JP2002122233A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP2002122233A JP2000313039A JP2000313039A JP2002122233A JP 2002122233 A JP2002122233 A JP 2002122233A JP 2000313039 A JP2000313039 A JP 2000313039A JP 2000313039 A JP2000313039 A JP 2000313039A JP 2002122233 A JP2002122233 A JP 2002122233A
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孝行 久保
Shigeki Wakizaka
重貴 脇坂
Masakazu Nomura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】常に一定時間待つことなく、オフアップ動作を
実行することが出来る、自動変速機の制御装置の提供 【解決手段】変速動作がオフアップであるか否かを判定
するオフアップ判定手段21を設け、変速動作がオフア
ップであるものと判定された場合に、エンジントルクを
所定時間毎に演算する入力トルク演算手段21を設け、
演算されたエンジントルクの経時的変動を監視し、エン
ジントルクが安定したか否かを判定する入力トルク安定
判定手段を設け、エンジントルクが安定したものと判定
された場合に、摩擦係合要素のアップシフトに伴う係合
動作を実行する摩擦係合要素駆動制御手段を設けて構成
される。エンジントルクが安定した時点でアップシフト
動作を行うことにより、常に一定時間待つことなく、エ
ンジンの出力がオフアップに適した状態になったところ
で、直ちにオフアップ動作を実行することが出来、迅速
なオフアップ動作が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スロットルが戻さ
れた状態でのアップシフト(オフアップ)時に、摩擦係
合要素の係合を遅延させる制御を行ない、シフトショッ
クの発生を防止する自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アップシフト判断が出された時点
で、当該アップシフトがオフアップであるか否かを判断
し、その判断に応じて、アップシフトに際した制御内容
を変更し、円滑なアップシフト動作が行われるようにす
る制御が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、エンジン側で
の制御により、オフアップ時においても、アップシフト
判断の直後においてはエンジンが自動変速機を駆動して
いるパワーオン状態である場合がある。この場合、直ち
に摩擦係合要素をアップシフト側に係合させると過剰な
エンジントルクによりシフトショックが生じる危険性が
ある。
【0004】そのため、オフアップに伴う摩擦係合要素
の係合動作をアップシフト判断の直後には行わず、一定
の遅延時間の後に行なうことが行われている。
【0005】この場合、エンジンの出力状態に無関係に
アップシフト判断後、常に一定の遅延時間が生じるの
で、オフアップ変速開始が遅くなり違和感を運転者にも
たらす場合がある。
【0006】本発明は、上記した事情に鑑み、オフアッ
プ時において、常に一定時間待つことなく、エンジンの
出力がオフアップに適した状態になったところで、直ち
にオフアップ動作を実行することが出来る、自動変速機
の制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】請求項1の発明によれば、エンジンからの
回転が入力される入力軸(3)、車軸に接続される出力
軸(14a、14b)、前記入力軸と出力軸との間に配
置された複数の変速要素(7、9、10、11のリング
ギヤ、サンギヤ、キャリアなど)、それら複数の変速要
素を係止、係止解除自在に設けられた複数の摩擦係合要
素(C1〜C3、B1〜B5)を有し、それら摩擦係合
要素を操作することにより、アップシフト変速動作を行
うことが出来る自動変速機において、エンジン出力の安
定状態を判定するエンジン出力状態判定手段動を設け、
前記エンジン出力状態判定手段により、エンジン出力が
安定したものと判定された場合に、前記摩擦係合要素の
前記アップシフトに伴う係合動作を実行する摩擦係合要
素駆動制御手段(21、図7及び図8のステップS1か
らS22)を設けて構成される。
【0008】請求項2の発明によれば、エンジン回転数
と入力軸回転数の差を検出するパワーオフ判定手段(2
1、図6のステップST8)を設け、前記摩擦係合要素
駆動制御手段は、前記パワーオフ検出手段が、エンジン
が自動変速機側を駆動していないパワーオフ状態である
ものと判定した場合に、前記摩擦係合要素のアップシフ
トに伴う係合動作を実行することを特徴として構成され
る。
【0009】請求項3の発明は、入力軸回転数(Nc
1)がアップシフトの同期回転数に到達するまでの予想
時間を演算する、同期回転到達時間演算手段(21、図
6のステップST9)を設け、前記摩擦係合要素駆動制
御手段は、前記同期回転到達時間演算手段により求めら
れた入力軸の変速終了時間に対応させて、前記摩擦係合
要素のアップシフトに伴う係合動作を実行することを特
徴として構成される。
【0010】請求項4の発明は、入力軸回転数がアップ
シフトの同期回転数になるまでの予想時間と、係合側の
摩擦係合要素のサーボ起動時間を比較する係合タイミン
グ演算手段(21、図6のステップST9)を設け、前
記摩擦係合要素駆動制御手段は、サーボ起動時間が、前
記入力軸回転数がアップシフトの同期回転数になるまで
の予想時間よりも大きい場合に、前記摩擦係合要素のア
ップシフトに伴う係合動作を実行することを特徴として
構成される。
【0011】請求項5の発明は、前記アップシフト変速
動作がスロットル開度が所定値以下で行われたものであ
るか否かを判定するオフアップ判定手段(21)を設
け、前記エンジン出力状態判定手段は、前記オフアップ
判定手段により、前記アップシフト変速動作がスロット
ル開度が所定値以下で行われたものであるものと判定さ
れた場合に、エンジンの出力状態を判定することを特徴
として構成される。
【0012】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、前記自動変速機は、変速要素の一方向の回転のみを
許容するワンウエイクラッチ(例えば、図1のF2な
ど)を有し、前記スロットル開度が所定値以下で行われ
たアップシフト変速動作は、前記摩擦係合要素(例え
ば、図1のブレーキB2)の係合と前記ワンウエイクラ
ッチの係合解除により達成されることを特徴として構成
される。
【0013】請求項7の発明は、請求項6の発明におい
て、前記スロットル開度が所定値以下で行われたアップ
シフト変速動作は、1速から2速のアップシフトである
ことを特徴として構成される。
【0014】請求項8の発明は、請求項5の発明におい
て、前記スロットル開度が所定値以下で行われたアップ
シフト変速動作は、前記摩擦係合要素の掴み換え(例え
ば、図1のブレーキB4とB5)により達成されること
を特徴として構成される。
【0015】請求項9の発明は、前記エンジン出力状態
判定手段は、前記エンジン側からの入力トルクからエン
ジン出力の安定状態を判定することを特徴として構成さ
れる。
