JP2002125987A - 義歯固定用磁性アタッチメント - Google Patents

義歯固定用磁性アタッチメント

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JP2002125987A
JP2002125987A JP2001325546A JP2001325546A JP2002125987A JP 2002125987 A JP2002125987 A JP 2002125987A JP 2001325546 A JP2001325546 A JP 2001325546A JP 2001325546 A JP2001325546 A JP 2001325546A JP 2002125987 A JP2002125987 A JP 2002125987A
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Hiroya Suzuki
弘也 鈴木
Toru Sugihara
徹 椙原
Kazumi Noguchi
一美 野口
Kiyomi Tanaka
清己 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 義歯固定用磁性アタッチメントにおいて、レ
ーザ溶接で非磁性の溶接部となし信頼性を高め、かつ必
要な吸引力を確保する。 【解決手段】 カップヨークとプレートの溶接される部
分の近傍に、Ni部材のごとき、溶接時の溶け込みによ
り、材料全体を非磁性とする材料を介在させておき、レ
ーザ溶接時これを溶接部に溶け込ませ、一周回で非磁性
な溶接部を確実に形成する。このとき溶接部のキーパー
対向面側の幅を200〜400μmとなし、また溶接部
の磁石組立体内部側の幅を100〜200μmとした義
歯固定用磁性アタッチメント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科医療分野にお
いて、義歯の固定に使用される磁性アタッチメントに関
する。
【0002】
【従来の技術】義歯固定用磁性アタッチメントは、磁石
組立体とキーパーとから構成される。このうち磁石組立
体は、永久磁石と、これから発生する磁束をキーパー側
に誘導するヨークを基本的構成部品としている。これ
を、軟磁性材料からなるキーパーに対向させ、磁石組立
体とキーパー間の吸引力によって、義歯を固定するもの
である。従来、図2のように、磁石1、ヨーク10、キ
ーパー11から構成される種々の形式のものが検討され
ていた(木内ほか「閉磁路型磁性アタッチメントの吸引
力解析」電気学会研究会資料、SA-84-10(1984)、図2を
引用)。これらの形式のうち、カップヨーク型といわれ
る図2(a)の形式の磁性アタッチメントは図3に示す
構造が主流となっている。図3は、磁石1を内包するカ
ップヨーク2がプレート4により密封されている磁石組
立体5とキーパー3とから構成される磁性アタッチメン
トであり、磁石組立体外側のキーパー3に対向するプレ
ート4部分を同心構造とし、中央部は磁性材料からなる
ディスクヨーク42、また周辺部は非磁性材料からなるシ
ールドリング41とし、接合部をそれぞれ溶接により密封
した構造である。磁石からの磁束(図中、矢印で示す)
は点線の経路を通って流れるが、磁束の大部分は、プレ
ート4のうち磁性材料からなるディスクヨーク42を通
り、吸引力のほとんどはこの部分と、カップヨーク2、
キーパー3の対向部分で発生する。シールドリング41と
キーパー3の対向部は、この部分の磁気抵抗が大きいた
め通過磁束も少なく、吸引力をほとんど生じない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図3の磁性アタッチメ
ントは実用上十分な吸引力を示し現在広く使用されてい
るが、アタッチメントに対する小型化、大吸引力化の要
望がより強まってくると、磁気回路の一層の効率化が望
ましいことは明らかであるが、図3の磁性アタッチメン
トはシールドリング41の大きさを小さくしにくい。有限
要素法を用いた検討によれば、シールドリングが非磁性
であり、この部分の磁気抵抗が高いために、磁石1のう
ち図中にPで示した部分では、磁石が十分な磁束を発生
していないことが示される。したがって総体的に効率が
低下することになる。これを避けるには、シールドリン
グの横方向の寸法Wをできるだけ小さくすることが望ま
しい。ところが、この横方向寸法を小さくしたアタッチ
メントを試作してみると、かえって吸引力が低下するこ
