JPH0377045B2 - - Google Patents

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JPH0377045B2
JPH0377045B2 JP3681287A JP3681287A JPH0377045B2 JP H0377045 B2 JPH0377045 B2 JP H0377045B2 JP 3681287 A JP3681287 A JP 3681287A JP 3681287 A JP3681287 A JP 3681287A JP H0377045 B2 JPH0377045 B2 JP H0377045B2
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mold
casting
slurry
weight
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Hironobu Shimabara
Kazushige Murata
Hiroaki Takahashi
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Inax Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、合成樹脂製の泥漿鋳込成形型に関す
る。詳しくは、親水性および気孔の分布に優れた
泥漿鋳込用濾材層を有する上記の成形型に関す
る。連続細孔の気孔分布状態が均一となりそして
親水性が大きいと、鋳込型から鋳込成形物の脱型
が容易となる。したがつて本発明の鋳込型は、粘
土等のセラミツク材料系の泥漿から衛生陶器類、
陶磁器質製品等の焼成用成形素地を鋳込み成形す
る成形型として有用である。
従来の技術および問題点 泥漿の鋳込み成形は、石こう等からなる鋳込空
間を有する多孔性成形型に泥漿をみたし、石こう
型に水分を吸収させて該泥漿を着肉させて実施さ
れてきた。機械的な鋳込成形法においては、供給
した泥漿を加圧することによつて、上記の水分の
脱水および着肉を促進させて能率的に実施されて
いる。
型の耐久性の観点から、多孔性合成樹脂からな
る鋳込型を使用することは公知である(例えば米
国特許4591472号)。しかし、樹脂性の成形型は、
石膏製の型等と比較して親水性に劣る傾向があ
り、疎水性の鋳込型では成形素地の脱型に相対的
に時間がかかる欠点がある。
更に、樹脂製の鋳込成形型は、その製造上の都
合から樹脂材料スラリーを流し込み成形して一般
に製作されている。この場合、気孔率が大きい均
一な連続細孔を形成するために、多量の骨材粒子
等の充填材粒子を樹脂材料スラリーに混入しそし
て該鋳込用成形型の樹脂製濾材層中に均一に分散
させて硬化させることが必要である。本発明者の
経験によれば、球状に近い形状の充填材粒子を使
用しても多量の充填材粒子を混入すると樹脂材料
スラリー等の流動物の粘度が上昇して、上記の流
し込み成形が不可能ないし困難となる。また、流
し込み成形によつて、一般の充填材粒子を該樹脂
製濾材層中に均一に分散させて硬化させること
は、極めて困難である。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は、充填材粒子を混入した樹脂材料ス
ラリーを流し込み成形硬化して鋳込用成形型の濾
材層を製造する工程において、親水性熱可塑性樹
脂製の実質的に球状でありそして表面が滑らかで
ある充填材粒子を使用することによつて、(イ)多量
の該充填材粒子を混入しても該樹脂材料スラリー
の粘度はあまり増加せず流し込み成形が可能であ
り、(ロ)該充填材粒子は樹脂材料中に実質的に均一
に分散して硬化し、(ハ)多量の該充填材粒子の存在
によつて連続細孔の気孔の均一性が増大し、しか
も、(ニ)多量の該親水性樹脂粒子の存在によつて該
濾材層の親水性が向上することを見いだした。
