JP2002115177A - エレクトレット加工品の製造方法 - Google Patents
エレクトレット加工品の製造方法Info
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Abstract
生産可能にするエレクトレット加工品の製造方法を提供
する。 【解決手段】 非導電性シートSに水と水溶性有機溶剤
との混合溶液Wを付与し、次いで該非導電性シートSを
乾燥することによりエレクトレット化することを特徴と
する。
Description
品の製造方法に関し、さらに詳しくは、高品質のエレク
トレット加工品を低コストで生産可能にするエレクトレ
ット加工品の製造方法に関する。
して、エレクトレット加工された繊維シートが優れた性
能を有するため使用されている。このエレクトレット化
繊維シートの製造方法としては、合成繊維不織布等の繊
維シートに高電圧を印加し、コロナ放電によりエレクト
レット化する方法(特開昭61−102476号公報等
参照)や、フィルムシートにワイヤ電極により高電圧を
印加し、同じくコロナ放電によりエレクトレット化した
後、そのフィルムシートを繊維化して不織布にする方法
(特公昭57−14467号公報等参照)などが知られ
ている。
ス電極21の上に高分子材料シートSを裁置又は移動さ
せながら、その表面に直流高電圧発生装置23の高電圧
を針状或いはワイヤー電極22から印加し、コロナ放電
によりエレクトレット化するものであるため、高電圧印
加電極22とアース電極21の間隙精度等によりムラを
生じて荷電ムラが出来たり、また火花放電によりシート
が損傷するという問題があった。
い安全維持管理費が必要になるというコスト上の問題が
あった。
従来技術の諸問題を解消し、高品質、高性能のエレクト
レット加工品を低コストで生産可能にするエレクトレッ
ト加工品の製造方法を提供することにある。
め、本発明のエレクトレット加工品の製造方法は、非導
電性シートに水と水溶性有機溶剤との混合溶液を付与
し、次いで該非導電性シートを乾燥することによりエレ
クトレット化することを特徴とするものである。
を付与するだけの処理であるため、混合溶液を非導電性
シートの全面に均等に分布させることは容易であり、均
一な電荷密度を有する高品質、高性能のエレクトレット
加工品を得ることができる。しかも、生産設備としては
混合溶液の付与設備と乾燥設備でよいため、高電圧発生
設備に比べて低廉ですむばかりでなく、維持管理を低コ
ストで行うことができる。
は、非導電性を有する材料であれば特に限定されない。
例えば、プラスチックフィルムシート、合成繊維或いは
天然繊維の織物、編み物、不織布等の繊維シートなどを
挙げることができる。これらの中でも特に合成繊維シー
トは好ましい。また、エアフィルター用の場合には、合
成繊維不織布が好ましく、中でも高性能フィルター用に
は、メルトブロー不織布を使用することが好ましい。
る材料であれば特に限定されるものではない。好ましく
は、体積抵抗率が1012・Ω・cm以上、さらに好まし
くは1014・Ω・cm以上の素材を主体とするものを使
用するとよい。
のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
乳酸等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリフェニレンサルファイト、フッ素系樹脂、およ
びこれらの混合物などを挙げることができる。これらの
中でも、ポリオレフィンまたはポリ乳酸を主体とするも
のはエレクトレット性能の点から好ましく、さらにポリ
プロピレンを主体とするものは一層好ましい。
合禁止剤等の通常用いられる添加剤を添加してもよい。
特に、トリアジン系など含窒素系の添加剤は、優れた電
荷保持性を得る上で好ましい。
述した非導電性シートに対し、水と水溶性有機溶剤との
混合溶液を付与し、この混合溶液が付与された非導電性
シートを乾燥処理するものである。すなわち、水と水溶
性有機溶剤との混合溶液を非導電性シートに付与して十
分浸透させた後、乾燥するだけで、均一な電荷密度にエ
レクトレット化されたシートにすることができる。
液を付与する方法は特に限定されない。例えば、混合溶
液が充填或いは循環する槽に非導電性シートを浸漬させ
る浸漬法、非導電性シートの表面に混合溶液を塗布する
グラビアコート、キスコート等のコーティング法、噴霧
器或いはウォータージェットパンチ等で水滴流或いは水
噴流として付与する方法等を挙げることができる。中で
