JP2001193381A - プラズマ破壊装置およびこれを用いた破壊方法 - Google Patents

プラズマ破壊装置およびこれを用いた破壊方法

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JP2001193381A
JP2001193381A JP2000000048A JP2000000048A JP2001193381A JP 2001193381 A JP2001193381 A JP 2001193381A JP 2000000048 A JP2000000048 A JP 2000000048A JP 2000000048 A JP2000000048 A JP 2000000048A JP 2001193381 A JP2001193381 A JP 2001193381A
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shock wave
plasma
destruction
traveling direction
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JP2000000048A
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Masahiro Kuwabara
雅裕 桑原
Toru Okazaki
徹 岡崎
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃波の反射などによるエネルギーのロスや
破壊電極の破損などを低減できるプラズマ破壊方法およ
びプラズマ破壊装置を提供する。 【解決手段】 破壊対象30にあらかじめ設けられる孔
(下穴)31の内部に挿入物41を配置することによっ
て、孔31の内部を所望の内部形状とする。これによっ
て、破壊電極11の先端から発生する衝撃波の進行方向
を制御する。特に上記内部形状は、孔31の奥に向かっ
て凸な曲面からなるすり鉢状であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、岩石などを破壊す
るためのプラズマ破壊装置およびこの装置による破壊方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のプラズマ破壊装置としては、特開
平4−222794号公報に開示されているものがあ
る。図11に、その概要を示し、構造および動作原理に
ついて説明する。
【0003】まず、従来のプラズマ破壊装置の構造を説
明する。パルスパワー源16は、図11に示すように、
コンデンサバンク14、スイッチ13などを含む回路か
らなっている。このパルスパワー源16には、電源15
が接続されており、パルスパワー源16の回路と、この
回路を含む筐体、および車体は、図9に示すように接地
されている。
【0004】岩石などを破壊するための、破壊電極11
は、パルスパワー源16に対して、1本の同軸ケーブル
12によって結ばれている。破壊電極11の先端には、
接地された接地電極と、パルスパワー源16のスイッチ
13が閉じられたときにコンデンサバンク14によって
蓄えられた電荷が導かれる電極とが備えられている(図
示省略)。
【0005】同軸ケーブル2の断面構造を図12
(a),(b)に示す。同軸ケーブル2は、中心部分
に、導電体からなる導線部分21を有し、その周囲に絶
縁体23を介在して、接地された導電体からなる遮蔽層
24が取囲んでいる。
【0006】次に従来のプラズマ破壊装置の動作原理を
説明する。破壊対象となる岩石などに、ドリルなどを用
いて、あらかじめ孔をあける。この孔の中に水などの電
解液を注入する。この孔に破壊電極11を挿入する。
【0007】電源15で電荷を発生させ、この電荷をコ
ンデンサバンク14に蓄積する。ただし、コンデンサバ
ンク14の片側の極は図11に示すように接地されてい
る。
【0008】コンデンサバンク14に十分に電荷が蓄積
された後にスイッチ13を閉じることによって、同軸ケ
ーブル12によって接続された破壊電極11の先端にお
いて、正電極と接地電極との間に電位差が生じ、放電が
起こる。このとき、破壊電極11の先端付近の電解液が
放電エネルギーによってプラズマ化し、衝撃波(衝撃圧
力)を発生し、周囲の岩石などを破壊する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のプラズマ破壊装
置においては、衝撃波の進行方向が主に、孔の軸方向で
