JP2008029155A - 電圧駆動型素子の駆動回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電圧駆動型素子のターンオン時における、遅延時間、ノイズ及び損失の低減が要求されている。
【解決手段】 本発明の電圧駆動型素子の駆動回路は、制御電源端子と電圧駆動型素子の制御電極との間にそれぞれ接続された、第1の駆動スイッチ(M1)と第1の抵抗(R1)とから成る第1の駆動回路と、第2の駆動スイッチ(M2)と第2の抵抗(R2)とから成る第2の駆動回路と、第3の駆動スイッチ(M3)と第3の抵抗(R3)とから成る第3の駆動回路とを有する。電圧駆動型素子のターンオン時に流れる共振電流の終了時点(t3)で第3の駆動スイッチ(M3)をオンにするために、電圧駆動型素子の制御電極とグランドとの間にdV/dt検出用のコンデンサC1と定電流回路27とを接続する。
【選択図】図2

Description

本発明は絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(例えばMOSFET)や絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)等の電圧駆動型素子の駆動回路に関する。
MOSFET、IGBT等の電圧駆動型素子は、ゲート電極に加える電圧でドレイン・ソース間又はコレクタ・エミッタ間の電流を制御する形式の素子であるので、電流駆動型のバイポーラトランジスタよりも低い駆動電力で駆動できるという特長を有する。
ところで、MOSFETはゲート・ソース間容量、ドレイン・ゲート間容量を有し、IGBTはゲート・エミッタ間容量、ゲート・コレクタ間容量を有する。周知のようにこれ等の寄生容量に起因してターンオン時の遅延、ノイズ、損失の問題が生じる。
上記の問題を解決するために電圧駆動型素子をターンオンする時に時間の経過に応じて駆動条件を切換えることが特開平9−46201号公報(特許文献1)に開示されている。即ち、この特許文献1の駆動回路は、ゲート駆動電源と電圧駆動型素子のゲートとの間に接続された第1のスイッチと第1の抵抗とによる第1の駆動回路と、第2のスイッチと第2の抵抗とによる第2の駆動回路と、第3のスイッチと第3の抵抗とによる第3の駆動回路とを有する。順次にオン制御される第1、第2及び第3のスイッチのオン期間はゲートオン信号を遅延回路で遅延することによって決定されている。第1の抵抗の値は遅延時間を短縮することができる値に設定されている。第2の抵抗の値はノイズ抑制及びターンオン損失の低減を図ることができる値に設定されている。第3の抵抗の値はターンオン損失の低減を図ることができる値に設定されている。
特開平9−46201号公報
しかし、電圧駆動型素子の駆動条件の切換タイミングを正確に決定することが困難であった。また、電圧駆動型素子の駆動回路の信頼性向上が要求されている。また、電圧駆動型素子の駆動回路における駆動条件の円滑な切換が要求されている。
上記課題を解決するための本発明を、実施例を示す図面の参照符合を伴って説明する。なお、ここでの本発明の説明及び特許請求の範囲における参照符合は本発明の理解を助けるためのものであり、本発明を限定するものではない。
本発明は、第1及び第2の主電極と制御電極とを有し、且つ前記制御電極と前記第1の主電極との間に第1の寄生容量を有し、前記制御電極と前記第2の主電極との間に第2の寄生容量を有している電圧駆動型素子の駆動回路であって、
制御電源端子と前記電圧駆動型素子の前記制御電極との間に第1の抵抗(R2)を介して接続された第1の駆動スイッチ(M2)と、
制御電源端子と前記電圧駆動型素子の前記制御電極との間に第2の抵抗(R3)を介して接続された第2の駆動スイッチ(M3)と、
前記電圧駆動型素子をオフ状態に制御するための第1の電圧値と、オン状態に制御するための第2の電圧値とを有する2値の制御信号を入力させるための制御信号入力端子と、
前記制御信号入力端子と前記第1の駆動スイッチの制御電極との間に接続され、且つ前記制御信号が前記第1の電圧値から前記第2の電圧値に転換した時に前記第1の駆動スイッチ(M2)をオン制御する機能を有している第1の駆動スイッチ制御回路(9)と、
前記第2の駆動スイッチ(M3)をオン制御するものであって、前記電圧駆動型素子の前記制御電極と前記第2の主電極又はグランドとの間に定電流回路(27)を介して接続されたコンデンサ(C1)と、前記コンデンサ(C1)を流れる電流が前記定電流回路で供給することができる所定電流値(I1)よりも大きい値まで増大した後に減少して前記所定電流値を横切る時点を検出し、前記コンデンサ(C1)を流れる電流が前記所定電流値(I1)を横切った時点を示す信号に応答して前記第2の駆動スイッチ(M3)をオン制御するための制御信号を形成して前記第2の駆動スイッチ(M3)の制御電極に供給する制御信号形成回路(28)とを有している第2の駆動スイッチ制御回路(10)と
を具備し、且つ前記第2の駆動スイッチ(M3)のオン開始時点が、前記電圧駆動型素子の前記制御電極と前記第2の主電極又はグランドとの間の制御電圧(Vg)が前記電圧駆動型素子のしきい値(Vth)を横切る時点と前記制御電圧(Vg)が飽和する時点との間に決定されていることを特徴とする電圧駆動型素子の駆動回路に係わるものである。
なお、請求項2に示すように、第1、第2及び第3の駆動スイッチ(M1,M2,M3)と第1、第2及び第3の駆動スイッチ制御回路(8,9、10)とを設けることが望ましい。
