JP2002121613A - 冷鉄源の溶解方法及び溶解設備 - Google Patents

冷鉄源の溶解方法及び溶解設備

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JP2002121613A
JP2002121613A JP2000318710A JP2000318710A JP2002121613A JP 2002121613 A JP2002121613 A JP 2002121613A JP 2000318710 A JP2000318710 A JP 2000318710A JP 2000318710 A JP2000318710 A JP 2000318710A JP 2002121613 A JP2002121613 A JP 2002121613A
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Japan
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melting
chamber
cold iron
iron source
melting chamber
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JP2000318710A
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Hideaki Mizukami
秀昭 水上
Toshimichi Maki
敏道 牧
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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    • Y02P10/20Recycling

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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)
  • Furnace Details (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解室及び予熱室を有する溶解設備を用い、
冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存在するように冷
鉄源を予熱室へ供給しつつ冷鉄源を溶解する際に、出湯
時の溶湯温度を上昇させ、溶湯温度の低下に伴うトラブ
ルを防止する。 【解決手段】 溶解室2と、溶解室に直結し、溶解室で
発生する排ガスが導入されるシャフト型の予熱室3と、
予熱室内の冷鉄源15の降下を妨げる停止手段13とを
具備した溶解設備1での溶解方法であって、冷鉄源が予
熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保つように冷
鉄源を連続的又は断続的に予熱室へ供給しながら溶解室
内の冷鉄源をアーク18にて溶解し、溶解室内に所定量
の溶湯16が溜まった時点で停止手段により冷鉄源の降
下を妨げ、予熱室内の冷鉄源と溶解室内の溶湯との接触
を断ち、次いで、アークにて溶解室内の溶湯を加熱・昇
温した後、冷鉄源が予熱室に存在する状態で溶湯を出湯
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄スクラップや直
接還元鉄等の冷鉄源をアーク熱により溶解する冷鉄源の
溶解方法及び溶解設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼用アーク溶解設備では、アーク発生
用電極から発生するアーク熱にて鉄スクラップや直接還
元鉄等の冷鉄源を加熱・溶解し、精錬して溶鋼を製造す
るが、多くの電力を消費するため、溶解中にアーク溶解
設備の溶解室から発生する高温の排ガスを利用して冷鉄
源を予熱し、予熱した冷鉄源を溶解することによって電
力使用量を削減する方法が多数提案されている。
【0003】例えば、特公平6−46145号公報(以
下「先行技術1」と記す)には、溶解室に直結したシャ
フト型の予熱室を設け、溶解室内と予熱室内とに1ヒー
ト分の冷鉄源を溶解毎に装入して、この冷鉄源を排ガス
で予熱しつつ溶解する設備が開示されている。先行技術
1では、予熱室が溶解室に直結されているので冷鉄源の