も浸漬法は、設備的に簡単に実施できる点で好ましい方
法である。これらの付与方法は、バッチ式であっても、
連続式であってもよく、また、非導電性シートに対する
混合溶液の浸透を全体に均一に行うため、混合溶液付与
後のシートに片面から負圧を掛けることにより、吸引透
過させるようにしてもよい。
としては、従来公知の方法がいずれも使用可能である。
例えば、熱風乾燥法、真空乾燥法、自然乾燥法等の方法
が適用可能である。これらのうちでも熱風乾燥法は、連
続処理が可能にであるため好ましい。熱風乾燥法の場
合、乾燥温度としてはエレクトレットを失活させない程
度の温度にする必要がある。好ましくは120℃以下、
より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは80℃
以下にするのがよい。また、熱風乾燥前に、予備乾燥と
して、ニップロール、吸水ロール、サクション吸引等に
よって過剰な水分を取り除いておくと尚良い。
上記混合溶液の付与と乾燥とを行う装置を例示したもの
である。
ッチ処理でエレクトレット加工する装置である。図1
(A)の1は、混合溶液Wが貯留された浸漬槽、図1
(B)の2は熱風が入口2aから入り、出口2bから排
出するようにした熱風乾燥装置である。エレクトレット
加工される非導電性シートSは、先ず浸漬槽1で含浸処
理され、次いで熱風乾燥装置2に移されて乾燥処理され
ることでエレクトレット化される。
連続処理によってエレクトレット加工する装置である。
内設し、出口側にニップローラ4を設けている。また、
熱風乾燥装置2には複数のガイドローラ5が設けられて
いる。非導電性シートSは浸漬槽1に連続供給されなが
ら浸漬ローラ3を介して混合溶液W中に浸漬される。次
いで浸漬槽1を出るときニップローラ4で余剰の混合溶
液が除去され、熱風乾燥装置2に搬送される。熱風乾燥
装置2では、ガイドローラ5を介してジグザグ状に走行
する間に乾燥処理され、エレクトレット化処理が完了す
る。
置である。すなわち、浸漬槽1に代えて、スット状吐出
口6aを有するノズル6を設けている。また、非導電性
シートSを挟んで反対側に吸引器7を配置するようにし
ている。ノズル6は混合溶液Wを非導電性シートSの表
面にフィルム状に吐出し、反対側の吸引器7が吸引する
ことにより、混合溶液Wを非導電性シートSの反対側に
貫通させ均一に分布させるようにする。混合溶液Wを含
浸した非導電性シートSは、ニップロール4で余剰の混
合溶液が除去されたのち熱風乾燥装置2に送られる。
代えて混合溶液Wを噴霧状に噴射するノズル8を設ける
ようにしたものである。
ては、液体フィルター等で汚れを除去したもので、出来
るだけ清浄なものを使用することが好ましい。特にイオ
ン交換水、蒸留水等の純水を使用することが好ましい。
また、純水は導電率で103μS/m以下のものを用い
るのが好ましく、更に好ましくは102 μS/m以下で
あるものがよい。
は、沸点が水の沸点より低いものを使用することが好ま
しい。すなわち、水溶性有機溶剤は、水のシートへの浸
透性を付与するものであるので、一度シートに浸透した
ならば、なるべく早く気化して乾燥することが好ましい
からである。より好ましくは、水との沸点差が10℃以
上であるものがよい。
電性シートへの浸透性が良ければ特に限定されない。例
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン類のケトン類、酢酸プロピル、酢酸ブチル等
のエステル類、その他アルデヒド類、カルボン酸類等を
挙げることができる。特に、浸透性の点からアルコール
類またはケトン類が好ましく、特にアセトン、イソプロ
ピルアルコール、エタノールのうちの少なくとも1種を
用いるのが好ましい。さらに好ましくは、イソプロピル
アルコールを主成分とするものが好ましい。
有機溶剤の濃度は、非導電性シートに対する浸透性を有
するものであれば特に限定はされないが、好ましくは1
0〜50重量%の範囲がよい。特に、イソプロピルアル
コールの場合は、20〜40重量%の範囲が好ましい。
値は、次の測定法により測定したものである。
で測定した。この捕集性能測定装置は、測定サンプルM
をセットするサンプルホルダー11の上流側にダスト収
納箱12を連結し、下流側に流量計13、流量調整バル
ブ14、ブロワ15を連結している。また、サンプルホ
ルダー11にパーテクルカウンター16が設けられ、こ
のパーテクルカウンター16を使用し、切替コック17
を介して、測定サンプルMの上流側のダスト個数と下流
