JP2002120005A - 熱間圧延鋼板の製造方法 - Google Patents

熱間圧延鋼板の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間圧延工程におけるキャンバ及びウェッジ
の発生を抑制できる熱間圧延鋼板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 熱間圧延工程の複数パスの圧延を行う粗
圧延工程において、下記(1)式で規定されるa値(単
位:mm4/N2)が10×10-9以上で、かつ下記
(2)式で規定されるb値が40未満となる圧延パス
で、圧延機出側に配置したサイドガイドによりキャンバ
の矯正を行う。 【数1】 【数2】 但し、R:ワークロール半径(mm)、Wm:ロールチ
ョック間距離(mm)、hin:被圧延材の入側厚(m
m)、hout:被圧延材の出側厚(mm)、K:ミル定
数(N/mm)、Wa:被圧延材幅(mm)である

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延鋼板の製
造方法に関し、特に熱間圧延工程におけるキャンバ及び
ウェッジの発生を効果的に抑制することができる熱間圧
延鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延工程は、通常粗圧延工程と仕上
圧延工程とからなり、粗圧延工程では通常複数の水平圧
延機(以下、単に「圧延機」ともいう。)により複数パ
スの圧延が行われる。ここで、被圧延材がウェッジを有
している場合、被圧延材が幅方向で温度差を生じ変形抵
抗が幅方向で不均一となっている場合、水平圧延機が幅
方向で剛性差を有する場合、水平圧延機のレベリング不
整によりロールギャップが幅方向で偏差を有する場合等
には、被圧延材にキャンバと呼ばれる横曲りやウェッジ
と呼ばれる幅方向の板厚偏差が生じ、下流側の圧延パス
において通板性を阻害したり、製品にウェッジが残存し
たりする不具合を生じる場合がある。
【0003】これら不具合のうちキャンバを抑制する方
法として、特開平6−226319号公報には、圧延機
出側にサイドガイドを配置し、該サイドガイドによりキ
ャンバを矯正するとともに、該サイドガイドに作用する
荷重を検出し、該荷重に基づいて左右のロールギャップ
を調整制御するキャンバの抑制方法が開示されている。
【0004】また、特開平8−323411号公報に
は、キャンバとウェッジの両方を抑制する方法として、
水平圧延機で片圧下操作してウェッジの修正を行うとと
もに、水平圧延機出側においてサイドガイドによるキャ
ンバの修正を行うキャンバ及びウェッジの抑制方法が開
示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−22631
9号公報に開示された方法を、圧延前の被圧延材にウェ
ッジが存在することに起因するキャンバを矯正するのに
用いた場合には、ウェッジが発生している側の水平ロー
ルのギャップを他方よりも大きくすることになり、水平
圧延後も被圧延材はウェッジを有することとなる。この
ウェッジは、下流の圧延工程においてキャンバを発生さ
せる要因となり操業に支障を来す。そして、このキャン
バを抑制するため下流の圧延工程においても上記公報に
開示されたキャンバ抑制方法を適用した場合には、最終
製品がウェッジを有することとなり、所期の断面形状を
確保することが困難となる。
【0006】また、特開平8−323411号公報に開
示された方法では、圧延機の左右の荷重差から被圧延材
の幅方向温度差に起因する荷重差を差し引くことによ
り、ウェッジ比率の推移を計算し、圧延機の片圧下変化
量を求めて圧延機の圧下を調整することによりウェッジ
の修正が可能であるとしている。
【0007】しかし、上記公報には、被圧延材の幅方向
温度差に起因する荷重差の具体的な求め方が開示されて
おらず、また、被圧延材の幅方向温度差は、通常酸化ス
ケールで覆われた被圧延材表面の温度を測定して被圧延
材内部の温度を推定することにより求めるものであるか
ら、被圧延材の幅方向温度差を正確に求めること、さら
に、上記被圧延材の幅方向温度差に起因する荷重差を正
