JP2002111423A - ノイズフィルタ - Google Patents

ノイズフィルタ

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JP2002111423A
JP2002111423A JP2000299894A JP2000299894A JP2002111423A JP 2002111423 A JP2002111423 A JP 2002111423A JP 2000299894 A JP2000299894 A JP 2000299894A JP 2000299894 A JP2000299894 A JP 2000299894A JP 2002111423 A JP2002111423 A JP 2002111423A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、低周波数領域におけるノイズ除去
効果が良好であり、実装時の方向合わせが不要な分布定
数型ノイズフィルタを提供する。 【構成】 複数の絶縁層1a〜1gから成る積層体本体
1内に、信号側導体パターン2a〜2mとグランド側導
体パターン3a〜3fを配置して成る分布定数型のノイ
ズフィルタ10において、信号側導体パターン2b〜2
f、2l〜2hが分割され、グランド側導体パターング
ランド側導体パターン3a〜グランド側導体パターン3
eを挟んで、同一絶縁層1b〜1f上に形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノイズフィルタに
関し、特に減衰極の制御が簡単な分布定数型のノイズフ
ィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ノイズフィルタは、複数の絶縁層
から成る積層体内に、該絶縁層を介して互いに対向し合
う信号側導体パターンとグランド側導体パターンを配置
して構成されていた。すなわち、信号側導体パターンと
グランド側導体パターンは、絶縁層の厚み方向に互いに
接続し、夫々一連のコイルとなる。例えば、信号側導体
パターンが互いに接続して信号側コイルになり、グラン
ド側導体パターンが互いに接続してグランド側コイルと
なる。そして、信号側導体パターンとグランド側導体パ
ターンとの間で所定容量が得られる。
【0003】しかし、この分布定数型のノイズフィルタ
の一次減衰極周波数は、等価キャパシタンスを不変とし
た場合、主にグランド側導体パターン(グランドライン
側コイル)の自己インダクタンス及び信号側導体パター
ン(信号ライン側コイル)との相互インダクタンスによ
って決定される。
【0004】また、二次減衰極周波数は、等価キャパシ
タンスを不変とした場合、主に信号ライン側コイルの自
己インダクタンス及びグランドライン側コイルとの相互
インダクタンスによって決定される。
【0005】従って、上記構造では、一次減衰極のみを
制御するため、グランドライン側コイルのコイル長を所
定インダクタンス値となるように設定すると、同時に相
互インダクタンスも変動してしまい、結果として、二次
減衰極も変動してしまう。また、二次減衰極のみを制御
においても、結果として、一次減衰極も変動してしま
う。
【0006】しかも、両コイルのインダクタンスを制御
するために、信号側導体パターン又はグランド側導体パ
ターンのパターン長を変化させると、信号側導体パター
ンとグランド側導体パターンとの対向状態も変化してし
まい、等価キャパシタンスも変化してしまい、フィルタ
特性の制御が困難となってしまう。
【0007】そこで、図6〜7に示すように、複数の絶
縁層61a〜61gから成る積層体本体内に、絶縁層6
1a〜61eの例えば、6つの層間に、交互にグランド
側導体パターン3つの信号側導体パターン62b〜62
dと2つのグランド側導体パターン6グランド側導体パ
ターン3b〜6グランド側導体パターン3cを配置して
いた。尚、絶縁層61fと61gとの層間には、接続用
パターン62eが配置されており、絶縁層61a上には、
