JP3606185B2 - 連続気孔多孔体の洗浄方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は連続気孔多孔体の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
濾過材、散気材、型材等に使用される連続気孔多孔体を製造する手段として従来から金属粉の焼結、熱可塑性樹脂粉末の焼結、無機粉体の焼結、セメント類の水和硬化、熱可塑性樹脂と充填材の混合プレス成形、またはスタンプ成形、造孔剤を含んだ樹脂液を硬化させ造孔剤を溶解抽出または蒸発により除去する方法、発砲剤の利用、含水ポリエステル樹脂のようにW/O型エマルジョンを硬化重合させたのち、水を蒸発させる方法等、多数の方法が提案されている。しかし、これらの方法で連続気孔多孔体を製造する場合、製品の形状や寸法が著しく制限されること、しばしば高温の熱処理や高圧プレスが必要なこと、あるいは製造工程が複雑であるといった成形上の問題があった。さらにこれらの方法では、多孔体を濾過材、散気材として利用する場合に、最も大切な気孔径のコントロールが非常に困難であった。これらの諸問題を解決し、大型で複雑な形状の連続気孔多孔体を寸法よくしかも所望の気孔径をもたせて製造する方法としては、エポキシ樹脂、硬化剤、充填材及び水を含む混合物を攪拌してエマルジョンスラリーを得、これを含水状態のまま硬化させることにより、水の部分を気孔とする方法がある。例えば、特開昭50−116598号公報ではグリシジル系エポキシ樹脂と、重合脂肪酸ポリアミド硬化剤と充填材と水の混合物からなるO/W型エマルジョンスラリーを調製し、このスラリーを不透水性の型に鋳込み、含水状態のまま硬化させ、しかる後に脱水することにより、所期の目的が達成されている。この方法によれば、大型で複雑な形状の連続気孔多孔体を寸法精度よくつくることができ、充填材の粒度、反応性希釈剤の量及びエポキシ樹脂、硬化剤、充填材、水の調合割合等を変えることにより、気孔径をコントロールすることができる。しかし、この方法で得られた多孔体は、気孔径が1.5μm以下の非常に細かいところに片寄り、濾過材、散気材、型材としての実用性が乏しいものであった。
【0003】
この問題を解決した方法が、モノマー脂肪酸とエチレンアミン〔HN−(CH−CH−NH)−H(ただしnは3〜5である)〕との反応により得られるアミド化合物と重合脂肪酸と上記エチレンアミンとの反応によって得られる重合脂肪酸ポリアミドとの混合物、または該モノマー脂肪酸と該重合脂肪酸と該エチレンアミンとを混合し、反応させて得られる混合反応物を硬化剤とし、ビスフェノール型エポキシ樹脂と上記硬化剤と充填材と水とを含む混合物を強く攪拌してエマルジョンスラリーを得、これを不透水性の型に鋳込み、含水状態のまま硬化させ、しかる後に脱水することを特徴とする連続気孔多孔体の製造方法(特開昭59−71339号公報)である。この方法により0.5〜10μmの平均気孔径を有する連続気孔多孔体、好ましくは0.5〜5μmの平均気孔径を有する大型で複雑な形状の連続気孔多孔体を寸法精度よく成形し、特に好ましくは1.5〜5μmの間の希望する平均気孔径のものを精度よく製造することが可能となった。また特開昭63−75044号公報には、グリシジル系エポキシ樹脂とポリアミド硬化剤と変性ポリアミン硬化剤及びまたはアミン硬化剤と充填材と水との混合物からエマルジョンスラリーを得、これを不透水性の型に鋳込み、含水状態のまま硬化させることにより、0.2〜10μmの範囲の気孔を有する連続気孔多孔体の製法も開示されている。
【0004】
しかし、前記型材の材料を使用すると、硬化中にエマルジョンスラリーから析出してきた樹脂成分が、充填材と結合せず独立した微粒の状態で重合し、その樹脂成分が多孔体の気孔内で目詰まりを起こすものと考えられており、多孔体を濾過材、散気材、型材を使用する場合に重要である通水、通気性のバラツキが発生し、多孔体の寿命が低下するといった問題がある。
【0005】
