JP2002111462A - 電流制御型半導体素子用駆動回路 - Google Patents

電流制御型半導体素子用駆動回路

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JP2002111462A JP2000304505A JP2000304505A JP2002111462A JP 2002111462 A JP2002111462 A JP 2002111462A JP 2000304505 A JP2000304505 A JP 2000304505A JP 2000304505 A JP2000304505 A JP 2000304505A JP 2002111462 A JP2002111462 A JP 2002111462A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ターンオフする際に、コレクタ−エミッタ端子
間電圧が急激に変化することを防止するようにした電流
制御型半導体素子用駆動回路を提供する。 【解決手段】パワートランジスタTr1をターンオフす
る際、ベース電極を低インピーダンスのキャリア引き抜
き経路52に接続し、パワートランジスタTr1がター
ンオフする直前に、ベース電極を高インピーダンスのキ
ャリア引き抜き経路51に接続する。キャリア引き抜き
経路51,52を切換えるN型MOSトランジスタM2
のゲート−ドレイン間の寄生容量CsM2と同容量のコ
ンデンサCcを設け、コンデンサCcの一端をN型MOS
トランジスタM2のドレイン端子に接続し、コンデンサ
Ccの他端にN型MOSトランジスタM2をオン/オフ
させる信号Vm2と論理レベルが反対の信号−Vm2を
入力する。この結果、N型MOSトランジスタM2のタ
ーンオフ前後で、パワートランジスタTr1に対する電
荷の移動が抑えられ、パワートランジスタTr1のコレ
クタ−エミッタ端子間電圧Vceが急激に変化することが
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御端子に流入す
る電流を制御してターンオン/ターンオフする電流制御
型半導体素子に用いられる駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導性負荷を駆動する電流制御型スイッ
チングトランジスタ素子として、特開平6−25240
8号公報に開示されているものが知られている。図12
はこのような従来の電流制御型半導体素子を使用して誘
導性負荷を駆動する駆動回路を示している。トランジス
タTr1は、不図示の駆動回路から指令されるターンオ
ン/ターンオフ指令により駆動信号入力端子Vcont
に印加される駆動信号に応じてオン/オフされ、誘導性
負荷LOを駆動する。
【0003】駆動信号入力端子Vcontの印加電圧V
mがハイレベルからローレベルになると、P型MOSト
ランジスタM3がオン、N型MOSトランジスタM1が
オフし、ベース電流供給源102からトランジスタTr
1のベースに電流が流れる。これにより、ベースにキャ
リアが注入されてトランジスタTr1はオンし、電源1
07から誘導性負荷LOへ電流が流れる。トランジスタ
Tr1に接続されている負荷は誘導性負荷LOであるの
でコレクタ電流Icは徐々に増加する。
【0004】図13を参照してトランジスタTr1のタ
ーンオフ動作を説明する。駆動信号入力端子Vcont
の印加電圧Vmがハイレベルになると、P型MOSトラ
ンジスタM3がオフ、N型MOSトランジスタM1がオ
ンし、トランジスタTr1のベースへの電流の供給が停
止される。また、N型MOSトランジスタM1を介して
トランジスタTr1のベースからキャリアが引き抜か
れ、トランジスタTr1はターンオフする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図12
に示すトランジスタTr1のターンオフ時には、次の理
由によりベース電圧Vbeが図13に示すように振動し、
トランジスタTr1が誤ってターンオンすることがあ
る。すなわち、ベース電流が流れる経路には寄生インダ
クタンス201〜203のほか、たとえばN型MOSト
ランジスタM1のオン抵抗や配線抵抗および寄生容量成
分が存在する。また、トランジスタTr1は、電流駆動
型素子であるため大きなベース電流が流れ、しかも極め
て短い時間でターンオフする。したがって、ターンオフ
時には寄生インダクタンスにたまったエネルギを急激に
放出する必要があり、このエネルギと寄生要素のRLC
共振現象が発生して、ベース電圧Vbeが激しく振動す
る。ベース電圧がオン電圧まで上昇すると、図13に示
すように誤ってターンオンしてコレクタ電流Icが流れ
る。図13において、Ibはベース電流の波形を示し、
+側はベース電極へ流れ込む電流の値であり、−側はベ
ース電極からキャリアが引き抜かれるときに流れる電流
である。
【0006】なお、ベースからのキャリア引き抜きが急
激に行われないようにキャリア引き抜き回路の抵抗を大
きくするとベース電圧の振動は抑制できるが、ターンオ
フ指令から実際にトランジスタTr1がターンオフする
までのストレージ時間tsが長くなってしまう。
【0007】本発明の目的は、ストレージ時間を長くす
ることなくターンオフ時の制御端子の信号の振動を抑制
し、誤ってターンオンすることを防止するようにした電
流制御型半導体素子用駆動回路を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図
1,5,6,8,10に対応づけて本発明を説明する。 (1)請求項1に記載の発明は、電流制御型半導体素子
Tr1の制御端子に制御電流を供給してターンオンさ
せ、制御電流の供給を停止するとともに制御端子から電
荷引き抜き経路を介して電荷を引き抜いてターンオフさ
せる電流制御型半導体素子用駆動回路に適用される。そ
して、インピーダンスが異なる複数の電荷引き抜き経路
51,52と、電荷引き抜き経路51,52を切換える
スイッチング素子M2と、スイッチング素子M2に対す
る切換え信号Vm2を発生する切換え信号発生手段6
と、切換え信号Vm2の極性を反転して出力する極性反
転手段91と、スイッチング素子M2の制御端子と電流