信号側引回し導体パターン62a,グランド側引回し導体
パターン63aが配置さている。
【0008】その信号側導体パターン62b〜62d
は、グランド側導体パターン63b〜63cと互いに重
なりあう概略四角形状対向部と、該概略四角形状対向部
の一方側の端辺側から延びる2つのインダクタ導体部と
を有している。また、グランド側導体パターン63b〜
63cは、信号側導体パターン62b〜62dの対向部
と互いに重なりあう概略四角形状対向部と、該概略四角
形状対向部の他方側の端辺側から延びる2つのインダク
タ導体部とを有していた。そして、信号側導体パターン
同士が接続して信号側コイルSLを構成し、グランド側
導体パターンどうしが接続してグランド側コイルGLを
構成していた。しかも、信号側導体パターンとグランド
側導体パターンとの対向部分で容量成分を形成し、分布
定数型ノイズフィルタ60を構成していた(特開平8−
18377号公報)。
【0009】このようなノイズフィルタによれば、信号
側導体パターン62b〜62dとグランド側導体パター
ン63b〜63cとが絶縁層61a〜61eを挟んで対
向する部分は、概略四角形状対向部で、等価キャパシタ
ンスは一義的に決定される。
【0010】また、信号側導体パターン62b〜62d
とグランド側導体パターン63b〜63cともに、概略
四角形状対向部の端辺により、2つのインダクタ導体部
が延びている。従って、夫々のコイルパターンにおける
自己インダクタンス値は、その2つのインダクタ導体部
の長さで決定される。
【0011】しかも、信号側導体パターン62b〜62
dとグランド側導体パターン63b〜63cとで、2つ
のインダクタ導体部が延びている方向が異なるため、互
いに相互インダクタンスが非常に小さい状態となる。
【0012】即ち、等価キャパンタンスは実質的な変動
が少なく、また相互インダクタスも非常に小さいため、
減衰極の制御にあたり、夫々の2つのインダクタ導体部
の長さのみで決定される。
【0013】従って、一次減衰極の制御、二次減衰極の
制御が、主に各コイルの自己インダクタンスの個別の制
御のみによって簡単に行うことができる。
【0014】さらに、信号側導体パターン62b〜62
d及びグランド側導体パターン63b〜63cが実質的
に概略四角形状対向部とその概略四角形状対向部の相対
向する端辺側に延びるインダクタ部を有するため、夫々
のコイルパターンを全体として、実質的に四角形状とな
ることができるため、平面的に大きなデットスペースを
発生させることがないため、小型なノイズフィルタが達
成できる。
【0015】ここで、ノイズフィルタ60は、周知の表
面実装法により回路パターン(不図示、以下同じ)に半
田付けされる。ノイズフィルタ60の入出力端子は回路
パターンの信号ライン又は伝送ラインに接続され、グラ
ンド端子は回路パターンのアースラインに接続される。
このため、信号側導体パターンには、入力端子から出力
端子に信号電流が流れる。一般的に回路パターンにおい
て、通過するデジタル信号は、正弦波である高調波の組
み合わせからなり、高次側の高調波が多いと、信号ライ
ン(伝送ライン)パターン上で不要の輻射ノイズが発生
するという問題点がある。そこで、このようなデジタル
信号をノイズフィルタ60に通すことにより、不必要な
高次側の高調波をグランド側導体パターン62a〜62
eを介してグランド端子に流してノイズを除去してい
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述の高周波フィルタ
においては、信号側導体パターンによる分布定数(L成
分)が大きいほど、共振周波数を低周波数側にシフトす
ることができ、低周波数領域におけるノイズ除去効果が
良好になる。
【0017】しかし、図6、図7に示すノイズフィルタ
の構造によれば、絶縁層が誘電体材料をベースに用いて
いるため、各コイル部のインダクタンス成分が小さく、
急峻な減衰特性を得ることに限界があった。
【0018】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、素子の大きさを変えずに、