そこで気孔径の維持および、通水、通気性のバラツキをなくす手段として、特開平5−43733号公報においては、硬化終了後、気孔内を加圧水及び/または加圧空気で洗浄する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の方法では、洗浄排水の呈色または洗浄時間を設定する方法など簡易的な方法であり、洗浄の終了点を示す具体的な方法が明確になっておらず、型内の樹脂成分の残存量が確認する方法が確立できていなかった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、多孔体の気孔内が十分に洗浄することができ、常に安定した通水および通気性をもたせた連続気孔多孔体を得るための洗浄方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明では、エポキシ樹脂、硬化剤、充填材及び水を含む混合物を攪拌してエマルジョンスラリーを得、これを含水状態のまま硬化して得られた連続気孔多孔体の洗浄方法であって、前記エマルジョンスラリーが硬化後に前記連続気孔多孔体内に洗浄水及び空気を供給し、前記連続気孔多孔体から排出される洗浄排水のpHが所定のpHになるまで前記洗浄水及び空気を供給することを特徴とする連続気孔多孔体の洗浄方法を提供する。
含水状態のまま硬化させた連続気孔多孔体の気孔内には、アルカリ性の樹脂粒子を含んだ液が含有されており、洗浄が進むにつれて多孔体の気孔内に含有される液は中性に近づいていく。
このことから随時連続気孔多孔体から排出される洗浄排水のpHを測定することにより、洗浄度合の確認が可能となる。これを利用することにより、連続気孔多孔体内の樹脂成分を完全に除去でき、常に安定した通水および通気性を得ることが可能になる。
【0009】
本発明の好ましい態様においては、前記洗浄排水のpHが前記洗浄水のpHと略同じpHになるまで前記洗浄水及び空気を供給するようにする。
洗浄排水のpHが前記洗浄水のpHと略同じpHになるということは、アルカリ性の樹脂成分の除去が達成されたことになる。洗浄水に対して洗浄排水のpHが、+0.3以内、好ましくは0.1以内であれば常に安定した通水および通気性が得られる連続気孔多孔体を作製することが可能となる。
【0010】
本発明の好ましい態様においては、前記洗浄水と空気を交互に供給する。
洗浄水と空気を交互に供給することで、連続気孔多孔体内は飽水状態と無水状態が繰り返され、気孔内の樹脂成分を効率よく洗い出すことができる。
【0011】
本発明の好ましい態様においては、前記洗浄水及び空気はフィルターを通した後に前記連続気孔多孔体に供給する。
一般に用いられる水及び空気には微細な汚れ及び鉄粉等の固形物が存在しており、連続気孔多孔体自体がフィルターの役目を果たし、気孔を詰まらせる可能性がある。フィルターを通した後の洗浄水及び空気に前記連続気孔多孔体に供給することで、連続気孔多孔体の気孔内をバランスよく洗浄できる。
【0012】
本発明の好ましい実施態様においては、前記洗浄水及び空気を0.1〜0.7MPaに加圧した状態で前記連続気孔体内に供給する。
加圧調整された洗浄水及び/または空気を使用することにより、連続気孔多孔体の微細な気孔にも、洗浄水及び/または空気が入り込む。設定圧力としては、圧力が低すぎると気孔内に浸透しないため、加圧力は高い程洗浄には効果的であるが、連続気孔多孔体の強度等を考慮すると、0.2〜0.5MPaの圧力が好ましい。
【0013】
本発明の好ましい態様においては、前記洗浄水及び空気を10〜55℃の温度調整した前記連続気孔多孔体内に供給する。
洗浄水は温度を高くすることで表面張力が低下し、気孔内への浸透性及び流動性が向上し洗浄効率が上昇するため、水温は高いほど好ましい。しかしながら上記エマルジョンスラリーの硬化物は熱により、変形または収縮を起こす可能性がある。また低温過ぎると連続気孔多孔体が冷やされ、樹脂成分が気孔内に吸着しやすくなる。このため、水温は10〜55℃に設定することが好ましい。
【0014】
本発明の好ましい実施態様においては、前記連続気孔多孔体がその内部若しくは外接して水及び空気を通すための中空路を形成している。
上記中空路は連続気孔多孔体表面(着肉面)から均一に溶媒及び空気がしみ出すように配置されている為、大型で複雑な形状のものでもバランスよく洗浄できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
ここでいう連続気孔多孔体とは、エポキシ樹脂、ポリアミド硬化剤、充填材及び水等を含む混合物を攪拌してエマルジョンスラリーを得、これを不透水性の型に鋳込み、含水状態のまま硬化させたものである。
【0016】
以下、連続気孔多孔体の原料について説明する。エポキシ樹脂としては、常温で液体であり、かつ粘性の低いものを用いるのがエマルジョンスラリーを作るのに便利であり、好適なものとして、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のビスフェノール型エポキシ樹脂があげられる。