また、請求項3に示すように、前記定電流回路(27)は、制御電源端子に抵抗を介して接続された第1の主端子とグランドに接続された第2の主端子と前記第1の主端子に接続された制御端子とを有する第1の制御半導体素子(34)と、前記コンデンサ(C1)に接続された第1の主端子とグランドに接続された第2の主端子と第1の制御半導体素子(34)の制御端子に接続された制御端子とを有する第2の制御半導体素子(35)とから成り、前記制御信号形成回路(28)は、前記コンデンサ(C1)に接続された第1の主端子とグランドに接続された第2の主端子と前記コンデンサ(C1)に接続された制御端子とを有する第3の制御半導体素子(38)と、前記制御電源端子に抵抗を介して接続された第1の主端子とグランドに接続された第2の主端子と前記第3の制御半導体素子(38)の制御端子に接続された制御端子とを有する第4の制御半導体素子(39)と、前記第4の制御半導体素子(39)の第1の主端子に接続されたトリガパルス形成回路(43)と、トリガパルス形成回路(43)から得られたトリガパルスに応答して前記第2又は第3の駆動スイッチ(M3)をオン制御するための制御信号を形成するフリップフロップ(45)とを備えていることが望ましい。
また、請求項4に示すように、第2の駆動スイッチ(M2)を電圧駆動型素子(Q1)のオン期間の全部でオン制御し、第2の抵抗R2の値を第1及び第3の抵抗R1、R3よりも大きくすることが望ましい。
本願請求項1又は2の発明によれば、ゲート電圧Vgの変化即ちdV/dtに従って変化するコンデンサ(C1)の電流(Ic1)に基づいて第2又は第3の駆動スイッチ(M3)のオン開始時点が決定される。従って、第2又は第3の駆動スイッチ(M3)のオン開始時点を比較的正確に決定することができ、電圧駆動型素子(Q1)の駆動条件の切換タイミングを正確に決定することができる。
請求項4の発明によれば、第2の駆動スイッチ(M2)が電圧駆動型素子(Q1)の全オン期間においてオン制御される。従って、第1の駆動スイッチ(M1)のターンオフ時、第3の駆動スイッチ(M3)のターンオン時に切換タイミングのずれで無制御状態になること、又は複数の駆動スイッチの不用な重複オン制御状態になることを防ぐことができる。
次に、図1〜図4を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明を適用することができるインバータ装置を示す。このインバータ装置は、直流電源1と負荷2との間に接続された電圧駆動型素子としての第1、第2、第3及び第4の主スイッチQ1、Q2、Q3、Q4と第1、第2、第3及び第4のダイオードD1、D2、D3、D4とを有する。第1、第2、第3及び第4のダイオードD1、D2、D3、D4はnチャネル絶縁ゲート型電界効果トランジスタFETで示されている第1、第2、第3及び第4の主スイッチQ1、Q2、Q3、Q4に対して逆方向並列に接続されている。なお、第1〜第4のダイオードD1〜D4を第1〜第4の主スイッチQ1〜Q4の寄生ダイオード又は内蔵ダイオードとすることもできる。第1及び第2の主スイッチQ1、Q2から成る第1のアームと第3及び第4の主スイッチQ3、Q4から成る第2のアームは直流電源1の一端と他端との間に接続されている。第1及び第2の主スイッチQ1、Q2の相互接続点と第3及び第4の主スイッチQ3、Q4の相互接続点との間に負荷2が接続されている。負荷2はインダクタンス成分2aと抵抗成分2bとを有している。また、第1〜第4の主スイッチQ1〜Q4の配線導体は点線で示す寄生(浮遊)インダクタンスL1、L2,L3,L4を有している。
第1〜第4の主スイッチQ1〜Q4はこれ等のゲート電極に接続されたスイッチ制御回路3によってオン・オフ制御される。第1及び第4の主スイッチQ1、Q4のオン制御によって負荷2に第1の方向の電流が供給され、第2及び第3の主スイッチQ2、Q3のオン制御によって負荷2に第2の方向の電流が供給される。
第1〜第4の主スイッチQ1〜Q4は、制御電極としてのゲート電極と第1の主電極としてのドレイン電極との間に周知のゲート・ドレイン間容量Cgd(第1の寄生容量)を有し、ゲート電極と第2の主電極としてのソース電極との間に周知のゲート・ソース間容量(第2の寄生容量)を有する。従って、第1〜第4の主スイッチQ1〜Q4はスイッチ制御回路3からオン制御信号が供給されても直ちにオン状態にならず、遅延を有してオン状態になる。この遅延は、第1〜第4の主スイッチQ1〜Q4の高速オン・オフ動作を妨害する。また遅延は、第1〜第4の主スイッチQ1〜Q4のスイッチング損失を増大させる。
第1〜第4のダイオードD1〜D4は、キャリアの蓄積に基づく遅れを有する。即ち、第1〜第4のダイオードD1〜D4のバイアス電圧が順方向から逆方向に転換しても、第1〜第4のダイオードD1〜D4に蓄積されているキャリアが直ちに消滅しない。もし、ダイオードD2がキャリアの蓄積のために導通している状態で第1の主スイッチQ1がターンオン制御されると、直流電源1、第2の寄生インダクタンスL2、第2のダイオードD2、第1の寄生インダクタンスL1、第1の主スイッチQ1の経路で短絡電流が流れる。その後、もし、第2のダイオードD2のキャリアが消滅して急激に電流が減少すると、−L1(di/dt)に従って過大なサージ電圧が発生する。
第1〜第4の主スイッチQ1〜Q4のターンオン時の遅延は、寄生容量を低減することによって短くすることができる。しかし、寄生容量をゼロにすることはできない。サージ電圧は第1〜第4のダイオードD1〜D4のストレージタイムを短くすること及び寄生インダクタンスを小さくすることによって低減できる。しかし、これ等をゼロにすることはできない。そこで、本実施例では、スイッチ制御回路3による第1〜第4の主スイッチQ1〜Q4の駆動方式を改良することによって第1〜第4の主スイッチQ1〜Q4のターンオン時の遅延を低減し、且つサージ電圧を低減し、且つスイッチング損失を低減している。
図2は第1の主スイッチQ1の駆動回路を示す。この第1の主スイッチQ1の駆動回路は、図1の第2〜第4の主スイッチQ2〜Q4の駆動回路、又は図1に示すインバータ装置以外のスイッチング回路における電圧駆動型素子の駆動回路、又は絶縁ゲート型FET以外のIGBT等の別の電圧駆動型素子の駆動回路にも使用可能なものである。
絶縁ゲート型FETから成る第1の主スイッチQ1は、第1の主電極としてのドレインDと制御電極としてのゲートGとの間に第1の寄生容量としてのゲート・ドレイン間容量Cgdを有し、ゲートGと第2の主電極としてのソースSとの間に第2の寄生容量としてのゲート・ソース間容量Cgsを有している。図2の例では、ソースがグランド(共通端子)に接続されている。
