JP2002114863A - 連続気孔多孔体の洗浄方法 - Google Patents

連続気孔多孔体の洗浄方法

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JP2002114863A JP2000307397A JP2000307397A JP2002114863A JP 2002114863 A JP2002114863 A JP 2002114863A JP 2000307397 A JP2000307397 A JP 2000307397A JP 2000307397 A JP2000307397 A JP 2000307397A JP 2002114863 A JP2002114863 A JP 2002114863A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔体の気孔内が十分に洗浄することがで
き、常に安定した通水および通気性をもたせた連続気孔
多孔体を得るための洗浄方法を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂、硬化剤、充填材及び水を
含む混合物を攪拌してエマルジョンスラリーを得、これ
を含水状態のまま硬化して得られた連続気孔多孔体の洗
浄方法であって、前記エマルジョンスラリーが硬化後に
前記連続気孔多孔体内に洗浄水及び空気を供給し、前記
連続気孔多孔体から排出される洗浄排水のpHが所定の
pHになるまで前記洗浄水及び空気を供給することを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続気孔多孔体の洗
浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】濾過材、散気材、型材等に使用される連
続気孔多孔体を製造する手段として従来から金属粉の焼
結、熱可塑性樹脂粉末の焼結、無機粉体の焼結、セメン
ト類の水和硬化、熱可塑性樹脂と充填材の混合プレス成
形、またはスタンプ成形、造孔剤を含んだ樹脂液を硬化
させ造孔剤を溶解抽出または蒸発により除去する方法、
発砲剤の利用、含水ポリエステル樹脂のようにW/O型
エマルジョンを硬化重合させたのち、水を蒸発させる方
法等、多数の方法が提案されている。しかし、これらの
方法で連続気孔多孔体を製造する場合、製品の形状や寸
法が著しく制限されること、しばしば高温の熱処理や高
圧プレスが必要なこと、あるいは製造工程が複雑である
といった成形上の問題があった。さらにこれらの方法で
は、多孔体を濾過材、散気材として利用する場合に、最
も大切な気孔径のコントロールが非常に困難であった。
これらの諸問題を解決し、大型で複雑な形状の連続気孔
多孔体を寸法よくしかも所望の気孔径をもたせて製造す
る方法としては、エポキシ樹脂、硬化剤、充填材及び水
を含む混合物を攪拌してエマルジョンスラリーを得、こ
れを含水状態のまま硬化させることにより、水の部分を
気孔とする方法がある。例えば、特開昭50−1165
98号公報ではグリシジル系エポキシ樹脂と、重合脂肪
酸ポリアミド硬化剤と充填材と水の混合物からなるO/
W型エマルジョンスラリーを調製し、このスラリーを不
透水性の型に鋳込み、含水状態のまま硬化させ、しかる
後に脱水することにより、所期の目的が達成されてい
る。この方法によれば、大型で複雑な形状の連続気孔多
孔体を寸法精度よくつくることができ、充填材の粒度、
反応性希釈剤の量及びエポキシ樹脂、硬化剤、充填材、
水の調合割合等を変えることにより、気孔径をコントロ
ールすることができる。しかし、この方法で得られた多
孔体は、気孔径が1.5μm以下の非常に細かいところ
に片寄り、濾過材、散気材、型材としての実用性が乏し
いものであった。
【0003】この問題を解決した方法が、モノマー脂肪
酸とエチレンアミン〔H2N−(CH2−CH2−NH)n
−H(ただしnは3〜5である)〕との反応により得ら
れるアミド化合物と重合脂肪酸と上記エチレンアミンと
の反応によって得られる重合脂肪酸ポリアミドとの混合
物、または該モノマー脂肪酸と該重合脂肪酸と該エチレ
ンアミンとを混合し、反応させて得られる混合反応物を
硬化剤とし、ビスフェノール型エポキシ樹脂と上記硬化
剤と充填材と水とを含む混合物を強く攪拌してエマルジ
ョンスラリーを得、これを不透水性の型に鋳込み、含水
状態のまま硬化させ、しかる後に脱水することを特徴と
する連続気孔多孔体の製造方法(特開昭59−7133
9号公報)である。この方法により0.5〜10μmの
平均気孔径を有する連続気孔多孔体、好ましくは0.5
〜5μmの平均気孔径を有する大型で複雑な形状の連続
気孔多孔体を寸法精度よく成形し、特に好ましくは1.
