JP3665552B2 - 電流制御型半導体素子用駆動回路 - Google Patents

電流制御型半導体素子用駆動回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御端子に流入する電流を制御してターンオン/ターンオフする電流制御型半導体素子に用いられる駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘導性負荷を駆動する電流制御型スイッチングトランジスタ素子として、特開平6−252408号公報に開示されているものが知られている。図12はこのような従来の電流制御型半導体素子を使用して誘導性負荷を駆動する駆動回路を示している。トランジスタTr1は、不図示の駆動回路から指令されるターンオン/ターンオフ指令により駆動信号入力端子Vcontに印加される駆動信号に応じてオン/オフされ、誘導性負荷LOを駆動する。
【0003】
駆動信号入力端子Vcontの印加電圧Vmがハイレベルからローレベルになると、P型MOSトランジスタM3がオン、N型MOSトランジスタM1がオフし、ベース電流供給源102からトランジスタTr1のベースに電流が流れる。これにより、ベースにキャリアが注入されてトランジスタTr1はオンし、電源107から誘導性負荷LOへ電流が流れる。トランジスタTr1に接続されている負荷は誘導性負荷LOであるのでコレクタ電流Icは徐々に増加する。
【0004】
図13を参照してトランジスタTr1のターンオフ動作を説明する。駆動信号入力端子Vcontの印加電圧Vmがハイレベルになると、P型MOSトランジスタM3がオフ、N型MOSトランジスタM1がオンし、トランジスタTr1のベースへの電流の供給が停止される。また、N型MOSトランジスタM1を介してトランジスタTr1のベースからキャリアが引き抜かれ、トランジスタTr1はターンオフする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図12に示すトランジスタTr1のターンオフ時には、次の理由によりベース電圧Vbeが図13に示すように振動し、トランジスタTr1が誤ってターンオンすることがある。すなわち、ベース電流が流れる経路には寄生インダクタンス201〜203のほか、たとえばN型MOSトランジスタM1のオン抵抗や配線抵抗および寄生容量成分が存在する。また、トランジスタTr1は、電流駆動型素子であるため大きなベース電流が流れ、しかも極めて短い時間でターンオフする。したがって、ターンオフ時には寄生インダクタンスにたまったエネルギを急激に放出する必要があり、このエネルギと寄生要素のRLC共振現象が発生して、ベース電圧Vbeが激しく振動する。ベース電圧がオン電圧まで上昇すると、図13に示すように誤ってターンオンしてコレクタ電流Icが流れる。図13において、Ibはベース電流の波形を示し、+側はベース電極へ流れ込む電流の値であり、−側はベース電極からキャリアが引き抜かれるときに流れる電流である。
【0006】
なお、ベースからのキャリア引き抜きが急激に行われないようにキャリア引き抜き回路の抵抗を大きくするとベース電圧の振動は抑制できるが、ターンオフ指令から実際にトランジスタTr1がターンオフするまでのストレージ時間tsが長くなってしまう。
【0007】
本発明の目的は、ストレージ時間を長くすることなくターンオフ時の制御端子の信号の振動を抑制し、誤ってターンオンすることを防止するようにした電流制御型半導体素子用駆動回路を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
一実施の形態を示す図1,5,6,8,10に対応づけて本発明を説明する。
(1)請求項1に記載の発明は、電流制御型半導体素子Tr1の制御端子に制御電流を供給してターンオンさせ、制御電流の供給を停止するとともに制御端子から電荷引き抜き経路を介して電荷を引き抜いてターンオフさせる電流制御型半導体素子用駆動回路に適用される。そして、インピーダンスが異なる複数の電荷引き抜き経路51,52と、電荷引き抜き経路51,52を切換えるスイッチング素子M2と、スイッチング素子M2に対する切換え信号Vm2を発生する切換え信号発生手段6と、切換え信号Vm2の極性を反転して出力する極性反転手段91と、スイッチング素子M2の制御端子と電流制御型半導体素子Tr1の制御端子との間の容量と略同じ容量を有する容量性素子Ccとを備え、一方の端子が電流制御型半導体素子Tr1の制御端子に接続され、他方の端子が極性反転手段91の出力に接続されるように容量性素子Ccを接続することにより、上述した目的を達成する。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電流制御型半導体素子用駆動回路において、容量性素子Ccは、スイッチング素子M2の制御端子および電流制御型半導体素子Tr1の制御端子と略同じデバイス構造を有することを特徴とする。
(3)請求項3に記載の発明は、電流制御型半導体素子Tr1の制御端子に制御電流を供給してターンオンさせ、制御電流の供給を停止するとともに制御端子から制御端子用電荷引き抜き経路を介して電荷を引き抜いてターンオフさせる電流制御型半導体素子用駆動回路に適用される。そして、インピーダンスが異なる複数の制御端子用電荷引き抜き経路51,52と、制御端子用電荷引き抜き経路51,52を切換える第1のスイッチング素子M2と、電流制御型半導体素子Tr1の主電流端子から電荷を引き抜く主電流端子用電荷引き抜き経路53と、主電流端子用電荷引き抜き経路53をオン/オフする第2のスイッチング素子M4と、第1のスイッチング素子M2に対する切換え信号Vm2を発生する切換え信号発生手段6と、切換え信号Vm2の極性を反転して第2のスイッチング素子M4に対する切換え信号を出力する極性反転手段92とを備え、制御端子用電荷引き抜き経路51,52と、主電流端子用電荷引き抜き経路53とが互いに寄生インダクタンスをキャンセルするように配設されることにより、上述した目的を達成する。