第1の主スイッチQ1のターンオン制御時に、時間の経過に従って駆動条件を変えるために、第1、第2及び第3の駆動スイッチM1、M2、M3と第1、第2及び第3の抵抗R1、R2、R3が設けられている。第1の抵抗R1は、駆動電圧Vccを供給するための第1の制御電源端子4aと第1の主スイッチQ1のゲートGとの間に第1の駆動スイッチM1を介して接続されている。第2の抵抗R2は、駆動電圧Vccを供給するための第2の制御電源端子4bと第1の主スイッチQ1のゲートGとの間に第2の駆動スイッチM2を介して接続されている。第3の抵抗R3は、駆動電圧Vccを供給するための第3の制御電源端子4cと第1の主スイッチQ1のゲートGとの間に第3の駆動スイッチM3を介して接続されている。なお、第1、第2及び第3の制御電源端子4a、4b、4cを共通接続し、1つの電源端子とすることができる。
第2の抵抗R2の値は第1及び第3の抵抗R1、R3の値よりも大きく設定されている。第1、第2及び第3の抵抗R1、R2,R3の値は第1の主スイッチQ1のターンオン時の遅延をできるだけ短くし且つノイズをできるだけ抑制し且つ第1の主スイッチQ1のスイッチング損失をできるだけ小さくするように決定される。
第1の駆動スイッチM1は図4に示すt0〜t1までの第1の期間T1にオン制御される。第1の期間T1の終了時点は、制御入力信号Vinが低レベル(第1の電圧値)から高レベル(第2の電圧値)に転換した時点から第1の主スイッチQ1のドレインとソースとを通って寄生インダクタンスL1等に基づく共振電流が流れる又は流れる可能性のある期間の開始時点又はこれよりも前の任意の時点であることが望ましい。この実施例では第1の期間T1の終了時点が、第1の主スイッチQ1のゲート電圧Vgが第1の主スイッチQ1のしきい値Vthを横切る時点に決定されている。第1の主スイッチQ1がt1時点でオン状態になると寄生インダクタンスL1等に基づく共振電流が流れ始める。
第2の駆動スイッチM2は図4(A)の制御入力信号Vinが高レベルの全期間即ち図4のt0から後の第1、第2及び第3の期間T1、T2、T3の全部でオン制御される。
第3の駆動スイッチM3は、図4のt3よりも後の第3の期間T3のみでオン駆動される。第3の期間T3の開始時点は、前記共振電流が流れる又は流れる可能性のある期間の終了時点と第1の主スイッチQ1のゲート電圧Vgが飽和する時点t5との間であることが望ましく、この実施例では共振電流の終了時点に一致又はほぼ一致するように第3の期間T3の開始時点が決定されている。
第1の期間T1には、第1及び第2の駆動スイッチM1、M2がオン状態であるので、第1及び第2の抵抗R1、R2との両方を介してゲート・ソース間容量Cgsの充電電流が流れる。即ち、第1の期間T1には、第1及び第2の抵抗R1、R2の並列回路(比較的小さい抵抗値を有する回路)を介してゲート・ソース間容量Cgsの充電電流が流れる。従って、第1の期間T1においてゲート・ソース間容量Cgsの充電速度が速くなり、図4(B)に示す第1の主スイッチQ1のゲート電圧Vgが第1の主スイッチQ1のしきい値電圧Vthに達するまでの時間t0〜t1即ち第1の期間T1が第2の抵抗R2とのみを介してゲート・ソース間容量Cgsの充電電流を供給する場合に比べて短くなる。なお、制御入力電圧Vin の印加開始時点t0からゲート電圧Vgがしきい値電圧Vthに達するまでの時間t0〜t1は第1の主スイッチQ1の遅延時間と呼ばれている。この遅延時間が短くなると、既に説明したように第1の主スイッチQ1の高速動作が可能になる。
第1の期間T1において、ゲート・ドレーン間容量Cgdにも僅かに充電電流が流れる。第1の主スイッチQ1のゲート・ドレーン間容量Cgdは一般的にドレーン・ソース間電圧に反比例的に変化する。
第2の期間T2には、第2の抵抗R2と第2の駆動スイッチM2とを介して第1の主スイッチQ1のゲートGに駆動信号が供給される。この第2の期間T2には、第1及び第3の抵抗R1、R3を介した駆動が禁止されているので、ゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdの充電が第1及び第3の期間T1,T3よりも制限される。ゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdの充電が制限されると、ゲート電圧Vgの上昇も制限され、結果として第1の主スイッチQ1のドレイン電流Idも図4(D)に示すように制限される。なお、図4(B)(C)(D)(E)において実線によって本実施例に従うVg、Ig、Id、Vdsが示され、破線によって従来のVg、Ig、Id、Vdsが示されている。
図4のt3時点よりも後の第3の期間T3には、第2及び第3の駆動スイッチM2、M3の両方がオン制御されるので、ゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdが第2の抵抗R2を介して充電されると共に第3の抵抗R3を介しても充電される。即ち、ゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdが第2の抵抗R2と第3の抵抗R3との並列回路を介して充電される。この並列回路の抵抗値は、第2の抵抗R2の値よりも小さい。従って、第3の期間T3におけるゲート・ソース間容量Cgsの充電速度が第2の期間T2よりも速くなり、ゲート電圧Vgがt3〜t5の比較的短時間で最大値まで上昇し、ドレイン・ソース間電圧Vdsはt3〜t4の比較的短い時間で実質的にゼロ即ちゼロ近傍のオン電圧値(例えば0.7V)になる。この結果、ターンオン時のスイッチング損失が小さくなる。