あると考えられる。そのため、孔の軸方向の破壊は、発
生した衝撃波によって直接なされるものの、他方向への
破壊は孔底面において反射した衝撃波、すなわち、反射
衝撃波によってなされると考えられている。したがっ
て、エネルギーのロスが大きく、効率良く破壊できてい
るとはいえなかった。
【0010】また、衝撃波は、孔底面にほぼ垂直に入射
し、反射するため、図13に示すように反射衝撃波のう
ち大部分が破壊電極11に戻ってくる形で作用すると考
えられる。このような反射衝撃波によって、破壊電極1
1に衝撃が加わり、破壊電極11やその周辺機器の破損
または短寿命化をもたらしていた。
【0011】本発明は、上述のような問題点を解決する
ためになされたもので、衝撃波の反射などによるエネル
ギーのロスや破壊電極の破損などを低減できるプラズマ
破壊方法およびプラズマ破壊装置を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に基づくプラズマ破壊方法においては、放電
して電解液をプラズマ化することによって生じる衝撃波
の進行方向を制御する。この構成を採用することによ
り、破壊を行ないたい箇所に衝撃波を誘導することがで
きる。
【0013】上記発明において好ましくは、破壊電極に
戻ってくる反射衝撃波を抑制するように上記衝撃波の進
行方向を制御する。この構成を採用することにより、反
射衝撃波による破壊電極などの破損や短寿命化を防止す
ることができる。
【0014】上記発明において好ましくは、破壊対象に
あらかじめ設けられる孔の内部に挿入物を配置すること
によって、孔の内部を所望の内部形状とし、上記衝撃波
の進行方向を制御する。この構成を採用することによ
り、所望形状に加工しにくい破壊対象であっても容易に
孔の内部を所望の内部形状とすることができ、また、衝
撃波の進行方向は、挿入物の形状によって制御されるた
め、所望の向きに効率良く破壊を行なうことができる。
【0015】上記発明において好ましくは、破壊対象に
あらかじめ設けられる孔の内部において上記破壊対象自
体を所望の内部形状に加工することによって、上記衝撃
波の進行方向を制御する。この構成を採用することによ
り、挿入物を用いなくても孔の内部を所望の内部形状と
することができ、また、衝撃波の進行方向は、孔の内部
形状によって制御されるため、所望の向きに効率良く破
壊を行なうことができる。
【0016】上記発明においてさらに好ましくは、上記
内部形状は、すり鉢状である。この構成を採用すること
により、すり鉢形状の内面により、衝撃波の進行方向が
制御され、また、破壊電極に向かって戻ってくる反射衝
撃波を抑制することができる。
【0017】上記発明においてさらに好ましくは、上記
内部形状は、上記孔の側面のうち一方から対向する他方
に向かって順次深くなっている形状である。この構成を
採用することにより、衝撃波の進行方向をある特定の側
方に曲げることができ、主にその向きに破壊を行なうこ
とができる。
【0018】上記発明においてさらに好ましくは、上記
内部形状は、上記孔の底部において、外周部が奥まって
中央部が上記孔の出口に向かって突出した形状である。
この構成を採用することにより、衝撃波の進行方向を制
御することができ、孔の軸方向ではなく側面への破壊を
行なうことができる。
【0019】上記発明においてさらに好ましくは、上記
内部形状は、上記孔の奥に向かって凸な曲面からなる。
この構成を採用することにより、衝撃波は円滑に進行方
向を転換することができ、エネルギーのロスが小さくな
る。
【0020】上記発明において好ましくは、上記孔の内
部に、音速が互いに異なる2種以上の電解液を、上記衝
撃波が上記電解液の境目で進行方向を転換するように層
状に配置する。この構成を採用することにより、孔の内
部を所望の内部形状に仕上げることが困難な場合に、固
体の挿入物を配置しなくとも、衝撃波の進行方向の制御
を行なうことが可能となる。
【0021】上記発明において好ましくは、上記境目に
おける進行方向の転換が屈折によるものである。また、
上記発明において好ましくは、上記境目における進行方
向の転換が全反射によるものである。これらの構成を採
用することにより、衝撃波をより孔の側面に対して垂直
に近い角度で向かわせることができ、孔の側面への破壊
を効率良く行なうことができる。
【0022】上記発明において好ましくは、破壊対象に
あらかじめ設けられる孔の内部にラプチャーディスクを
配置する。上記発明においてさらに好ましくは、上記ラ
プチャーディスクは、上記孔の軸方向に対して斜めに配
置される。この構成を採用することにより、衝撃波の進