従つて本発明によつて、多孔性硬化樹脂形成性
の合成樹脂材料および実質的に滑らかな球状表面
を有する親水性熱可塑性樹脂系の非水溶性充填材
粒子を含む流動性成形材料を流し込み成形硬化し
てなる泥漿鋳込成形用の細孔性濾材層を有するこ
とを特徴とし;分割可能な気密性容器、該容器に
少なくも部分的に収容された該濾材層、および該
濾材層を包囲して設けられた気液流通手段から本
質的になる分割可能な鋳込型であり;該鋳込型が
合体した際に濾材層表面は鋳込成形空間を形成
し、該鋳込空間には泥漿供給管が接続されそして
該気液流通手段には気液流通管が接続されて該気
密性容器の外部にそれぞれ連通している、泥漿鋳
込み用成形型が提供される。なお上記の気密性容
器とは、気密性の外装物を意味し、そして(イ)全体
が容器状のものおよび(ロ)一部分が板状物等の支持
体であり他の部分が気密性塗膜であるもの等が例
示される。
本発明にて使用する充填材粒子は、充填材の重
量の約20重量%以上そして好ましくは約30重量%
が上記の親水性熱可塑性樹脂製の充填材粒子であ
ればよく、残りの約80重量%以下そして好ましく
は約70重量%以下の量は該樹脂製充填材以外の充
填材粒子(例えば無機系充填材または他の合成樹
脂系充填材等)であることができる。この場合、
上記の80重量%以下の他の充填材は、その粒子が
該親水性樹脂充填材粒子よりも細かいこと(例え
ば約100ミクロン以下)が望ましい。このような
細かい充填材粒子は、該濾材層の連続細孔の分布
を密にすることができ、また比重の大きい充填材
粒子であつても該流動性成形材料中での分散性が
向上する。
[作用および効果] 本発明における「実質的に滑らかな球状表面を
有する親水性熱可塑性樹脂系の充填材粒子」の作
用は、十分に解明されていないが、(イ)熱硬化性樹
脂とは異なり熱可塑性樹脂から充填材用の球状粒
子を製造する場合にその表面が滑らかになる傾向
があり、また必要に応じて滑らかに加工すること
も容易であり、(ロ)熱可塑性樹脂系粒子の比重は、
流動性の合成樹脂系成形材料の比重と同程度であ
り、そして(ハ)親水性熱可塑性樹脂は球状粒子に加
工しても、粒子表面の親水性を保持する等の作用
の組み合わせによるものと思考される。従つて、
多量の該充填材粒子を合成樹脂系成形材料中に混
入しても、比重が同程度であるので分散性が極め
て良好であり、そして滑らかな球状表面を有する
ので粒子間および粒子/樹脂材料間の摩擦等によ
る粘度の増加が少ない。このようにして、多量の
該充填材を均一に分散させた流し込み成形硬化に
よる鋳込み用濾材層が容易に製造でき、実質的に
均一な細孔分布性を有し、満足な親水性を有しそ
して気孔分布の良い該濾材層が提供される。
[発明の詳しい記述] 以下に添付図面を参照しながら、本発明の態様
例を記述する。
(1) 鋳込み用成形型 第1図または第3図に例示するように、本発
明の鋳込型(1または21)は気密性容器(2
または26−29)、濾材層(3または30−
33)、および該濾材層を包囲して設けられた
気液流通手段(5または34−37)から本質
的になる分割可能な鋳込成形用の型である。こ
のようにして、該濾材層の表面によつて鋳込成
形空間(4または38)が形成される。該鋳込
空間には泥漿供給管(8または40)が接続さ
れ、該気液流通手段には気液流通管(9または
26a−29a)が接続されている。分割され
る該気液流通手段の境界部分にはプラスチツク
板または金属板または通気性のない層からなる
目止め層(7または43)が設けられており、
各型部分を個別に吸引または加圧可能にしてい
る。
上記の気液流通手段5は、第1図に例示する
ように、気体および液体が抵抗が少なく流通で
きる粗孔性層であり得る。この場合の粗孔性層
は、(イ)濾材層3に接している多数の小孔6(一
般に数mm程度の径)を有する隔壁板5″および
該壁板5″に接する粗孔性固形材5からなるか、
または(ロ)上記の(イ)の態様から隔壁板5″を省略