とが明らかとなった。すなわち、横方向寸法W0.05
mm〜0.4mmについて検討をした結果、0.25m
m付近でピークがあり、0.2mm以下だとむしろ吸引
力が低下する傾向にあることが示されている。図4はこ
の理由を説明したものである。耐食性を確保するため
に、組立完了後カップヨーク2、シールドリング41、デ
ィスクヨーク42の接合部はレーザービーム溶接される
が、このとき、互いの材料が溶け込んだ溶接部、すなわ
ちビード部は磁性をもった状態となり、磁路の短絡部と
なることが判明した(奥野ほか「カップヨーク型磁性ア
タッチメントにおけるシールドリングの改良について」
日本磁気歯科学会雑誌 2巻 1号 (1993)に詳細が報告
されている。)。すなわち、シールドリング41の横方向
寸法は、溶接後ビード部がつながらない程度に広くとる
必要があるが、これが磁気回路の効率化を妨げていた。
したがって、本発明は、義歯固定用磁性アタッチメント
の永久磁石組立体の非磁性部の短絡を防止すると共にこ
の部分を小さくし、磁気回路の効率化を図ることを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する手段として、溶接後、溶接部分が確実に非磁
性となるように溶接部を非磁性化する他部材をあらかじ
め介在させておくことに想到した。すなわち、本発明
は、一方に開口部を有する軟磁性材料からなるカップヨ
ーク内部に磁石を収納し、カップヨーク開口部を軟磁性
材料からなるプレートで密封溶接した磁石組立体を、軟
磁性材料からなるキーパーと対向させ、磁石組立体とキ
ーパーとの吸引力により義歯を固定するように構成した
磁性アタッチメントであって、前記溶接部には少なくと
もNi部材を介在させ一周の溶接部に形成してなること
を特徴とする。本発明の特徴の一つは、プレートの一部
をより完全に非磁性化させるためにNi部材を介して溶
接することにある。溶接部には非磁性のシールドリング
部材を含んでいても良く、この場合はさらにNi部材を
介在させるので非磁性化が確実である。また、もう一つ
の特徴は、非磁性化させる溶接部を小さくして磁気回路
の効率化を図るもので、その為に溶接ビードは一周回だ
けの単一の溶接部に形成したことである。溶接部に介在
させる他部材としては、カップヨーク、プレート等が磁
性ステンレス鋼であること、溶接性、人体への影響など
から、ステンレス鋼の成分元素であって、磁性ステンレ
スの非磁性化に有効なNiを用いることとした。また介
在させる方法としては、その材料で円柱状のプレート材
料にメッキを施し、この円柱をスライスしてプレートと
することを考えた。また、Niは単独では弱いながらも
磁性を持つことが予想されるので、溶接時にカップヨー
ク、プレート、Niの溶け込んだビード部の深さはプレ
ートの厚さいっぱいまでできるだけ奥に達していること
が必要である。本発明は非磁性のシールドリングを介在
したプレートを用いることを妨げるものではない、この
場合でも、ビードの幅はキーパーと対向する側において
200〜400μm、磁石組立体内部側で100〜20
0μmとなる。Ni部材の厚さは溶接後ビード部分の非
磁性化または低下が十分行われるためには少なくとも1
5μmは必要であり、またあまり厚すぎて上記ビード幅
に近いレベルになると、ヨーク材料の溶け込みが減って
封止の効果も減ることから、50μmを超えないことが
望ましい。ビードの深さが浅い場合、溶けないで残った
Ni層を通して磁束がプレート、カップヨーク間で漏洩
するが、有限要素法を用いた計算によると、この漏洩磁
束量が総磁束量の10%を超えると、吸引力が減少し、
本発明の構造を採用する意味の無くなることがわかっ
た。したがって、漏洩磁束が総磁束量の10%以下とな
るようビードを形成することが望ましい。以上のような
構成をとることによって、確実に非磁性部を保ったまま
その大きさを最小とすることができ、磁気回路の短絡を
防止すると共に効率を最大として、満足出来る吸引力を
得ることが可能となる。また、構成の簡素化、溶接工数
の低減が同時に実現できる。
【0005】また、プレートおよび/またはカップヨー
クとして、組織的に磁性部と非磁性部を形成できる複合
磁性材料を用いることにより、プレートとカップヨーク
との境界面にNi等の他部材を配置せずに溶接部を非磁
性化することもできる。すなわち、プレートおよび/ま
たはカップヨークとしてマルテンサイト系ステンレスに
焼鈍を行ってフェライト組織として十分に高い強磁性と
した部材を用い、溶接時の加熱により溶接部をオーステ