保持・搬送用設備が必要でなく、そのため、これら設備
の熱による設備トラブルを懸念することなく排ガス温度
を上昇させ、冷鉄源の予熱温度を上げることができるの
で、電力削減効果に優れるが、1ヒート分の溶鋼量を溶
解する毎に予熱室内の全ての冷鉄源を溶解して出湯する
ため、ヒートの最初に溶解される冷鉄源は常に予熱され
ず、排ガスの有効利用という点では十分とはいえない。
【0004】この問題を解決すべく、特開平10−29
2990号公報(以下「先行技術2」と記す)が本発明
者等により提案されている。先行技術2では、溶解室
と、その上部に直結するシャフト型の予熱室とを備えた
アーク溶解設備を用い、冷鉄源が予熱室と溶解室とに連
続して存在する状態を保つように冷鉄源を連続的又は断
続的に予熱室へ供給しながら、溶解室内の冷鉄源をアー
クにて溶解し、溶解室に所定量の溶鋼が溜まった時点
で、冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存在する状態
で溶鋼を出湯する溶解方法としているので、予熱室内及
び溶解室内には常に冷鉄源が存在して、2ヒート目以降
では溶解される全ての冷鉄源が溶解室で発生する排ガス
により予熱され、電力使用量の大幅な削減が達成され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術2でも以下の問題点がある。即ち、溶解室内において
溶鋼と冷鉄源とが常に共存する状態、即ち溶鋼中に冷鉄
源が浸かった状態で出湯するため、出湯される溶鋼の温
度が低く、出湯時にアーク溶解設備の出湯口での凝固地
金付着により出湯が阻害される虞がある。又、溶鋼温度
が低いために、取鍋等の溶湯保持容器への出湯後、溶湯
保持容器内壁へ凝固地金が付着し、歩留まりの低下や製
品の品質低下の原因となる。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、溶解室の上部に直結されたシ
ャフト型の予熱室を有するアーク溶解設備を用い、冷鉄
源が予熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保つよ
うに冷鉄源を予熱室へ供給しつつ溶解室内の冷鉄源を溶
解する方法において、出湯時の溶湯温度を上昇させて、
溶湯温度の低下に伴う出湯口での地金付着による閉塞や
溶湯保持容器内壁への地金付着を防止することを可能と
する冷鉄源の溶解方法及び溶解設備を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係る冷鉄源の溶解方法は、アーク発生用電極
を備えた溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発生する
排ガスが導入されるシャフト型の予熱室と、予熱室内の
冷鉄源の降下を妨げる停止手段とを具備したアーク溶解
設備での冷鉄源の溶解方法であって、冷鉄源が予熱室と
溶解室とに連続して存在する状態を保つように冷鉄源を
連続的又は断続的に予熱室へ供給しながら溶解室内の冷
鉄源をアークにて溶解し、溶解室内に所定量の溶湯が溜
まった時点で前記停止手段により冷鉄源の降下を妨げ、
予熱室内の冷鉄源と溶解室内の溶湯との接触を断ち、ア
ークにて溶解室内の溶湯を加熱・昇温した後、冷鉄源が
予熱室に存在する状態で溶湯を出湯することを特徴とす
るものである。その際、電力使用量をより一層削減させ
るために、炭材と酸素とを溶解室内に供給しても良い。
【0008】又、本発明に係る冷鉄源の溶解設備は、冷
鉄源を溶解するための溶解室と、溶解室の上部に直結
し、溶解室で発生する排ガスにて冷鉄源を予熱するシャ
フト型の予熱室と、予熱室内の冷鉄源の降下を妨げる停
止手段と、溶解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク発
生用電極と、冷鉄源を連続的又は断続的に予熱室へ供給
する冷鉄源供給手段と、溶湯を出湯するための出湯口と
を具備し、溶解室内の冷鉄源をアークにより溶解し、溶
解室内に所定量の溶湯が溜まった時点で前記停止手段に
より冷鉄源の降下を妨げ、予熱室内の冷鉄源と溶解室内
の溶湯との接触を断ち、アークにて溶解室内の溶湯を加
熱・昇温した後、冷鉄源が予熱室に存在する状態で溶湯
を出湯することを特徴とするものである。
【0009】本発明においては、溶解室に直結するシャ
フト型の予熱室内で予熱された冷鉄源が、溶解室内での