行方向をラプチャーディスク46の法線方向に変更する
ことができる。
【0023】上記発明において好ましくは、上記挿入物
は、略回転楕円体またはその一部の形状の中空部分を含
み、上記回転楕円体の一方の焦点において上記衝撃波を
発生させ、他方の焦点において上記衝撃波を集中させ
る。この構成を採用することにより、衝撃波のエネルギ
ーを他方の焦点の1点に集中して作用させることがで
き、効率良く破壊を行なうことができる。
【0024】本発明に基づくプラズマ破壊装置において
は、放電して電解液をプラズマ化することで衝撃波を発
生させるための破壊電極と、上記衝撃波の進行方向を制
御するための進行方向制御手段とを備える。この構成を
採用することにより、衝撃波の進行方向を制御して効率
良い破壊を行なうことができる。
【0025】上記発明において好ましくは、上記進行方
向制御手段は、内部が所望の内部形状になるように破壊
対象にあらかじめ孔をあけることのできる孔加工手段で
ある。この構成を採用することにより、孔の内部を所望
の内部形状とすることができ、その形状によって衝撃波
の進行方向を制御することができる。
【0026】上記発明において好ましくは、上記進行方
向制御手段は、破壊対象にあらかじめあける孔の内部が
所望の内部形状になるように挿入物を配置することので
きる挿入物配置手段である。この構成を採用することに
より、挿入物を配置し、衝撃波の進行方向を制御するこ
とができ、効率良く破壊を行なうことができる。
【0027】上記発明において好ましくは、上記進行方
向制御手段は、破壊対象にあらかじめあける孔の内部に
音速の異なる2種以上の電解液を所望の層状に注入でき
る電解液層状注入手段である。この構成を採用すること
により、電解液の境目によって、衝撃波を屈折または全
反射させることによって衝撃波の進行方向を制御するこ
とができ、孔の側面への効率良い破壊が可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1を参照し
て、破壊対象である岩石30にあらかじめあけておく孔
(「下穴」ともいう。)31を内部形状がすり鉢状にな
るように加工した。本実施の形態においては、プラズマ
破壊装置に設けられた孔加工手段によって加工を行なっ
た。孔加工手段としては、ドリルの先端形状を適宜変え
るなどの既知のいずれかの手段を用いることができる。
【0029】この孔31に、水などの電解液(図示省
略)を注入し、破壊電極11を挿入し、パルスパワー源
16(図11参照)を用いて放電を発生させた。破壊電
極11の先端付近の電解液が放電エネルギーによってプ
ラズマ化し、衝撃波が発生した。発生した衝撃波は、当
初、孔31の軸方向に進行するが、孔31底部のすり鉢
状部分においては、壁面に沿って進行し、すり鉢の底に
当たる箇所に集中する。その結果、その1点において
は、高い圧力を得ることができ、破壊力を増すことがで
きる。
【0030】「すり鉢状」とは、単なる円錐状などであ
ってもよいが、孔の奥に向かって凸な曲面からなるすり
鉢状であることがより望ましい。さらに望ましくは、対
数螺旋形状を回転させて得られるすり鉢状であればよ
い。その原理を図10(a)〜(c)に基づいて以下に
述べる。
【0031】図10(a)〜(c)を参照して、対数螺
旋形状の壁面によって衝撃波のフォーカスがなされる一
般的な例について説明する。図10(a)〜(c)は、
対数螺旋形状の壁面の内側において図中上方から平面衝
撃波61が進んできた場合に生じる衝撃波の挙動を順を
追って観察したものである。衝撃波は干渉縞によって視
覚化されている。図10(a),(b)の下方に見られ
る、曲線の内側の干渉縞のない部分は、未だ衝撃波が到
達していない部分である。平面衝撃波61は、図10
(a),(b)に示すように、反射衝撃波を作らずに対
数螺旋形状の壁面に沿って滑らかに伝播し、図10
(c)に示すように最終的に図中下端の1点62にフォ
ーカスしている。
【0032】一般に、壁面に向かって進行する衝撃波と
壁面から返ってくる反射衝撃波とが干渉した場合、渦が
生じる場合がある。しかし、図10(a)〜(c)に示
したように反射衝撃波を作らずにフォーカスする場合
は、衝撃波と渦との干渉は起こらないため、高い圧力増
幅率が期待され、フォーカスした1点においては高い圧
力を得ることができる。このことは、たとえば、文献
「衝撃波のおはなし」(高山和喜著、日本規格協会)の
p117〜118において述べられている。
【0033】したがって、この孔の内部形状は、対数螺
旋形状を回転させて得られるすり鉢状であれば、上述の