制御型半導体素子Tr1の制御端子との間の容量と略同
じ容量を有する容量性素子Ccとを備え、一方の端子が
電流制御型半導体素子Tr1の制御端子に接続され、他
方の端子が極性反転手段91の出力に接続されるように
容量性素子Ccを接続することにより、上述した目的を
達成する。 (2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電流
制御型半導体素子用駆動回路において、容量性素子Cc
は、スイッチング素子M2の制御端子および電流制御型
半導体素子Tr1の制御端子と略同じデバイス構造を有
することを特徴とする。 (3)請求項3に記載の発明は、電流制御型半導体素子
Tr1の制御端子に制御電流を供給してターンオンさ
せ、制御電流の供給を停止するとともに制御端子から制
御端子用電荷引き抜き経路を介して電荷を引き抜いてタ
ーンオフさせる電流制御型半導体素子用駆動回路に適用
される。そして、インピーダンスが異なる複数の制御端
子用電荷引き抜き経路51,52と、制御端子用電荷引
き抜き経路51,52を切換える第1のスイッチング素
子M2と、電流制御型半導体素子Tr1の主電流端子か
ら電荷を引き抜く主電流端子用電荷引き抜き経路53
と、主電流端子用電荷引き抜き経路53をオン/オフす
る第2のスイッチング素子M4と、第1のスイッチング
素子M2に対する切換え信号Vm2を発生する切換え信
号発生手段6と、切換え信号Vm2の極性を反転して第
2のスイッチング素子M4に対する切換え信号を出力す
る極性反転手段92とを備え、制御端子用電荷引き抜き
経路51,52と、主電流端子用電荷引き抜き経路53
とが互いに寄生インダクタンスをキャンセルするように
配設されることにより、上述した目的を達成する。 (4)請求項4に記載の発明は、電流制御型半導体素子
Tr1の制御端子に制御電流を供給してターンオンさ
せ、制御電流の供給を停止するとともに制御端子から電
荷引き抜き経路を介して電荷を引き抜いてターンオフさ
せる電流制御型半導体素子用駆動回路に適用される。そ
して、インピーダンスが異なる複数の電荷引き抜き経路
51,52と、電荷引き抜き経路の少なくとも1つに介
挿され、介挿された電荷引き抜き経路52をオン/オフ
するスイッチング素子M2と、スイッチング素子M2が
徐々にオフするように制御する制御手段600(610,
620)とを備えることにより、上述した目的を達成す
る。 (5)請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電流
制御型半導体素子用駆動回路において、電流制御型半導
体素子Tr1をオン/オフさせる指令を所定時間遅延す
る遅延回路と、遅延回路による遅延後の指令によりスイ
ッチング素子に対する切換え信号を発生する切換え信号
発生手段とをさらに備えることを特徴とする。 (6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれ
かに記載の電流制御型半導体素子用駆動回路において、
電流制御型半導体素子Tr1の主電流端子の状態を検出
する状態検出手段4と、状態検出手段4による検出結果
に応じてスイッチング素子M2に対する切換え信号を発
生する切換え信号発生手段6とをさらに備えることを特
徴とする。 (7)請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の電流
制御型半導体素子用駆動回路において、状態検出手段4
は、電流制御型半導体素子Tr1の主電流端子の電圧ま
たは電流を検出することを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】(1)請求項1,2,6,7に記載の発
明によれば、インピーダンスが異なる電荷引き抜き経路
に切換えるスイッチング素子の制御端子と電流制御型半
導体素子の制御端子との間の容量と略同じ容量を有する
容量性素子を設け、容量性素子の一端に電流制御型半導
体素子の制御端子を接続し、容量性素子の他端にスイッ
チング素子の切換え信号の極性を反転して接続するよう
にした。容量性素子に電荷が蓄積されるため、スイッチ
ング素子による電荷引き抜き経路切換え時に、スイッチ
ング素子から電流制御型半導体素子への静電気的な結合
による電荷の移動を抑えることができる。この結果、電
流制御型半導体素子の制御端子における電圧振動を防止
できる。 (2)とくに、請求項2に記載の発明では、容量性素子
をスイッチング素子および電流制御型半導体素子と略同
じデバイス構造にしたので、上記を各素子との間の容量
と特性が似た容量性素子を得ることができる。 (3)請求項3,6,7に記載の発明によれば、電流制
御型半導体素子の制御端子用電荷引き抜き経路と、電流
制御型半導体素子の主電流端子用電荷引き抜き経路とを
互いに寄生インダクタンスがキャンセルされるように配
設し、制御端子用電荷引き抜き経路を切換える第1のス
イッチング素子、および主電流端子用電荷引き抜き経路
をオン/オフする第2のスイッチング素子を反転動作さ
せるようにした。したがって、たとえば、第1のスイッ
チング素子に蓄積された電荷移動に伴う電流が制御端子
に流れるとき、これをうち消すように、第2のスイッチ
ング素子に蓄積された電荷移動に伴う電流が主電流端子
に流れる。この結果、電流制御型半導体素子の端子間電
圧の急激な変化が抑制され、制御端子の電圧振動を防止
できる。 (4)請求項4〜7に記載の発明では、インピーダンス
が異なる複数の電荷引き抜き経路の1つに介挿されたス
イッチング素子を徐々にオフするようにしたので、スイ
ッチング素子における急激な電圧変化を抑えることがで
きる。この結果、スイッチング素子と静電気的に結合し
ている電流制御型半導体素子の制御端子の電圧の変化も
抑えることができるから、制御端子の電圧振動を防止で
きる。。 (5)請求項5に記載の発明では、電流制御型半導体素
子をオン/オフさせる指令を遅延し、遅延後の指令によ
りスイッチング素子を切換えるようにしたので、電流制
御型半導体素子の電荷が減少する時間に応じた遅延回路
にすれば、電荷量に応じて電荷引き抜き経路を切換える
ことができる。この結果、電流制御型半導体素子のター
ンオフ遅れ時間を短くすることができる。 (6)請求項6に記載の発明では、電流制御型半導体素