側のダスト個数をそれぞれ測定することができる。
mのポリスチレン標準ラテックスパウダーをダスト収納
箱12に充填し、サンプルMをホルダー11にセット
し、風量をフィルター通過速度が1.5m/分になるよ
うに流量調整バルブ14で調整し、ダスト濃度を1万〜
4万個/2.83×10-4m3 (0.01ft3 )の範囲で安定さ
せ、サンプルMの上流のダスト個数Dおよび下流のダス
ト個数dをパーティクルカウンター16(リオン社製、
KC−01B)で5回測定し、JIS K−0901に
基づいて下記計算式にて捕集性能(%)を求めた。
について繊維径を測定し、その平均値を求めた。
マソープ944)を1%含有し、かつメルトインデック
スMIが700のポリプロピレンを原料とし、通常のメ
ルトブロー法により、目付40g/m2 、平均繊維径
2.0μmのメルトブロー不織布を製造した。次いで、
純水にイソプロピルアルコールを30重量%溶解した混
合溶液を調整し、この混合溶液を貯留した浴中に上記メ
ルトブロー不織布を10秒間浸漬したのち引き上げ、さ
らに水切り後に80℃で20分間熱風乾燥して、エレク
トレット化されたメルトブロー不織布を得た。
織布の捕集性能を測定したところ、99.9995%と
非常に高いレベルであった。
を40重量%の混合溶液にした以外は、実施例1と同様
にして、エレクトレット化されたメルトブロー不織布を
製造した。
織布の捕集性能を測定したところ、99.997%と高
いレベルであった。
な高電圧印加装置により高電圧(+25kV)で印加処
理した。
測定したところ、99.96%であり、実施例1,2に
比べて低いレベルであった。
を60重量%の混合溶液にした以外は、実施例1と同様
にして、エレクトレット化されたメルトブロー不織布を
製造した。
織布の捕集性能を測定したところ、99.95%であ
り、比較例1の電圧印加によるエレクトレット化メルト
ブロー不織布と同程度であったが、電荷密度は比較例1
のものに比べて一段と均一になっており、高品質であっ
た。また、製造設備も高電圧印加装置に比べ簡単であ
り、低コストで用意することができた。
有機溶剤の混合溶液を付与する処理であるため、混合溶
液を非導電性シートの全面に均等にゆきわたらせること
が容易であり、電荷密度の均一な高品質なエレクトレッ
ト加工品を得ることができる。しかも、生産設備として
は混合溶液の付与設備と乾燥設備でよいため、高電圧発
生設備に比べて低廉ですむばかりでなく、管理維持を低
コストで行うことができる。
(A)は非導電性シートを浸漬する装置の概略図、
(B)は乾燥する装置の概略図である。
略図である。
示す概略図である。
示す概略図である。
す概略図である。
を示す概略図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 非導電性シートに水と水溶性有機溶剤と
の混合溶液を付与し、次いで該非導電性シートを乾燥す
ることによりエレクトレット化するエレクトレット加工
品の製造方法。 - 【請求項2】 前記非導電性シートが合成繊維シートで
ある請求項1に記載のエレクトレット加工品の製造方
法。 - 【請求項3】 前記合成繊維シートがメルトブロー不織
布である請求項2に記載のエレクトレット加工品の製造
方法。 - 【請求項4】 前記水溶性有機溶剤が水よりも低い沸点
を有する請求項1,2又は3に記載のエレクトレット加
工品の製造方法。 - 【請求項5】 前記非導電性シートがポリオレフィンを
主体に構成されている請求項1,2,3又は4に記載の
エレクトレット加工品の製造方法。 - 【請求項6】 前記ポリオレフィンがポリプロピレンを
主体に構成されている請求項5に記載のエレクトレット
加工品の製造方法。 - 【請求項7】 前記水溶性有機溶剤がアルコール類また
はケトン類を主成分に構成されている請求項1〜6のい
ずれかに記載のエレクトレット加工品の製造方法。 - 【請求項8】 前記水溶性有機溶剤がイソプロピルアル
コール、エチルアルコール、アセトンのうちの少なくと
も1種である請求項7に記載のエレクトレット加工品の
製造方法。 - 【請求項9】 前記混合溶液中の水溶性有機溶剤の濃度
が10〜50重量%である請求項1〜8のいずれかに記
載のエレクトレット加工品の製造方法。 - 【請求項10】 前記水が純水である請求項1〜9のい
ずれかに記載のエレクトレット加工品の製造方法。
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