JP2002119266A - 食品用保存剤 - Google Patents

食品用保存剤

Info

Publication number
JP2002119266A
JP2002119266A JP2000315465A JP2000315465A JP2002119266A JP 2002119266 A JP2002119266 A JP 2002119266A JP 2000315465 A JP2000315465 A JP 2000315465A JP 2000315465 A JP2000315465 A JP 2000315465A JP 2002119266 A JP2002119266 A JP 2002119266A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
food
oil
preservative
fat
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000315465A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3632755B2 (ja
Inventor
Toshiharu Yamazaki
敏晴 山崎
Hiroko Yoneda
裕子 米田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Oils and Fats Industry Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Oils and Fats Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Oils and Fats Industry Co Ltd filed Critical Yokohama Oils and Fats Industry Co Ltd
Priority to JP2000315465A priority Critical patent/JP3632755B2/ja
Publication of JP2002119266A publication Critical patent/JP2002119266A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3632755B2 publication Critical patent/JP3632755B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cereal-Derived Products (AREA)
  • Noodles (AREA)
  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】日配品などの食品類、特に、焼飯,チキンライ
スその他の米飯加工品、スパゲッティ,焼そば,焼うど
ん,焼米粉等の非汁麺系食品類やソ−セ−ジ,ハム,そ
の他の肉類や魚類の加工食品に適用して、従来のものに
比べて顕著に高められた日持ち効果が得られる新規な食
品保存剤を提供することにある。 【解決手段】食用油脂に、該油脂 100重量部当たり 0.1
〜100 重量部の範囲内の油脂不溶性の抗菌性物質を均一
に分散含有せしめて成る食品用保存剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鮮度が低下し易い
水分含有加工食品に有効な保存剤及びそれを食品表面に
適用する保存方法に関し、特に、例えば、コンビニエン
スストアやス−パ−等において販売されている日配品と
呼ばれる弁当類の加工食品に好適に用いられる保存剤及
びそれを用いる食品保存方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、日本の食品衛生法で食品への使
用が認められている食品保存料としては、安息香酸及び
そのナトリウム塩,ソルビン酸及びそのカリウム塩,パ
ラオキシ安息香酸エステル類,プロピオン酸及びそのナ
トリウム塩又はカルシウム塩,デヒドロ酢酸ナトリウム
及び亜硫酸塩類が代表的に挙げられる。しかし、これら
の保存料は、使用対象食品,使用量及び残留量に関して
の使用基準があり、保存料の使用対象食品の制限や使用
量の制限等のためにそれらの使用が敬遠され、保存剤と
しての利用が大幅に低下している。
【0003】かかる実情から、最近では、そのような制
限を受けない安全性の高い抗菌性食品添加物として、例
えば、グリシン,アラニン,ベタイン等のアミノ酸類,
脂肪族系有機酸やその塩類,重合燐酸塩のような金属キ
レ−ト剤,植物抽出物,抗菌性香料精油物質,微生物代
謝物質や動物性抽出物、その他、低級脂肪酸の多価アル
