JP2002116649A - 外部加熱型融着ローラを備えたトナー融着ステーション - Google Patents

外部加熱型融着ローラを備えたトナー融着ステーション

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JP2002116649A
JP2002116649A JP2001223560A JP2001223560A JP2002116649A JP 2002116649 A JP2002116649 A JP 2002116649A JP 2001223560 A JP2001223560 A JP 2001223560A JP 2001223560 A JP2001223560 A JP 2001223560A JP 2002116649 A JP2002116649 A JP 2002116649A
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roller
layer
fusing
soft
base cushion
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English (en)
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Jiann-Hsing Chen
ジャン・スィング・チェン
Arun Chowdry
アラン・チョウドリー
James E Mathers
ジェイムズ・イー・メイザーズ
John W May
ジョン・ダブリュ・メイ
Borden H Mills
ボーデン・エイチ・ミルズ
Alan R Priebe
アラン・アール・プリーブ
Kenneth D Stack
ケネス・ディ・スタック
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2053Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オーバードライブ誘起像欠陥を形成する傾向
を有していないような、外部加熱型のソフトなトナー融
着ローラの提供。 【解決手段】 静電写真装置の融着ステーション100
において使用するための変形可能なローラ20であっ
て、融着ステーションに、融着ローラ20と圧力ローラ
30とが設けられている場合において、変形可能なロー
ラ20が、コア部材21と;ソフトなベースクッション
層22と;硬化層23と;ソフトリリース層24と;を
具備してなり、融着ステーションが、融着ローラのため
の加熱ローラ40,42(外部熱源)を備え、融着ロー
ラ20をなす少なくとも1つの層が、熱耐性を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大まかには、静電
的像形成に関するものであり、特に、静電的像形成にお
いて使用される融着ステーションやローラに関するもの
である。より詳細には、本発明は、カラー像形成におい
て有効な融着ステーションに関するものであって、外部
加熱型のソフトなトナー融着ローラおよびソフトな圧力
ローラ内に、硬化層が設けられている。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】電子
写真式複写といったような静電写真像形成記録プロセス
においては、静電潜像が、感光性表面といったような一
次像形成部材上に形成され、熱可塑性トナー粉末によっ
て現像されて、トナー像が形成される。その後、トナー
像は、例えば紙シートやプラスチックシートといったよ
うな受取部材上に転写される。その後、トナー像は、融
着ステーションにおいて、熱や圧力を使用してあるいは
熱と圧力との双方を使用して、受取部材上に融着(定
着)される。融着部材は、ローラや、ベルトや、受取部
材に対しての熱可塑性粉末の固定に適した形状とされた
任意の表面とすることができる。ローラ融着器における
融着ステップにおいては、通常、着色された受取部材
を、融着ニップとして公知の接触圧力領域を形成するよ
うにして互いに係合している一対のローラ間を通過させ
る。ニップを形成するためには、両ローラの少なくとも
一方のローラは、典型的には、表面上にソフトな層すな
わち緩衝層を備えている。熱は、ニップ内において少な
くとも一方のローラからトナーへと伝達され、トナーの
部分的溶融を引き起こし、受取部材に対して定着(固
着)させる。融着部材が加熱ローラである場合には、典
型的には、円滑面を有した弾性層が、ローラのコアに対
して直接的にまたは間接的に取り付けられて使用され
る。融着部材がベルトの形態である場合には、例えば加
熱ローラの周囲に巻回されたフレキシブルな無端ベルト
といったようなベルトの形態である場合には、典型的に
は、円滑な硬化された外層が設けられる。
【0003】片面型融着器として公知であるような大部
分のローラ式融着器は、一度に受取部材の片面にしかト
ナーを固着できない。このタイプの融着器においては、
未融着トナーに対して接触するローラは、通常、融着ロ
ーラとして知られており、通常は加熱される。受取部材
の反対側の面に対して当接するローラは、圧力ローラと
して知られており、通常は加熱されない。一方または双
方のローラは、面上にまたは面近傍にソフトな層を有す
ることができる。融着ローラと係合圧力ローラとを備え
ている大部分の融着ステーションにおいては、両ローラ
のうちの一方のローラだけが、外部駆動源によって回転
駆動されることが通常である。その場合、他方のローラ
は、摩擦接触によって駆動される。
【0004】少数派ではあるものの従来技術において知
られている両面型融着ステーションにおいては、融着ニ
ップを受取部材が通過する際に受取部材の両面に対して
同時に2つのトナー像の融着が行われる。このような両
面型融着ステーションにおいては、両ローラが熱の印加
および圧力の印加という点において互いに同様の機能を
果たしており、融着ローラと圧力ローラとの間には、実
質的な違いはない。
【0005】片面型加熱ローラ式融着器の2つの基本タ
イプが、開発された。第1のものは、例えば Xerox社に
よって製作された Docutech 135 において使用されてい
るように、硬質の融着ローラに対して融着ニップを形成
するために、変形可能な圧力ローラを使用している。第
2のものは、例えば Heidelberg Digital LLC 社によっ
て製作された Digimaster 9110において使用されている
ように、硬質のすなわち比較的非変形性の圧力ローラに
対して融着ニップを形成するために、変形可能な融着ロ
ーラを使用している。ここではソフトなものとして表現
される融着ローラは、典型的には、約2mmよりも厚い
ような場合によっては25mmを超えるような変形可能
層を備えている。また、ここでは硬質のものとして表現
される融着ローラは、典型的には、剛直な円筒体を備え
ている。この剛直な円筒体は、典型的には約1.25m
m厚さよりも薄いような、比較的薄いポリマーすなわち
変形可能な弾性コーティングを有することができる。硬
質圧力ローラと協働して使用される融着ローラは、加熱
融着ローラからの受取部材の易剥離性をもたらすという
傾向がある。なぜなら、ニップ内における変形面の歪み
形状が、比較的非変形性の圧力ローラに向けて受取部材
を曲げ、ずっと変形性のある融着ローラから受取部材を
離間させる傾向があるからである。
【0006】従来のトナー融着ローラは、典型的には、
典型的には弾性体製のポリマー材料を含有している1つ
または複数の合成層でもってコーティングされた、多く
の場合アルミニウム等の金属から形成される円筒形コア
部材を有している。
【0007】最も一般的なタイプの融着ローラは、内部
加熱型の融着ローラである。つまり、融着のための熱源
が、ローラの内部に設けられている。このような融着ロ
ーラは、通常、中空コアを備えており、この中空コアの
内部に、通常はランプの形態とされる熱源が配置され
る。コアの周囲には、弾性体層が設けられ、この弾性体
層を通して、コアから表面へと熱が伝達される。弾性体
層は、典型的には、熱伝導率を向上させるためのフィラ
ーを含有している。表面近傍が内部加熱されるタイプの
他の融着ローラは、Lee 氏他による米国特許明細書第
4,791,275号に記載されている。この文献は、
2つのポリイミド Kapton (登録商標)シート(DuPont
社および Nemours 社によって市販されている)と、こ
れら2つのシート間に介装されたフレキシブルな抵抗加
熱部材と、を具備してなる融着ローラを開示している。
ポリイミドシートは、コア部材に対して接着されたソフ
トなポリイミド発泡体層を取り囲んでいる。J.H.DuBois
氏および F.W.John氏編集のPlastics, 5th Edition, V
an Nostrand and Rheinhold, 1974 という文献によれ
ば、ポリイミドは、室温においては、ほとんど硬質であ
り、およそ3.5GPa〜5.5GPa(1GPa=1
ギガパスカル=109N/m2)というヤング率を有して
いる。しかしながら、ポリイミドシートのヤング率は、
少なくとも232℃(450°F)という、ローラの融
着動作時に推定される高温においては、かなり小さなも
のとなることが予想される。
【0008】例えば Eastman Kodak 社によって市販さ
れている Image Source 120 型コピー機においては、外
部加熱型融着ローラが使用されている。このタイプのロ
ーラは、融着ローラと1つまたは複数の加熱ローラとの
間の面接触によって加熱が行われる。外部加熱型融着ロ
ーラの例は、O'Leary 氏の名前で発行された米国特許明
細書第5,450,183号や、Derimiggio氏他の名前
で発行された米国特許明細書第4,984,027号に
も、開示されている。
【0009】変形可能な融着ローラは、例えば実質的に
非圧縮性の弾性体すなわち0.5に近いポアソン比を有
した弾性体といったような任意の有効な材料からなる、
変形可能な層を備えることができる。従来技術において
は、ポリ(ジメチルシロキサン)弾性体を有した実質的
に非圧縮性の変形可能な層が開示されている。これに代
えて、変形可能な層は、0.5よりもずっと小さなポア
ソン比を有した比較的圧縮可能な発泡体を備えることが
できる。変形可能なポリイミド製発泡体層は、Lee 氏に
よる米国特許明細書第4,791,275号に開示され
ている。また、リソグラフィープリントブランケット
は、Goosen氏他による米国特許明細書第3,983,2
87号に開示されており、円滑な表面を有した閉塞気泡
型発泡体を生成するためにかなり多数の砕けやすい剛直
壁の微小バブルが機械的に破砕されて含有されているよ
うな変形可能層が、例示されている。
【0010】融着時には、受取部材が、熱の大部分を持
ち去る。受取部材の幅が融着ローラ幅よりも狭い幅とさ
れていることにより、場所ごとに異なった状況で熱が持
ち去される。これにより、融着ローラの表面において
は、融着ローラ軸に対して平行な方向に沿って、高温領
域と低温領域とが形成される。高温または低温は、ロー
ラ式融着器内における過度のトナーオフセットを引き起
こし得る。しかしながら、融着ローラ内に高熱伝導性層
が設けられていてこの高熱伝導性層によって場所ごとの
熱の差が融着ローラの軸方向に沿って伝搬され得るよう
になっている場合には、場所ごとの熱の差による影響を
低減することができる。
【0011】内部加熱型融着ローラの表面に対してのコ
アからの熱伝達を改良することにより、コアの温度、お
よび、コアに対して取り付けられる取付ハードウェアや
ベアリングの温度が、低減される。同様に、外部加熱型
融着ローラの表面に対しての外部加熱ローラからの熱伝
達を改良することにより、外部加熱型融着ローラの温
度、および、外部加熱型融着ローラに対して取り付けら
れる取付ハードウェアやベアリングの温度が、低減され
る。
【0012】片面型融着ステーションの融着ローラと圧
力ローラとが互いに押圧された場合に、変形可能層が撓
むことによって融着ニップが形成されたときには、変形
可能層の厚さは、ニップ内において減少する。変形可能
層が実質的に非圧縮性である場合には、変形可能層のう
ちの融着ニップ内に位置した部分の平均速度は、変形可
能層のうちのニップから十分に離間した部分よりも、大
きいものでなければならない。その理由は、弾性体の体
積流速がローラの周囲において一定であるからである。
これにより、ニップ内部における変形可能ローラの表面
速度は、ニップ以外の領域における表面速度よりも速く
なる。例えば、変形可能なローラが、比較的非変形性の
圧力ローラを摩擦的に駆動している状況においては、圧
力ローラは、融着ローラが非変形性である場合よりも速
く回転することとなる。この現象は、『オーバードライ
ブ』として知られている。オーバードライブは、ニップ
から離間した領域における周縁速度に対しての周縁速度
の比として、定量的に表現することができる。
【0013】融着ニップ内に配置されている実質的に非
圧縮性の弾性体は、変形可能層が、融着ニップの両側近
傍において特別の厚さとなる。すなわち、ニップ前領域
およびニップ後領域において膨張箇所を形成することと
なる。この場合にも、弾性体が非圧縮性であることによ
り、膨張箇所内における変形可能層の平均速度は、ニッ
プ以外の領域における部分の速度よりも遅くなる。ニッ
プ内における最大圧力は、ニップの中央(当接面と、両
ローラの中心どうしを結ぶ仮想線と、の交点)に現れ
る。一方のローラが他方のローラを駆動していることに
より、両ローラのそれぞれの表面速度は、ニップの中央
における最大圧力ポイントにおいては、ほぼ等しいべき
である。これらを勘案すれば、一般に、ニップをなす接
触領域内に両ローラの表面速度どうしが相違している箇
所があること、すなわち、スリップが存在していること
が、理解されるであろう。このようなスリップは、ニッ
プの実質的に直前箇所および直後箇所において発生し得
るものであって、ローラ寿命を短縮してしまうような摩
耗の原因となる。
【0014】オーバードライブの存在から派生する、融
着にとっての潜在的で深刻な問題は、『オーバードライ
ブ微分係数』である。オーバードライブ微分係数は、例
えば、融着ニップを形成する両ローラの取付誤差や、ロ
ーラのランアウトによって引き起こされる。ランアウト
は、例えば、ローラの長さ方向における層厚さの擾乱
や、コア部材の寸法誤差や、ローラ軸のズレ、等といっ
たような多くの原因によって発生する。局所的な実効速
度比がニップの長さ方向において時間的に変動しこれに
より被駆動ローラの一部が平均速度よりも遅くなり同時
に被駆動ローラの他の部分が平均速度よりも速くなると
いう点において、オーバードライブ微分係数が、融着ニ
ップの長さ方向における局所的なスリップの変動を引き
起こし得ることは、明らかである。オーバードライブ微
分係数は、像が拡大されてしまうという欠陥や受取部材
の皺形成といったようなものも含めた融着にとっての深
刻な事態を引き起こしてしまう。
【0015】すべてのローラは、表面摩耗を受ける。特
に、受取部材のエッジが接触する部分において、表面摩
耗を受ける。両ローラ間のスリップに基づく相対移動が
摩耗を増大させることにより、比較的非変形性のローラ
との間に形成された融着ニップ内に進入する際のまたそ
のニップを通過する際のさらにそのニップから出る際の
変形可能ローラの表面速度の変動は、融着ローラが典型
的にはニップ内において比較的粗面であって摩耗を引き
起こしやすい紙表面と接触することを考え合わせると、
変形可能ローラの摩耗速度を増大させる。特に、変形可
能ローラが加熱型融着ローラである場合には、変形可能
ローラの摩耗速度を増大させる。さらに、変形可能ロー
ラをなす材料が、融着ニップを通るたびごとに延伸と緩
和とを繰り返すことにより、エージング疲労や摩耗が起
こることとなり、変形可能材料の分離やクラック発生さ
らには剥離といったような事態につながる。
【0016】電子写真式コピー機/プリンタにおいて高
品質の像品質を得るためには、像欠陥を最小化する必要
がある。1つのタイプの欠陥は、融着ニップ内において
の、像をなすドットのにじみや他の小スケール像特性に
よって引き起こされる。オーバードライブに基づく相対
移動およびその結果としての融着ニップ内における両ロ
ーラ間のスリップは、軟化したトナー粒子を、移動方向
に平行な方向に、にじませることとなり、例えばドット
を引き伸ばしてしまうこととなる。
【0017】いくつかのローラ式融着器においては、融
着ローラからトナーを剥離し得るためのよって受取部材
を剥離し得るための、低粘性オイルのフィルム分離を行
っている。融着ニップ内における相対移動は、オイルフ
ィルムを分裂させ得るものであり、不利である。
【0018】トナー融着ローラは、通常、多くの場合金
属製とされる中空の円筒形コアを備えている。機械的強
度や熱伝導性を改良するためのフィラー粒子を含有する
ことができる弾性的なベースクッション層が、コアの表
面上に形成される。コアは、有利には、弾性層に対して
の接着性を改良するためのコーティング剤でもってコー
ティングすることができる。ローラのクッション層は、
通常、シリコーンゴムや例えばポリ(ジメチルシロキサ
ン)(PDMS)ポリマーといったようなシリコーンポ
リマーから形成される。これら材料は、表面エネルギー
が小さく、ローラに対してのトナーの接着性を最小化す
る。
【0019】多くの場合、例えばポリ(ジメチルシロキ
サン)から構成されるリリースオイルが、ローラに対し
てトナーがくっつくことを防止するために、融着ローラ
の表面に対して印加される。そのようなリリースオイル
(通常、融着オイルと称される)は、繰返し使用された
ときには、弾性層内のPDMSと相互作用を起こすこと
ができ、これにより、時として、ローラの膨潤や軟化や
劣化を引き起こすことがある。リリースオイルによって
引き起こされるこのような欠点を回避するために、例え
ば硬化ポリフルオロカーボン製とされる薄いバリア層
を、クッション層上に形成することができる。
【0020】小さなトナー粒子が使用され、つまり、ト
ナー粒子の直径が約10μm未満であるような小さなト
ナー粒子が使用され、しかも、例えば紙といったように
円滑な受取部材が使用された場合には、電子写真法を使
用して、高品質の多色トナー像を形成することができ
る。多色トナー像を形成するための典型的な方法は、減
法混色の原色による3色合成である。そのような合成に
おいては、互いに異なる個別色を表している複数の静電
像を逐次的に感光性部材(光伝導性部材)上に形成し、
各個別色像を、互いに異なる個別色のトナーでもって現
像する。典型的には、複数の個別色は、減法混色の3原
色(シアン、マゼンダ、イエロー)と付加的にはブラッ
クとのそれぞれに対応している。各個別色のための複数
の静電像は、像内の各色に対応した色分離を行うための
フィルタを使用して、感光性部材上に順次的に形成する
ことができる。各色ごとの現像を行った後に、現像済み
各色像は、他の色のトナー像に対しての見当合わせを行
いつつ、感光性部材から逐次的に転写用中間部材へと、
転写することができる。その後、すべての各色トナー像
を、転写用中間部材から受取部材へと、1ステップで転
写することができる。転写されたすべての各色トナー像
は、受取部材上において定着されすなわち融着され、こ
れにより、恒久的な多色像が形成される。これに代え
て、Herrick 氏他による米国特許明細書第6,016,
415号において知られているような、一連のタンデム
モジュールを備えた電子写真装置を使用することができ
る。この場合、各色像が、4個の個別色モジュールの各
々内において形成され、搬送ウェブ上に支持させて受取
部材を移動させる際に、受取部材に対して見当合わせ状
態で転写される。
【0021】ハロゲン化銀技術を使用して形成された写
真品質に拮抗するためには、多色トナー像が大いなる光
沢を有していることが望ましい。この目的のために、融
着ステーションにおいてトナー粒子に接触する溶融部材
が大いなる円滑さを有していることが望ましい。
【0022】受取部材に対してのトナー像の融着におい
ては、変形可能ローラのうちの、受取シートが融着ニッ
プを通過する際に受取シートのトナー付帯面に対して接
触する接触領域は、圧力ローラによって印加される圧力
の程度と、弾性クッション層の特性と、によって決定さ
れる。接触領域の広がりは、トナー像の所定部分が融着
ローラに対して接触して融着ローラによって加熱される
接触加熱時間の確立を補助する。
【0023】融着モジュールは、M.E.Beard 氏他による
米国特許明細書第6,016,409号に開示されてお
り、この場合の融着モジュールは、融着モジュールに対
して恒久的に関連づけられた電気読取可能なメモリを備
えている。これにより、プリント装置の制御システム
は、設置時に、電気読取可能なメモリからコードを読み
取ることができ、例えば最大ウェブ使用回数や電圧定格
や温度定格やサーミスタ校正パラメータといったような
モジュール制御パラメータを得ることができる。
【0024】融着における周知の課題は、紙受取シート
が、湿度による膨潤の結果として、完全な矩形とはなら
ないことがあることである。製造後に、紙シートは、典
型的には、積層され、湿度制御環境下において調整され
る。この時点で、湿気は、シートのエッジを通して紙内
へと部分的に侵入する。電子写真装置において使用され
る典型的な市販の紙においては、長尺紙ファイバの長手
方向に平行な向きに沿う方向において、湿気の侵入が速
く起こる。典型的な215.9mm×279.4mm
(8.5インチ×11インチ)の紙シートは、279.