確に求めることは困難である。
【0008】したがって、上記公報に開示された方法に
よりウェッジの修正を行うことは実際上困難であり、温
度測定の検出誤差によってはウェッジの発生を助長する
可能性がある。
【0009】また、ウェッジが存在する被圧延材に対し
て上記公報に開示された方法を適用した場合には、ウェ
ッジの修正を行う片圧下操作により、サイドガイドによ
り修正すべきキャンバ量が増大し、サイドガイドに大き
な荷重が負荷されることになる。この結果、サイドガイ
ドと摺接する被圧延材の側面部に疵が発生する場合があ
る。さらに、被圧延材の板厚が薄くなる下流側で上記方
法を実施した場合には、被圧延材の板厚が薄いために被
圧延材に座屈が生じる可能性がある。
【0010】本発明の課題は、装置及び制御の複雑化を
伴うことなく、キャンバ及びウェッジの発生を効果的に
抑制できる熱間圧延鋼板の製造方法を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、通常の粗
圧延工程と仕上圧延工程とからなる熱間圧延工程におい
ては、粗圧延工程後の被圧延材のキャンバ及びウェッジ
を仕上圧延工程において支障を来さない程度に抑制すれ
ばよいという観点から、上記公報に開示された方法のよ
うに1パスにおいてキャンバ及びウェッジの制御を行う
のではなく、複数パスの圧延からなる粗圧延工程全体で
キャンバ及びウェッジの制御を行うことを基本的技術思
想とし、これを実現する実効的かつ簡便な方法を確立す
べく鋭意検討した。その結果、以下の知見を得た。
【0012】(A)出側にサイドガイドを備える水平圧
延機により、ワークロールを水平にしてウェッジの矯正
を行う圧延を行い、さらに出側のサイドガイドによりキ
ャンバの矯正を行ったときの被圧延材のウェッジ率変化
率は、圧延パスの条件を表すパラメータから下記(1)
式によって規定されるa値(単位:mm4/N2、以下a
値についての単位の表示を省略する。)と相関を有し、
また、a値によって大きく変化する。すなわち、キャン
バ矯正による新たなウェッジの発生を効果的に抑制する
ことができる圧延パスをa値によって特定することがで
き、a値が10×10-9以上となる圧延パスにおいてキ
ャンバ矯正を行うことにより、後続の圧延パスにおける
キャンバ発生量を通板の支障を来さない程度に効果的に
抑制することができる。
【0013】ここで、ウェッジ率変化率とは、上記のよ
うに一の圧延パスにおいて、ワークロールを水平にして
ウェッジの矯正を行う圧延を行い、さらに出側のサイド
ガイドによりキャンバの矯正を行ったときの、圧延機出
側の被圧延材のウェッジ率を圧延機入側の被圧延材のウ
ェッジ率で除したものである。また、ウェッジ率とは被
圧延材のウェッジ量を平均板厚で除した値である。
【0014】
【数4】 但し、R:ワークロール半径(mm)、Wm:ロールチ
ョック間距離(mm)、hin:被圧延材の入側厚(m
m)、hout:被圧延材の出側厚(mm)、K:ミル定
数(N/mm)、Wa:被圧延材幅(mm)である。
【0015】図1は、出側にサイドガイドを備える水平
圧延機により、ワークロールを水平にしてウェッジの矯
正を行う圧延を行い、さらに出側のサイドガイドにより
キャンバの矯正を行ったときの被圧延材のウェッジ率変
化率とa値との関係を示すグラフである。
【0016】同図に示すように、ウェッジ率変化率はa
値と相関を有し、a値が10×10 -9以上になるとウェ
ッジ率変化率が0.3以下となる。すなわち、このよう
な圧延パスにおいてキャンバの矯正を行えば、キャンバ
矯正による被圧延材のウェッジの発生を効果的に抑制す
ることができ、後続の圧延パスにおいて上下ワークロー
ルを平行にした圧延(以下、「平行圧延」という。)を
行ったとしても新たなキャンバの発生を効果的に抑制す
ることができる。
【0017】逆に、a値が10×10-9未満の圧延パス
においてキャンバの矯正を行うと、キャンバ矯正により
被圧延材に大きなウェッジが発生してしまい、後続の圧
延パスにおいて平行圧延を行うと再度大きなキャンバが
発生する。
【0018】例えば、圧延前に3.0%のウェッジ率を
有する被圧延材を、a値が10×10-9以上の圧延パス