コ−ルエステル,メラノイジン,ペクチン分解物,リゾ
チ−ム,ビタミンB1のアルキル硫酸塩やアリルイソチ
アネ−ト等が、食品の保存用に広く用いられるようにな
った。しかし、これらの物質は、それぞれが本来保有す
る特性に基づく保存性能を示し、単に食品に添加するこ
とによって、それなりの保存効果は得られるが、満足し
得る結果は得られていない。
【0004】近年、食品産業分野における流通形態の変
化に伴い、外食産業と共にコンビニエンスストアに代表
される中食産業が大きく発展し、食品の中でも特に日配
品と呼ばれる各種弁当類の販売量の需要が急激に増大し
ている。それらの加工食料品は、製造から流通販売まで
の過程において鮮度が低下し易く、腐敗し易いので、低
温での保存や配送が行われているが、前述のように、食
品衛生法で認められている食品保存料は、使用対象食品
や使用量が限定されているため、特に日配品に対して保
存剤として利用することは実質的に困難である。従っ
て、最近は、それらの食品保存料に依存しない他の保存
剤、特に、日配品などの日持ちを向上させるための各種
の食品添加用保存剤について多くの研究がなされてい
る。
【0005】最近の研究の結果として、例えば、酢酸と
ジグリセリンモノエステル,モノエステル含量が50%以
上であるポリグリセリン脂肪酸モノエステル,明礬と有
機酸(塩)類,ε−ポリリジンと酢酸ナトリウムと有機
酸,オウレン抽出物とレシチン又はその分解物,香辛料
炭化物又は灰化物含有食品防腐剤,ポリゴジア−ルと化
学保存料,ベタインとアジピン酸と溶解補助剤含有調味
料,ロイテリンと有機酸(塩),竹類エキスと酢酸
(塩),リゾチ−ムとエタノ−ルと炭素数8〜12の脂肪
酸のグリセリンエステル,ε−ポリリジン(塩)と醸造
酢,酢酸ナトリウムとアジピン酸とフマ−ル酸から成る
浅漬保存用組成物,フィチン酸又はフマ−ル酸と没食子
酸とアスコルビン酸配合静菌剤,ポリグリセリン脂肪酸
エステルとリゾチ−ム,リゾチ−ムとアミノ酸と有機酸
(塩)類と酢酸塩の組合せ等が食品保存剤として提案さ
れた。
【0006】本発明者らは、提案されたこれらの保存剤
についての保存性能を検討する過程において、意外なこ
とに、油脂不溶性の抗菌性物質を食用油脂に均一に分散
させた組成物が、上記提案に係る各種食品保存剤よりも
遥かに優れた保存性能を有することを見出した。特に、
そのような組成物を、ある程度の水分を含有する非汁系
の加工食品類の表面に適用するとき、優れた保存能を示
し、日配品などの日持ち効果を顕著に向上させることが
判った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、特に、日配品などの食品類に適用して、従来のもの
に比べて顕著に高められた日持ち向上効果が得られる新
規な食品保存剤を提供することにある。また、本発明の
他の課題は、特に、焼飯,チキンライス等の米飯加工食
品,スパゲッティ,焼そば,焼うどん,焼米粉等の非汁
麺系加工食品及びソ−セ−ジ,ハム,その他の肉類や魚
類の加工食品に好適に使用し得る食品保存剤を提供する
ことにある。本発明の更に他の課題は、製造が容易で且
つ食品類への適用が容易な実用性の優れた食品保存剤及
びそれを用いる保存方法を提供することにある。本発明
のその他の課題ないし技術的特徴は、以下の記載から一
層明らかになるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、前
記特許請求の範囲に記載の要件から成る食品保存剤組成
物及び該保存剤を非汁系含水加工食品表面に適用する効
果的保存方法を提供する。本発明の保存剤は、食用油脂
に、該油脂 100重量部当たり1〜100 重量部の範囲内の
量の油脂不溶性の抗菌性物質を均一に分散含有せしめる
ことが重要である。また、本発明の保存剤には、該抗菌
性物質を油脂中に可及的均一に分散させるために、油脂
への分散を促進させる乳化分散剤が好ましく使用され
る。その使用量は、通常、油脂 100重量部当たり、20重
量部以下程度の少量でよく、好ましくは、10重量部以下
である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の食品保存剤に用いられる
基剤としての食用油脂は、通常知られた動植物から採取
される油脂類であって、常温で液状の油脂としては、例
えば菜種油,米油,大豆油,綿実油,コ−ン油,胡麻
油,魚油,鯨油,小麦胚芽油,サフラワ−油,ひまわり
油,落花生油,荏油,月見草油,オリ−ブ油及び中鎖ト
リグリセライド等が挙げられる。また、固形油脂として
は、ラ−ド,牛脂,パ−ム油,パ−ム核油,椰子油,前
記液状油類の水素添加硬化油,これらをウィンタリング
操作により分別した分別油及びエステル交換油などが包
