JP3965984B2 - ノイズフィルター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、音声信号向け機器等のノイズ対策として使用されるノイズフィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のノイズフィルターは、特開平11−186056号公報に開示されたものが知られている。本従来の技術ではノイズフィルターの一例として、積層コモンモードチョークコイルを例にして説明する。
【0003】
図5は従来のノイズフィルターとしての積層コモンモードチョークコイルを示したものである。
【0004】
図5において、磁性体内に形成されたコモンモードチョークは積層することによって形成されたコイルで、コイル導体14〜25をそれぞれ表面に設けた絶縁性シート26と、絶縁性シート26を積み重ねた最上側及び最下側に位置されたカバーシート27等にて構成されている。コイル導体14〜17は、絶縁性シート26にそれぞれ設けたバイアホール26a〜26cを介して電気的に直列に接続され、絶縁性シート26の積み重ねる上下方向に対して、平行な軸を有する第1の螺旋状コイル11を形成する。次に、コイル導体18〜21は、絶縁性シート26にそれぞれ設けたバイアホール26d〜26fを介して電気的に直列に接続され、絶縁性シート26の積み重ねる上下方向に対して平行な軸を有する第2の螺旋状コイル12を形成する。コイル導体22〜25は、絶縁性シート26にそれぞれ設けたバイアホール26g〜26iを介して電気的に直列に接続され、絶縁性シート26の積み重ねる上下方向に対して平行な軸を有する第3の螺旋状コイル13とされる。
【0005】
各絶縁性シート26は積み重ねられた後、図6に示すような積層体28が形成される。積層体28には、それぞれ3つの第1、第2、第3の螺旋状コイル11、12、13の入力電極29a、29b、29cと出力電極30a、30b、30cが設けられている。
【0006】
第1の螺旋状コイル11は入力電極29a及び出力電極30aに電気的に接続され、第2の螺旋状コイル12は入力電極29b及び出力電極30bに電気的に接続され、第3の螺旋状コイル13は入力電極29c及び出力電極30cに電気的に接続されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のノイズフィルターは、コモンモードのインピーダンス値をさらに高くすることができないという課題を有していた。
【0008】
すなわち、コモンモードのインピーダンス値をさらに高くするためには第1の螺旋状コイル11と第2の螺旋状コイル12との結合係数、及び第3の螺旋状コイル13と第2の螺旋状コイル12との結合係数、さらに第1の螺旋状コイル11と第3の螺旋状コイル13との結合係数を高くしなければならないのだが、コイルの構造が螺旋状になっているため第1の螺旋状コイル11と第2の螺旋状コイル12との結合係数、及び第3の螺旋状コイル13と第2の螺旋状コイル12との結合係数を高めるには限界があり、第1の螺旋状コイル11と第3の螺旋状コイル13との結合がほとんどないという課題である。
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、コモンモードのインピーダンス値を高くでき、コモンモードのノイズの除去特性が高いノイズフィルターを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0011】
本発明の請求項1に記載の発明は、磁性体と、前記磁性体内に設けた第1のインピーダンス素子、第2のインピーダンス素子及び第3のインピーダンス素子と、前記磁性体の外部に設けるとともに前記第1、第2及び第3のインピーダンス素子のいずれかと電気的に接続する外部電極とからなり、前記第1のインピーダンス素子は渦巻き状の第1のコモンインピーダンス素子部及び前記第1のコモンインピーダンス素子部を設けた平面と異なる平面に設けるとともに前記第1のコモンインピーダンス素子部と電気的に接続する第1の内電電極素子部とからなり、前記第2のインピーダンス素子は前記第1のコモンインピーダンス素子部と同一平面に2重渦巻き状に設けた第2のコモンインピーダンス素子部及び前記第2のコモンインピーダンス素子部を設けた平面と異なる平面に設けるとともに前記第2のコモンインピーダンス素子部と電気的に接続する第2の内電電極素子部とからなり、前記第3のインピーダンス素子は、前記第1及び第2のコモンインピーダンス素子部と互いに対向し、かつ前記第1のコモンインピーダンス素子部