JP7182231B1 - 複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートとその製作する方法および複合磁性Cr-Ni系ステンレス磁石の製造方法 - Google Patents

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【課題】磁性キャップと非磁性リング部品と磁性プレートとの隙間部をレーザー溶接の容易化と溶接部の破損や磁性絶縁破壊など品質の不安を解消し、磁力アップを図る複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレート及びその製造方法を提供する。【解決手段】方法は、Cr-Ni系ステンレス鋼素材を50~90%の加工率の冷間加工により、一軸繊維組織よりなる半硬質磁性を付与し、500~570℃の張力熱処理を施した後にプレート形状に加工して、その外縁部12のみを加熱によりオーステナイト相よりなる非磁性とし、外縁部以外11の半硬質磁性部を飽和着磁して、永久磁石とすることによって、磁石と非磁性とからなる複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレート1を製作する。磁石性能は、室温において、8,000~16,000Gの飽和磁化と、50~300Oeの保磁力と、6KG以上の残留磁気Br、0.2~4MGOeの最大エネルギー積を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、構造体材料としてのステンレス鋼に対して、構造機能に加えて半硬質磁性機能または磁石機能を付与した複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートに関する。
歯科用磁性アタッチメントは、義歯に埋設される磁石構造体2と支台歯に設置されるキーパー3とからなり、両者間に働く磁力でもって吸着させて義歯を支台歯に固定するものである(特許文献1、2)。磁石の構造体2の構造は、図2に示すようにCr系磁性ステンレス鋼製のキャップ21とキャップの内部に挿入されたNd-Fe-B系磁石22とそれを腐食環境から保護するCr系磁性ステンレス鋼製のシールドプレート25およびキャップ21とプレート23の間のCr-Ni系ステンレス鋼製の非磁性リング部品24とからなっている。磁性キャップ21と非磁性リング部品24と磁性プレート23との隙間はレーザー溶接で接合26して、さびやすいNd磁石を口腔内の腐食環境から保護している(特許文献2)。
非磁性リング部品は厚み0.2mm程度で、その両側の磁性キャップと磁性プレートとの隙間を接合して、溶け込み不良や溶け込み過剰および溶接欠陥などの問題が生じないようにすることは難しい技術的課題であった。また溶接部は、Cr系磁性ステンレス鋼とCr-Ni系ステンレス鋼の化学組成が混合して強磁性のδフェライト相と非磁性のオーステナイト相が混在する組織となって、非磁性リング部品による磁性絶縁が破壊され、磁性アタッチメントの磁力が低下するという危険があり、それを防ぐのは難しい技術課題であった。
さらに義歯をより強く固定するために、磁力の一層の向上が求められている。従来の磁性アタッチメントの磁気回路設計の抜本的見直しが求められていた。
特開平4-227253号公報 特開2004-154596号公報
本発明の課題は、磁性キャップと非磁性リング部品と磁性プレートとの隙間部をレーザー溶接するにあたって、それを容易に行うことができて、しかも、溶接部の破損や磁性絶縁破壊など品質の不安を解消することである。さらに、磁性アタッチメントの新発想の磁気回路技術を考案して磁力アップを図ることが求められており、この二つの課題を同時に解決することである。
発明者らは、Cr系磁性ステンレス鋼製プレートをCr-Ni系ステンレス製磁石プレートとすることによって吸着力を向上させることができることを見出した。さらに、Cr-Ni系ステンレス製磁石プレートの外縁部を非磁性特性に改質すれば、非磁性リングと磁石プレートを一体とした部品を開発することができれば、1回のレーザー溶接で隙間を接合することができて、溶接問題を解消できるのではとの考えに至った。
そこで、まずCr-Ni系ステンレス鋼薄板を固溶化熱処理後、50~90%の加工率の冷間加工によって、圧延加工方向に繊維組織を有し、50~95%の加工マルテンサイト相を誘起せしめ、半硬質磁性のオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織として、その後500~570℃の張力熱処理を施した後、薄板からプレートをプレス加工してプレート形状とし、
あるいは、Cr-Ni系ステンレス鋼線材を固溶化熱処理後、50~90%の加工率の冷間加工によって、伸線方向に繊維組織を有し、50~95%の加工マルテンサイト相を誘起せしめ、半硬質磁性のオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織として、その後500~570℃の張力熱処理を施した後、線材を輪切り加工してプレート形状とし、
その外縁部に限定して加熱して加工マルテンサイト相をオーステナイト相に逆変態させて外縁部を非磁性とし、外縁部以外をオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織としたことを特徴とする複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートを製作した。