含される。これらの食用油脂は、常温液状物も固形状物
も同様の効果を有するが、作業性を考慮すれば、液状油
脂が有利である。
【0010】また、食用油脂に含有させる油脂不溶性の
抗菌性物質は、実質的に油脂に溶解せず、水に溶解ない
し易分散性を有する親水性の抗菌性物質であって、かか
る抗菌性物質としては、例えば、ポリリジン,プロタミ
ン,グリシン及び例えば、酢酸,アジピン酸,クエン
酸,フマル酸,リンゴ酸,コハク酸,乳酸,酒石酸,イ
タコン酸,グルコン酸,グルコノデルタラクトン及びそ
のアルカリ金属塩類のような水溶性で油脂不溶性の有機
酸類が代表的に挙げられる。その中でも特に好ましい抗
菌性物質は、ポリリジン及びプロタミンである。ポリリ
ジンは、必須アミノ酸であるL−リジンのホモポリマ−
で、L−リジンをストレプトミセス屬微生物で好気的に
培養することによって得られる界面活性作用をもつ油脂
不溶の水溶性物質である。
【0011】これら抗菌性物質は、上記食用油脂に、該
油脂 100重量部当たり1〜100 重量部の範囲内の量が添
加されて保存剤に調製される。添加量が1重量部未満で
は、満足し得る食品の保存効果が得られず、また、100
重量部を超えると、混合物の粘度が上昇してペ−スト状
となり、あるいは適用食品の風味を損なうことがあるの
で実用上不適切である。好ましい使用量範囲は、2〜20
重量部である。通常、保存剤の含有抗菌性物質濃度とそ
の使用量は、適用対象食品によって適宜選択されるが、
日持ち保存性向上効果を考慮するとき、抗菌性物質の量
が、対象食品に対して 0.1〜2重量%程度、好ましくは
0.2〜1重量%となるように保存剤を添加使用すること
が実用的である。その場合、保存剤の油脂量が食品の10
重量%を超えると、一般に、食品の風味,食感や味など
に悪影響を与えるので不都合である。好ましい油脂量
は、1〜5重量%程度である。また、保存剤には、上記
抗菌性物質と組合せて、例えば、炭素原子数6〜12個を
有する低級脂肪酸の脂肪族系アルコ−ルエステル類の少
量を含有させることができる。かかるエステル類は、抗
菌性を有する油溶性物質類であって、本発明の抗菌性物
質と組合せ併用することにより、一層高い相乗抗菌効果
を得ることができる。
【0012】これらの油脂不溶性の抗菌性物質は、油脂
に対する親和性が全くないか、極めて小さい物質類であ
るが、油脂に対し多少の親油性を有する抗菌性物質の場
合には、混合物を機械的に強制撹拌することにより均一
に分散させることができる。しかし、一般には、食用油
脂に溶解するか、油脂に対し強い自己分散性を有する親
油性界面活性剤(乳化剤)を少量併用することが有利で
ある。そのような油脂に分散又は溶解する親油性の乳化
剤は、例えば、HLB値が10以下のもの、好ましくは、
1〜8の範囲内のHLB値を有するものが包含され、基
剤食用油脂と抗菌性物質の種類の組合せに関連して適宜
選択使用される。適切な乳化剤の使用により、抗菌性物
質は食用油脂中に均一に且つ安定に分散保持される。
【0013】そのような乳化剤には、例えば、ソルビタ
ン脂肪酸エステル,庶糖脂肪酸エステル,プロピレング
リコ−ル脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸モノエステ
ル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,燐脂質類及び動植
物に由来するステロ−ル類等の食品用乳化剤が包含され
る。上記脂肪酸エステルの脂肪酸としては、炭素原子数
8ないし22個を有するアルキル又はアルキレンのカルボ
ン酸類及び縮合カルボン酸類が包含される。これらの乳
化剤は単独でもよいが、二種以上を組合せて使用するこ
とができ、その使用量は、油脂 100重量部当たり、20重
量部以下程度の少量でよい。乳化剤の添加使用量が多い
と分散安定性は向上するが、高粘性ないし固形状となり
作業性を低下させるので実用的でなく、10重量部以下の
可及的少量が好ましく使用される。前記したように、抗
菌性物質によっては、必ずしも乳化剤を必要としないも
のもあるが、そのような抗菌性物質の場合にも、適切な
乳化剤の少量を添加することが実用的である。
【0014】本発明の食品保存剤は、通常、抗菌性物質
を食用油脂中に入れ、均一に分散させて調製される。乳
化剤が常温液状の場合は、そのまま混合すればよいが、
常温固形の乳化剤の場合、適度の熱を加えることが有効
である。また、乳化剤を使用する場合には、その混合方
法に特に制約はなく、食用油脂,抗菌性物質及び乳化剤
を同時に三者混合してもよいが、食用油脂に乳化剤を加
えて加熱溶解させ、次いで、抗菌性物質を加えてもよい
し、乳化剤と抗菌性物質を混合し、これを加温した食用
油脂に加えて撹拌しながら冷却し、均一に分散させる方
法が実用的且つ有利に採用される。