次に、図2の駆動回路を更に詳しく説明する。図2における制御入力端子6は、図4(A)に示す制御入力信号Vinを入力させるものである。この実施例の制御入力信号Vinは、第1の主スイッチQ1のオフ期間に低レベル(第1の電圧値)となり、オン期間に高レベル(第2の電圧値)となる2値信号である。制御入力端子6は、NOT回路(否定回路)7を介して第1、第2及び第3の駆動スイッチ制御回路8,9,10に接続されている。
第1の駆動スイッチ制御回路8は、nチャネル絶縁ゲート型FETから成る第1の駆動スイッチM1をオン・オフ制御するためのものであって、OR(論理和)回路11を含む。このORゲート回路の一方の入力端子はNOT回路7を介して制御入力端子6に接続され、他方の入力端子はバッファ機能を有する2つのNOT回路12、13を介して第1の主スイッチQ1のゲートGに接続されている。OR回路11の出力は、図4(A)の制御入力信号Vinが低レベルの時又はゲート電圧Vgが高レベルの時に高レベル(第2の電圧値)になる。第1の駆動スイッチ制御回路8は、更に、pチャネル絶縁ゲート型FET14、nチャネル絶縁ゲート型FET15、抵抗16、17、18、ツェナーダイオード19を含む。pチャネル絶縁ゲート型FET14のゲートはOR回路11に接続され、そのドレインは直流電圧Vccを供給する制御電源端子4dに接続され、そのソースは互いに直列に接続された3つの抵抗16、17、18を介してグランドに接続されている。nチャネル絶縁ゲート型FET15のゲートはOR回路11に接続され、そのドレインは抵抗17、18の相互接続点20を介して第1の駆動スイッチM1のゲートに接続され、そのソースはグランドに接続されている。ツェナーダイオード19のカソードは抵抗16、17の相互接続点21に接続され、アノードはグランドに接続されている。
図4の(A)の制御入力信号Vinが第1の主スイッチQ1のオフを示す低レベルの期間即ちt0よりも前の期間には、ORゲート回路11の出力が高レベルになるため、nチャネル絶縁ゲート型FET15がオンになり、第1の駆動スイッチM1のゲート電圧Vg1は低レベルに保たれ、第1の駆動スイッチM1は図4(I)に示すようにオフに保たれる。制御入力信号Vinがt0時点で低レベルから第1の主スイッチQ1のオンを示す高レベルに転換すると、OR回路11の出力が低レベルに転換し、nチャネル絶縁ゲート型FET15がオフになり、逆にpチャネル絶縁ゲート型FET14がオンになる。この結果、第1の駆動スイッチM1が図4(I)に示すようにt0時点でオンに転換する。これにより、第1の駆動電源端子4a、第1の駆動スイッチM1、第1の抵抗R1の経路によって第1の主スイッチQ1のゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdの充電電流の供給が開始する。
pチャネル絶縁ゲート型FETから成る第2の駆動スイッチM2をオン・オフ制御するための第2の駆動スイッチ制御回路9は、2つのNOT回路22、23を含む。第2の駆動スイッチM2のゲートは3つのNOT回路7、22、23を介して制御入力端子6に接続されている。従って、制御入力信号Vinが低レベルに保たれている図4のt0時点よりも前には、第2の駆動スイッチM2のゲート電圧が高レベルに保たれ、第2の駆動スイッチM2が図4(J)に示すようにオフに保たれる。制御入力信号Vinがt0時点で高レベルに転換すると、第2の駆動スイッチM2のゲート電圧が低レベルに転換し、図4(J)に示すように第2の駆動スイッチM2がオンに転換する。これにより、第2の制御電源端子4b、第2の駆動スイッチM2、第2の抵抗R2の経路でゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdの充電電流が供給される。なお、第1の主スイッチQ1のゲートGとグランドとの間に抵抗24を介してnチャネル絶縁ゲート型FET25が接続され、このnチャネル絶縁ゲート型FET25のゲートがNOT回路26を介してNOT回路22に接続されている。従って、nチャネル絶縁ゲート型FET25は第2の駆動スイッチM2と反対にオン・オフ動作する。これにより第2の駆動スイッチM2に基づく第1の主スイッチQ1のオン・オフ動作の安定性が向上する。
t0時点から第1の抵抗R1を含む第1の充電回路と第2の抵抗R2を含む第2の充電回路との両方でゲート・ソース間容量Cgsが充電されると、第1の主スイッチQ1のゲート電圧Vgが図4(B)に示すようにt0時点から第1の傾きを有して徐々に上昇する。図4(B)に示すようにt1時点でゲート電圧Vgが第1の主スイッチQ1のしきい値Vthに達すると、第1の主スイッチQ1がオン状態となり、図4(D)に示すようにドレイン電流Idが流れ始める。第1の駆動スイッチ制御回路8に含まれているNOT回路12のしきい値が第1の主スイッチQ1のしきい値Vthと同一に設定されていると仮定すれば、t1時点でNOT回路12の出力が低レベルに転換し、NOT回路13の出力が高レベルに転換する。これにより、OR回路11の出力がt1時点で高レベルに転換し、pチャネル絶縁ゲート型FET14がオフに転換し、nチャネル絶縁ゲート型FET15がオンに転換する。この結果、t1時点でnチャネル絶縁ゲート型FETから成る第1の駆動スイッチM1のゲート電圧が低レベルになり、図4(I)に示すようにt1時点で第1の駆動スイッチM1がオフに転換する。なお、図4では第1の主スイッチQ1のゲート電圧Vgがしきい値Vthに達した時点に同期して第1の駆動スイッチM1をオフに転換させているが、NOT回路12のしきい値の調整等によってt1時点よりも少し前又は少し後に第1の駆動スイッチM1をオフに転換させることもできる。
図4のt0〜t1に示す第1の期間T1では第1及び第2の駆動スイッチM1、M2の両方を介して第1の主スイッチQ1のゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgsに充電電流が供給されるために、第1及び第2の駆動スイッチM1、M2のいずれか1つを介して充電電流を供給する場合に比べて充電速度が速くなり、第1の期間T1即ち遅延時間を短くすることができ、第1の主スイッチQ1の高速のオン・オフ動作が可能になる。