小型であっても、急峻な減衰特性が達成できるノイズフ
ィルタを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のノイズフィルタ
は、複数の絶縁層から成る積層体の各層間に、信号側導
体パターン及びグランド側導体パターンを配置するとと
もに、前記信号側導体パターンどうしを前記絶縁層の厚
み方向に接続して螺旋形の信号側コイルを形成し、前記
グランド側導体パターンどおしを絶縁層の厚み方向に接
続して螺旋形状のグランド側コイルを形成してなる分布
定数型のノイズフィルタにおいて、前記信号側導体パタ
ーンは、同一層間でグランド側導体パターンを挟んで、
複数に分割されていることを特徴とするノイズフィルタ
である。
【作用】本発明によれば、各絶縁層において、グランド
側導体パターンを挟んで信号側導体パターンが複数に分
割されている。信号側導体パターンにより構成され、互
いに接続された2つの信号側コイルが、グランド側導体
パターンによって形成されるグランド側コイルを挟んで
位置される。
【0020】即ち、信号側コイルにおいては、積層体の
一方表面から信号が入力され、他方表面側で折り返さ
れ、さらに、一方表面側から信号が出力されることにな
る。
【0021】従来の構成に比べて、素子の大きさを変化
させずに、互いに接続される信号側コイルのターン数を
増大させることができ、分布定数のL成分を大きくする
ことができる。しかも、信号側コイルとグランド側コイ
ルとの結合も大きくなるため、フィルタ全体のL成分が
大きくなる。これらによって、低周波数領域におけるノ
イズ除去効果を良好にすることができる。
【0022】さらに、信号側導体パターンからなる信号
側コイルは左右対称であり、グランド側導体パターンか
らなるグランド側コイルは、その信号側導体パターンに
挟まれた状態になっているため、信号側コイルに接続す
る信号側入出力端子とグランド側コイルに接続するグラ
ンド端子ともに、左右対象となるとなるため、入出力端
子の方向性を持たない部品となり、実装時の方向合わせ
が不要になる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明のノイズフィルタを
図面に基づいて詳説する。
【0024】図1は、本発明のノイズフィルタの外観斜
視図であり、図2は、導体パターンが相違する各絶縁層
の平面図であり、図3は各絶縁層の接続状態を示す積層
体の分解斜視図であり、図4は等価回路図である。
【0025】図1において、本発明のノイズフィルタ1
0は、積層体(以下、積層体本体という)1と、該積層
体本体1の一対の両端面に形成された信号側端子電極端
6、7と、該積層体本体1の中央部に形成されたグラン
ド端子電極8とから構成されてる。信号側端子電極6、
7は、積層体本体1のにおいて、端面または及びその周
囲の4つ面に形成されている。また、グランド端子電極
8は、積層体本体1の中央部付近の両側面及び少なくと
も一方の主面に渡って周回するうように形成されてい
る。各端子電極6、7、グランド端子電極8は導電性ペ
ーストの焼き付けて形成された下地導体膜及び該導体膜
の表面に被着した半田濡れ性の優れたメッキ層から構成
されている。
【0026】また、積層体本体1は、例えば8層の絶縁
層が積層されて構成されている。尚、図3では、最上層
となる絶縁層を省略して、例えば7層のみを表示してい
る。例えば、絶縁層1a上、即ち、最上層となる絶縁層
と絶縁層1aとの層間には、図2(a)に示すように、
信号側引き回し導体パターン2a、2mが配置されてい
る。例えば、信号側引き回し導体パターン2aは、信号
側コイルSCの一方端と信号側端子電極6とを接続する
パターンである。また、信号側引き回し導体パターン2
mは、信号側コイルSCの他方端と信号側端子電極7と
を接続するものである。
【0027】積層体本体1は、例えば7層の絶縁層1a
〜1gから構成され、絶縁層1a上には、図3(a)に
示すパターンの信号側引き回し導体パターン2a、2m
が配置されている。