【0015】このように調製された本発明の油脂ベ−ス
保存剤は、食品素材中に添加するのではなく、例えば、
加工して仕上げられた食品に塗布するか、調理された食
品に最後に添加して再仕上げを行って食品の表面を保存
剤でカバ−するように適用される。このように適用する
とき、従来知られた保存剤に比べて遥かに高い保存効果
が得られる。そのような食品の日持ち向上効果は、食品
の全表面に形成された本発明の保存剤の基剤油脂の皮膜
によって酸素バリア性が確保されると共に、保存剤中の
親水性抗菌性物質が水分含有食品中へ浸出,移行して、
食品の防腐性,保存性を向上させるものと推定される。
【0016】本発明に係る食品用保存剤の加工食品表面
への適用は、該食品 100重量部当たり 0.2〜10重量部の
範囲内の量が推奨される。適用量が 0.2重量部未満では
満足し得る保存効果が期待できず、10重量部を超えて使
用しても、使用量に見合う保存効果が得られないので経
済的に望ましくなく、また食品のもつ風味や味等を損な
う恐れがあるので実用的でない。しかし、上記適用範囲
量は、抗菌性物質の種類,その含有濃度及び単位重量の
食品の各種表面積に関連して必ずしも厳密に規定できる
ものではなく、上記適用量範囲は、加工食品に対する適
用の目安として提供されるものである。前記したよう
に、保存剤の油脂量が食品の10重量%を超えることは避
けるべきであることを考慮すれば、一層望ましい適用量
の目安は、食品 100重量部当たり1〜5重量部程度の範
囲量である。
【0017】
【実施例】以下、具体例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。なお、例中の部数及び%は、特に記載がない限
り重量による。
【0018】(実施例1)菜種油 100gに、ポリリジン
5g及び庶糖ステアリン酸エステル5gを均一に混合し
て本発明のポリリジン分散菜種油保存剤を調製した。他
方、市販のスパゲッティ(乾燥麺の太さ:1.8 mm)を
沸騰水中で茹でたのち、表面の水分を軽く切った茹で麺
100gに上記保存剤3gを添加し、よく掻き混ぜて保存
剤を麺の全表面にまぶした。このように処理したスパゲ
ッティの茹で麺 100gを30℃の恒温槽に保存して、24時
間後及び48時間後の麺1g中の生菌数をそれぞれ測定し
た。その結果、調製直後,24時間後及び48時間後の生菌
数は、それぞれ0個/g,0個/g及び3×102 個/g
であった。これに対し、保存剤を全く適用しない茹で麺
の調製直後,24時間後及び48時間後の生菌数は、それぞ
れ 0.5×10個/g,9×104 個/g及び108 個/g以上
であった。なお、生菌数の測定は、標準寒天混釈法に準
じて行った。
【0019】(比較例1及び2)菜種油50gにテトラグ
リセリン縮合リシノレ−ト5gを加温溶解し、これにポ
リリジン5gを水40gに溶解した液を加えて、ホモミキ
サ−(特殊機化工業社製のTKホモミキサ−MK−II)
により5000rpmの回転速度で10分間撹拌し、乳化型保
存剤を調製した(比較例1)。また、ポリリジン5gを
水95gに溶解して水溶液型保存剤を調製した(比較例
2)。このように調製した保存剤のそれぞれ3gを実施
例1と同様に、それぞれ別個の茹で麺 100gに加えてよ
く混ぜ、保存剤を麺の全表面に均一に被覆した。それら
を30℃の恒温槽に保存し、保存直前,保存24時間後及び
48時間後の生菌数を測定した。それぞれの生菌数(個/
g)を下掲(表1)に示す。なお、比較を容易にするた
めに、(表1)には、前記実施例1の結果を併記した。
表1より、本発明の食品保存剤が麺類に対して優れた抗
菌性を有し、食品保存剤として、特に、日配品などの食
品類に対する大幅な日持ち向上効果が得られることが理
解されよう。
【0020】 (表1)生菌数(個/g) 調製直後 24時間後 48時間後 比較例 1 0.5×10 3.4×10 > 108 比較例 2 0×10 0×10 1.4×105 実施例 1 0×10 0×10 3×102
【0021】(実施例2,比較例3及び比較例4)お米
800gを水で研ぎ、1.4 倍の加水条件で、常法に従って
ガス釜により炊飯した。得られた炊飯米各 100gに、下
掲(表2)に記載の混合組成物からなるプロタミン10%
含有保存剤をそれぞれ10g添加し、よく掻き混ぜて全表
面に保存剤被覆を形成させた。次いで、これを30℃の恒
温槽中に2日間保存し、調製直後,24時間後及び48時間
後のそれぞれの生菌数を測定した。各試料の保存時間ご
とに測定された生菌数(個/g)は、下掲(表3)の通
りである。なお、表3には、コントロ−ルとして行った
保存剤を添加しないものについて同様に操作,保存し
て、生菌数を測定した結果を併記した。表3より、本発
明の食品保存剤は、炊飯加工食品に対して、同じ量のプ