(4)請求項4に記載の発明は、電流制御型半導体素子Tr1の制御端子に制御電流を供給してターンオンさせ、制御電流の供給を停止するとともに制御端子から電荷引き抜き経路を介して電荷を引き抜いてターンオフさせる電流制御型半導体素子用駆動回路に適用される。そして、インピーダンスが異なる複数の電荷引き抜き経路51,52と、電荷引き抜き経路の少なくとも1つに介挿され、介挿された電荷引き抜き経路52をオン/オフするスイッチング素子M2と、スイッチング素子M2の制御端子へ印加される制御信号レベルを、当該スイッチング素子がオフする信号レベルへ徐々に近づけるように制御する制御手段600(610,620)とを備えることにより、上述した目的を達成する。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電流制御型半導体素子用駆動回路において、電流制御型半導体素子Tr1をオン/オフさせる指令を所定時間遅延する遅延回路と、遅延回路による遅延後の指令によりスイッチング素子に対する切換え信号を発生する切換え信号発生手段とをさらに備えることを特徴とする。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の電流制御型半導体素子用駆動回路において、電流制御型半導体素子Tr1の主電流端子の状態を検出する状態検出手段4と、状態検出手段4による検出結果に応じてスイッチング素子M2に対する切換え信号を発生する切換え信号発生手段6とをさらに備えることを特徴とする。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の電流制御型半導体素子用駆動回路において、状態検出手段4は、電流制御型半導体素子Tr1の主電流端子の電圧または電流を検出することを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
(1)請求項1,2,6,7に記載の発明によれば、インピーダンスが異なる電荷引き抜き経路に切換えるスイッチング素子の制御端子と電流制御型半導体素子の制御端子との間の容量と略同じ容量を有する容量性素子を設け、容量性素子の一端に電流制御型半導体素子の制御端子を接続し、容量性素子の他端にスイッチング素子の切換え信号の極性を反転して接続するようにした。容量性素子に電荷が蓄積されるため、スイッチング素子による電荷引き抜き経路切換え時に、スイッチング素子から電流制御型半導体素子への静電気的な結合による電荷の移動を抑えることができる。この結果、電流制御型半導体素子の制御端子における電圧振動を防止できる。
(2)とくに、請求項2に記載の発明では、容量性素子をスイッチング素子および電流制御型半導体素子と略同じデバイス構造にしたので、上記を各素子との間の容量と特性が似た容量性素子を得ることができる。
(3)請求項3,6,7に記載の発明によれば、電流制御型半導体素子の制御端子用電荷引き抜き経路と、電流制御型半導体素子の主電流端子用電荷引き抜き経路とを互いに寄生インダクタンスがキャンセルされるように配設し、制御端子用電荷引き抜き経路を切換える第1のスイッチング素子、および主電流端子用電荷引き抜き経路をオン/オフする第2のスイッチング素子を反転動作させるようにした。したがって、たとえば、第1のスイッチング素子に蓄積された電荷移動に伴う電流が制御端子に流れるとき、これをうち消すように、第2のスイッチング素子に蓄積された電荷移動に伴う電流が主電流端子に流れる。この結果、電流制御型半導体素子の端子間電圧の急激な変化が抑制され、制御端子の電圧振動を防止できる。
(4)請求項4〜7に記載の発明では、インピーダンスが異なる複数の電荷引き抜き経路の1つに介挿されたスイッチング素子の制御端子へ印加される制御信号レベルを、当該スイッチング素子がオフする信号レベルへ徐々に近づけるようにしたので、スイッチング素子における急激な電圧変化を抑えることができる。この結果、スイッチング素子と静電気的に結合している電流制御型半導体素子の制御端子の電圧の変化も抑えることができるから、制御端子の電圧振動を防止できる。
(5)請求項5に記載の発明では、電流制御型半導体素子をオン/オフさせる指令を遅延し、遅延後の指令によりスイッチング素子を切換えるようにしたので、電流制御型半導体素子の電荷が減少する時間に応じた遅延回路にすれば、電荷量に応じて電荷引き抜き経路を切換えることができる。この結果、電流制御型半導体素子のターンオフ遅れ時間を短くすることができる。
(6)請求項6に記載の発明では、電流制御型半導体素子の主電流端子の状態を検出してスイッチング素子を切換えるようにしたので、電流制御型半導体素子のターンオフ動作に応じて電荷引き抜き経路を切換えることができる。この結果、電流制御型半導体素子のターンオフ遅れ時間を短くすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
−第一の実施の形態−
図1は、駆動信号入力端子Vcontの信号レベルにより誘導性負荷LOをオン/オフ駆動する電流制御型半導体素子の駆動回路の一実施の形態を示す。図1において、半導体素子駆動回路は、パワートランジスタTr1のベース電流供給源2と、ベース電流をオン/オフするP型MOSトランジスタM3と、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceを検出する電圧検出回路4と、パワートランジスタTr1のベースからキャリアを引き抜くキャリア引き抜き回路M1,M2,R1と、キャリア引き抜き回路M1,M2,R1のキャリア引き抜き速度を制御する論理回路6と、誘導性負荷LOを駆動するための電源7と、還流動作用のダイオード8とを備えている。
