JP2002121433A - インクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法

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JP2002121433A
JP2002121433A JP2000312064A JP2000312064A JP2002121433A JP 2002121433 A JP2002121433 A JP 2002121433A JP 2000312064 A JP2000312064 A JP 2000312064A JP 2000312064 A JP2000312064 A JP 2000312064A JP 2002121433 A JP2002121433 A JP 2002121433A
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dye
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Wataru Shimizu
渡 清水
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 専用紙に印刷記録しても充分な保存安定性の
得られるインクジェット記録用インクセットを提供す
る。 【解決手段】 フルカラー記録を行う複数の水性記録液
からなるインクジェット記録用インクセットであって、
黒色インクが遊離酸の形として一般式1、例えば化合物
No.1の黒色系金属キレート色素を1種以上含有する
水性記録液であり、かつシアンインクがC.I.リアク
ティブブルー染料を一種以上含む水性記録液であるイン
クジェット記録用インクセット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
方法に関するものである。詳しくは、保存安定性に優れ
たカラー画像を形成するための黒色記録液と、フタロシ
アニン色素を含有するシアン色記録液との、好ましい組
み合わせを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】直接染料や酸性染料の水溶性色素を含む
記録液の液滴を微小な吐出オリフィスから飛翔させて記
録を行う、所謂インクジェット記録方法が実用化されて
いる。これに使用される記録液に関しては、長時間安定
した吐出が可能であることの他、電子写真用紙等のPP
C(プレインペーパー コピア)用紙、ファンホールド
紙(コンピューター等の連続用紙等の一般事務用に汎用
される記録紙)に対する定着が速く、しかも印字物の印
字品位が良好であること、即ち印字に滲みがなく輪郭が
はっきりしていることが要求されると共に、記録液とし
ての保存時の安定性も優れていることが必要であるの
で、記録液に使用できる溶剤は著しく制限される。
【0003】一方、記録液用の色素に関しては、上記の
ような限られた溶剤に対して充分な溶解性を有すると共
に、記録液として長時間保存した場合にも安定であり、
また印字された画像の濃度が高く、しかも耐水性、耐光
性に優れていること等が要求されるが、これ等の多くの
要求を同時に満足させることは困難であった。加えて、
昨今のインクジェット記録には、従前のインクジェット
記録に比して大幅に改善された、フォトライクな画像や
グラフィック画像等(以下写真画像と略記する)を印刷
することへの適性も求められている。
【0004】更に、インクジェット記録、特に写真画像
印刷時などに、高精細高鮮明な画像を具現化すべく、専
用コート紙や専用光沢紙等(以下専用紙と略記する)が
利用されているが、一般にフォト光沢紙やインクジェッ
ト専用紙等と呼ばれる、それら記録媒体上では、高精細
高鮮明な画像を形成すべく添加されている酸化珪素や酸
化アルミニウム、あるいはポリアミンに代表される耐水
化剤等の作用により、色素の光による分解が促進されが
ちである。結果としてインクジェットによる写真画像印
刷物を室内外に掲示した際、容易に画像が変退色してし
まうことが問題になっていた。
【0005】しかも、100%の濃さで印字される文字
印字とは異なり、写真画像には、80%網掛け印刷、7
0%網掛け印刷といったいわゆるハーフトーン印刷が多
用される。このような印刷部分には黒色記録液に加え、
イエローやシアンやマゼンタといったいわゆる3原色記
録液や、これらの併用になる混色画像が多用され、上記
ハーフトーン部の微妙な色合いの再現がなされてきた。
【0006】そしてそれら画像には、保存あるいは掲示
した際にも、例えば光や酸性ガスやオゾンガスなどによ
る退色速度が十分低い、良好な保存安定性を有すること
が求められてきた。一般には、混色画像の退色は、構成
色素個々の退色速度の総和となる。しかし、用いられて
いる色素の保存安定性が色素固有のものであるため、構
成色素のうちの特定の色素が他の色素より早く退色して
しまい、結果として画像が当初の色合いバランスを失っ
た形で、見苦しい変色を伴って退色する事が多かった。
更に、触媒退色(キャタリティックフェード)すなわ
ち、特定の色素が他の色素の分解を促進する作用も往々
にして加わり、画像が当初の色合いハ゛ランスを失った形
で、見苦しい変色を伴って退色する事を助長してきた。
【0007】ハーフトーン領域の退色度合いを評価する
ためには、、市販のグラフィックソフトウェアやワード
プロセシングソフトウェアの、たとえば「網掛け」機能
を用い、印刷濃度を0〜100%の間の任意の値、例え
ば80%に設定し、更にプリンタードライバーの設定を
カラーモードに設定するなどして、黒色インクと三原色
インクを用いて網掛け印刷を行い、得られた印刷物に、
例えばキセノンウェザーオーメーターを用い紫外〜可視
光線を照射し、照射前後の変色度合い(△E値)を市販
の測色計で測色すればよい。あるいは、上記の印刷方法
で得られた印刷物を日光のあたる場所に一定期間放置し
て、放置前後の変色度合い(△E値)を市販の測色計で
測色することによっても、画像の保存安定性を評価する
ことができる。
【0008】ΔE値は画像の変色度合いを示す指標であ
る。インクジェット印刷により専用紙に形成した写真画
像に十分な保存安定性を与えるには、例えばキセノンア
ーク光80時間照射前後のΔE値にして、10前後ある
いはそれ以下の数値を与える画像が求められる。従前の
色素では、100%ベタ印字部分の耐光性にしても上記
の目的値を得るのは困難であり、更に写真画像で多用さ