ロタミンを含有する乳化型保存剤及び水溶液型保存剤に
比べて顕著に優れた保存効果を有することが明確に理解
される。
【0022】 (表2)組成物成分(部) 成 分 実施例2 比較例3(乳化型) 比較例4(水溶液型) 菜 種 油 100 50 − プロタミン 10 10 10 PGPR 1 5 − 水 − 45 100 なお、上記表中のPGPRは、テトラグリセリン縮合リ
シノレ−トを表す。
【0023】 (表3)生菌数(個/g) 調製直後 24時間後 48時間後 無添加 1×10 4.6×104 > 107 実施例 2 0×10 2×10 3×103 比較例 3 1×10 5.3×102 > 107 比較例 4 1×10 8.2×102 1.4×106
【0024】(実施例3,4,比較例5〜8)実施例2
で作製した前記(表2)に記載のプロタミン保存剤のそ
れぞれを用いて、市販の冷凍チャ−ハンに同様に適用し
た。保存剤は、冷凍チャ−ハン各 100gにそれぞれ10g
(プロタミン量約1%)を添加したもの及び各3g(同
約0.3%)を添加したものについて、30℃の恒温槽中に
2日間保存して、保存24時間後及び48時間後のそれぞれ
の生菌数を測定した。それらの測定結果を無添加のもの
の結果と共に、下掲(表4)にまとめて示した。
【0025】 (表4)生菌数(個/g) プロタミン量(%) 24時間後 48時間後 無添加 − >107 実施例 3 0.3 1.7×105 1.1×106 実施例 4 1 3.2×103 5.5×104 比較例 5 0.3 2.5×106 > 107 比較例 6 1 4.5×105 > 107 比較例 7 0.3 3.4×106 > 107 比較例 8 1 2.1×105 > 107
【0026】(実施例5及び6,比較例9〜及び12)
薄力粉 100重量部,食塩2重量部及び水30重量部を配
合して調製した生うどんを沸騰水中で約5分間茹でた。
これとは別に、玉葱 100g,ピ−マン30g,ソ−セ−ジ
100g,キャベツ 100g,にんじん30g,食塩3g及び
ソ−ス20gをそれぞれ適当な大きさに刻み、フライパン
で炒めて適量の塩,こしょうで味付けしたものに、前記
茹うどん 500gを加え、更に炒めて焼きうどんを作っ
た。他方、抗菌剤組成物含有保存剤として、下掲(表
5)に示す3種を調製した。
【0027】 (表5)組成物成分(部) 成 分 本発明保存剤 乳化型保存剤 水溶液型保存剤 グリシン 10 10 10 無水酢酸Na 10 10 10 植物油(米油) 75 30 − DGHB 5 5 − 水 − 45 80 なお、上記DGHBは、デカグリセリンヘプタベヘネ−
トである。
【0028】前記焼きうどん 100gに上記抗菌剤組成物
2gを添加混合した3つの試料及び焼きうどん100 gに
抗菌剤組成物4gを添加混合した3つの試料を作り、そ
れぞれをポリエチレン製袋に入れ、30℃で保存した。保
存24時間後及び48時間後のそれぞれの試料の生菌数を測
定した。これらの結果を下掲(表6)にまとめて示し
た。なお、表中には、無添加のものについての結果、及
び本発明の保存剤についての保存72時間後の結果を併記
した。表6において、実施例5及び6は表5中の本発明
の保存剤、比較例9と10は乳化型保存剤及び比較例1
1と12は水溶液型保存剤を使用したものである。
【0029】 (表6)生菌数(個/g) 保存剤添加量(部) 24時間後 48時間後 72時間後 無添加 − 6.3×106 > 107 実施例5 2 4.7×102 3.0×105 1.0×106 実施例6 4 5.6×10 6.1×104 6.9×106 比較例9 2 7.9×104 7.2×106 比較例10 4 6.4×103 4.3×106 比較例11 2 3.1×104 7.7×106 比較例12 4 2.4×103 3.8×106
【0030】
【発明の効果】上記具体例の結果から明らかなように、
本発明の食品用保存剤は、加工食品、特に、焼飯,チキ
ンライスその他の米飯加工品、スパゲッティ,焼そば,
焼うどん,焼米粉等の非汁麺系加工食品類等の日配品や
ソ−セ−ジ,ハム,その他の肉類や魚類の加工食品に適
用して、従来の食品保存剤に比べて顕著に高められた日
持ち向上効果、すなわち、優れた食品保存効果が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B021 LP09 LW01 LW09 MC01 MK20 MK21 MK22 MK23 MP01 MP02 MQ04 4B023 LC08 LE12 LE22 LK04 LK05 LK09 LK10 LL05 LP10 LP15 4B046 LA02 LA06 LB04 LC09 LG09 LG11 LG19 LG20 LP55 LP59