子の主電流端子の状態を検出してスイッチング素子を切
換えるようにしたので、電流制御型半導体素子のターン
オフ動作に応じて電荷引き抜き経路を切換えることがで
きる。この結果、電流制御型半導体素子のターンオフ遅
れ時間を短くすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 −第一の実施の形態− 図1は、駆動信号入力端子Vcontの信号レベルによ
り誘導性負荷LOをオン/オフ駆動する電流制御型半導
体素子の駆動回路の一実施の形態を示す。図1におい
て、半導体素子駆動回路は、パワートランジスタTr1
のベース電流供給源2と、ベース電流をオン/オフする
P型MOSトランジスタM3と、パワートランジスタT
r1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceを検出する電
圧検出回路4と、パワートランジスタTr1のベースか
らキャリアを引き抜くキャリア引き抜き回路M1,M
2,R1と、キャリア引き抜き回路M1,M2,R1の
キャリア引き抜き速度を制御する論理回路6と、誘導性
負荷LOを駆動するための電源7と、還流動作用のダイ
オード8とを備えている。
【0011】キャリア引き抜き回路は、N型MOSトラ
ンジスタM1およびM2と、N型MOSトランジスタM
1と直列に接続された抵抗器R1とを備える。N型MO
SトランジスタM1と抵抗器R1とが第1のキャリア引
き抜き経路51を形成し、N型MOSトランジスタM2
が第2のキャリア引き抜き経路52を形成する。第1の
キャリア引き抜き経路51は抵抗器R1を有するので、
第2のキャリア引き抜き経路52に比べてインピーダン
スが高い。
【0012】論理回路6は、上述したN型MOSトラン
ジスタM1とM2とをオン/オフ制御する。論理回路6
は、電圧検出回路4からの信号が入力されるNOTゲー
ト61と、一方の入力端子にNOTゲート61の出力が
供給され、他方の入力端子に駆動信号入力端子Vcon
tからの駆動信号が供給されるANDゲート62とを備
えている。ANDゲート62の出力は、信号Vm2とし
てN型MOSトランジスタM2のゲート端子へ印加され
る。駆動信号入力端子Vcontから供給される駆動信
号はさらに、信号Vm1としてN型MOSトランジスタ
M1のゲート端子にも印加される。図1において、駆動
信号入力端子Vcontからの駆動信号がローレベル
で、パワートランジスタTr1をターンオンする指令が
出力されているとき、信号Vm1,Vm2の電位は電圧
検出回路4による検出信号のレベルにかかわらずローレ
ベルとなり、N型MOSトランジスタM1,M2はとも
にオフされる。
【0013】N型MOSトランジスタM1、M2および
P型MOSトランジスタM3は大きな電流を流す必要が
あるので、パワーMOSFETが用いられる。図2は、
一般的なN型のパワーMOSFETの断面構造を説明す
る図である。図2において、N型ドレイン領域31と、
Pベース領域29および30の上部にゲート絶縁膜24
が形成され、ゲート絶縁膜24の上部にゲート電極23
が形成されている。ゲート電極23を挟むPベース領域
29とPベース領域30とには、N+ソース領域27と
P+ベースコンタクト領域25、およびN+ソース領域
28とP+ベースコンタクト領域26がそれぞれ形成さ
れている。N+ソース領域27、P+ベースコンタクト
領域25、N+ソース領域28およびP+ベースコンタ
クト領域26は、ソース端子21に接続される。N型ド
レイン領域31の下側にはN+ドレイン領域32が形成
され、ドレイン端子33に接続される。このようなMO
SFETでは、ゲート絶縁膜24を挟んでゲート電極2
3とN型ドレイン領域31との間に寄生容量Csが存在
する。なお、P型のパワーMOSFETは、N+ドレイ
ン領域31,32、N+ソース領域27,28がP型
に、Pベース領域29,30、P+ベースコンタクト領
域25,26がN型になる。
【0014】図1において、N型MOSトランジスタM
2のゲート−ドレイン間に寄生容量CsM2が存在し、
同様に、パワートランジスタTr1のベース−コレクタ
間にも寄生容量CsTR1が存在する。第一の実施の形
態では、N型MOSトランジスタM2のゲート−ドレイ
ン間の寄生容量CsM2と同容量のコンデンサCcを設
け、コンデンサCcの一端をN型MOSトランジスタM
2のドレイン端子に接続し、コンデンサCcの他端にN
OTゲート91の出力端子を接続することに特徴があ
る。このとき、NOTゲート91の入力端子には、N型
MOSトランジスタM2のゲート端子に印加する信号V
m2を入力する。したがって、コンデンサCcの他端に
は、N型MOSトランジスタM2をオン/オフさせる信
号Vm2と論理レベルが反対の信号、すなわち、逆相の
信号−Vm2が入力される。なお、論理回路6内の各ゲ
ート61,62およびNOTゲート91に供給する電源
電圧レベルをVDDとGNDとすることにより、信号V
m2および信号−Vm2の出力電圧をVDDもしくはG
NDにする。
【0015】図3の信号波形を参照して図1に示した電
流制御型半導体素子の駆動回路の動作を説明する。 −ターンオン動作− 図示しない駆動回路からターンオン指令が出力される
と、図3の時点T0において、駆動信号入力端子Vco
ntの印加信号がハイレベルからローレベルとなり、P
型MOSトランジスタM3がオンされる。このとき、信
号Vm1およびVm2の電位はともにローレベルであ
り、キャリア引き抜き回路を形成するN型MOSトラン
ジスタM1およびM2はともにオフされる。これによ
り、パワートランジスタTr1のベース電極とエミッタ
電極との間は遮断状態となって、ベース電流供給源2か
らパワートランジスタTr1のベースに電流が流れる。
パワートランジスタTr1のベース端子から電荷が注入
されると、時点T1においてパワートランジスタTr1
がオンし、電源7から誘導性負荷LOへ電流が流れる。
このとき、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミ
ッタ間電圧Vceが低下し、コレクタ電流Icが増加す
る。
【0016】−ターンオフ動作− 図示しない駆動回路からターンオフ指令が出力される
と、時点T2において、駆動信号入力端子Vcontの