【0028】また、絶縁層1b上、例えば、絶縁層1a
と1bとの層間には、図2(b)に示す導体パターンが
配置されている。即ち、両端部側に信号側導体パターン
2b、2lが分割して配置されており、その中央部付近
には、3aが配置されている。各導体パターン2b、2
l、3aは、概略半ターン分のパターン、例えば概略C
字状を成し、その開口が紙面の上部側に開口している。
この各C字状パターン2b、2l、グランド側導体パタ
ーン3aの両端部は、絶縁層1aの厚みを貫くビアホー
ル導体または絶縁層1bの厚み貫くビアホール導体に接
続されている。
【0029】また、絶縁層1c上、例えば、絶縁層1b
と1cとの層間には、図2(c)に示す導体パターンが
配置されている。即ち、両端部側に信号側導体パターン
2c、2kが分割して配置されており、その中央部付近
には、グランド側導体パターン3bが配置されている。
各導体パターン2c、2k、グランド側導体パターン3
bは、概略半ターン分のパターン、例えば概略C字状を
成し、その開口が紙面の下部側に開口している。この各
C字状パターン2c、2k、グランド側導体パターン3
bの両端部は、絶縁層1aの厚みを貫くビアホール導体
または絶縁層1bの厚み貫くビアホール導体に接続され
ている。
【0030】ここで、図2(b)で示した絶縁層1bと図
2(c)で示した絶縁層1cとを積層した場合、絶縁層
1b上のグランド側導体パターン3aの直線部分グラン
ド側導体パターン3xは、絶縁層1c上の信号側導体パ
ターン2kの直線部分2xと絶縁層1bを介して対向
し、また、絶縁層1c上のグランド側導体パターン3b
の直線部分グランド側導体パターン3yは、絶縁層1b
上の信号側導体パターン2bの直線部分2yと絶縁層1
aを介して対向することになる。これは、絶縁層1bと1
cのみに着目して説明しているが、複数の絶縁層1b〜1f
においては、その上下関係がすべて同様の構造となって
いる。この直線部分2x、3x、3x、3yの対向部分には、分
布定数的な容量成分が発生する。
【0031】また、絶縁層1g上、例えば絶縁層1fと
1gとの間には、図2(d)に示すように、折り返し導
体パターン2gおよひグランド側引き回し導体パターン
グランド側導体パターン3fが配置されている。例え
ば、折り返し導体パターン2gは、信号側コイルSC1
と信号側コイルSC2とを接続するものであり、グラン
ド側引き回し導体パターングランド側導体パターン3f
は、グランド側コイルGCの一端とグランド側端子電極
8とを接続するものである。
【0032】さらに、図2(d)で示す折り返し導体パ
ターン2gとグランド側導体パターンの直線部分ととの
間を対向させて構わない。
【0033】また、実際には、積層体本体1は、図2
(a)に示す絶縁層1aと図2(d)に示す絶縁層1g
との間に、図2(b)に示す導体パターンが配置されて
いる絶縁層がグランド側導体パターン3層と、図2
(c)に示す導体パターンが配置されている絶縁層が2
層とが、交互に積層配置されている。
【0034】また、信号側コイルSCを構成する一方の
信号側コイルSC1において、絶縁層1b上の信号側導
体パターン2bの一端は、絶縁層1aの厚みに形成され
たビアホール導体4aを介して絶縁層1a上の信号側引
き回し導体パターン2aの他端に接続されている。ま
た、絶縁層1b上の信号側導体パターン2bの他端は、
絶縁層1bの厚みに形成されたビアホール導体4bを介
して絶縁層1c上の信号側導体パターン2cの一端に接
続されている。
【0035】また、絶縁層1c上の信号側導体パターン
2cの一端は、絶縁層1b上の信号側導体パターン2b
の他端に接続し、信号側導体パターン2cの他端は、絶
縁層1cの厚みに形成されたビアホール導体4cを介し
て絶縁層1d上の信号側導体パターン2dの一端に接続
されている。
【0036】また、絶縁層1d上の信号側導体パターン
2dの一端は、絶縁層1c上の信号側導体パターン2c
の他端に接続し、信号側導体パターン2dの他端は、絶
縁層1dの厚みに形成されたビアホール導体4dを介し
て絶縁層1e上の信号側導体パターン2eの一端に接続