フォーカスの原理がそのまま成り立つため、理想的であ
るが、そうでなくとも、何らかのすり鉢状であれば、あ
る程度の衝撃波の集中および反射衝撃波の抑制は実現で
きる。
【0034】(実施の形態2)実施の形態1では、孔加
工手段によって、破壊対象である岩石30自体を、所望
の内部形状である「すり鉢状」になるように加工した。
しかし、孔あけによって得られる孔31が、たとえば、
単なる円柱形状である場合などにおいても、図2に示す
ように挿入物41を配置することとすれば、内部形状が
すり鉢状となるようにすることができる。この場合に
も、衝撃波は、すり鉢状部分においては、壁面に沿って
進行し、すり鉢の底に当たる箇所に集中する。その結
果、その1点においては、高い圧力を得ることができ、
破壊力を増すことができる。
【0035】本実施の形態におけるプラズマ破壊装置で
は、挿入物41の配置は、プラズマ破壊装置に設けられ
た挿入物配置手段によって行なった。挿入物配置手段と
しては、既知の任意の手段を採用することができる。
【0036】なお、「すり鉢状」の意味、好ましい形状
などについては、実施の形態1に述べたと同様である。
【0037】(実施の形態3)実施の形態1および2で
は、衝撃波のエネルギーを孔31の最も奥の中央部分に
集中させたい場合に意義があるが、場合によっては、衝
撃波の進行方向を孔31の側面のある特定の一方向に変
更し、その向きに破壊を進行させたい場合もある。その
場合は、内部形状としては、図3に示すような形状を用
いることができる。すなわち、孔31の内部形状は、孔
31の側面のうち一方から対向する他方に向かって順次
深くなっている形状である。好ましくは、孔の奥に向か
って凸な曲面からなる形状であればよい。さらに望まし
くは、対数螺旋形状を回転させて得られるすり鉢形状の
一部であればよい。
【0038】本実施の形態においては、図3に示すよう
に挿入物42を配置することによって実現しているが、
破壊対象自体をこのような内部形状になるように加工す
ることによって実現してもよい。
【0039】この場合、衝撃波は、挿入物42の壁面に
沿って滑らかに進行するため、衝撃波の進行方向は曲げ
られ、孔31の側面の一方向に向かう。その結果、高い
エネルギーによって側方に向けた破壊を行なうことがで
きる。また、破壊電極11には反射衝撃波が戻ってくる
ことも防止できる。
【0040】(実施の形態4)衝撃波のエネルギーを孔
31の奥に向かってではなく、全方位の側方に向けたい
場合、図4に示すような挿入物43を用いることができ
る。すなわち、挿入物43は、孔31の底部において、
外周部が奥まって中央部が孔31の出口に向かって突出
した形状である。挿入物43は、単純な円錐形状などで
もよいが、図4に示すように円錐の母線を孔31の奥に
向かって凸にした形状であれば、衝撃波は、挿入物43
の壁面に沿って滑らかに進行することができるため、好
ましい。
【0041】この場合、衝撃波は、挿入物43の形状に
沿って全方位の側方に進行方向を変え、全方位の側方に
向けて破壊がなされる。また、衝撃波がいずれかの側方
に向かうため、破壊電極11に反射衝撃波が戻ってくる
ことを防止できる。
【0042】(実施の形態5)図5を参照して、孔31
の内部に、液中の音速が互いに異なる2種以上の電解液
44,45を、衝撃波が電解液44,45の境目で進行
方向を転換するように層状に配置する。2種類の電解液
44,45は、比重が異なり、互いに混ざり合わない液
であれば好ましい。
【0043】この場合、電解液44,45の境目に一定
の角度で入射した衝撃波は、音速の差によって、図5の
矢印に示すように電解液44,45の境目で屈折する。
その結果、衝撃波は、孔31の側面に対してより垂直に
近い角度で入射することができるため、側方への破壊を
効率良く行なうことができる。
【0044】(実施の形態6)また、電解液44,45
の境目における進行方向の転換は、図5に示すように屈
折によるものに限られず、図6に示すように全反射によ
るものとしてもよい。衝撃波を電解液44,45の境目
で全反射させるには、岩石30に対して孔31を一定角
度以上寝かせた斜めの向きに設ければよい。
【0045】このようにすることで、衝撃波は、孔31
の側面に対してより垂直に近い角度で入射することがで
きるため、側方への破壊を効率良く行なうことができ
る。
【0046】(実施の形態7)衝撃波を孔31の軸方向
と一定の角をなす特定方向に向かわせたい場合、図7を
参照して、ラプチャーディスク(rupture disc:破裂
弁)46を孔31の内部に配置すればよい。すなわち、