4mm(11インチ)の方向に対して実質的に平行な向
きとされた長尺紙ファイバを有しており、そのため、湿
気は、215.9mm(8.5インチ)のエッジへと優
先的に侵入する。このため、215.9mm(8.5イ
ンチ)のエッジが膨張し、そのため、215.9mm
(8.5インチ)のエッジが、シートの中心を通って
(279.4mm(11インチ)の方向に平行に)測っ
たときの紙の幅よりも、約1%〜2%長いものとなる。
215.9mm(8.5インチ)のエッジを供給方向と
平行としてすなわちローラ軸に対して垂直な向きとし
て、紙シートを融着ニップ内に供給することは、通常の
技術事項である。したがって、修正手段が設けられなけ
れば、シートの中央部が融着ニップを通過するよりも、
湿潤した215.9mm(8.5インチ)のエッジが融
着ニップを通過する方が、長い時間がかかる。このた
め、深刻な紙の皺形成や引き伸ばし像欠陥が起こること
となる。この問題に対する修正をもたらすために、ロー
ラの中央部の外径よりもローラ両端における外径の方が
大きくなるように弾性コーティングの厚さを漸次的に変
化させることによって得られる軸方向変化プロファイル
でもって、弾性コーティング済み融着ローラを製造する
ことが公知である。弾性によって誘起されるオーバード
ライブが、係合強度の増加につれて増大する限りにおい
て、ローラ両端近傍における大きな係合強度は、ニップ
を通過する際の紙の表面速度を局所的に速くする。これ
により、湿気に基づく紙の膨潤が補償され、紙のすべて
の部分に関して、ニップを通過する時間が実質的に同じ
となる。また、周知なように、少なくとも一方のローラ
が弾性コーティングを有している場合に2つのローラの
間に形成された圧力ニップは、通常、ローラの長さ方向
に沿う軸方向に測ったときに、一様な圧力分布を有して
はいない。というよりは、ローラの両端に圧縮力が印加
されることにより、例えばローラの軸体に圧縮力が印加
されることにより、両ローラは、わずかに外方に曲がる
傾向がある。このため、ローラの長さ方向中央部より
も、ローラの両端近傍において、より大きな圧力が形成
される。このことは、また、ローラの両端において、よ
り大きなオーバードライブを形成する傾向がある。しか
しながら、ローラの曲がりに基づく付加的なオーバード
ライブの量は、通常、湿気によって誘起された紙の膨潤
を補償するには不十分なものであり、そのため、上述の
ような軸方向において弾性コーティングの厚さに所定プ
ロファイルを与えるという技術が、多用される。
【0025】上述したように、PDMSクッション層
は、例えば金属や金属酸化物や金属水酸化物や金属塩や
これらの混合物といったような向き粒子状材料も含めた
フィラーを含有することができる。例えば、米国特許明
細書第5,292,606号には、粒状酸化亜鉛と、酸
化亜鉛−酸化アルミニウム混合物と、を備えたなるフィ
ラーを含有した、融着ローラのベースクッション層が開
示されている。この文献の開示内容は、参考のためここ
に組み込まれる。同様に、米国特許明細書第5,33
6,539号には、酸化ニッケル粒子が分散されてい
る、融着ローラのクッション層が開示されている。この
文献の開示内容は、参考のためここに組み込まれる。ま
た、米国特許明細書第5,480,724号には、酸化
スズ粒子が20〜40容量%でもって分散されたベース
クッション層が開示されている。この文献の開示内容
は、参考のためここに組み込まれる。
【0026】フィラー粒子は、また、バリア層内にも含
有させることができる。例えばChen氏他による米国特許
明細書第5,464,698号には、シリコーンゴム製
のクッション層と硬化フルオロカーボンポリマー製の被
覆層とを備えてなるトナー融着部材であって、被覆層内
に、酸化スズを有した粒状混合体を備えてなるフィラー
が分散されているトナー融着部材が開示されている。こ
の文献の開示内容は、参考のためここに組み込まれる。
【0027】他の従来技術においては、各層内に粒状フ
ィラーが含有されている互いに同中心をなす3つの層を
備えた、改良された融着ローラが開示されている。この
場合の3つの層とは、凝集硬化されたPDMSを備えて
なるベースクッション層と、このベースクッション層を
カバーするとともに硬化フルオロカーボンポリマーを備
えてなるバリア層と、追加硬化されたPDMSを備えた
外表面層と、である。ここで、各層内の粒状フィラー
は、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化
マグネシウム、酸化スズ、および、酸化亜鉛の中の1つ
またはいくつかとされる。Viton (登録商標)弾性体
(DuPont社により販売されている)あるいはFluorel
(登録商標)弾性体(Minnesota Mining and Manufactu
ring社により販売されている)とすることができるバリ
ア層は、典型的には約10MPaよりも小さなヤング率
を有しているといったように比較的小さなヤング率を有
した材料であり、そのため、オーバードライブも含めた
ローラの機械的特性に対しての影響は、無視することが
できる。
【0028】Vrotacoe氏他による米国特許明細書第5,
553,541号には、オフセット型プリント装置内に
おいて使用するためのプリントブランケットが開示され
ている。このプリントブランケットは、圧縮可能な微小
球を有した継ぎ目無しのチューブ状弾性層と、これを被
覆する周状に非延伸性の材料からなる継ぎ目無しチュー
ブ状層と、この層上に設けられた継ぎ目無しチューブ状
プリント層と、を備えて構成されている。非延伸性層を
設けることによって、受取シート上にインク像をプリン
トする際の、ローラのニップ前領域およびニップ後領域
における膨張箇所が、低減されまたは除去され、これに
より、従来技術における膨張箇所の形成に関連したスリ
ップによって引き起こされるインクのにじみが低減され
または除去されて、像品質が改良される、として説明さ
れている。
【0029】像品質を改良するためには、また、摩耗や
経時劣化を低減させて融着ステーション内におけるソフ
トローラの寿命を延ばすためには、静電写真装置内にお
いて使用される外部加熱型ソフト融着ローラまたはソフ
ト圧力ローラは、非変形性ローラに対してのまたは他の
ソフトローラに対しての融着ニップを形成した係合時に
オーバードライブを示す傾向を抑制することまたはなく
すことが要望されている。また、ローラの撓みに対して
融着の一様さが影響を受けにくいよう改良されたローラ
が要望されている。特に、比較的非変形性の圧力ローラ
と協働して使用されている時に拡大や縮小といったよう
なオーバードライブ誘起像欠陥を形成する傾向を有して
いないような、外部加熱型のソフトなトナー融着ローラ
が要望されている。さらに、受取部材における、湿気に
よって誘起された非一様膨潤を補償し得るよう、そのよ
うなオーバードライブ制御型の融着ローラが、軸方向に
おいて場所ごとに相違するようなオーバードライブ微分
係数をもたらし得ることが要望されている。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記要求を満たすため
に、本発明は、外部加熱型の融着ローラを使用している
静電写真装置の融着ステーションの改良をもたらす。本
発明による融着ステーションにおけるローラは、薄くか
つフレキシブルな硬化層を有している。融着ステーショ
ンは、変形可能なすなわちソフトな、多層ローラを備え
ている。この多層ローラは、ローラの表面においてまた
は表面近傍に高ヤング率の硬化層と、好ましくは実質的
に非圧縮性のブランケット層と、を備えている。多層ロ
ーラは、外部加熱型の融着ローラとすることも、また、
圧力ローラとすることもできる。融着ニップ内のソフト
ローラの表面延伸を低減させるまたは防止することによ
り、硬化層は、オーバードライブの発生傾向を劇的に低
減させ、これにより、像品質の改良をもたらす。オーバ
ードライブが低減されることにより、本発明によるロー
ラは、硬化層を有していない従来ローラと比較して、摩
耗速度がずっと遅く、動作寿命が長い。さらに、本発明
によるソフトローラ内に導入された硬化層は、例えばコ
ア部材の製造時に発生するあるタイプのランアウトとい
ったような、下層内に存在するある種の不規則性を遮蔽
し得るという改良された機能をもたらす。これにより、
製造上の許容誤差を緩和することができて、コストが低
減される。また、本発明によるソフトローラ内に導入さ
れた硬化層は、ローラの撓みに対して融着一様性が影響
されにくいという改良された特性も、もたらす。
【0031】好ましくは、本発明による外部加熱型融着
ローラの硬化層は、ローラの表面温度を一様として融着
一様性をもたらし得るよう良好な熱伝導性を有した薄い
高ヤング率材料から形成されている。本発明による改良
された融着ステーションは、硬化層を有した外部加熱型
のソフトな融着ローラと、硬化層を有したソフトな圧力
ローラと、を備えることができる。あるいは、硬化層を
有した外部加熱型のソフトな融着ローラと、硬質の圧力
ローラと、を備えることができる。また、硬質の外部加
熱型融着ローラと、硬化層を有したソフトな圧力ローラ
と、を備えることもできる。硬化層を有した多層ローラ
は、片面型融着ステーションにおいても両面型融着ステ
ーションにおいても、使用することができる。両面型ス
テーションにおいては、融着ニップを形成する双方のロ
ーラが、外部加熱型とされ、硬化層を有することができ
る。
【0032】本発明においては、静電写真装置の融着ス
テーションにおいて使用するための変形可能なローラで
あって、融着ステーションには、受取部材上にトナー像
を融着するための圧力ローラと融着ローラとが設けら
れ、融着ローラが、回転軸回りに複数の層を有して構成
されている場合において、変形可能なローラが、剛直な
円筒形対称型コア部材と;このコア部材上に形成された
ソフトなベースクッション層と;このベースクッション
層を取り囲むとともにベースクッション層に対して緊密
接触した硬化層と;この硬化層上にコーティングされた
ソフトリリース層と;を具備してなり、融着ステーショ
ンが、融着ローラのための外部熱源を備え、融着ローラ
をなす複数の層のうちの少なくとも1つの層が、熱耐性
を有しているようなローラが提供される。
【0033】本発明のさらなる見地においては、静電写
真装置内の融着ステーションであって、回転可能な外部
加熱型ソフト融着ローラと、融着ニップを形成するよう
にしてソフト融着ローラと係合し、逆向きに回転可能な
硬質圧力ローラと、を具備してなり、この場合、ソフト
融着ローラが、コア部材と;このコア部材を取り囲むベ
ースクッション層と;このベースクッション層に対して
緊密接触する硬化層と;この硬化層を取り囲む外側ソフ
ト層と;を備えてなり、硬化層が、0.1GPa〜50
0GPaという範囲のヤング率と、500μm未満の厚
さと、を有しているような融着ステーションが提供され
る。
【0034】本発明の他の見地においては、静電写真装
置内の融着ステーションであって、回転可能な外部加熱
型ソフト融着ローラと;融着ニップを形成するようにし
てソフト融着ローラと係合し、逆向きに回転可能なソフ
ト圧力ローラと;を具備してなり、ソフト融着ローラ
が、剛直な円筒形コア部材と;このコア部材を取り囲む
ベースクッション層と;このベースクッション層に対し
て緊密接触する硬化層であり、0.1GPa〜500G
Paという範囲のヤング率と、500μm未満の厚さ
と、を有している硬化層と;この硬化層を取り囲む外側
ソフトリリース層と;を備え、ソフト圧力ローラが、剛
直な円筒形コア部材と;このコア部材を取り囲むベース
クッション層と;このベースクッション層に対して緊密
接触する硬化層であり、0.1GPa〜500GPaと
いう範囲のヤング率と、500μm未満の厚さと、を有
している硬化層と;該硬化層を取り囲む付加的外側ソフ
ト層とを備えているような、融着ステーションが提供さ
れる。
【0035】本発明のさらに他の見地においては、静電
写真装置内の融着ステーションであって、回転可能なソ
フト圧力ローラと;融着ニップを形成するようにしてソ
フト圧力ローラと係合し、逆向きに回転可能な外部加熱
型硬質融着ローラと;を具備してなり、ソフト圧力ロー
ラが、剛直な円筒形コア部材と;このコア部材を取り囲
むベースクッション層と;このベースクッション層に対
して緊密接触する硬化層であり、0.1GPa〜500
GPaという範囲のヤング率と、500μm未満の厚さ
と、を有している硬化層と;この硬化層を取り囲む外側
ソフト層と;を備えているような、融着ステーションが
提供される。
【0036】本発明のなおも他の見地においては、静電
写真装置内の融着ステーションであって、回転可能な第
1融着ローラと;融着用圧力ニップを形成するようにし
て第1融着ローラと係合し、逆向きに回転可能な第2融
着ローラと;を具備してなり、第1および第2融着ロー
ラの一方または双方が、剛直な円筒形コア部材と;この
コア部材を取り囲むベースクッション層と;このベース
クッション層に対して緊密接触する硬化層であり、0.
1GPa〜500GPaという範囲のヤング率と、50
0μm未満の厚さと、を有している硬化層と;この硬化
層を取り囲む外側ソフトリリース層と;を備え、第1お
よび第2融着ローラの一方または双方が、外部熱源によ
って加熱されるものとされているような、融着ステーシ
ョンが提供される。
【0037】本発明によるまた別の見地においては、ソ
フト融着ローラと硬質圧力ローラとが使用されるタイプ
の融着ステーションを備えてなる静電写真装置において
使用するためのトナー融着方法であって、外部熱源を有
した回転可能なソフト融着ローラと逆向きに回転可能な
硬質圧力ローラとを係合させることによって融着ニップ
を形成するとともに、一方のローラを駆動することによ
って、他方のローラを、融着ニップ内における圧力接触
により摩擦的に駆動し;受取シートの表面上に未定着ト
ナー像を形成し;受取シートの前端をニップ内に供給
し、未定着トナー像が融着ローラを向く向きとして、受
取シート上の未定着トナーを、融着ニップ内を通過させ
るという方法が提供され、この場合、ソフトさと、融着
ローラの硬化層と、を組み合わせることによって、融着
ローラの摩耗速度が遅くなり、融着ステーションによっ
て融着されるトナー像の品質が改良される。
【0038】本発明によるさらに他の見地においては、
請求項1記載のソフトローラの製造方法であって、コア
部材上にベースクッション層を一様にコーティングする
ことによって、コア部材上にベースクッション層を形成
し;円筒形マンドレルを準備して、このマンドレル上
に、継ぎ目無し金属チューブの形態とされた硬化層を取
り付け;この際、マンドレル上に硬化層を取り付ける前
の時点における金属チューブの内径を、コア部材上に形
成されたベースクッション層の外径よりも小さなものと
し;硬化層上に、ソフトリリース層を一様にコーティン
グし;コア部材上に形成されたベースクッション層上に
わたって、ソフトリリース層が既にコーティングされて
いる硬化層を、ベースクッション層上の適切な位置にま
でスライドさせ、これにより、完成品の融着ローラを形
成し;この際、ソフトリリース層が既にコーティングさ
れている硬化層の内径を、コア部材上に形成されたベー
スクッション層の外径よりも、スライド時に一時的に大
きくすることにより、スライドを実行するという方法が
提供される。ラは、硬質ローラとされる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下の本発明の好ましい実施形態
の詳細な説明においては、添付図面を参照する。これら
図面のいくつかにおいては、いくつかの部材の図示が省
略されているとともに、様々な構成部材の相対関係が図
示されている。装置の向きを変更できることは、理解さ
れたい。理解を明瞭とするために、図面上における相対
比率は、いくつかの部材においては、実際の比率よりも
誇張して図示されている。
【0040】本発明による融着ステーションは、上述し
たような多くのタイプの典型的な静電写真式複写装置に
おいて、好適に使用することができる。
【0041】そのような複写装置が周知のものであるこ
とにより、ここでは、特に、本発明の主題をなす部材に
ついて、また、本発明の主題に直接的に関連する部材に
ついて、説明することとする。
【0042】本発明は、まだ定着されていないトナー像
を、例えば紙といったような受取部材に対して熱的に融
着するための融着ステーションを使用した静電写真式複
写装置に関するものである。融着ステーションは、好ま
しくは、融着ニップを形成するようにして互いに係合す
る2つのローラを備えている。その場合、受取部材がニ
ップ内を摩擦的に駆動される際に、外部加熱型の融着ロ
ーラが、未定着のトナー像に対して直接的に接触する。
外部加熱型ローラは、好ましくは融着ローラに接触する
1つまたは複数の加熱ローラとされた、熱源によって加
熱される。これに代えて、熱源は、例えば1つまたは複
数のランプによってもたらされる放射といったような、
融着ローラによって吸収される外部放射とすることがで
きる。あるいは、他の任意の適切な外部熱源とすること
ができる。受取部材は、カットシートとすることも、連
続ウェブとすることも、できる。未定着のトナー像は、
単色トナー像とすることも、例えばブラックトナーとシ
アントナーとマゼンダトナーとイエロートナーとからな
るフルカラー複合像といったような2つ以上の単色トナ
ー像からなる複合像とすることも、できる。未定着のト
ナー像は、一次像形成部材や転写用中間部材といったよ
うなトナー像付帯部材から受取部材へと、例えば静電的
といったようにして、前もって転写されたものである。
静電写真式複写装置は、感光性電子写真式一次像形成部
材を使用することも、非感光性の電子写真式一次像形成
部材を使用することも、できる。特に、ドライトナーや
液体トナーを使用することができる。
【0043】本発明における片面型融着ステーション
は、いくつかの実施形態とすることができる。融着ステ
ーションの最も好ましい実施形態においては、硬化層を
有した外部加熱型のソフト融着ローラと、硬質圧力ロー
ラと、が係合することによって、融着ニップが形成され
る。この好ましい実施形態においては、融着ニップ内に
おける変形可能融着ローラの歪み形状が、融着ローラか
らの受取部材の剥離を補助し、受取部材が融着ニップか
ら導出される際に硬質圧力ローラに向けて受取部材を案
内する傾向がある。他の2つの好ましい実施形態におい
ては、硬質の外部加熱型融着ローラと、硬化層を有した
ソフトな圧力ローラとが、融着ニップを形成するように
して係合したり、また、硬化層を有したソフトな外部加
熱型融着ローラと、硬化層を有したソフトな圧力ローラ
とが、融着ニップを形成するようにして係合したり、す
る。本発明による片面型融着ステーションは、受取部材
の片面に対して未定着のトナー像を融着させるために使
用することができる。この受取部材は、反対側の面上
に、既に融着されたトナー像を備えるものであっても良
い。
【0044】本発明における両面型融着ステーションの
好ましい実施形態においては、硬化層を有したソフトな
外部加熱型第1融着ローラと、硬化層を有したソフトな
外部加熱型第2融着ローラとが、融着ニップを形成する
ようにして互いに係合する。両面型融着ステーション
は、受取部材の両面に位置した2つの未定着トナー像を
同時に融着させる。
【0045】他の実施形態においては、融着ステーショ
ンのローラの硬化層には、硬さの軸方向変化が設けられ
る。すなわち、ローラの回転に対する接線方向に対して
平行に硬さを測ったときに、ローラ軸に対して平行に硬
さに変化が設けられる。硬化層の硬さは、ローラの長さ
方向中央部において最も大きくかつローラの両端近傍に
おいて最も小さいことが好ましい。
【0046】さらなる実施形態においては、融着ステー
ションのローラには、ローラの長さ方向に沿って様々な
深さ位置に配置された硬化層が設けられる。ローラの両
端近傍において硬化層が最も深い位置に配置されおりか
つローラの実質的に長さ方向中央部において硬化層が最
も浅く配置されているような融着ローラが好ましい。
【0047】さらに他の実施形態においては、硬化層を
有している、融着ステーションのローラは、ローラ軸に
対して平行な方向に沿って場所によって相違する外径を
有している。好ましくは、融着ローラの外径は、ローラ
の両端近傍において最大値をとりかつローラの実質的に
長さ方向中央部において最小値をとる。
【0048】さらなる実施形態においては、外部加熱型
融着ローラが、受取部材に対してのトナー像の融着のた
めに融着ローラが使用されたときに融着ローラ軸に対し
て平行に測った場合に受取部材の長さよりも短いような
硬化層を、備えている。
【0049】すべての実施形態において、本発明による
ローラは、好ましくは対称な円筒形とされている。すな
わち、ローラの長さ方向に沿った任意箇所においてロー
ラ軸に対して直角に切り取ったときのローラの横断面
が、ローラ軸の周囲において径方向に対称とされてい
る。
【0050】好ましい実施形態には明確に記載していな
いけれども、外部設置型のものであるかあるいは内部設
置型のものであるかを問わず、融着のための付加的な補
助熱源を、本発明による融着ステーション内に設置され
るすべてのローラに対して付加することができること
は、理解されるであろう。
【0051】添付図面を参照すると、図1には、本発明
による片面型融着ステーションの最も好ましい実施形態
が、符号(100)によって示されている。矢印(A)
の向きに回転する融着ローラ(20)は、回転軸回りに
配置された複数の層を備えている。これら複数の層は、
円筒形コア(21)と、このコア上に形成された比較的
厚いソフトベースクッション層(22)と、このベース
クッション層(22)を取り囲むとともにこのベースク
ッション層(22)に対して緊密接触された継ぎ目無し
の硬化層(23)と、この硬化層上にコーティングされ
たソフトな外側リリース層すなわち外側ソフト層(2
4)と、である。(『リリース層』および『外側ソフト
層』という用語は、同義のものとして使用され、同じ内
容を意味している。)ローラ(20)の表面は、接触型
の逆回転円筒形加熱ローラ(40,42)の形態とされ
た熱源によって外部から加熱される。加熱ローラ(4
0,42)は、それぞれ矢印(B,B’)で示す向きに
回転し、それぞれ内部熱源(41,43)を有してい
る。矢印(A’)で示すように逆向きに回転する硬質圧
力ローラ(30)は、ソフトな融着ローラ(20)と係
合して、融着ニップ(120)を形成している。融着ロ
ーラ(20)を向く面上に未定着トナー像(111)を
付帯(担持)している受取シート(110)が、ニップ
(120)に近づきつつある状況で、図示されている。
受取シートは、一対のローラや移動ウェブといったよう
な周知の機械的搬送手段(図示せず)を使用することに
よって、ニップ内へと供給される。融着ステーションに
おいては、好ましくは、1つのローラが駆動ローラとさ
れていて、他のローラは、従動ローラとされ、駆動ロー
ラとの接触によって摩擦的に回転駆動される。例えば、
駆動ローラをローラ(20)として、他のローラ(3
0,40,42)を被駆動ローラとすることができる。
【0052】融着ローラ(20)の回転軸回りに配置さ
れた複数の層のうちの少なくとも1つの層は、熱耐性を
有している。好ましくは、ベースクッション層(22)
が、熱耐性を有している。この場合の熱耐性を有した層
は、約0.6928J/m/℃/sec(約0.4BT
U/hr/ft/°F)以下という熱伝導性を有した層
のことである。
【0053】図1には、2つの加熱ローラ(40,4
2)が図示されているけれども、1つまたは複数の加熱
ローラを使用することができる。加熱ローラは、好まし
くはアルミニウムといったような任意の適切な熱伝導性
の剛直な材料から形成され、好ましくは、表面上に、お
よそ1.25mmよりも薄い厚さの、例えばフッ素化弾
性体またはシリコーンゴムから形成されたような、熱的
に安定なかつ表面エネルギーの小さい薄いポリマーコー
ティングを備えることができる(図1には図示されてい
ない)。チューブ状加熱ローラが好ましい。加熱ローラ
の内部の加熱部材は、例えばランプ(41,43)とい
ったような、中心軸上に配置されたチューブ状白熱加熱
ランプとすることができる。あるいは、抵抗加熱を行う
電気抵抗フィラメントや、他の適切な内部熱源とするこ
とができる。好ましくは、熱源は、例えば観測のための
熱電対を使用することによって、フィードバック制御す
ることができる。これにより、ランプ(41,43)の
温度制御のためのプログラム可能な電圧源(図示せず)
を使用することによって、溶融ローラ(20)の表面温
度の制御が可能とされる。
【0054】圧力ローラ(30)は、コア部材(31)
と、このコア部材上にコーティングされた付加的な表面
層(32)と、を備えている。コア部材は、例えばアル
ミニウムといったような任意の適切な剛直な材料から形
成することができ、好ましくは、円筒形チューブとされ
る。付加的な表面層(32)は、およそ1.25mmよ
りも薄い厚さであることが好ましく、好ましくは、例え
ばPDMS等のシリコーンゴムやあるいはViton (登録
商標)弾性体(DuPont社により販売されている)や Flu
orel(登録商標)弾性体(Minnesota Mining and Manuf
acturing社により販売されている)等のフッ素化弾性体
といったような、熱的に安定なかつ好ましくは表面エネ
ルギーの小さなソフトな材料であることが好ましい。こ
れに代えて、表面層(32)は、比較的硬質のポリ(テ
トラフルオロエチレン)や他の適切なポリマーコーティ
ングとすることができる。表面層(32)が付加されて
いない裸のコア部材は、例えば、陽極酸化したアルミニ
ウムや銅とすることができる。
【0055】融着ローラ(20)は、好ましくは、例え
ばアルミニウムといったような任意の適切な材料から形
成されている円筒形チューブの形態とされた剛直なコア
部材(21)を備えている。コア部材(21)は、例え
ばストラット(棒状の構造用部材)等の内部補強部材や
他の内部補強構造(図示せず)を備えることができる。
コア部材(21)上には、比較的厚いソフトなベースク
ッション層(basecushion layer,BCL)(22)がコ
ーティングされている。コアとBCLとの間の接着性を
高めるために、薄いプライマー層(図1には図示されて
いない)を、使用することができ、このプライマー層
は、例えば、空気乾燥された GE 4044プライミング剤
(General Electric社により市販されている)から形成
することができる。薄い硬化層(23)が、BCLを取
り囲むとともにBCLに緊密接触している。緊密接触と
は、バブルやボイドが実質的に存在しない界面を有する
ものとして定義され、接着も非接着のものも含む。硬化
層(stiffening layer, SL)上には、比較的薄いリリ
ース層すなわち外側ソフト層(outer compliantlayer,
OCL)(24)がコーティングされている。BCL
(22)とOCL(24)とは、同一のまたは互いに異
なるソフト材料から形成することができる。
【0056】ベースクッション層(22)は、熱的に安
定な任意の適切な弾性材料とすることができ、例えば、
単一相弾性材料や、あるいは、例えば閉塞気泡型発泡体
といったような相材料のような、2つ以上の相を有する
材料とすることができる。あるいは、弾性体内に分散さ
れた粒状フィラーが第2相をなしているような材料とす
ることもできる。BCL(22)は、Viton (登録商
標)(DuPont社により販売されている)あるいは Fluor
el(登録商標)弾性体(Minnesota Mining andManufact
uring 社により販売されている)といったようなフッ素
化弾性体とすることができる。これに代えて、BCL
(22)は、ゴムとすることができる。例えば、エチレ
ンプロピレンジエンモノマーから形成されるEPDMゴ
ムとすることができ、好ましくは酸化鉄といったような
粒状フィラーを添加することもできる。また、BCL
(22)は、酸化クロム(III) フィラーを含有してい
る追加硬化されたシリコーンゴムとすることができる。
しかしながら、BCLを、酸化アルミニウムや酸化鉄や
酸化カルシウムや酸化マグネシウムや酸化ニッケルや酸
化スズや酸化亜鉛やこれらの混合物といったようなフィ
ラーを含有した凝集硬化されたポリ(ジメチルシロキサ
ン)とすることが好ましい。フィラーは、好ましくは、
0.1μm〜100μmという平均直径を有する粒子で
あってベースクッション層の3〜30容量%を占めるも
のとされる。より好ましくは、0.5μm〜40μmと
いう平均直径を有する粒子であってベースクッション層
の5〜20容量%を占めるものとされる。好ましい実施
形態においては、フィラーは、酸化亜鉛粒子とされる。
ベースクッション層(22)の厚さは、好ましくは0.
25mm〜25mmとされ、より好ましくはおよそ1.
25mm〜12.5mmとされる。BCL(22)の径
方向における熱伝導率は、好ましくは約0.6928J
/m/℃/sec(約0.4BTU/hr/ft/°
F)以下とされ、より好ましくは、0.1732〜0.
5196J/m/℃/sec(0.1〜0.3BTU/
hr/ft/°F)の範囲とされる。BCL(22)の
ポアソン比は、好ましくは0.2〜0.5とされ、より
好ましくは0.45〜0.5という範囲とされる。加え
て、BCLのヤング率は、好ましくは、0.05MPa
〜10MPaという範囲とされ、より好ましくは、0.
1MPa〜1MPaという範囲とされる。
【0057】硬化層(23)は、金属や弾性体やプラス
チックや織布材料や織物やコードやメッシュや、あるい
は、例えば補強されたシリコーンゴムベルトといったよ
うな補強材料といったような、任意の適切な材料から形
成することができる。コードとは、ローラの周囲に巻回
された、任意の適切な材料からなる連続ストランドまた
はその一部として定義される。ここで、ローラの単位長
さあたりの巻数は、体系的に(所定規則に従って)変化
させることができる。これに代えて、コードは、任意の
適切な材料からなる個々のリングやループとすることが
できる。その場合、各ループは、ローラ軸と同中心的な
ものとされ、ローラの長さに沿って軸方向に測ったとき
の単位長さあたりのループ数は、体系的に(所定規則に
従って)変化させることができる。融着オイルとの高温
での接触がベースクッション層に対して有害でありベー
スクッション層の使用寿命を縮めてしまうことが公知で
あることから、融着オイルの侵入に関して非浸透性であ
るような材料が好ましい。SLは、良好な熱伝導性を有
していることが好ましい。これにより、ローラの表面近
傍における温度変動の低減が補助され、よって、融着の
一様性および像品質が改良される。硬化層(23)は、
BCL(22)に対して接着することができる。SL
(23)は、好ましくは、適切なフレキシブルな高ヤン
グ率の金属またはメッキ金属とされる。例えば銅や金や
スチールやより好ましくはニッケルや他の適切な金属か
らなるグループの中から選択された金属とすることがで
きる。SLは、ゾルゲルやクリーム状体(ceramer)
や、あるいは、例えばポリウレタンやポリイミドやポリ
アミドやフッ素化ポリマーといったような弾性体とする
こともでき、融着ローラの動作時に超えることがないよ
うな、曲げ強度を有している。硬化層は、好ましくは、
継ぎ目無し無端ベルトの形態とされる。また、硬化層
は、ベースクッション層の周囲に巻回されその後継ぎ目
を形成することによって円滑に結合されることにより無
端ベルトの形態とされるシートとすることもできる。継
ぎ目は、接着剤や溶接によって形成することができる。
硬化層の厚さは、好ましくは、500μm未満であり、
より好ましくは、75μm〜250μmである。SL
(23)のヤング率は、好ましくは、0.1GPa〜5
00GPaであり、より好ましくは、10GPa〜35
0GPaである。
【0058】融着ローラ(20)の外側ソフト層(OC
L)すなわちソフトリリース層(24)は、好ましく
は、大いに円滑な最外表面を有している。OCL(2
4)は、摩耗に対して大きな耐性を有していることが好
ましく、例えばシリコーンゴムやフッ素化弾性体といっ
たような好ましくは低表面エネルギーの任意の適切な弾
性材料とすることができる。OCL(24)は、例えば
PDMSとすることができ、好ましくは、シリカフィラ
ーおよびチタニアフィラーを有した追加硬化されたポリ
(ジメチルシロキサン)弾性体とすることができる。O
CLは、2.5mm/secという速度で移動する横方
向チーゼルスタイラスを備えた FederalSurfanalyzer 4
000 Profilometer を使用して381mm(15イン
チ)長さのローラ上において測定したときに、約10μ
mよりも小さいような表面粗さ(Ra)を有している。
リリース層(24)は、適切な円滑さをもたらすもので
あり、Dow Corning 社から入手可能な Silastic (登録
商標)E RTV シリコーンゴムとすることができる。リリ
ース層の組成およびコーティング方法は、Chen氏他によ
る共通して割り当てられた米国特許予備出願第08/8
79,896号に記載されている。ソフトリリース層の
厚さは、好ましくは、1mm未満とされ、より好ましく
は25μm〜250μmとされる。OCL(24)の熱
伝導率は、好ましくは、0.3463〜0.8660J
/m/℃/sec(0.2〜0.5BTU/hr/ft
/°F)の範囲とされる。OCLのヤング率は、好まし
くは0.05MPa〜10MPaとされ、より好ましく
は0.1MPa〜1MPaとされる。OCLのポアソン
比は、好ましくは0.4〜0.5とされ、より好ましく
は0.45〜0.5という範囲とされる。ソフトリリー
ス層(24)は、さらに、酸化アルミニウムや酸化鉄や
酸化カルシウムや酸化マグネシウムや酸化ニッケルや酸
化スズや酸化亜鉛や酸化銅や酸化チタンや酸化シリコン
やグラファイトやこれらの混合物とすることができる好
ましくは酸化亜鉛とすることができる粒状フィラーを含
有している。粒状フィラーは、好ましくはトナーリリー
ス層の5〜50容量%を占めるものとされ、より好まし
くはトナーリリース層の10〜35容量%を占めるもの
とされる。好ましくは、フィラーは、OCL(24)の
熱伝導性を良好なものとすることを補助する。これによ
り、融着ローラ(20)の表面近傍における温度変動が
低減され、融着の一様性と像品質とが改良される。
【0059】選択された硬化層(23)が融着オイルに
関して不浸透性でない場合には、付加的な薄いバリア層
(図1には図示されていない)を、OCL(24)の直
下において硬化層上にコーティングすることができる。
バリア層は、好ましくは、フッ素化ポリマーと、20〜
40容量%の粒状フィラーと、を備えている。フッ素化
ポリマーは、好ましくは、フッ化ビニリデンとテトラフ
ルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの中から
選択されたモノマーユニットの混合体から形成されるラ
ンダムコポリマーとされる。フィラーは、酸化アルミニ
ウムや酸化鉄や酸化カルシウムや酸化マグネシウムや酸
化ニッケルや酸化スズやこれらの混合物とすることがで
きる。好ましくは、付加的なバリア層の厚さは、およそ
10μm〜50μmとされる。例えば織布材料や織物と
いったような半開放構造を硬化層が備えている場合に
は、硬化層上にコーティングされるバリア層は、より厚
いものとすることができる。
【0060】継ぎ目無し無端ベルトの形態とされた硬化
層(23)を備えた好ましい融着ローラ(20)は、好
ましくは、3ステップでもって製造される。第1ステッ
プにおいては、コア部材(21)が、ベースクッション
層(22)でもって一様にコーティングされる。第2ス
テップにおいては、継ぎ目無し金属チューブの形態とさ
れたSL(23)が、好ましくは米国ノースカロライナ
州 Charlotte所在のStork Screens America 社から入手
可能なニッケル製電気鋳造ベルトの形態とされたSL
(23)が、マンドレル上に取り付けられ、リリース層
(24)によって一様にコーティングされる。この時点
での電気鋳造ベルトの内径は、コア上のBCLの外径よ
りもわずかに小さいものとされる。典型的には、約30
0μmほど小さいものとされる。第3ステップにおいて
は、OCL(24)によってコーティングされた電気鋳
造ベルトが、コア上のBCL(22)の上にわたってス
ライドされる。これにより、ソフトローラ(20)が完
成する。第3ステップを行うには、OCLによってコー
ティングされた電気鋳造ベルトの内径が、コア部材(2
1)上にコーティングされているベースクッション層
(22)の外径よりも、一時的に大きいものとされる。
例えば、コアとベースクッション層とからなるアセンブ
リを低温へと冷却してこのアセンブリを収縮させ、これ
により、より高温とされているOCLコーティング済み
電気鋳造ベルトを、所定位置にまでスライドさせること
ができる。組み立てられたローラが室温にまで戻された
ときには、硬化層は、力がかかった状態で保持されてお
り、BCLをしっかりとかつ一様に把持している。これ
に代えて、第3ステップを、従来技術において周知の圧
縮空気補助技術を使用して、行うことができる。この方
法では、圧縮空気を使用することによって、OCLコー
ティング済み電気鋳造チューブをわずかに弾性的に拡径
させ、このチューブを所定位置にまでスライド可能とす
る。スライドを補助するために、BCLの外面上にまた
はSLベルトの内面上に、潤滑剤を付加することができ
る。潤滑剤は、低表面エネルギーのスライド界面をもた
らすものであり、例えばシリカ等やステアリン酸亜鉛や
他の適切な材料からなるサブミクロン粒子といったよう
な材料とすることができる。コーティング済みSL(2
3)がベースクッション層(22)上の適正位置にうま
く配置された後には、圧縮空気が解除され、拡径してい
たSLは、緩和されて、ベースクッション層をしっかり
と把持するようになる。第3ステップ後において最終位
置とされたSL(23)は、好ましくは、BCL(2
2)に対して非接着式に緊密接触しているけれども、B
CL表面に接着性コーティングを付与してSLとBCL
とを接着させることもできる。
【0061】本発明による片面型融着ステーションの第
2の好ましい実施形態が、図2において符号(200)
によって示されている。この融着ステーション(20
0)は、外部加熱型の硬質融着ローラ(60)と、硬化
層を有したソフトな圧力ローラ(50)と、を備えてい
る。ローラ(60)は、内部白熱ランプ(41’,4
3’)といったような熱源を有している1つまたは複数
の加熱ローラ(40’,42’)と接触することによっ
て、加熱される。ここで、記号プライム(’)は、ロー
ラ特性が、上述の加熱ローラ(40,42)の性質と類
似していることを示している。未定着トナー像(21
1)を付帯(担持)している受取シート(210)が、
係合している両ローラ(50,60)によって形成され
た融着ニップ(220)に近づきつつある状況で、図示
されている。
【0062】融着ローラ(60)は、コア部材(61)
と、このコア部材上にコーティングされた付加的な表面
層(62)と、を備えている。コア部材は、例えばアル
ミニウムといったような任意の適切な剛直材料から形成
することができ、好ましくは、円筒形チューブの形態と
される。付加的表面層(62)は、1.25mmよりも
薄い厚さであることが好ましく、熱的に安定な、好まし
くは低表面エネルギー性の、ソフトな材料すなわち変形
可能な材料から形成することが好ましい。例えば、例え
ばPDMSといったようなシリコーンゴムや、あるい
は、Viton (登録商標)弾性体(DuPont社により販売さ
れている)や Fluorel(登録商標)弾性体(Minnesota
Mining and Manufacturing社により販売されている)等
のフッ素化弾性体から形成することができる。これに代
えて、層(62)は、比較的硬質のポリ(テトラフルオ
ロエチレン)や他の適切なポリマーコーティングとする
ことができる。
【0063】ソフトな圧力ローラ(50)は、好ましく
はアルミニウム製とされる剛直な円筒形コア部材(5
1)と、このコア部材上にコーティングされたソフトな
ベースクッション層(52)と、このベースクッション
層(52)を取り囲むとともにこのベースクッション層
(52)に対して緊密接触され、好ましくは継ぎ目無し
無端ベルトの形態とされた硬化層(53)と、付加的な
外側ソフト層(54)と、を備えている。ベースクッシ
ョン層(52)は、例えばフッ素化弾性体やEDPMゴ
ムやPDMSや他の適切な材料といったような熱的に安
定な任意の適切な弾性材料とすることができ、好ましく
は、0.25mm〜25mmの厚さとされる。BCL
(52)のヤング率は、好ましくは、0.05MPa〜
10MPaという範囲とされる。BCLは、粒状フィラ
ーや発泡体を含有することができる。ベースクッション
層(52)のポアソン比は、好ましくは0.2〜0.5
とされ、より好ましくは0.45〜0.5という範囲と
される。BCLとOCLとは、互いに同じソフト材料か
ら形成することも、また、互いに異なるソフト材料から
形成することもできる。
【0064】硬化層(53)は、薄くかつフレキシブル
な好ましくは高ヤング率の材料から形成され、図1にお
ける上記の硬化層(23)と同様の特性を有している。
好ましくは、硬化層は、継ぎ目無しのベルトとされ、ニ
ッケル製とされる。
【0065】付加的な外側ソフト層(54)は、例えば
PDMSやフッ素化ポリマーといったような弾性体とさ
れ、好ましくは、500μm未満とされる。付加的な外
側ソフト層(54)のヤング率は、好ましくは0.05
MPa〜10MPaとされ、ポアソン比は、好ましくは
0.4〜0.5とされ、より好ましくは0.45〜0.
5という範囲とされる。
【0066】継ぎ目無し無端ベルトの形態とされた硬化
層を備えた好ましい圧力ローラ(50)は、好ましく
は、3ステップでもって製造される。第1ステップにお
いては、コア部材(51)が、ベースクッション層(5
2)でもって一様にコーティングされる。第2ステップ
においては、継ぎ目無し金属チューブの形態とされたS
L(53)が、好ましくは米国ノースカロライナ州 Cha
rlotte所在の StorkScreens America 社から入手可能な
ニッケル製電気鋳造ベルトの形態とされたSL(53)
が、マンドレル上に取り付けられ、リリース層(54)
によって一様にコーティングされる。この時点での電気
鋳造ベルトの内径は、コア(51)上のBCL(52)
の外径よりもわずかに小さいものとされる。典型的に
は、約300μmほど小さいものとされる。第3ステッ
プにおいては、OCL(54)によってコーティングさ
れた電気鋳造ベルトが、コア上のBCL(52)の上に
わたってスライドされる。これにより、ソフトローラ
(50)が完成する。第3ステップを行うには、OCL
によってコーティングされた電気鋳造ベルトの内径が、
コア部材(51)上にコーティングされているベースク
ッション層(52)の外径よりも、一時的に大きいもの
とされる。例えば、コアとベースクッション層とからな
るアセンブリを低温へと冷却してこのアセンブリを収縮
させ、これにより、より高温とされているOCLコーテ
ィング済み電気鋳造ベルトを、所定位置にまでスライド
させることができる。組み立てられたローラが室温にま
で戻されたときには、硬化層は、力がかかった状態で保
持されており、BCLをしっかりとかつ一様に把持して
いる。これに代えて、第3ステップを、従来技術におい
て周知の圧縮空気補助技術を使用して、行うことができ
る。この方法では、圧縮空気を使用することによって、
OCLコーティング済み電気鋳造チューブをわずかに弾
性的に拡径させ、このチューブを所定位置にまでスライ
ドさせる。スライドを補助するために、BCLの外面上
にまたはSLベルトの内面上に、潤滑剤を付加すること
ができる。潤滑剤は、低表面エネルギーのスライド界面
をもたらし得るものであり、例えばシリカ等やステアリ
ン酸亜鉛や他の適切な材料からなるサブミクロン粒子と
いったような材料とすることができる。コーティング済
みSLがベースクッション層上の適正位置にうまく配置
された後には、圧縮空気が解除され、拡径していたSL
は、緩和されて、ベースクッション層をしっかりと把持
するようになる。第3ステップ後において最終位置とさ
れたSLは、好ましくは、BCLに対して非接着式に緊
密接触しているけれども、BCL表面に接着性コーティ
ングを付与してSLとBCLとを接着させることもでき
る。
【0067】本発明による片面型融着ステーションの第
3の好ましい実施形態が、図3において符号(300)
によって示されている。図3においては、図1および図
2におけるものと同様の部材には、プライム(’)およ
びダブルプライム(”)を付加した符号が付されてい
る。プライム付きのおよびダブルプライム付きの符号で
示された部材の材質および物理的特性は、プライム無し
の符号で示された部材に関して上述したものと定性的に
かつ定量的に同一である。この融着ステーション(30
0)は、好ましくは継ぎ目無しベルトの形態とされた硬
化層を有したソフトな外部加熱型融着ローラ(20’)
と、好ましくは継ぎ目無しベルトの形態とされた硬化層
を有したソフトな圧力ローラ(50’)と、を備えてい
る。融着ローラ(20’)は、外部熱源によって加熱さ
れる。例えば、内部白熱ランプ(41”,43”)とい
ったような熱源を有している1つまたは複数の加熱ロー
ラ(40”,42”)と接触することによって、加熱さ
れる。未定着トナー像(311)を付帯(担持)してい
る受取シート(310)が、係合している両ローラ(2
0’,50’)によって形成された融着ニップ(32
0)に近づきつつある状況で、図示されている。融着ロ
ーラ(20’)は、回転軸回りに配置された複数の層を
備えている。これら複数の層は、剛直な円筒形コア(2
1’)と、このコア上に形成されたベースクッション層
(22’)と、このBCL(22’)を取り囲むととも
にこのBCLに対して緊密接触された硬化層(23’)
と、このSL(23’)上にコーティングされたリリー
ス層(24’)と、である。圧力ローラ(50’)は、
剛直な円筒形コア(51’)と、このコア上に形成され
たベースクッション層(52’)と、このベースクッシ
ョン層(BCL)を取り囲むとともにこのBCLに対し
て緊密接触された硬化層(53’)と、この硬化層(S
L)上にコーティングされた外側ソフト層(54’)
と、を備えている。ローラ(20’,50’)の各々に
おいて、ベースクッション層と外側ソフト層とは、同一
のまたは互いに異なるソフト材料から形成することがで
きる。
【0068】本発明による両面型融着ステーションの好
ましい実施形態が、図4において符号(400)によっ
て示されている。第1融着ローラ(20”)は、回転軸
回りに配置された複数の層を備えている。これら複数の
層は、剛直な円筒形コア(21”)と、このコア上に形
成されたベースクッション層(22”)と、このBCL
(22”)を取り囲むとともにこのBCLに対して緊密
接触された硬化層(23”)と、このSL(23”)上
にコーティングされたリリース層(24”)と、であ
る。ダブルプライム付きの符号によって示された部材
は、図1においてプライム無しの符号によって示された
部材と同様の部材を示しており、そのような部材の材質
および物理的特性は、プライム無しの符号で示された部
材に関して上述したものと定性的にかつ定量的に同一で
ある。逆向きに回転する第2融着ローラ(70)は、第
1融着ローラ(20”)と係合することによって、融着
ニップ(420)を形成している。第2融着ローラ(7
0)は、第1融着ローラと同じ構成を有している。すな
わち、回転軸回りに配置された複数の層を備えている。
これら複数の層は、剛直な円筒形コア(71)と、この
コア上に形成されたベースクッション層(72)と、こ
のBCL(72)を取り囲むとともにこのBCLに対し
て緊密接触された硬化層(73)と、このSL(73)
上にコーティングされたリリース層(74)と、を備え
ている。第2融着ローラ(70)は、片面型融着ステー
ションの第1実施形態の融着ローラ(20)(図1)に
関して上述したものと同じ材質で同じ物理的パラメータ
かつ同じ材料パラメータである限りにおいては、第1融
着ローラと同様に機能する。しかしながら、2つの融着
ローラ(20”,70)は、例えばローラ直径や層厚さ
等といったような特定の寸法において互いに相違するこ
とができ、また、特定の材質の選択や特定の材料特性の
選択においても互いに相違することができる。特に、各
ローラにおけるBCLとOCLとは、互いに同じソフト
材料から形成することも、また、互いに異なるソフト材
料から形成することもできる。融着ローラの各々は、外
部熱源によって加熱される。例えば、内部白熱ランプ
(13,15,17,19)といったような熱源を有し
ている、融着ローラ(20”)のための1つまたは複数
の加熱ローラ(12,14)や融着ローラ(70)のた
めの1つまたは複数の加熱ローラ(16,18)と接触
することによって、加熱される。受取シート(410)
が、融着ニップ(420)に近づきつつある状況で、図
示されている。受取部材(411)の各面には、それぞ
れ未定着トナー像(411,412)が保持されてい
る。
【0069】本発明による片面型および両面型融着ステ
ーションの上記好ましい実施形態においては、ソフトな
融着ローラやソフトな圧力ローラにおいて硬化層を使用
していることにより、オーバードライブの発生傾向を低
減することができ、これにより、従来ローラと比較し
て、摩耗速度がずっと遅い。特に、紙等の比較的硬質の
摩耗性受取部材と接触する融着ローラの摩耗速度がずっ
と遅い。また、融着時の像のにじみも低減され、像品質
が向上する。
【0070】層厚さやヤング率やポアソン比等に関して
の本発明によるローラの好ましいパラメータ範囲の規定
を補助するために、コンピュータおよび有限要素法を使
用して、硬化層を有したソフトなローラと硬質ローラと
が係合した場合の融着ニップの模擬計算を行った。計算
結果は、例えば、硬化層のヤング率の有効最小値が、8
0,000MPaよりもずっと小さいであろうことを示
した。したがって、好ましい金属製硬化層に加えて、高
ヤング率の非金属材料も有効である。
【0071】以下のいくつかの実施形態においては、特
に本発明による融着ローラにおいては、ローラの長さ方
向に沿って硬さが変化するような硬化層を設けることが
有利である。また、本発明による融着ステーションにお
いて使用されるソフトな圧力ローラに対して、場所によ
って硬さが異なるものとされた硬化層を設けることが有
利である。硬さが場所によって相違している硬化層は、
融着ステーションを通しての紙搬送性を向上させること
ができる。特に、湿気による膨潤の結果として紙受取シ
ートが完全な矩形でない場合に、搬送性を向上させるこ
とができる。典型的な215.9mm×279.4mm
(8.5インチ×11インチ)の紙シートは、279.
4mm(11インチ)の方向に対して実質的に平行な向
きとされた長尺紙ファイバを有しており、そのため、湿
気は、215.9mm(8.5インチ)のエッジへと優
先的に侵入する。このため、典型的には、215.9m
m(8.5インチ)のエッジが、公称の215.9mm
(8.5インチ)幅と比較しておよそ1%〜2%膨張す
る。215.9mm(8.5インチ)のエッジを供給方
向と平行としてすなわちローラ軸に対して垂直な向きと
して、そのような紙シートを融着ニップ内に供給するこ
とは、通常の技術事項である。その結果、典型的には、
シートの中央部が融着ニップを通過するよりも、湿潤し
た215.9mm(8.5インチ)のエッジが融着ニッ
プを通過する方が、長い時間がかかる。このため、深刻
な紙の皺形成や引き伸ばし像欠陥が起こることとなる。
この問題に対する修正をもたらすために、紙のすべての
部分に関して、ニップ通過時間が実質的に同じであるこ
とが好ましい。これを実現するための手段は、中央部よ
りも、湿潤した215.9mm(8.5インチ)のエッ
ジ近傍において、オーバードライブの量を大きくするこ
とである。周知なように、少なくとも一方のローラが弾
性コーティングを有している場合に2つのローラによっ
て形成される圧力ニップは、通常、両ローラの長さ方向
に沿う軸方向に測ったときに、一様な圧力分布を有して
はいない。というよりは、ローラの両端に圧縮力が印加
されることにより、例えばローラの軸体に圧縮力が印加
されることにより、両ローラは、わずかに外方に曲がる
傾向がある。このため、ローラの長さ方向中央部より
も、ローラの両端近傍において、より大きな圧力が形成
される。このことは、また、ローラの両端において、よ
り大きなオーバードライブを形成する傾向がある。しか
しながら、ローラの曲がりに基づく付加的なオーバード
ライブの量は、通常、湿気によって誘起された紙の膨潤
を補償するには不十分なものであり、そのため、硬さが
場所によって相違する硬化層を使用することとなる。
【0072】以下の実施形態においては、例えば紙の湿
潤を補償し得るよう、ローラの軸方向に沿った場所に応
じてオーバードライブを所定に相違させるために、硬さ
が場所によって相違する硬化層が設けられる。場所によ
って硬さが相違する硬化層は、例えばローラ(20,2
0’,20”,70)といったような融着ローラや、あ
るいは、例えばローラ(50,50’)といったような
圧力ローラ内に設けられる。硬化層がコードや織物や織
布材料を有している場合には、コードどうしの間やファ
イバどうしの間に存在するスペースや隙間は、ローラの
うちの隣接層をなす材料といったような任意の適切な材
料によって充填することができる。
【0073】硬さが場所によって相違する硬化層を使用
している実施形態においては、本発明による融着ステー
ションのローラにおける硬化層のヤング率は、ローラの
回転の接線方向にヤング率を測ったときに、ローラ軸に
対して平行な方向において体系的に(所定規則に従っ
て)場所ごとに相違するものとされる。本発明によるロ
ーラの硬化層のヤング率が、ローラの実質的に長さ方向
中央部において最大であり、かつ、ローラの両端近傍に
おいて最小であることが好ましい。その結果、ローラが
融着ニップ内において係合しているときには、紙シート
の両エッジ近傍においては、紙シートの中央部と比較し
て、硬化層の硬さが小さいことのために、オーバードラ
イブの量が増大する。これにより、紙シートのすべての
部分のニップ通過時間を実質的に同じとすることを確保
し得る機構がもたらされる。この実施形態においては、
硬化層は、例えばローラ軸に対して平行な方向における
組成が場所ごとに相違しているような合金から形成する
ことによって、ヤング率が場所によって相違しているよ
うな連続した薄い継ぎ目無しの金属チューブとすること
ができる。これに代えて、硬化層は、ローラに沿った位
置の関数として体系的にヤング率が相違しているような
コードを有することができる。あるいは、硬化層は、ヤ
ング率が場所によって体系的に制御されて相違している
ような他の任意の適切な材料を有することができる。図
7は、本発明による円筒形対称ローラの一例を符号(5
00)によって概略的に長さ方向断面図でもって示して
いる。このローラ(500)には、ヤング率が場所によ
って相違しているような硬化層(512)が設けられて
いる。ローラ(500)は、剛直なコア部材(510)
と、このコア部材上に形成されたソフトなベースクッシ
ョン層(511)と、このベースクッション層(51
1)を取り囲むとともにこのベースクッション層に対し
て緊密接触された硬化層(512)であって、回転軸
(D−D’)に対して平行な方向においてヤング率が場
所によって相違している硬化層(512)と、この硬化
層上に形成された外側ソフト層(513)と、を備えて
いる。硬化層(512)には、ハッチングが施されてお
り、この場合、ハッチングラインの密度が、ヤング率の
大きさを示している。つまり、硬化層(512)のヤン
グ率は、ローラ(500)の両端において最小値をと
り、ローラの実質的に長さ方向中央部に向けて大きくな
っていき、ローラの実質的に長さ方向中央部において最
大値をとる。理解の明瞭さのために、硬化層(512)
の厚さは、かなり誇張されている。硬化層(512)の
ヤング率の長さ方向における変化度合いは、図7に示す
ようにローラ(500)の両端から実質的な中央部にか
けて漸次的なものとすることも、あるいは、いささか急
激な変化のものとすることもできる。例えば、層(51
2)を形成するために、互いに異なるヤング率を有した
個別の複数の長さ方向セグメントを使用することができ
る。その場合、各長さ方向セグメントは、互いに異なる
材料から形成することができる。個々の長さ方向セグメ
ントは、連続チューブを形成するように連結する必要は
なく、ギャップを介して離間させることができる。この
場合のギャップは、ソフト層(513)の外面に明確な
影響をもたらして融着性能や融着品質を劣化させること
がないよう、十分に小さなものとされることが好まし
い。さらに、必要であれば、ヤング率の最大値は、ロー
ラ(500)の実質的な長さ方向中央部周辺の適切な範
囲にわたって延在するものとすることができる。
【0074】硬さが場所によって相違する硬化層を使用
している他の実施形態においては、本発明による融着ス
テーションのローラにおける硬化層の厚さが、ローラ軸
に対して平行な方向において体系的に(所定規則に従っ
て)場所ごとに相違するものとされる。本発明によるロ
ーラの硬化層の厚さが、ローラの実質的に長さ方向中央
部において最大であり、かつ、ローラの両端近傍におい
て最小であることが好ましい。その結果、ローラが融着
ニップ内において係合しているときには、紙シートの両
エッジ近傍においては、紙シートの中央部と比較して、
硬化層の厚さが薄いことのために、オーバードライブの
量が増大する。これにより、紙シートのすべての部分の
ニップ通過時間を実質的に同じとすることを確保し得る
機構がもたらされる。この実施形態においては、硬化層
は、好ましくは、ローラ軸に対して平行な方向に沿って
厚さが体系的に相違しているような連続した薄い継ぎ目
無しの金属チューブとされる。これに代えて、硬化層
は、ローラに沿った位置の関数として体系的に厚さが相
違しているようなコードを有することができる。あるい
は、硬化層は、厚さが場所によって体系的に制御されて
相違しているような他の任意の適切な材料を有すること
ができる。図8は、本発明による円筒形対称ローラの一
例を符号(550)によって概略的に長さ方向断面図で
もって示している。このローラ(550)には、ローラ
軸に対して平行な方向において厚さが体系的に場所によ
って相違しているような硬化層(562)が設けられて
いる。ローラ(550)は、剛直なコア部材(560)
と、このコア部材上に形成されたソフトなベースクッシ
ョン層(561)と、このベースクッション層(56
1)を取り囲むとともにこのベースクッション層に対し
て緊密接触された硬化層(562)であって、回転軸
(E−E’)に対して平行な方向において厚さが場所に
よって相違している硬化層(562)と、この硬化層上
に形成された外側ソフト層(563)と、を備えてい
る。硬化層(562)は、その厚さが、ローラ(55
0)の両端において最小値をとり、ローラの実質的に長
さ方向中央部に向けて大きくなっていき、ローラの実質
的に長さ方向中央部において最大値をとるものとして、
図示されている。理解の明瞭さのために、硬化層(56
2)の厚さは、ローラ(550)の長さ全体にわたっ
て、かなり誇張されている。硬化層(562)の厚さの
長さ方向における変化度合いは、図8に示すようにロー
ラ(550)の両端から実質的な中央部にかけて漸次的
なものとすることも、あるいは、いささか急激な変化の
ものとすることもできる。例えば、層(562)を形成
するために、互いに異なる厚さを有した個別の複数の長
さ方向セグメントを使用することができる。個々のセグ
メントは、連続チューブを形成するように連結する必要
はなく、ギャップを介して離間させることができる。こ
の場合のギャップは、ソフト層(563)の外面に明確
な影響をもたらして融着性能や融着品質を劣化させるこ
とがないよう、十分に小さなものとされることが好まし
い。さらに、必要であれば、硬化層(562)の厚さの
最大値は、ローラ(550)の実質的な長さ方向中央部
周辺の適切な範囲にわたって延在するものとすることが
できる。厚さが場所ごとに相違する硬化層(562)
は、また、メッシュやコード(図示せず)を有するもの
とすることもできる。その場合、メッシュやコードを構
成しているファイバや撚り糸やワイヤの直径が、ローラ
(550)の両端またはその近傍において最小の直径と
され、ローラ(550)の実質的な長さ方向中央部にお
いて最大の直径とされる。
【0075】硬さが場所によって相違する硬化層を使用
している他の実施形態においては、本発明による融着ス
テーションのローラにおける硬化層に、好ましくは小さ
な穴からなる一連の穴が形成され、穴の占有面積が、ロ
ーラ軸に対して平行な方向において体系的に(所定規則
に従って)場所ごとに相違するものとされる。これは、
ローラの長さに沿った単位面積あたりの穴の数を相違さ
せることによって、あるいは、ローラの軸方向に沿って
1個の穴あたりの穴面積を相違させることによって、あ
るいは、ローラの軸方向に沿った穴サイズの相違と1個
の穴あたりの穴面積の相違とを組み合わせることによ
り、実施することができる。したがって、穴は、硬化層
内に場所によって互いに異なるサイズを有することがで
きる。本発明によるローラの単位長さあたりにおける穴
の占有面積が、ローラの実質的に長さ方向中央部におい
て最小であり、かつ、ローラの両端近傍において最大で
あることが好ましい。その結果、ローラが融着ニップ内
において係合しているときには、紙シートの両エッジ近
傍においては、紙シートの中央部と比較して、硬化層の
歪み量が大きくなることのために、オーバードライブの
量が増大する。これにより、紙シートのすべての部分の
ニップ通過時間を実質的に同じとすることを確保し得る
機構がもたらされる。この実施形態においては、硬化層
は、好ましくは、穴開けやドリル加工やエッチングやレ
ーザー穴開け等によって穴が形成されているような連続
した薄い継ぎ目無しの金属チューブとされる。これに代
えて、硬化層は、例えばプラスチックや補強材料といっ
たような、複数の穴が体系的に形成されているような他
の任意の適切な材料とすることができる。図9は、本発
明による円筒形対称ローラの一例を符号(600)によ
って概略的に長さ方向断面図でもって示している。この
ローラ(600)には、好ましくは小さな穴からなる一
連の穴が形成されさらにローラ軸に対して平行な方向に
おける単位長さあたりの穴の占有面積が体系的に(所定
規則に従って)場所ごとに相違するものとされているよ
うな硬化層(612)が設けられている。ローラ(60
0)は、剛直なコア部材(610)と、このコア部材上
に形成されたソフトなベースクッション層(611)
と、このベースクッション層(611)を取り囲むとと
もにこのベースクッション層に対して緊密接触された硬
化層(612)であって、回転軸(F−F’)に対して
平行な方向において穴の占有面積が場所によって相違し
ている硬化層(612)と、この硬化層上に形成された
外側ソフト層(613)と、を備えている。理解の明瞭
さのために、硬化層の実施形態(612’)が、図9に
おいて、チューブの形態で示されている。単位面積あた
りの、互いに同様のサイズとされた穴(614)の数
が、軸(F”−F’’’)に平行な方向に関し、硬化層
(612’)の両端またはその近傍において最大値をと
り、硬化層の実質的に長さ方向中央部に向けて少なくな
っていき、ローラの実質的に長さ方向中央部において最
小値をとるものとして、図示されている。図9において
は図示の簡略化のためにほぼ円形のわずかの穴(61
4)が、誇張したサイズで図示されているけれども、穴
は、好ましくは、硬化層の厚さよりも小さな直径のもの
とされる。穴は、ランダムな形状も含めて任意の適切な
形状とすることができる。異なる場所において異なるサ
イズの穴を使用することができ、また、異なるサイズの
穴どうしを、硬化層(612)の任意の局所領域におい
て共に使用することができる。本発明による融着ローラ
においては、穴は、融着の一様性に有意の効果をもたら
し得ないほど十分に小さいものとされていることが好ま
しい。(図示されていないものの)硬化層(612)の
他の適切な実施形態においては、硬化層の長さ方向に沿
っての穴の占有面積の場所ごとの相違は、個々の穴あた
りの面積を相違させることによって、あるいは、個々の
穴あたりの面積の相違と硬化層の単位面積あたりの穴数
の相違とを組み合わせることによって、実現可能である
ことを理解されたい。硬化層の長さ方向における穴の占
有面積の長さ方向における変化度合いは、硬化層(61
2’)として図示するように漸次的なものとすること
も、あるいは、いささか急激な変化のものとすることも
できる。例えば、層(612)を形成するために、穴の
占有面積が互いに相違している個別の複数の長さ方向セ
グメントを使用することができる。個々のセグメント
は、連続チューブを形成するように連結する必要はな
く、ギャップを介して離間させることができる。この場
合のギャップは、ソフト層(613)の外面に明確な影
響をもたらして融着性能や融着品質を劣化させることが
ないよう、十分に小さなものとされることが好ましい。
さらに、必要であれば、硬化層(612)の単位長さあ
たりにおける穴の占有面積の最小値は、ローラ(60
0)の実質的な長さ方向中央部周辺の適切な範囲にわた
って延在するものとすることができる。加えて、硬化層
に形成される単位面積あたりの穴数は、ゼロとすること
ができ、この場合には、硬化層の両端にのみ穴が形成さ
れる。硬化層上に外側ソフト層(613)が形成される
場合、層(613)をなす材料は、穴内に侵入して穴を
充填することができる。これに代えて、硬化層の穴は、
好ましくはソフト材料といったような他の任意の適切な
材料でもって充填することができる。この充填は、好ま
しくは、硬化層(612)上に外側ソフト層(613)
が形成される前に、予め行われる。
【0076】硬さが場所によって相違する硬化層を使用
している他の実施形態においては、本発明による融着ス
テーションのローラにおける硬化層は、ローラ軸に対し
て平行な方向において体系的に(所定規則に従って)場
所ごとに数密度が相違するものとされているメッシュま
たは織物を備えている。メッシュまたは織物の数密度
は、単位面積あたりの撚り糸またはワイヤの数に比例す
る。すなわち、与えられた面積においてメッシュまたは
織物の数密度が大きいということは、互いに交差する撚
り糸またはワイヤの組も含めて、あらゆる方向において
通過する撚り糸またはワイヤの数が比較的大きいことを
意味する。メッシュまたは織物の数密度が、ローラの両
端近傍において最小であり、かつ、ローラの実質的に長
さ方向中央部において最大であることが好ましい。その
結果、ローラが融着ニップ内において係合しているとき
には、紙シートの両エッジ近傍においては、紙シートの
中央部と比較して、硬化層の歪み量が大きくなることの
ために、オーバードライブの量が増大する。これによ
り、紙シートのすべての部分のニップ通過時間を実質的
に同じとすることを確保し得る機構がもたらされる。こ
の実施形態においては、織物またはメッシュは、天然の
または合成の、ファイバや撚り糸や金属ワイヤやストリ
ップやあるいは様々な数密度でもって織物やメッシュへ
と編み込むことができる他の任意の適切な好ましくはフ
レキシブルな材料とすることができる。図10は、本発
明による円筒形対称ローラの一例を符号(650)によ
って概略的に長さ方向断面図でもって示している。この
ローラ(650)は、ローラ軸に対して平行な方向にお
いて体系的に(所定規則に従って)場所ごとに数密度が
相違するものとされているメッシュまたは織物を有した
硬化層(662)を備えている。ローラ(650)は、
剛直なコア部材(660)と、このコア部材上に形成さ
れたソフトなベースクッション層(661)と、このベ
ースクッション層(661)を取り囲むとともにこのベ
ースクッション層に対して緊密接触された硬化層(66
2)であって、回転軸(G−G’)に対して平行な方向
においてメッシュの数密度が場所によって相違している
メッシュを有している硬化層(662)と、この硬化層
上に形成された外側ソフト層(663)と、を備えてい
る。理解の明瞭さのために、硬化層(662)は、側面
図によっても示されている。図10において側面図で示
された硬化層の実施形態(662’)においては、織布
織物(664)は、単純な斜めメッシュとして示されて
おり、メッシュの数密度は、軸(G”−G’’’)に平
行な方向に関し、硬化層(662’)の両端またはその
近傍において最小値をとり、硬化層の実質的に長さ方向
中央部に向けて増大していき、硬化層の実質的に長さ方
向中央部において最大値をとるものとして、図示されて
いる(ファイバの交差の様子は、詳細には図示されてい
ない)。図10においては、図示の簡略化のために、誇
張して拡大されたメッシュ(664)が図示されてい
る。本発明による融着ローラにおいては、メッシュを構
成するファイバや撚り糸やワイヤの直径は、融着の一様
性に有意の効果をもたらし得ないほど十分に小さいもの
とされていることが好ましい。同様に、本発明による融
着ローラにおいては、メッシュを構成するファイバや撚
り糸やワイヤの間隙は、融着の一様性に有意の効果をも
たらし得ないほど十分に小さいものとされていることが
好ましい。(図示されていないものの)硬化層(66
2)の他の適切な実施形態においては、メッシュを任意
の適切な織物とすることができ、単純な縦糸と横糸とか
らなる単純な形態とすることができること、あるいは、
メッシュを複雑な織物として、軸(G−G’)に対して
平行な方向や垂直な方向も含めた任意の適切な方向に延
在する撚り糸やワイヤとすることができることを、理解
されたい。メッシュは、1種類または複数種類のファイ
バから形成することができ、また、1つのまたは複数の
直径のファイバから形成することができる。例えば、織
物(664)をなす単純なメッシュは、縦糸および横糸
から形成されたものと考えることができる。この場合、
縦糸と横糸とは、付加的には、様々な材料から形成する
ことができ、また、様々な直径のファイバや撚り糸を有
することができる。硬化層の長さ方向におけるメッシュ
の数密度の長さ方向における変化度合いは、硬化層(6