【0016】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、前記入力トルクは、エンジントルクであることを
特徴として構成される。
【0017】請求項11の発明は、請求項9の発明にお
いて、前記入力トルクは、入力軸トルクであることを特
徴として構成される。
【0018】請求項12の発明は、請求項9の発明にお
いて、前記エンジン出力状態判定手段は、前記エンジン
側からの入力トルクを所定時間毎に演算する入力トルク
演算手段と、該入力トルク演算手段により演算された入
力トルクの経時的変動を監視し、前記入力トルクが安定
したか否かを判定する入力トルク安定判定手段を有して
構成される。
【0019】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、エンジン出力
状態判定手段が、エンジン出力が安定したか否かを判定
するので、エンジン出力が安定した時点でアップシフト
変速動作を行うことにより、常に一定時間待つことな
く、エンジンの出力がアップシフトに適した状態になっ
たところで、直ちにアップシフト動作を実行することが
出来、迅速なアップシフト動作が可能となる。
【0020】請求項2の発明によれば、パワーオフ判定
手段により、変速機がエンジン側から駆動されていない
パワーオフ状態であることを容易に確認することが出
来、適切なオフアップ動作が可能となる。
【0021】請求項3の発明によれば、同期回転到達時
間演算手段により、入力軸回転数(Nc1)がアップシ
フトに適した同期回転に到達するタイミングで係合側の
摩擦係合要素を係合させることが出来るので、シフトシ
ョックのない係合動作が可能となる。
【0022】請求項4の発明によれば、係合タイミング
演算手段により、係合側摩擦係合要素のサーボ起動時間
を考慮した形でアップシフト動作を行うことが出来、よ
り円滑な摩擦係合要素の制御が可能となる。
【0023】請求項5の発明によれば、オフアップ判定
手段によって、アップシフト変速動作がスロットル開度
が所定値以下で行われたものであるものと判定された場
合にエンジンの出力状態が判定されるので、無駄のない
オフアップ制御が可能となる。
【0024】請求項6の発明によれば、ワンウエイクラ
ッチを介在したオフアップ動作にも的確に対応すること
が出来る。
【0025】請求項7の発明によれば、ワンウエイクラ
ッチが使用されることの多い、1速から2速のアップシ
フトに対応することが出来る。
【0026】請求項8の発明によれば、摩擦係合要素の
掴み換えによるアップシフト動作に対応することが出来
る。
【0027】請求項9の発明によれば、エンジン出力の
安定状態は、エンジン側からの入力トルクに基づいて判
定されるので、信頼性が高い。
【0028】請求項10の発明によれば、入力トルクの
安定をエンジントルクから直接判定することが出来、信
頼性が高い。
【0029】請求項11の発明によれば、入力トルクの
安定を、入力軸トルクから判定することが出来、自動変
速機内の制御系で制御が可能となり、エンジンの制御系
との信号のやりとりを少なくすることが出来、簡易な制
御が可能となる。
【0030】請求項12の発明によれば、入力トルクの
経時的変動を監視して、入力トルクの安定を判断するの
で、精度の高い判定が可能となる。
【0031】なお、括弧内の番号等は、図面における対
応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述
は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。
【0033】図1は、本発明が適用される自動変速機の
一例を示すスケルトン図、図2は図1の自動変速機にお
ける摩擦係合要素の作動を示す図、図3は摩擦係合要素
の油圧回路の概略を示す図、図4及び図5はアップシフ
ト解放側の制御態様の一例を示すフローチャート、図6
乃至図8はアップシフト係合側の制御態様の一例を示す
フローチャート、図9はパワーオフアップ時における摩
擦係合要素の基本的な駆動状態を示す基本タイムチャー
トの一例、図10は本発明を適用した場合の、スロット
ル開度、エンジントルク、エンジン回転数、入力軸回転
数、入力軸加速度、摩擦係合要素の駆動状態、出力軸ト
ルクの状態を示すタイムチャート、図11は本発明に係
わる電子制御部を示すブロック図である。
【0034】5速自動変速機1は、図1に示すように、
トルクコンバータ4、3速主変速機構2、3速副変速機
構5及びディファレンシャル8を備えており、かつこれ
ら各部は互に接合して一体に構成されるケースに収納さ
れている。そして、トルクコンバータ4は、ロックアッ
プクラッチ4aを備えており、エンジンクランクシャフ
ト13から、トルクコンバータ内の油流を介して又はロ
ックアップクラッチによる機械的接続を介して主変速機
構2の入力軸3に入力する。そして、一体ケースにはク
ランクシャフトと整列して配置されている第1軸3(具
体的には入力軸)及び該第1軸3と平行に第2軸6(カ
ウンタ紬)及び第3軸(左右車軸)14a,14bが回
転自在に支持されており、また該ケースの外側にバルブ
ボディが配設されている。
【0035】主変速機構2は、シンプルプラネタリギヤ
7とダブルピニオンプラネタリギヤ9からなるプラネタ
リギヤユニット15を有しており、シンプルプラネタリ
ギヤ7はサンギヤSl、リングギヤRl、及びこれらギ
ヤに噛合するピニオンPlを支持したキャリヤCRから
なり、またダブルピニオンプラネタリギヤ9は上記サン
ギヤSlと異なる歯数からなるサンギヤS2、リングギ
ヤR2、並びにサンギヤS2に噛合するピニオンP2及
びリングギヤR2に噛合するピニオンP3を前記シンプ
ルプラネタリギヤ7のピニオンPlと共に支持する共通
キャリヤCRからなる。
【0036】そして、エンジンクランクシャフト13か
らトルクコンバータ4を介して連動している入力軸3
は、第1の(フォワード)クラッチClを介してシンプ
ルプラネタリギヤ7のリングギヤRlに連結し得ると共
に、第2の(ダイレクト)クラッチC2を介してシンプ
ルプラネタリギヤ7のサンギヤSlに連結し得る。ま
た、ダブルピニオンプラネタリギヤ9のサンギヤS2
は、第1のブレーキBlにて直接係止し得ると共に、第
1のワンウェイクラッチFlを介して第2のブレーキB
2にて係止し得る。更に、ダブルピニオンプラネタリギ
ヤ9のリングギヤR2は、第3のブレーキB3及び第2
のワンウェイクラッチF2にて係止し得る。そして、共
通キャリヤCRが、主変速機構2の出力部材となるカウ
ンタドライブギヤ18に連結している。
【0037】一方、副変速機構5は、第2軸を構成する
カウンタ軸6の軸線方向リヤ側に向って、出力ギヤ1
6、第1のシンプルプラネタリギヤ10及び第2のシン
プルプラネタリギヤ11が軸線方向に並んで配置されて
おり、またカウンタ軸6はベアリングを介して一体ケー
スに回転自在に支持されている。前記第1及び第2のシ
ンプルプラネタリギヤ10,11は、シンプソンタイプ
からなる。
【0038】また、第1のシンプルプラネタリギヤ10
は、そのリングギヤR3が前記カウンタドライブギヤ1
8に噛合するカウンタドリブンギヤ17に連結してお
り、そのサンギヤS3がカウンタ軸6に回転自在に支持
されているスリーブ軸12に固定されている。そして、
ピニオンP3はカウンタ軸6に一体に連結されたフラン
ジからなるキャリヤCR3に支持されており、また該ピ
ニオンP3の他端を支持するキャリヤCR3はUDダイ