して濾材層3に接している粗孔性固形材5から
なるのが、本発明の効果上望ましい。しかし、
上記の(イ)の態様から粗孔性固形材5を省略する
ことも可能であり、この場合には第1図におい
て固形材5の部分は中空な状態になり、そして
気液流通管9を排水可能な位置に設置すること
が必要である。
また、上記の気液流通手段は、第3図に例示
するように、気体および流体が抵抗が少なく流
通できる連通孔(第3図の断面図の34−3
7)等からなる気液流通路であり得る。一般的
に該気液流通路34−37は、綿チユーブ等を
濾材層30−33の表面から約10mm以上(例え
ば20〜50mm)内側に実質的に等間隔にて該濾材
表面を包囲するように該濾材層内または濾材層
裏面に配設して埋設される。
なお、第1図に例示する型は、一般的にむく
な(中空でない)泥漿鋳込成形物を得る型であ
るが、鋳込空間4の空間部分を厚くすれば中空
な鋳込成形物も容易に得られる。なお、中空成
形物の製造は、供給した泥漿が例えば10mm前後
の厚さに着肉した時点で未硬化の泥漿を排除す
ればよく、第2〜3図に関連して後記する。
(2) 鋳込み用濾材層 第1図に例示する濾材層3は、その表面が平
滑でありそして泥漿を濾過着肉できる程度の連
続細孔性であることが必要である。細孔の直径
としては、例えば約2〜約60ミクロン程度が適
当である。濾材層の肉厚は、全体的に同程度の
厚さであり、そして約20〜約50mm以上の範囲で
充分である。
第3図に例示する濾材層30−33も上記の
濾材層3と実質的に同等であるが、この場合の
濾材層の肉厚は該気液流通路34−37から該
濾材層表面までの厚さが全体的に同程度であれ
ばよい。
(3) 濾材層の成形材料 本発明における濾材層を形成する合成樹脂材
料は、連続多孔性硬化樹脂を形成する流し込み
成形が可能な流動性の合成樹脂であればよい。
必要な流動性は、該樹脂材料をエマルジヨン状
態とするか、または重合性モノマー溶液とする
等によつて得られる。連続細孔性樹脂の形成
は、()水溶性硬化物を形成する材料を混入
しそして樹脂硬化後に水溶性硬化物を溶出する
方法、()それ自体が反応硬化発泡性の材料
を用いる方法、()発泡剤を用いて樹脂材料
を発泡化しながら硬化させる方法等が採用でき
る。有用な樹脂材料としては、エポキシ樹脂、
フエノール樹脂、硬質ウレタン樹脂、ポリエス
テル樹脂、アクリル系樹脂等が例示される。代
表的に、上記の水溶性硬化物形成材料を混入し
たエポキシ樹脂エマルジヨン材料を使用する場
合について以下に記述する。
(4) 濾材層用のエポキシ樹脂 本発明による充填材混入エポキシ樹脂製濾材
層は、1分子中に1個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ化合物、エポキシ化合物と反応して
これを硬化させる硬化剤、HLBがそれぞれ約
4−8、約8−17、約11−15.6の3種類以上の
非イオン系乳化剤から選ばれる少なくとも2種
類の乳化剤、水または水−表面活性剤混合物、
および充填材をそれぞれ含み、エポキシ化合物
100重量部に対し硬化剤を約20〜50重量部、エ
ポキシ化合物および硬化剤の合計量100重量部
に対し乳化剤を約30重量部以下、例えば約1〜
30重量部そして好ましくは約5〜30重量部、水
または水−表面活性剤混合物を約1〜200重量
部、該成形用混合物中に前記の特定の充填材を
約20〜80重量%それぞれ含む成形用材料を成形
硬化しそして該乳化剤を溶出して、効果的に得
られる。
上記の2種類の乳化剤からなる乳化剤系にお
いて、1種類の乳化剤の量は該乳化剤系の少な
くも約5重量%以上、好ましくは約10%以上で
あり、他の乳化剤の量が約95重量%以下である
ことが好ましい。なお、3種類以上からなる乳
化剤系の場合は、その1種類の乳化剤の量は上
記の通りであり、そして他の1種類以上の乳化
剤の量は有効量であればよいが、約5重量%以
上であるのが望ましい。更に、2種類以上の乳