印加信号がローレベルからハイレベルになる。これによ
り、P型MOSトランジスタM3がオフしてパワートラ
ンジスタTr1へのベース電流の供給が停止される。パ
ワートランジスタTr1がターンオフ動作を開始するま
では、パワートランジスタTr1にコレクタ電流Icが
流れている。したがって、パワートランジスタTr1の
コレクタ−エミッタ端子間電圧Vceは低い値になるの
で、時点T2における電圧検出回路4の出力はローレベ
ルである。この結果、信号Vm1、および論理回路6か
ら出力される信号Vm2の電位はともにハイレベルとな
り、N型MOSトランジスタM1およびM2はともにオ
ンされ、第1のキャリア引き抜き経路51と第2のキャ
リア引き抜き経路52の両方の経路によってパワートラ
ンジスタTr1のベース電極からキャリアが引き抜かれ
る。
【0017】N型MOSトランジスタM2がオンしてい
る時点T2から時点T3までの間は、N型MOSトラン
ジスタM2のゲートにVDDレベルの信号Vm2が印加
され、N型MOSトランジスタM2のドレインにはパワ
ートランジスタTr1がオン状態であるので、約1(V)
の低い電圧(以降、VBEとする)が印加される。したが
って、上述した寄生容量CsM2には上記の印加電圧に
応じた電荷が蓄積される。わかりやすく説明するため
に、寄生容量CsM2の値を1(F)と仮定し、N型MO
SトランジスタM2のドレイン電圧を基準として考える
と、寄生容量CsM2に蓄積される蓄積電荷はVDD−
VBE(C)となる。一方、コンデンサCcに蓄積される
蓄積電荷は、NOTゲート91の出力がGNDレベルで
あるので、容量Ccの値を1(F)と仮定すると、GND
−VBE=−VBE(C)となる。
【0018】パワートランジスタTr1のベースに蓄積
されている電荷が減少してコレクタ電流Icが遮断され
始めると、コレクタ−エミッタ端子間電圧Vceが上昇し
始める。パワートランジスタTr1がターンオフする直
前の時点T3において、コレクタ−エミッタ端子間電圧
Vceが所定値以上になると、電圧検出回路4がハイレベ
ル検出信号を出力する。電圧検出回路4によるハイレベ
ル信号により、信号Vm2の電位がローレベルになって
N型MOSトランジスタM2をオフすると、第2のキャ
リア引き抜き経路52が遮断され、第1のキャリア引き
抜き経路51だけが選択される。
【0019】N型MOSトランジスタM2がオフすると
き、N型MOSトランジスタM2のゲートにGNDレベ
ルの信号Vm2が印加され、N型MOSトランジスタM
2のドレインに電圧VBEが印加される。この場合の寄
生容量CsM2の蓄積電荷はGND−VBE=−VBE
(C)である。一方、コンデンサCcの蓄積電荷は、NO
Tゲート91の出力がVDDレベルであるので、VDD
−VBE(C)となる。したがって、N型MOSトランジ
スタM2のオン状態とオフ状態とにおいて、すなわち、
図3における時点T3の前後で、寄生容量CsM2およ
びコンデンサCcに蓄積される蓄積電荷の総和は(VDD
−VBE)+(−VBE)、すなわち、VDD−2・VB
E(C)のまま変化しない。つまり、コンデンサCcに電
荷を蓄積させることにより、N型MOSトランジスタM
2からパワートランジスタTr1への電荷移動を抑える
ことができる。
【0020】N型MOSトランジスタM2およびパワー
トランジスタTr1間の静電気的な結合による電荷移動
について説明する。図14は、上述した図1の駆動回路
からコンデンサCcを省略した場合の回路各部の信号波
形を表す図である。N型MOSトランジスタM2のゲー
ト−ドレイン間静電容量CsM2、およびパワートラン
ジスタTr1のベース−コレクタ間静電容量CsTR1
などの寄生容量を介し、N型MOSトランジスタM2の
ゲートとパワートランジスタTr1のコレクタとの間が
静電気的に強く結合されている。このため、コンデンサ
Ccが省略される場合には、図14の時点T3において
ローレベルの信号Vm2がN型MOSトランジスタM2
のゲート端子へ印加されると、パワートランジスタTr
1の上昇途中のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceは、
静電気的結合によって時点Txにおいて一旦下降する。
この急激な電圧変化xは、無駄な電力消費のもとになる
とともに、ノイズ発生の原因になる。しかしながら、第
一の実施の形態では、コンデンサCcがN型MOSトラ
ンジスタM2からパワートランジスタTr1への電荷移
動を抑えるようにしたので、パワートランジスタTr1
のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceが上昇途中に下降
することはない。
【0021】図3において、第1のキャリア引き抜き経
路51のみが選択されてパワートランジスタTr1のキ
ャリア引き抜き速度が遅くされた状態で、パワートラン
ジスタTr1がターンオフ動作を完了する(時点T4)。
このとき、パワートランジスタTr1内のキャリア変
化に伴うdI/dtが緩和され、dI/dtに起因する
サージ電圧の発生が抑えられる。
【0022】以上説明したように、図1に示す第一の実
施の形態では以下の作用効果が得られる。 (1)パワートランジスタTr1をターンオフする際、
はじめはベース電極を低インピーダンスのキャリア引き
抜き経路52に接続し、パワートランジスタTr1がタ
ーンオフする直前に、ベース電極を高インピーダンスの
キャリア引き抜き経路51に接続するようにした。した
がって、ターンオフが速やかに行われて、ターンオフ遅
れ時間を短くできるとともに、ターンオフ時のキャリア
引き抜き速度を抑えることにより、パワートランジスタ
Tr1内部の急激なキャリア変化を抑制できる。この結
果、dI/dtが緩和され、dI/dtに起因するサー
ジ電圧やノイズの発生を防止できる。 (2)インピーダンスが異なるキャリア引き抜き経路5
1,52を切換えるN型MOSトランジスタM2のゲー
ト−ドレイン間の寄生容量CsM2と同容量のコンデン
サCcを設け、コンデンサCcの一端をN型MOSトラン
ジスタM2のドレイン端子に接続し、コンデンサCcの
他端にN型MOSトランジスタM2をオン/オフさせる
信号Vm2と論理レベルが反対の信号−Vm2を入力す