れる、80%網掛け印刷、70%網掛け印刷といったい
わゆるハーフトーン領域では、画像の光退色はさらに顕
著であった。
【0009】画像とりわけハーフトーン画像の保存安定
性を改善すべく、従来より種々の色素や記録方法が提案
されているが、上記のように複雑化かつ高度化する、市
場の要求を充分に満足するには至っていない。例えば、
特開平3−203970号公報においては、シアンイン
クとして本発明における一般式(2)で表されるフタロ
シアニン色素に該当するC.I.リアクテイブブルー14及
び63を用いて、これを特定のマゼンタ色素とイエロー
色素、更にはブラック色素とを組み合わせて記録するこ
とが記載されているが、このインクを組み合わせて記録
を行った場合、画像が長期保存時に色バランスを失って
劣化してしまうという問題があった。これはシアンイン
クのフタロシアニン色素によって、マゼンタ色素やイエ
ロー色素、或いはブラック色素が触媒的に分解されてし
まうためと考えられる。特に、上記特開平3―2039
70号広報の色素の組み合わせで、昨今利用が増してい
るフォト光沢紙といったいわゆるインクジェット専用紙
に印字した場合、画像上の色濃度が高いブラック色素が
速やかに退色してしまい、問題が大きかった。これはフ
タロシアニン色素とブラック色素が各々水溶性基として
スルホン酸基を数多く含有する色素であるので、シアン
インクとブラックインクが併用された画像部分におい
て、紙のpH等に影響される両色素の存在状態が類似す
る結果、色素同士が容易に相互作用し合い、より容易に
触媒退色が進行する事によると考えている。このよう
に、本発明で用いる特定のフタロシアニン化合物自体を
用いたインクジェット記録液自体は知られていたが、黒
色記録液と組み合わせてカラー記録を行った場合に、優
れた保存安定性が得られる組合せは知られていなかっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、専用紙に印
刷記録した場合でも、充分な保存安定性を有する記録が
得られるインクジェット記録方法を提供することを目的
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、検討を重
ねた結果、記録液成分として上記の目的を満足する性能
を有する特定の記録液の組み合わせを見出し、本発明を
達成したものである。即ち、本発明によれば、特定の黒
色系金属キレート色素を含有する黒色水性記録液と、特
定のフタロシアニン色素を含有するシアン水性記録液と
を組み合わせてインクジェット記録を行うことにより、
高い保存安定性を有するカラー画像が達成できる。
【0012】即ち本発明の第1の要旨は、複数の水性記
録液を用いてフルカラー記録を行うためのインクジェッ
ト記録用インクセットであって、黒色インクが、遊離酸
の形として下記一般式(1)で表される黒色系金属キレ
ート色素を少なくとも1種以上含有する水性記録液であ
り、かつシアンインクが、下記A群から選ばれるC.
I.リアクティブブルー染料を少なくとも一種を含む水
性記録液であることを特徴とするインクジェット記録用
インクセット、に存する。
【0013】
【化3】
【0014】(式中、一般式(1)は、分子内に少なく
とも1個以上の親水性基を有する化合物であり、Mは金
属原子を表し、A、B、C及びDは、各々独立に、任意
の置換基で置換されていても良い芳香族環を表わし、R
1とR2は各々独立に、水素原子又は任意の置換基を表
す。mは0〜1、nは0〜3、pは0〜2、qは0〜3
の、各々整数を表す。また、Bが複数存在する場合、各
々のBは同一であっても、互いに異なっていても良い。
また、pが2である場合、各々のR1とR2は、同一であ
っても、互いに異なっていても良い。更に、Mが3座以
上の配位を取ることもでき、その場合、Mは一般式
(1)中の任意の置換基または結合部分、あるいは任意
の配位子により、任意の配位子対金属の比率にて配位さ
れていても良い。) A群:C.I.リアクティブブルー11、15:01、
18、21、23、25、35、38、41、48、6
3、71、72、77、80、85、92、95、10
5、107、118:1、123、124、136、1
38、140、143、148、152、153、15
9、174、197、207、215、227、22
9、231 また、本発明の第2の要旨は、複数の水系記録液を用い
てフルカラー記録を行うためのインクジェット記録方法
であって、黒色インクとして遊離酸の形が前記一般式
(1)で表される黒色系金属キレート色素を少なくとも
1種以上含有する水系記録液を用い、かつシアンインク
として上記A群から選ばれるC.I.リアクティブブル
ー染料を少なくとも一種を含む水性記録液とを、組み合
わせて用いることを特徴とするインクジェット記録方
法、に存する。
【0015】本発明により優れた効果が発揮できる理由
は、本発明で用いる特定のフタロシアニン系シアン色素
と本発明で用いる特定の黒色系金属キレート色素とがそ
れ以外のものに比して堅牢性に関し改善されていること
に加え、本発明で用いられる特定のフタロシアニン系シ
アン色素が本発明で用いる特定の黒色系金属キレート色
素による触媒的分解を受けにくいこと、更に本発明で用
いる特定の黒色系金属キレート色素が本発明で用いられ
る特定のフタロシアニン系シアン色素による触媒的分解
を受けにくいことの三者の相乗的な理由にあると考えら
れる。
【0016】この堅牢性発現のメカニズムは定かでない
が、フタロシアニン系色素に導入された、嵩高いトリア
ジニル基に代表される反応性基が、立体的に色素発色部
分すなわち黒色系金属キレート色素のアゾ部分やフタロ
シアニン系色素のフタロシアニン部分を保護している事
が考えられる。加えて、黒色系金属キレート色素の金属
原子は複数の色素分子あるいは色素と色素以外の配位子
すなわち複数の配位子によって配位されやすいと思われ
るのに対し、フタロシアニン系色素の銅原子は単一分子
内で配位を受けていると思われる。すなわち黒色系金属
キレート色素の金属と、フタロシアニン色素の金属との
配位され方が各々異なり、紙上での両色素の存在状態が
異なり、分子間のエネルギー移動が起こりにくく、両者
の触媒的退色が相互に抑制されている事も考えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明で用いる黒色系金属キレート色素を含有する水性記
録液は、黒色インクである。黒色系金属キレート色素と
して遊離酸の形が前記一般式(1)で表される色素を用
いる。