冷鉄源の溶解速度に見合って自重により自然落下し、溶
解室内に供給されるので、予熱室から溶解室への冷鉄源
搬送用装置が不要であり、冷鉄源搬送用設備の熱による
設備トラブルを懸念することなく排ガス温度を上昇させ
ることが可能となり、冷鉄源の予熱温度を上げることが
できる。そして、冷鉄源が少なくとも予熱室内には存在
する状態を保ちながら、溶解室内の冷鉄源を溶解・出湯
するので、次ヒート以降で溶解される全ての冷鉄源は予
熱され、極めて高い予熱効率で溶解することができる。
【0010】又、所定量の溶湯が溶解室内に溜まった時
点で、予熱室内の冷鉄源の降下を妨げる停止手段を用い
て、予熱室から溶解室への冷鉄源の供給を阻止するの
で、溶解室内に生成した溶湯と未溶解の冷鉄源との接触
が断たれ、溶湯の過熱度を任意の温度に制御すること、
即ち高い過熱度を有する溶湯を得ることができ、溶湯温
度の低下に伴う出湯口での地金付着による閉塞や溶湯保
持容器内壁への地金付着を防止することが可能となる。
この停止手段は、溶解操業の末期に予熱室内に挿入さ
れ、溶解操業の大半の期間は予熱室の外側で待機してい
るので、この停止手段の熱によるトラブルは配慮する必
要がなく、排ガス温度を上昇させることができる。
【0011】尚、本発明における所定量の溶湯量とは、
例えば1ヒート分の溶湯量や、出湯後に溶解室内に溶湯
を残留させる場合には、1ヒート分の溶湯量と溶解室内
の残留溶湯量とを合わせた量であり、操業状況により適
宜決定される溶湯量である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1及び図2は、本発明の実施の形
態の1例を示すアーク溶解設備の縦断面概略図であり、
図1は、予熱室内の冷鉄源の降下を妨げる停止手段を解
放した状態を示し、図2は、この停止手段により冷鉄源
の降下を阻止した状態を示す図である。
【0013】図1及び図2において、内部を耐火物で構
築され、底部に底部電極6を備えた溶解室2の上部に
は、シャフト型の予熱室3と水冷構造の側壁4とが配置
され、側壁4の上部は開閉自在な水冷構造の蓋5で覆わ
れている。この蓋5を貫通して、溶解室2内へ上下移動
可能な黒鉛製の上部電極7が設けられている。アーク発
生用電極である底部電極6と上部電極7とは直流電源
(図示せず)に連結され、底部電極6と上部電極7との
間でアーク18を発生させる。又、溶解室2は傾動装置
(図示せず)により出湯口11側の方向に傾動されるよ
うになっている。
【0014】予熱室3の上方には、冷鉄源供給手段とし
て、走行台車23に吊り下げられた底開き型の供給用バ
ケット14が設けられ、この供給用バケット14より、
予熱室3の上部に設けられた開閉自在な冷鉄源供給口1
9を介して、鉄スクラップや直接還元鉄等の冷鉄源15
が予熱室3内に装入される。又、予熱室3の上端に設け
られたダクト20は集塵機(図示せず)に連結し、溶解
室2で発生する高温の排ガスは、予熱室3及びダクト2
0を順に通って吸引され、その際、予熱室3内の冷鉄源
15は排ガスにより予熱される。予熱された冷鉄源15
は溶解室2内で溶解された量に見合って、自重により溶
解室2内に自由落下し、溶解室2内へ供給される。
【0015】予熱室3の下部には、油圧装置や電動機等
(図示せず)により、その先端が予熱室3内を出入りす
るように駆動されるストッパー13が、冷鉄源15の降
下を妨げる停止手段として設置されている。ストッパー
13は予熱室3を囲んで周方向に複数基設置されてお
り、ストッパー13を冷鉄源15が充填された予熱室3
内に挿入することで、予熱室3内に充填していた冷鉄源
15がストッパー13により互いに押し付け合い、冷鉄
源15の降下が阻害される。又、ストッパー13は、ス
トッパー13が予熱室3の側壁部よりも内部側に張り出
してくることで冷鉄源15の降下の障害物となり、これ
により冷鉄源15が棚吊り状態となって冷鉄源15の降
下を妨げる作用も有している。
【0016】蓋5を貫通して、溶解室2内を上下移動可
能な酸素吹き込みランス8と炭材吹き込みランス9とが
設けられ、酸素吹き込みランス8からは酸素が溶解室2
内に吹き込まれ、そして、炭材吹き込みランス9からは
空気や窒素ガス等を搬送用ガスとしてコークス、チャ
ー、石炭、木炭、黒鉛等の等の炭材が溶解室2内に吹き
込まれる。又、溶解室2の予熱室3が直結されている側
とは異なる部分に設けられた突出部2aには、その底部