5〜5μmの間の希望する平均気孔径のものを精度よく
製造することが可能となった。また特開昭63−750
44号公報には、グリシジル系エポキシ樹脂とポリアミ
ド硬化剤と変性ポリアミン硬化剤及びまたはアミン硬化
剤と充填材と水との混合物からエマルジョンスラリーを
得、これを不透水性の型に鋳込み、含水状態のまま硬化
させることにより、0.2〜10μmの範囲の気孔を有
する連続気孔多孔体の製法も開示されている。
【0004】しかし、前記型材の材料を使用すると、硬
化中にエマルジョンスラリーから析出してきた樹脂成分
が、充填材と結合せず独立した微粒の状態で重合し、そ
の樹脂成分が多孔体の気孔内で目詰まりを起こすものと
考えられており、多孔体を濾過材、散気材、型材を使用
する場合に重要である通水、通気性のバラツキが発生
し、多孔体の寿命が低下するといった問題がある。
【0005】そこで気孔径の維持および、通水、通気性
のバラツキをなくす手段として、特開平5−43733
号公報においては、硬化終了後、気孔内を加圧水及び/
または加圧空気で洗浄する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来の方法で
は、洗浄排水の呈色または洗浄時間を設定する方法など
簡易的な方法であり、洗浄の終了点を示す具体的な方法
が明確になっておらず、型内の樹脂成分の残存量が確認
する方法が確立できていなかった。
【0007】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、本発明の目的は、多孔体の気孔内が十分に
洗浄することができ、常に安定した通水および通気性を
もたせた連続気孔多孔体を得るための洗浄方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、エポキシ樹脂、硬化剤、充填材及び水を
含む混合物を攪拌してエマルジョンスラリーを得、これ
を含水状態のまま硬化して得られた連続気孔多孔体の洗
浄方法であって、前記エマルジョンスラリーが硬化後に
前記連続気孔多孔体内に洗浄水及び空気を供給し、前記
連続気孔多孔体から排出される洗浄排水のpHが所定の
pHになるまで前記洗浄水及び空気を供給することを特
徴とする連続気孔多孔体の洗浄方法を提供する。含水状
態のまま硬化させた連続気孔多孔体の気孔内には、アル
カリ性の樹脂粒子を含んだ液が含有されており、洗浄が
進むにつれて多孔体の気孔内に含有される液は中性に近
づいていく。このことから随時連続気孔多孔体から排出
される洗浄排水のpHを測定することにより、洗浄度合
の確認が可能となる。これを利用することにより、連続
気孔多孔体内の樹脂成分を完全に除去でき、常に安定し
た通水および通気性を得ることが可能になる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、前記洗
浄排水のpHが前記洗浄水のpHと略同じpHになるま
で前記洗浄水及び空気を供給するようにする。洗浄排水
のpHが前記洗浄水のpHと略同じpHになるというこ
とは、アルカリ性の樹脂成分の除去が達成されたことに
なる。洗浄水に対して洗浄排水のpHが、+0.3以
内、好ましくは0.1以内であれば常に安定した通水お
よび通気性が得られる連続気孔多孔体を作製することが
可能となる。
【0010】本発明の好ましい態様においては、前記洗
浄水と空気を交互に供給する。洗浄水と空気を交互に供
給することで、連続気孔多孔体内は飽水状態と無水状態
が繰り返され、気孔内の樹脂成分を効率よく洗い出すこ
とができる。
【0011】本発明の好ましい態様においては、前記洗
浄水及び空気はフィルターを通した後に前記連続気孔多
孔体に供給する。一般に用いられる水及び空気には微細
な汚れ及び鉄粉等の固形物が存在しており、連続気孔多
孔体自体がフィルターの役目を果たし、気孔を詰まらせ
る可能性がある。フィルターを通した後の洗浄水及び空
気に前記連続気孔多孔体に供給することで、連続気孔多
孔体の気孔内をバランスよく洗浄できる。
【0012】本発明の好ましい実施態様においては、前
記洗浄水及び空気を0.1〜0.7MPaに加圧した状
態で前記連続気孔体内に供給する。加圧調整された洗浄
水及び/または空気を使用することにより、連続気孔多
孔体の微細な気孔にも、洗浄水及び/または空気が入り