【0011】
キャリア引き抜き回路は、N型MOSトランジスタM1およびM2と、N型MOSトランジスタM1と直列に接続された抵抗器R1とを備える。N型MOSトランジスタM1と抵抗器R1とが第1のキャリア引き抜き経路51を形成し、N型MOSトランジスタM2が第2のキャリア引き抜き経路52を形成する。第1のキャリア引き抜き経路51は抵抗器R1を有するので、第2のキャリア引き抜き経路52に比べてインピーダンスが高い。
【0012】
論理回路6は、上述したN型MOSトランジスタM1とM2とをオン/オフ制御する。論理回路6は、電圧検出回路4からの信号が入力されるNOTゲート61と、一方の入力端子にNOTゲート61の出力が供給され、他方の入力端子に駆動信号入力端子Vcontからの駆動信号が供給されるANDゲート62とを備えている。ANDゲート62の出力は、信号Vm2としてN型MOSトランジスタM2のゲート端子へ印加される。駆動信号入力端子Vcontから供給される駆動信号はさらに、信号Vm1としてN型MOSトランジスタM1のゲート端子にも印加される。図1において、駆動信号入力端子Vcontからの駆動信号がローレベルで、パワートランジスタTr1をターンオンする指令が出力されているとき、信号Vm1,Vm2の電位は電圧検出回路4による検出信号のレベルにかかわらずローレベルとなり、N型MOSトランジスタM1,M2はともにオフされる。
【0013】
N型MOSトランジスタM1、M2およびP型MOSトランジスタM3は大きな電流を流す必要があるので、パワーMOSFETが用いられる。図2は、一般的なN型のパワーMOSFETの断面構造を説明する図である。図2において、N型ドレイン領域31と、Pベース領域29および30の上部にゲート絶縁膜24が形成され、ゲート絶縁膜24の上部にゲート電極23が形成されている。ゲート電極23を挟むPベース領域29とPベース領域30とには、N+ソース領域27とP+ベースコンタクト領域25、およびN+ソース領域28とP+ベースコンタクト領域26がそれぞれ形成されている。N+ソース領域27、P+ベースコンタクト領域25、N+ソース領域28およびP+ベースコンタクト領域26は、ソース端子21に接続される。N型ドレイン領域31の下側にはN+ドレイン領域32が形成され、ドレイン端子33に接続される。このようなMOSFETでは、ゲート絶縁膜24を挟んでゲート電極23とN型ドレイン領域31との間に寄生容量Csが存在する。なお、P型のパワーMOSFETは、N+ドレイン領域31,32、N+ソース領域27,28がP型に、Pベース領域29,30、P+ベースコンタクト領域25,26がN型になる。
【0014】
図1において、N型MOSトランジスタM2のゲート−ドレイン間に寄生容量CsM2が存在し、同様に、パワートランジスタTr1のベース−コレクタ間にも寄生容量CsTR1が存在する。第一の実施の形態では、N型MOSトランジスタM2のゲート−ドレイン間の寄生容量CsM2と同容量のコンデンサCcを設け、コンデンサCcの一端をN型MOSトランジスタM2のドレイン端子に接続し、コンデンサCcの他端にNOTゲート91の出力端子を接続することに特徴がある。このとき、NOTゲート91の入力端子には、N型MOSトランジスタM2のゲート端子に印加する信号Vm2を入力する。したがって、コンデンサCcの他端には、N型MOSトランジスタM2をオン/オフさせる信号Vm2と論理レベルが反対の信号、すなわち、逆相の信号−Vm2が入力される。なお、論理回路6内の各ゲート61,62およびNOTゲート91に供給する電源電圧レベルをVDDとGNDとすることにより、信号Vm2および信号−Vm2の出力電圧をVDDもしくはGNDにする。
【0015】
図3の信号波形を参照して図1に示した電流制御型半導体素子の駆動回路の動作を説明する。
−ターンオン動作−
図示しない駆動回路からターンオン指令が出力されると、図3の時点T0において、駆動信号入力端子Vcontの印加信号がハイレベルからローレベルとなり、P型MOSトランジスタM3がオンされる。このとき、信号Vm1およびVm2の電位はともにローレベルであり、キャリア引き抜き回路を形成するN型MOSトランジスタM1およびM2はともにオフされる。これにより、パワートランジスタTr1のベース電極とエミッタ電極との間は遮断状態となって、ベース電流供給源2からパワートランジスタTr1のベースに電流が流れる。パワートランジスタTr1のベース端子から電荷が注入されると、時点T1においてパワートランジスタTr1がオンし、電源7から誘導性負荷LOへ電流が流れる。このとき、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ間電圧Vceが低下し、コレクタ電流Icが増加する。
【0016】
−ターンオフ動作−
図示しない駆動回路からターンオフ指令が出力されると、時点T2において、駆動信号入力端子Vcontの印加信号がローレベルからハイレベルになる。これにより、P型MOSトランジスタM3がオフしてパワートランジスタTr1へのベース電流の供給が停止される。パワートランジスタTr1がターンオフ動作を開始するまでは、パワートランジスタTr1にコレクタ電流Icが流れている。したがって、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceは低い値になるので、時点T2における電圧検出回路4の出力はローレベルである。この結果、信号Vm1、および論理回路6から出力される信号Vm2の電位はともにハイレベルとなり、N型MOSトランジスタM1およびM2はともにオンされ、第1のキャリア引き抜き経路51と第2のキャリア引き抜き経路52の両方の経路によってパワートランジスタTr1のベース電極からキャリアが引き抜かれる。