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食用油脂に、該油脂 100重量部当たり1〜
    100 重量部の範囲内の油脂不溶性の抗菌性物質を均一に
    含有せしめて成る食品用保存剤。
  2. 【請求項2】食用油脂に、該油脂 100重量部当たり1〜
    100 重量部の範囲内の油脂不溶性の抗菌性物質を均一に
    含有する食品用保存剤を、食品 100重量部当たり0.2 〜
    10重量部の範囲内の量を食品に適用して、食品表面を被
    覆することを特徴とする食品の保存方法。
JP2000315465A 2000-10-16 2000-10-16 食品用保存剤 Expired - Fee Related JP3632755B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000315465A JP3632755B2 (ja) 2000-10-16 2000-10-16 食品用保存剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000315465A JP3632755B2 (ja) 2000-10-16 2000-10-16 食品用保存剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002119266A true JP2002119266A (ja) 2002-04-23
JP3632755B2 JP3632755B2 (ja) 2005-03-23

Family

ID=18794568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000315465A Expired - Fee Related JP3632755B2 (ja) 2000-10-16 2000-10-16 食品用保存剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3632755B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017212887A (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 株式会社ウエノフードテクノ 食品用粉末状日持ち向上剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017212887A (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 株式会社ウエノフードテクノ 食品用粉末状日持ち向上剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP3632755B2 (ja) 2005-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4212276B2 (ja) 油脂組成物
WO2009013757A1 (en) Composition for protecting oils and fat
WO2016132752A1 (ja) 麺用品質改良剤
JP5693930B2 (ja) 抗菌剤組成物
JPH02163197A (ja) 天然トコフェロール含有o/w型乳化物の製造方法
JP4439330B2 (ja) 水溶性油脂調製物、その製造方法および利用
WO2021125324A1 (ja) 静菌効果を有する食用油脂組成物
WO2019073811A1 (ja) 食品用油脂感増強剤、及びそれを含有する食品
JP3632755B2 (ja) 食品用保存剤
JP4657230B2 (ja) 麺皮用油脂組成物
JP5325051B2 (ja) 炊飯用油脂組成物及びこれを用いて得られる炒飯並びに炒飯の製造方法
JP5505813B2 (ja) ビタミン製剤
JPH11228838A (ja) 乳化油脂組成物
JP5061294B2 (ja) ビタミン製剤
KR20170002390A (ko) 김용 유지조성물 및 김 도포용 유지 및 한국풍 조미김의 제조방법
JP2002199851A (ja) 麺類改質剤、及びこれを用いた麺類の製造方法
JP4671919B2 (ja) 麺皮用油脂組成物
JP4094241B2 (ja) 麺類の製造法
JPH11123056A (ja) 炊飯用乳化剤組成物、及びこれを用いた炊飯方法
JPH08173074A (ja) フライ食品用バッター液
JPH1084895A (ja) 麺帯用水中油滴型乳化油脂組成物とその用途
JP7285743B2 (ja) 酸性乳化液状調味料
JP2008148597A (ja) 炒めごはん用調理素材
JP7321737B2 (ja) 濃縮調味料組成物
JPH01202278A (ja) 食品用品質保持剤

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040430

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080107

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100107

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100107

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110107

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120107

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120107

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130107

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees