JP2002115483A - 破砕方法 - Google Patents

破砕方法

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JP2002115483A
JP2002115483A JP2000306961A JP2000306961A JP2002115483A JP 2002115483 A JP2002115483 A JP 2002115483A JP 2000306961 A JP2000306961 A JP 2000306961A JP 2000306961 A JP2000306961 A JP 2000306961A JP 2002115483 A JP2002115483 A JP 2002115483A
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medium
crushing
pressure wave
crushed
electrode
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JP2000306961A
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English (en)
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Toru Okazaki
徹 岡崎
Masahiro Kuwabara
雅裕 桑原
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下孔の加工を必要としない、簡便な破砕方法
を提供する。 【解決手段】 放電エネルギーにより生じた圧力波を媒
体3を介して破砕対象物2に到達させて破砕対象物2を
破壊する破砕方法であって、破砕対象物2の一部表面を
覆うように媒体3が配置されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、岩石などを破壊
する破砕方法に関し、より特定的には、圧力波を利用す
る破砕方法に関する。
【0002】
【従来の技術】岩石などを破壊するための従来の破砕方
法としては、たとえば特開平4−222794号公報に
開示されているものがある。図6は、従来の破砕装置を
示す模式図であり、図7は、図6に示した従来の破砕装
置の電極部を示した模式図である。図6および7を参照
して、上記特開平4−222794号公報に開示された
破砕方法を実施するための破砕装置の構造および動作原
理について説明する。
【0003】図6および7を参照して、まず、従来の破
砕装置の構造を簡単に説明する。パルスパワー源106
は、コンデンサ108、スイッチ107などを含む回路
からなっている。このパルスパワー源106には電源1
09が接続されている。パルスパワー源106の回路、
この回路を含む破砕装置の筐体などは接地されている。
【0004】岩石などを破壊するための破壊電極として
の同軸電極101は、パルスパワー源106と同軸ケー
ブル105によって接続されている。同軸電極101の
先端には、接地された接地電極と、パルスパワー源10
6のスイッチ107が閉じられたときにコンデンサ10
8に蓄えられた電荷が導かれる電極とが配置されてい
る。
【0005】次に従来の破砕方法を説明する。破壊対象
となる岩石などに、ドリルなどを用いてあらかじめ下孔
110を形成する。この下孔110の中に水111など
の電解液を注入する。この下孔110に同軸電極101
を挿入する。ここで、下穴110の内部に水111を閉
じ込めることができるように、同軸電極101の直径は
ほぼ下穴110の直径と等しくなっている。
【0006】そして、電源109で電荷を発生させ、こ
の電荷をコンデンサ108に蓄積する。ただし、コンデ
ンサ108の片側の極は接地されている。
【0007】コンデンサ108に十分に電荷が蓄積され
た後にスイッチ107を閉じることによって、同軸ケー
ブル105を介して同軸電極101に電荷が供給され
る。そして、同軸電極101の先端において、電極と接
地電極との間に電位差が生じることにより放電が起こ
る。このとき、同軸電極101の先端付近の電解液とし
ての水111が放電エネルギーによってプラズマ化する
ことにより、大きい爆発力のある爆薬のように爆破に充
分な圧力を作り出す。この爆風は、下孔110が同軸電
極101によりふさがれることにより閉じ込められ、同
軸電極101の周囲の岩石などを破壊する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平4−222
794号公報に開示された技術では、上述したようにプ
ラズマ化により生じた爆風を閉じ込めるため、下孔11
0を予め形成する必要がある。しかし、破砕対象物の硬
度が極めて高い場合など、下孔110を形成するための
加工が困難な場合があった。また、下孔110にほぼ同