【0017】
N型MOSトランジスタM2がオンしている時点T2から時点T3までの間は、N型MOSトランジスタM2のゲートにVDDレベルの信号Vm2が印加され、N型MOSトランジスタM2のドレインにはパワートランジスタTr1がオン状態であるので、約1(V)の低い電圧(以降、VBEとする)が印加される。したがって、上述した寄生容量CsM2には上記の印加電圧に応じた電荷が蓄積される。わかりやすく説明するために、寄生容量CsM2の値を1(F)と仮定し、N型MOSトランジスタM2のドレイン電圧を基準として考えると、寄生容量CsM2に蓄積される蓄積電荷はVDD−VBE(C)となる。一方、コンデンサCcに蓄積される蓄積電荷は、NOTゲート91の出力がGNDレベルであるので、容量Ccの値を1(F)と仮定すると、GND−VBE=−VBE(C)となる。
【0018】
パワートランジスタTr1のベースに蓄積されている電荷が減少してコレクタ電流Icが遮断され始めると、コレクタ−エミッタ端子間電圧Vceが上昇し始める。パワートランジスタTr1がターンオフする直前の時点T3において、コレクタ−エミッタ端子間電圧Vceが所定値以上になると、電圧検出回路4がハイレベル検出信号を出力する。電圧検出回路4によるハイレベル信号により、信号Vm2の電位がローレベルになってN型MOSトランジスタM2をオフすると、第2のキャリア引き抜き経路52が遮断され、第1のキャリア引き抜き経路51だけが選択される。
【0019】
N型MOSトランジスタM2がオフするとき、N型MOSトランジスタM2のゲートにGNDレベルの信号Vm2が印加され、N型MOSトランジスタM2のドレインに電圧VBEが印加される。この場合の寄生容量CsM2の蓄積電荷はGND−VBE=−VBE(C)である。一方、コンデンサCcの蓄積電荷は、NOTゲート91の出力がVDDレベルであるので、VDD−VBE(C)となる。したがって、N型MOSトランジスタM2のオン状態とオフ状態とにおいて、すなわち、図3における時点T3の前後で、寄生容量CsM2およびコンデンサCcに蓄積される蓄積電荷の総和は(VDD−VBE)+(−VBE)、すなわち、VDD−2・VBE(C)のまま変化しない。つまり、コンデンサCcに電荷を蓄積させることにより、N型MOSトランジスタM2からパワートランジスタTr1への電荷移動を抑えることができる。
【0020】
N型MOSトランジスタM2およびパワートランジスタTr1間の静電気的な結合による電荷移動について説明する。図14は、上述した図1の駆動回路からコンデンサCcを省略した場合の回路各部の信号波形を表す図である。N型MOSトランジスタM2のゲート−ドレイン間静電容量CsM2、およびパワートランジスタTr1のベース−コレクタ間静電容量CsTR1などの寄生容量を介し、N型MOSトランジスタM2のゲートとパワートランジスタTr1のコレクタとの間が静電気的に強く結合されている。このため、コンデンサCcが省略される場合には、図14の時点T3においてローレベルの信号Vm2がN型MOSトランジスタM2のゲート端子へ印加されると、パワートランジスタTr1の上昇途中のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceは、静電気的結合によって時点Txにおいて一旦下降する。この急激な電圧変化xは、無駄な電力消費のもとになるとともに、ノイズ発生の原因になる。しかしながら、第一の実施の形態では、コンデンサCcがN型MOSトランジスタM2からパワートランジスタTr1への電荷移動を抑えるようにしたので、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceが上昇途中に下降することはない。
【0021】
図3において、第1のキャリア引き抜き経路51のみが選択されてパワートランジスタTr1のキャリア引き抜き速度が遅くされた状態で、パワートランジスタTr1がターンオフ動作を完了する(時点T4)。 このとき、パワートランジスタTr1内のキャリア変化に伴うdI/dtが緩和され、dI/dtに起因するサージ電圧の発生が抑えられる。
【0022】
以上説明したように、図1に示す第一の実施の形態では以下の作用効果が得られる。
(1)パワートランジスタTr1をターンオフする際、はじめはベース電極を低インピーダンスのキャリア引き抜き経路52に接続し、パワートランジスタTr1がターンオフする直前に、ベース電極を高インピーダンスのキャリア引き抜き経路51に接続するようにした。したがって、ターンオフが速やかに行われて、ターンオフ遅れ時間を短くできるとともに、ターンオフ時のキャリア引き抜き速度を抑えることにより、パワートランジスタTr1内部の急激なキャリア変化を抑制できる。この結果、dI/dtが緩和され、dI/dtに起因するサージ電圧やノイズの発生を防止できる。
(2)インピーダンスが異なるキャリア引き抜き経路51,52を切換えるN型MOSトランジスタM2のゲート−ドレイン間の寄生容量CsM2と同容量のコンデンサCcを設け、コンデンサCcの一端をN型MOSトランジスタM2のドレイン端子に接続し、コンデンサCcの他端にN型MOSトランジスタM2をオン/オフさせる信号Vm2と論理レベルが反対の信号−Vm2を入力するようにした。したがって、N型MOSトランジスタM2のターンオフ前後で、N型MOSトランジスタM2からパワートランジスタTr1への静電気的な結合による電荷移動を抑えることができる。この結果、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceの急激な変化が抑制できるから、サージ電圧やノイズの発生を防止できる。。