化剤を混合した場合の乳化剤混合物のHLBは、
約7〜16.5、好ましくは約8〜16、代表的には
約12〜15の範囲であるのが望ましい。
(4) 上記の (イ) エポキシ化合物 1分子中に1個以上のエポキシ基を有する
エポキシ化合物を用いる。エポキシ化合物と
しては、一般には、ビスフエノールA型ジグ
リシジルエーテル、ビスフエノールF型ジグ
リシジルエーテルを用いるのが好ましい。耐
薬品性、耐熱性等が優れた濾材を必要とする
場合は、フエノールノボラツクあるいはクレ
ゾールノボラツクから誘導されるポリグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパン
(TMP)のトリグリシジルエーテル等の多官
能基を有するエポキシ樹脂、ビニルシクロヘ
キサンジオキサイド、テトラヒドロ無水フタ
ル酸(無水テトラヒドロフタル酸、
THPA)、ヘキサヒドロ無水フタル酸(無水
ヘキサヒドロフタル酸、HHPA)等の酸無
水物からのグリシジルエステルやヒダントイ
ン系エポキシ樹脂等の脂環式エポキシ樹脂を
用いるとよい。また粘度調整剤として併用す
ることができるエポキシ化合物として、モノ
あるいはジグリシジルエーテルまたはエステ
ル、すなわち、ブチルグリシジルエーテル
(BGE)で代表される脂肪族グリシジルエー
テル、クレジルグリシジルエーテル(CGE)
やフエニルグリシジルエーテル等の芳香族グ
リシジルエーテル、高級アルコールやグリコ
ールから誘導されるグリシジルエーテル、脂
肪酸から誘導されるグリシジルエステル等を
併用してもよい。
前記のようなエポキシ化合物を単独で用い
てもよいし、必要に応じて複数種類を併用し
てもよい。
(4)(ロ) 硬化剤 硬化剤としては、ジエチレントリアミン
(DETA)、トリエチレンテトラミン
(TETA)、m−キシリレンジアミン(m−
XDA)およびトリメチルヘキサメチレンジ
アミン(TMD)のような脂肪族ポリアミ
ン、イソホロンジアミン(IPD)、N−アミ
ノエチルピペラジンおよびイミダゾール化合
物等の脂環式ポリアミン、ジアミノジフエニ
ルメタン(DDM)、ジアミノジフエニルス
ルホン(DADPS)、およびフエニレンジア
ミン等の芳香族ポリアミン、ジシアンジアミ
ド(DICY)、塩基酸とポリアミンとの縮合
物等のポリアミド等があげられ、このような
化合物は、単独で用いてもよいし、必要に応
じて複数種類を併用してもよい。また、前記
化合物の単独物または複数種類の混合物と、
ホルマリン、アクリル酸、ポリオール類、フ
エノール類、ポリエステル類、オキサイド
類、モノ、ジ、またはポリグリシジルエーテ
ル等のうちの少なくとも1種との重合物、縮
合物あるいは反応物を硬化剤として用いても
よい。好ましいものは、前記のアミンまたは
アミドの単独物あるいは混合物とグリシジル
エーテル、ポリフエノールとの反応物あるい
は塩基酸、ホルマリンとの縮合物である。適
当な硬化剤として、たとえば、脂肪族ポリア
ミン、グリシジルエーテルおよびポリフエノ
ールの反応物、脂肪族ポリアミン、芳香族ポ
リアミン、グリシジルエーテルおよびポリフ
エノールの反応物、ジシアンジアミド、脂肪
族ポリアミン、グリシジルエーテルおよびポ
リフエノールの反応物があげられる。
(4)(ハ) 上記の乳化剤 均一な気孔性、多孔性を有し、しかも、優
れた寸法安定性および機械的強度を有する成
形物を得るために、HLBがそれぞれ、4〜
8、8〜17、11〜15.6の3種類の非イオン系
乳化剤のうちの少なくとも2種類を併せて用
いる。HLBが4〜8の乳化剤の好ましい例
としては、ソルビタン脂肪酸エステルがあげ
られ、8−17の乳化剤の好ましい例として
は、ポリオキシエチレンオレイルエーテルが
あげられ、11−15.6の乳化剤の好ましい例と
しては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステルがあげられる。これらのものは、
少なくとも2種類併用されれば良いのである