されている。
【0037】また、絶縁層1e上の信号側導体パターン
2eの一端は、絶縁層1d上の信号側導体パターン2d
の他端に接続し、信号側導体パターン2eの他端は、絶
縁層1eの厚みに形成されたビアホール導体4eを介し
て絶縁層1f上の信号側導体パターン2fの一端に接続
されている。
【0038】また、絶縁層1f上の信号側導体パターン
2fの一端は、絶縁層1d上の信号側導体パターン2c
の他端に接続し、信号側導体パターン2fの他端は、絶
縁層1fの厚みに形成されたビアホール導体4fを介し
て絶縁層1g上の折り返し導体パターン2gの一端に接
続されている。
【0039】さらに、信号側コイルSCを構成するコイ
ルSC2において、折り返し導体パターン2gのの他端
は、絶縁層1fに形成されたビアホール導体4gを介し
て絶縁層1f上に配置された信号側導体パターン2hの
一端に接続されている。
【0040】また、絶縁層1f上の信号側導体パターン
2hの一端は、絶縁層1g上の折り返し導体パターン2
gの他端部に接続し、信号側導体パターン2hの他端
は、絶縁層1eの厚みに形成されたビアホール導体4h
を介して絶縁層1e上の信号側導体パターン2iの一端
に接続されている。
【0041】また、絶縁層1f上の信号側導体パターン
2hの一端は、絶縁層1g上の折り返し導体パターン2
gの他端部に接続し、信号側導体パターン2hの他端
に、絶縁層1eの厚みに形成されたビアホール導体4h
を介して絶縁層1e上の信号側導体パターン2iの一端
に接続されている。
【0042】また、絶縁層1e上の信号側導体パターン
2iの一端は、絶縁層1f上の信号側導体パターン2h
の他端に接続し、信号側導体パターン2iの他端は、絶
縁層1dの厚みに形成されたビアホール導体4iを介し
て絶縁層1d上の信号側導体パターン2jの一端に接続
されている。
【0043】また、絶縁層1d上の信号側導体パターン
2jの一端は、絶縁層1e上の信号側導体パターン2i
の他端に接続し、信号側導体パターン2jの他端は、絶
縁層1cの厚みに形成されたビアホール導体4jを介し
て絶縁層1c上の信号側導体パターン2kの一端に接続
されている。
【0044】また、絶縁層1c上の信号側導体パターン
2kの一端は、絶縁層1d上の信号側導体パターン2j
の他端に接続し、信号側導体パターン2kの他端は、絶
縁層1bの厚みに形成されたビアホール導体4kを介し
て絶縁層1b上の信号側導体パターン2lの一端に接続
されている。
【0045】また、絶縁層1b上の信号側導体パターン
2lの一端は、絶縁層1c上の信号側導体パターン2k
の他端に接続し、信号側導体パターン2lの他端は、絶
縁層1aの厚みに形成されたビアホール導体4lを介し
て絶縁層1a上の信号側引き回し導体パターン2mの一
端に接続されている。
【0046】さらに、絶縁層1aの信号側引き回し導体
パターン2mの一端は、絶縁層1bの信号側導体パター
ン2lの他端に接続し、信号側引き回し導体パターン2
mの他端は、絶縁層1aの端面にまで引き回され、信号
側端子電極7に接続している。
【0047】即ち、信号側コイルSCは、2つの信号側
コイルSC1と信号側コイルSC2とが互いに接続され
て構成されている。尚、1つの信号側コイルSC1は、
5層の半タンーのパターンを有する信号側導体パターン
2b〜2fからなり、約2.5ターンの信号側コイルと
なり、また、1つの信号側コイルSC2も同様に、5層
の半タンーのパターンを有する信号側導体パターン2h
〜2lからなり、約2.5ターンの信号側コイルとな
る。これにより、全体として概略5ターンの信号側コイ
ルSCとなる。
【0048】次に、グランド側コイルGCにおいては、
絶縁層1b上のグランド側導体パターン3aの他端は、
絶縁層1bの厚みに形成されたビアホール導体5aを介
して絶縁層1c上のグランド側導体パターン3bの他端
に接続されている。
【0049】また、絶縁層1c上のグランド側導体パタ
ーン3bの一端は、絶縁層1b上のグランド側導体パタ
ーン3aの他端に接続し、グランド側導体パターン3b