図4においてt1〜t3に示す第2の期間T2では、第1の主スイッチQ1のゲート電圧Vgの傾きが第1の期間T1の第1の傾きよりも緩い第2の傾きになる。第2の期間T2における緩い第2の傾きは、第1の主スイッチQ1の導通開始によって第1の主スイッチQ1のゲート・ドレイン間容量Cgdの充電電流が増加するためによって生じる。第2の期間T2では、第1の主スイッチQ1のゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdの充電電流が第2の駆動スイッチM2のみを介して供給される。即ち、第1の主スイッチQ1のゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdの充電電流は比較的高い値を有する第2の抵抗R2を介して流れる。これにより、第2の期間T2における第1の主スイッチQ1のゲート・ソース間容量Cgsの充電速度が第1の期間T1よりも遅くなり、寄生インダクタンスL1による共振に基づいて第1の主スイッチQ1の流れるドレイン電流Idに生じる共振波形のピーク値が図4(D)のt2時点に示すように低くなり、ノイズ抑制効果が得られる。
t1時点で第1の主スイッチQ1がオン状態になると、第1の主スイッチQ1のドレイン・ソース間電圧Vdsが図4(E)に示すように徐々に低下する。なお、t1〜t3期間において第1の主スイッチQ1は不完全なオン状態即ち非飽和のオン状態であり、ドレイン・ソース間電圧Vdsは徐々に低下する。
第3の駆動スイッチ制御回路10は、図4(D)のt2時点に示す共振波形が発生した後のできるだけ早い時点t3を検出し、第3の駆動スイッチM3をオン制御するためのものである。即ち、第2の期間T2においては共振波形のピーク値を抑えるために第1の主スイッチQ1のゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdの充電回路の抵抗値を高く保つことが必要であったが、共振後において充電回路の抵抗値を高く保つ必要性が無いので、第3の期間T3においては第2及び第3の駆動スイッチM2,M3の両方をオン制御し、第2及び第3の抵抗R2,R3の並列回路を通して第1の主スイッチQ1のゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdを充電する。
図4のt3時点を検出して第3の駆動スイッチM3をオン制御するためにコンデンサC1と定電流回路27と制御信号形成回路28とが設けられている。コンデンサC1の一端は第1の主スイッチQ1のゲートGに接続され、この他端は定電流回路27を介してグランドに接続されている。制御信号形成回路28は、ライン30によってコンデンサC1と定電流回路27との接続点29に接続され、ライン31によってNOT回路7に接続され、ライン32によってNOT回路22に接続され、ライン33によって第3の駆動スッチM3のゲートに接続されている。
図3は図2の第3の駆動スイッチ制御回路10を更に詳しく示すものである。定電流回路27は、周知のカレントミラー回路から成り、対のnチャネル絶縁ゲート型のFET34、35と抵抗36とを有している。一方のFET34のドレインは抵抗36を介して直流電圧を供給する制御電源端子37に接続され、そのソースはグランドに接続され、そのゲートはそのドレインに接続されている。他方のFET35のドレインはコンデンサC1に接続され、そのソースはグランドに接続され、そのゲートは一方のFET34のゲートに接続されている。この定電流回路27で供給することができる所定電流値I1を調整することによって第3の期間T3の開始時点t3を調整する。
制御信号形成回路28は、対のnチャネル絶縁ゲート型のFET38、39と、抵抗40と、直流電源端子41と、NOT回路42と、トリガパルス形成回路43と、AND(論理積)回路44と、RSフリップフロップ45とNOT回路46と、トリガ回路47とから成る。FET38のドレインはコンデンサC1とFET35との接続点29に接続され、そのソースはグランドに接続され、そのゲートはそのドレインに接続されている。FET39のドレインは抵抗40を介して制御電源端子41に接続され、そのソースはグランドに接続され、そのゲートはFET38のゲートに接続されている。トリガパルス形成回路43は例えばワンショットマルチバイブレータであって、NOT回路42を介してFET39のドレインに接続されており、FET39のオンからオフへの転換に同期してトリガパルスを出力する。AND回路44の一方の端子はライン32によって図2のNOT回路22に接続され、他方の入力端子はトリガパルス形成回路43に接続されている。RSフリップフロップ45のセット端子SはAND回路44に接続され、リセット端子Rはトリガ回路47とライン31とを介して図2のNOT回路7に接続され、出力端子QはNOT回路46とライン33とを介して図2のpチャネル絶縁ゲート型FETから成る第3の駆動スイッチM3のゲートに接続されている。
図4のt0時点で第1及び第2の駆動スイッチM1、M2がオンになると、第1の主スイッチQ1のゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdを充電する電流が流れると共に第3の駆動スイッチ制御回路10のコンデンサC1にも図4(F)に示す電流Ic1が流れる。即ち、コンデンサC1とFET35の経路に電流Ic1が流れる。この電流Ic1はゲート電圧Vgの時間変化率即ちdV/dtに比例した値を有する。その後、電流Ic1が、定電流回路27によって供給することが可能な図4(F)に示す所定電流値I1よりも増加すると、定電流回路27のFET35を介しては所定電流I1以上の電流を流すことができないので、コンデンサC1の電流Ic1の所定電流I1を超えた分は制御信号形成回路28のFET38を介して流れる。今、コンデンサC1の電流Ic1がt1よりも少し前のta時点で所定電流I1を超えたとすれば、FET38は図4(G)に示すようにta時点でオン状態に転換する。なお、図4ではコンデンサC1の電流Ic1が所定電流値I1をta時点で横切っているが、ta時点よりも少し前又は少し後の時点(例えばt1時点)でIc1がI1を横切るように所定電流値I1を設定することもできる。