【0018】本発明で用いる黒色系金属キレート色素は
遊離酸の形が前記一般式(1)で表される色素である。
一般式(1)の色素はジスアゾもしくはそれよりもアゾ
基の数が多いポリアゾ化合物であって、アゾ基で連なる
一連の芳香環鎖にフェノール、ナフトール、若しくは類
似の水酸基含有芳香環を導入せしめた形の分子と、任意
の金属との錯化合物である。
【0019】一般式(1)で表される色素は水溶性色素
であり、水溶性を付与するために分子中に少なくとも1
個の親水性基を有する。かかる親水性基としては、イン
クジェット用記録液として通常用いられる水溶性の親水
性基であれば、特に限定されないが、スルホン酸、カル
ボン酸、リン酸などが挙げられ、中でもスルホン酸、カ
ルボン酸等が好ましく、これら親水性基の数が分子全体
として2〜6個である場合がインクジェット用記録液の
性能として好ましい。
【0020】一般式(1)におけるA、B、C及びD
は、任意の置換基で置換されていてもよい芳香族環を表
し、これらのうちの少なくとも1個はヘテロ環を有して
いても良いが、好ましくは置換されていてもよいベンゼ
ン環または置換されていても良いナフタレン環である。
中でも、Dはナフタレン環であるのが好ましい。これら
芳香族環A、B、C及びDは、色素の用途に応じて適切
な置換基を有していても良く、例えば、Aは、ハロゲン
原子、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ
基、置換されていても良いアルキル基、置換されていて
も良いアルコキシ基、置換されていても良いアミノ基、
置換されていても良いアシルアミノ基、置換されていて
も良いスルホニルアミノ基、置換されていても良いフェ
ニルアゾ基、及び置換されていても良いナフチルアゾ基
からなる群から選ばれる、少なくとも1個の置換基で置
換されていても良い。また、Bは、ハロゲン原子、スル
ホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、置換さ
れていても良いアルキル基、置換されていても良いアル
コキシ基、置換されていても良いアミノ基、置換されて
いても良いアシルアミノ基、置換されていても良いスル
ホニルアミノ基からなる群から選ばれる、少なくとも1
個の置換基で置換されていても良い。Cは、ハロゲン原
子、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ
基、置換されていても良いアルキル基、置換されていて
も良いアルコキシ基、置換されていても良いアミノ基、
置換されていても良いアシルアミノ基、置換されていて
も良いスルホニルアミノ基からなる群から選ばれる、少
なくとも1個の置換基で置換されていても良い。Dは一
般式(1)で定義された置換基の他に、さらに置換基を
有していても良く、ハロゲン原子、カルボキシル基、ニ
トロ基、置換されていても良いアルキル基、置換されて
いても良いアルコキシ基からなる群から選ばれる置換基
等、任意の置換基で置換されていても良い。中でも、
A、B及びCのうち少なくとも1個の環に置換基を有す
る場合、その置換基としてはハロゲン原子、スルホン酸
基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、置換されてい
ても良いアルキル基、置換されていても良いアルコキシ
基、置換されていても良いアミノ基、置換されていても
良いアシルアミノ基及び置換されていても良いスルホニ
ルアミノ基から選ばれる置換基であることが望ましい。
【0021】m、n、p、qは上記で定義した中であれ
ば任意の数字であってよく、中でもmは0であるもの、
nは1若しくは2であるもの、pは1であるものが好ま
しく用いられる。また、q=1である場合、すなわち一
般式(1)の色素がトリスアゾ色素である場合が好まし
い。Mも目的に応じ任意の金属が選択され得るが、好ま
しくは2〜3価の遷移金属であり、例えば、銅、ニッケ
ル、鉄、コバルト等が好ましく、特に、銅、ニッケルが
好ましい。
【0022】本発明において用いられる、遊離酸の形が
上記一般式(1)で表される黒色系金属キレート色素の
具体例を、以下の表−1に示したが、本発明色素はこれ
らに限定されるものではない。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】本発明で用いるもう一方の水性記録液は、
シアンインクであり、下記A群から選ばれる特定のリア
クティブブルー染料を必須成分として用いる。 A群:C.I.リアクティブブルー11、15:01、
18、21、23、25、35、38、41、48、6
3、71、72、77、80、85、92、95、10
5、107、118:1、123、124、136、1
38、140、143、148、152、153、15
9、174、197、207、215、227、22
9、231 また、A群で選ばれるC.I.リアクティブブルー染料
のうちでも、下記B群から選ばれるC.I.リアクティ
ブブルー染料を用いるのがさらに好ましい。 B群:C.I.リアクティブブルー11、21、23、
35、41、63、105、118:1、124、13
6、138、148、197、117、231。
【0031】これらの中でも、とりわけ、C.I.リア
クティブブルー21、C.I.リアクティブブルー6
3、及びC.I.リアクティブブルー231から選ばれ
た染料を用いるのが特に望ましい。最も好ましくは、
C.I.リアクティブブルー63を用いた場合に、とり
わけ優れた堅牢性のインクジェット記録が可能となる。
上記C.I.リアクティブブルーの色素は、市販の色素
を用いてもよいし、また公知の方法によって合成しても
よい。例えば、C.I.リアクティブブルー63は三井
バスフ社製、Procion Turquoise SP-2Gとして、また
C.I.リアクティブブルー231は住友化学社製、Su
mifix Supra Turquoise Blue BGFとして市販されてい
る。
【0032】また、上記A群から選ばれる特定のリアク
ティブブルー染料は、それらリアクティブブルー染料の
みを1種類以上用いて水性記録液としてもよいが、それ
らリアクティブブルー染料を、それら以外の一般的なフ
タロシアニン化合物と混合し調製して水性記録液として
もよい。そのような、上記A群から選ばれる特定のリア
クティブブルー染料以外のフタロシアニン色素として、
具体的にはC.I.ダイレクトブルー86やC.I.ダ
イレクトブルー199等が好ましいが、とりわけC.