の他端部は、絶縁層1cの厚みに形成されたビアホール
導体5bを介して絶縁層1d上のグランド側導体パター
ン3cの一端に接続されている。
【0050】また、絶縁層1d上のグランド側導体パタ
ーン3cの一端は、絶縁層1c上のグランド側導体パタ
ーン3bの他端に接続し、グランド側導体パターン3c
の他端は、絶縁層1dの厚みに形成されたビアホール導
体5cを介して絶縁層1e上のグランド側導体パターン
3dの一端に接続されている。
【0051】また、絶縁層1e上のグランド側導体パタ
ーン3dの一端は、絶縁層1d上のグランド側導体パタ
ーン3cの他端に接続し、グランド側導体パターン3d
の一端は、絶縁層1eの厚みに形成されたビアホール導
体5dを介して絶縁層1f上のグランド側導体パターン
3eの一端に接続されている。
【0052】また、絶縁層1f上のグランド側導体パタ
ーン3eの一端は、絶縁層1e上のグランド側導体パタ
ーン3dの他端に接続し、グランド側導体パターン3e
の一端は、絶縁層1fの厚みに形成されたビアホール導
体5eを介して絶縁層1g上のグランド側引き回し導体
パターングランド側導体パターン3fの一端に接続され
ている。
【0053】また、絶縁層1g上のグランド側引き回し
導体パターングランド側導体パターン3fの一端は、絶
縁層1f上のグランド側導体パターン3eの他端に接続
し、グランド側端子電極8に接続されている。
【0054】即ち、グランド側コイルGCは、5層の半
ターンのパターンを有するグランド側導体パターン3a
〜グランド側導体パターン3eからなり、約2.5ター
ンのグランド側コイルとなる。
【0055】このような信号側コイルSCは、それぞれ
積層体本体1の外表面に形成した信号側出力端子電極
6、7に接続されている。また、グランド側コイルGC
は、グランド側端子電極8に接続されている。
【0056】このことにより、例えば、端子電極6から
入った電流は、信号側導体パターン2a、ビアホール導
体4a、信号側導体パターン2b、ビアホール導体4
b、信号側導体パターン2c、ビアホール導体4c、信
号側導体パターン2d、ビアホール導体4d、信号側導
体パターン2e、ビアホール導体4e、信号側導体パタ
ーン2f、ビアホール導体4f、折り返し導体パターン
2g、ビアホール導体4g、信号側導体パターン2h、
ビアホール導体4h、信号側導体パターン2i、ビアホ
ール導体4i、信号側導体パターン2j、ビアホール導
体4j、信号側導体パターン2k、ビアホール導体4
k、信号側導体パターン2l、ビアホール導体4l、信
号側導体パターン2mの順に流れ、出力端子電極7から
出ることになる。
【0057】また、不必要な高次側の高調波の信号成分
は、グランド側導体パターン3a、ビアホール導体5
a、グランド側導体パターン3b、ビアホール導体5
b、グランド側導体パターン3c、ビアホール導体5
c、グランド側導体パターン3d、ビアホール導体5
d、グランド側導体パターン3e、ビアホール導体5
e、グランド側引回し被導体パターン3fの順に流れ、
グランド端子電極8に流れる。
【0058】次に、上述の構造の積層体本体1は、以下
のような製造方法で作られる。
【0059】まず、積層体本体1の絶縁層1a〜1gと
なる絶縁体シートは、誘電体材料であるBaTiO3
TiO3を少なくとも含むセラミック粉末と有機ビヒク
ルとを均質混練して、所定厚み(20μm〜100μ
m)のテープを成型し、所定大きさに裁断して作成す
る。
【0060】次に、その絶縁体シートの所定位置に、ビ
アホール導体4a〜4l、ビアホール導体5a〜5fと
なる貫通孔(孔径50μm〜200μm)をパンチ加工
などで形成する。
【0061】次に、上述の貫通孔内に、Ag系(Ag単
体、Ag−PdのようなAg合金)、Cu系材料の金属
粉末と必要に応じて低融点ガラスフリットと有機ビヒク
ルとを均質混合して得られた導電性ペーストを充填し
て、ビアホール導体4a〜4l、5a〜5fとなる導体
を形成するとともに、そのシートの表面に信号側導体パ
ターン2a〜2mとなる導体膜、グランド側導体パター
