JP2969775B2 - インクジェット用記録液 - Google Patents

インクジェット用記録液

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はインクジェット記録に適した顔料を用いた記
録液に関する。
〔従来の技術〕
インクジェット記録方式は騒音が少ないこと、ランニ
ングコストが安いこと、カラー化が容易であること等の
特徴があり、近年急速に普及しつつある。インクジェッ
ト記録に用いる記録液の着色剤としては、通常、酸性染
料、直接性染料等の水溶性染料が用いられているが、耐
光性、耐水性等堅牢性の面で十分とはいえず、改良が検
討されている。
水溶性染料の耐光性、耐水性を改良するため、例えば
特開昭64−62372号、特開昭64−48873号、特開昭64−16
880号、特開昭63−289079号等に記載されている如く、
多くの提案がなされているが未だ十分ではない。
一方、着色剤として顔料を用いる方法も古くから研究
されており、例えば特開昭47−12104号、特開昭56−147
859号、特開昭56−147863号、特開昭56−147869号、特
開昭56−157468号、特開昭57−21466号、特開昭62−749
73号等、多くの出願がなされている。
着色剤として顔料を用いた場合、耐光性、耐水性は、
染料に比べて格段に向上するものの記録液としての保存
安定性が劣るため実用化されるまでに至っていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は記録した画像の耐光性、耐水性が高く、かつ
記録液としての保存安定性及び吐出安定性に優れたイン
クジェット用記録液の提供を目的とするものであり、こ
の目的は特定分散剤を用いることにより達せられるとの
新規な知見に基くものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の要旨は、水性媒体、顔料及び下記一般式
[1] (式中Rは、炭素数6〜18のアルキル基を表わし、nは
1〜15の整数を表わし、MはNa又はNH4を表わす。)で
示される化合物の少なくとも1種からなる分散剤(但
し、高分子分散剤と併用する場合を除く)を含有するイ
ンクジェット用記録液に存する。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の記録液において、顔料としては、アゾ系、フ
タロシアニン系、キナクリドン系の他、カーボンブラッ
クが利用できるが、とりわけPigment Yellow−74,−15
4,Pigment Red−5,−122、Pigment Blue−15が好まし
い。
上記顔料の含有量としては、記録液全重量に対して0.
5〜10wt%の範囲、好ましくは1〜7wt%の範囲が挙げら
れる。
本発明の記録液に用いられる水性媒体としては、水の
他、水溶性有機溶剤としてエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール(#200)、ポリエチレングリコール(#400)、グ
リセリン、N−メチル−ピロリドン、N−エチル−ピロ
リドン、N−ビニル−ピロリドン、1,3−ジメチル−イ
ミダゾリジン、エチレングリコールモノアリルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル等を含有しているのが
好ましく、これらの水溶性有機溶剤の含有量としては、
記録液全量に対し、0〜50重量%の範囲が挙げられる。
本発明の記録液に分散剤として用いられる前記一般式
〔I〕の化合物としては 等が挙げられる。
尚、この様な化合物としてはNewcol 560SF(商品
名、日本乳化剤(株)製)、サンノールNP−1930(商品
名ライオン(株)製)等が市販されており、これらを適
宜利用することもできる。
本発明の記録液において、これらの分散剤の含有量と
しては顔料の重量に対して30〜100重量%の範囲、好ま
しくは30〜70重量%の範囲が挙げられる。これらの分散
剤は単独で用いても良いが、数種併用することによって
より一層の効果を得ることができる。
なお、これらの分散剤と同種の陰イオン性界面活性剤
を含むインクジェット用記録液は公知であり、例えば特
開昭56−147867号公報には、水性媒体中に顔料、高分子
分散剤及びこの種の陰イオン性界面活性剤を含有させて
なるインクジェット用記録液が記載されている。しかし
この記録液においては、陰イオン性界面活性剤は分散剤
としてではなく、顔料分散安定性向上、吐出安定性向
上、定着性向上などの目的で用いられている。これに対
し本発明に係るインクジェット用記録液は高分子分散剤
を含有しておらず、一般式[1]の化合物を分散剤とし
て含んでいる。