込む。設定圧力としては、圧力が低すぎると気孔内に浸
透しないため、加圧力は高い程洗浄には効果的である
が、連続気孔多孔体の強度等を考慮すると、0.2〜
0.5MPaの圧力が好ましい。
【0013】本発明の好ましい態様においては、前記洗
浄水及び空気を10〜55℃の温度調整した前記連続気
孔多孔体内に供給する。洗浄水は温度を高くすることで
表面張力が低下し、気孔内への浸透性及び流動性が向上
し洗浄効率が上昇するため、水温は高いほど好ましい。
しかしながら上記エマルジョンスラリーの硬化物は熱に
より、変形または収縮を起こす可能性がある。また低温
過ぎると連続気孔多孔体が冷やされ、樹脂成分が気孔内
に吸着しやすくなる。このため、水温は10〜55℃に
設定することが好ましい。
【0014】本発明の好ましい実施態様においては、前
記連続気孔多孔体がその内部若しくは外接して水及び空
気を通すための中空路を形成している。上記中空路は連
続気孔多孔体表面(着肉面)から均一に溶媒及び空気が
しみ出すように配置されている為、大型で複雑な形状の
ものでもバランスよく洗浄できる。
【0015】
【発明の実施の形態】ここでいう連続気孔多孔体とは、
エポキシ樹脂、ポリアミド硬化剤、充填材及び水等を含
む混合物を攪拌してエマルジョンスラリーを得、これを
不透水性の型に鋳込み、含水状態のまま硬化させたもの
である。
【0016】以下、連続気孔多孔体の原料について説明
する。エポキシ樹脂としては、常温で液体であり、かつ
粘性の低いものを用いるのがエマルジョンスラリーを作
るのに便利であり、好適なものとして、ビスフェノール
A型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等の
ビスフェノール型エポキシ樹脂があげられる。
【0017】硬化剤としては、ポリアミド系のもの、ポ
リアミン系のもの、変性ポリアミン系のもの、またはこ
れらの混合物により粘度が低いエマルジョンスラリーを
作る上で好適である。その中でも特に好適なものとして
は、ポリアミド系の硬化剤であって、モノマー脂肪酸と
エチレンアミン〔H2N−(CH2−CH2−NH)n−H
(ただしnは3〜5である)〕との反応で得られるアミ
ド化合物と重合脂肪酸と上記エチレンアミンとの反応に
よって得られる重合脂肪酸ポリアミドとの混合物、また
は該モノマー脂肪酸と該重合脂肪酸と該エチレンアミン
を混合し反応させて得られる反応混合物であるものがあ
げられる。
【0018】充填剤としては特に制限はないが、エポキ
シ樹脂で接着できる材質を有し、且つ粒度をコントロー
ルできる材料が好ましく、例として珪石粉または珪砂粉
があげられる。また、硬化物が軽量であることが望まし
い場合には、有機粉体やマイクロバルーンを用いること
もできる。
【0019】また、本発明におけるエマルジョンスラリ
ーの原料として、アリルグリシジルエーテル、ブチルグ
リシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリ
シジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリ
コールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオー
ルグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル等の反応性希釈剤や、ベンジルジメチ
ルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノールなどの硬化促進剤や、塩化カリウム、塩
化ナトリウム、塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化バリウ
ム、塩化チタン、塩化鉄、塩化ニッケル、塩化マグネシ
ウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム
アンモニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸カリウ
ム、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸ナトリウム、
硫酸ニッケル、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の