るようにした。したがって、N型MOSトランジスタM
2のターンオフ前後で、N型MOSトランジスタM2か
らパワートランジスタTr1への静電気的な結合による
電荷移動を抑えることができる。この結果、パワートラ
ンジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceの
急激な変化が抑制できるから、サージ電圧やノイズの発
生を防止できる。。
【0023】上述したコンデンサCcのデバイス構造に
ついて、断面構造を説明する図4を参照して説明する。
コンデンサCcは、上述した図2のMOSFETと同じ
プロセスによって作成される。図4において、N型ドレ
イン領域31の上部に絶縁膜36が形成され、絶縁膜3
6の上部に電極35が形成される。電極35にはキャパ
シタ端子34が接続される。電極35によって形成され
るのキャパシタの形状は、デバイスの上方から見て図2
のN型ドレイン領域31の形状と同じにする。すなわ
ち、図2のaの長さと図4のbの長さとを同じにして、
N型MOSトランジスタM2の寄生容量CsM2とコン
デンサCcの容量とが同容量になるようにする。なお、
コンデンサCcの構成位置は、N型MOSトランジスタ
M2の間近に構成するようにする。コンデンサCcを、
N型MOSトランジスタM2の間近にN型MOSトラン
ジスタM2と同じプロセスで形成することにより、寄生
容量CsM2の容量値および特性と似た容量値および特
性を有するコンデンサCcを少ない面積で形成すること
が可能になる。
【0024】−第二の実施の形態− 図5は、第二の実施の形態による電流制御型半導体素子
の駆動回路を示す図である。第二の実施の形態は、パワ
ートランジスタTr1のベース端子とN型MOSトラン
ジスタM2のドレイン端子との間の配線L1の寄生イン
ダクタンスLs1の影響を減らすために、N型MOSト
ランジスタM4を設け、配線L2でN型MOSトランジ
スタM4のドレイン端子とパワートランジスタTr1の
エミッタ端子間を配線するものである。このとき、配線
L1と配線L2とを平行平板で形成する。N型MOSト
ランジスタM4がキャリア引き抜き経路53を形成す
る。
【0025】図5において、図1と共通するものは同じ
符号を記す。NOTゲート92の入力端子には、N型M
OSトランジスタM2のゲート端子に印加する信号Vm
2が入力される。NOTゲート92の出力端子は、N型
MOSトランジスタM4のゲート端子に接続される。N
型MOSトランジスタM4のゲート−ドレイン間には、
寄生容量CsM4が存在する。また、論理回路6内の各
ゲート61,62およびNOTゲート92に供給する電
源電圧レベルをVDDとGNDとすることにより、信号
Vm2およびNOTゲート92から出力される信号−V
m2の出力電圧をVDDもしくはGNDにする。
【0026】N型MOSトランジスタM2がオンからオ
フになるとき、すなわち、上述した図3の信号波形にお
ける時点T3において、信号Vm2の電位がVDDから
GNDになる。このとき、寄生容量CsM2に蓄積され
た電荷移動に伴う電流が配線L1を介して図5のの方
向に流れ、A点の電位を押し下げようとする。一方、N
型MOSトランジスタM4のゲート端子の電位はGND
からVDDになるので、寄生容量CsM4に蓄積された
電荷移動に伴う電流が配線L2を介して図5のの方向
に流れ、B点の電位を押し上げようとする。配線L1と
配線L2とを平行平板で構成した結果、配線L1の寄生
インダクタンスLs1と配線L2の寄生インダクタンス
Ls2とが互いにキャンセルしあって寄生インダクタン
スLs1およびLs2の影響が抑えられる。
【0027】N型MOSトランジスタM2がオフする時
点T3は、パワートランジスタTr1がターンオフする
以前であることからコレクタ電流Icが流れているの
で、A点およびB点の電位は同電位にされている。した
がって、の電流との電流とが互いにうち消し合い、
パワートランジスタTr1がターンオフする時点T4ま
での間にA点の電位が変動しない。したがって、パワー
トランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧V
ceが急激に変化することもない。
【0028】以上説明したように、図5に示す第二の実
施の形態によれば、キャリア引き抜き経路51,52を
切換えるN型MOSトランジスタM2の寄生容量CsM
2に電荷が蓄積され、この電荷移動に伴う電流が配線L
1を介して図5のの方向に流れるとき、これをうち消
すの方向の電流を流すようにN型MOSトランジスタ
M4、配線L2を設けた。したがって、配線L1および
L2の寄生インダクタンスLs1およびLs2による影
響がキャンセルされ、パワートランジスタTr1がター
ンオフする時点T4までの間に、パワートランジスタT
r1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceが急激に変化
することを防止できる。
【0029】−第三の実施の形態− 図6は、第三の実施の形態による電流制御型半導体素子
の駆動回路を示す図である。図6において、上述した図
1と共通するものは同じ符号を記す。第三の実施の形態
は、キャリア引き抜き経路52を形成するN型MOSト
ランジスタM2をオンからオフにするとき、N型MOS
トランジスタM2のゲート端子に印加する信号Vm2の
電位を徐々に下げるように微分回路600を設ける。微
分回路600は、コンデンサC601、抵抗器R602
およびダイオードD603とで構成される。論理回路6
の出力端子とN型MOSトランジスタM2のゲート端子
との間にコンデンサC601が介挿され、N型MOSト
ランジスタM2のゲート端子と所定の電位Vsとの間に
抵抗器R602およびダイオードD603が接続され
る。
【0030】図7は、図6に示した電流制御型半導体素
子の駆動回路の信号波形を表す図である。図7におい
て、時点T2までの動作は上述した図3の動作と同様で
あるので説明を省略する。
【0031】図示しない駆動回路からターンオフ指令が
出力されると、時点T2において、駆動信号入力端子V
contの印加信号がローレベルからハイレベルにな
る。これにより、P型MOSトランジスタM3がオフし
てパワートランジスタTr1へのベース電流の供給が停