図7に示すようにラプチャーディスク46を孔31の軸
方向に対して傾けて配置することにより、衝撃波の進行
方向を、図7の矢印に示すようにラプチャーディスク4
6の法線方向に変更することができる。
【0047】(実施の形態8)回転楕円形をなす内壁に
よって規定される空間に満たされた媒体においては、回
転楕円体の第1焦点で発生した衝撃波は、第2焦点にフ
ォーカスする特性が知られている。このことは、文献
「衝撃波のおはなし」(高山和喜著、日本規格協会)の
p143〜148において述べられている。この特性を
利用して衝撃波を破壊したい箇所にフォーカスすること
が可能である。すなわち、図8を参照して、回転楕円体
50の一部の形状を有する容器状の挿入物47を孔31
内部に配置し、破壊電極11の先端が、楕円体の第1の
焦点51に位置し、岩石30の破壊すべき箇所が第2の
焦点52に位置するように破壊電極11を配置する。回
転楕円体50の内部には電解液が満たされる。
【0048】このような構成において、パルスパワー源
16(図11参照)によって破壊電極11の先端にて放
電させれば、破壊電極11の先端で発生した衝撃波が回
転楕円体50の内部で全方位に向けて拡散する。しか
し、衝撃波の発生点である破壊電極11の先端は、第1
の焦点51であるから、上述の特性により、衝撃波は自
ずと第2の焦点52にフォーカスする。すなわち、衝撃
波のエネルギーを第2の焦点52の1点に集中して作用
させることができ、効率良く破壊を行なうことができ
る。
【0049】(実施の形態9)図9を参照して、回転楕
円体50の全体の形状を有する容器状の挿入物48を孔
31内部に配置し、破壊電極11の先端が、楕円体の第
1の焦点51に位置し、岩石30の破壊すべき箇所が第
2の焦点52の近傍に位置するように破壊電極11を配
置する。回転楕円体50の内部には電解液が満たされ
る。
【0050】このような構成においても、第1の焦点5
1である破壊電極11の先端で発生した衝撃波は、第2
の焦点52にフォーカスする。すなわち、衝撃波のエネ
ルギーを破壊電極11から遠い第2の焦点52の1点に
集中して作用させることができ、その近傍にある岩石3
0に対して、効率良く破壊を行なうことができる。
【0051】なお、今回開示した上記実施の形態はすべ
ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の
範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって
示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での
すべての変更を含むものである。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、孔内部に配置した挿入
物や電解液の境目によって、衝撃波の進行方向を変える
ことができ、また、必要に応じて、1点にフォーカスす
ることができるため、孔内部の所望の向きに効率良く破
壊をすることができる。また、衝撃波の進行方向が制御
される結果、反射衝撃波が破壊電極に戻ってくることを
回避することができ、破壊電極の破損などを防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく実施の形態1におけるプラズ
マ破壊方法で用いる孔の断面図である。
【図2】 本発明に基づく実施の形態2におけるプラズ
マ破壊方法で用いる孔の断面図である。
【図3】 本発明に基づく実施の形態3におけるプラズ
マ破壊方法で用いる孔の断面図である。
【図4】 本発明に基づく実施の形態4におけるプラズ
マ破壊方法で用いる孔の断面図である。
【図5】 本発明に基づく実施の形態5におけるプラズ
マ破壊方法で用いる孔の断面図である。
【図6】 本発明に基づく実施の形態6におけるプラズ
マ破壊方法で用いる孔の断面図である。
【図7】 本発明に基づく実施の形態7におけるプラズ
マ破壊方法で用いる孔の断面図である。
【図8】 本発明に基づく実施の形態8におけるプラズ
マ破壊方法で用いる孔の断面図である。
【図9】 本発明に基づく実施の形態9におけるプラズ
マ破壊方法で用いる孔の断面図である。
【図10】 (a)〜(c)は、対数螺旋流路において
衝撃波が次第にフォーカスする様子を示す遷移図であ
る。
【図11】 従来技術に基づくプラズマ破壊装置の構成
を示す概念図である。
【図12】 従来技術に基づくプラズマ破壊装置の同軸
ケーブルの構造を示す断面図である。
【図13】 従来技術に基づくプラズマ破壊方法で用い