図4のt1時点で第1の主スイッチQ1がオン状態になると、第1の主スイッチQ1のゲート・ドレイン間容量Cgdが増大し且つこの充電電流が増大するので、図4(B)に示すように第1の主スイッチQ1のゲート電圧Vgが上昇しなくなるか又はその上昇率が抑えられる。これにより、コンデンサC1の電流Ic1が低下し、t3時点で所定電流値I1よりも低くなる。この結果、コンデンサC1の電流Ic1の全部が定電流回路27のFET35に流れ、制御信号形成回路28のFET38に電流が流れなくなり、これがt3時点でオフに転換する。制御信号形成回路28のFET38のターンオフ時点t3は、図4(D)のt2でピ−クになる共振波形の消滅時点の直後又はこの近傍であることが望ましい。t3時点の調整は、定電流回路27の所定電流値I1の調整又はコンデンサC1の容量の調整で行うことができる。
t3時点においてFET38がターンオフすると、これに同期してFET39もターンオフし、NOT回路42の出力が低レベルに転換してワンショットマルチバイブレータから成るトリガパルス形成回路43がトリガされ、所定時間幅を有する1つのパルスV43(トリガパルス)が図4(H)に示すように発生する。トリガパルス形成回路43から得られたパルスV43はAND回路44を介してフリップフロップ45のセット端子Sに入力する。なお、図4のt3時点ではライン32が高レベルであるので、パルスV43はAND回路44を介してRSフリップフロップ45に入力する。図4(A)に示す制御入力信号Vinが低レベルの期間にトリガパルス形成回路43から誤ってパルスが発生してもAND回路44で阻止される。RSフリップフロップ45のリセット端子Rに接続されたトリガ回路47は図4(A)に示す制御入力信号Vinの高レベルから低レベルへの転換に同期してリセットパルスをRSフリップフロップ45に与える。
RSフリップフロップ45がt3時点でセット状態に転換すると、NOT回路46の出力が低レベルに転換する。これにより、図2のpチャネル絶縁ゲート型の第3の駆動スイッチM3が図4(K)に示すようにt3時点からオンになる。従って、t3時点よりも後の第3の期間T3では、第2及び第3の駆動スイッチM2、M3の両方がオン状態となり、この両方のオン状態は図4(A)の制御入力信号Vinが高レベルから低レベルに転換するまで継続する。t3時点で第3の駆動スイッチM3がオン状態になると、第1の主スイッチQ1のゲート・ソース間容量Cgs及びゲート・ドレイン間容量Cgdの充電電流が第2及び第3の駆動スイッチM2、M3の両方を通って流れるために、第1の主スイッチQ1のゲートに流れ込むゲート電流Igは、図4(C)に示すようにt3時点で増大する。従来回路では第1の主スイッチQ1のドレイン・ソース間電圧Vdsがt6時点で零又は零に近い極めて低い値になるが、本実施例ではt6時点よりも前のt4時点で第1の主スイッチQ1のドレイン・ソース間電圧Vdsが零又は零に近い極めて低い値になる。また、第1の主スイッチQ1のゲート電極Vgは従来の飽和時点t7よりも前のt5時点で飽和値になる。第3の期間T3におけるゲート電圧Vgの増加の傾きは第2の期間T2におけるゲート電圧Vgの傾きよりも大きい。
本実施例は次の効果を有する。
(1)第1の主スイッチQ1のゲートとグランド即ちソースとの間に定電流回路27を介して接続されたコンデンサC1の電流Ic1は、第1の主スイッチQ1のゲート電圧Vgの変化即ちdV/dtに従って変化する。従って、コンデンサC1の電流Ic1に基づいてゲート電圧Vgの状態を正確且つ容易に判定することができる。即ち、コンデンサC1の電流Ic1と定電流回路27の所定電流値I1との比較に基づいて共振電流が流れる期間の終了時点を正確且つ容易に検出することができる。
(2) 共振電流が流れる期間の終了時点を正確に検出すれことができれば、第3の駆動スイッチM3を適切な時点でオン状態に転換することができる。
(3) 第3の駆動スイッチM3がオン状態になると、第1の主スイッチQ1が第2及び第3の駆動スイッチM2,M3の両方を介して駆動される。即ち、第2及び第3の抵抗R2,R3の並列回路によって第1の主スイッチQ1のゲートが駆動される。この結果、第1の主スイッチQ1の寄生容量の充電速度が速くなり、第1の主スイッチQ1のドレイン・ソース間電圧Vdsを零又は零近くの所定オン電圧(例えば0.7V)まで低下させるための時間t3〜t4が短くなり、第1の主スイッチQ1のターンオン時のスイッチング損失が小さくなる。
(4) t1〜t3に示す第2の期間T2には、第2の駆動スイッチM2のみをオンにするので、第1の主スイッチQ1が比較的高い値を有する第2の抵抗R2を介して駆動され、ゲート電流Igの時間変化率di/dtを小さくすることができ、寄生インダクタンスL1等に基づいて生じるノイズを良好に抑制することができる。
(5)定電流回路27が、対のFET34,35を含むカレントミラー回路で形成され、制御信号形成回路28がコンデンサC1に接続された対のFET38,39含むカレントミラー回路で形成されているので、第3の期間T3の開始時点を正確且つ容易に決定することができる。
(6)制御信号形成回路28に含まれているAND回路44はノイズ等によるRSフリップフロップ45の誤動作を防ぐことができる。
(7) 第2の駆動スイッチM2を第1の主スイッチQ1のオン制御期間の全部において連続的にオンにするので、第1の駆動スイッチM1のオン終了時点、第3の駆動スイッチM3のオン開始時点が目標通りに設定されない場合であっても、第1の主スイッチQ1のゲートが無制御状態にならない。即ち、もし、第1、第2及び第3の駆動スイッチM1、M2、M3を順次にオンする方式を採用すると、第1、第2及び第3の駆動スイッチM1、M2、M3の切換え時に、ゲート電圧が零になる休止期間が生じたり、第1、第2及び第3の駆動スイッチM1、M2、M3のオン期間の重なりが生じ、第1の主スイッチQ1の所望の駆動ができなくなる恐れがあるが、本実施例はそのような問題が生じない。