I.ダイレクトブルー199と配合するのが好ましい。
この場合、上記A群から選ばれる特定のリアクティブブ
ルー染料の配合割合は、他の色素に対して40重量%以
上が好ましく、60重量%以上が更に好ましい。
【0033】上記A群から選ばれる特定のリアクティブ
ブルー染料を含有する水性記録液には、その性能を損な
わない限りフタロシアニン以外の骨格のシアン色素を混
合しても良い。インクジェット記録によって本発明のカ
ラー画像を得るには、インクジェットプリンターの機種
にもよるが、(1)ブラック、マゼンタ、シアン、イエ
ロー色等からなるフルカラーのインクセットを用いてイ
ンクジェット記録を行う、(2)それぞれブラック、マ
ゼンタ、シアン、イエロー等の単色インクカートリッジ
を用いてインクジェットプリンターでフルカラー記録を
行う方法などによって、得ることが出来る。
【0034】また、カラー画像を形成するにあたり、本
発明の黒色系金属キレート色素を含有する黒色インク
と、フタロシアニン化合物を含有するシアンインクに併
用される、マゼンタインクやイエローインクには特に制
限はない。マゼンタインクとしては、通常インクジェッ
ト記録に用いられているH酸系やγ酸系のモノアゾ色素
やビスアゾ色素、あるいはキサンテン系色素等、具体的
にはC.I.アシッドレッド8、C.I.アシッドレッ
ド37、C.I.アシッドレッド50、C.I.アシッ
ドレッド51、C.I.アシッドレッド52、C.I.
アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、
C.I.アシッドレッド93、C.I.アシッドレッド
95、C.I.アシッドレッド98、C.I.アシッド
レッド287、C.I.アシッドレッド35、C.I.
リアクティブレッド23、C.I.リアクティブレッド
180、C.I.リアクティブレッド180の加水分解
物、C.I.ダイレクトバイオレット107等が好適に
用いられる。
【0035】また、イエローインクとしては、通常イン
クジェット記録に用いられているイエロー色素、具体的
にはC.I.アシッドイエロー17:1、C.I.アシ
ッドイエロー23、C.I.アシッドイエロー49、
C.I.アシッドイエロー65、C.I.アシッドイエ
ロー104、C.I.アシッドイエロー155、C.
I.アシッドイエロー183、C.I.アシッドイエロ
ー194、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.
ダイレクトイエロー106、C.I.ダイレクトイエロ
ー132、C.I.ダイレクトイエロー142等が好適
に用いられる。
【0036】本発明の一般式(1)で示される色素は、
それ自体周知の方法〔例えば、細田豊著「新染料化学」
(昭和48年12月21日 技報堂発行)第396〜4
09頁参照〕に従って、前述の通り、ジアゾ化、カップ
リング工程を経て合成される。例えば、Aの部分構造を
有する芳香族アミンをジアゾ化し、Bの部分構造を有す
る芳香族アミンに縮合し、得られた化合物を更にジアゾ
化し、Cの部分構造を有する芳香族アミンに縮合し、更
に得られた化合物をジアゾ化し、Dの部分構造を有する
芳香族化合物に縮合することにより、すなわち逐次的に
ジアゾ化と縮合を繰り返す事によって得られた化合物
に、所望の金属塩を作用させて得られる。
【0037】Aの部分構造を有する芳香族アミンとして
は、4ーニトロアニリン、2,6ジクロロー4ニトロア
ニリン、2ーシアノー4ーニトロアニリン、4ークロロ
アニリン、スルファニル酸、2ーアミノベンゼンー1、
4ージスルホン酸、C酸、ダール酸、2ーアミノ安息香
酸、3ーアミノ安息香酸、4ーアミノ安息香酸、2ーア
ミノテレフタル酸、3ーアミノイソフタル酸、2,5ー
ジアミノ安息香酸、5ーアミノー2ーニトロ安息香酸等
の芳香族アミン類や、2ーアミノー3ーアミノカルボニ
ルー5ーホルミルチオフェン、2ーアミノー6ーカルボ
キシベンゾチアゾール、2ーアミノー6ースルホーベン
ゾチアゾール、2ーアミノー4、5ージシアノイミダゾ
ール、2ーアミノー4,5ージカルボキシイミダゾール
等の複素環芳香族アミン類、並びにその誘導体が挙げら
れる。
【0038】Bの部分構造を有する芳香族アミンとして
は、1ーナフチルアミン、1,6クレーブ酸、1,7ク
レーブ酸、2ーメトキシアニリン、2ーエトキシアニリ
ン、2ーアミノーパラクレシジン、2,5ージメトキシ
アニリン、2,5ジエトキシアニリン、5ーアセチルア
ミノー2ーメトキシアニリン等の芳香族アミン類や、2
ーアミノー3ーシアノチオフェン等の複素環芳香族アミ
ン類、並びにその誘導体が挙げられる。
【0039】Cの部分構造を有する芳香族アミンとして
は、8ーアミノー7ーヒドロキシー2ーナフタレンスル
ホン酸、2ーヒドロキシアニリン、2ーヒドロキシー5
ーメチルアニリン、2ーヒドロキシー5ーメトキシアニ
リン、2ーヒドロキシー5ーエトキシアニリン、5ーア
セチルアミノー2ーヒドロキシアニリン等の芳香族アミ
ン類、等が上げられる。これらは、金属と相互作用すべ
きヒドロキシル基の部分がアルコキシ体の形である前駆
体にて、上述の逐次的ジアゾ化及び縮合を繰り返した
後、金属塩と適当なアミンとを作用させることにより、
該アルコキシ基を、金属に配位したヒドロキシル基に変
換せしめる反応にて得られても良い。