が、好ましくは、HLB4〜8、8〜17、11〜
15.6の3種を併用することである。より好ま
しくは、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンオレイルエーテルおよびポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの3
種を併用することである。
該乳化剤は、前記のような条件を満たすほ
か、エポキシ化合物および硬化剤の一方ある
いは双方に添加が可能となつているのが好ま
しく、エポキシ化合物成分や硬化剤成分と共
存状態にあつても貯蔵安定性に優れているも
のがよい。
(5) 濾材層に混入する充填材粒子 本発明に使用する充填材粒子は、実質的に滑
らかな球状表面を有する親水性熱可塑性樹脂系
の非水溶性の充填材粒子である。上記におい
て、実質的に滑らかな球状表面とは、球ないし
卵形等の丸みをおびた形状でありそしてその表
面構造がある程度の滑性を有する状態を意味す
る。上記の親水性とは、非親水性のセラミツク
系粒子または非親水性樹脂系の粒子を混入した
濾材よりも、濾材層の親水性が向上しそして鋳
込み成形物の脱型が容易となる程度を意味す
る。本発明にて使用する該親水性充填剤の粒径
は、一般に約300ミクロン以下でありそして好
ましくは約200ミクロン以下であり、その下限
は粒子の製造上から約10ミクロン程度である。
混入す充填材の量は、充填材混入濾材の重量の
約20〜約80%、好ましくは約30〜約75%であ
る。
上記の親水性熱可塑性樹脂材料としては、メ
タアクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹
脂、酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸セルロース
樹脂、およびこれらの誘導体樹脂等が例示され
る。代表的には、メタアクリル酸メチル系の樹
脂が有利に使用できる。なお、熱可塑性樹脂中
に若干の架橋結合を含むものであつてもよい。
また、該熱可塑性樹脂材料は、得られる充填材
粒子の滑らかな球状、親水性および比重に本質
的な影響を与えない程度にフイラーを含有する
ことができる。
前記の「作用および効果」の項に記述したよ
うに、上記の充填材粒子を多孔性樹脂形成性樹
脂材料に均一混合して流し込み成形硬化するこ
とによつて、多量の該充填材粒子が成形中に沈
降分離することなく実質的に均一に分散した濾
材層が得られる。従つて、本発明における濾材
層の気孔率は、30〜50体積%程度まで容易であ
る。該濾材層の気孔径も20〜60ミクロン程度が
容易に達成できる。更に、該親水性充填材粒子
が濾材層中に均一に分散して型硬化しているた
め、該濾材全体にわたつて均一な気孔率および
気孔径が容易に得られる。ちなみに、従来技術
による充填材である無機骨材の充填材粒子を使
用すると、()該骨材粒子の摩擦抵抗が大き
いため充填材混入樹脂成形材料の粘度が過大と
なるので、多量の充填材を混入して流し込み成
形することが不可能となり、また、()該充
填材と流動性樹脂材料との比重差のため、成形
中に充填材が沈降してその分布が不均一とな
る。従つて、得られる濾材層の気孔率は約30ミ
クロン以下であり、そして気孔率および気孔径
の分布も不均一となる。また、得られる濾材層
はむしろ疎水性であるので、泥漿鋳込み成形物
の脱型が相対的に困難である。
(6) 該充填材混入樹脂材料の成形 前記のような材料を混合して含水エポキシ樹
脂混合物とし、これを成形材料として用いる。
原材料を撹はんするときに生じる気泡を消滅さ
せる目的で、必要に応じ、消泡あるいは破泡作
用を有する消泡剤を用いる。濾材層は、たとえ
ば、該混合成形材料を注型したのち、ゲル化さ
せ、加温して脱水と同時に完全硬化させ、次い
で乳化剤系硬化性粘稠物を溶出することにより
作製することができる。このようにして得られ