レクトクラッチC3のインナハブに連結している。ま
た、第2のシンプルプラネタリギヤ11は、そのサンギ
ヤS4が前記スリーブ軸12に形成されて前記第1のシ
ンプルプラネタリギヤのサンギヤS3に連結されてお
り、そのリングギヤR4は、カウンタ軸6に連結されて
いる。
【0039】そして、UDダイレクトクラッチC3は、
前記第1のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR3と
前記連結されたサンギヤS3,S4との間に介在してお
り、かつ該連結されたサンギヤS3,S4は、バンドブ
レーキからなる第4のプレーキB4にて係止し得る。更
に、第2のシンプルプラネタリギヤのピニオンP4を支
持するキャリヤCR4は、第5のブレーキB5にて係止
し得る。
【0040】ついで、図1及び図2に沿って、本5速自
動変速機の機構部分の作用について説明する。
【0041】D(ドライブ)レンジにおける1速(1S
T)状態では、フォワードクラッチClが接続し、かつ
第5のブレーキB5及び第2のワンウェイクラッチF2
が係止して、ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギ
ヤR2及び第2のシンプルプラネタリギヤ11のキャリ
ヤCR4が停止状態に保持される。この状態では、入力
軸3の回転は、フォワードクラッチClを介してシンプ
ルプラネタリギヤのリングギヤRlに伝達され、かつダ
ブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2は停止状
態にあるので、両サンギヤSl、S2を逆方向に空転さ
せながら共通キャリヤCRが正方向に大幅減速回転され
る。即ち、主変速機構2は、1速状態にあり、該減速回
転がカウンタギヤ18,17を介して副変速機構5にお
ける第1のシンプルプラネタリギヤのリングギヤR3に
伝達される。該副変速機構5は、第5のブレーキB5に
より第2のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR4が
停止され、1速状態にあり、前記主変速機構2の減速回
転は、該副変速機構5により更に減速されて、出力ギヤ
16から出力する。
【0042】2速(2ND)状態では、フォワードクラ
ッチClに加えて、第2のブレーキB2(及び第1のブ
レーキBl)が作動し、更に、第2のワンウェイクラッ
チF2から第1のワンウェイクラッチFlに作動が切換
わり、かつ第5のブレーキB5が係止状態に維持されて
いる。この状態では、サンギヤS2が第2のブレーキB
2及び第1のワンウェイクラッチFlにより停止され、
従って入力軸3からフォワードクラッチClを介して伝
達されたシンプルプラネタリギヤのリングギヤRlの回
転は、ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2
を正方向に空転させながらキャリヤCRを正方向に減速
回転する。更に、該減速回転は、カウンタギヤ18,1
7を介して副変速機構5に伝達される。即ち、主変速機
構2は2速状態となり、副変速機構5は、第5のブレー
キB5の係合により1速状態にあり、この2速状態と1
速状態が組合されて、自動変速機1全体で2速が得られ
る。なおこの際、第1のブレーキBlも作動状態となる
が、コーストダウンにより2速になる場合、該第1のブ
レーキBlは解放される。
【0043】3速(3RD)状態では、フォワードクラ
ッチCl、第2のブレーキB2及び第1のワンウェイク
ラッチFl並びに第1のブレーキBlはそのまま係合状
態に保持され、第5のブレーキB5の係止が解放される
と共に第4のブレーキB4が係合する。即ち、主変速機
構2はそのままの状態が保持されて、上述した2速時の
回転がカウンタギヤ18,17を介して副変速機構5に
伝えられ、そして副変速機構5では、第1のシンプルプ
ラネタリギヤのリングギヤR3からの回転がそのサンギ
ヤS3及びサンギヤS4の固定により2速回転としてキ
ャリヤCR3から出力し、従って主変速機構2の2速と
副変速機構5の2速で、自動変速機1全体で3速が得ら
れる。
【0044】4速(4TH)状態では、主変速機構2
は、フォワードクラッチCl、第2のブレーキB2及び
第1のワンウェイクラッチFl並びに第1のブレーキB
lが係合した上述2速及び3速状態と同じであり、副変
速機構5は、第4のブレーキB4を解放すると共にUD
ダイレクトクラッチC3が係合する。この状態では、第
1のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR3とサンギ
ヤS3,S4が連結して、プラネクリギヤ10,11が
一体回転する直結回転となる。従って、主変速機構2の
2速と副変速機構5の直結(3速)が組合されて、自動
変速機全体で、4速回転が出力ギヤ16から出力する。
【0045】5速(5TH)状態では、フォワードクラ
ッチCl及びダイレクトクラッチC2が係合して、入力
軸3の回転がシンプルプラネタリギヤのリングギヤRl
及びサンギヤSlに共に伝達されて、主変速機構2は、
ギヤユニットが一体回転する直結回転となる。この際、
第1のブレーキBlが解放されかつ第2のブレーキB2
は係合状態に保持されるが第1のワンウェイクラッチF
lが空転することにより、サンギヤS2は空転する。ま
た、副変速機構5は、UDダイレクトクラッチC3が係
合した直結回転となっており、従って主変速機構2の3
速(直結)と副変速機構5の3速(直結)が組合され
て、自動変速機全体で、5速回転が出力ギヤ16から出
力する。
【0046】更に、本自動変速機は、加速等のダウンシ
フト時に作動する中間変速段、即ち3速ロー及び4速ロ
ーがある。
【0047】3速ロー状態は、フォワードクラッチCl
及びダイレクトクラッチC2が接続し(第2ブレーキB
2が係合状態にあるがワンウェイクラッチFlによりオ
ーバランする)、主変速機構2はプラネタリギヤユニッ
ト15を直結した3速状態にある。一方、第5のブレー
キB5が係止して副変速機構5は1速状態にあり、従っ
て主変速機構2の3速状態と副変速機構5の1速状態が
組合されて、自動変速機1全体で、前述した2速と3速
との問のギヤ比となる変速段が得られる。
【0048】4速ロー状態は、フォワードクラッチCl
及びダイレクトクラッチC2が接続して、主変速機構2
は、上記3速ロー状態と同様に3速(直結)状態にあ
る。一方、副変速機構5は、第4のブレーキB4が係合
して、第1のシンプルプラネタリギヤ10のサンギヤS
3及び第2のシンプルプラネタリギヤ11のサンギヤS
4が固定され、2速状態にある。従って、主変速機構2
の3速状態と副変速機構5の2速状態が組合されて、自
動変速機1全体で、前述した3速と4速との間のギヤ比
となる変速段が得られる。
【0049】なお、図2において点線の丸印は、コース
ト時エンジンブレーキの作動状態を示す。即ち、1速
時、第3のブレーキB3が作動して第2のワンウェイク
ラッチF2のオーバランによるリングギヤR2の回転を
阻止する。また、2速時、3速時及び4速時、第1のブ
レーキB1が作動して第1のワンウェイクラッチFlの
オーバランによるサンギヤSlの回転を阻止する。
【0050】また、R(リバース)レンジにあっては、
ダイレクトクラッチC2及び第3のブレーキB3が係合
すると共に、第5のブレーキB5が係合する。この状態
では、入力軸3の回転はダイレクトクラッチC2を介し
てサンギヤSlに伝達され、かつ第3のブレーキB3に
よりダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2が
停止状態にあるので、シンプルプラネタリギヤのリング
ギヤRlを逆転方向に空転させながらキャリヤCRも逆
転し、該逆転が、カウンタギヤ18,17を介して副変
速機構5に伝達される。副変速機構5は、第5のブレー
キB5に基づき第2のシンプルプラネクリギヤのキャリ
ヤCR4が逆回転方向にも停止され、1速状態に保持さ
れる。従って、主変速機構2の逆転と副変速機構5の1
速回転が組合されて、出力軸16から逆転減速回転が出
力する。
【0051】図11は、電気制御系を示すブロック図で
あり、21は、マイクロコンピュータ(マイコン)から
なる制御部(ECU)で、エンジン回転センサ22、ド
ライバのアクセルペダル踏み量を検出するスロットル開
度センサ23、トランスミッション(自動変速機構)の
入力軸回転数(=タービン回転数)を検出するセンサ2
5、車速(=自動変速機出力軸回転数)センサ26及び
シフトセンサ27からの各信号が入力しており、また油
圧回路のリニアソレノイドバルブSLS及びSLUに出
力している。前記制御部21は、変速制御部21eを構
成する解放側油圧を制御する解放側制御手段21aと、
係合側油圧を制御する係合側制御手段21bとを有し、
更に、変速状態判断手段21cとを備えている。
【0052】図3は、油圧回路の概略を示す図であり、
前記2個のリニアソレノイドバルブSLS及びSLUを
有すると共に、自動変速機構のプラネタリギヤユニット
の伝達経路を切換えて、例えば前進5速、後進1速の変
速段を達成する複数の摩擦係合要素(クラッチ及びブレ
ーキ)を断接作動する複数の油圧サーボ29、30を有
している。また、前記リニアソレノイドバルブSLS及
びSLUの入力ポートal,a2にはソレノイドモジュ
レータ圧が供給されており、これらリニアソレノイドバ
ルブの出力ポートbl・b2からの制御油圧がそれぞれ
プレッシャコントロールバルブ31,32の制御油室3
1a,32aに供給されている。プレッシャコントロー
ルバルブ31,32は、ライン圧がそれぞれ入力ポート
31b,32bに供給されており、前記制御油圧にて調
圧された出力ポート31c,32cからの調圧油圧が、
それぞれシフトバルブ33,35を介して適宜各油圧サ
ーボ29,30に供給される。
【0053】なお、本油圧回路は、一方の摩擦係合要素
を解放すると共に他方の摩擦係合要素を係合する、いわ
ゆるクラッチツークラッチによる変速に係る基本概念を
示すものであり、各油圧サーボ29,30及びシフトバ
ルブ33,35は、象徴的に示すものであって、実際に
は、自動変速機構に対応して油圧サーボは多数備えられ
ているが、具体的には、3→2変速に際して第4のブレ
ーキB4用油圧サーボ及び第5のブレーキB5用油圧サ
ーボ、4→3変速に際しての第3のクラッチC3用油圧
サーボ及び第4のブレーキB4用油圧サーボであり、ま
た、これら油圧サーボヘの油圧を切換えるシフトバルブ
も多数備えている。また、油圧サーボ30に示すように
油圧サーボは、シリンダ36にオイルシール37により
油密状に嵌合するピストン39を有しており、該ピスト
ン39は、油圧室40に作用するプレッシャコントロー
ルバルブ32からの調圧油圧に基づき、戻しスプリング
41に抗して移動し、外側摩擦プレート42及び内側摩
擦材43を接触する。該摩擦プレート及び摩擦材は、ク
ラッチで示してあるが、ブレーキにも同様に対応するこ
とは勿論である。
【0054】ドライバのアクセルペダル操作に基づくス
ロットル開度センサ23及び車速センサ26からの信号
により、制御部21内の変速マップに基づき変速判断、
例えば、2→3変速のアップシフト判断がなされる。そ
して、所定シフトバルブの操作等の前処理のための所定
時間経過後、係合油圧PA及び解放油圧PBの変速制御
が開始される。
【0055】この際の、係合側の摩擦係合要素の制御を
図6乃至図10に基づいて説明する。制御部21は、ス
ロットル開度センサ23の信号から、スロットル開度が
低下して上記アップシフト判断がオフアップであること
が判断されると(図10の時点T2)、図6乃至図8に
示すフローチャートに従って、係合側の摩擦係合要素を
制御する。なお、オフアップとは、スロットル開度が所
定値以下でのアップシフト変速、つまり解放側となる摩
擦係合要素制御を解放して行くことで、変速(回転変
化)が生じる変速のことをいう。
【0056】即ち、図6に示す、ステップST1で、制
御手段21は変速状態判断手段21cを介して、一定の
時間間隔、例えば10mms毎に、図10に示すよう
に、エンジントルクをサンプリング演算して、前回のサ
ンプリング演算の際のエンジントルクTe[i−1]と今
回のサンプリング演算の際のエンジントルクTe[i]を
比較し、両者の差が所定の値、例えば5Nm以下となっ
ているか否かを判定する。エンジントルクは、スロット
ル開度センサ23及びエンジン回転数センサ22から得
られるスロットル開度とエンジン回転数に基づきマップ
により線形補間して求める。
【0057】ステップST1で、前回のサンプリング演
算の際のエンジントルクTe[i−1]と今回のサンプリ
ング演算の際のエンジントルクTe[i]の差が所定の値
以下となっていた場合には、ステップST2に入り、安
定化フラグをカウントアップし、なっていない場合に
は、ステップST3に入り、安定化フラグを0にセット
する。
【0058】ステップST3で安定化フラグが0とセッ
トされた場合には、現在状態では、エンジントルクの変
動が大きいものと判断して、ステップST4でエンジン
トルクが不安低出力状態にあるものと判断する。
【0059】ステップST4でエンジントルクが不安定
出力状態にあるものと判断された場合には、ステップS
T5に入り、スロットル開度センサ23により検出され
るスロットル開度が25%以上となっているか否かを判
定し、スロットル開度が25%以上となっている場合に
は、エンジンはそれまでのスロットルが戻されたパワー
オフ状態から、パワーオン状態に変化したものと判断
し、直ちに、後述するステップS1からのサーボ起動制
御に入り、摩擦係合要素による係合動作を開始して、サ
ーボ起動制御に入る。
【0060】ステップS5で、スロットル開度センサ2
3により検出されるスロットル開度が25%以上となっ
ていない場合には、ステップST1に戻り、再度、エン
ジントルクをサンプリング演算し、今回のサンプリング
演算値と前回のサンプリング演算値との差を求めて、ス
テップST2を経由して安定化フラグをカウントアップ
し、ステップST6で、安定化フラグが6以上となって
いるか否かを判定する。
【0061】ステップST6で、安定化フラグが6以上
となっていない場合には、ステップST4に戻り、安定
化フラグが6以上となっている場合には、エンジントル
クが6回以上連続してサンプリング演算値の変動が5N
m以下の安定した状態となっているものと判断して、ス
テップST7及び図10の時点T1で、エンジントルク
が安定出力状態となったものと判断する。以上、ステッ
プST1から7が、オフアップに際した、エンジントル
クの不安定時の係合側摩擦係合要素のディレイ制御であ
る。即ち、アップシフト判断が出された時点T2からエ
ンジントルクが安定する時点T1まで、係合側摩擦係合
要素の係合動作を行わず、シフトショックの発生を防止
するものである。
【0062】次に、ステップST8で、エンジン回転数
Neと入力軸回転数Nc1との差が50rpm以上で有
るか否かを判定し、エンジン回転数Neと入力軸回転数