更に本発明の記録液に0.5〜20重量%の界面活性剤を
添加することにより印字後の速乾性及び印字品位を改良
することができる。
又、本発明の記録液に尿素、カプロラクタムを添加す
ることにより吐出安定性を、更に改良することができ
る。
〔発明の効果〕
本発明の記録液は、インクジェット記録用として用い
られ、記録画像の耐光性、耐水性に優れている他、記録
液としての保存安定性及び吐出安定性も著しく良好であ
る。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、
本発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。
実施例1 記録液の組成 使用量(g) ポリエチレングリコール(#200) 15 No.1の分散剤 1.5 Pigment Red 122 4 水 残量 合 計 100 上記の各成分を容器にとり平均0.5mm径のガラスビー
ズ130mlと共にサンドグラインダー(五十嵐機械製造
(株)製造)用いて20時間粉枠処理を行った。孔径3μ
のテフロンフィルターで加圧濾過したのち、真空ポンプ
及び超音波洗浄機を用いで脱気処理し記録液を調製し
た。
得られた記録液を用いて、インクジェットプリンター
(IO−735、シャープ株式会社製造)を用いて電子写真
用紙(富士ゼロックス(株)製造)にインクジェット記
録を行ない、下記(a),(b)及び(c)の方法に従
って、諸評価を行った。
(a) 記録画像の耐光性 キセノンフェードメーター(スガ試験機(株)製造)
を用いて印字物を100時間照射した後の変退色は小さか
った。
(b) 保存安定性 記録液をテフロン容器に密閉し、60℃で2ケ月保存し
た後でもケル化することなく、又、沈降物も認められな
かった。
(c) 吐出安定性 室温下48時間の連続吐出を行ったが終始安定した高品
質の記録が行えた。
比較例1 実施例におけるNo.1の分散剤の代りにナフタレンスル
ホン酸ホルマリン縮合物分散剤であるディスコール30
(商品名、第一工業製薬(株)製)を用いて記録液を調
整し、実施例1と同様の評価を行った結果、60℃3日で
沈降物が生じ、室温下連続吐出においては15時間で吐出
不能となった。
比較例2 実施例1におけるNo.1の分散剤の代りにオキシエチレ
ン・オキシプロピレンブロックポリマー型分散剤である
あプロノン204(商品名、日本油脂(株)製)を用いて
記録液を調整し、実施例1と同様の評価を行った結果、
60℃7日で沈降物を生じ、室温下連続吐出においては20
時間で吐出不能となった。
実施例2 記録液の組成 使用量(g) ジエチレングリコール 20 No.2の分散剤 1 Pigment Blue 15 3 水 残量 合 計 100 上記組成物を用い、実施例1と同様にして記録液を調
整し、(a),(b),(c)の諸評価を行った結果い
ずれも良好であった。
比較例3 実施例2におけるNo.2の分散剤の代りにポリスチレン
スルホン酸ソーダ系分散剤であるポリナスPS−1(商品
名、東ソー(株)製)を用いて記録液を調整し、実施例
1と同様の評価を行った結果、60℃4日で沈降物を生
じ、又室温下連続吐出においては13時間で吐出不能とな
った。
実施例3 記録液の組成 使用量(g) グリセリン 10 No.2の分散剤 1.0 Pigment Yellow−74 2 水 残量 合 計 100 実施例4 記録液の組成 使用量(g) No.1の分散剤 1.5 No.4の分散剤 1.5 カーボンブラック 6 ε−カプロラクタム 5 水 残量 合 計 100 上記実施例3及び4のインク組成物を用い、実施例1
と同様にして記録液を調整し、諸評価を行った結果、実
施例1と同様いずれも良好であった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性媒体、顔料及び下記一般式[1] (式中Rは、炭素数6〜18のアルキル基を表わし、nは
    1〜15の整数を表わし、MはNa又はNH4を表わす。)で
    示される化合物の少なくとも1種からなる分散剤(但
    し、高分子分散剤と併用する場合を除く)を含有するこ
    とを特徴とするインクジェット用記録液。
  2. 【請求項2】顔料の含有率が1〜7重量%であり、一般
    式[1]の分散剤の含有率が顔料の30〜70重量%である
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット用記録
    液。
JP10829490A 1990-03-20 1990-04-24 インクジェット用記録液 Expired - Lifetime JP2969775B2 (ja)

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