可溶性無機塩類を加えることもできる。
【0020】次にエポキシ樹脂製連続気孔多孔体の形成
方法について説明する。エマルジョンスラリーを構成す
る各原料を樹脂(エポキシ樹脂及び硬化剤、反応性希釈
剤や硬化促進剤を添加する場合にはこれも含むものとす
る)、充填材、水の3相に分類すると、それぞれの好ま
しい構成体積比は、エマルジョンスラリー全体を100
容量%とすると、樹脂8〜45容量%、充填剤20〜6
5容量%、水20〜60容量%である。
【0021】前記樹脂、充填材、水を高速攪拌機、往復
回転式攪拌機等により攪拌して、得られたエマルジョン
スラリーを不透水性の型に鋳込み、それを含水状態のま
ま硬化させ、不透水性の型から脱型すると、連続気孔多
孔体が形成される。
【0022】上記で得られた連続気孔多孔体は、エマル
ジョンスラリーが硬化していく過程で、充填材に樹脂が
接着されて、水は気孔を形成していくが、エマルジョン
スラリーの凝集力が弱いものは、充填剤に接着せずに単
独のまま樹脂成分が形成される。硬化が終了すると、樹
脂粒子は気孔内に浮遊或いは吸着された状態で存在して
いるため、水及び/または空気により、多孔質内を洗浄
する工程が必要とされている。
【0023】洗浄に用いられる水及び空気については、
水は一般に使用されている水道水、または工業用水等を
用いることができる。また空気については、エアーコン
プレッサーで調整された空気を使用する。また、上記水
及び/または空気は、多孔質内に送入されるまでに、フ
ィルター等の除去手段により、汚れ、固形分(鉄粉等)
を取り除いたものを使用する。
【0024】また、水及び空気は、加圧調整されたもの
を使用する。水圧及び空気圧は0.1〜0.7MPaで
あるが、好ましくは0.2〜0.5MPaの圧に設定
し、多孔体内へ注入する。
【0025】また、水及び空気は、10〜55℃に設定
されたものを使用する。通常は常温で構わないが、特に
水は気孔内への浸透性及び流動性から考えて、高温にす
ることが望ましい。しかし、高温過ぎると多孔体の変形
及び収縮が起きる可能性があるので、55℃以下にする
必要がある。
【0026】前記連続気孔多孔体の洗浄において、水お
よび空気の洗浄時間はそれぞれ2〜30分/回が望まし
く、前記水と空気を交互に繰り返し洗浄する。洗浄初期
の連続気孔多孔体から排出される洗浄排水のpHは一般
的に10〜13の値である。繰り返し洗浄を行っていく
と、徐々に洗浄排水のpHは洗浄元水のpHに近づき、
洗浄回数は多孔体の形状、寸法等により異なるが、最終
的には洗浄水と洗浄排水のpHは同等になり、多孔体の
気孔内は充分に洗浄されたことになる。
【0027】本発明における連続気孔多孔体の応用例の
一つとして、陶磁器の加圧鋳込成形用型への応用を挙げ
ることができる。陶磁器の加圧鋳込成形とは粘土等の素
地粒子と水等の溶媒からなるスラリーを多孔質の型に鋳
込み、スラリーに圧力をかけることによって、型に溶媒
を吸収させてスラリーを固化させ、その後に、固化した
成形品を脱型する方法がある。なお、この成形方式に
は、成形品の両側から型が溶媒を吸収する固形鋳込み
と、成形品の片側から型が溶媒を吸収し、所定の厚みが
ついた後に、余剰のスラリーを排出する排泥鋳込みがあ
るが、いずれの方式においても本発明における陶磁器の
加圧鋳込成形用型を応用することができる。
【0028】この加圧鋳込成形用型の好ましい実施態様
として、成形品を脱型する際の通気・通水手段を設ける
ことが挙げられる。これは、成形品を型から外す際に、
型の裏面(着肉面と反対側の面)から圧力をかけて型が
吸収したスラリーからの溶媒及び空気を型の着肉面と成
形品との間にしみ出させ、スムーズな脱型を行うために
設けられる。その通気・通水手段の好ましい例として、
連続気孔多孔体内部に中空路を設けることが挙げられ
る。この中空路は、連続気孔多孔体表面(着肉面)から
均一に溶媒及び空気がしみ出すように配置されており、
またその中空路は1本または複数の型外へ通じる通路に
連結している。そして脱型の際には、加圧空気を型外へ
通じる通路から中空路を通じて吹き込むと、溶媒及び空
気を型の着肉面と成形品の間にしみ出させることができ
る。このような中空路を連続気孔多孔体内部に形成する
方法は、特開昭63−428043号、特開昭−317
11号等に開示されている。よって、この中空路を利用