た濾材層は、均一な連続細孔を有し、寸法安定
性、機械特性および耐久性に優れ、そのうえ耐
久性等にも優れている。
(7) 鋳込み成形型の製造(I) 第1図に例示する形状の鋳込み型の下型部分
の製造例であり、隔壁板5′を省略した態様に
ついて、以下に記述する。
(7)(イ) 粗孔性固形材層5の製造 第1図に示す下型の固形材層5にて囲まれ
る凸形状のモデルを石こうにて製作し、その
表面に離形剤を適用する。該モデルを逆さす
なわち凸状に置き、その上に気密性容器2を
逆さにして配置し、そして該容器の上部を充
填用に開放する。両者の間に形成された固形
材層5用の空間に、下記の骨材/エポキシ樹
脂系混合材料を押込み充填しそして放置して
該樹脂成分を硬化させる。硬化後に、該石こ
うモデルを取はずして固形材層5を得る。上
記の骨材/樹脂混合材料は、重量部にて、パ
ミストン80、炭酸カルシウム10、市販のエポ
キシ化合物/硬化剤系の樹脂液10から本質的
になるものであつた。
なお、一般的に気液流通手段5用の粗孔性
固形材5の材質は、排水、吸引および空気加
圧が容易になし得る程度の連続多孔性であれ
ば特に限定されない。しかし、成形の容易性
の観点から、多量の骨材(例えば約80〜90重
量部)および該骨材を部分的に接着する小量
の合成樹脂(例えば約20〜10重量部)からな
る骨材/樹脂系固形材が好ましい。該骨材と
しては、通常の骨材(珪砂、炭酸カルシウ
ム、寒水石等)と軽量骨材(シラスバルー
ン、フイライト、パミストン、アルミグリツ
ト等)との混合物(粒径500〜2000ミクロン
程度)が例示される。合成樹脂材料として
は、硬化接着時に非水溶性の樹脂材料であれ
ばよく、エポキシ樹脂、フエノール樹脂、ウ
レタン樹脂、アクリル系樹脂等が例示され
る。該粗孔性固形材の成形は、上記の骨材お
よび樹脂材料を混練し、そして例えば所定の
ケース型へ押込み充填し、そして樹脂材料を
硬化させて、容易に製作できる。該粗孔性固
形材5の粗孔の直径としては、例えば約80〜
約1000ミクロン程度が適当である。該固形材
の肉厚は、約5〜約100mm程度で充分であり、
その厚さは部分的に変化しても差支えない。
(7)(ロ) 連続細孔性濾材層の製造 第1図に示す下型の濾材層3にて囲まれる
凸形状のモデルを製作し、該モデルの表面を
離形剤にて処理する。該モデルを逆さすなわ
ち凸形に置き、その上に上記の(7)(イ)で製作し
た製品を逆さにして配置する。両者の間に形
成された濾材層3用の空間に、下記の含水エ
ポキシ樹脂/骨材系成形材料を流込み成形
し、放置して硬化させ、該石こうモデルを取
はずし、そして乳化剤系硬化性粘稠物を水で
溶出する。このようにして、気密性容器2、
粗孔固形材中間層5および濾材層3から実質
的になる鋳込み型の下型部分が得られる。な
お、泥漿供給管8、気液流通管9および目止
め層7等は、上記の製造工程において容易に
設置可能である。また、第1図に示す鋳込み
型の上型部分も、同様にして別途に製造でき
る。
なお、上記のエポキシ樹脂系成形材料は、
実質的に下記の組成からなるものである。
エポキシ化合物 100重量部 エピコート828(油化シエルエポキシ株式会
社製)85重量%およびエポニツト028(日東化
成株式会社製)15重量%の割合でこれらを混
合してなる混合物) 乳化剤 ソルビタン脂肪酸エステル 8重量部 ポリオキシエチレンオレイルエーテル
8重量部 ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル 8重量部 硬化剤 30重量部 (脂肪族ポリアミン50重量%、グリシジル
エーテル30重量%およびポリフエノール20重
量%を反応させてなる変成脂肪族ポリアミ
ン) 充填材 200重量部 (平均粒径約100ミクロンのメタアクリル
酸メチル樹脂粒子) 水 50重量部。
(8) 鋳込み成形型の製造() 第3図に例示するように気液流通手段が気液
流通路34−37である場合については、上記
