
び、画像e,fの時間差は、それぞれ、3ミリ秒とし、
カメラ5の画像PH1,PH2の時間差は、4ミリ秒と
した。
【0078】図5に示す各点P1〜P4、及び、図17
(A)に示す交点Qa,Qbと点Q1,Q2にかかる値
を、図1に示すX、Y、Z軸に対する座標値として読み
とり、各プレーヤーL、M、Nの座標値を、それぞれ下
記表8、9、10に示す。また、これら表8〜10の座
標値を基に、上述した各数式で演算を行い、テニスラケ
ットの挙動に関する演算結果を表11、12に示し、ボ
ールの挙動に関する演算結果を表13に示し、スピン量
に関する演算結果を表14に示す。
【0079】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【0080】表11の各演算数値から、プレーヤーLは
3人の中でインパクトの瞬間の面角度が最も小さく、か
つ、インパクト前後の振り上げ角度が大きいことより、
スピン系のプレーヤであると分析される。このことは、
表14における打ち出したボールのトップバックスピン
量を見ると、3人の中で最もトップスピンがかかってい
るのは、プレーヤーLであることから、上記ラケット挙
動からの分析が的確であると判断できる。
【0081】また、プレーヤーMは、表11よりインパ
クトの瞬間の面角度が、3人の中で最も大きい上に、イ
ンパクト前の振り上げ角度は5.8度と0度に近く、フ
ラット打ち系のプレーヤーであると分析される。このこ
とは、表14における打ち出したボールのトップバック
スピン量を見ると、3人の中で最もトップスピンの量が
小さいのが、プレーヤーMであることより、上記ラケッ
ト挙動からの分析が確かであると判断できる。
【0082】さらに、プレーヤーNは、両手打ちのプレ
ーヤーであり、表11よりインパクト時の3ミリ秒間で
は、面角度の変化は0であるが、インパクト前の振り上
げ角度は−0.9度であり、上からやや下に振り下げて
スイングしていることが分かる。よって、表13よりボ
ールの打ち出し角度が3人の中で最も小さく、また、そ
の振り上げ角度のために、ボールにはバックスピンがか
かっていることが、表14の符号より判断できる。
【0083】このように、上記のようなテニスの実打試
験に対して、本発明の測定方法を適用すれば、インパク
ト前後の画像に基づく3次元座標系の演算処理によるラ
ケット及びボールの挙動の演算が行え、それに伴い上記
のような解析等ができる。また、上記実打試験の例から
も、2次元座標系の演算処理で事足りるゴルフの場合と
比べて、動いているボールを打撃する上に、ボールの軌
道やラケットスイングの自由度が大きくて動きを的確に
捉えにくい状況であっても、本測定方法を用いること
で、ラケット及びボールの挙動等を的確に把握できるこ
とを示している。さらに、ボールのスピン量の測定に用
いる画像を専用のカメラにより得ることで、スピン量の
測定に適した形態でボールを撮影できるので、スピン量
も的確に測定できていることも分かる。
【0084】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
に係るテニス挙動測定方法によれば、インパクトの前後
にわたり得られたテニスラケットおよびボールの挙動に
関する画像のデータに基づく3次元座標系の演算処理に
より、ラケット及びボール挙動を算出する構成としてい
るので、ゴルフの場合に比べてラケット及びボールの挙
動やラケットスイングの自由度が三次元的に複雑であっ
ても、ラケット及びボールの挙動を的確に把握すること
ができる。さらに、専用の高速カメラにより得た画像に
基づきボールのスピン量を測定する構成としており、ス
ピン量の測定に適した形態でボールの撮影ができるの
で、ボールのスピン量も的確に測定することができる。
しかも、上記スピン量の測定演算は、ラケット等の測定
と同時並行して行うことができ、効率的な測定解析を実
現できる。したがって、本発明のテニス挙動測定方法に
よれば、インパクト前後を含むラケット及びボールにか
かる各種挙動を十分に解析することができる。
【0085】また、ラケットをとらえる少なくとも2台
の高速カメラの1台を、プレーヤの横方向から捉えられ
る位置に据えると共に、別の1台をプレーヤの利き腕側
でプレーヤーを後方より据えるカメラ配置とすると、イ
ンパクトの瞬間の画像の確定を容易に行える。一方、ボ
ールをとらえるカメラをプレーヤの前方80〜150c
mの範囲で、ボールを横方向から捉えられるように配置
すると、インパクト後のボールの変形が十分に納まって
いると共にスピンの減衰が著しくならない適切なタイミ
ングでボールを撮影することができる。また、ラケット
を捉える高速カメラの撮影コマ速度を250〜5000
コマ/秒の範囲に設定すると、容易にラケットのスイン
グやボールの動きを正確に捉えることが出来る。さら
に、ラケットにおける打点の位置および打点位置でのス
イング速度や、ラケットの振り上げ角度を測定すると、
テニスラケットの特性や、スイング動作をより十分に解
析することができ、テニスラケットやボール等の各種道
具の開発、プレーヤーのスイング動作の矯正、プレーヤ
ーに最適な道具を選択する場合等に本発明を利用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の測定方法にかかる全体図である。
【図2】 プレーヤーの横方向からの画像例を示す概略
図である。
【図3】 プレーヤーの後方向からの画像例を示す概略
図である。
【図4】 (A)はボールを撮影した画像例の概略図で
あり、(B)は一定時間経過後のボール画像例の概略図
である。
【図5】 テニスラケット及びボールに対する測定対象
の点を示す正面図である。