して、多孔体の気孔内を洗浄することができる。
【0029】
【実施例1】表1に示すような調合割合で調合した材料
を蓋なしのステンレス容器に入れ、常温で10分間激し
く攪拌して、均一なエマルジョンスラリーを得た。この
エマルジョンスラリーを、形状は200×300×20
mmの直方体で、中空路部にチューブを張り、塩化ビニ
ル制の板で四方を囲んだ不透水性の型に鋳込み、水が蒸
発しないように被いをし、30℃の室内に42時間放置
して含水状態のまま硬化させ、チューブを除去し、硬化
体を脱型した。しかる後に図1のように、連続気孔多孔
体1に中空路入り口2を塞ぎ、中空路面及び側面をシー
ル用エポキシ樹脂3で密封した。なお図示していない
が、多孔体内部に設けられた中空路はすべてつながって
おり、それぞれの中空路は型外に連結し、脱型時に空気
を送り込むための管4につながっている。
【表1】
【0030】その試験体の洗浄に用いる水および空気
は、フィルターによって汚れ及び固形物を除去し、洗浄
水圧及び空気圧を0.25Mpa、洗浄水の温度を25
℃にそれぞれ設定した。以上の条件で洗浄水を注入する
時間すなわち通水時間を5分、空気を注入する時間すな
わち通気時間を7分として、試験体1は洗浄12回、試
験体2は洗浄回数36回洗浄した。洗浄回数は通水、通
気1回づつで1回とし、通水および通気を繰り返し実施
した回数である。上記の条件で、初期通水時と最終通水
時の洗浄排水のpH、及び最終の通気量、通水量を測定
した。試験結果は表に示す。
【表2】
【0031】表2に示されるように、試験体1の洗浄排
水の最終pHは洗浄水のpHとはまだ格段の差があり、
洗浄が不十分であるのに対し、試験体2の洗浄排水のp
Hは洗浄水のpHとほぼ同等になっていることがわか
る。通水量及び通気量でも試験体2の方が上昇してい
る。
【0032】
【実施例2】次に、実施例1と同様の試験体を再び作製
し、フィルターによって汚れ及び固形物を除去した洗浄
水の温度を25℃に設定し、洗浄水を注入する時間すな
わち通水時間を5分、空気を注入する時間すなわち通気
時間を7分として、洗浄回数を36回として、水圧およ
び空気圧について試験体3は0.05Mpa、試験体4
は0.35Mpaにそれぞれ設定して、初期通水時と最
終通水時の洗浄排水のpH、及び最終の通気量、通水量
を測定した。結果は表3に示す。
【表3】 (注)最終通水量及び最終通気量の測定時、水及び空気
圧は0.25MPaに設定
【0033】試験体4は、試験体2と同様の結果を得
た。しかし、試験体3のpHは洗浄水とは程遠い値とな
り、通水量及び通気量も満足な数値とはならなかった。
よって、洗浄に使用する水及び空気は、ある程度加圧し
たものでないと、十分な洗浄ができないことがわかっ
た。
【0034】
【実施例3】次に、実施例1のエマルジョンスラリーか
ら、図2に示す陶磁器の加圧鋳込成形用型を造った。図
中5は上型、6は下型であり、両方の型を組み合わせ
て、鋳込空間8を構成する。1は着肉面9を持つ連続気
孔多孔体であり、実施例1のエマルジョンスラリーから
硬化されたものである。3はシール用エポキシ樹脂であ
り、2は水および空気を通す中空路である。なお図示し
ていないが、上型および下型の中空路はすべてつながっ
ており、それぞれの中空路は型外に連結し、脱型時に空
気を送り込むための管4につながっている。鋳込空間8
にはそれぞれ、泥漿スラリーの注入及び排出に用いられ
る送泥管7が設けられている。
【0035】本発明の実施は図2に示す上型について、
洗浄に用いられる水および空気をフィルターによって汚
れ及び固形物を除去し、水圧および空気圧をそれぞれ
0.25Mpaに設定し、洗浄元水を注入する時間すな
わち通水時間を5分、空気を注入する時間すなわち通気
時間を7分として、洗浄回数を36回として、洗浄水の
温度を試験体5は10℃、試験体6は45℃にそれぞれ
設定して、初期通水時と最終通水時の吐出水のpH、及
び最終の通気量、通水量測定及び、洗浄水と洗浄排水の
pHの差が+0.1以下になった時の回数について試験
を実施した。結果は表4に示す。
【表4】 (注)最終通水量及び最終通気量の測定時、水温度は2
5℃に設定
【0036】pH、通水量及び通気量に関しては、あま
り差が見られないが、洗浄回数に関しては、洗浄水と吐
出水のpHが+0.1以下になった時の回数でいうと、
試験体6の方が早かった。よって、洗浄水は高温化した