で、ワークロールを水平にしてウェッジの矯正を行う圧
延を行い、さらに出側のサイドガイドによりキャンバの
矯正を行った場合には、キャンバ矯正後の被圧延材のウ
ェッジ率は0.9%以下となり、後続の圧延パスにおい
て平行圧延を行ったとしても通板に影響を及ぼす程度の
キャンバは殆ど発生しなくなる。
【0019】(B)また、2つの圧延パスによりキャン
バを矯正する場合には、2つの圧延パス全体による被圧
延材のウェッジ率変化率は、下記(3)式で規定される
am値(単位:mm4/N2、以下am値についての単位
の表示を省略する。)により、上記a値と同様にして評
価することができる。したがって、am値が10×10
-9以上となる2つの圧延パスのうち、上流側の圧延パス
においてキャンバの矯正を行い、下流側の圧延パスにお
いてウェッジ矯正とキャンバ矯正とを行うことにより、
後続の圧延パスにおける平行圧延の際の新たなキャンバ
の発生を効果的に抑制することができる。
【0020】
【数5】 但し、a1、a2は異なる圧延パスにおけるa値であ
る。
【0021】例えば、圧延前に3.0%のウェッジ率を
有する被圧延材を、a1値が6.04×10-9の圧延パ
ス1と、a2値が4.23×10-9である圧延パス1の
下流側の圧延パス2とで、ワークロールを水平にしてウ
ェッジの矯正を行う圧延を行い、さらに出側のサイドガ
イドによりキャンバの矯正を行った場合には、圧延パス
1のキャンバ矯正後の被圧延材のウェッジ率は約1.2
%となり、圧延パス2のキャンバ矯正後の被圧延材のウ
ェッジ率は約0.6%となり、後続の圧延パスにおいて
平行圧延を行ったとしても通板に影響を及ぼす程度のキ
ャンバは殆ど発生しなくなる。上記a1値及びa2値か
ら上記(3)式により求められるam値は15.3×1
-9であり、ウェッジ率変化率が0.2となるa値が1
5×10 -9であることから、圧延パス1及び圧延パス2
の全体による被圧延材のウェッジ率変化率は、a値と同
様にam値により評価することができ、キャンバ矯正を
行うのに好適な2つの圧延パスを特定することができ
る。
【0022】(C)a値若しくはam値が10×10-9
以上である圧延パスであっても、圧延機出側のサイドガ
イドによるキャンバの矯正を行うと被圧延材が座屈する
可能性がある。そのため、キャンバ矯正時の被圧延材の
座屈の発生を抑制するために、下記(2)式で規定され
るb値が40未満となる圧延パスでキャンバ矯正を行
う。
【0023】
【数6】 但し、Wa:被圧延材幅(mm)、hout:被圧延材出側
厚(mm)である。
【0024】(D)上述したようにa値若しくはam値
が10×10-9以上であり、かつb値が40未満の圧延
パスでキャンバの矯正を行った場合であっても、後続の
圧延パスにおいて被圧延材が幅方向で温度差を生じ変形
抵抗が幅方向で不均一となった場合には新たなキャンバ
が発生する。したがって、上記条件を充足する圧延パス
の中でも、下流側の圧延パスから優先して使用して、キ
ャンバの矯正を行うことが好ましい。
【0025】本発明は、上記知見に基づいて完成させた
ものであり、その要旨は以下の(1)〜(3)にある。 (1)複数パスの圧延を行う熱間圧延工程において、少
なくとも、下記(1)式で規定されるa値が10×10
-9以上、かつ下記(2)式で規定されるb値が40未満
となる圧延パスで、圧延機出側に配置したサイドガイド
によりキャンバの矯正を行うことを特徴とする熱間圧延
鋼板の製造方法。
【0026】
【数7】
【0027】
【数8】 但し、R:ワークロール半径(mm)、Wm:ロールチ
ョック間距離(mm)、hin:被圧延材の入側厚(m
m)、hout:被圧延材の出側厚(mm)、K:ミル定
数(N/mm)、Wa:被圧延材幅(mm)である。
【0028】(2)複数パスの圧延を行う熱間圧延工程
において、少なくとも、下記(3)式で規定されるam
値が10×10-9以上、かつ前記b値が40未満となる
2つの圧延パスのうち、上流側の圧延パスにおいて圧延
機出側に配置したサイドガイドによりキャンバの矯正を
行い、下流側の圧延パスにおいて圧延機によりウェッジ
の矯正を行うとともに圧延機出側に配置したサイドガイ