本発明は上記の実施例に限定されるものではなく例えば次の変形が可能なものである。
(1) 図1の第2〜第4の主スイッチQ2〜Q4の駆動回路も図2及び図3に示す第1の主スイッチQ1の駆動回路と同様に構成することができる。
(2) 図1の第1〜第4の主スイッチQ1〜Q4をIGBT等の別の電圧駆動型素子に置き換えることができる。IGBTの場合には第1の主電極がコレクタ、第2の主電極がエミッタとなる。
(3) 図2の第1、第2及び第3の駆動スイッチM1、M2、M3をFET以外のバイポーラトランジスタ等の別の半導体制御スイッチで形成することができる。
(4) 図2及び図3のFET14、15、25,34、35、38、39をバイポーラトランジスタ等の別の制御半導体素子に置き換えることができる。
(5) 本発明を図1のインバータの第1〜第4の主スイッチQ1〜Q4に限らず、電圧駆動型素子を含む別のスイッチング回路に適用することができる。
(6)図2の回路から第1の駆動スイッチM1と第1の抵抗R1とから成る駆動回路を省き、図4の第1及び第2の期間T1,T2の両方において、第2の駆動スイッチM2と第2の抵抗R2とから成る駆動回路のみで第1の主スイッチQ1を駆動することができる。この場合には、第2の抵抗R2の値を、第1の期間T1をできるだけ短くし、第2の期間T2の共振波形のピークをできるだけ低くするように決定する。このように図2の回路から第1の駆動スイッチM1と第1の抵抗R1とから成る駆動回路を省いても、第3の駆動スイッチM3と第3の抵抗R3とから成る駆動回路を図2と同様に設けることにより、図2と同様な効果を得ることができる。
(7)図2の回路から第2の駆動スイッチM2と第2の抵抗R2とから成る駆動回路を省き、且つ図2の第1の駆動スイッチM1を図4の第1及び第2の期間T1,T2の両方においてオン制御し、第3の駆動スイッチM3を第3の期間T3にオン制御することができる。この場合には、第3の抵抗R3の値を第1の抵抗R1よりも低く決定することが望ましい。
(8)図2の回路から第2の駆動スイッチM2と第2の抵抗R2とから成る駆動回路を省き、且つ図2の第1の駆動スイッチM1を図4の第1の期間T1においてオン制御し、第3の駆動スイッチM3を図4の第2及び第3の期間T2,T3にオン制御することができる。この場合には、第1の抵抗R1の値を第3の抵抗R3よりも低く決定することが望ましい。
(9)第2の駆動スイッチM2を、第2の期間T2のみでオン制御することもできる。
本発明の実施例1に従うインバータを示す回路図である。 本発明の実施例1における第1の主スイッチの駆動回路を示す回路図である。 図2の第3の駆動スイッチ制御回路を詳しく示す回路図である。 図2及び図3の各部の状態を示す波形図である。
符号の説明
Q1 第1の主スイッチ
M1,M2,M3 第1、第2、第3の駆動スイッチ
R1,R2,R3 第1、第2、第3の抵抗
C1 コンデンサ
27 定電流回路

Claims (4)

  1. 第1及び第2の主電極と制御電極とを有し、且つ前記制御電極と前記第1の主電極との間に第1の寄生容量を有し、前記制御電極と前記第2の主電極との間に第2の寄生容量を有している電圧駆動型素子の駆動回路であって、
    制御電源端子と前記電圧駆動型素子の前記制御電極との間に第1の抵抗(R2)を介して接続された第1の駆動スイッチ(M2)と、
    制御電源端子と前記電圧駆動型素子の前記制御電極との間に第2の抵抗(R3)を介して接続された第2の駆動スイッチ(M3)と、
    前記電圧駆動型素子をオフ状態に制御するための第1の電圧値と、オン状態に制御するための第2の電圧値とを有する2値の制御信号を入力させるための制御信号入力端子と、
    前記制御信号入力端子と前記第1の駆動スイッチの制御電極との間に接続され、且つ前記制御信号が前記第1の電圧値から前記第2の電圧値に転換した時に前記第1の駆動スイッチ(M2)をオン制御する機能を有している第1の駆動スイッチ制御回路(9)と、
    前記第2の駆動スイッチ(M3)をオン制御するものであって、前記電圧駆動型素子の前記制御電極と前記第2の主電極又はグランドとの間に定電流回路(27)を介して接続されたコンデンサ(C1)と、前記コンデンサ(C1)を流れる電流が前記定電流回路で供給することができる所定電流値(I1)よりも大きい値まで増大した後に減少して前記所定電流値を横切る時点を検出し、前記コンデンサ(C1)を流れる電流が前記所定電流値(I1)を横切った時点を示す信号に応答して前記第2の駆動スイッチ(M3)をオン制御するための制御信号を形成して前記第2の駆動スイッチ(M3)の制御電極に供給する制御信号形成回路(28)とを有している第2の駆動スイッチ制御回路(10)と
    を具備し、且つ前記第2の駆動スイッチ(M3)のオン開始時点が、前記電圧駆動型素子の前記制御電極と前記第2の主電極又はグランドとの間の制御電圧(Vg)が前記電圧駆動型素子のしきい値(Vth)を横切る時点と前記制御電圧(Vg)が飽和する時点との間に決定されていることを特徴とする電圧駆動型素子の駆動回路。
  2. 第1及び第2の主電極と制御電極とを有し、且つ前記制御電極と前記第1の主電極との間に第1の寄生容量を有し、前記制御電極と前記第2の主電極との間に第2の寄生容量を有している電圧駆動型素子の駆動回路であって、
    制御電源端子と前記電圧駆動型素子の前記制御電極との間に第1の抵抗(R1)を介して接続された第1の駆動スイッチ(M1)と、
    制御電源端子と前記電圧駆動型素子の前記制御電極との間に前記第1の抵抗(R1)よりも大きい値を有する第2の抵抗(R2)を介して接続された第2の駆動スイッチ(M2)と、