【0040】Dの部分構造を有する芳香族化合物として
は、Shoelkoft酸、Videt酸、L酸、クロ
モトロープ酸、ネビルウィンター酸、ε酸、に代表され
るαナフトール誘導体、γ酸、フェニルγ酸、3ースル
ホフェニルγ酸、4ーカルボキシフェニルγ酸、RR
酸、J酸、フェニルJ酸、メチルJ酸、ジJ酸、カルボ
ニルJ酸、H酸、ベンゾイルH酸、フェニルスルホニル
H酸、M酸、S酸、SS酸、K酸に代表される、アミノ
ーαナフトール誘導体、R酸、G酸、Crocein
酸、シェファー酸、F酸、オキシナフトエ酸、3ーヒド
ロキシ1,8ナフタル酸に代表されるβーナフトール誘
導体、Boeniger酸に代表されるアミノーβナフ
トール誘導体、8ーヒドロキシー5ースルホキノリンに
代表される複素環芳香族化合物等が挙げられる。中で
も、J酸、γ酸、RR酸、4ーカルボキシフェニルガン
マ酸、3ースルホフェニルガンマ酸が好ましい。
【0041】R1とR2の具体例としては、水素原子の他
に、メチル基、エチル基、2ーヒドロキシエチル基、2
ーカルボキシエチル基、フェニル基、3ースルホフェニ
ル基、4ーカルボキシフェニル基、アセチル基、ベンゾ
イル基、4ーメチルフェニルスルホニル基、3ービス
(2ーヒドロキシエチル)アミノー5ー(2ースルホエ
チル)アミノー2,4,6ートリアジノ基等が上げられ
る。
【0042】本発明のリアクティブブルー染料は、それ
自体周知の方法〔例えば、細田豊著「染料化学」(昭和
43年7月15日 技報堂発行)第385〜392頁参
照〕に従って、たとえば銅フタロシアニンのクロロスル
ホン化、アミド化と加水分解、シアヌル化、アミノ化や
アルコキシ化等の置換反応を経て合成され得るが、市販
の染料を用い、脱塩、精製処理を施すことによって調整
しても良い。
【0043】本発明で用いられる記録液の調製に当た
り、遊離酸の形が一般式(1)で表される黒色系金属キ
レート色素、及び上記A群より選ばれるリアクティブブ
ルー染料は、遊離酸の形のまま使用しても良いが、酸基
の一部又は全部を所望の塩型に変換して使用しても良
い。塩を形成する対イオンとしては、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、アンモニウム
イオン、及び置換アミン類からなる群から選ばれる、1
種または2種以上のイオンが用いられる。置換アミン類
の具体例としては、置換基が炭素数1〜4のアルキル基
及び/又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基である
モノ−、ジ−、トリ−置換アミンが挙げられる。また、
それら対イオンは異なる種類のものが併用されても良
い。
【0044】本発明で用いられる記録液中における、遊
離酸の形が一般式(1)で表される黒色金属キレート系
色素、及び上記A群より選ばれるリアクティブブルー染
料は、色素、及びフタロシアニン化合物の含有量として
は、記録液全量に対して1〜10重量%、特に2〜7重
量%程度が好ましい。本発明で使用される記録液に用い
られる溶剤としては、水及び水溶性有機溶剤として、例
えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール(#200)、ポ
リエチレングリコール(#400)、グリセリン、N−
メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、1,3−ジ
メチルイミダゾリジノン、チオジエタノール、ジメチル
スルホキシド、エチレングリコールモノアリルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリドン、ス
ルホラン、エチルアルコール、イソプロパノール等を含
有しているのが好ましい。これ等の水溶性有機溶剤は、
通常記録液の全量に対して1〜50重量%の範囲で使用
される。一方、水は記録液の全量に対して45〜95重
量%の範囲で使用される。
【0045】本発明で用いられる記録液は、その全量に
対して0.1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%の
尿素、チオ尿素、ビウレット、セミカルバジドから選ば
れる化合物を添加したり、又0.001〜5.0重量%
の界面活性剤を添加することによって、印字後の速乾性
及び印字品位をより一層改良することができる。本発明
の記録方法によれば、専用紙にインクジェット記録した
場合、良好な保存安定性を有する画像を得ることができ
る。
【0046】
【実施例】以下本発明を実施例について更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限りこれ等の実施
例に限定されるものではない。なお、実施例中の色素N
o.は前記表−1の色素No.に対応する。又「部」は
特記しない限り「重量部」を意味する。 製造例1(表−1の色素No.1の製造例) スルファニル酸173部を水800部に懸濁し、35%
塩酸260部を加えた。これを5℃に冷却し、73部の
亜硝酸ソーダを添加した。91部の35%塩酸を予め加
えておいた水600部に前述の溶解液を0〜5℃にて添
加し、スルファニル酸をジアゾ化した。その後5部のス
ルファミン酸を添加し、スルファニル酸のジアゾ液を得
た。
【0047】別に、245部の1,7クレーブ酸を水6