【0017】
硬化剤としては、ポリアミド系のもの、ポリアミン系のもの、変性ポリアミン系のもの、またはこれらの混合物により粘度が低いエマルジョンスラリーを作る上で好適である。その中でも特に好適なものとしては、ポリアミド系の硬化剤であって、モノマー脂肪酸とエチレンアミン〔HN−(CH−CH−NH)−H(ただしnは3〜5である)〕との反応で得られるアミド化合物と重合脂肪酸と上記エチレンアミンとの反応によって得られる重合脂肪酸ポリアミドとの混合物、または該モノマー脂肪酸と該重合脂肪酸と該エチレンアミンを混合し反応させて得られる反応混合物であるものがあげられる。
【0018】
充填剤としては特に制限はないが、エポキシ樹脂で接着できる材質を有し、且つ粒度をコントロールできる材料が好ましく、例として珪石粉または珪砂粉があげられる。また、硬化物が軽量であることが望ましい場合には、有機粉体やマイクロバルーンを用いることもできる。
【0019】
また、本発明におけるエマルジョンスラリーの原料として、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の反応性希釈剤や、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの硬化促進剤や、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化チタン、塩化鉄、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸カリウム、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸ナトリウム、硫酸ニッケル、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の可溶性無機塩類を加えることもできる。
【0020】
次にエポキシ樹脂製連続気孔多孔体の形成方法について説明する。エマルジョンスラリーを構成する各原料を樹脂(エポキシ樹脂及び硬化剤、反応性希釈剤や硬化促進剤を添加する場合にはこれも含むものとする)、充填材、水の3相に分類すると、それぞれの好ましい構成体積比は、エマルジョンスラリー全体を100容量%とすると、樹脂8〜45容量%、充填剤20〜65容量%、水20〜60容量%である。
【0021】
前記樹脂、充填材、水を高速攪拌機、往復回転式攪拌機等により攪拌して、得られたエマルジョンスラリーを不透水性の型に鋳込み、それを含水状態のまま硬化させ、不透水性の型から脱型すると、連続気孔多孔体が形成される。
【0022】
上記で得られた連続気孔多孔体は、エマルジョンスラリーが硬化していく過程で、充填材に樹脂が接着されて、水は気孔を形成していくが、エマルジョンスラリーの凝集力が弱いものは、充填剤に接着せずに単独のまま樹脂成分が形成される。硬化が終了すると、樹脂粒子は気孔内に浮遊或いは吸着された状態で存在しているため、水及び/または空気により、多孔質内を洗浄する工程が必要とされている。
【0023】
洗浄に用いられる水及び空気については、水は一般に使用されている水道水、または工業用水等を用いることができる。また空気については、エアーコンプレッサーで調整された空気を使用する。また、上記水及び/または空気は、多孔質内に送入されるまでに、フィルター等の除去手段により、汚れ、固形分(鉄粉等)を取り除いたものを使用する。
【0024】
また、水及び空気は、加圧調整されたものを使用する。水圧及び空気圧は0.1〜0.7MPaであるが、好ましくは0.2〜0.5MPaの圧に設定し、多孔体内へ注入する。
【0025】
また、水及び空気は、10〜55℃に設定されたものを使用する。通常は常温で構わないが、特に水は気孔内への浸透性及び流動性から考えて、高温にすることが望ましい。しかし、高温過ぎると多孔体の変形及び収縮が起きる可能性があるので、55℃以下にする必要がある。
【0026】
前記連続気孔多孔体の洗浄において、水および空気の洗浄時間はそれぞれ2〜30分/回が望ましく、前記水と空気を交互に繰り返し洗浄する。洗浄初期の連続気孔多孔体から排出される洗浄排水のpHは一般的に10〜13の値である。繰り返し洗浄を行っていくと、徐々に洗浄排水のpHは洗浄元水のpHに近づき、洗浄回数は多孔体の形状、寸法等により異なるが、最終的には洗浄水と洗浄排水のpHは同等になり、多孔体の気孔内は充分に洗浄されたことになる。
【0027】