62’)として図示するように漸次的なものとすること
も、あるいは、いささか急激な変化のものとすることも
できる。例えば、層(662)を形成するために、メッ
シュの数密度が互いに相違している個別の複数の長さ方
向セグメントを使用することができる。個々のセグメン
トは、連続チューブを形成するように連結する必要はな
く、ギャップを介して離間させることができる。この場
合のギャップは、ソフト層(663)の外面に明確な影
響をもたらして融着性能や融着品質を劣化させることが
ないよう、十分に小さなものとされることが好ましい。
さらに、必要であれば、硬化層(662)のメッシュの
数密度の最大値は、ローラ(650)の実質的な長さ方
向中央部周辺の適切な範囲にわたって延在するものとす
ることができる。硬化層上に外側ソフト層(663)が
形成される場合、層(663)をなす材料は、メッシュ
の間隙内に侵入して間隙を充填することができる。これ
に代えて、硬化層に設けられるメッシュの間隙は、好ま
しくはソフト材料といったような他の任意の適切な材料
でもって充填することができる。この充填は、好ましく
は、硬化層(662)上に外側ソフト層(663)が形
成される前に、予め行われる。
【0077】硬さが場所によって相違する硬化層を使用
している他の実施形態においては、本発明による融着ス
テーションのローラにおける硬化層は、体系的に(所定
規則に従って)場所ごとに硬さが相違するものとされて
いるとともに硬化層の面内において測ったときに体系的
に場所ごとにコードの数密度が相違するものとされてい
るコードを備えている。すなわち、ローラの回転軸に対
して平行な方向における単位長さあたりの数が、体系的
に場所ごとに相違するものとされているコードを備えて
いる。コードの配置密度が、ローラの両端近傍において
最小であり、かつ、ローラの実質的に長さ方向中央部に
おいて最大であることが好ましい。その結果、ローラが
融着ニップ内において係合しているときには、紙シート
の両エッジ近傍においては、紙シートの中央部と比較し
て、硬化層の歪み量が大きくなることのために、オーバ
ードライブの量が増大する。これにより、紙シートのす
べての部分のニップ通過時間を実質的に同じとすること
を確保し得る機構がもたらされる。この実施形態におい
ては、コードは、天然のまたは合成の、ファイバや金属
ワイヤやストリップや他の任意の適切な材料とすること
ができる。例えば、ソフト層の周囲に連続ストランドと
して巻回された巻回フィラメントの形態とすることがで
きる、あるいは、ローラの回転軸と実質的に同中心的な
円形とされてソフト層の周囲に配置される複数のリング
の形態とすることができる。図11は、本発明による円
筒形対称ローラの一例を符号(700)によって概略的
に長さ方向断面図でもって示している。このローラ(7
00)は、ローラ軸に対して平行な方向において体系的
に(所定規則に従って)場所ごとにコード設置密度が相
違するものとされているコードを有した硬化層(71
2)を備えている。ローラ(700)は、剛直なコア部
材(710)と、このコア部材上に形成されたソフトな
ベースクッション層(711)と、このベースクッショ
ン層(711)を取り囲むとともにこのベースクッショ
ン層に対して緊密接触された硬化層(712)であっ
て、回転軸(H−H’)に対して平行な方向においてコ
ード密度が場所によって相違しているコードを有してい
る硬化層(712)と、この硬化層上に形成された外側
ソフト層(713)と、を備えている。理解の明瞭さの
ために、図11においては、コードを有する硬化層の実
施形態(712’)が側面図によって示されている。硬
化層(712’)は、コードをなす複数のリング(71
4)を有している。コードをなすリングは、軸(H”−
H’’’)を中心とするものであって、その密度が、軸
(H”−H’’’)に平行な方向に関し、硬化層(71
2’)の両端またはその近傍において最小値をとり、硬
化層の実質的に長さ方向中央部に向けて増大していき、
硬化層の実質的に長さ方向中央部において最大値をとる
ものとして、図示されている。図11においては、図示
の簡略化のために、かなり小さい密度でコードが図示さ
れている。本発明による融着ローラにおいては、コード
を構成するファイバや撚り糸やワイヤの直径は、融着の
一様性に有意の効果をもたらし得ないほど十分に小さい
ものとされていることが好ましい。同様に、本発明によ
る融着ローラにおいては、融着の一様性に有意の効果を
もたらし得ないほど十分に大きなコード密度とされてい
るとともに、を構成するファイバや撚り糸やワイヤの間
隙が、融着の一様性に有意の効果をもたらし得ないほど
十分に小さいものとされていることが好ましい。(図示
されていないものの)硬化層(712)の他の適切な実
施形態においては、コードを、ベースクッション層(7
11)の周囲において任意の適切な方向で配置された任
意の適切な巻線とすることができること、また、複数層
も含めて巻線どうしを交差させることもできることを、
理解されたい。コードは、1種類または複数種類のファ
イバや撚り糸やワイヤから形成することができる。これ
に代えて、コードは、1つのまたは複数の直径のファイ
バや撚り糸やワイヤを散在させることによって形成する
こともできる。硬化層の長さ方向におけるコード密度の
長さ方向における変化度合いは、硬化層(712’)と
して図示するように漸次的なものとすることも、あるい
は、いささか急激な変化のものとすることもできる。例
えば、層(712)を形成するために、各セグメントが
連続巻線の形態とされたコードを有しかつコード密度が
互いに相違している個別の複数の長さ方向セグメントを
使用することができる。個々のセグメントは、連続チュ
ーブを形成するように連結する必要はなく、ギャップを
介して離間させることができる。この場合のギャップ
は、ソフト層(713)の外面に明確な影響をもたらし
て融着性能や融着品質を劣化させることがないよう、十
分に小さなものとされることが好ましい。さらに、必要
であれば、硬化層(712)のコード密度の最大値は、
ローラ(700)の実質的な長さ方向中央部周辺の適切
な範囲にわたって延在するものとすることができる。硬
化層上に外側ソフト層(713)が形成される場合、層
(713)をなす材料は、コードの間隙内に侵入して間
隙を充填することができる。これに代えて、硬化層に設
けられるコードの間隙は、好ましくはソフト材料といっ
たような他の任意の適切な材料でもって充填することが
できる。この充填は、好ましくは、硬化層(712)上
に外側ソフト層(713)が形成される前に、予め行わ
れる。
【0078】本発明による融着ステーションのローラの
長さに沿って所定態様でもって場所ごとにオーバードラ
イブを相違させている付加的な実施形態においては、ロ
ーラには、ローラの長さ方向に沿って場所ごとに異なる
深さで配置された硬化層を設けることができる。硬化層
が、ローラの両端近傍において最も深く配置されてお
り、かつ、ローラの実質的に長さ方向中央部において最
も浅く配置されていることが好ましい。その結果、ロー
ラが融着ニップ内において係合しているときには、紙シ
ートの両エッジ近傍においては、紙シートの中央部と比
較して、硬化層の歪み量が大きくなることのために、オ
ーバードライブの量が増大する。これにより、紙シート
のすべての部分のニップ通過時間を実質的に同じとする
ことを確保し得る機構がもたらされる。図12は、本発
明による円筒形対称ローラの一例を符号(750)によ
って概略的に長さ方向断面図でもって示している。この
ローラ(750)は、ローラ軸に対して平行な方向にお
いて体系的に(所定規則に従って)場所ごとに設置深さ
が相違するものとされている硬化層(762)を備えて
いる。ローラ(750)は、剛直なコア部材(760)
と、このコア部材上に形成されたソフトなベースクッシ
ョン層(761)と、このベースクッション層(76
1)を取り囲むとともにこのベースクッション層に対し
て緊密接触された硬化層(762)であって、回転軸
(J−J’)に対して平行な方向において設置深さが場
所によって相違している硬化層(762)と、この硬化
層上に形成された外側ソフト層(763)と、を備えて
いる。硬化層(762)は、ソフト層(763)の下に
おける設置深さが、ローラ(750)の両端またはその
近傍において最も深く、硬化層の実質的に長さ方向中央
部に向けて浅くなっていき、硬化層の実質的に長さ方向
中央部において最も浅くなるものとして、図示されてい
る。好ましくは、層(761,763)の合計厚さは、
ローラの長さ全体にわたって実質的に一定のものとされ
る。図12においては、理解の明瞭さのために、硬化層
(762)の深さの、ローラの長さ方向における場所ご
との変化は、かなり誇張して図示されている。硬化層
(762)の長さ方向における設置深さ変化度合いは、
図12に示すようにローラ(750)の両端から実質的
中央部に向けて漸次的なものとすることも、あるいは、
いささか急激な変化のものとすることもできる。例え
ば、層(762)を形成するために、ソフト外側層(7
63)の下に様々な設置深さでもって硬化層を有してい
る個別の複数の長さ方向セグメントを使用することがで
きる。個々のセグメントは、連続チューブを形成するよ
うに連結する必要はなく、様々な直径を有した例えば金
属製の個別のチューブとすることができ、ギャップを介
して離間させることができる。この場合のギャップは、
ソフト層(763)の外面に明確な影響をもたらして融
着性能や融着品質を劣化させることがないよう、十分に
小さなものとされることが好ましい。さらに、必要であ
れば、硬化層(762)の設置深さの最大値は、ローラ
(750)の実質的な長さ方向中央部周辺の適切な範囲
にわたって延在するものとすることができる。(図示さ
れていないものの)様々な深さとされた硬化層(76
2)は、メッシュやコードを備えることもできる。
【0079】本発明による融着ステーションのローラの
長さに沿って所定態様でもって場所ごとにオーバードラ
イブを相違させているさらに付加的な実施形態において
は、ローラには、融着ローラの軸に対して平行に測った
ときに受取部材の長さよりも短い硬化層が設けられてい
る。融着ステーションを通過する紙シートの両エッジ
は、好ましくは、約50.8mm(2インチ)未満とい
う長さだけ硬化層の対応エッジを超えたところに位置す
る。より好ましくは、約38.1mm(1.5インチ)
未満という長さだけ硬化層の対応エッジを超えたところ
に位置する。紙に接触する融着ローラの長さよりも、硬
化層を短いものとすることによって、紙シートのうち
の、硬化層が対応して配置されていない両エッジ近傍領
域においては、紙シートの残部と比較して、オーバード
ライブが増加する。これにより、ニップを通過する紙シ
ートの皺形成を低減させ得る機構がもたらされる。図1
3は、本発明による円筒形対称ローラの一例を符号(8
00)によって概略的に長さ方向断面図でもって示して
いる。このローラ(800)は、軸(K−K’)回りに
回転可能なものであって、剛直なコア部材(810)
と、このコア部材上に形成されたソフトなベースクッシ
ョン層(811)と、このベースクッション層(81
1)を取り囲むとともにこのベースクッション層に対し
て緊密接触された硬化層(812)と、この硬化層上に
形成された外側ソフト層(813)と、を備えている。
図13に示すように、硬化層(812)は、ローラ(8
00)よりも短いものとされている。つまり、ベースク
ッション層(811)の外面上の両端において符号
(S,S’)で示す長さ部分は、硬化層(812)によ
って被覆されていない。好ましくは、ベースクッション
層(811)のうちの、硬化層によって被覆されていな
い部分どうしは、ほぼ同じ長さとされるとともに、外側
ソフト層(813)によって被覆される。ローラ(80
0)の外径が、ローラの長さ全体にわたって一様に同一
であることが好ましい。これは、ベースクッション層
(811)の上面上に硬化層(812)が設けられてい
ない部分については、外側ソフト層(813)を適宜厚
くすることにより、実現される。ベースクッション層
は、好ましくは、ローラ(800)の長さ全体にわたっ
て一様に同じ外径を有している。これに代えて、硬化層
が設けられていない部分についてはベースクッション層
を適宜厚くすること(図示されていない)によって、ロ
ーラ(800)の外径を、ローラの長さ全体にわたって
一様に同じものとすることもできる。
【0080】本発明による融着ステーションのソフトロ
ーラの長さに沿って所定態様でもって場所ごとにオーバ
ードライブを相違させているなおも付加的な実施形態に
おいては、ソフトローラには、ローラの軸に対して平行
に方向において場所によって相違する外径のものを付与
することができる硬化層が設けられている。本発明によ
るローラにおいては、ローラの両端近傍において外径が
最大値をとり、かつ、ローラの実質的な長さ方向中央部
において外径が最小値をとることが好ましい。このた
め、紙シートの両エッジ近傍においては、紙シートの中
央部と比較して、オーバードライブが増加する。これに
より、紙シートのすべての部分のニップ通過時間を実質
的に同じとすることを確保し得る機構がもたらされる。
図14は、本発明による円筒形対称ローラの一例を符号
(850)によって概略的に長さ方向断面図でもって示
している。このローラ(850)は、所定外径を有する
とともに、軸(L−L’)回りに回転可能なものであっ
て、剛直なコア部材(860)と、このコア部材上に形
成されたソフトなベースクッション層(861)と、こ
のベースクッション層(861)を取り囲むとともにこ
のベースクッション層に対して緊密接触された硬化層
(862)と、この硬化層上に形成されるとともに長さ
方向に所定外径を有した外側ソフト層(863)と、を
備えている。好ましくは、ベースクッション層(86
1)と硬化層(862)との双方は、それぞれ、ローラ
の長さ方向にわたって実質的に一様な厚さを有してい
る。外側ソフト層(863)の厚さは、ローラの実質的
な長さ方向中央部から、ローラ(850)の両端部に向
かうにつれて、厚くなっていくものとされている。ある
種の応用においては、長さ方向において所定外径を有し
たコア部材(図示せず)を準備することにより、あるい
は、長さ方向において所定外径を有したベースクッショ
ン層(図示せず)を準備することにより、ローラ(85
0)の外径を場所によって相違させることが望ましい。
いずれにしても、ローラ(850)の長さ方向において
外径が場所ごとに所望に相違するようなローラが得られ
る。
【0081】図5は、ローラの外表面上に一連の表示マ
ークすなわち目印が形成されている、本発明によるロー
ラ(90)の端部を概略的に示している。これら目印
は、ローラに関する1つまたは複数のパラメータを示す
ために設けられている。ローラ(90)は、硬化層を有
した融着ローラとすることができる。あるいはこれに代
えて、ローラ(90)は、本発明による融着ステーショ
ンにおいて使用されるローラとすることができる、例え
ば、硬化層を有した圧力ローラや、硬質融着ローラや、
硬質圧力ローラ、とすることができる。つまり、本発明
によるローラ(90)に関して説明する態様に従って、
ローラ(20,20’,20”,30,50,50’,
60,70)の外表面上に目印を設けることが好まし
い。目印は、ローラの端部近傍において円筒形表面の一
部上に位置した小領域(92”)内に配置されている。
これに代えて、目印は、ローラの端部上に位置した小領
域(92’)内に設置される。この場合、小領域(9
2’)は、好ましくは、エッジまたはリムの近傍に配置
されている(ローラ(90)に設けられている個々の層
は、図示されていない)。図6は、領域(92’または
92”)の拡大図をなす領域(92)を概略的に示すと
ともに、目印を、符号(93)によって示すようなバー
コードの形態とすることができることを示している。バ
ーコードは、例えばスキャナによって読み取ることがで
きる。スキャナは、例えば装置の運転時にあるいは装置
が使用待受状態にあるときに、ローラ(90)を観測し
得るようにして、電子写真装置内に取り付けることがで
きる。あるいは、スキャナは、本発明によるローラ(9
0)の設置時にあるいはメンテナンス時に、外部で取り
付けすることができる。一般に、目印は、目印検出器
(95)によって、読み取ったり感知したり検出したり
することができる。図6においてライン(C)によって
示すように、目印検出器からのアナログ出力またはデジ
タル出力は、本発明によるローラ(90)を使用してい
る静電写真装置内に備えられている論理制御ユニット
(LCU)に対して送出することができる。あるいは、
目印検出器からのアナログ出力またはデジタル出力は、
本発明によるローラの設置時またはメンテナンス時に
は、例えば携帯式コンピュータ内において処理するとい
ったように、外部処理することができる。あるいは、そ
のような出力は、他の任意の適切なデータプロセッサ内
で処理することができる。目印は、光学的にまたは磁気
的にまたはラジオ周波数によって、読み取ることができ
る。
【0082】バーコード(93)に加えて、目印は、シ
ンボルや通常の単語も含めて、任意の適切なマークとす
ることができる。あるいは、カラーコードとすることも
できる。目印は、また、視覚的に読み取ることができ
る、すなわち、目によって解釈することができる。ロー
ラ上のカラーコードによる目印は、比較的大きな色付き
領域内に設けることができる。そうでなければ、カラー
コード付きローラにより示されている特性を目によって
容易に解釈させ得るようなマークや他の特徴物を欠くこ
ととなる。目印の熱による変化を利用することによっ
て、本発明によるローラ(90)の寿命を観測すること
ができる。例えば、本発明によるローラのカラーコード
目印の色を、熱的に誘起される変化が遅いものであるよ
うに、すなわち、製造直後の初期的な色の、熱的に誘起
される変化速度が遅いものであるように、選択すること
ができる。これにより、色あせ、すなわち、熱的に誘起
される色変化を、ローラの経過寿命の判定基準として、
あるいは、ローラの余命の判定基準として、使用するこ
とができる。そのような色変化は、目によって観測する
ことができる。好ましくは、色変化は、例えば密度計や
分光計やあるいは目印からの反射光の密度または色を測
定するための任意の他の適切な手段を使用して、反射光
に関して測定することができ、反射光情報は、LCUや
他のコンピュータに対して送出される。
【0083】目印は、また、例えば所定摩耗率とされた
標準目印を設けることによって、本発明によるローラの
摩耗率を測定するために使用することができる。目印の
摩耗率は、例えば目印のうちの摩耗を受ける部分の反射
光学密度を測定することによってあるいは他の適切な手
段によって、光学的に測定することができる。目印とし
て適切な材質は、例えば、インクや塗料や磁性材料や反
射材料等があり、これらは、ローラ表面に対して直接的
に適用される。
【0084】これに代えて、目印を、ローラの外表面に
対して接着されるラベル上に配置することもできる。目
印は、また、浮き彫りの形態としたり、ダイによるスタ
ンピングによって形成したり、あるいは、他の方法によ
ってローラの外表面上の局所的小領域を変形させること
により形成することができる。このような変形は、接触
プローブや他の機械的手段の形態とされた目印検出器
(95)を使用して、機械的に感知したり、あるいは、
検出したり読み取ったりすることができる。
【0085】異なるタイプの情報を、目印内に符号化し
たり記録したりすることができる。例えば、ローラの外