止される。パワートランジスタTr1がターンオフ動作
を開始するまでは、パワートランジスタTr1にコレク
タ電流Icが流れている。したがって、パワートランジ
スタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceは低い
値になるので、時点T2における電圧検出回路4の出力
はローレベルである。この結果、信号Vm1の電位、お
よび論理回路6から出力される信号の電位はともにハイ
レベルとなる。微分回路600から出力される信号Vm
2の電位も直ちにハイレベルになるので、N型MOSト
ランジスタM1およびM2はともにオンされ、第1のキ
ャリア引き抜き経路51と第2のキャリア引き抜き経路
52の両方の経路からパワートランジスタTr1のベー
ス電極のキャリアが引抜かれる。
【0032】微分回路600から出力される信号Vm2
の電位は、ハイレベルに立ち上がった後、時定数CRに
より電位Vsに向かって徐々に低下する。微分回路60
0の時定数は、次のようにあらかじめ定めておく。すな
わち、パワートランジスタTr1のベース電荷が減少
し、電圧検出回路4がコレクタ−エミッタ端子間電圧V
ceの上昇を検出してハイレベルの検出信号を出力する頃
に、信号Vm2の電位がN型MOSトランジスタM2を
ターンオフする閾値Vtの近傍まで低下するように定め
る。
【0033】時点T3において、電圧検出回路4がハイ
レベルの検出信号を出力することにより、論理回路6が
ローレベルの信号を出力すると、微分回路600内のダ
イオード603によって信号Vm2が急峻に立ち下が
る。このため、N型MOSトランジスタM2がオフされ
て第2のキャリア引き抜き経路52が遮断され、第1の
キャリア引き抜き経路51だけが選択される。N型MO
SトランジスタM2がオフされるとき、信号Vm2の電
位がN型MOSトランジスタM2をターンオフする閾値
Vtの近傍まで下がっているので、N型MOSトランジ
スタM2のゲート電位の変化が小さい。したがって、N
型MOSトランジスタM2のゲートと静電気的に強く結
合しているパワートランジスタTr1のコレクタ−エミ
ッタ端子間電圧Vceの変化も抑えられる。
【0034】その後、第1のキャリア引き抜き経路51
のみが選択されてパワートランジスタTr1のキャリア
引き抜き速度が遅くされた状態で、パワートランジスタ
Tr1がターンオフ動作を完了する(時点T4)。
【0035】以上説明したように、図6に示す第三の実
施の形態によれば、N型MOSトランジスタM2のゲー
ト端子に微分回路600を介してオン/オフ信号を入力
するようにした。したがって、図7の時点T3において
N型MOSトランジスタM2をオフするとき、ダイオー
ド603により急峻にオフすることができるから、回路
の動作を十分に速めることができる。さらに、オフ時の
信号Vm2の電位を、N型MOSトランジスタM2の閾
値Vtの近傍に下げているので、N型MOSトランジス
タM2のゲート電位の変化が小さくなる結果、パワート
ランジスタTr1がターンオフする時点T4までの間
に、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端
子間電圧Vceが急激に変化することを防止できる。
【0036】−第四の実施の形態− 上述した図6において、N型MOSトランジスタM1と
N型MOSトランジスタM2とを直列に接続することも
できる。図8は、第四の実施の形態による電流制御型半
導体素子の駆動回路を示す図である。図8において、上
述した図6と共通するものは同じ符号を記す。第四の実
施の形態では、N型MOSトランジスタM1およびM2
をオンするとき、N型MOSトランジスタM1とN型M
OSトランジスタM2とを介して、パワートランジスタ
Tr1のベースから電荷が引き抜かれる。N型MOSト
ランジスタM2のみをオフにするとき、N型MOSトラ
ンジスタM1と抵抗器R1とを介して、パワートランジ
スタTr1のベースから電荷が引き抜かれる。
【0037】第四の実施の形態でも第三の実施の形態と
同様に、信号Vm2の立ち下がりを急峻にしてN型MO
SトランジスタM2をオフする動作を十分に速めること
ができる。さらに、信号Vm2の電位を徐々に低下して
オフ時のN型MOSトランジスタM2のゲート電位の変
化を小さくできる結果、パワートランジスタTr1のコ
レクタ−エミッタ端子間電圧Vceの急激な変化を防止で
きる。
【0038】−第五の実施の形態− 上述した図8において、微分回路600を別の回路に置
き換えることもできる。図9は、第五の実施の形態によ
る電流制御型半導体素子の駆動回路を示す図である。図
9において、上述した図8と共通するものは同じ符号を
記す。第五の実施の形態では、増幅器614と、増幅器
614の反転入力端子側に設けられた積分回路611〜
613とで構成されるM2制御回路610によって、N
型MOSトランジスタM2のオン/オフが制御される。
積分回路は、コンデンサ611,抵抗器612およびダ
イオード613により構成される。
【0039】第五の実施の形態でも、第三および第四の
実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。すな
わち、N型MOSトランジスタM2をオフする信号Vm
2の立ち下がりを急峻にするとともに、N型MOSトラ
ンジスタM2をオフする前に信号Vm2の電位を徐々に
低下するものであれば、どんな回路構成でもよい。
【0040】−第六の実施の形態− 図10は、第六の実施の形態による電流制御型半導体素
子の駆動回路を示す図である。図10において、M2制
御回路620は、所定時間tが経過するまで信号Vm2
の電位を一定に保ち、所定時間tが経過すると信号Vm
2の電位を徐々に低下させる。M2制御回路620は、
NOTゲート625と、コンデンサ621および抵抗器
622からなる第1の微分回路と、第1のダイオード6
23と、P型MOSトランジスタ624と、コンデンサ
631および抵抗器632からなる第2の微分回路と、
第2のダイオード633とを有する。
【0041】図11の信号波形を参照してM2制御回路
620の動作を説明する。時点T2において、論理回路
6からハイレベルの信号が出力されると、NOTゲート
625の出力端子からローレベルの信号が出力され、P