000部に溶解させ、この液を冷却し、上述のスルファ
ニル酸のジアゾ液を添加し、生じた固形分を濾取した。
さらにこれを水6000部に懸濁し、25%苛性ソーダ
水溶液にてpHを12に調整し、均一なモノアゾ化合物
の溶液を得た。このモノアゾ化合物の溶液に、73部の
亜硝酸ソーダを添加溶解した。これを、6000部の水
に0〜5℃にて、35%塩酸でpHを3に調整しつつ、
滴下して、モノアゾ化合物のジアゾ化を行った。更に5
部のスルファミン酸を加えて、モノアゾ化合物のジアゾ
液を得た。
【0048】別に、153部の2,5ージメトキシアニ
リン塩酸塩を水1500部に溶解させ、この液を冷却
し、上述のモノアゾ化合物のジアゾ液を添加し、生じた
固形分を濾取した。さらにこれを50%NMP水溶液6
000部に懸濁し、25%苛性ソーダ水溶液にてpHを
12に調整し、均一なジスアゾアゾ化合物の溶液を得
た。
【0049】このジスアゾ化合物の溶液に、73部の亜
硝酸ソーダを添加溶解した。これを、6000部の50
%NMP水溶液に、0〜5℃にて、35%塩酸でpHを
3に調整しつつ、滴下して、ジスアゾ化合物のジアゾ化
を行った。更に5部のスルファミン酸を加えて、モノア
ゾ化合物のジアゾ液を得た。359部の4ーカルボキシ
フェニルガンマ酸を3000部の水に懸濁させ、苛性ソ
ーダでpHを11に調整して均一な溶液を得た。この溶
液を冷却し、0〜5℃にて上述のモノアゾ化合物のジア
ゾ液を滴下し、カップリングさせた。滴下の際、25%
苛性ソーダ水溶液を用いて、カップリング浴のpHを1
0〜11に調整した。得られた液に食塩900部を加
え、生じた結晶を濾取し、乾燥した。
【0050】得られたトリスアゾ化合物66部を700
部の水に溶解し、24部の硫酸銅無水物と61部のジエ
タノールアミンを添加し、95〜100℃に昇温し、1
2時間反応させた。得られた液中の不溶物を濾取したの
ち、この液を25℃に冷却し、70部の食塩を加え、生
じた固形分を濾取した。得られた湿ケーキを1000部
の水に溶解して、1000部のイソプロピルアルコール
を加え、生じた結晶を濾取した。得られた色素を乾燥し
て、表−1のNo.1の色素31部をナトリウム塩の形
で得た。
【0051】得られた色素の水中での最大吸収波長は6
63nmであった。 製造例2 C.I.リアクティブブルー63(三井バスフ社製、P
rocion Turquoise SP-2G)70部を1000部の水に溶
解して、150部の食塩を加え、生じた固形分を濾取し
た。得られた湿ケーキを1000部の水に溶解して、1
500部のイソプロピルアルコールを加え、生じた結晶
を濾取した。得られた色素を乾燥して、C.I.リアク
ティブブルー63 30部をナトリウム塩の形で得た。
得られた色素の水中での最大吸収波長は612nmであ
った。 実施例1 記録液調製 ジエチレングリコールモノブチルエーテル10部、グリ
セリン10部、2ーピロリドン5部、ソフタノール70
(界面活性剤、日本触媒(株)製)0.5部、前記製造
例1で得られた表−1のNo.1の色素5部に水を加
え、水酸化ナトリウム水溶液でpHを9に調整して全量
を100部とした。この組成物を充分に混合して溶解
し、孔径1μmのテフロン(登録商標)フィルターで加
圧濾過した後、真空ポンプ及び超音波洗浄機で脱気処理
して黒色記録液を調製した。
【0052】一方、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル10部、グリセリン10部、2ーピロリドン5
部、ソフタノール70(界面活性剤、日本触媒(株)
製)0.5部、前記製造例2によって得られたC.I.
リアクティブブルー63のナトリウム塩5部に水を加
え、水酸化ナトリウム水溶液でpHを9に調整して全量
を100部とした。この組成物を充分に混合して溶解
し、孔径1μmのテフロンフィルターで加圧濾過した
後、真空ポンプ及び超音波洗浄機で脱気処理してシアン
記録液を調製した。 (2)印字 インクジェットプリンター(商品名BJC―420J、
キヤノン(株)製)を用いて、上記の手順で得られた2
種の記録液と、該プリンター純正のイエロー記録液、マ
ゼンタ記録液を使用し、インクジェット用フォト光沢紙
GP―201(キヤノン(株)製)に単色ベタのインク
ジェット記録を行った。この際、MS−Word(ワー
ドプロセシングソフト、マイクロソフト社製)の網掛け
機能を用い、印字濃度が、最高濃度ベタ印字と、最高濃
度ベタ印字の80%、60%、40%の、計4段階の階
調が得られるように調節し、ハーフトーンの黒色印字物
を得た。拡大鏡で印字物を観察し、淡色部には黒色記録
液のみならず、イエロー、シアン、マゼンタの各記録液
も併用されていることを確認した。 (3)画像の保存性確認試験 評価1 キセノンフェードメーター(アトラス社製)を用い、記
録紙に80時間照射し、その前後の変退色度合いを、グ
レタグマクベスSPM50にて測定し、△E値の形で定
量化した。ここで△E値は、変退色度合いを表す数値で
あり、数値が大きければ変退色度合いが大きく、すなわ
ちその画像の光堅牢性が低い事を表す。また、評価には
上記階調のうち、退色挙動が目立ちやすい、80%濃度
印字部分を用いた。
【0053】試験の結果、本色素の、インクジェット用
フォト光沢紙における耐光堅牢度は△E値にして、8.