Nc1との差が50rpm以上有る場合には、エンジン
回転数Neが入力軸回転数Nc1を上回るパワーオン状
態に変化したものと判定して、直ちに、後述するステッ
プS1からのサーボ起動制御に入り、摩擦係合要素によ
る係合動作を開始して、サーボ起動制御に入る。
【0063】ステップST8で、エンジン回転数Neと
入力軸回転数Nc1との差が50rpm以下の場合に
は、パワーオフ状態が継続しているものと判断し、ステ
ップST9に入る。ステップST9では、現時点の入力
軸回転数Nc1の低下状態から判断される、入力軸回転
数Nc1がアップシフト段への同期回転数に達するまで
に要する予想変速終了時間を演算し、係合側の摩擦係合
要素のサーボ起動制御に要するサーボ起動時間tSE
前述の予想変速終了時間を比較し、サーボ起動時間ts
eが予想変速終了時間よりも短い場合には、摩擦係合要
素のサーボ起動を行ったとしても、サーボ起動制御が完
了した時点で入力軸回転数Nc1が未だ同期回転状態に
なっておらず、このまま摩擦係合要素を係合した場合に
は、出力トルクの上昇を招き、シフトショックを生じる
危険性があるので、ステップST5を経由して、ステッ
プST1に戻り、前述の制御を繰り返す。
【0064】また、ステップST9で、サーボ起動時間
tseが予想変速終了時間よりも長い場合には、摩擦係
合要素のサーボ起動制御が完了した時点で、入力軸回転
数Nc1がシフトショックの生じないアップシフト段の
同期状態になっているものと判断して、直ちにステップ
S1以下のサーボ起動制御に入り、摩擦係合要素による
係合動作を開始して、図7以下のサーボ起動制御に入
る。以上、ステップST8からステップST9が、係合
側摩擦係合要素の係合開始判断制御である。
【0065】以上のステップST1からステップST9
が、オフアップ時の不安定時ディレイ制御と係合開始判
断制御の概要である。以後、係合側摩擦係合要素の制御
は係合側制御手段21bを介して、図7及び図8のステ
ップS1からステップS22まで実行されるが、これら
の制御は、オフアップ時に限らず通常のアップシフト時
でも同様な制御が行われる。従って、ステップST1か
らステップS22までの説明は、通常のアップシフトも
含めた形で行なう。なお、オフアップに関して特有の事
情については、必要がある度に説明する。
【0066】係合側制御手段21bは、図7のステップ
S1で計時が開始され、そして係合側の油圧サーボへの
油圧(係合油圧)PAが所定圧になるように所定信号圧
S1をリニアソレノイドバルブSLS(又はSLU)
に出力する(S2)。該所定圧(限界圧)PS1は、油
圧サーボの油圧室20を満たすために必要な油圧に設定
されており、図9に示すように、所定時間tSA保持さ
れる。該所定時間t SAが経過すると(S3)、係合油
圧PAは、所定勾配[(PS1−PS2)/tSB]で
スイープダウンし(S4)、係合油圧PAが所定低圧P
S2になると(S5)、該スイープダウンが停止され、
該所定低圧PS2に保持・待機される(S6)。該所定
低圧PS2は、ピストンストローク圧以上でかつ入力軸
の回転変化を生じさせない圧に設定されており、該所定
低圧PS2は、計時tが所定時間tSE経過するまで保
持される(S7)。上記ステップS2〜S7が、サーボ
起動制御となり、係合側油圧ピストンをガダ詰めストロ
ークして、引続く係合側摩擦係合要素の分担トルク及び
回転速度が変化する実際のアップシフト変速に備える。
【0067】ついで、入力トルクTtから係合側の分担
トルクT が算出される(S8)。なお、入力トルク
Tt (=タービントルク)は、車輌走行状況に基づ
き、マップによりスロットル開度とエンジン回転数に基
づき線形補間してエンジントルクを求め、ついでトルク
コンバータの入出力回転数から速度比を計算し、該速度
比によるマップによりトルク比を求め、そして前記エン
ジントルクに上記トルク比を乗じて求められる。そし
て、該入力トルクTtからトルク分担率aにより係合側
分担トルクT が算出される。更に、該係合側分担ト
ルクT に応じて変化する所定関数[PTA=fTA
(T)]に基づき、入力回転数Nc1 の回転変化が
開始する直前(イナーシャ相の開始直前、ただし、入力
軸回転数Nc1が既に同期回転にまで下がった状態での
オフアップでは、入力軸回転数Nc1の変化はほとんど
無い)の係合目標油圧PTAを算定する(S9)。該イ
ナーシャ相開始時直前の係合側油圧PTAは、Bをピ
ストンストローク圧(=スプリング荷重)、A を摩
擦板有効半径×ピストン面積×摩擦板枚数×摩擦係数、
dPTAを油圧の遅れ分の油圧量とすると、PTA
(T /A )+B +dPTAにて該目標油圧P
TAが算出される。なお、上記目標油圧PTAは、パワ
ーオン状態にあっては上述したように入力トルクTtに
基づき算出されるが、パワーオフ状態等にあって、該目
標係合油圧PTAが予め設定された所定油圧(P
OFFSET)より低い場合、該所定油圧に設定され、
変速を確実に進行する。
【0068】更に、該目標係合油圧PTAは、マップ値
及び学習値により算出されるタイアップ(余裕)率S
11,S21により補正される(S10)。即ち、タイ
アップ率S11は、油温の相違により多数のスロットル
開度・車速マップにて設定され、更に不要なエンジンの
吹き量を監視することにより、予め該タイアップ率が修
正される。
【0069】そして、該入力トルクTt に応じて算定
されたイナーシャ相開始時直前の係合油圧PTA(P
OFFSET)に基づき、予め設定された所定時間t
TAにより所定勾配が算定され[(PTA−PS2)/
TA]、該勾配に基づき係合側油圧がスイープアップ
する(S11)。該比較的急な勾配からなる第1のスイ
ープアップにより、係合トルクが増加し、入力回転数変
化が開始する直前の状態、即ち前記算出された所定目標
係合油圧PTA(POFFSET)まで油圧が上昇する
(S12)。なお、パワーオフ状態では、上記所定油圧
OFFSETを目標係合油圧として、所定勾配[P
OFFSET−PS2/tTA]によりスイープアップ
する。
【0070】そして、上記目標係合油圧PTA(又はP
OFFSET)に達すると、即ち入力軸回転数の回転変
化が開始されるイナーシャ相に入ったと予測される時点
で、前記油圧の変化δPTAが、入力軸回転数Nc1
の回転変化開始時における目標とする目標回転変化率
(角加速度dωs/dt;ωaと表記)に応じた関数
[δPTA=fδPTA (ωa)]により算出される
(S13)。油圧変化δPTA=[I・ωa]/[k・
taim ]にて算定される。そして、該第2のスイー
プアップは、回転変化開始時の入力軸回転数NTSから
の回転変化分ΔNが所定変速開始判定回転数N に達
するまで続けられる(S15)。上記ステップS8〜S
14が、トルク相制御となり、この状態は、係合側クラ
ッチが担持するトルクが増大すると共に、解放側クラッ
チの担持トルクが減少し、ギヤ比はアップシフト前(2
速)の状態にあってトルク分担だけが変化する。
【0071】また、パワーオフ状態にあっては、入力ト
ルクが負状態にあって、解放側油圧の解放制御により入
力回転数が既に変化しており、ステップS13,S14
は、ステップS15が既に達成されているため、単に通
過するだけで実際上機能しない。更に、後述するステッ
プS16も、既に入力回転数Nc1の変化が高速段(例
えば3速)に向けて進行しており、ステップS17にて
単に通過するだけで実際上機能しない。
【0072】なお、上記入力軸回転数Nc1の回転変化
開始とは、イナーシャ相に入ったこと、即ちギヤ比に基