【0023】
上述したコンデンサCcのデバイス構造について、断面構造を説明する図4を参照して説明する。コンデンサCcは、上述した図2のMOSFETと同じプロセスによって作成される。図4において、N型ドレイン領域31の上部に絶縁膜36が形成され、絶縁膜36の上部に電極35が形成される。電極35にはキャパシタ端子34が接続される。電極35によって形成されるのキャパシタの形状は、デバイスの上方から見て図2のN型ドレイン領域31の形状と同じにする。すなわち、図2のaの長さと図4のbの長さとを同じにして、N型MOSトランジスタM2の寄生容量CsM2とコンデンサCcの容量とが同容量になるようにする。なお、コンデンサCcの構成位置は、N型MOSトランジスタM2の間近に構成するようにする。コンデンサCcを、N型MOSトランジスタM2の間近にN型MOSトランジスタM2と同じプロセスで形成することにより、寄生容量CsM2の容量値および特性と似た容量値および特性を有するコンデンサCcを少ない面積で形成することが可能になる。
【0024】
−第二の実施の形態−
図5は、第二の実施の形態による電流制御型半導体素子の駆動回路を示す図である。第二の実施の形態は、パワートランジスタTr1のベース端子とN型MOSトランジスタM2のドレイン端子との間の配線L1の寄生インダクタンスLs1の影響を減らすために、N型MOSトランジスタM4を設け、配線L2でN型MOSトランジスタM4のドレイン端子とパワートランジスタTr1のエミッタ端子間を配線するものである。このとき、配線L1と配線L2とを平行平板で形成する。N型MOSトランジスタM4がキャリア引き抜き経路53を形成する。
【0025】
図5において、図1と共通するものは同じ符号を記す。NOTゲート92の入力端子には、N型MOSトランジスタM2のゲート端子に印加する信号Vm2が入力される。NOTゲート92の出力端子は、N型MOSトランジスタM4のゲート端子に接続される。N型MOSトランジスタM4のゲート−ドレイン間には、寄生容量CsM4が存在する。また、論理回路6内の各ゲート61,62およびNOTゲート92に供給する電源電圧レベルをVDDとGNDとすることにより、信号Vm2およびNOTゲート92から出力される信号−Vm2の出力電圧をVDDもしくはGNDにする。
【0026】
N型MOSトランジスタM2がオンからオフになるとき、すなわち、上述した図3の信号波形における時点T3において、信号Vm2の電位がVDDからGNDになる。このとき、寄生容量CsM2に蓄積された電荷移動に伴う電流が配線L1を介して図5の▲1▼の方向に流れ、A点の電位を押し下げようとする。一方、N型MOSトランジスタM4のゲート端子の電位はGNDからVDDになるので、寄生容量CsM4に蓄積された電荷移動に伴う電流が配線L2を介して図5の▲2▼の方向に流れ、B点の電位を押し上げようとする。配線L1と配線L2とを平行平板で構成した結果、配線L1の寄生インダクタンスLs1と配線L2の寄生インダクタンスLs2とが互いにキャンセルしあって寄生インダクタンスLs1およびLs2の影響が抑えられる。
【0027】
N型MOSトランジスタM2がオフする時点T3は、パワートランジスタTr1がターンオフする以前であることからコレクタ電流Icが流れているので、A点およびB点の電位は同電位にされている。したがって、▲1▼の電流と▲2▼の電流とが互いにうち消し合い、パワートランジスタTr1がターンオフする時点T4までの間にA点の電位が変動しない。したがって、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceが急激に変化することもない。
【0028】
以上説明したように、図5に示す第二の実施の形態によれば、キャリア引き抜き経路51,52を切換えるN型MOSトランジスタM2の寄生容量CsM2に電荷が蓄積され、この電荷移動に伴う電流が配線L1を介して図5の▲1▼の方向に流れるとき、これをうち消す▲2▼の方向の電流を流すようにN型MOSトランジスタM4、配線L2を設けた。したがって、配線L1およびL2の寄生インダクタンスLs1およびLs2による影響がキャンセルされ、パワートランジスタTr1がターンオフする時点T4までの間に、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceが急激に変化することを防止できる。
【0029】
−第三の実施の形態−
図6は、第三の実施の形態による電流制御型半導体素子の駆動回路を示す図である。図6において、上述した図1と共通するものは同じ符号を記す。第三の実施の形態は、キャリア引き抜き経路52を形成するN型MOSトランジスタM2をオンからオフにするとき、N型MOSトランジスタM2のゲート端子に印加する信号Vm2の電位を徐々に下げるように微分回路600を設ける。微分回路600は、コンデンサC601、抵抗器R602およびダイオードD603とで構成される。論理回路6の出力端子とN型MOSトランジスタM2のゲート端子との間にコンデンサC601が介挿され、N型MOSトランジスタM2のゲート端子と所定の電位Vsとの間に抵抗器R602およびダイオードD603が接続される。
【0030】
図7は、図6に示した電流制御型半導体素子の駆動回路の信号波形を表す図である。図7において、時点T2までの動作は上述した図3の動作と同様であるので説明を省略する。
【0031】