の少なくとも一部および第2のコモンインピーダンス素子部のうち少なくとも一部と前記磁性体の上方から平面視にて位置ずれしないように渦巻き状に設けた第3のコモンインピーダンス素子部及び前記第3のコモンインピーダンス素子部を設けた平面と異なる平面に設けるとともに前記第3のコモンインピーダンス素子部と電気的に接続する第3の内電電極素子部とからなるもので、この構成によれば、第1のコモンインピーダンス素子部と第3のコモンインピーダンス素子部との結合係数、及び第2のコモンインピーダンス素子部と第3のコモンインピーダンス素子部との結合係数が高くなり、かつ、第1のコモンインピーダンス素子部と第2のコモンインピーダンス素子部の結合係数が高くなり、各コモンモードのインピーダンスを高くできるという作用を有する。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、磁性体と、前記磁性体内に設けた3以上の上部インピーダンス素子及び前記3以上の上部インピーダンスの下方に設けた下部インピーダンス素子と、前記磁性体の外部に設けるとともに前記上部インピーダンス素子又は前記下部インピーダンス素子のいずれかと電気的に接続する外部電極とからなり、前記3以上の上部インピーダンス素子は同一平面上に多重渦巻き状に設けた上部コモンインピーダンス素子部及び前記上部コモンインピーダンス素子部を設けた平面と異なる平面に設けるとともに前記上部コモンインピーダンス素子部と一対一に対応して電気的に接続する上部内電電極部とからなり、前記下部インピーダンス素子部は前記上部コモンインピーダンス素子部と互いに対向し、かつ前記上部コモンインピーダンス素子部と前記磁性体の上方から平面視にて位置ずれしないように渦巻き状に設けた下部コモンインピーダンス素子部及び前記下部コモンインピーダンス素子部を設けた平面と異なる平面に設けるとともに前記下部コモンインピーダンス素子部と電気的に接続する下部内電電極素子部とからなるもので、この構成によれば、少なくとも3つ以上の上部コモンインピーダンス素子部と下部コモンインピーダンス素子部との各々の結合係数が高くなり、かつ、上部コモンインピーダンス素子部どうしの結合係数が高くなり、各コモンモードのインピーダンスを高くできるという作用を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1におけるノイズフィルターについて、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態1におけるノイズフィルターの分解斜視図、図2は同斜視図である。
【0015】
図1、図2において、31は第1のインピーダンス素子で、渦巻き状の第1のコモンインピーダンス素子部36及び第1のコモンインピーダンス素子部36の上方に形成された内電電極の第1の内電電極素子部34からなる。第1のコモンインピーダンス素子部36は第3の引き出し部36aと渦巻きの内部に位置する第3のバイア電極36bとを、第1の内電電極素子部34は第1の引き出し部34aと内側に位置する第1のバイア電極34bとをそれぞれ有している。
【0016】
32は第2のインピーダンス素子で、渦巻き状の第2のコモンインピーダンス素子部37及び第2のコモンインピーダンス素子部37の上方に形成された内電電極の第2の内電電極素子部35からなる。第2のコモンインピーダンス素子部37は第4の引き出し部37aと渦巻きの内部に位置する第4のバイア電極37bとを、第2の内電電極素子部35は第2の引き出し部35aと内側に位置する第2のバイア電極35bとをそれぞれ有している。また、第2のコモンインピーダンス素子部37は、第1のコモンインピーダンス素子部36と2重渦巻き状に形成されている。
【0017】
38は方形の第1の磁性体シートで、第1の内電電極素子部34と第1のコモンインピーダンス素子部36との間、および第2の内電電極素子部35と第2のコモンインピーダンス素子部37との間に形成され、第1のバイアホール38aと第2のバイアホール38bを有している。また、第1のバイア電極34bと第3のバイア電極36bとが第1のバイアホール38aによって互いに接続され、これにより、第1の内電電極素子部34と第1のコモンインピーダンス素子部36とが接続されて、第1のインピーダンス素子31が形成される。同様に、第2のバイア電極35bと第4のバイア電極37bとが第2のバイアホール38bによって互いに接続され、これにより第2の内電電極素子部35と第2のコモンインピーダンス素子部37とが接続されて、第2のインピーダンス素子32が形成される。
【0018】