一の直径の同軸電極101を挿入する必要が有るが、下
孔110の加工精度によっては、同軸電極101が下孔
110に入らないなど、トラブルが発生する場合があっ
た。
【0009】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、この発明の目的は、下孔の
加工を必要としない、簡便な破砕方法を提供することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の1の局面にお
ける破砕方法は、放電エネルギーにより生じた圧力波
を、媒体を介して破砕対象物に到達させて前記破砕対象
物を破壊する破砕方法であって、破砕対象物の一部表面
を覆うように媒体が配置されていることを特徴とする。
【0011】発明者らは、破砕に用いる圧力波の伝達過
程について従来技術とは異なる観点からとらえることに
より、本発明を完成するに至った。つまり、上述した特
開平4−222794号公報に開示されたような従来の
技術では、水などの電解質を閉じ込める下孔を形成し、
爆発力による破砕を前提としていた。しかし、圧力波を
利用して岩石などの破砕対象物を破砕する場合、圧力波
が形成された領域と岩石などの破砕対象物との間に、圧
力波を破砕対象物へ伝達する媒体が存在していれば、圧
力波自体のエネルギーにより破砕対象物を破砕すること
が可能である。つまり、従来のように、下孔を形成して
媒体としての水などをこの下孔の内部に同軸電極を用い
て閉じ込めなくても、圧力波を形成するための圧力波発
生部材である電極と破砕対象物との間に、圧力波を伝え
ることができる媒体が存在し、その圧力波が充分なエネ
ルギーを有していれば、破砕対象物を破壊できる。した
がって、破砕対象物に対する下孔の形成などの余分な工
程を行なう必要がないので、破砕方法のコストを低減で
きる。
【0012】ここで、本発明による破砕方法の例とし
て、たとえば後述するように破砕対象物の一部表面を覆
うようにゼリー状の媒体を配置し、さらにこの媒体内で
放電を生じて圧力波を発生させるための圧力波発生部材
を配置することを考える。この場合、圧力波発生部材に
より発生した圧力波は、その発生領域から等方的に媒体
中を伝わる。圧力波発生部材から破砕対象物の方向へ伝
播する圧力波は、破砕対象物を破砕する衝撃波として作
用する。一方、圧力波の発生領域から破砕対象物が位置
する方向以外の方向に伝播する圧力波は、媒体の表面で
反射、あるいは消失すると考えられる。ここで圧力波は
媒体中を音速で伝播する。そして反射した圧力波は、当
該反射した圧力波と同じタイミングで発生した圧力波の
うち、圧力波の発生領域から破砕対象物の方向へ伝播し
た圧力波には、伝播経路の長さが異なることから影響す
ることはない。
【0013】なお、電極に電流を供給して放電を発生さ
せる場合、電極に供給される電流値により放電の際の放
出エネルギーは決定される。そして、この放出エネルギ
ーにより圧力波の圧力が決定される。また、媒体中での
圧力波の伝播速度は、基本的に媒体の材質と圧力波の圧
力とにより決定される。
【0014】上記1の局面における破砕方法では、媒体
は破砕対象物の一部表面上に設けられた枠の内側に保持
されていてもよい。
【0015】この場合、媒体として水など液状の材料を
用いる際に、媒体の保持を容易に行なうことができる。
このため、電極と破砕対象物との間に媒体を確実に配置
できるので、本発明による破砕方法を容易に実施でき
る。
【0016】上記1の局面における破砕方法では、媒体
は破砕対象物の一部表面に形成された開口部の内側に保
持されていてもよい。
【0017】ここで、開口部とは、従来技術にて用いる
下孔との区別のために用いるものとし、破砕対象物の表
面に設けた凹部であって、圧力波発生部材によりふさが
れることのない程度で、媒体の保持が可能な開かれた部
分を言う。
【0018】この場合、開口部の内部に媒体を保持する
ことができる。したがって、媒体の位置決めを容易に行
なうことができる。
【0019】上記1の局面における破砕方法では、媒体
はゼリー状であることが望ましい。ここで、本明細書中
においてゼリー状とは、容易に流動することのない半固
形状の物質の状態を表す総称として用いることとする。
その粘性、粘着性などは、破砕対象物の形状等に応じて
任意に選択可能である。そして、この場合、ゼリー状の
媒体は高い粘性を有するため、媒体を保持するための枠
などを特に形成しなくても、電極と破砕対象物との間に
媒体を容易に保持することができる。この結果、本発明
による破砕方法を容易に実施できる。また、枠や開口部
中に媒体を保持する場合であっても、傾斜による媒体の
流出を防ぐ等の意味で効果的である。
【0020】さらに、ゼリー状の媒体の粘性を高めれ
ば、破砕対象物の天井面や側面など、任意の場所にこの
媒体を粘着させることができる。この結果、このような
破砕対象物の天井面などを本発明による破砕方法で破壊
できる。
【0021】上記1の局面における破砕方法では、媒体