図示しない駆動回路からターンオフ指令が出力されると、時点T2において、駆動信号入力端子Vcontの印加信号がローレベルからハイレベルになる。これにより、P型MOSトランジスタM3がオフしてパワートランジスタTr1へのベース電流の供給が停止される。パワートランジスタTr1がターンオフ動作を開始するまでは、パワートランジスタTr1にコレクタ電流Icが流れている。したがって、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceは低い値になるので、時点T2における電圧検出回路4の出力はローレベルである。この結果、信号Vm1の電位、および論理回路6から出力される信号の電位はともにハイレベルとなる。微分回路600から出力される信号Vm2の電位も直ちにハイレベルになるので、N型MOSトランジスタM1およびM2はともにオンされ、第1のキャリア引き抜き経路51と第2のキャリア引き抜き経路52の両方の経路からパワートランジスタTr1のベース電極のキャリアが引抜かれる。
【0032】
微分回路600から出力される信号Vm2の電位は、ハイレベルに立ち上がった後、時定数CRにより電位Vsに向かって徐々に低下する。微分回路600の時定数は、次のようにあらかじめ定めておく。すなわち、パワートランジスタTr1のベース電荷が減少し、電圧検出回路4がコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceの上昇を検出してハイレベルの検出信号を出力する頃に、信号Vm2の電位がN型MOSトランジスタM2をターンオフする閾値Vtの近傍まで低下するように定める。
【0033】
時点T3において、電圧検出回路4がハイレベルの検出信号を出力することにより、論理回路6がローレベルの信号を出力すると、微分回路600内のダイオード603によって信号Vm2が急峻に立ち下がる。このため、N型MOSトランジスタM2がオフされて第2のキャリア引き抜き経路52が遮断され、第1のキャリア引き抜き経路51だけが選択される。N型MOSトランジスタM2がオフされるとき、信号Vm2の電位がN型MOSトランジスタM2をターンオフする閾値Vtの近傍まで下がっているので、N型MOSトランジスタM2のゲート電位の変化が小さい。したがって、N型MOSトランジスタM2のゲートと静電気的に強く結合しているパワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceの変化も抑えられる。
【0034】
その後、第1のキャリア引き抜き経路51のみが選択されてパワートランジスタTr1のキャリア引き抜き速度が遅くされた状態で、パワートランジスタTr1がターンオフ動作を完了する(時点T4)。
【0035】
以上説明したように、図6に示す第三の実施の形態によれば、N型MOSトランジスタM2のゲート端子に微分回路600を介してオン/オフ信号を入力するようにした。したがって、図7の時点T3においてN型MOSトランジスタM2をオフするとき、ダイオード603により急峻にオフすることができるから、回路の動作を十分に速めることができる。さらに、オフ時の信号Vm2の電位を、N型MOSトランジスタM2の閾値Vtの近傍に下げているので、N型MOSトランジスタM2のゲート電位の変化が小さくなる結果、パワートランジスタTr1がターンオフする時点T4までの間に、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceが急激に変化することを防止できる。
【0036】
−第四の実施の形態−
上述した図6において、N型MOSトランジスタM1とN型MOSトランジスタM2とを直列に接続することもできる。図8は、第四の実施の形態による電流制御型半導体素子の駆動回路を示す図である。図8において、上述した図6と共通するものは同じ符号を記す。第四の実施の形態では、N型MOSトランジスタM1およびM2をオンするとき、N型MOSトランジスタM1とN型MOSトランジスタM2とを介して、パワートランジスタTr1のベースから電荷が引き抜かれる。N型MOSトランジスタM2のみをオフにするとき、N型MOSトランジスタM1と抵抗器R1とを介して、パワートランジスタTr1のベースから電荷が引き抜かれる。
【0037】
第四の実施の形態でも第三の実施の形態と同様に、信号Vm2の立ち下がりを急峻にしてN型MOSトランジスタM2をオフする動作を十分に速めることができる。さらに、信号Vm2の電位を徐々に低下してオフ時のN型MOSトランジスタM2のゲート電位の変化を小さくできる結果、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceの急激な変化を防止できる。
【0038】
−第五の実施の形態−
上述した図8において、微分回路600を別の回路に置き換えることもできる。図9は、第五の実施の形態による電流制御型半導体素子の駆動回路を示す図である。図9において、上述した図8と共通するものは同じ符号を記す。第五の実施の形態では、増幅器614と、増幅器614の反転入力端子側に設けられた積分回路611〜613とで構成されるM2制御回路610によって、N型MOSトランジスタM2のオン/オフが制御される。積分回路は、コンデンサ611,抵抗器612およびダイオード613により構成される。
【0039】
第五の実施の形態でも、第三および第四の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、N型MOSトランジスタM2をオフする信号Vm2の立ち下がりを急峻にするとともに、N型MOSトランジスタM2をオフする前に信号Vm2の電位を徐々に低下するものであれば、どんな回路構成でもよい。
【0040】
−第六の実施の形態−