に、扉21で出口側を押さえ付けられて内部に詰め砂又
はマッド剤が充填された出湯口11と、その側壁に、扉
22で出口側を押さえ付けられて内部に詰め砂又はマッ
ド剤が充填された出滓口12とが設けられている。この
出湯口11の鉛直上方に対応する部位の蓋5には、バー
ナー10が取り付けられている。バーナー10は、重
油、灯油、微粉炭、プロパンガス、天然ガス等の化石燃
料を、空気又は酸素若しくは酸素富化空気により溶解室
2内で燃焼させる。このようにして直流式アーク溶解設
備1が構成されている。
【0017】このように構成される直流式アーク溶解設
備1において、冷鉄源15を溶解するに際しては、先
ず、溶解室2を水平状態として供給用バケット14より
予熱室3内に冷鉄源15を供給する。予熱室3内に供給
された冷鉄源15は、溶解室2内にも装入され、やがて
予熱室3内を充填する。尚、溶解室2内へ冷鉄源15を
均一に装入するため、蓋5を開けて予熱室3と反対側の
溶解室2内に冷鉄源15を装入することもできる。次い
で、底部電極6と上部電極7との間に直流電流を給電し
つつ上部電極7を昇降させ、上部電極7と底部電極6及
び装入した冷鉄源15との間でアーク18を発生させ
る。そして、発生するアーク熱により冷鉄源15を溶解
し、溶湯16を生成させる。溶湯16の生成に伴い、生
石灰、蛍石等のフラックスを溶解室2内に装入して、溶
融スラグ17を溶湯16上に形成させ、溶湯16の酸化
を防止すると共に溶湯16の保温を図る。溶融スラグ1
7の量が多すぎる場合には、溶解中でも出滓口12か
ら、排滓することができる。
【0018】溶湯16の生成する頃から、酸素吹き込み
ランス8及び炭材吹き込みランス9から、酸素と炭材と
を溶湯16中又は溶融スラグ17中に吹き込むことが好
ましい。吹き込まれて溶湯16中に溶解した炭材又は溶
融スラグ17中に懸濁した炭材と、吹き込まれる酸素と
が反応して燃焼熱を発生し、補助熱源として作用し、電
力使用量を節約すると共に、反応生成物のCOガスが溶
融スラグ17をフォーミングさせて、アーク18が溶融
スラグ17に包まれるので、アーク18の着熱効率が上
昇する。又、酸素と炭材とを吹き込むことにより大量に
発生する高温のCOガスと、このCOガスが燃焼して生
成するCO2 ガスとで予熱室3内の冷鉄源15は効率良
く予熱される。この炭材の吹き込み量は、吹き込む酸素
の量に対応して決める。即ち、吹き込まれる酸素の化学
当量に等しい程度の炭材を添加する。炭材が吹き込まれ
る酸素に比べて少ないと、溶湯16が過剰に酸化するの
で好ましくない。電力使用量を節約するためには、酸素
吹き込み量を、溶解開始から出湯までの間に溶解室2内
で滞留する溶湯16のトン当たり25Nm3 以上とする
ことが好ましい。
【0019】溶湯16の生成に伴って予熱室3内の冷鉄
源15は、溶解室2内で溶解された量に見合って溶解室
2内に自由落下して減少するので、この減少分を補うた
めに、供給用バケット14から予熱室3へ冷鉄源15を
供給する。この冷鉄源15の予熱室3内への供給は、冷
鉄源15が予熱室3と溶解室2とに連続して存在する状
態を保つように、連続的又は断続的に行う。
【0020】このようにして冷鉄源15を溶解し、溶解
室2内に所定量の溶湯16が溜まった時点で、予熱室3
の下部に設置したストッパー13を作動させ、冷鉄源1
5の降下を停止させる。ストッパー13の作動時、スト
ッパー13から下方側に存在した冷鉄源15は溶解室2
内の冷鉄源15の溶解に伴って溶解室2内に供給される
が、ストッパー13により降下を阻害された冷鉄源15
は予熱室3内に滞留し、図2に示すように、溶解室2内
の溶湯16と予熱室3内の冷鉄源15とは接触が断たれ
る。この状態でアーク18により溶湯16の加熱を継続
すると、溶湯16中に埋没していた冷鉄源15は溶解し
て存在しなくなり、アーク熱は溶湯16を昇温するため
に費やされるので、溶湯16の過熱度を制御すること、
換言すれば、任意の過熱度を有する溶湯16を得ること
ができる。
【0021】そして、溶解・昇温後、必要に応じて脱炭
等の精錬を行い、次いで、溶解室2を傾動して出湯口1
1から溶湯保持容器(図示せず)に溶湯16を出湯す
る。出湯した溶湯16は、必要に応じて取鍋精錬炉等に
て精錬した後、連続鋳造機等で鋳造する。溶湯16を出
湯し、更に必要に応じて溶融スラグ17を排滓した後、
溶解室2を水平に戻すか、又は出湯時と逆方向の出湯口
11側が上になるように溶解室2を傾動し、出湯口11