ドによりキャンバの矯正を行うことを特徴とする熱間圧
延鋼板の製造方法。
【0029】
【数9】 但し、a1、a2は、異なる圧延パスについて前記
(1)式で規定されるa値である。
【0030】(3)前記キャンバの矯正を下流側の圧延
パスから優先して実施することを特徴とする上記(1)
項または(2)項に記載の熱間圧延鋼板の製造方法。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様につい
て、熱間圧延工程の粗圧延工程におけるパススケジュー
ルの一例に沿って説明する。
【0032】表1は、熱間圧延工程の粗圧延工程におけ
るパススケジュールの一例について、各圧延パスの条件
を示す。
【0033】
【表1】 同表に示すように、圧延パス1〜3は、a値が10×1
-9以上かつb値が40未満であるので、圧延機出側に
配置したサイドガイドにより単パスでキャンバの矯正を
行うのに好適な圧延パスである。
【0034】また、圧延パス4及び圧延パス5は、夫々
のa値から求められるam値が10×10-9以上(1
3.1×10-9)であり、かつ圧延パス4及び圧延パス
5のb値が40未満であることから、圧延機出側に配置
したサイドガイドにより圧延パス4及び圧延パス5の2
パスにおいてキャンバの矯正を行うと好適である。
【0035】表2は、上記熱間圧延工程の粗圧延工程に
おけるパススケジュールの一例において、圧延機出側の
サイドガイドによりキャンバの矯正を行うのに好適な圧
延パスを示す。
【0036】
【表2】 同表に示すように、単パスで圧延機出側のサイドガイド
によりキャンバの矯正を行う場合には、方式1〜3に示
すように、圧延パス1〜3の何れか1つの圧延パスにお
いて行うとよい。ここで、圧延パス2または圧延パス3
においてキャンバの矯正を行う場合には、上流側の圧延
パスにおいて補助的に圧延機出側のサイドガイドにより
キャンバの矯正を行ってもかまわない。また、上述した
ように、キャンバ矯正後の後続の圧延パスにおける新た
なキャンバ発生の機会を抑制するように、方式3に示す
ように、最も下流側の圧延パス3においてキャンバの矯
正を行うことが好ましい。
【0037】2パスで圧延機出側のサイドガイドにより
キャンバの矯正を行う場合には、方式4に示すように、
am値が10×10-9以上かつb値が40未満となる圧
延パス4及び圧延パス5において行うのが好ましい。2
つの圧延パスについて、am値が10×10-9以上かつ
b値が40未満となるのであれば2パスによるキャンバ
矯正に好適な圧延パスであるから、さらに上流側の圧延
パスの2つにおいてキャンバの矯正を行ってもよい。上
述したように、キャンバ矯正後の後続の圧延パスにおけ
る新たなキャンバ発生の機会を抑制するように下流側の
圧延パスから優先して使用することが好ましい。また、
2つの圧延パスは連続している必要はなく、2つの圧延
パスの間にキャンバ矯正を行わない圧延パスが存在して
いてもかまわない。
【0038】なお、上記キャンバ矯正を行う場合におい
て、キャンバ矯正後の後続の圧延パスにおける新たなキ
ャンバを矯正するために、上記キャンバ矯正を行う圧延
パスの下流側の圧延パスにおいて圧延機出側のサイドガ
イドを用いてキャンバ矯正を行ってもよい。
【0039】圧延機出側に既にサイドガイドを備える粗
圧延設備において本発明を用いる場合には、上述した条
件によりサイドガイドによりキャンバの矯正を行うパス
を決定し、各圧延パスにおけるサイドガイドの使用・不
使用を決定すればよい。また、サイドガイドを新設する
場合には、圧延機で圧延可能な最大被圧延材幅を被圧延
材幅としてa値を求めることにより、サイドガイドを設
置すべきスタンドを決定することができ、これにより設
備導入コストを抑制することができる。
【0040】
【実施例】前記表1に示す熱間圧延工程の粗圧延工程に
おけるパススケジュールにより熱間圧延を行い、各圧延
パス出側において試験材のキャンバ量とウェッジ率を測
定した。試験材としては、左右の板厚差が約7.7mm
となるテーパ(ウェッジ率:約3%)を施した低炭素鋼
のスラブを用い、抽出温度1220℃で加熱炉から抽出
し粗圧延を行った。圧延機のワークロールは全て水平と