図10は、第六の実施の形態による電流制御型半導体素子の駆動回路を示す図である。図10において、M2制御回路620は、所定時間tが経過するまで信号Vm2の電位を一定に保ち、所定時間tが経過すると信号Vm2の電位を徐々に低下させる。M2制御回路620は、NOTゲート625と、コンデンサ621および抵抗器622からなる第1の微分回路と、第1のダイオード623と、P型MOSトランジスタ624と、コンデンサ631および抵抗器632からなる第2の微分回路と、第2のダイオード633とを有する。
【0041】
図11の信号波形を参照してM2制御回路620の動作を説明する。時点T2において、論理回路6からハイレベルの信号が出力されると、NOTゲート625の出力端子からローレベルの信号が出力され、P型MOSトランジスタ624がオンする。したがって、N型MOSトランジスタM2のゲート端子に電源Vdが供給される。第1の微分回路によりP型MOSトランジスタ624のゲート電位が上昇すると、所定時間tが経過後にP型MOSトランジスタ624がオフする。この時点から、第2の微分回路によってN型MOSトランジスタM2のゲート端子の電位、すなわち、信号Vm2の電位が徐々に低下される。
【0042】
N型MOSトランジスタM2のゲート端子の電位が閾値Vtに近づいた時点T3において、電圧検出回路4がハイレベルの検出信号を出力することにより、論理回路6がローレベルの信号を出力すると、ダイオード633によって信号Vm2の電位が急峻に立ち下がる。このため、N型MOSトランジスタM2がオフされて第2のキャリア引き抜き経路52が遮断され、第1のキャリア引き抜き経路51だけが選択される。
【0043】
その後、第1のキャリア引き抜き経路51のみが選択されてパワートランジスタTr1のキャリア引き抜き速度が遅くされた状態で、パワートランジスタTr1がターンオフ動作を完了する(時点T4)。
【0044】
以上説明したように第六の実施の形態によれば、図11の時点T2から所定時間tが経過するまで信号Vm2の電位をハイレベルに保ち、N型MOSトランジスタM2のドレイン電流を多くしてパワートランジスタTr1のベースから電荷をより多く引き抜くようにした。したがって、時点T2から徐々に信号Vm2の電位を低下する場合に比べて、パワートランジスタTr1がターンオフするまでのターンオフ遅れ時間を減らすことができる。また、所定時間tが経過後は、信号Vm2の電位を徐々に低下してN型MOSトランジスタM2の閾値Vtの近傍に下げるので、N型MOSトランジスタM2のゲート電位の変化が小さくなる結果、パワートランジスタTr1がターンオフする時点T4までの間に、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceが急激に変化することを防止できる。
【0045】
第六の実施の形態では、信号Vm2の電位の低下率を途中で変えて「折れ線」のように低下させるようにしたが、たとえば、二次曲線のように低下するようにしてもよい。
【0046】
以上の説明では、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceを検出する電圧検出回路4を設け、電圧検出回路4の検出信号を論理回路6に入力することにより、パワートランジスタTr1がターンオフする直前の時点T3において、N型MOSトランジスタM2をオフしてキャリア引き抜き経路51および52を切換えるようにした。電圧検出回路4の検出信号を論理回路6に入力する代わりに外部から経路切換え信号を入力し、キャリア引き抜き経路51および52を切換えるようにしてもよい。外部からの経路切換え信号は、たとえば、パワートランジスタTr1をオフさせるオフ指令を、所定時間だけ遅延させて作ることができる。すなわち、図3を例にとれば、時点T2から所定時間経過後に論理回路6に入力されるように経路切換え信号を作ればよい。
【0047】
本発明による駆動回路は、一般的なバイポーラトランジスタだけに使用されるものではなく、ベース電極からキャリアを引き抜いてターンオフさせるときに、キャリア引き抜き速度が速すぎてベース信号が振動を起こすような種々の半導体素子に適用できる。とくに、トランジスタの動作が速く、dI/dtによるサージが発生しやすい半導体素子に対して本発明による駆動方法が有効である。
【0048】
また、以上の説明では、パワーバイポーラトランジスタの駆動回路への応用について説明したが、たとえば、高周波回路において、パワーMOSFETの寄生キャパシタの影響を抑える場合にも本発明を適用することができる。
【0049】
上述した説明では、パワートランジスタTr1のコレクタ−エミッタ端子間電圧Vceを電圧検出回路4によって検出し、この電圧Vceに基づいて切換え信号を発生させるようにしていたが、コレクタ−エミッタ端子間電圧Vceの検出に代えて、パワートランジスタTr1のコレクタ電流を検出し、検出したコレクタ電流に基づいて切換え信号を発生させるようにしても同様の効果を得ることができる。
【0050】
特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明すると、パワートランジスタTr1が電流制御型半導体素子に、電流制御型半導体素子の制御端子がベース端子に、N型MOSトランジスタM2がスイッチング素子および第1のスイッチング素子に、論理回路6が切換え信号発生手段に、NOTゲート91,92が極性反転手段に、コンデンサCcが容量性素子に、電流制御型半導体素子の主電流端子がエミッタ端子に、N型MOSトランジスタM4が第2のスイッチング素子に、微分回路600、M2制御回路610および620が制御手段に、電圧検出回路4が状態検出手段に、それぞれ対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態による電流制御型半導体素子の駆動回路を示す図である。
【図2】パワーMOSFETの断面構造を説明する図である。