型MOSトランジスタ624がオンする。したがって、
N型MOSトランジスタM2のゲート端子に電源Vdが
供給される。第1の微分回路によりP型MOSトランジ
スタ624のゲート電位が上昇すると、所定時間tが経
過後にP型MOSトランジスタ624がオフする。この
時点から、第2の微分回路によってN型MOSトランジ
スタM2のゲート端子の電位、すなわち、信号Vm2の
電位が徐々に低下される。
【0042】N型MOSトランジスタM2のゲート端子
の電位が閾値Vtに近づいた時点T3において、電圧検
出回路4がハイレベルの検出信号を出力することによ
り、論理回路6がローレベルの信号を出力すると、ダイ
オード633によって信号Vm2の電位が急峻に立ち下
がる。このため、N型MOSトランジスタM2がオフさ
れて第2のキャリア引き抜き経路52が遮断され、第1
のキャリア引き抜き経路51だけが選択される。
【0043】その後、第1のキャリア引き抜き経路51
のみが選択されてパワートランジスタTr1のキャリア
引き抜き速度が遅くされた状態で、パワートランジスタ
Tr1がターンオフ動作を完了する(時点T4)。
【0044】以上説明したように第六の実施の形態によ
れば、図11の時点T2から所定時間tが経過するまで
信号Vm2の電位をハイレベルに保ち、N型MOSトラ
ンジスタM2のドレイン電流を多くしてパワートランジ
スタTr1のベースから電荷をより多く引き抜くように
した。したがって、時点T2から徐々に信号Vm2の電
位を低下する場合に比べて、パワートランジスタTr1
がターンオフするまでのターンオフ遅れ時間を減らすこ
とができる。また、所定時間tが経過後は、信号Vm2
の電位を徐々に低下してN型MOSトランジスタM2の
閾値Vtの近傍に下げるので、N型MOSトランジスタ
M2のゲート電位の変化が小さくなる結果、パワートラ
ンジスタTr1がターンオフする時点T4までの間に、
パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間
電圧Vceが急激に変化することを防止できる。
【0045】第六の実施の形態では、信号Vm2の電位
の低下率を途中で変えて「折れ線」のように低下させる
ようにしたが、たとえば、二次曲線のように低下するよ
うにしてもよい。
【0046】以上の説明では、パワートランジスタTr
1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceを検出する電圧
検出回路4を設け、電圧検出回路4の検出信号を論理回
路6に入力することにより、パワートランジスタTr1
がターンオフする直前の時点T3において、N型MOS
トランジスタM2をオフしてキャリア引き抜き経路51
および52を切換えるようにした。電圧検出回路4の検
出信号を論理回路6に入力する代わりに外部から経路切
換え信号を入力し、キャリア引き抜き経路51および5
2を切換えるようにしてもよい。外部からの経路切換え
信号は、たとえば、パワートランジスタTr1をオフさ
せるオフ指令を、所定時間だけ遅延させて作ることがで
きる。すなわち、図3を例にとれば、時点T2から所定
時間経過後に論理回路6に入力されるように経路切換え
信号を作ればよい。
【0047】本発明による駆動回路は、一般的なバイポ
ーラトランジスタだけに使用されるものではなく、ベー
ス電極からキャリアを引き抜いてターンオフさせるとき
に、キャリア引き抜き速度が速すぎてベース信号が振動
を起こすような種々の半導体素子に適用できる。とく
に、トランジスタの動作が速く、dI/dtによるサー
ジが発生しやすい半導体素子に対して本発明による駆動
方法が有効である。
【0048】また、以上の説明では、パワーバイポーラ
トランジスタの駆動回路への応用について説明したが、
たとえば、高周波回路において、パワーMOSFETの
寄生キャパシタの影響を抑える場合にも本発明を適用す
ることができる。
【0049】上述した説明では、パワートランジスタT
r1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceを電圧検出回
路4によって検出し、この電圧Vceに基づいて切換え信
号を発生させるようにしていたが、コレクタ−エミッタ
端子間電圧Vceの検出に代えて、パワートランジスタT
r1のコレクタ電流を検出し、検出したコレクタ電流に
基づいて切換え信号を発生させるようにしても同様の効
果を得ることができる。
【0050】特許請求の範囲における各構成要素と、発
明の実施の形態における各構成要素との対応について説
明すると、パワートランジスタTr1が電流制御型半導
体素子に、電流制御型半導体素子の制御端子がベース端
子に、N型MOSトランジスタM2がスイッチング素子
および第1のスイッチング素子に、論理回路6が切換え
信号発生手段に、NOTゲート91,92が極性反転手
段に、コンデンサCcが容量性素子に、電流制御型半導
体素子の主電流端子がエミッタ端子に、N型MOSトラ
ンジスタM4が第2のスイッチング素子に、微分回路6
00、M2制御回路610および620が制御手段に、
電圧検出回路4が状態検出手段に、それぞれ対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態による電流制御型半導体素子
の駆動回路を示す図である。
【図2】パワーMOSFETの断面構造を説明する図で
ある。
【図3】図1の回路各部の信号波形を表す図である。
【図4】コンデンサの断面構造を説明する図である。
【図5】第二の実施の形態による電流制御型半導体素子
の駆動回路を示す図である。
【図6】第三の実施の形態による電流制御型半導体素子
の駆動回路を示す図である。
【図7】図6の回路各部の信号波形を表す図である。
【図8】第四の実施の形態による電流制御型半導体素子
の駆動回路を示す図である。
【図9】第五の実施の形態による電流制御型半導体素子
の駆動回路を示す図である。
【図10】第六の実施の形態による電流制御型半導体素
子の駆動回路を示す図である。
【図11】図10の回路各部の信号波形を表す図であ
る。
【図12】従来の技術による電流制御型半導体素子の駆
動回路を示す図である。
【図13】図12の回路各部の信号波形を表す図であ
る。