方が、時間的に効率よく洗浄できることがわかる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、多孔体の気孔内が十分
に洗浄することができ、常に安定した通水および通気性
をもたせた連続気孔多孔体を得るための洗浄方法を提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、2で使用された試験体の断
面図である。
【図2】本発明の実施例3で使用された陶磁器の加圧鋳
込成形用型の断面図である。
【符号の説明】
1…連続気孔多孔体 2…中空路 3…シール用エポキシ樹脂 4…送気管 5…上型 6…下型 7…送泥管 8…鋳込空間 9…着肉面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 63:00 C08L 63:00 (72)発明者 中島 靖 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 林 浩一 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 3B116 AA34 AA46 BB82 CC05 3B201 AA34 AA46 BB82 BB92 CC21 4F074 AA64 AA71 AC32 AH04 CB31 CB42 CC22X CD20 DA13 DA59 4G052 CA02 CB01 CC05 CC07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤、充填材及び水を
    含む混合物を攪拌してエマルジョンスラリーを得、これ
    を含水状態のまま硬化して得られた連続気孔多孔体の洗
    浄方法であって、前記エマルジョンスラリーが硬化後に
    前記連続気孔多孔体内に洗浄水及び空気を供給し、前記
    連続気孔多孔体から排出される洗浄排水のpHが所定の
    pHになるまで前記洗浄水及び空気を供給することを特
    徴とする連続気孔多孔体の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄排水のpHが前記洗浄水のpH
    と略同じpHになるまで前記洗浄水及び空気を供給する
    ことを特徴とする請求項1に記載の連続気孔多孔体の洗
    浄方法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄水と空気を交互に供給すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の連続気孔多孔体
    の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 前記洗浄水及び空気はフィルターを通し
    た後に、前記連続気孔多孔体に供給することを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の連続気孔多孔体の
    洗浄方法。
  5. 【請求項5】 前記洗浄水及び空気を0.1〜0.7M
    Paに加圧した状態で前記連続気孔体内に供給すること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の連続気
    孔多孔体の洗浄方法。
  6. 【請求項6】 前記洗浄水及び空気を10〜55℃の温
    度調整した前記連続気孔体内に供給することを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載の連続気孔多孔体の
    洗浄方法。
  7. 【請求項7】 前記連続気孔多孔体がその内部若しくは
    外接して水及び空気を通すための中空路を形成している
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の連
    続気孔多孔体の洗浄方法。
  8. 【請求項8】 前記連続気孔多孔体が陶磁器の加圧鋳込
    成形用型を形成する部材であることを特徴とする請求項
    1乃至7のいずれかに記載の連続気孔多孔体の洗浄方
    法。
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