2と良好な値であった。 評価2 上記の手順で得られた印字物を、南向き窓に並行に設置
したパネルに掲示し、28℃の条件下、45日間放置し
た。得られた暴露試験後の印字物と、同時に印字した後
冷暗所に密封保存しておいた標準印字物とを比較しつつ
違いを目視観察したが、その差は殆ど感じられなかっ
た。 実施例2 実施例1において用いた表−1の色素No.1の代わりに、
表−1の色素No.2を用いて実施例1と同様に調製した
黒色記録液と、実施例1において用いたC.I.リアク
ティブブルー63の代わりに、C.I.リアクティブブ
ルー231(住友化学社製、Sumifix Supra Turquoise
Blue BGF)を用いてシアン記録液を使用した以外は、
実施例1と同様の方法により、印字評価と保存性評価を
行った。その結果、上記評価1における△Eは9.0
と、実施例1と同様に良好な結果を得、また評価2の目
視判定結果も良好であった。 比較例1 実施例1において用いた、表−1の色素No.1の代わり
に、代表的なインクジェット記録用色素であるC.I.
Food Black2を5部使用した以外は、実施例1
の方法と同様の操作により記録液を調製し、印字と保存
性評価を行った。評価1の結果は△Eにして19.5と
不十分であり、評価2においても、画像の、特にハーフ
トーン部の茶色変色が顕著で、保存性不足との結果しか
得られなかった。
【0054】
【化4】
【0055】比較例2 実施例2において用いた、C.I.リアクティブブルー
231の代わりに、代表的なインクジェット記録用シア
ン色素であるC.I.Direct Blue199を
3部使用した以外は、実施例1の方法と同様の操作によ
り記録液を調製し、印字と保存性評価を行った。評価1
の結果は△Eにして20.0と不十分であり、評価2に
おいても、画像の、特にハーフトーン部の茶色変色が顕
著で、保存性不足との結果しか得られなかった。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、専用紙に印刷記録した
場合でも、充分な保存安定性のインクジェット記録が可
能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 2H086 BA04 BA53 BA56 4J039 BC03 BC05 BC19 BC29 BC33 BC39 BC47 BC54 BC59 BC65 BC72 BC73 BC75 BC77 BC78 BC79 BE02 CA06 EA16 EA19 EA43 EA44 GA24

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルカラー記録を行うための複数の水性
    記録液からなるインクジェット記録用インクセットであ
    って、黒色インクが、遊離酸の形として下記一般式
    (1)で表される黒色系金属キレート色素を少なくとも
    1種以上含有する水性記録液であり、かつシアンインク
    が、下記A群から選ばれるC.I.リアクティブブルー
    染料を少なくとも一種含む水性記録液であることを特徴
    とするインクジェット記録用インクセット。 【化1】 (式中、一般式(1)は、分子内に少なくとも1個以上
    の親水性基を有する化合物であり、Mは金属原子を表
    し、A、B、C及びDは、各々独立に、任意の置換基で
    置換されていても良い芳香族環を表わし、R1とR2は各
    々独立に、水素原子又は任意の置換基を表す。mは0〜
    1、nは0〜3、pは0〜2、qは0〜3の、各々整数
    を表す。また、Bが複数存在する場合、各々のBは同一
    であっても、互いに異なっていても良い。また、pが2
    である場合、各々のR1とR2は、同一であっても、互い
    に異なっていても良い。更に、Mが3座以上の配位を取
    ることもでき、その場合、Mは一般式(1)中の任意の
    置換基または結合部分、あるいは任意の配位子により、
    任意の配位子対金属の比率にて配位されていても良
    い。) A群:C.I.リアクティブブルー11、15:01、
    18、21、23、25、35、38、41、48、6
    3、71、72、77、80、85、92、95、10
    5、107、118:1、123、124、136、1
    38、140、143、148、152、153、15
    9、174、197、207、215、227、22
    9、231
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)において、Dがナフタ
    レン環であることを特徴とする請求項1に記載のインク
    ジェット用記録インクセット。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)において、Aは、各々
    独立に、置換されていても良いフェニル基または置換さ
    れていても良いナフチル基を表し、B及びCは、各々独
    立に、置換されていても良いフェニレン基または置換さ
    れていても良いナフチレン基を表し、かつA、Bまたは
    Cに置換基を有する場合、その置換基としてはハロゲン
    原子、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ
    基、置換されていても良いアルキル基、置換されていて
    も良いアルコキシ基、置換されていても良いアミノ基、
    置換されていても良いアシルアミノ基または置換されて
    いても良いスルホニルアミノ基であることを特徴とする
    請求項1〜2の何れかに記載のインクジェット記録用イ
    ンクセット。
  4. 【請求項4】 一般式(1)において、m=0、n=1
    〜2であり、p=1であることを特徴とする請求項1〜
    3の何れかに記載のインクジェット記録用インクセッ
    ト。
  5. 【請求項5】 一般式(1)において、qが1であるこ
    とを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のインク
    ジェット記録用インクセット。
  6. 【請求項6】 一般式(1)において、R1とR2のう
    ち、一方が水素原子であり、他方が置換されていても良
    いフェニル基であることを特徴とする請求項1〜5の何
    れかに記載のインクジェット記録用インクセット。
  7. 【請求項7】一般式(1)において、R1及びR2がとも