径を記録することができ、これにより、ニップ幅パラメ
ータをローラ外径に応じて調整することができる。例え
ば、動作温度範囲や、動作融着ニップ圧力を、目印内に
記録することができる、診断の目的のために、ローラの
製造日を目印内に記録することができる。これにより、
ローラの有効寿命の終点を知ることができて、タイミン
グ良く交換を行うことができる。例えば製造後に測定さ
れたようなローラランアウトに関しての各ローラに関し
ての特定情報を、目印内に記録することもできる。
【0086】本発明による目印が、プリント装置の制御
システムによって当該メモリから符号が読み取られるよ
うになっている電子読取可能メモリを備えたモジュール
を開示している M.E.Bread氏他による米国特許明細書第
6,016,409号に開示されているような、電子的
に貯蔵された情報とは相違していることは、明瞭であろ
う。本発明においては、目印は、ローラ(90)の表面
の物理的状態変化を有するものであり、目印検出器(9
5)による検出後には検出情報が例えばコンピュータ内
において電子形態へと変換されるものではあるにして
も、そのような電子情報ではない。
【0087】以上説明したように、本発明者らが、以下
の特性のものを意図していることは明瞭である。
【0088】[特性1A]静電写真装置の融着ステーシ
ョンにおいて使用するための変形可能なローラであると
ともに回転軸を有したローラであって、剛直な円筒形の
対称なコア部材と;該コア部材上に形成されたソフトな
ベースクッション層と;該ベースクッション層を取り囲
むとともに該ベースクッション層に対して緊密接触した
硬化層と;該硬化層上にコーティングされたソフトリリ
ース層と;を具備してなり、前記融着ステーションに、
外部加熱型の融着ローラが設けられていることを特徴と
するローラ。 [特性1B]静電写真装置の融着ステーションにおいて
使用するための変形可能な外部加熱型トナー融着ローラ
であるとともに回転軸を有したトナー融着ローラであっ
て、剛直な円筒形の対称なコア部材と;該コア部材上に
形成されたソフトなベースクッション層と;該ベースク
ッション層を取り囲むとともに該ベースクッション層に
対して緊密接触した硬化層と;該硬化層上にコーティン
グされたソフトリリース層と;を具備してなり、熱源
が、ローラの外部に配置されていることを特徴とするト
ナー融着ローラ。 [特性1C]静電写真装置の融着ステーションにおいて
使用するための変形可能な圧力ローラであるとともに回
転軸を有した圧力ローラであって、剛直な円筒形の対称
なコア部材と;該コア部材上に形成されたソフトなベー
スクッション層と;該ベースクッション層を取り囲むと
ともに該ベースクッション層に対して緊密接触した硬化
層と;該硬化層上にコーティングされたソフトリリース
層と;を具備してなり、前記融着ステーションに、外部
加熱型の融着ローラが設けられていることを特徴とする
圧力ローラ。
【0089】[特性2]特性1B記載のトナー融着ロー
ラにおいて、前記熱源が、前記融着ローラに対して直接
接触する1つまたは複数の加熱ローラとされていること
を特徴とするトナー融着ローラ。 [特性3]特性1A記載のローラにおいて、前記ベース
クッション層が、ポリ(ジメチルシロキサン)弾性体か
ら形成されていることを特徴とするローラ。 [特性4]特性1A記載のローラにおいて、前記ベース
クッション層が、フッ素化弾性体またはEPDMゴムか
ら形成されていることを特徴とするローラ。 [特性5]特性1B記載のローラにおいて、前記ベース
クッション層の厚さが、0.25mm〜25mmの範囲
であることを特徴とするローラ。 [特性6]特性5記載のローラにおいて、前記ベースク
ッション層の厚さが、1.25mm〜12.5mmの範
囲であることを特徴とするローラ。 [特性7]特性1B記載のトナー融着ローラにおいて、
前記ベースクッション層が、0.6928J/m/℃/
sec(約0.4BTU/hr/ft/°F)未満の熱
伝導率を有していることを特徴とするトナー融着ロー
ラ。 [特性8]特性7記載のトナー融着ローラにおいて、前
記ベースクッション層が、0.1732〜0.5196
J/m/℃/sec(0.1〜0.3BTU/hr/f
t/°F)という範囲の熱伝導率を有していることを特
徴とするトナー融着ローラ。 [特性9]特性1A記載のローラにおいて、前記ベース
クッション層のヤング率が、0.05MPa〜10MP
aの範囲であることを特徴とするローラ。 [特性10]特性9記載のローラにおいて、前記ベース
クッション層のヤング率が、0.1MPa〜1MPaの
範囲であることを特徴とするローラ。
【0090】[特性11]特性1B記載のトナー融着ロ
ーラにおいて、前記ベースクッション層が、粒状フィラ
ーを有していることを特徴とするトナー融着ローラ。 [特性12]特性11記載のトナー融着ローラにおい
て、前記ベースクッション層内の前記粒状フィラーが、
酸化クロム(III)、 酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化
カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、酸化ス
ズ、酸化亜鉛、酸化銅、酸化チタン、酸化シリコン、お
よび、これらの混合物からなるグループの中から選択さ
れたものとされることを特徴とするトナー融着ローラ。 [特性13]特性10記載のローラにおいて、前記粒状
フィラーが、前記ベースクッション層の3〜30容量%
でもって含有されていることを特徴とするローラ。 [特性14]特性13記載のローラにおいて、前記フィ
ラーが、前記ベースクッション層の5〜20容量%でも
って含有されていることを特徴とするローラ。 [特性15]特性10記載のローラにおいて、前記粒状
フィラーが、0.1μm〜100μmという範囲の平均
直径を有した粒子とされていることを特徴とするロー
ラ。 [特性16]特性15記載のローラにおいて、前記粒状
フィラーが、0.5μm〜40μmという範囲の平均直
径を有した粒子とされていることを特徴とするローラ。
【0091】[特性17]特性1A記載のローラにおい
て、前記硬化層の厚さが、500μm未満とされている
ことを特徴とするローラ。 [特性18]特性17記載のローラにおいて、前記硬化
層の厚さが、75μm〜250μmという範囲とされて
いることを特徴とするローラ。 [特性19]特性1A記載のローラにおいて、前記硬化
層のヤング率が、0.1GPa〜500GPaという範
囲とされていることを特徴とするローラ。 [特性20]特性19記載のローラにおいて、前記硬化
層のヤング率が、10GPa〜350GPaという範囲
とされていることを特徴とするローラ。 [特性21]特性1A記載のローラにおいて、前記硬化
層が、ニッケル、銅、金、および、スチールからなるグ
ループの中から選択された1つまたは複数の金属から形
成されていることを特徴とするローラ。 [特性22]特性21記載のローラにおいて、前記硬化
層が、ニッケルから形成されていることを特徴とするロ
ーラ。
【0092】[特性23]特性1A記載のローラにおい
て、前記ソフトリリース層が、フッ素化弾性体またはシ
リコーンゴムから形成されていることを特徴とするロー
ラ。 [特性24]特性1A記載のローラにおいて、前記ソフ
トリリース層の厚さが、1mm未満であることを特徴と
するローラ。 [特性25]特性24記載のローラにおいて、前記ソフ
トリリース層の厚さが、25μm〜250μmという範
囲であることを特徴とするローラ。 [特性26]特性1B記載のトナー融着ローラにおい
て、前記ソフトリリース層が、0.3463〜0.86
60J/m/℃/sec(0.2〜0.5BTU/hr
/ft/°F)という範囲の熱伝導率を有していること
を特徴とするトナー融着ローラ。 [特性27]特性1A記載のローラにおいて、前記ソフ
トリリース層のヤング率が、0.05MPa〜10MP
aの範囲であることを特徴とするローラ。 [特性28]特性27記載のローラにおいて、前記ベー
スクッション層のヤング率が、0.1MPa〜1MPa
の範囲であることを特徴とするローラ。
【0093】[特性29]特性1B記載のトナー融着ロ
ーラにおいて、前記ソフトリリース層が、粒状フィラー
を有していることを特徴とするトナー融着ローラ。 [特性30]特性29記載のトナー融着ローラにおい
て、前記リリース層内の前記粒状フィラーが、酸化アル
ミニウム、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ム、酸化ニッケル、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化銅、酸化
チタン、酸化シリコン、グラファイト、および、これら
の混合物からなるグループの中から選択されたものとさ
れることを特徴とするトナー融着ローラ。 [特性31]特性30記載のトナー融着ローラにおい
て、前記リリース層内の前記粒状フィラーが、酸化亜鉛
とされることを特徴とするトナー融着ローラ。 [特性32]特性329載のトナー融着ローラにおい
て、前記粒状フィラーが、前記リリース層の5〜50容
量%でもって含有されていることを特徴とするトナー融
着ローラ。 [特性33]特性32記載のトナー融着ローラにおい
て、前記フィラーが、前記リリース層の10〜35容量
%でもって含有されていることを特徴とするトナー融着
ローラ。 [特性34]特性1B記載のトナー融着ローラにおい
て、前記硬化層上にコーティングされた弾性的な薄いバ
リア層を具備していることを特徴とするトナー融着ロー
ラ。 [特性35]特性34記載のトナー融着ローラにおい
て、前記薄いバリア層が、フッ素化弾性体と、20〜4
0容量%の粒状フィラーと、を備え、前記フッ素化弾性
体が、好ましくは、フッ化ビニリデンとテトラフルオロ
エチレンとヘキサフルオロプロピレンとの中から選択さ
れたモノマーユニットの混合体から形成されるランダム
コポリマーとされ、前記フィラーが、酸化アルミニウム
や酸化鉄や酸化カルシウムや酸化マグネシウムや酸化ニ
ッケルや酸化スズやこれらの混合物のいずれかとされる
ことを特徴とするトナー融着ローラ。 [特性36]特性34記載のトナー融着ローラにおい
て、前記バリア層の厚さが、10μm〜50μmという
範囲であることを特徴とするトナー融着ローラ。
【0094】[特性37]特性1A記載のローラにおい
て、前記ベースクッション層のポアソン比が、0.2〜
0.5という範囲であることを特徴とするローラ。 [特性38]特性37記載のローラにおいて、前記ベー
スクッション層のポアソン比が、0.45〜0.5とい
う範囲であることを特徴とするローラ。 [特性39]特性1A記載のローラにおいて、前記ソフ
トリリース層のポアソン比が、0.4〜0.5という範
囲であることを特徴とするローラ。 [特性40]特性39記載のローラにおいて、前記ソフ
トリリース層のポアソン比が、0.45〜0.5という
範囲であることを特徴とするローラ。
【0095】[特性41]静電写真装置の片面型融着ス
テーションであって、回転可能な外部加熱型ソフト融着
ローラと;融着ニップを形成するようにして前記ソフト
融着ローラと係合し、逆向きに回転可能な硬質圧力ロー
ラと;を具備してなり、前記ソフト融着ローラが、剛直
な円筒形コア部材と;該コア部材を取り囲むベースクッ
ション層と;該ベースクッション層に対して緊密接触す
る硬化層と;該硬化層を取り囲む外側ソフト層と;を備
えてなり、前記硬化層が、0.1GPa〜500GPa
という範囲のヤング率と、500μm未満の厚さと、を
有していることを特徴とする片面型融着ステーション。 [特性42]静電写真装置の片面型融着ステーションで
あって、回転可能な外部加熱型ソフト融着ローラと;融
着ニップを形成するようにして前記ソフト融着ローラと
係合し、逆向きに回転可能なソフト圧力ローラと;を具
備し、前記ソフト融着ローラが、剛直な円筒形コア部材
と;該コア部材を取り囲むベースクッション層と;該ベ
ースクッション層に対して緊密接触する硬化層であり、
0.1GPa〜500GPaという範囲のヤング率と、
500μm未満の厚さと、を有している硬化層と;該硬
化層を取り囲む外側ソフトリリース層と;を備え、前記
ソフト圧力ローラが、剛直な円筒形コア部材と;該コア
部材を取り囲むベースクッション層と;該ベースクッシ
ョン層に対して緊密接触する硬化層であり、0.1GP
a〜500GPaという範囲のヤング率と、500μm
未満の厚さと、を有している硬化層と;該硬化層を取り
囲む付加的外側ソフト層と;を備えていることを特徴と
する片面型融着ステーション。 [特性43]静電写真装置の片面型融着ステーションで
あって、回転可能なソフト圧力ローラと;融着ニップを
形成するようにして前記ソフト圧力ローラと係合し、逆
向きに回転可能な外部加熱型硬質融着ローラと;を具備
し、前記ソフト圧力ローラが、剛直な円筒形コア部材
と;該コア部材を取り囲むベースクッション層と;該ベ
ースクッション層に対して緊密接触する硬化層であり、
0.1GPa〜500GPaという範囲のヤング率と、
500μm未満の厚さと、を有している硬化層と;該硬
化層を取り囲む付加的外側ソフト層と;を備えているこ
とを特徴とする片面型融着ステーション。 [特性44A]特性41記載の片面型融着ステーション
において、前記硬化層が、継ぎ目無しチューブの形態と
されていることを特徴とする片面型融着ステーション。 [特性44B]特性43記載の片面型融着ステーション
において、前記硬化層が、継ぎ目無しチューブの形態と
されていることを特徴とする片面型融着ステーション。 [特性44C]特性42記載の片面型融着ステーション
において、前記融着ローラの前記硬化層と前記圧力ロー
ラの前記硬化層との各々が、継ぎ目無しチューブの形態
とされていることを特徴とする片面型融着ステーショ
ン。 [特性45]静電写真装置の両面型融着ステーションで
あって、回転可能な第1融着ローラと;融着用圧力ニッ
プを形成するようにして前記第1融着ローラと係合し、
逆向きに回転可能な第2融着ローラと;を具備してな
り、前記第1および第2融着ローラの一方または双方
が、剛直な円筒形コア部材と;該コア部材を取り囲むベ
ースクッション層と;該ベースクッション層に対して緊
密接触する硬化層であり、0.1GPa〜500GPa
という範囲のヤング率と、500μm未満の厚さと、を
有している硬化層と;該硬化層を取り囲む外側ソフトリ
リース層と;を備え、前記第1および第2融着ローラの
一方または双方が、外部熱源によって加熱されるものと
されていることを特徴とする両面型融着ステーション。
【0096】[特性46]静電写真装置において使用す
るためのトナー融着方法であって、回転可能な外部加熱
型ソフト融着ローラと逆向きに回転可能な硬質圧力ロー
ラとを係合させることによって融着ニップを形成すると
ともに、一方のローラを駆動することによって、他方の
ローラを、前記ニップ内における圧力接触により摩擦的
に駆動し;1つまたは複数の加熱ローラを前記融着ロー
ラに対して接触させることによって前記融着ローラを加
熱し;受取シートの表面上に未定着トナー像を形成し;
前記受取シートの前端を前記ニップ内に供給し、前記未
定着トナー像が前記融着ローラを向く向きとして、前記
受取シート上の前記未定着トナーを、前記融着ニップ内
を通過させるという方法において、前記外部加熱型融着
ローラを、剛直な円筒形コア部材と;該コア部材上に形
成されたベースクッション層と;該ベースクッション層
に対して緊密接触する硬化層と;該硬化層上にコーティ
ングされた外側ソフト層と;を備えるものとすることを
特徴とする方法。 [特性47]特性46記載のトナー融着方法において、
前記融着ローラの前記ソフトベースクッション層を、弾
性体から形成するとともに、0.1μm〜100μmと
いう範囲の粒子サイズを有した粒状フィラーを3〜30
容量%でもって含有するものとし、前記ベースクッショ
ン層を、0.25mm〜25mmという範囲の厚さを有
し、0.1386〜0.5196J/m/℃/sec
(0.08〜0.3BTU/hr/ft/°F)という
範囲の熱伝導率を有し、0.05MPa〜10MPaと
いう範囲のヤング率を有するものとし、前記硬化層を、
10μm〜500μmという範囲の厚さと0.1GPa
〜500GPaという範囲のヤング率とを有するフレキ
シブルな材料から形成し、前記外側ソフト層を、弾性体
から形成するとともに、0.1μm〜100μmという
範囲の粒子サイズを有した粒状フィラーを5〜50容量
%でもって含有するものとし、前記外側ソフト層を、1
mm未満の厚さを有し、0.3463〜0.8660J
/m/℃/sec(0.2〜0.5BTU/hr/ft
/°F)という範囲の熱伝導率を有し、0.4〜0.5
という範囲のポアソン比を有し、さらに、0.05MP
a〜10MPaという範囲のヤング率を有するものとす
ることを特徴とする方法。 [特性48]特性47記載のトナー融着方法において、
前記外側ソフト層を、フッ素化弾性体またはシリコーン
ゴムから形成することを特徴とする方法。 [特性49]特性47記載のトナー融着方法において、
前記ソフトベースクッション層を、ポリ(ジメチルシロ
キサン)弾性体またはフッ素化弾性体またはEPDMゴ
ムから形成することを特徴とする方法。 [特性50]特性47記載のトナー融着方法において、
前記硬化層を、ニッケルから形成することを特徴とする
方法。
【0097】[特性51]静電写真装置において使用す
るためのトナー融着方法であって、回転可能な硬質外部
加熱型融着ローラと逆向きに回転可能なソフト圧力ロー
ラとを係合させることによって融着ニップを形成すると
ともに、一方のローラを駆動することによって、他方の
ローラを、前記ニップ内における圧力接触により摩擦的
に駆動し;1つまたは複数の加熱ローラを前記融着ロー
ラに対して接触させることによって前記融着ローラを加
熱し;受取シートの表面上に未定着トナー像を形成し;
前記受取シートの前端を前記ニップ内に供給し、前記未
定着トナー像が前記融着ローラを向く向きとして、前記
受取シート上の前記未定着トナーを、前記融着ニップ内
を通過させるという方法において、前記圧力ローラを、
剛直な円筒形コア部材と;該コア部材上に形成されたソ
フトなベースクッション層と;該ベースクッション層に
対して緊密接触する硬化層と;を備えるものとすること
を特徴とする方法。 [特性52]特性51記載のトナー融着方法において、
前記圧力ローラの前記ソフトベースクッション層を、弾
性体から形成するとともに、0.25mm〜25mmと
いう範囲の厚さを有し、0.05MPa〜10MPaと
いう範囲のヤング率を有するものとし、前記硬化層を、
500μm未満という厚さと0.5GPa〜500GP
aという範囲のヤング率とを有するフレキシブルな材料
から形成することを特徴とする方法。 [特性53]特性51記載のトナー融着方法において、
前記ソフトベースクッション層を、ポリ(ジメチルシロ
キサン)弾性体またはフッ素化弾性体またはEPDMゴ
ムから形成することを特徴とする方法。 [特性54]特性51記載のトナー融着方法において、
前記硬化層を、ニッケルから形成することを特徴とする
方法。 [特性55]特性51記載のトナー融着方法において、
前記圧力ローラにおいて、付加的な外側ソフト層を、前
記硬化層上にコーティング形成し、前記外側ソフト層
を、弾性体から形成するとともに、1mm未満の厚さを
有し、0.4〜0.5という範囲のポアソン比を有し、
さらに、0.05MPa〜10MPaという範囲のヤン
グ率を有するものとすることを特徴とする方法。
【0098】[特性56A]特性42記載の融着ステー
ションにおいて、前記圧力ローラの前記ベースクッショ