その複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートを、飽和磁化して永久磁石とする複合磁性Cr-Ni系ステンレス磁石プレートを製作した。
好ましくは、伸線加工した線材からプレートを切り出して、容易軸である繊維組織の方向に着磁して、飽和磁化による永久磁石とする複合磁性Cr-Ni系ステンレス磁石プレートを製作する。
外縁部の加熱は、高周波加熱装置を用いて、600℃以上の温度に加熱して、マルテンサイト組織をオーステナイト組織に逆変態させた。側面部から0.1~0.3mmがオーステナイト組織になるように入力熱エネルギーを調整した。加熱方法としては高周波加熱法に限るものではない。レーザー加熱、赤外線加熱、ヒータ加熱など加熱方法は問わない。
このプレートは、外縁部は非磁性のオーステナイト組織で、外縁部以外は半硬質磁性のオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織からなり、加工マルテンサイト相は50~100%のマルテンサイト量を有しており、厚み方向に飽和磁化した時に半硬質磁性部が示す磁石性能は、室温において、8,000~16,000Gの飽和磁化と、50~300Oeの保磁力と、6KG以上の残留磁気Br、0.2~4MGOeの最大エネルギー積を有していた。
このプレートを磁性アタッチメントの磁石構造体にシールドプレートとして取り付けてレーザー溶接後に、Nd-Fe-B系磁石と一緒に高さ方向に3万G以上の磁界の強さで飽和着磁すると、磁性プレートの場合に比べて吸着力が30%以上も向上することが確認できた。
磁性キャップと複合磁性プレートとのレーザー接合は、一つの隙間を接合するだけで極めて容易な作業である。溶接部の品質については、磁性問題や溶接欠陥の心配はほとんどない高い品質を確保できた。
複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートを組み込むことによって、磁性アタッチメントの吸着力を30%以上高めて、かつ1回のレーザー溶接でNd-Fe-B系磁石のシールドを実現して優れた耐腐食性を有する磁性アタッチ面を実現した。
磁性アタッチメントの構造を示す図である。 複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼プレートの断面図である。
第1の実施形態は、
Cr量は16~20%、Ni量は7~10%を含むCr-Ni系オーステナイト系ステンレス鋼製のプレートにおいて、
外縁部は非磁性のオーステナイト組織で、外縁部以外は一軸繊維組織よりなる半硬質磁性のオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織からなり、加工マルテンサイト相は50~100%のマルテンサイト量を含んでいることを特徴とする複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートである。
一軸繊維組織よりなる半硬質磁性の2相組織とともにマルテンサイト量を50%以上確保することによって、8,000~16,000Gの飽和磁化と、100~300Oeの保磁力を持つ優れた磁石特性を得ることができる。それが50%未満だと吸着力が低下してしまう。残留磁気Brを6kG以上確保することで、飽和着磁後の永久磁石の特性を改善することができる。
プレートの外縁部は、完全な非磁性のオーステナイト単相組織とする必要がある。不完全な場合、磁性絶縁が不十分となって吸着力が著しく低下して問題である。プレートのサイズは、0.1mm未満だと、溶接部の強度不足が生じて破損の恐れがあり問題である。1mm以上は、磁性アタッチメントの高さを大きくして問題となる。平均直径は磁性アタッチメントのそれと比べて、10~20%小さくする必要があり、磁性アタッチメントの平均直径に対応して定まるものである。1mm未満の場合、磁性アタッチメントのサイズより著しく小さく、吸着力が小さくなりすぎて、実用的でない。また4mmより大きい場合、義歯のサイズを考慮すると着すぎて実用的でない。ここで平均直径とは、磁性アタッチメントは、円形、楕円形または方形の吸着面を持つので、その面積を円と見なして計算したものが平均直径である。
第2の実施形態は、第1実施形態の複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートの製造方法に関する。
Cr-Ni系ステンレス薄板を固溶化熱処理後、50~90%の加工率の冷間加工によって、圧延加工方向に繊維組織を有し、50~95%の加工マルテンサイト相を誘起せしめ、半硬質磁性のオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織として、その後500~570℃の張力熱処理を施した後、薄板からプレートをプレス打ち抜き加工してプレート形状とし、
その外縁部を限定して加熱して加工マルテンサイト相をオーステナイト相に逆変態させて外縁部を非磁性とし、外縁部以外をオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織としたことを特徴とする複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートを製作する方法である。
冷間加工は、一軸繊維組織が得られるように一軸加工である圧延加工とし、半硬質磁性を付与して飽和磁化によって磁石特性である保磁力、残留磁気を向上させることができる。