【図14】図1のコンデンサを省略した場合の回路各部
の信号波形を表す図である。
【符号の説明】
2…ベース電流供給源、 4…電圧検出回
路、6…論理回路、 7…電源、
51,52…第1および第2のキャリア引き抜き経路、
61,91,92…NOTゲート、 62…ANDゲ
ート、600…微分回路、 610,6
20…M2制御回路、Cc…コンデンサ、
CsM2,CsTR1,CsM4…寄生容量、L1,
L2…配線、 LO…誘導性負荷、M
1,M2…N型MOSトランジスタ、M3…P型MOS
トランジスタ、R1…抵抗器、
Tr1…パワートランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クライソン トロンナムチャイ 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 浅田 邦博 埼玉県川越市並木43−1−306 Fターム(参考) 5H740 AA04 BA11 BC01 BC02 JA01 JB01 KK01 LL05 5J055 AX04 AX21 AX55 AX56 AX64 BX16 CX00 CX13 DX04 DX55 EX07 EX26 EY01 EY05 EY10 EY12 EY21 EY29 EZ02 EZ03 EZ07 EZ09 EZ25 EZ63 FX05 FX08 FX09 FX13 FX18 FX32 FX33 GX01 GX04 GX07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電流制御型半導体素子の制御端子に制御電
    流を供給してターンオンさせ、前記制御電流の供給を停
    止するとともに前記制御端子から電荷引き抜き経路を介
    して電荷を引き抜いてターンオフさせる電流制御型半導
    体素子用駆動回路において、 インピーダンスが異なる複数の電荷引き抜き経路と、 前記電荷引き抜き経路を切換えるスイッチング素子と、 前記スイッチング素子に対する切換え信号を発生する切
    換え信号発生手段と、 前記切換え信号の極性を反転して出力する極性反転手段
    と、 前記スイッチング素子の制御端子と前記電流制御型半導
    体素子の制御端子との間の容量と略同じ容量を有する容
    量性素子とを備え、 前記容量性素子は、一方の端子が前記電流制御型半導体
    素子の制御端子に接続され、他方の端子が前記極性反転
    手段の出力に接続されることを特徴とする電流制御型半
    導体素子用駆動回路。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電流制御型半導体素子用
    駆動回路において、 前記容量性素子は、前記スイッチング素子の制御端子お
    よび前記電流制御型半導体素子の制御端子と略同じデバ
    イス構造を有することを特徴とする電流制御型半導体素
    子用駆動回路。
  3. 【請求項3】電流制御型半導体素子の制御端子に制御電
    流を供給してターンオンさせ、前記制御電流の供給を停
    止するとともに前記制御端子から制御端子用電荷引き抜
    き経路を介して電荷を引き抜いてターンオフさせる電流
    制御型半導体素子用駆動回路において、 インピーダンスが異なる複数の制御端子用電荷引き抜き
    経路と、 前記制御端子用電荷引き抜き経路を切換える第1のスイ
    ッチング素子と、 前記電流制御型半導体素子の主電流端子から電荷を引き
    抜く主電流端子用電荷引き抜き経路と、 前記主電流端子用電荷引き抜き経路をオン/オフする第
    2のスイッチング素子と、 前記第1のスイッチング素子に対する切換え信号を発生
    する切換え信号発生手段と、 前記切換え信号の極性を反転して前記第2のスイッチン
    グ素子に対する切換え信号を出力する極性反転手段とを
    備え、 前記制御端子用電荷引き抜き経路と、前記主電流端子用
    電荷引き抜き経路とが互いに寄生インダクタンスをキャ
    ンセルするように配設されることを特徴とする電流制御
    型半導体素子用駆動回路。
  4. 【請求項4】電流制御型半導体素子の制御端子に制御電
    流を供給してターンオンさせ、前記制御電流の供給を停
    止するとともに前記制御端子から電荷引き抜き経路を介
    して電荷を引き抜いてターンオフさせる電流制御型半導
    体素子用駆動回路において、 インピーダンスが異なる複数の電荷引き抜き経路と、 前記電荷引き抜き経路の少なくとも1つに介挿され、介
    挿された電荷引き抜き経路をオン/オフするスイッチン
    グ素子と、 前記スイッチング素子が徐々にオフするように制御する
    制御手段とを備えることを特徴とする電流制御型半導体
    素子用駆動回路。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の電流制御型半導体素子用
    駆動回路において、 前記電流制御型半導体素子をオン/オフさせる指令を所
    定時間遅延する遅延回路と、 前記遅延回路による遅延後の指令により前記スイッチン
    グ素子に対する切換え信号を発生する切換え信号発生手
    段とをさらに備えることを特徴とする電流制御型半導体
    素子用駆動回路。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の電流制御
    型半導体素子用駆動回路において、 前記電流制御型半導体素子の主電流端子の状態を検出す
    る状態検出手段と、 前記状態検出手段による検出結果に応じて前記スイッチ
    ング素子に対する切換え信号を発生する切換え信号発生
    手段とをさらに備えることを特徴とする電流制御型半導
    体素子用駆動回路。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の電流制御型半導体素子用
    駆動回路において、 前記状態検出手段は、前記電流制御型半導体素子の主電
    流端子の電圧または電流を検出することを特徴とする電
    流制御型半導体素子用駆動回路。
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