    制御電源端子と前記電圧制御型素子の前記制御電極との間に前記第2の抵抗(R2)よりも小さい値を有する第3の抵抗(R3)を介して接続された第3の駆動スイッチ(M3)と、
    前記電圧駆動型素子をオフ状態に制御するための第1の電圧値と、オン状態に制御するための第2の電圧値とを有する2値の制御信号を入力させるための制御信号入力端子と、
    前記制御信号入力端子と前記第1の駆動スイッチ(M1)の制御電極との間に接続され、且つ前記制御信号が前記第1の電圧値から前記第2の電圧値に転換した時点から前記電圧駆動型素子の前記第1の主電極と前記第2の主電極とを通って共振電流が流れる又は流れる可能性のある期間の開始時点又はこれよりも前の任意の時点までの第1の期間(T1)に前記第1の駆動スイッチ(M1)をオン制御する機能を有している第1の駆動スイッチ制御回路(8)と、
    前記制御信号入力端子と前記第2の駆動スイッチ(M2)の制御電極との間に接続され、且つ前記制御信号が前記第2の電圧値を保っている全期間、又は前記第1の期間(T1)と後記第3の期間(T3)との間の第2の期間(T2)において前記第2の駆動スイッチ(M2)をオン制御する機能を有している第2の駆動スイッチ制御回路と、
    前記第2の期間(T2)よりも後の第3の期間(T3)に前記第3の駆動スイッチ(M3)をオン制御するものであって、前記電圧駆動型素子の前記制御電極と前記第2の主電極又はグランドとの間に定電流回路(27)を介して接続されたコンデンサ(C1)と、前記コンデンサ(C1)を流れる電流が前記定電流回路(27)で供給することができる所定電流値(I1)よりも低い値から高い値になり、しかる後再び低い値になる時点(t3)を検出し、前記コンデンサ(C1)を流れる電流が前記再び低い値になる時点(t3)を示す信号に応答して前記第3の駆動スイッチ(M3)をオン制御するための制御信号を形成して前記第3の駆動スイッチ(M3)の制御電極に供給する制御信号形成回路(28)とを有し、前記第3の駆動スイッチ(M3)のオン開始時点が前記共振電流が流れる又は流れる可能性のある期間の終了時点と前記制御電圧(Vg)が飽和する時点との間に決定されている第3の駆動スイッチ制御回路(10)と
    を具備していることを特徴とする電圧駆動型素子の駆動回路。
  3. 前記定電流回路(27)は、制御電源端子に抵抗を介して接続された第1の主端子とグランドに接続された第2の主端子と前記第1の主端子に接続された制御端子とを有する第1の制御半導体素子(34)と、前記コンデンサ(C1)に接続された第1の主端子とグランドに接続された第2の主端子と第1の制御半導体素子(34)の制御端子に接続された制御端子とを有する第2の制御半導体素子(35)とから成り、
    前記制御信号形成回路(28)は、前記コンデンサ(C1)に接続された第1の主端子とグランドに接続された第2の主端子と前記コンデンサ(C1)に接続された制御端子とを有する第3の制御半導体素子(38)と、前記制御電源端子に抵抗を介して接続された第1の主端子とグランドに接続された第2の主端子と前記第3の制御半導体素子(38)の制御端子に接続された制御端子とを有する第4の制御半導体素子(39)と、前記第4の制御半導体素子(39)の第1の主端子に接続されたトリガパルス形成回路(43)と、トリガパルス形成回路(43)から得られたトリガパルスに応答して前記第2又は第3の駆動スイッチ(M3)をオン制御するための制御信号を形成するフリップフロップ(45)とを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の電圧駆動型素子の駆動回路。
  4. 第1及び第2の主電極と制御電極とを有し、且つ前記制御電極と前記第1の主電極との間に第1の寄生容量を有し、前記制御電極と前記第2の主電極との間に第2の寄生容量を有している電圧駆動型素子の駆動回路であって、
    制御電源端子と前記電圧駆動型素子の前記制御電極との間に第1の抵抗(R1)を介して接続された第1の駆動スイッチ(M1)と、
    制御電源端子と前記電圧駆動型素子の前記制御電極との間に前記第1の抵抗(R1)よりも大きい値を有する第2の抵抗(R2)を介して接続された第2の駆動スイッチ(M2)と、
    制御電源端子と前記電圧制御型素子の前記制御電極との間に前記第2の抵抗(R2)よりも小さい値を有する第3の抵抗(R3)を介して接続された第3の駆動スイッチ(M3)と、
    前記電圧駆動型素子をオフ状態に制御するための第1の電圧値と、オン状態に制御するための第2の電圧値とを有する2値の制御信号を入力させるための制御信号入力端子と、
    前記制御信号入力端子と前記第1の駆動スイッチ(M1)の制御電極との間に接続され、且つ前記制御信号が前記第1の電圧値から前記第2の電圧値に転換した時点から前記電圧駆動型素子の前記第1の主電極と前記第2の主電極とを通って共振電流が流れる又は流れる可能性のある期間の開始時点又はこれよりも前の任意の時点までの第1の期間(T1)のみ前記第1の駆動スイッチ(M1)をオン制御する機能を有している第1の駆動スイッチ制御回路(8)と、
    前記制御信号入力端子と前記第2の駆動スイッチ(M2)の制御電極との間に接続され且つ前記制御信号が前記第2の電圧値を保っている全期間において前記第2の駆動スイッチ(M2)をオン制御する機能を有している第2の駆動スイッチ制御回路と、
    前記第3の駆動スイッチ(M3)の制御電極に接続され、且つ前記第1の期間(T1)から前記第2の期間(T2)が経過した後の第3の期間(T3)に前記第3の駆動スイッチ(M3)をオン制御するものであって、前記第3の期間(T3)の開始時点が前記共振電流が流れる又は流れる可能性のある期間の終了時点と前記制御電圧(Vg)が飽和する時点との間に決定されている第3の駆動スイッチ制御回路(10)と
    を具備していることを特徴とする電圧駆動型素子の駆動回路。
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