本発明における連続気孔多孔体の応用例の一つとして、陶磁器の加圧鋳込成形用型への応用を挙げることができる。陶磁器の加圧鋳込成形とは粘土等の素地粒子と水等の溶媒からなるスラリーを多孔質の型に鋳込み、スラリーに圧力をかけることによって、型に溶媒を吸収させてスラリーを固化させ、その後に、固化した成形品を脱型する方法がある。なお、この成形方式には、成形品の両側から型が溶媒を吸収する固形鋳込みと、成形品の片側から型が溶媒を吸収し、所定の厚みがついた後に、余剰のスラリーを排出する排泥鋳込みがあるが、いずれの方式においても本発明における陶磁器の加圧鋳込成形用型を応用することができる。
【0028】
この加圧鋳込成形用型の好ましい実施態様として、成形品を脱型する際の通気・通水手段を設けることが挙げられる。これは、成形品を型から外す際に、型の裏面(着肉面と反対側の面)から圧力をかけて型が吸収したスラリーからの溶媒及び空気を型の着肉面と成形品との間にしみ出させ、スムーズな脱型を行うために設けられる。その通気・通水手段の好ましい例として、連続気孔多孔体内部に中空路を設けることが挙げられる。この中空路は、連続気孔多孔体表面(着肉面)から均一に溶媒及び空気がしみ出すように配置されており、またその中空路は1本または複数の型外へ通じる通路に連結している。そして脱型の際には、加圧空気を型外へ通じる通路から中空路を通じて吹き込むと、溶媒及び空気を型の着肉面と成形品の間にしみ出させることができる。このような中空路を連続気孔多孔体内部に形成する方法は、特開昭63−428043号、特開昭−31711号等に開示されている。よって、この中空路を利用して、多孔体の気孔内を洗浄することができる。
【0029】
【実施例1】
表1に示すような調合割合で調合した材料を蓋なしのステンレス容器に入れ、常温で10分間激しく攪拌して、均一なエマルジョンスラリーを得た。このエマルジョンスラリーを、形状は200×300×20mmの直方体で、中空路部にチューブを張り、塩化ビニル制の板で四方を囲んだ不透水性の型に鋳込み、水が蒸発しないように被いをし、30℃の室内に42時間放置して含水状態のまま硬化させ、チューブを除去し、硬化体を脱型した。しかる後に図1のように、連続気孔多孔体1に中空路入り口2を塞ぎ、中空路面及び側面をシール用エポキシ樹脂3で密封した。なお図示していないが、多孔体内部に設けられた中空路はすべてつながっており、それぞれの中空路は型外に連結し、脱型時に空気を送り込むための管4につながっている。
【表1】
Figure 0003606185
【0030】
その試験体の洗浄に用いる水および空気は、フィルターによって汚れ及び固形物を除去し、洗浄水圧及び空気圧を0.25Mpa、洗浄水の温度を25℃にそれぞれ設定した。以上の条件で洗浄水を注入する時間すなわち通水時間を5分、空気を注入する時間すなわち通気時間を7分として、試験体1は洗浄12回、試験体2は洗浄回数36回洗浄した。洗浄回数は通水、通気1回づつで1回とし、通水および通気を繰り返し実施した回数である。上記の条件で、初期通水時と最終通水時の洗浄排水のpH、及び最終の通気量、通水量を測定した。
試験結果は表に示す。
【表2】
Figure 0003606185
【0031】
表2に示されるように、試験体1の洗浄排水の最終pHは洗浄水のpHとはまだ格段の差があり、洗浄が不十分であるのに対し、試験体2の洗浄排水のpHは洗浄水のpHとほぼ同等になっていることがわかる。通水量及び通気量でも試験体2の方が上昇している。
【0032】
【実施例2】
次に、実施例1と同様の試験体を再び作製し、フィルターによって汚れ及び固形物を除去した洗浄水の温度を25℃に設定し、洗浄水を注入する時間すなわち通水時間を5分、空気を注入する時間すなわち通気時間を7分として、洗浄回数を36回として、水圧および空気圧について試験体3は0.05Mpa、試験体4は0.35Mpaにそれぞれ設定して、初期通水時と最終通水時の洗浄排水のpH、及び最終の通気量、通水量を測定した。結果は表3に示す。
【表3】
Figure 0003606185
(注)最終通水量及び最終通気量の測定時、水及び空気圧は0.25MPaに設定
【0033】
試験体4は、試験体2と同様の結果を得た。しかし、試験体3のpHは洗浄水とは程遠い値となり、通水量及び通気量も満足な数値とはならなかった。よって、洗浄に使用する水及び空気は、ある程度加圧したものでないと、十分な洗浄ができないことがわかった。
【0034】
【実施例3】