【図6】 (A)はテニスラケットのインパクト前後の
状況と各画像との対応を示す概略図であり、(B)はテ
ニスラケットと三次元座標軸との位置関係を示す概略図
である。
【図7】 ラケットの中心軸を水平に変位させる状態の
概略図である。
【図8】 ラケットの面角度の正負を示す概略図であ
る。
【図9】 ラケットの持ち角度の正負を示す概略図であ
る。
【図10】 ラケットの開き角度の正負を示す概略図であ
る。
【図11】 ラケットのストリングス面の座標を示す平面
図である。
【図12】 ラケットの振り上げ角度の正負を示す概略図
である。
【図13】 ラケットにおける座標と速度の関係を示すグ
ラフである。
【図14】 ラケットの角速度を示す概略図である。
【図15】 (A)はボールの入射角度の正負を示す概略
図、(B)はボールの打出角度の正負を示す概略図であ
る。
【図16】 (A)はボールの入射方向の正負を示す概略
図、(B)はボールの打出方向の正負を示す概略図であ
る。
【図17】 (A)はボールの画像における座標測定対象
点を示す概略図であり、(B)はボールの他の画像にお
ける座標測定対象点を示す概略図である。
【図18】 ボールのトップスピン、バックスピンの回転
方向と符号の関係を示す概略図である。
【図19】 (A)は右利きプレーヤのサイドスピンの回
転方向と符号の関係を示す概略図であり、(B)は左利
きプレーヤのサイドスピンの回転方向と符号の関係を示
す概略図である。
【図20】 ボールのスピン量測定過程の状況を示す概略
図である。
【図21】 ボールの回転軸の単位ベクトル等を示す概略
図である。
【図22】 ボールの座標測定対象の点からボールの回転
軸へ垂線をおろす際の状況を示す概略図である。
【図23】 (A)(B)は、ボールの回転軸の単位ベク
トルとボールの座標測定対象の点のベクトルを示す概略
図である。
【図24】 従来の問題点を示す概略図である。
【符号の説明】
1 テニスラケット 2 ボール 3,4 (挙動撮影用の)高速カメラ 5 (スピン量撮影用の)高速カメラ 7 コンピューター P1 トップ点 P2 2時点 P3 ヨーク点 P4 ボール中心 PL プレーヤー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイングされたテニスラケットの挙動お
    よびボールの挙動を少なくとも2台の同期させた挙動撮
    影用カメラにより、各カメラの光軸が一致しない夫々相
    違する方向から画像として順次捉えると同時に、ボール
    のスピン状況を少なくとも1台のスピン量撮影用カメラ
    により画像として順次捉え、 上記挙動撮影用カメラにより得られた複数の画像に基づ
    き三次元座標系の演算処理を行い、テニスラケット挙動
    及びボール挙動にかかる数値を算出すると共に、上記ス
    ピン量撮影用カメラで得られた複数のボール画像に基づ
    き演算処理を行い、ボールのスピン量を算出しているテ
    ニス挙動測定方法。
  2. 【請求項2】 上記挙動撮影用カメラの中の1台は、テ
    ニスラケットをスイングするプレーヤを該プレーヤーの
    利き腕側となる横方向から捉える位置に設置すると共
    に、別の1台は、該プレーヤの利き腕側の後方位置に設
    置している請求項1に記載のテニス挙動測定方法。
  3. 【請求項3】 上記挙動撮影用カメラは、撮影コマ速度
    を250から5000コマ/秒の範囲に設定して、イン
    パクトの前後に亘る画像を撮影する請求項1または請求
    項2に記載のテニス挙動測定方法。
  4. 【請求項4】 上記スピン量撮影用カメラは、撮影コマ
    速度を50から500コマ/秒の範囲に設定すると共
    に、テニスラケットをスイングするプレーヤーから打出
    側となる前方へ80cmから150cm離れた範囲でボ
    ールを横方向から捉える位置に設置して、インパクト前
    後の画像を撮影する請求項1乃至請求項3のいずれか1
    項に記載のテニス挙動測定方法。
  5. 【請求項5】 上記三次元座標系の演算処理によりテニ
    スラケット挙動として、インパクト前のラケットの面角
    度、インパクト時のラケットの面角度、インパクト後の
    ラケットの面角度、インパクト時のラケットの持ち角
    度、インパクト時のラケットの開き角度、インパクト前
    後のラケットの振り上げ角度、ボールのストリングス面
    上の打点位置、インパクト前後のラケットのトップ位置
    速度、インパクト前後のラケットの打点位置速度のいず
    れか、あるいは、全てを算出している請求項1乃至請求
    項4のいずれか1項に記載のテニス挙動測定方法。
  6. 【請求項6】 上記三次元座標系の演算処理によりテニ
    スラケット挙動として、インパクト前後のラケットの角
    速度を算出している請求項1乃至請求項5のいずれか1
    項に記載のテニス挙動測定方法。
  7. 【請求項7】 上記三次元座標系の演算処理によりボー
    ル挙動として、インパクト前後のボール速度、ボールの
    入射角度、ボールの打出角度、ボールの入射方向、ボー
    ルの打出方向、ボールの反発係数のいずれか、あるい
    は、全てを算出している請求項1乃至請求項6のいずれ
    か1項に記載のテニス挙動測定方法。
  8. 【請求項8】 上記ボールのスピン量は、インパクト時
    の前後にわたり算出する請求項1乃至請求項7のいずれ
    か1項に記載のテニス挙動測定方法。
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