張力熱処理の熱処理温度は、500~570℃、張力は0~30kg/mmとすることが好ましい。500℃未満の場合には残留磁気Brの向上は生じない。一方570℃を超える温度の場合には、オーステナイト再結晶が進み飽和磁化が低下して問題である。張力負荷は30kg/mmを超えると、残留磁化の改善効果が見られないので、必要以上の荷重負荷は好ましくない。
第3の実施形態は、また第1実施形態の複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートの製造方法に関するものある。
また、冷間加工は一軸繊維組織が得られるように一軸加工である伸線(引抜)加工とし、半硬質磁性を付与して飽和磁化によって磁石特性である保磁力、残留磁気を向上させることができる。
Cr-Ni系ステンレス線材を固溶化熱処理後、50~90%の加工率の冷間加工によって、伸線加工方向に繊維組織を有し、50~95%の加工マルテンサイト相を誘起せしめ、半硬質磁性のオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織として、その後500~570℃の張力熱処理を施した後、線材を割切り加工してプレート形状とし、
その外縁部を限定して加熱して加工マルテンサイト相をオーステナイト相に逆変態させて外縁部を非磁性とし、外縁部以外をオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織としたことを特徴とする複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートを製作する方法である。
張力熱処理の熱処理温度は、500~570℃、張力は0~30kg/mmとすることが好ましい。500℃未満の場合には残留磁気Brの向上は生じない。570℃を超える場合には、オーステナイト再結晶が進み飽和磁化が低下して問題である。張力負荷は30kg/mmを超えると、残留磁化の改善効果が見られないので、必要以上の荷重負荷は好ましくない
第4の実施形態は、第1実施形態の複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートを、厚み方向に3万G以上の磁界を印可してNd-Fe-B系磁石と一体で飽和着磁して永久磁石とした状態で、磁気回路の起磁力の一部として機能する磁石特性と非磁性特性の両特性を一体として有する複合磁性Cr-Ni系ステンレス磁石を製作する製造方法である。Cr-Ni系ステンレス磁石を飽和するには一般的には1万Gの磁界で十分であるが、ここでは3万G以上の磁界がNd-Fe-B系磁石を飽和するために必要な磁界である。
[実施例1]
本発明の実施例1は、
Cr量は18%、Ni量は8%を含むCr-Ni系オーステナイト系ステンレス鋼製のプレートにて、外縁部は非磁性のオーステナイト組織で、外縁部以外は半硬質磁性のオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織からなり、加工マルテンサイト相は85%のマルテンサイト量を含み、サイズは厚み0.10mm、平均直径は3mmである。
厚み方向に飽和磁化した時に半硬質磁性部が示す磁石性能は、室温において、13,000Gの飽和磁化と、120Oeの保磁力と、8kGの残留磁気Brを有する複合磁石Cr-Ni系ステンレス製プレートである。

マルテンサイト量を85%確保することによって、13,000Gの飽和磁化と、120Oeの保磁力を持つ優れた磁石特性を得ることができる。プレートの外縁部は、完全な非磁性のオーステナイト単相組織である。
[実施例2]
本発明の実施例2は、実施例1の複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートの製造方法に関するものである。
Cr-Ni系ステンレス鋼線材を固溶化熱処理後、60%の加工率の冷間伸線加工によって、伸線加工方向に繊維組織を有し、85%の加工マルテンサイト相を誘起せしめ、半硬質磁性のオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織として、その後550℃の張力熱処理を施した後、線材を輪切り加工してプレート形状とする。
次に、その外縁部を限定して加熱して加工マルテンサイト相をオーステナイト相に逆変態させて外縁部を非磁性とし、外縁部以外はオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織の状態からなる複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートを製作する方法である。張力熱処理の熱処理温度は550℃、張力は20kg/mmとして、8kGの残留磁気Brを得ている。
[実施例3]
本発明の実施例3は、実施例1の複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートの製造方法に関するものある。
Cr-Ni系ステンレス薄板を固溶化熱処理後、60%の加工率の圧延加工によって、圧延加工方向に繊維組織を有し、85%の加工マルテンサイト相を誘起せしめ、半硬質磁性のオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織として、その後550℃の張力熱処理を施した後、薄板からプレートをプレス打ち抜き加工してプレート形状とする。