る孔の断面図である。
【符号の説明】
11 破壊電極、12 同軸ケーブル、13 スイッ
チ、14 コンデンサバンク、15 電源、16 パル
スパワー源、21 導線部分、23 絶縁体、24 遮
蔽層、30 岩石、31 孔、41,42,43,4
7,48 挿入物、44 第1の電解液、45 第2の
電解液、46 ラプチャーディスク(破裂弁)、50
回転楕円体、51 第1の焦点、52 第2の焦点、6
1 平面衝撃波、62 フォーカスされる1点。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電して電解液をプラズマ化することに
    よって生じる衝撃波の進行方向を制御する、プラズマ破
    壊方法。
  2. 【請求項2】 破壊電極に戻ってくる反射衝撃波を抑制
    するように前記衝撃波の進行方向を制御する、請求項1
    に記載のプラズマ破壊方法。
  3. 【請求項3】 破壊対象にあらかじめ設けられる孔の内
    部に挿入物を配置することによって、孔の内部を所望の
    内部形状とし、前記衝撃波の進行方向を制御する、請求
    項1または2に記載のプラズマ破壊方法。
  4. 【請求項4】 破壊対象にあらかじめ設けられる孔の内
    部において前記破壊対象自体を所望の内部形状に加工す
    ることによって、前記衝撃波の進行方向を制御する、請
    求項1または2に記載のプラズマ破壊方法。
  5. 【請求項5】 前記内部形状は、すり鉢状である、請求
    項3または4に記載のプラズマ破壊方法。
  6. 【請求項6】 前記内部形状は、前記孔の側面のうち一
    方から対向する他方に向かって順次深くなっている形状
    である、請求項3または4に記載のプラズマ破壊方法。
  7. 【請求項7】 前記内部形状は、前記孔の底部におい
    て、外周部が奥まって中央部が前記孔の出口に向かって
    突出した形状である、請求項3または4に記載のプラズ
    マ破壊方法。
  8. 【請求項8】 前記内部形状は、前記孔の奥に向かって
    凸な曲面からなる、請求項3から7のいずれかに記載の
    プラズマ破壊方法。
  9. 【請求項9】 前記孔の内部に、音速が互いに異なる2
    種以上の電解液を、前記衝撃波が前記電解液の境目で進
    行方向を転換するように層状に配置する、請求項1また
    は2に記載のプラズマ破壊方法。
  10. 【請求項10】 前記境目における進行方向の転換が屈
    折によるものである請求項9に記載のプラズマ破壊方
    法。
  11. 【請求項11】 前記境目における進行方向の転換が全
    反射によるものである請求項9に記載のプラズマ破壊方
    法。
  12. 【請求項12】 破壊対象にあらかじめ設けられる孔の
    内部にラプチャーディスクを配置する、請求項1から1
    1のいずれかに記載のプラズマ破壊方法。
  13. 【請求項13】 前記ラプチャーディスクは、前記孔の
    軸方向に対して斜めに配置される、請求項12に記載の
    プラズマ破壊方法。
  14. 【請求項14】 前記挿入物は、略回転楕円体またはそ
    の一部の形状の中空部分を含み、前記回転楕円体の一方
    の焦点において前記衝撃波を発生させ、他方の焦点にお
    いて前記衝撃波を集中させる、請求項3に記載のプラズ
    マ破壊方法。
  15. 【請求項15】 放電して電解液をプラズマ化すること
    で衝撃波を発生させるための破壊電極と、前記衝撃波の
    進行方向を制御するための進行方向制御手段とを備え
    る、プラズマ破壊装置。
  16. 【請求項16】 前記進行方向制御手段は、内部が所望
    の内部形状になるように破壊対象にあらかじめ孔をあけ
    ることのできる孔加工手段である、請求項15に記載の
    プラズマ破壊装置。
  17. 【請求項17】 前記進行方向制御手段は、破壊対象に
    あらかじめあける孔の内部が所望の内部形状になるよう
    に挿入物を配置することのできる挿入物配置手段であ
    る、請求項15に記載のプラズマ破壊装置。
  18. 【請求項18】 前記進行方向制御手段は、破壊対象に
    あらかじめあける孔の内部に音速の異なる2種以上の電
    解液を所望の層状に注入できる電解液層状注入手段であ
    る、請求項15に記載のプラズマ破壊装置。
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