次に、実施例1のエマルジョンスラリーから、図2に示す陶磁器の加圧鋳込成形用型を造った。図中5は上型、6は下型であり、両方の型を組み合わせて、鋳込空間8を構成する。1は着肉面9を持つ連続気孔多孔体であり、実施例1のエマルジョンスラリーから硬化されたものである。3はシール用エポキシ樹脂であり、2は水および空気を通す中空路である。なお図示していないが、上型および下型の中空路はすべてつながっており、それぞれの中空路は型外に連結し、脱型時に空気を送り込むための管4につながっている。鋳込空間8にはそれぞれ、泥漿スラリーの注入及び排出に用いられる送泥管7が設けられている。
【0035】
本発明の実施は図2に示す上型について、洗浄に用いられる水および空気をフィルターによって汚れ及び固形物を除去し、水圧および空気圧をそれぞれ0.25Mpaに設定し、洗浄元水を注入する時間すなわち通水時間を5分、空気を注入する時間すなわち通気時間を7分として、洗浄回数を36回として、洗浄水の温度を試験体5は10℃、試験体6は45℃にそれぞれ設定して、初期通水時と最終通水時の吐出水のpH、及び最終の通気量、通水量測定及び、洗浄水と洗浄排水のpHの差が+0.1以下になった時の回数について試験を実施した。結果は表4に示す。
【表4】
Figure 0003606185
(注)最終通水量及び最終通気量の測定時、水温度は25℃に設定
【0036】
pH、通水量及び通気量に関しては、あまり差が見られないが、洗浄回数に関しては、洗浄水と吐出水のpHが+0.1以下になった時の回数でいうと、試験体6の方が早かった。よって、洗浄水は高温化した方が、時間的に効率よく洗浄できることがわかる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、多孔体の気孔内が十分に洗浄することができ、常に安定した通水および通気性をもたせた連続気孔多孔体を得るための洗浄方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、2で使用された試験体の断面図である。
【図2】本発明の実施例3で使用された陶磁器の加圧鋳込成形用型の断面図である。
【符号の説明】
1…連続気孔多孔体
2…中空路
3…シール用エポキシ樹脂
4…送気管
5…上型
6…下型
7…送泥管
8…鋳込空間
9…着肉面

Claims (8)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、充填材及び水を含む混合物を攪拌してエマルジョンスラリーを得、これを含水状態のまま硬化して得られた連続気孔多孔体の洗浄方法であって、前記エマルジョンスラリーが硬化後に前記連続気孔多孔体内に洗浄水及び空気を供給し、前記連続気孔多孔体から排出される洗浄排水のpHが洗浄水に対して+0.3以内になるまで前記洗浄水及び空気を供給することを特徴とする連続気孔多孔体の洗浄方法。
  2. 前記洗浄排水のpHが前記洗浄水のpHと略同じpHになるまで前記洗浄水及び空気を供給することを特徴とする請求項1に記載の連続気孔多孔体の洗浄方法。
  3. 前記洗浄水と空気を交互に供給することを特徴とする請求項1または2に記載の連続気孔多孔体の洗浄方法。
  4. 前記洗浄水及び空気はフィルターを通した後に、前記連続気孔多孔体に供給することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の連続気孔多孔体の洗浄方法。
  5. 前記洗浄水及び空気を0.1〜0.7MPaに加圧した状態で前記連続気孔体内に供給することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の連続気孔多孔体の洗浄方法。
  6. 前記洗浄水及び空気を10〜55℃温度調整した前記連続気孔体内に供給することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の連続気孔多孔体の洗浄方法。
  7. 前記連続気孔多孔体がその内部若しくは外接して水及び空気を通すための中空路を形成していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の連続気孔多孔体の洗浄方法。
  8. 前記連続気孔多孔体が陶磁器の加圧鋳込成形用型を形成する部材であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の連続気孔多孔体の洗浄方法。
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