    に水素原子であることを特徴とする請求項1〜5の何れ
    かに記載のインクジェット記録用インクセット。
  8. 【請求項8】一般式(1)において、Mが銅、ニッケ
    ル、鉄またはコバルトであることを特徴とする請求項1
    〜7の何れかに記載のインクジェット記録用インクセッ
    ト。
  9. 【請求項9】 上記A群から選ばれる少なくとも一種の
    C.I.リアクティブブルー染料が、C.I.リアクテ
    ィブブルー21、C.I.リアクティブブルー63、
    C.I.リアクティブブルー231から選ばれた少なく
    とも一種の染料であることを特徴とする請求項1〜8の
    何れかに記載のインクジェット記録用インクセット。
  10. 【請求項10】 シアンインクが、上記A群から選ばれ
    る少なくとも一種のC.I.リアクティブブルー染料
    と、C.I.ダイレクトブルー86及びC.I.ダイレ
    クトブルー199からなる群から選ばれる少なくとも一
    種の色素との混合物であることを特徴とする請求項1〜
    9の何れかに記載のインクジェット記録用インクセッ
    ト。
  11. 【請求項11】複数の水性記録液を用いてフルカラー記
    録を行うためのインクジェット記録方法であって、黒色
    インクとして、遊離酸の形が下記一般式(1)で表され
    る黒色系金属キレート色素を少なくとも1種以上含有す
    る水系記録液を用い、かつシアンインクとして下記A群
    から選ばれるC.I.リアクティブブルー染料を少なく
    とも一種含む水性記録液とを、組み合わせて用いること
    を特徴とするインクジェット記録方法。 【化2】 (式中、一般式(1)は、分子内に少なくとも1個以上
    の親水性基を有する化合物であり、Mは金属原子を表
    し、A、B、C及びDは、各々独立に、任意の置換基で
    置換されていても良い芳香族環を表わし、R1とR2は各
    々独立に、水素原子又は任意の置換基を表す。mは0〜
    1、nは0〜3、pは0〜2、qは0〜3の、各々整数
    を表す。また、Bが複数存在する場合、各々のBは同一
    であっても、互いに異なっていても良い。また、pが2
    である場合、各々のR1とR2は、同一であっても、互い
    に異なっていても良い。更に、Mが3座以上の配位を取
    ることもでき、その場合、Mは一般式(1)中の任意の
    置換基または結合部分、あるいは任意の配位子により、
    任意の配位子対金属の比率にて配位されていても良
    い。) A群:C.I.リアクティブブルー11、15:01、
    18、21、23、25、35、38、41、48、6
    3、71、72、77、80、85、92、95、10
    5、107、118:1、123、124、136、1
    38、140、143、148、152、153、15
    9、174、197、207、215、227、22
    9、231
  12. 【請求項12】 前記一般式(1)において、Dがナフ
    タレン環であることを特徴とする請求項11に記載のイ
    ンクジェット記録方法。
  13. 【請求項13】 前記一般式(1)において、Aは、各
    々独立に、置換されていても良いフェニル基または置換
    されていても良いナフチル基を表し、B及びCは、各々
    独立に、置換されていても良いフェニレン基または置換
    されていても良いナフチレン基を表し、かつA、Bまた
    はCに置換基を有する場合、その置換基としてはハロゲ
    ン原子、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ニト
    ロ基、置換されていても良いアルキル基、置換されてい
    ても良いアルコキシ基、置換されていても良いアミノ
    基、置換されていても良いアシルアミノ基または置換さ
    れていても良いスルホニルアミノ基であることを特徴と
    する請求項11〜12の何れかに記載のインクジェット
    記録方法。
  14. 【請求項14】 一般式(1)において、m=0、n=
    1〜2であり、p=1であることを特徴とする請求項1
    1〜13の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  15. 【請求項15】 一般式(1)において、qが1である
    ことを特徴とする、請求項11〜14の何れかに記載の
    インクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】 一般式(1)において、R1とR2のう
    ち、一方が水素原子であり、他方が置換されていても良
    いフェニル基であることを特徴とする請求項11〜15
    の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  17. 【請求項17】一般式(1)において、R1及びR2がと
    もに水素原子であることを特徴とする請求項11〜15
    の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  18. 【請求項18】一般式(1)において、Mが銅、ニッケ
    ル、鉄またはコバルトであることを特徴とする請求項1
    1〜17の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  19. 【請求項19】 上記A群から選ばれる少なくとも一種
    のC.I.リアクティブブルー染料が、C.I.リアク
    ティブブルー21、C.I.リアクティブブルー63、
    C.I.リアクティブブルー231から選ばれた少なく
    とも一種の染料であることを特徴とする請求項11〜1
    8の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  20. 【請求項20】 シアンインクが、上記A群から選ばれ
    る少なくとも一種のC.I.リアクティブブルー染料
    と、C.I.ダイレクトブルー86及びC.I.ダイレ
    クトブルー199からなる群から選ばれる少なくとも一
    種の色素との混合物であることを特徴とする請求項11
    〜19の何れかに記載のインクジェット記録方法。
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