ン3a〜グランド側導体パターン3fとなる導体膜を、
上述の導電性ペーストのスクリーン印刷によって厚み1
μm〜20μmで形成する。
【0062】これにより、図2(a)〜(d)に示すよ
うに、絶縁体シート1a〜1gには、信号側導体パター
ン2a〜2m及びグランド側導体パターン3a〜グラン
ド側導体パターン3fとなる導体膜が形成される。
【0063】次に、夫々のシートを積層順序を考慮し
て、選択的に積層し、熱圧着により一体化する。その後
必要に応じて焼結収縮を考慮した最終寸法で裁断した
り、また、最終工程で分割するための分割溝を形成した
りする。
【0064】次に、絶縁体シートから成る積層体を、所
定雰囲気・所定ピーク温度で焼成する。上述の導電性ペ
ーストにAg系ペーストを用いた場合には酸化性雰囲
気、中性雰囲気で、Cu系ペーストを用いた場合には還
元性囲気、中性雰囲気で処理する。また、ピーク温度
は、絶縁体シートが焼結反応されるに必要な温度で処理
するが、この温度に耐ええるように導電性ペーストの金
属成分を調整する。例えば、導電性ペーストにAg単
体、Cu単体を用いた場合には、ピーク温度は1050
℃以下であり、これ以上の温度で焼成する場合には、P
dなどの合金を用いる。尚、約1000℃の焼成温度に
昇温するまでの約500℃前後で、絶縁体シート、導体
膜、導体に含まれる有機ビヒクル成分を焼失させる。
【0065】このようにして焼成処理された積層体本体
1の信号側引回し導体パターン2a、2mの露出部分に
信号側端子電極6、7を、グランド側の引回し導体パタ
ーン3fの露出部分にグランド側端子電極8を、夫々導
電性ペーストの焼きつけにより形成する。なお、端子電
極6、7、8となる導体膜を積層体本体1の焼成前に塗
布・形成して、積層体本体1と同時に焼成処理しても構
わない。
【0066】このようにして、図1のようなノイズフィ
ルタ10が得られる。
【0067】このようにして得られた本発明のノイズフ
ィルタ10によれば、信号側コイルSCは、信号側コイ
ルSC1となる信号側導体パターン2b〜2fと信号側
コイルSC2となる信号側導体パターン2l〜2hとが
分割され、両コイルSC1、SC2とが接続されて構成
されている。そして、グランド側コイルGCを構成する
グランド側導体パターン3a〜3eが、信号側コイルS
C1とSC2とに挟まれて配置されることになる。従っ
て、例えば、端子電極6から入った電流は、実質的に螺
旋状経路を通って流れることになり、従来の構成に比べ
て、素子の大きさを変化させずに、信号側導体パターン
2b〜2f、2l〜2hの長さを実質的に長くすること
ができる。また、グランド側コイルGCと信号側コイル
SCとの結合が、グランド側コイルGCに対して2方向
から結合するため、この結合度が増大する。
【0068】例えば、図6、7に示す従来のノイズフィ
ルタでは、信号側コイルとグランド側コイルとの結合係
数が0.50〜0.60であった。これに対して、本発
明では、信号側コイルSC1とグランド側コイルGCと
の結合係数及び信号側コイルSC2とグランド側コイル
GCとの結合係数は各々0.50〜0.60となり、ま
た、信号側コイルSC1とSC2との結合係数が0.1
5〜0.25とすることができるため、全体の結合係数
を2倍以上にすることができる。
【0069】また、信号側コイルSCの全体のインダク
タンス成分は、コイルの内面積と、コイル定数を考慮し
たターン数によって決定される。例えば、信号側コイル
SC1、SC2のコイルの内面積を0.5mm2、ター
ン数を4.5ターン、コイル定数を1.7とした時、一
方の信号側コイルSC1のインダクタンス値は、6.4
5Hとなり、信号側コイルSC全体では、両信号側コイ
ルSC1、SC2の結合係数を考慮すると10.47H
となる。
【0070】その結果、従来のノイズフィルタに比較し
て、コイルの内面積が1/2となっても、ターン数が2
倍とすることができ、両信号側コイルSC1、SC2の
間で生じる結合により、インダクタンス成分が大きくな
る。
【0071】しかも、グランド側コイルGCと信号側コ