ナイトとし急冷することにより、該溶接部をオーステナ
イト化し、非磁性または十分に低い磁性を得ればよい。
また、非磁性または磁性の低い部分の幅は、加熱急冷を
施すことにより、所望の幅を得ることができる。
【0006】
【発明の実施の態様】図1(a)に、本発明に係る義歯
固定用磁性アタッチメントの各部の構造寸法を示す。磁
石1には最大エネルギー積 40MGOe の Nd-Fe-B系永久磁
石を使用した。カップヨーク2、プレート4およびキー
パー3には、磁束密度 B8000=1.5TのSUS 430 ステンレ
ス鋼を使用し、またプレート4は直径 2.9 mm の丸棒の
表面に、厚さ約 15 μm の、Ni メッキを施したものを
スライスして作成した。図1において、43はNi部材の部
分を示す。スライス厚さは 0.2 mm である。図1(b)
にカップヨーク2とプレート4をレーザー溶接した義歯
固定用磁性アタッチメントを示すが、ビード部(溶接
部)6はキーパーと対向する側で幅約0.25mm、内
側で約0.12mm、深さ約0.2mm、で、ビード部
6先端はプレート内部まで達していた。吸引力を測定し
た結果、Ni メッキを施したサンプル(10個)の平均値
は 820gfであった。従来の構成である図3の外形寸法を
もったアタッチメントの吸引力は平均 720 gf であるか
ら、本発明により吸引力を著しく向上できることがわか
る。
【0007】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、非
磁性部を小さく形成することが出来ると共に、磁気回路
の短絡が確実に防止され高効率化が図られる。また、溶
接工程等の製造が容易となり、十分な信頼性を有しかつ
吸引力特性も満足できる磁性アタッチメントを提供する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明義歯固定用磁性アタッチメントの
構造、寸法を示す図である。 (b)本発明義歯固定用磁性アタッチメントの構造、寸
法を示す図である。
【図2】(a)従来の磁性アタッチメントの形式を示す
図である。 (b)従来の磁性アタッチメントの形式を示す図であ
る。 (c)従来の磁性アタッチメントの形式を示す図であ
る。 (d)従来の磁性アタッチメントの形式を示す図であ
る。 (e)従来の磁性アタッチメントの形式を示す図であ
る。 (f)従来の磁性アタッチメントの形式を示す図であ
る。
【図3】プレート部分を同心構造とし、プレート中央部
に磁性材料、周辺部に非磁性材料を用いた構造の、従来
のカップヨーク型磁性アタッチメントを示す図である。
【図4】従来のカップヨーク型アタッチメントにおい
て、非磁性シールドリングの横方向寸法を小さくした場
合の、問題点を示す図である。
【符号の説明】
1:磁石、2:カップヨーク、3:キーパー、4:プレ
ート、5:磁石組立体 6:ビード部(溶接部)、10:ヨーク、41:シール
ドリング(プレートの非磁性材料部分)、42:ディス
クヨーク(プレートの磁性材料部分)、43:プレート
のNi部材を介在した部分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 清己 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地 日立金属株 式会社磁性材料研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方に開口部を有する軟磁性材料からな
    るカップヨーク内部に磁石を収納し、カップヨーク開口
    部を軟磁性材料からなるプレートで密封溶接した磁石組
    立体を、軟磁性材料からなるキーパーと対向させ、磁石
    組立体とキーパーとの吸引力により義歯を固定するよう
    に構成した磁性アタッチメントであって、前記溶接部に
    は少なくともNi部材を介在させ一周の溶接部としたこ
    とを特徴とする義歯固定用磁性アタッチメント。
  2. 【請求項2】 前記溶接部のキーパー対向面側の幅が2
    00〜400μmであることを特徴とする請求項1に記
    載の義歯固定用磁性アタッチメント。
  3. 【請求項3】 前記溶接部の磁石組立体内部側の幅が1
    00〜200μmであることを特徴とする請求項1また
    は2記載の義歯固定用磁性アタッチメント。
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