の製造()と本質的に大差はないが、以下に
相違点を記述する。即ち、上記の(7)(イ)の固形材
層5はこの場合には不要である。従つて、第1
図に示す下型の濾材層3にて囲まれる凸形状の
モデルを石こうにて作製し、該モデルの表面を
離型剤にて処理する。別途に、該凸形モデルの
寸法より例えば約40mm大きい形状の金網製の籠
を製作し、その表面に例えば径約10mmの綿チユ
ーブを例えば約20mmの間隔をおいて実質的に均
一に配置して固定する。該石こうモデルを逆さ
即ち凸形に置き、その上に該綿チユーブ付金網
籠を配置し、そして更にその上に気密性容器2
を配置する。該石こうモデルと気密性容器との
間に形成された空間に、上記の(7)(ロ)と同様にエ
ポキシ樹脂/充填材系成形材料を流し込み成形
しそして以下同様に処理すればよい。
(9) 鋳込み型の使用例() 本発明の鋳込み型の一例を第2図の型1に示
す。第2図に例示されるように該鋳込み型1
は、上下に分割可能な気密性容器2の内面側に
それぞれ濾材層3,3′が形成され、該濾材層
3,3′の外側に粗孔性中間層5,5′が設置さ
れてなる上型2aおよび下型2bよりなる。濾
材層の内面側に成形空間4が形成される。該中
間層5,5′の少なくとも一端側は、それぞれ
容器2の外部へ導出して、大気圧または負圧源
に連通させている。上型2aにはオーバーフロ
ータンクが取り付けられ、濾材層3を貫通して
成形空間4へ連通し、また下型2bには泥漿供
給管8が取り付けられて濾材層3′を貫通して
成形空間4へ連通している。下型2bは支柱1
1を介して昇降自在に取り付けられており、下
型2bの上限位置と下限位置との中間部には生
素地用の台車12が設けられている。
鋳込み成形は、泥漿供給管8から成形空間4
へ泥漿を供給し、泥漿がオーバーフロータンク
へ上昇して流入するまで行う。そして、オーバ
ーフロータンク内へ圧縮空気を供給することに
より成形空間4内の泥漿を加圧すると共に、粗
孔性中間層5,5′を大気圧または負圧源へ連
通させ、濾材層3,3′への泥漿の着肉速度お
よび着肉部の水の拡散速度を向上させる。濾材
層3,3′内表面への着肉が所定厚みに達する
と、オーバーフロータンク内を大気圧にし、泥
漿供給管8から成形空間4内の余剰の未着泥漿
を排出する。これにより中空な生素地を成形す
る。
生素地の成形後は、下型2b側の気水分離器
に圧縮空気を送り、中間層5′内を加圧して濾
材層3′内の残留水を濾材層3′と生素地との界
面へしみださせて水膜を形成し、下型2bを脱
型し、そして生素地を上型2aへ真空吸着状態
で吊り上げておく。続いて、生素地の下方へ台
車12を移動させ、下型の脱型と同要領で上型
2aの濾材層3と生素地との界面へ水膜を形成
し、生素地を台車12上へ移載する。
(10) 鋳込み型の使用例() 本発明の鋳込み型の他の一例を第3図の型2
1に示す。第3図に例示するように該鋳込み型
21において、気密性容器26乃至29の内面
側に濾材層30乃至33が形成されている。こ
の濾材層30乃至33の内部には、気液流通路
34乃至37が配設されている。該流通路の少
なくとも一端側は、それぞれ容器26乃至29
の外部へ導出され、気液流通管26a乃至29
aによつて大気圧または負圧源に連通してい
る。濾材層30乃至33の内面側に成形空間3
8が形成される。上型22にはオーバーフロー
タンク39が取り付けられ、濾材層30を貫通
して成形空間38へ連通している。また下型2
3には泥漿の供給管40が取り付けられ、濾材
層31を貫通して成形空間38へ連通してい
る。
鋳込み成形は、供給管40から成形空間38
内へ泥漿を供給し、オーバーフロータンク39
へ泥漿が上昇して流入するまで行う。そして、
オーバーフロータンク39を圧縮空気源に連通
して成形空間38内の泥漿を加圧すると共に、
各気液流通路34乃至37を大気圧または負圧
源に連通させる。これにより、濾材層30乃至
33の内表面側へ着肉する泥漿の着肉速度と着