は破砕対象物の一部表面上を流通してもよい。例えば、
簡易な枠により、例えば水のような媒体を保持する場合
に、連続的に媒体を流通させておけば、枠からの媒体の
流出を気にすることなく、常に媒体を存在させることが
できる。場合によっては枠などを一切用いずに電極と破
砕対象物との間に媒体を連続して流通してもよい。
【0022】この場合、絶えず新しい媒体を電極と破砕
対象物との間に供給できる。したがって、媒体が電極に
おける放電などに伴って蒸発する、あるいは変質すると
いった場合、連続的に新しい媒体を供給することにより
圧力波の発生条件を一定に保つことができる。したがっ
て、安定して破砕対象物を破壊できる。
【0023】また、圧力波をくり返し(連続的に)発生
させて、破砕対象物の破砕を行なう場合、媒体を連続し
て供給することにより媒体の設置のための時間を要せ
ず、破砕を安定して行なうことができる。
【0024】圧力波発生部材において圧力波を発生させ
る部分は、媒体中で放電が生じ、その圧力波が媒体中を
伝わるように配置されていれば、媒体の表面でも媒体中
への埋設でも良いが、媒体の中に埋設された状態となっ
ていることが好ましい。
【0025】圧力波は、圧力波発生部材において圧力波
を発生させる部分から媒体中を等方的に伝播していく。
そして、媒体の破砕対象物に面していない表面に圧力波
が到達した場合、媒体中に圧力波の反射波が発生する。
ここで、上記のように圧力波を発生させる部分が媒体中
に埋設された状態となっていれば、この圧力波が発生す
る領域と、媒体の破砕対象物に面していない表面との間
の距離を大きくできる。このため、媒体の破砕対象物に
面していない表面に圧力波が到達するタイミングを遅く
することができ、媒体の破砕対象物に面していない表面
からの反射波が破砕対象物に到達する時刻を遅くするこ
とができる。これにより、表面からの反射波が破砕に与
える影響がなくなるのである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一
または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説
明は繰り返さない。
【0027】図1は、本発明による破砕方法の実施の形
態を説明するための模式図である。図1を参照して、本
発明による破砕方法を説明する。
【0028】図1を参照して、本発明による破砕方法で
は、同軸電極1とパルスパワー源6と電源9と同軸ケー
ブル5とを備える破砕装置を用いる。パルスパワー源6
はコンデンサ8、スイッチ7などを含む回路からなる。
パルスパワー源6には電源9が接続されている。パルス
パワー源6の回路は接地されている。同軸電極1はパル
スパワー源6と同軸ケーブル5により接続されている。
同軸電極1の先端には、接地された接地電極と、パルス
パワー源6のスイッチ7が閉じられたときにコンデンサ
8に蓄えられた電荷が導かれる電極とが配置されてい
る。
【0029】図1に示した本発明による破砕方法では、
まず、岩などの破砕対象物2の一部表面を覆うようにゼ
リー状物質3を配置する(なお、ゼリー状物質とは半固
形状物質を意味する)。ゼリー状物質3の内部に先端部
が埋設されるように同軸電極1を挿入する。同軸電極1
と破砕対象物2の壁面とは距離Lを隔てて位置する。ゼ
リー状物質3としては、水などに粘性を高めるためのゼ
ラチンなどを混入したもの等を用いることができる。そ
の他、ここに言うゼリー状の程度を示すために例示する
とすれば、豆腐やプリンのようなものから、ガム、粘
土、さらには石鹸のような粘性のものまでを広く含むも
のである。
【0030】パルスパワー源6のコンデンサ8は電源9
から供給される電荷を蓄積する。コンデンサ8に十分電
荷が蓄積された後、ギャップスイッチなどを用いたスイ
ッチ7を閉じることにより、同軸ケーブル5を介して同
軸電極1に電流が供給される。同軸電極1の先端におい
て、電極と接地電極との間に電位差が生じることにより
放電点4において放電が起こる。この放電により、急激
なジュール加熱によってゼリー状物質3がガス化・プラ
ズマ化し、膨張することによってゼリー状物質3中にお
いて圧力波が発生する。この結果、破砕対象物2を破砕
するために必要な圧力を容易に得ることができる。つま
り、従来のように、下孔を形成して、媒体としての水な
どをこの下孔の内部に同軸電極を用いて閉じ込めなくて
も、同軸電極1と破砕対象物2との間に、圧力波を伝え
ることができる媒体としてのゼリー状物質3が存在して
いれば、破砕対象物2を破壊できることになる。このた
め、本発明によれば、下孔の加工など余分な工程を実施
する必要がないため、破砕方法のコストを低減できる。
【0031】また、媒体として充分な粘性を有するゼリ
ー状物質3を用いれば、媒体を保持するための枠や下孔
などを特に設けなくても、破砕対象物2と同軸電極1と
の間に媒体としてのゼリー状物質3を配置できる。つま
り、図1を参照して、媒体としてゼリー状物質3を用い