イルSCとの結合が大きくなるため、低周波数領域での
減衰極を大きくすることができる。そして、ノイズ除去
効果を良好にすることができる。
【0072】さらに、グランド側導体パターン3a〜3
eが2つの信号側導体パターン2b〜2f、2l〜2h
に夫々挟まれ、偶数層のパターンと奇数層のパターンが
左右対称となる概略コの字形状である。また、端子電極
6、7と接続する信号コイルSCを左右対称となり、最
終部品形状となったときに、端子電極6,7の方向性を
持たない部品となり、実装時の方向合わせが不要にな
る。
【0073】図5に、本発明のノイズフィルタ10と従
来例のノイズフィルタ60の周波数−インピーダンス
(Z)特性を示す。
【0074】その結果、本発明のノイズフィルタ10に
おいては、低周波数領域における減衰極を、従来例のノ
イズフィルタ60の減衰極に比較して、約200MHz
程度低域側にシフトすることができ、しかも、その減衰
極のインピーダンスを小さくすることができる。従っ
て、低周波数領域におけるノイズ除去効果が改善される
ことがわかる。
【0075】尚、上述の実施例では、平面視した時、グ
ランド側コイルGCを左右から挟持するよに、2つの信
号側コイルSC1、SC2が位置されている。しかし、
左右のみならず、上限方向にも、信号コイルSCを構成
する4つの信号コイルを配置しても構わない。
【0076】
【発明の効果】以上のように、本発明の構成によれば、
信号側コイルとグランド側コイルとで発生する生する磁
束が、その他の隣接するコイルへ結合する度合いが増大
し、その結果、インダクタンス成分を大きくすることに
なる。また、信号側コイルのインダクタンス値を大きく
することができる。これにより、ノイズフィルタとして
安定した特性が実現可能となる。
【0077】さらに、ノイズフィルタ全体からみると、
信号側コイル及びグランド側コイルが端子電極に対して
対象となるため、特に、端子電極に対して方向性を持た
ない部品となり、実装時の方向合わせが不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノイズフィルタの外観斜視図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明のノイズフィルタに用
いる各絶縁層において、導体パターンを示す平面図であ
る。
【図3】本発明のノイズフィルタの積層体の分解斜視図
である。
【図4】本発明のノイズフィルタLC回路T型分布定数
の等価回路図である。
【図5】本発明及び従来のノイズフィルタの特性図であ
る。
【図6】従来のノイズフィルタLC分布定数型の等価回
路図である。
【図7】従来のノイズフィルタの積層体分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 ノイズフィルタ 1 積層体本体 1a〜1g 絶縁層 2a〜2m 信号側導体パターン 3a〜3f グランド側導体パターン 4a〜4l、5a〜5f ビアホール導体 6、7 端子電極 8 グランド側端子電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03H 7/09 H01G 4/40 321A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の絶縁層から成る積層体の各層間
    に、信号側導体パターン及びグランド側導体パターンを
    配置するとともに、前記信号側導体パターンどうしを前
    記絶縁層の厚み方向に接続して螺旋形の信号側コイルを
    形成し、前記グランド側導体パターンどおしを絶縁層の
    厚み方向に接続して螺旋形状のグランド側コイルを形成
    してなる分布定数型のノイズフィルタにおいて、前記信
    号側導体パターンは、同一層間でグランド側導体パター
    ンを挟んで、複数に分割、配置されていることを特徴と
    するノイズフィルタ。
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