づく変速(2→3変速)が開始され、出力軸の回転数に
対する該ギヤ比に係る入力軸回転数の変化が開始された
状態であって、前記入力回転数センサ5及び車速センサ
6から算出される。なお、入力軸回転変化開始の検出
は、上述したギヤ比に基づく回転変化(イナーシャ相開
始)に限らず、トルク相にあっても、上述したトルク分
担の変化に伴う入力軸の回転変化が僅かであるが開始さ
れるので、該トルク相における回転変化を検出してもよ
い。
【0073】ついで、係合側油圧変化δP が、入力
軸回転数センサ25の検出に基づく回転数の変化量(回
転加速度)ΔNにてフィードバック制御されて設定さ
れ、該δP の勾配によりスイープアップされる(S
16)。該δP によるスイープアップは、変速完了
までの回転変化量ΔNのa1[%]、例えば70[%]
まで続けられる(S17)。即ち、NTSを変速開始時
の入力軸回転数、ΔNを回転変化量、gi を変速前ギ
ヤ比、gi+1 を変速後ギヤ比とすると、[(ΔN×
100)/NTS(gi+1−gi)]がa1[%]に
なるまで続けられる。上記ステップ16〜17のフィー
ドバック制御がイナーシャ相制御となり、係合側摩擦係
合要素のトルク容量がエンジントルクを上回り、該係合
側トルク容量で決まる入力トルクと実際のエンジントル
クの差が、エンジン回転系に対する余分の負荷となっ
て、エンジン回転速度が下り始める。既に述べたよう
に、オフアップ時には、スロットルが戻されることによ
り、既にエンジン回転数が図10に示すように高速段側
への同期回転数へ向けて下がってきているので、ステッ
プS16からステップS17のイナシャー制御は実質的
には行われない。
【0074】更に、上記回転変化量のa1[%]を越え
ると、滑らかな入力軸回転数変化量ΔNに基づくフィー
ドバック制御により異なる油圧変化δPL が設定さ
れ、該δP の勾配によりスイープアップされる(S
18)。該δP は、一般にδP より僅かにゆるい
勾配となり、該スイープアップは、変速完了近傍までの
回転数変化量のa2[%]、例えば90[%]まで続け
られる(S19)。上記δP 及びδP によるスイ
ープアップ目標変速時間は、油温による異なる複数のス
ロットル開度・車速マップが選択され、該マップに基づ
き設定される。
【0075】そして、該目標変速時間が経過すると、該
計時時間t が設定され(S20)、この状態はイナ
ーシャ相が終了した状態と略々対応している。更に、比
較的急な油圧変化δP が設定されて、該油圧変化に
より油圧が急激にスイープアップし(S21)、そして
前記計時時間t から、係合圧まで上昇するに充分な
時間に設定されている所定時間tFEが経過した状態で
(S22)、係合側の油圧制御が完了する。
【0076】ついで、図4及び図5に沿って、上述した
アップシフト変速における、解放側制御手段21aによ
る、解放側油圧PBの制御について説明する。
【0077】まず、制御部21からの変速指令(アップ
シフト判断)により、図4のステップST10で、変速
状態判断手段21c中のエンジン吹きを示す「吹きフラ
グ」がOFFに初期化され、ステップST11からステ
ップST14で、係合側のステップST1からステップ
ST7と同様の不安定時ディレイ制御が行われる。
【0078】しかし、解放側の場合には、ステップS1
6で安定化フラグが6回以上で、エンジントルクが安定
出力状態にあるものと判断された場合の他に、ステップ
ST15で安定フラグが5回以下の場合や、ステップS
T11でエンジントルクの変動が所定値以下になってお
らず、ステップST14でエンジントルクが不安定出力
状態にあるものと判断された場合でも、ステップST1
7に入り、待機制御が開始される。
【0079】ステップST17では、変速状態判断手段
21cは入力軸回転数inRpmから出力軸回転数にギヤ比
を掛けたものを引いた絶対値から、現在エンジン吹きが
生じているか否かを判断する。|InRpm_flare|が50r
pm以上の場合には、入力軸回転数が出力軸回転数の差が
かなりあり、エンジン吹きが発生しているものと判断し
て、ステップST18で吹きフラグを「ON」状態にす
る。
【0080】次に、ステップST19で、InRpm_flare
が50rpm以上あるか否かを再度判定し、上記絶対値を
50rpm以上上回らない場合には、ステップST20に
入る。変速指令(アップシフト判断)時、解放油圧PB
は、係合圧からなる高い油圧が供給されているが、入力
トルクTtに基づき解放側入力トルクT が算出され
る。この状態では、アップシフト変速前の低速段(例え
ば2速)にあって、自動変速機の入力トルクは、略々全
て解放側摩擦係合要素に作用しており、該低速段のギヤ
比に基づき該解放側摩擦係合要素に作用する解放側入力
トルクTB が算出される。
【0081】そして、該解放側入力トルクTB に基づ
き、解放側の待機油圧Pwに解放側油圧PBが設定され
る(ST21)。更に、前記待機油圧Pwは、ステップ
ST22及びステップS23に示すように、エンジン吹
き量にて補正される。該エンジン吹きは、ステップST
22の吹きフラグがON状態の場合であり、この場合、
ステップST23に入り、図5の補正マップMPが示す
ように補正油圧量Pgainが設定され、待機油圧Pwは、
該補正油圧量Pgainだけ少ない油圧に設定される。これ
により、エンジン吹き状態で、エンジントルクが正の場
合に、解放の待機油圧が高すぎてトルクの引き込みによ
るショックが発生することを防止している。
【0082】なお、ステップST22でエンジン吹きフ
ラグが「OFF」の場合には(通常は「OFF」)、エ
ンジン吹きが生じていないので、ステップST24に入
り、解放側油圧PBをガード圧PGに設定する。
【0083】また、ステップST19で、InRpm_flare
が50rpm以上、即ち、入力軸回転数が出力軸回転数を
50rpm以上上回ったエンジン吹き状態と判定された場
合には、ステップST25に入り、待機圧Pwとして、
現在の油圧PBにエンジン吹き状態に応じた所定の補正
圧ΔPを足した圧と所定のガード圧PGの内、大きい
方の圧を採用して、解放側油圧とする。これにより、エ
ンジン吹きにより解放側油圧が不足してスリップなどが
生じることが防止される。
【0084】次に、オフアップの場合には、既に述べた
ように、エンジントルクが安定した状態となるまで係合
側摩擦係合要素が係合されないので、待機圧Pwに保持
された解放側の摩擦係合要素の油圧をその間、適正に制
御する必要がある。
【0085】即ち、オフアップにより、スロットルが戻
されることにより、エンジントルクが所定時間後には負
となり、ステップST20及びステップST21で演算
される待機圧Pwも徐々に低下して行くこととなるが、
待機圧Pwには、当該待機圧Pwが低下しすぎて、再度
スロットルが踏み込まされた際に、現在解放側となって
いる摩擦係合要素の再係合動作に時間が掛からないよう
に、所定のガード圧PGを解放側油圧Pbとして設定す
る。このガード圧PGでは、解放側摩擦係合要素は僅か
に係合しており、エンジントルクが負の場合には入力軸
は出力軸側から駆動されるので、過度に入力軸回転数が
低下してしまうような事態は防止される。なお、ガード
圧PGは、摩擦係合要素の組立誤差や油圧の調圧誤差な
どにより生じる作動誤差分を補償し、更にトルク容量を
生じさせる油圧にその値が設定されているので、ガード
圧PGで摩擦係合要素を保持することにより、出力軸と
入力軸の間の連繋は維持される。
【0086】ステップST24で、解放側摩擦係合要素
がトルク容量を生じて入力軸回転数の過度の低下が防止
されたところで、図5のステップST26に入り、現在
の入力軸の回転加速度ΔNと、エンジントルクTeとエ
ンジンイナーシャIeで割った値である、推定される入
力軸の回転加速度(理論値)を比較し、実際の回転加速
度ΔN(負値)が理論値(負値)よりも大きい場合(0
に近い)には、入力軸回転数減速度がエンジントルクか
ら求められる減速度よりも低く、ゆっくりと減速してい
る(減速の程度が遅い)ものと判定されるので、ステッ
プST27に入る。ステップST27では、図10の入
力軸回転数Nc1とエンジン回転数Neを比較して、入
力軸回転数Nc1がエンジン回転数Neよりも高い場合
には、エンジンが出力軸側から駆動されるパワーオフ状
態を維持しているので、ステップST28で、解放側油
圧Pbをガード圧PGから所定の補正圧ΔPだけ引い
た値に設定し、当該補正された解放側油圧Pbで摩擦係
合要素を駆動し、出力軸側からそれ以上入力軸が駆動さ
れ、入力軸回転数Nc1が上昇することを防止し、入力
軸回転数の回転加速度ΔNが推定される回転加速度(理
論値)に一致する方向に変化するように制御する。
【0087】即ち、ステップST28で設定される解放
側油圧Pbである解放保証圧(ガード圧PG−ΔP
は、摩擦係合要素の組立誤差や油圧の調圧誤差などによ
り生じる作動誤差分を補償し、更にトルク容量を生じさ
せない油圧にその値が設定されているので、解放保証圧
(ガード圧PG−ΔP)で摩擦係合要素を保持するこ
とにより、入力軸は出力軸側から駆動されることはな
い。
【0088】こうして、解放側油圧PBが所定時間、解
放保証圧Pbで保持されたところで、ステップST29
に入り、解放側油圧PBは、前述の待機圧PWまたはス
テップST24又はステップST28の油圧Pbのどち
らか大きな値で維持される。
【0089】なお、ステップST26で、実際の回転加
速度ΔN(負値)が理論値(負値)よりも小さい場合に
は、入力軸回転数減速度がエンジントルクから求められ
る減速度よりも大きく、急激に減速しているものと判定
されるので、ステップS29を実行して、解放側摩擦係
合要素を係合させて入力軸を出力軸側から駆動して入力
軸回転数の過度の低下を防止する。この制御は、ステッ
プST27で、入力軸回転数Nc1がエンジン回転数N
eよりも低い場合、エンジンが入力軸を駆動している状
態となった場合にも、同様に行い、エンジンがパワーO
N状態となってエンジン吹きが生じないように維持す
る。
【0090】このステップST11からステップST2
9までの工程を、係合側のサーボ起動制御が完了する時
間TSEまで繰り返すことにより、図10に示すよう
に、解放側摩擦係合要素が、解放保証圧(ガード圧PG
−ΔP)とガード圧PGとの間で間欠的に駆動される
形となり、そしてガード圧PGが解放側摩擦係合要素に
供給される度に入力軸は出力軸側から駆動される形とな
り、入力軸の回転が過度に低下してしまうことは未然に
防止され、オフアップ中に、再度スロットルが踏み込ま
れても直ちに、それまで解放側であった摩擦係合要素を
迅速に再係合させてダウンシフト動作を行うことが出来
る。
【0091】上記ステップST17〜ST30が待機制
御となる。ついで、係合油圧PA及び入力トルクTtの
関数[T =fTB(PA,Tt)]により解放側ト
ルクT が算定され(S36)、更に余裕率S1D
2Dが考慮されて(T=S1D×T
2D)、解放側トルクT が算出される(S3
7)。そして、該解放側トルクT から解放側油圧P
Bが算出される[PB=fPB(T )](S3
8)。即ち、まず、係合側摩擦係合要素が分担するトル
クT が[T =A ×(P −B )]にて算
出され(A ;有効半径×ピストン面積×枚数×摩擦
係数、B ;ピストンストローク圧)、更にこれによ
り、解放側摩擦係合要素が分担するトルクT が、
[T =(1/b)T −(a/b)T ]にて算
出される。なお、ここで、bは解放側のトルク分担、a
は係合側のトルク分担、T は入力軸トルクである。
そして、余裕率(タイアップ度合)S1D,S2Dによ
り、係合側摩擦係合要素とのタイアップ度合を、ドライ
ブフィーリングを考慮して設定し、解放側トルクT
が[T =S1D×T +S2D]にて算出される。
上記余裕率S1D,S2Dは、油温の相違により選択さ
れる多数のスロットル開度・車速マップにて、ドライバ
ーのフィーリングに合うように任意に設定されるもので
ある。更に、該余裕率を考慮した解放側トルクT
ら、解放側油圧Pが、[P =(T /A )+
]にて算定される(A ;解放側摩擦係合要素の
有効半径×ピストン面積×枚数×摩擦係数,B ;解
放側ピストンストローク圧)。なお、上記解放側トルク
の算出に際して、入力トルクは絶対値|Tt|が
用いられ、解放側油圧は常に正となる。
【0092】上記ステップS36〜S38が、初期制御
となる。ついで、解放油圧の変化δP が設定され、
該油圧変化による勾配でスイープダウンし(S40)、
該スイープダウンは、解放側油圧PBが0になるまで続
き(S41)、これにより、解放側の油圧制御が完了す
る。上記ステップS40が、解放制御となる。
【0093】なお、上述の実施例は、係合側の摩擦係合
要素の係合を、図6のステップST9で判断するよう
に、係合側の摩擦係合要素のサーボ起動制御に要するサ
ーボ起動時間tSEと入力軸回転数Nc1の低下による
予想変速終了時間を比較し、サーボ起動時間tseが予
想変速終了時間よりも短い(早い)場合には、サーボ起
動を行わずに入力軸回転数Nc1が同期回転数まで低下
するのを待つ場合について述べたが、本発明は、オフア
ップ時のエンジントルクの変動を監視して、当該変動が
所定値以内に収まった状態で、係合側摩擦係合要素を係
合させる限り、必ずしも、入力軸回転数Nc1がアップ
シフトの同期回転数に達するまで待つ必要はなく、図1
0のトルク安定判断がなされた時点T1(図6のステッ
プST7が判断された時点)で、直ちに係合側摩擦係合
要素を係合させてもよい。
【0094】更に、上述の実施例は、オフアップが、例
えば図2の2−3変速時などの摩擦係合要素の掴み換え
により行われる場合について述べたが、本発明は、ワン
ウエイクラッチが介在した、例えば図2の1−2変速時
のオフアップ時においても適用することが出来る。この
場合、解放側摩擦係合要素はワンウエイクラッチにて代
用されるので、図4から図5に示した解放側摩擦係合要
素における解放側の制御は行われない。
【0095】また、本発明は、オフアップが、図10に
示すように、スロットル開度が一度に0に戻された場合
(A)に限らず、図中破線(B)で示すように、多少ゆ
っくりと戻されてアップシフト判断の時点でスロットル
開度が0でない場合でも、エンジントルク等の入力トル
クの安定度を判断することにより、同様の制御が可能で
ある。
【0096】更に、本発明は、エンジン出力の安定状態
の判定をエンジントルクの安定度を判断することにより
行っているが、エンジン出力の安定状態の判定は、エン
ジントルクに限らず、自動変速機の入力軸にトルクコン
バータ4を介して伝達される入力軸トルクの安定度を判
断することにより行ってもよい。更に、安定状態の判定
は、上記した入力トルクに限らず、入力軸加速度の理論
値(エンジントルクTe/エンジンイナーシャIe)な
どからも判定可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用される自動変速機の一例
を示すスケルトン図。