れば、下孔を形成することなく、破砕対象物2と同軸電
極1とを距離Lを隔てて配置し、かつ、破砕対象物2と
同軸電極1との間に媒体としてのゼリー状物質3を配置
することができる。
【0032】図2〜5は、本発明の実施の形態の第1〜
4の変形例を示す模式図である。図2を参照して、本発
明の実施の形態の第1の変形例では、媒体として粘性の
高いゼリー状物質3を用いる。このようにすれば、図2
に示すように、破砕対象物2の天井面などに粘性の高い
ゼリー状物質3を粘着させ、さらにこのゼリー状物質3
に同軸電極1を差し込んで、この同軸電極に電流を供給
して圧力波を形成することにより、破砕対象物2の天井
面を破壊できる。また、破砕対象物2の天井面や側壁な
ど、任意の場所にゼリー状物質3を粘着させることで、
本発明による破砕方法により破砕対象物2の天井面や側
面など任意の位置を破壊できる。
【0033】また、図3に示すように、破砕対象物2の
一部表面に枠10を形成し、その枠10内部に媒体とし
ての水11を配置してもよい。
【0034】この場合、媒体として水11など液状の材
料を用いる際に、媒体の保持を容易に行なうことができ
る。このため、同軸電極1と破砕対象物2との間に媒体
を確実に配置できるので、本発明による破砕方法を容易
に実施できる。
【0035】なお、枠10の強度については、媒体とし
ての水11を保持できる程度の強度であれば十分であ
り、圧力波に耐える必要はない。
【0036】また、図4に示すように、破砕対象物2の
一部表面上を媒体としての水11が矢印12の方向に流
通していてもよい。
【0037】この場合、絶えず新しい媒体としての水1
1を同軸電極1と破砕対象物2との間に供給できる。し
たがって、枠の構造を簡素化することが可能であり、ま
た、水11が同軸電極1における放電などに伴って蒸発
する場合、連続的に新しい水11を供給することにより
圧力波の発生条件を一定に保つことができる。したがっ
て、安定した条件で破砕対象物2を破壊できる。
【0038】また、図5に示すように、破砕対象物2の
一部表面に開口部13を形成し、この開口部13の内部
に媒体としての水11を配置してもよい。このとき、開
口部13の幅は同軸電極1の幅より充分大きくしておく
ことが好ましい。
【0039】この場合、開口部13の内部に媒体として
の水11を保持することができる。したがって、媒体と
しての水11の保持および位置決めを容易に行なうこと
ができる。
【0040】また、図1〜5に示した本発明の実施の形
態では、同軸電極1において放電が起きる放電点4が媒
体としてのゼリー状物質3や水11の中に埋設された状
態となっていることが好ましい。これは以下のような理
由による。つまり、放電点4で発生した圧力波は、媒体
中を等方的に伝播していくが、媒体としてのゼリー状物
質3や水11の破砕対象物2に面していない表面に圧力
波が到達した場合、媒体中に圧力波の反射波が発生す
る。しかし、上記のように同軸電極1の放電が起きる部
分としての放電点4がゼリー状物質3や水11中に埋設
された状態となっていれば、この放電点4と、ゼリー状
物質3や水11の破砕対象物2に面していない表面との
間の距離を大きくできる。このため、ゼリー状物質3や
水11の破砕対象物2に面していない表面に圧力波が到
達するタイミングを遅くすることができる。これによ
り、圧力波の反射波が破砕対象物2に到達する時刻を遅
くすることができる。したがって、放電点4において発
生した圧力波に対して反射波が影響を及ぼすことを防止
できる。
【0041】なお、媒体としては、放電を起こすことが
でき、かつ、圧力波を伝播させることができる材料であ
れば、水に限らず他の材料を用いることができる。
【0042】
【実施例】本発明の効果を確認するため、本発明による
破砕方法を用いた実験を実施例として行なった。また、
比較のため、従来の技術による破砕方法を用いた実験も
従来例として行なった。
【0043】実施例および従来例の実験に用いた破砕装
置は、基本的に図1に示した破砕装置と同様の構成を備
える。ただし、図1に示した破砕装置において、スイッ
チ7として空圧駆動のギャップスイッチを用いた。ま
た、コンデンサ8の容量は2mFであり、実験時には1
6kVまで充電した。さらに、同軸電極1の外形は円柱
状とした。同軸電極1は、内周側に位置する内側導体
と、外周側に位置する外側導体と、内側導体と外側導体
との間に位置する絶縁体とを備える。内側導体の外径は
20mm、絶縁体の厚みは10mmとした。そして、本
願発明の実施例と従来例とにおいて、外側導体の厚みを
変更することにより、同軸電極1の外径を変化させた
(実施例において用いた同軸電極1の外径は47mmで
あり、従来例において用いた同軸電極1の外径は73m
mである)。
【0044】従来例においては、ドリルを用いて岩石
(流紋岩)に同軸電極1とほぼ等しい直径を有する下孔
(削孔径が75mm)を形成した。そして、下孔の内部
に水を配置した上で、外径が73mmの同軸電極を下孔
に挿入した。従来例においては、下孔に同軸電極がぴっ