及び出滓口12内に詰め砂又はマッド剤を充填した後、
ストッパー13を解放する。ストッパー13の解放に前
後して溶解室2を水平状態とする。ストッパー13を解
放することでストッパー13の上方側で予熱され、滞留
していた冷鉄源15は溶解室2内に落下し、予熱室3の
直下の溶解室2内に堆積する。ストッパー13の解放に
より予熱室3内の冷鉄源15の上端位置が低下するの
で、これを補うために供給バケット14から予熱室3内
に冷鉄源15を供給し、予熱室3内を冷鉄源15で充填
し、溶解を再開する。次回のヒートは予熱された冷鉄源
15で溶解を開始することができる。尚、出湯時に、数
トン〜数十トンの溶湯16を溶解室2内に残留させて、
次回ヒートの溶解を再開しても良い。こうすることで初
期の溶解が促進され、溶解効率が一層向上する。
【0022】このようにして冷鉄源15を溶解すること
で、冷鉄源15の予熱温度を上げることが可能になると
共に、溶解操業の最初のヒートで用いる冷鉄源15は、
その一部が予熱されないが、その後のヒートで溶解され
る冷鉄源15は全て予熱されるので、予熱効率の極めて
高い状態で溶解することができ、電力原単位を大幅に低
減することが可能になる。又、溶解室2内の溶湯16と
予熱室3内の冷鉄源15との接触を断った後に溶湯16
を加熱・昇温することで、出湯時の溶湯温度が確保さ
れ、溶湯温度の低下による操業トラブルを未然に防止す
ることができる。
【0023】尚、上記説明では、直流式アーク溶解設備
1の場合について説明したが、交流式アーク溶解設備で
も全く支障なく本発明を適用でき、又、溶解室2におけ
る予熱室3と出湯口11との位置関係は溶解室2の中心
に対して180度の対向する位置に限るものではなく9
0度の位置であっても良く、更に、予熱室3内の冷鉄源
15の降下を妨げる停止手段として複数基のストッパー
13を用いたが、これに限るものではなく、例えば火格
子のような他の装置としても良い。
【0024】
【実施例】図1に示す直流式アーク溶解設備における本
発明の実施例(本発明例)を以下に説明する。アーク溶
解設備は、溶解室が外径7.2m、高さ4mであり、予
熱室が幅3m、長さ5m、高さ7mであり、溶解室の容
量が溶鋼換算で180トンである。
【0025】先ず、溶解室及び予熱室内に冷鉄源として
鉄スクラップ150トンを装入し、直径28インチの黒
鉛製上部電極を用い、最大600V、100kAの電源
容量により溶解した。溶鋼の生成に伴って、生石灰と蛍
石とを添加して溶融スラグを形成し、次いで、酸素吹き
込みランスから酸素を、炭材吹き込みランスからコーク
スを溶融スラグ中に吹き込んだ。酸素とコークスの吹き
込みにより、溶融スラグはフォーミングして上部電極の
先端は溶融スラグ中に埋没した。この時の電圧を400
Vに設定した。
【0026】予熱室内の鉄スクラップが溶解につれて下
降したら、供給用バケットにて鉄スクラップを予熱室に
供給し、予熱室内の鉄スクラップ高さを一定の高さに保
持しながら溶解を続け、溶解室内に180トンの溶鋼が
生成した時点で、ストッパーを作動させて鉄スクラップ
の降下を阻止し、この状態でアーク加熱を継続した。そ
して、溶解室内の鉄スクラップを全て溶解し、溶鋼を1
600℃まで昇温した後、約60トンを溶解室に残し、
ストッパー上方の予熱室内に鉄スクラップを存在させた
状態で、1ヒート分の120トンの溶鋼を取鍋に出湯し
た。出湯時の溶鋼の炭素濃度は0.1質量%であった。
【0027】出湯後、溶解室2を水平に戻して出湯口及
び出滓口に詰め砂をした後、ストッパーを解放し、予熱
室内のストッパーの上方に滞留していた鉄スクラップを
溶解室内に供給すると共に、予熱室内に鉄スクラップを
供給し、予熱室内に鉄スクラップを充填させ、この状態
で溶解を再開し、予熱室内の鉄スクラップ高さを一定の
高さに保持しながら溶解を続け、溶鋼量が180トンに
なったらストッパーを作動させて鉄スクラップと溶鋼と
の接触を断ち、溶鋼を1600℃まで昇温して120ト
ン出湯することを繰り返し実施した。1ヒートの酸素使
用量は溶鋼トン当たり33Nm3 (以下「Nm3 /t」
と記す)、コークスの使用量は溶鋼トン当たり26kg
(以下「kg/t」と記す)であった。出湯した溶鋼は
取鍋精錬炉にて精錬し、更に1620℃に昇温した後、
連続鋳造機により175mm平方の断面を有するビレッ
トに鋳造した。
【0028】又、比較のため、図1に示すアーク溶解設