ン層のポアソン比が、0.2〜0.5であることを特徴
とする融着ステーション。 [特性56B]特性43記載の融着ステーションにおい
て、前記圧力ローラの前記ベースクッション層のポアソ
ン比が、0.2〜0.5であることを特徴とする融着ス
テーション。 [特性57A]特性56A記載の融着ステーションにお
いて、前記圧力ローラの前記ベースクッション層のポア
ソン比が、0.45〜0.5であることを特徴とする融
着ステーション。 [特性57B]特性56B記載の融着ステーションにお
いて、前記圧力ローラの前記ベースクッション層のポア
ソン比が、0.45〜0.5であることを特徴とする融
着ステーション。 [特性58A]特性41記載の融着ステーションにおい
て、前記融着ローラの前記ベースクッション層のポアソ
ン比が、0.2〜0.5であることを特徴とする融着ス
テーション。 [特性58B]特性43記載の融着ステーションにおい
て、前記融着ローラの前記ベースクッション層のポアソ
ン比が、0.2〜0.5であることを特徴とする融着ス
テーション。 [特性58C]特性45記載の融着ステーションにおい
て、前記融着ローラの前記ベースクッション層のポアソ
ン比が、0.2〜0.5であることを特徴とする融着ス
テーション。 [特性59A]特性58A記載の融着ステーションにお
いて、前記融着ローラの前記ベースクッション層のポア
ソン比が、0.45〜0.5であることを特徴とする融
着ステーション。 [特性59B]特性58B記載の融着ステーションにお
いて、前記融着ローラの前記ベースクッション層のポア
ソン比が、0.45〜0.5であることを特徴とする融
着ステーション。 [特性59C]特性58C記載の融着ステーションにお
いて、前記融着ローラの前記ベースクッション層のポア
ソン比が、0.45〜0.5であることを特徴とする融
着ステーション。
【0099】[特性60A]特性41記載の融着ステー
ションにおいて、前記外側ソフト層のポアソン比が、
0.4〜0.5であることを特徴とする融着ステーショ
ン。 [特性60B]特性42記載の融着ステーションにおい
て、前記外側ソフト層のポアソン比が、0.4〜0.5
であることを特徴とする融着ステーション。 [特性60C]特性43記載の融着ステーションにおい
て、前記融着ローラの前記外側ソフト層と前記圧力ロー
ラの前記外側ソフト層とのそれぞれのポアソン比が、
0.4〜0.5であることを特徴とする融着ステーショ
ン。 [特性60D]特性45記載の融着ステーションにおい
て、前記各融着ローラの前記外側ソフト層のポアソン比
が、0.4〜0.5であることを特徴とする融着ステー
ション。 [特性61A]特性60A記載の融着ステーションにお
いて、前記外側ソフト層のポアソン比が、0.45〜
0.5であることを特徴とする融着ステーション。 [特性61B]特性60B記載の融着ステーションにお
いて、前記外側ソフト層のポアソン比が、0.45〜
0.5であることを特徴とする融着ステーション。 [特性61C]特性60C記載の融着ステーションにお
いて、前記融着ローラの前記外側ソフト層と前記圧力ロ
ーラの前記外側ソフト層とのそれぞれのポアソン比が、
0.45〜0.5であることを特徴とする融着ステーシ
ョン。 [特性61D]特性60D記載の融着ステーションにお
いて、前記各融着ローラの前記外側ソフト層のポアソン
比が、0.45〜0.5であることを特徴とする融着ス
テーション。
【0100】[特性62A]特性46記載のトナー融着
方法において、前記ベースクッション層のポアソン比
を、0.2〜0.5とすることを特徴とする方法。 [特性62B]特性51記載のトナー融着方法におい
て、前記ベースクッション層のポアソン比を、0.2〜
0.5とすることを特徴とする方法。 [特性63A]特性62A記載のトナー融着方法におい
て、前記ベースクッション層のポアソン比を、0.45
〜0.5とすることを特徴とする方法。 [特性63B]特性62B記載のトナー融着方法におい
て、前記ベースクッション層のポアソン比を、0.45
〜0.5とすることを特徴とする方法。
【0101】[特性64]特性1B記載のトナー融着ロ
ーラにおいて、前記リリース層の表面粗さ(Ra)が、
0.254μm(10マイクロインチ)を超えないもの
とされていることを特徴とするトナー融着ローラ。 [特性65]特性41記載の片面型トナー融着ステーシ
ョンにおいて、前記硬質圧力ローラが、剛直円筒形チュ
ーブと、フッ素化弾性体またはシリコーンゴムから形成
されるとともに1.25mm未満の厚さでもって前記チ
ューブ上にコーティングされた弾性体と、を備えている
ことを特徴とする融着ステーション。 [特性66]特性43記載の片面型トナー融着ステーシ
ョンにおいて、前記硬質融着ローラが、熱伝導性の剛直
円筒形チューブと、フッ素化弾性体またはシリコーンゴ
ムから形成されるとともに1.25mm未満の厚さでも
って前記チューブ上にコーティングされた弾性体と、を
備えていることを特徴とする融着ステーション。 [特性67]特性46記載のトナー融着方法において、
前記硬質圧力ローラを、剛直円筒形チューブと、フッ素
化弾性体またはシリコーンゴムから形成されるとともに
1.25mm未満の厚さでもって前記チューブ上にコー
ティングされた弾性体と、を備えるものとすることを特
徴とする方法。 [特性68]特性51記載のトナー融着方法において、
前記硬質融着ローラを、熱伝導性の剛直円筒形チューブ
と、フッ素化弾性体またはシリコーンゴムから形成され
るとともに1.25mm未満の厚さでもって前記チュー
ブ上にコーティングされた弾性体と、を備えるものとす
ることを特徴とする方法。
【0102】[特性69]特性1A記載のローラにおい
て、前記硬化層が、前記ローラの回転方向に関する接線
方向に平行に測ったときに、ローラ軸に平行方向におけ
る場所によって硬さの大きさが相違するものとされてい
ることを特徴とするローラ。 [特性70]特性69記載のローラにおいて、前記硬化
層の硬さの場所による相違具合いが、前記ローラの実質
的な長さ方向中央部に関して実質的に対称であることを
特徴とするローラ。 [特性71]特性69記載のローラにおいて、前記硬化
層の硬さの場所による相違が、前記硬化層の厚さの場所
による相違によってもたらされていることを特徴とする
ローラ。 [特性72]特性71記載のローラにおいて、前記硬化
層の厚さが、前記ローラの前記中央部よりも、前記ロー
ラの両端部近傍において、薄いものとされていることを
特徴とするローラ。 [特性73]特性69記載のローラにおいて、前記硬化
層の硬さの場所による相違が、前記硬化層のヤング率の
場所による相違によってもたらされていることを特徴と
するローラ。 [特性74]特性73記載のローラにおいて、前記硬化
層のヤング率が、前記ローラの前記中央部よりも、前記
ローラの両端部近傍において、小さいものとされている
ことを特徴とするローラ。 [特性75]特性69記載のローラにおいて、前記硬化
層の硬さの場所による相違が、前記ローラの軸方向に沿
った単位長さあたりの穴占有面積が場所によって相違し
ているようにして前記硬化層に形成された多数の穴によ
ってもたらされていることを特徴とするローラ。 [特性76]特性75記載のローラにおいて、前記硬化
層の単位表面積あたりの前記穴占有面積が、前記ローラ
の前記中央部よりも、前記ローラの両端部近傍におい
て、大きいものとされていることを特徴とするローラ。 [特性77]特性69記載のローラにおいて、前記硬化
層の硬さの場所による相違が、前記ローラの長さ方向に
沿って数密度が場所によって相違するものとされている
メッシュまたは織物の形態でもって前記硬化層を形成す
ることによってもたらされていることを特徴とするロー
ラ。 [特性78]特性77記載のローラにおいて、前記数密
度が、前記ローラの前記中央部よりも、前記ローラの両
端部近傍において、小さいものとされていることを特徴
とするローラ。 [特性79]特性69記載のローラにおいて、前記硬化
層がコードを備え、前記硬化層の硬さの場所による相違
が、前記硬化層の面内において軸方向に測ったときに、
前記ローラの軸方向における単位長さあたりのコード数
を場所によって相違させることによってもたらされてい
ることを特徴とするローラ。 [特性80]特性79記載のローラにおいて、単位長さ
あたりの前記コード数が、前記ローラの実質的な長さ方
向中央部において最大であり、かつ、前記ローラの両端
部近傍において最小とされていることを特徴とするロー
ラ。 [特性81]特性79記載のローラにおいて、前記コー
ドが、巻回フィラメントとされていることを特徴とする
ローラ。 [特性82]特性79記載のローラにおいて、前記コー
ドが、前記回転軸を実質的に中心とする互いに同中心的
な一組をなす複数のリングとされていることを特徴とす
るローラ。
【0103】[特性83]特性1A記載のローラにおい
て、前記ローラ軸に対して平行な方向において外径が場
所によって相違するものとされていることを特徴とする
ローラ。 [特性84]特性83記載のローラにおいて、前記ロー
ラの両端部近傍において前記外径が最大値をとり、か
つ、前記ローラの実質的な長さ方向中央部において前記
外径が最小値をとるものとされていることを特徴とする
ローラ。 [特性85]特性1A記載のローラにおいて、前記硬化
層が、前記ローラ軸に対して平行な方向において外表面
よりも下において場所によって相違する深さ位置に配置
されていることを特徴とするローラ。 [特性86]特性85記載のローラにおいて、前記硬化
層の深さ位置が、前記ローラの両端部近傍において最も
深く、かつ、前記ローラの実質的な長さ方向中央部にお
いて最も浅いものとされていることを特徴とするロー
ラ。
【0104】[特性87]特性1B記載の融着ローラに
おいて、前記融着ローラが受取部材に対してのトナー像
の融着のために使用されているときに、前記硬化層が、
前記ローラ軸に対して平行な方向に測ったときに、前記
受取部材の長さよりも短いものとされていることを特徴
とする融着ローラ。 [特性88]特性87記載の融着ローラにおいて、前記
受取部材が、前記回転軸に対して垂直な両エッジを有
し、これら両エッジが、50.8mm(2インチ)を超
えない長さだけ、前記硬化層の対応エッジよりも外方に
位置していることを特徴とする融着ローラ。 [特性89]特性88記載の融着ローラにおいて、前記
受取部材が、前記回転軸に対して垂直な両エッジを有
し、これら両エッジが、38.1mm(1.5インチ)
を超えない長さだけ、前記硬化層の対応エッジよりも外
方に位置していることを特徴とする融着ローラ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 硬質の圧力ローラと、継ぎ目無しの硬化層を
有した外部加熱型のソフト融着ローラと、が融着ニップ
を形成しつつ係合してなる本発明による片面型トナー融
着ステーションを示す端面図である。
【図2】 外部加熱型の硬質の融着ローラと、継ぎ目無
しの硬化層を有したソフトな圧力ローラと、が融着ニッ
プを形成しつつ係合してなる本発明による片面型トナー
融着ステーションを示す端面図である。
【図3】 継ぎ目無しの硬化層を有した外部加熱型のソ
フト融着ローラと、継ぎ目無しの硬化層を有したソフト
な圧力ローラと、が融着ニップを形成しつつ係合してな
る本発明による片面型トナー融着ステーションを示す端
面図である。
【図4】 継ぎ目無しの硬化層を有した外部加熱型のソ
フトな第1融着ローラと、継ぎ目無しの硬化層を有した
外部加熱型のソフトな第2融着ローラと、が融着ニップ
を形成しつつ係合してなる本発明による両面型トナー融
着ステーションを示す端面図である。
【図5】 ローラの端部近傍の小領域内に配置された機
械読取可能な目印が外面上に形成されている本発明によ
るローラの外面の様子を概略的に示す図である。
【図6】 バーコードの形態とされた目印と、目印検出
器による目印の検出と、を概略的に示す図である。
【図7】 本発明によるローラを概略的に示す図であっ
て、ヤング率が長さ方向において場所によって相違する
ものとされている硬化層を備えている。
【図8】 本発明によるローラを概略的に示す図であっ
て、ローラの長さ方向に沿って場所によって厚さが相違
するものとされている硬化層を備えている。
【図9】 本発明によるローラを概略的に示す図であっ
て、多数の穴を有した硬化層を備えており、穴の形成密
度は、ローラの長さ方向に沿って場所によって相違する
ものとされている。
【図10】 本発明によるローラを概略的に示す図であ
って、メッシュまたは織物を有した硬化層を備えてお
り、メッシュまたは織物の数密度は、ローラの長さ方向
に沿って場所によって相違するものとされている。
【図11】 本発明によるローラを概略的に示す図であ
って、コードを有した硬化層を備えており、コードの数
密度は、ローラの長さ方向に沿って場所によって相違す
るものとされている。
【図12】 本発明によるローラを概略的に示す図であ
って、ローラ内における設置深さが、ローラ軸に対して
平行な方向における場所によって相違するものとされて
いる硬化層を備えている。
【図13】 本発明による融着ステーションのローラを
概略的に示す図であって、融着ローラのローラ軸に対し
て平行に測ったときに、受取部材の長さよりも短い硬化
層を備えている。
【図14】 本発明による融着ステーションのローラを
概略的に示す図であって、ローラの長さ方向に沿って場
所によってローラの外径が相違するものとされていると
ともに、ローラの実質的に長さ方向中央部よりもローラ
両端部の方が厚くなっている外側ソフト層を備えてい
る。
【符号の説明】
20 融着ローラ 20’ソフトな外部加熱型融着ローラ 20”第1融着ローラ 21 コア 21’コア 21”コア 22 ベースクッション層 22’ベースクッション層 22”ベースクッション層 23 硬化層 23’硬化層 23”硬化層 24 外側リリース層 24’リリース層 24”リリース層 30 圧力ローラ 31 コア部材 32 表面層 50 圧力ローラ 50’ソフトな圧力ローラ 51 コア部材 51’コア 52 ベースクッション層 52’ベースクッション層 53 硬化層 53’硬化層 54 外側ソフト層 54’外側ソフト層 60 融着ローラ 61 コア部材 62 外層 70 第2融着ローラ 71 コア 72 ベースクッション層 73 硬化層 74 リリース層 100 片面型融着ステーション 110 受取シート 120 融着ニップ 200 片面型融着ステーション 210 受取シート 220 融着ニップ 300 片面型融着ステーション 310 受取シート 320 融着ニップ 400 両面型融着ステーション 410 受取シート 420 融着ニップ 500 ローラ 510 コア部材 511 ベースクッション層 512 硬化層 513 外側ソフト層 550 ローラ 560 コア部材 561 ベースクッション層 562 硬化層 563 外側ソフト層 600 ローラ 610 コア部材 611 ベースクッション層 612 硬化層 612’硬化層 613 外側ソフト層 614 穴 650 ローラ 660 コア部材 661 ベースクッション層 662 硬化層 662’硬化層 663 外側ソフト層 664 織布織物 700 ローラ 710 コア部材 711 ベースクッション層 712 硬化層 712’硬化層 713 外側ソフト層 714 リング(コード) 750 ローラ 760 コア部材 761 ベースクッション層 762 硬化層 763 外側ソフト層 800 ローラ 810 コア部材 811 ベースクッション層 812 硬化層 813 外側ソフト層 850 ローラ 861 ベースクッション層 862 硬化層 863 外側ソフト層
フロントページの続き (72)発明者 アラン・チョウドリー アメリカ合衆国・14534・ニューヨーク・ ピッツフォード・トロッターズ・フィール ド・ラン・6 (72)発明者 ジェイムズ・イー・メイザーズ アメリカ合衆国・14625・ニューヨーク・ ロチェスター・クリーク・ヒル・レイン・ 126 (72)発明者 ジョン・ダブリュ・メイ アメリカ合衆国・14616・ニューヨーク・ ロチェスター・サウスウッド・レイン・44 (72)発明者 ボーデン・エイチ・ミルズ アメリカ合衆国・14580・ニューヨーク・ ウエブスター・アダムス・ロード・ウエス ト・499 (72)発明者 アラン・アール・プリーブ アメリカ合衆国・14615・ニューヨーク・ リガ・リガ・ストリート・8 (72)発明者 ケネス・ディ・スタック アメリカ合衆国・14450・ニューヨーク・ フェアポート・ウエンロック・ロード・17 Fターム(参考) 2H033 AA10 BA26 BB03 BB04 BB13 BB14 BB15 BB21 BB23 BB26 3J103 AA02 AA14 AA24 BA02 BA41 EA06 FA01 FA12 GA02 GA57 GA58 GA60 HA12 HA54 3K058 AA61 BA18 DA21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電写真装置の融着ステーションにおい
    て使用するための変形可能なローラであって、 前記融着ステーションには、受取部材上にトナー像を融
    着するための圧力ローラが設けられ、融着ローラが、回
    転軸回りに複数の層を有して構成されている場合におい
    て、 前記変形可能なローラが、 剛直な円筒形対称型コア部材と;該コア部材上に形成さ
    れたソフトなベースクッション層と;該ベースクッショ
    ン層を取り囲むとともに該ベースクッション層に対して
    緊密接触した硬化層と;該硬化層上にコーティングされ
    たソフトリリース層と;を具備してなり、 前記融着ステーションが、前記融着ローラのための外部
    熱源を備え、 前記融着ローラをなす複数の層のうちの少なくとも1つ
    の層が、熱耐性を有していることを特徴とするローラ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のローラにおいて、 前記硬化層が、前記ローラの回転方向に関する接線方向
    に平行に測ったときに、ローラ軸に平行方向における場
    所によって硬さの大きさが相違するものとされているこ
    とを特徴とするローラ。
  3. 【請求項3】 変形可能なローラの製造方法であって、 コア部材上に、ソフトなベースクッション層を一様に形
    成し;円筒形マンドレルを準備して、このマンドレル上
    に、継ぎ目無し金属チューブの形態とされた硬化層を取
    り付け;この際、前記マンドレル上に前記硬化層を取り
    付ける前の時点における前記金属チューブの内径を、前
    記コア部材上に形成された前記ベースクッション層の外
    径よりも小さなものとし;前記硬化層上に、ソフトリリ
    ース層を一様にコーティングし;前記コア部材上に形成
    された前記ベースクッション層上にわたって、前記ソフ
    トリリース層が既にコーティングされている前記硬化層
    を、前記ベースクッション層上の適切な位置にまでスラ
    イドさせ、これにより、完成品の融着ローラを形成し;
    この際、前記ソフトリリース層が既にコーティングされ
    ている前記硬化層の内径を、前記コア部材上に形成され
    た前記ベースクッション層の外径よりも、前記スライド
    時に一時的に大きくすることにより、前記スライドを実
    行する;ことを特徴とする方法。
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