【図2】図2は図1の自動変速機における摩擦係合要素
の作動を示す図。
【図3】図3は摩擦係合要素の油圧回路の概略を示す
図。
【図4】アップシフト解放側の制御態様の一例を示すフ
ローチャート(部分)。
【図5】アップシフト解放側の制御態様の一例を示すフ
ローチャート(部分)。
【図6】アップシフト係合側の制御態様の一例を示すフ
ローチャート(部分)。
【図7】アップシフト係合側の制御態様の一例を示すフ
ローチャート(部分)。
【図8】アップシフト係合側の制御態様の一例を示すフ
ローチャート(部分)。
【図9】パワーオフアップ時における摩擦係合要素の基
本的な駆動状態を示す基本タイムチャートの一例。
【図10】本発明を適用した場合の、スロットル開度、
エンジントルク、エンジン回転数、入力軸回転数、入力
軸加速度、摩擦係合要素の駆動状態、出力軸トルクの状
態を示すタイムチャート。
【図11】本発明に係わる電子制御部を示すブロック図
である。
【符号の説明】
1……自動変速機 3……入力軸 14a、14b……出力軸 21……制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 誠和 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 Fターム(参考) 3J552 MA03 MA12 NA01 NB01 PA02 PA04 PA51 PA57 RA05 RB12 SA07 SA20 VA32W VA62Z VA76W VA76Y VB01Z VC02W VC03W

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの回転が入力される入力
    軸、車軸に接続される出力軸、前記入力軸と出力軸との
    間に配置された複数の変速要素、それら複数の変速要素
    を係止、係止解除自在に設けられた複数の摩擦係合要素
    を有し、それら摩擦係合要素を操作することにより、ア
    ップシフト変速動作を行うことが出来る自動変速機にお
    いて、 前記エンジン出力の安定状態を判定するエンジン出力状
    態判定手段を設け、 前記エンジン出力状態判定手段により、エンジン出力が
    安定したものと判定された場合に、前記摩擦係合要素の
    前記アップシフトに伴う係合動作を実行する摩擦係合要
    素駆動制御手段を設けて構成した、自動変速機の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 エンジン回転数と入力軸回転数の差を検
    出するパワーオフ判定手段を設け、前記摩擦係合要素駆
    動制御手段は、前記パワーオフ検出手段が、エンジンが
    自動変速機側を駆動していないパワーオフ状態であるも
    のと判定した場合に、前記摩擦係合要素のアップシフト
    に伴う係合動作を実行することを特徴とする、請求項1
    記載の、自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 入力軸回転数がアップシフトの同期回転
    数に到達するまでの予想時間を演算する、同期回転到達
    時間演算手段を設け、前記摩擦係合要素駆動制御手段
    は、前記同期回転到達時間演算手段により求められた入
    力軸の変速終了時間に対応させて、前記摩擦係合要素の
    アップシフトに伴う係合動作を実行することを特徴とす
    る、請求項1記載の、自動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 入力軸回転数がアップシフトの同期回転
    数になるまでの予想時間と、係合側の摩擦係合要素のサ
    ーボ起動時間を比較する係合タイミング演算手段を設
    け、 前記摩擦係合要素駆動制御手段は、サーボ起動時間が、
    前記入力軸回転数がアップシフトの同期回転数になるま
    での予想時間よりも大きい場合に、前記摩擦係合要素の
    アップシフトに伴う係合動作を実行することを特徴とす
    る、請求項1記載の、自動変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記アップシフト変速動作がスロットル
    開度が所定値以下で行われたものであるか否かを判定す
    るオフアップ判定手段を設け、 前記エンジン出力状態判定手段は、前記オフアップ判定
    手段により、前記アップシフト変速動作がスロットル開
    度が所定値以下で行われたものであるものと判定された
    場合に、エンジンの出力状態を判定することを特徴とす
    る、請求項1記載の、自動変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記自動変速機は、変速要素の一方向の
    回転のみを許容するワンウエイクラッチを有し、前記ス
    ロットル開度が所定値以下で行われたアップシフト変速
    動作は、前記摩擦係合要素の係合と前記ワンウエイクラ
    ッチの係合解除により達成されることを特徴とする、請
    求項5記載の、自動変速機の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記スロットル開度が所定値以下で行わ
    れたアップシフト変速動作は、1速から2速のアップシ
    フトであることを特徴とする、請求項6記載の、自動変
    速機の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記スロットル開度が所定値以下で行わ
    れたアップシフト変速動作は、前記摩擦係合要素の掴み
    換えにより達成されることを特徴とする、請求項5記載
    の、自動変速機の制御装置。
  9. 【請求項9】 前記エンジン出力状態判定手段は、前記
    エンジン側からの入力トルクからエンジン出力の安定状
    態を判定する、請求項1記載の、自動変速機の制御装
    置。
  10. 【請求項10】 前記入力トルクは、エンジントルクで
    あることを特徴とする、請求項9記載の、自動変速機の
    制御装置。
  11. 【請求項11】 前記入力トルクは、入力軸トルクであ
    ることを特徴とする、請求項9記載の、自動変速機の制
    御装置。
  12. 【請求項12】 前記エンジン出力状態判定手段は、前
    記エンジン側からの入力トルクを所定時間毎に演算する
    入力トルク演算手段と、該入力トルク演算手段により演
    算された入力トルクの経時的変動を監視し、前記入力ト
    ルクが安定したか否かを判定する入力トルク安定判定手
    段を有する、請求項9記載の、自動変速機の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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KR101284326B1 (ko) 2007-12-13 2013-07-17 현대자동차주식회사 자동변속기의 변속 제어장치 및 방법
JP2019032068A (ja) * 2017-08-09 2019-02-28 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置

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