33は第3のインピーダンス素子で、渦巻き状の第3のコモンインピーダンス素子部40及び第3のコモンインピーダンス素子部40の下方に形成された内電電極の第3の内電電極素子部41からなる。第3のコモンインピーダンス素子部40は第5の引き出し部40aと渦巻きの中心に位置する第5のバイア電極40bとを、第3の内電電極素子部41は第6の引き出し部41aと内側に位置する第6のバイア電極41bとをそれぞれ有している。
【0019】
42は方形の第3の磁性体シートで、第3のコモンインピーダンス素子部40と第3の内電電極素子部41との間に形成され、第3のバイアホール42aを有している。また、第5のバイア電極40bと第6のバイア電極41bとが第3のバイアホール42aによって互いに接続され、これにより、第3のコモンインピーダンス素子部40と第3の内電電極素子部41とが接続されて、第3のインピーダンス素子33が形成される。
【0020】
このとき、第1、第2及び第3の内電電極素子部34、35、41並びに第1、第2及び第3のコモンインピーダンス素子部36、37、40は銀などの導電体からなり、その長さ、幅、厚みは所定の特性に合致するように調整すればよい。また、これらはそれぞれ、一平面上に形成されている。
【0021】
また、同一平面に形成されている第1のコモンインピーダンス素子部36と第2のコモンインピーダンス素子部37の2つの導体と第3のコモンインピーダンス素子部40とは、互いに対向し、かつその間は絶縁されている。さらに、同じ方向に引き出されている第1、第2、第5の引き出し部34a、35a、40aから第3、第4、第6の引き出し部36a、37a、41aへ電流を流したとき、第1の内電電極素子部34または第2の内電電極素子部35の上方から平面視にて第1のコモンインピーダンス素子部36、第2のコモンインピーダンス素子部37と第3のコモンインピーダンス素子部40に同じ方向に電流が流れるように形成されている。
【0022】
39は方形の第2の磁性体シートで、第1のコモンインピーダンス素子部36または第2のコモンインピーダンス素子部37と第3のコモンインピーダンス素子部40との間に形成されている。第2の磁性体シート39によって第1のコモンインピーダンス素子部36または第2のコモンインピーダンス素子部37と第3のコモンインピーダンス素子部40との間が絶縁される。
【0023】
43は方形の第4の磁性体シートで、第1の内電電極素子部34及び第2の内電電極素子部35の上面と、第3の内電電極素子部41の下面にそれぞれ形成されている。
【0024】
そして第1、第2、第3及び第4の磁性体シート38、39、42、43は、フェライト粉体の酸化物及び樹脂からなる混合物から構成され、また、上記したように上下方向に積層することによって方形で板状の磁性体44が形成される。なお、磁性体44は板状でなく、ある程度の厚みを有した略直方体形状でもよい。また、磁性体44は必ずしも方形である必要はない。さらに、それぞれの厚みは、所定の特性(耐電圧など)によって適宜調整すればよく、厚みの調整は、磁性体シート自体の厚みを変えるか、形成される磁性体シートの枚数を変えることによって行うことができる。
【0025】
45a、45b、45c、46a、46b、46cは磁性体44の両端面に形成された外部電極で、45aと45bと45cは磁性体44の一端面に、46aと46bと46cは磁性体44の他の端面に設けられている。また、外部電極45a、45b、45c、46a、46b、46cは、銀などの導体の表面に、ニッケルめっき、すずやはんだなどの低融点金属めっきが施されている。
【0026】
そして、第1のインピーダンス素子31の第1の引き出し部34aが外部電極45aと、第3の引き出し部36aが外部電極46aとそれぞれ電気的に接続されている。同様に、第2のインピーダンス素子32の第2の引き出し部35aが外部電極45cと、第4の引き出し部37aが外部電極46cとそれぞれ電気的に接続されている。さらに同様に、第3のインピーダンス素子33の第5の引き出し部40aが外部電極45bと、第6の引き出し部41aが外部電極46bとそれぞれ電気的に接続されている。
【0027】