肉した泥漿の水の拡散速度を向上させることが
できる。次いで、オーバーフロータンク39を
大気圧に連通させ、泥漿の供給排出管40から
余剰の未着泥漿を排出し、所定肉厚の中空の生
素地42を成形する。
生素地42の成形後は、上型22と下型23
の該流通路34,35を加圧して濾材層30,
31内に残留する水を生素地42との界面へし
み出させ、水膜を形成する。この水膜の形成に
より、生素地42と上型22および下型23と
の密着状態が緩和され、脱型が容易となる。こ
のような状態で上型22と下型23を脱型し、
好ましくは左右型24及び25を負圧源に連通
して、該左右型によつて生素地42の側面全部
を抱えて吊り上げ状態とする。この状態にあつ
て、生素地42は、その側面全部が左右型24
および25により拘束された状態であり、収縮
変形や亀裂の発生がなく、自重により一部分が
分断されて脱落することもない。
次いで載置台を生素地42の下方へ搬入す
る。そして左右型24,25の気液流通路3
6,37を加圧状態とし、濾過材層32,33
内に残留する水を生素地42との界面へしみ出
させ、該界面に水膜を形成する。この水膜の形
成により脱型が容易となる。次に、左右型2
4,25を脱型して生素地42を載置台上に解
放する。
(11) 鋳込み型の性能 本発明による鋳込み型の着肉均一性および脱
型性は、十分に満足なものであつた。更に耐久
性については、二万回以上の鋳込み成形に耐え
るものと、充分に予測された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の鋳込み用成形型の一例を示
す断面略図である。第2図は、該成形型を例示す
る断面略図および鋳込み装置の略図である。第3
図は、該成形型の他の例を示す断面略図である。 1,21……鋳込み用成形型;2,26−29
……気密性容器;3,30−33……濾材層;
4,38……鋳込成形空間;5,34−37……
気液流通手段;8,40……泥漿供給管;9,2
6a−29a……気液流通管。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 分割可能な気密性容器、該容器に少なくも部
    分的に収容された濾材層、および該濾材層を包囲
    して設けられた気液流通手段から本質的になる分
    割可能な鋳込型であり;該鋳込型が合体した際に
    濾材層表面は鋳込成形空間を形成し、該鋳込空間
    には泥漿供給管が接続されそして該気液流通手段
    には気液流通管が接続されて該気密性容器の外部
    にそれぞれ連通しており;該濾材層は多孔性硬化
    樹脂形成性の合成樹脂材料および実質的に滑らか
    な球状表面を有する親水性熱可塑性樹脂系の非水
    溶性充填材粒子を含む流動性成形材料を流し込み
    成形硬化してなる親水性の細孔性濾材層であるこ
    とを特徴とする、泥漿鋳込用成形型。 2 該充填材粒子が30重量%以上の該親水性熱可
    塑性樹脂系球状粒子および70重量%以下の他の充
    填材粒子からなる、特許請求の範囲第1項の泥漿
    鋳込用成形型。
JP3681287A 1987-01-29 1987-02-18 合成樹脂製の泥漿鋳込用成形型 Granted JPS63202407A (ja)

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ITRE20010022A1 (it) * 2001-03-09 2002-09-09 Sacmi Elemento di stampo per la formatura d'oggetti mediante colatura ad impasto umido d'argilla e simili e metodo per la sua fabbricazione

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