次に、その外縁部を限定して加熱して加工マルテンサイト相をオーステナイト相に逆変態させて外縁部を非磁性とし、外縁部以外はオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織からなる複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートを製作する方法である。張力熱処理の熱処理温度は550℃、張力は10kg/mmとし、7.5kGの残留磁化を得ることができた。
[実施例4]
本発明の実施例4は、実施例1の複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートを、厚み方向に3万Gの磁界を印可してNd磁石と一体で飽和着磁して永久磁石とした状態で、磁気回路の起磁力の一部として機能させて利用することを特徴とする磁石と非磁性特性を一体として有する複合磁性Cr-Ni系ステンレス磁石を製作する製造方法である。Cr-Ni系ステンレス磁石を飽和するには1万Gの磁界で十分であるが、ここで3万Gの磁界は、Nd-Fe-B系磁石を飽和するために必要な磁界である。
Nd-Fe-B系磁石およびステンレス磁石よりなる複合磁石を採用した磁性アタッチメントは、従来のシールドプレートにCr系磁性ステンレス鋼を採用したものに比べて、30%もの高い吸着力を実現した。さらに、レーザー接合箇所が一か所となって容易となり、品質の高い溶接部を実現した。
本発明の複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートは、磁性アタッチメントの磁性プレート用部品であって、従来のシールドプレートにCr系磁性ステンレス鋼を採用したものに比べて、30%もの高い吸着力を実現し、さらに、レーザー接合箇所が一ケ所となって容易となり、品質の高い溶接部を実現した。これによって磁性アタッチメントの性能を大幅に改善し、その普及に寄与するものと期待される発明である。
1:複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレート
11:外縁部以外(半硬質磁性部/半硬質磁性のオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織)
12:外縁部(非磁性のオーステナイト相)
2:磁石構造体
21:磁石体
22:キャップ
23:シールド板
24:非磁性リング
25:シールドプレート
26:溶接部
3:キーパー



































Claims (5)

  1. Cr量は16~20%、Ni量は7~10%を含むCr-Ni系オーステナイト系ステンレス鋼製のプレートにおいて、
    外縁部は非磁性のオーステナイト組織で、外縁部以外は一軸繊維組織よりなる半硬質磁性のオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織からなり、加工マルテンサイト相は50~100%のマルテンサイト量を含んでいることを特徴とする複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレート。
  2. 請求項1において
    前記プレートのサイズは厚み0.01~1mm、平均直径は1~4mmで、厚み方向に飽和磁化した時に半硬質磁性部が示す磁石性能は、室温において、8,000~16,000Gの飽和磁化と、80~300Oeの保磁力と、6kG以上の残留磁気Brを有することを特徴とする複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレート。
  3. Cr-Ni系ステンレス薄板を固溶化熱処理後、50~90%の加工率の冷間加工によって、圧延加工方向に繊維組織を有し、50~95%の加工マルテンサイト相を誘起せしめ、半硬質磁性のオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織として、その後500~570℃の張力熱処理を施した後、薄板からプレートをプレス打ち抜き加工してプレート形状とし、
    その外縁部を限定して加熱して加工マルテンサイト相をオーステナイト相に逆変態させて外縁部を非磁性とし、外縁部以外をオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織としたことを特徴とする複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートを製作する方法。
  4. Cr-Ni系ステンレス線材を固溶化熱処理後、50~90%の加工率の冷間加工により伸線加工方向に繊維組織を有し、50~95%の加工マルテンサイト相を誘起せしめ、半硬質磁性のオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織として、その後500~570℃の張力熱処理を施した後、線材を輪切り加工してプレート形状とし、
    その外縁部を限定して加熱して加工マルテンサイト相をオーステナイト相に逆変態させて外縁部を非磁性とし、外縁部以外をオーステナイト相と加工マルテンサイト相の2相組織としたことを特徴とする複合磁性Cr-Ni系ステンレス鋼製プレートを製作する方法。
  5. 請求項1または2に記載した複合磁性Cr-Niステンレス鋼製プレートについて、
    厚み方向に飽和着磁して永久磁石とした状態で、磁気回路の起磁力の一部として機能する磁石特性と非磁性特性の両特性を一体として有することを特徴とする複合磁性Cr-Ni系ステンレス磁石の製造方法


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