備を用いて、ヒート毎に120トンの鉄スクラップを溶
解室と予熱室とに装入し、装入した鉄スクラップを全量
溶解し、次いで、1600℃に昇温した後、生成した1
20トンの溶鋼全量を出湯する試験(従来例)も実施し
た。この試験での酸素使用量及びコークス使用量は、そ
れぞれ33Nm3 /t、26kg/tであり、本発明例
と同一条件である。
【0029】その結果、アーク溶解設備における電力原
単位は、本発明例では溶鋼トン当たり220kWh(以
下「kWh/t」と記す)であったが、従来例では33
0kWh/tであり、従来例に対して本発明例では電力
原単位は110kWh/tも低下していた。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、溶解室から発生する排
ガスにより冷鉄源の予熱温度を高めることが可能で、且
つ、溶解する冷鉄源のほとんどを予熱することが可能で
あるため、極めて高い予熱効率が得られ、電力使用量を
大幅に低減することが可能となる。又、所定量の溶湯の
生成後は、溶湯と冷鉄源との接触を断って溶湯を加熱す
るので、、高い過熱度を有する溶湯を得ることができ、
溶湯温度の低下に伴う操業トラブルを回避することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示すアーク溶解設
備の縦断面概略図であり、停止手段を解放した状態を示
す図である。
【図2】本発明の実施の形態の1例を示すアーク溶解設
備の縦断面概略図であり、停止手段により冷鉄源の降下
を阻止した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 直流式アーク溶解設備 2 溶解室 3 予熱室 6 底部電極 7 上部電極 8 酸素吹き込みランス 9 炭材吹き込みランス 11 出湯口 13 ストッパー 14 供給用バケット 15 冷鉄源 16 溶湯 17 溶融スラグ 18 アーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K014 CB01 CB02 CB07 CC00 4K045 AA04 BA02 RB02 RC01 4K063 AA04 AA12 BA02 CA01 DA06 FA53 GA02 GA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク発生用電極を備えた溶解室と、溶
    解室に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入されるシ
    ャフト型の予熱室と、予熱室内の冷鉄源の降下を妨げる
    停止手段とを具備したアーク溶解設備での冷鉄源の溶解
    方法であって、冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存
    在する状態を保つように冷鉄源を連続的又は断続的に予
    熱室へ供給しながら溶解室内の冷鉄源をアークにて溶解
    し、溶解室内に所定量の溶湯が溜まった時点で前記停止
    手段により冷鉄源の降下を妨げ、予熱室内の冷鉄源と溶
    解室内の溶湯との接触を断ち、アークにて溶解室内の溶
    湯を加熱・昇温した後、冷鉄源が予熱室に存在する状態
    で溶湯を出湯することを特徴とする冷鉄源の溶解方法。
  2. 【請求項2】 炭材と酸素とを溶解室内に供給すること
    を特徴とする請求項1に記載の冷鉄源の溶解方法。
  3. 【請求項3】 冷鉄源を溶解するための溶解室と、溶解
    室の上部に直結し、溶解室で発生する排ガスにて冷鉄源
    を予熱するシャフト型の予熱室と、予熱室内の冷鉄源の
    降下を妨げる停止手段と、溶解室内で冷鉄源を溶解する
    ためのアーク発生用電極と、冷鉄源を連続的又は断続的
    に予熱室へ供給する冷鉄源供給手段と、溶湯を出湯する
    ための出湯口とを具備し、溶解室内の冷鉄源をアークに
    より溶解し、溶解室内に所定量の溶湯が溜まった時点で
    前記停止手段により冷鉄源の降下を妨げ、予熱室内の冷
    鉄源と溶解室内の溶湯との接触を断ち、アークにて溶解
    室内の溶湯を加熱・昇温した後、冷鉄源が予熱室に存在
    する状態で溶湯を出湯することを特徴とする冷鉄源の溶
    解設備。
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