たり嵌って下孔を塞ぐような構造となる。この状態で同
軸電極に電流を供給した。この場合、同軸電極への投入
電力は256kJとした。この結果、同軸電極で水を閉
じ込めた下孔の内部で、放電により爆風が発生し、この
爆風により岩石が破壊される。
【0045】一方、本願発明の実施例においては、破砕
対象物としての岩石(流紋岩)に、ドリルを用いて同軸
電極1より充分大きな直径を有する開口部(削孔径が7
5mm)を形成した。そして、その開口部の内部に媒体
としての水を配置した上で、同軸電極1(外径が47m
m)を開口部の内部に挿入した。開口部の内側において
は、同軸電極1の先端部を水につけた状態となるよう
に、同軸電極1を配置した。この状態で同軸電極1に電
流を供給して、開口部の内部の水中で放電を起こすこと
により水中で圧力波を発生させた。なお、同軸電極への
投入電力は256kJである。そして、この放電により
発生した圧力波は、媒体としての水の内部を伝わり、岩
石の表面に到達する。そして、この圧力波により岩石が
破壊される。つまり、本発明においては、従来例のよう
に爆風を利用して岩石を破壊するのではなく、放電によ
り発生し、媒体としての水の中を伝わる圧力波を利用し
て岩石を破壊する。そのため、本願発明の実施例では、
同軸電極により放電が起きて圧力波が発生する部分か
ら、破砕対象物である岩石にまで圧力波を効率よく伝達
する水などの媒体が存在していれば、岩石を破壊でき
る。
【0046】このような実施例および従来例の実験条件
および実験結果のデータを表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1を参照して、本発明の実施例において
は、電極と孔(開口部)との面積比が39%であるのに
対し、従来例は電極と孔(下孔)の面積比が95%とな
っている。つまり、従来例では下孔が同軸電極により塞
がれているのに対し、実施例では、開口部は同軸電極で
塞がれていない(開口部の内壁と同軸電極との間に充分
な空隙が形成されている)。
【0049】そして、本願発明の実施例においては、従
来のように下孔にぴったり嵌るような電極を用いて水な
どを下孔の中に閉じ込めなくても、十分岩石を破壊でき
た。つまり、本発明では従来のように破砕対象物におい
て下孔を予め形成する必要はない。
【0050】今回開示された実施の形態および実施例は
すべての点で例示であって制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態
および実施例ではなくて特許請求の範囲によって示さ
れ、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべ
ての変更が含まれることが意図される。
【0051】
【発明の効果】このように、本発明によれば、下孔の加
工を必要とせず、簡便に岩などの破砕対象物の破壊を行
なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による破砕方法の実施の形態を説明す
るための模式図である。
【図2】 本発明による破砕方法の実施の形態の第1の
変形例を示す模式図である。
【図3】 本発明による破砕方法の実施の形態の第2の
変形例を示す模式図である。
【図4】 本発明による破砕方法の実施の形態の第3の
変形例を示す模式図である。
【図5】 本発明による破砕方法の実施の形態の第4の
変形例を示す模式図である。
【図6】 従来の破砕装置を示す模式図である。
【図7】 図6に示した従来の破砕装置の電極部を示し
た模式図である。
【符号の説明】
1 同軸電極、2 破砕対象物、3 ゼリー状物質、4
放電点、5 同軸ケーブル、6 パルスパワー源、7
スイッチ、8 コンデンサ、9 電源、10枠、11
水、12 矢印、13 開口部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電エネルギーにより生じた圧力波を媒
    体を介して破砕対象物に到達させて前記破砕対象物を破
    壊する破砕方法であって、 前記破砕対象物の一部表面を覆うように前記媒体が配置
    されていることを特徴とする、破砕方法。
  2. 【請求項2】 前記媒体は前記破砕対象物の一部表面上
    に設けられた枠の内側に保持されている、請求項1に記
    載の破砕方法。
  3. 【請求項3】 前記媒体は前記破砕対象物の一部表面に
    形成された開口部の内側に保持されている、請求項1に
    記載の破砕方法。
  4. 【請求項4】 前記媒体はゼリー状である、請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の破砕方法。
  5. 【請求項5】 前記媒体は前記破砕対象物の一部表面上
    を流通する、請求項1に記載の破砕方法。
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