なるように調整し、圧延機入側ではエッジャーミルによ
り被圧延材を拘束するようにした。
【0041】圧延機出側のサイドガイドによるキャンバ
矯正については、全ての圧延パスにおいてキャンバ矯正
を行わないcase1と、圧延パス3においてのみキャ
ンバ矯正を行うcase2と、圧延パス5においてのみ
キャンバ矯正を行うcase3と、圧延パス4及び圧延
パス5においてのみキャンバ矯正を行うcase4の4
条件で試験を行った。
【0042】表3に試験結果を示す。ここで、キャンバ
量とは、被圧延材の長さ10mの区間における板幅中心
線分と該板幅中心線分の両端を結ぶ直線との距離の最大
値である。
【0043】
【表3】 case2では、case1と比較して、粗圧延後のキ
ャンバ量を約76%、ウェッジ率を約19%夫々低減す
ることができた。case3では、圧延パス5において
キャンバをほぼ矯正できたものの、キャンバ矯正後のウ
ェッジ率は1%程度の大きな値となり、圧延パス6にお
いて90mmのキャンバが発生してしまい、case1
と比較して24%程度のキャンバ量しか低減できなかっ
た。case4では、粗圧延後のキャンバ量を約58
%、ウェッジ率を約49%夫々低減することができた。
【0044】
【発明の効果】本発明により、熱間圧延工程の粗圧延工
程におけるキャンバ及びウェッジの発生をより効果的に
抑制できるので、圧延設備の破損を防止でき、歩留まり
を向上させることができる。また、水平圧延機の片圧下
等の複雑な制御を伴わないので、実用的であり、既存設
備への適用も比較的容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】出側にサイドガイドを備える水平圧延機によ
り、ワークロールを水平にしてウェッジの矯正を行う圧
延を行い、さらに出側のサイドガイドによりキャンバの
矯正を行ったときの被圧延材のウェッジ率変化率とa値
との関係を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数パスの圧延を行う熱間圧延工程にお
    いて、少なくとも、下記(1)式で規定されるa値(単
    位:mm4/N2)が10×10-9以上、かつ下記(2)
    式で規定されるb値が40未満となる圧延パスで、圧延
    機出側に配置したサイドガイドによりキャンバの矯正を
    行うことを特徴とする熱間圧延鋼板の製造方法。 【数1】 【数2】 但し、R:ワークロール半径(mm)、Wm:ロールチ
    ョック間距離(mm)、hin:被圧延材の入側厚(m
    m)、hout:被圧延材の出側厚(mm)、K:ミル定
    数(N/mm)、Wa:被圧延材幅(mm)である。
  2. 【請求項2】 複数パスの圧延を行う熱間圧延工程にお
    いて、少なくとも、下記(3)式で規定されるam値
    (単位:mm4/N2)が10×10-9以上、かつ請求項
    1記載の(2)式で規定されるb値が40未満となる2
    つの圧延パスのうち、上流側の圧延パスにおいて圧延機
    出側に配置したサイドガイドによりキャンバの矯正を行
    い、下流側の圧延パスにおいて圧延機によりウェッジの
    矯正を行うとともに圧延機出側に配置したサイドガイド
    によりキャンバの矯正を行うことを特徴とする熱間圧延
    鋼板の製造方法。 【数3】 但し、a1、a2は、異なる圧延パスについて請求項1
    記載の(1)式で規定されるa値である。
  3. 【請求項3】 前記キャンバの矯正を下流側の圧延パス
    から優先して実施することを特徴とする請求項1または
    2に記載の熱間圧延鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100931204B1 (ko) * 2002-12-23 2009-12-10 주식회사 포스코 열간 압연 강판의 제조 방법
CN113857265A (zh) * 2021-09-13 2021-12-31 北京科技大学 基于多目标协同控制的热轧极薄板带工作辊辊形设计方法

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