【図3】図1の回路各部の信号波形を表す図である。
【図4】コンデンサの断面構造を説明する図である。
【図5】第二の実施の形態による電流制御型半導体素子の駆動回路を示す図である。
【図6】第三の実施の形態による電流制御型半導体素子の駆動回路を示す図である。
【図7】図6の回路各部の信号波形を表す図である。
【図8】第四の実施の形態による電流制御型半導体素子の駆動回路を示す図である。
【図9】第五の実施の形態による電流制御型半導体素子の駆動回路を示す図である。
【図10】第六の実施の形態による電流制御型半導体素子の駆動回路を示す図である。
【図11】図10の回路各部の信号波形を表す図である。
【図12】従来の技術による電流制御型半導体素子の駆動回路を示す図である。
【図13】図12の回路各部の信号波形を表す図である。
【図14】図1のコンデンサを省略した場合の回路各部の信号波形を表す図である。
【符号の説明】
2…ベース電流供給源、 4…電圧検出回路、
6…論理回路、 7…電源、
51,52…第1および第2のキャリア引き抜き経路、
61,91,92…NOTゲート、 62…ANDゲート、
600…微分回路、 610,620…M2制御回路、
Cc…コンデンサ、 CsM2,CsTR1,CsM4…寄生容量、
L1,L2…配線、 LO…誘導性負荷、
M1,M2…N型MOSトランジスタ、M3…P型MOSトランジスタ、
R1…抵抗器、 Tr1…パワートランジスタ

Claims (7)

  1. 電流制御型半導体素子の制御端子に制御電流を供給してターンオンさせ、前記制御電流の供給を停止するとともに前記制御端子から電荷引き抜き経路を介して電荷を引き抜いてターンオフさせる電流制御型半導体素子用駆動回路において、
    インピーダンスが異なる複数の電荷引き抜き経路と、
    前記電荷引き抜き経路を切換えるスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子に対する切換え信号を発生する切換え信号発生手段と、
    前記切換え信号の極性を反転して出力する極性反転手段と、
    前記スイッチング素子の制御端子と前記電流制御型半導体素子の制御端子との間の容量と略同じ容量を有する容量性素子とを備え、
    前記容量性素子は、一方の端子が前記電流制御型半導体素子の制御端子に接続され、他方の端子が前記極性反転手段の出力に接続されることを特徴とする電流制御型半導体素子用駆動回路。
  2. 請求項1に記載の電流制御型半導体素子用駆動回路において、
    前記容量性素子は、前記スイッチング素子の制御端子および前記電流制御型半導体素子の制御端子と略同じデバイス構造を有することを特徴とする電流制御型半導体素子用駆動回路。
  3. 電流制御型半導体素子の制御端子に制御電流を供給してターンオンさせ、前記制御電流の供給を停止するとともに前記制御端子から制御端子用電荷引き抜き経路を介して電荷を引き抜いてターンオフさせる電流制御型半導体素子用駆動回路において、
    インピーダンスが異なる複数の制御端子用電荷引き抜き経路と、
    前記制御端子用電荷引き抜き経路を切換える第1のスイッチング素子と、
    前記電流制御型半導体素子の主電流端子から電荷を引き抜く主電流端子用電荷引き抜き経路と、
    前記主電流端子用電荷引き抜き経路をオン/オフする第2のスイッチング素子と、
    前記第1のスイッチング素子に対する切換え信号を発生する切換え信号発生手段と、
    前記切換え信号の極性を反転して前記第2のスイッチング素子に対する切換え信号を出力する極性反転手段とを備え、
    前記制御端子用電荷引き抜き経路と、前記主電流端子用電荷引き抜き経路とが互いに寄生インダクタンスをキャンセルするように配設されることを特徴とする電流制御型半導体素子用駆動回路。
  4. 電流制御型半導体素子の制御端子に制御電流を供給してターンオンさせ、前記制御電流の供給を停止するとともに前記制御端子から電荷引き抜き経路を介して電荷を引き抜いてターンオフさせる電流制御型半導体素子用駆動回路において、
    インピーダンスが異なる複数の電荷引き抜き経路と、
    前記電荷引き抜き経路の少なくとも1つに介挿され、介挿された電荷引き抜き経路をオン/オフするスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子の制御端子へ印加される制御信号レベルを、当該スイッチング素子がオフする信号レベルへ徐々に近づけるように制御する制御手段とを備えることを特徴とする電流制御型半導体素子用駆動回路。
  5. 請求項4に記載の電流制御型半導体素子用駆動回路において、
    前記電流制御型半導体素子をオン/オフさせる指令を所定時間遅延する遅延回路と、
    前記遅延回路による遅延後の指令により前記スイッチング素子に対する切換え信号を発生する切換え信号発生手段とをさらに備えることを特徴とする電流制御型半導体素子用駆動回路。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の電流制御型半導体素子用駆動回路において、
    前記電流制御型半導体素子の主電流端子の状態を検出する状態検出手段と、
    前記状態検出手段による検出結果に応じて前記スイッチング素子に対する切換え信号を発生する切換え信号発生手段とをさらに備えることを特徴とする電流制御型半導体素子用駆動回路。
  7. 請求項6に記載の電流制御型半導体素子用駆動回路において、
    前記状態検出手段は、前記電流制御型半導体素子の主電流端子の電圧または電流を検出することを特徴とする電流制御型半導体素子用駆動回路。
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