以上のように構成されたノイズフィルターは、第1のコモンインピーダンス素子部36、第2のコモンインピーダンス素子部37、および第3のコモンインピーダンス素子部40が渦巻き状に形成されたため、第1のコモンインピーダンス素子部36または第2のコモンインピーダンス素子部37と第3のコモンインピーダンス素子部40との重複領域が増加される。これにより第1のコモンインピーダンス素子部36、第2のコモンインピーダンス素子部37と第3のコモンインピーダンス素子部40とに同方向の電流が流れれば、第1のコモンインピーダンス素子部36または第2のコモンインピーダンス素子部37、第3のコモンインピーダンス素子部40でそれぞれ発生する磁束を互いに強め合うことができるため、これらの結合係数を高め、コモンモードのインピーダンス値を高くできるという効果が得られる。加えて、第1のコモンインピーダンス素子部36、第2のコモンインピーダンス素子部37で発生する磁束をさらに強め合うことができるため、よりコモンモードのインピーダンス値を高くできるという効果が得られる。
【0028】
なお、第1のコモンインピーダンス素子部36、第2のコモンインピーダンス素子部37、第3のコモンインピーダンス素子部40の形状を渦巻き状にすることによって、導体の長さを長くできるため、第1のコモンインピーダンス素子部36、第2のコモンインピーダンス素子部37、第3のコモンインピーダンス素子部40の複数領域がより増加されることができ、これにより第1のコモンインピーダンス素子部36と第2のコモンインピーダンス素子部37と第3のコモンインピーダンス素子部40とに同方向の電流が流れれば、コモンモードのインピーダンス値をより高くできるという作用が得られる。
【0029】
また、少なくとも第1のコモンインピーダンス素子部36、第2のコモンインピーダンス素子部37、第3のコモンインピーダンス素子部40のいずれかひとつを電鋳法によって形成することにより、狭い導体幅、細かい導体線間ピッチが実現できるため、渦巻き状の第1のコモンインピーダンス素子部36、第2のコモンインピーダンス素子部37、第3のコモンインピーダンス素子部40の長さをさらに長くでき、これにより、第1のコモンインピーダンス素子部36、第2のコモンインピーダンス素子部37、第3のコモンインピーダンス素子部40との重複領域がさらに増加されることができるため、第1のコモンインピーダンス素子部36、第2のコモンインピーダンス素子部37、第3のコモンインピーダンス素子部40とに同方向の電流が流れれば、第1のコモンインピーダンス素子部36、第2のコモンインピーダンス素子部37、第3のコモンインピーダンス素子部40でそれぞれ発生する磁束を互いにさらに強め合うことができ、これらの結合係数を高め、これにより、コモンモードのインピーダンス値をさらに高くできる。
【0030】
さらに、コモンモードのインピーダンス値に影響を与えるのは第1、第2、第3のコモンインピーダンス素子部36、37、40であるので、第1、第2、第3の内電電極素子部34、35、41が磁性体44の上方から平面視にて位置ずれしても構わない。
【0031】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2におけるノイズフィルターについて、図面を参照しながら説明する。
【0032】
図3は本発明の実施の形態2におけるノイズフィルターの分解斜視図、図4は同斜視図である。
【0033】
図3、図4において、51は第1のインピーダンス素子で、渦巻き状の第1のコモンインピーダンス素子部58及び第1のコモンインピーダンス素子部58の上方に形成された内電電極の第1の内電電極素子部55からなる。第1のコモンインピーダンス素子部58は第4の引き出し部58aと渦巻きの内部に位置する第4のバイア電極58bとを、第1の内電電極素子部55は第1の引き出し部55aと内側に位置する第1のバイア電極55bとをそれぞれ有している。
【0034】
52は第2のインピーダンス素子で、渦巻き状の第2のコモンインピーダンス素子部59及び第2のコモンインピーダンス素子部59の上方に形成された内電電極の第2の内電電極素子部56からなる。第2のコモンインピーダンス素子部59は第5の引き出し部59aと渦巻きの内部に位置する第5のバイア電極59bとを、第2の内電電極素子部56は第2の引き出し部56aと内側に位置する第2のバイア電極56bとをそれぞれ有している。
【0035】
53は第3のインピーダンス素子で、渦巻き状の第3のコモンインピーダンス素子部60及び第3のコモンインピーダンス素子部60の上方に形成された内電電極の第3の内電電極素子部57からなる。第3のコモンインピーダンス素子部60は第6の引き出し部60aと渦巻きの内部に位置する第6のバイア電極60bとを、第3の内電電極素子部57は第3の引き出し部57aと内側に位置する第3のバイア電極57bとをそれぞれ有している。
【0036】
61は方形の第1の磁性体シートで、第1の内電電極素子部55と第1のコモンインピーダンス素子部58との間、または第2の内電電極素子部56と第2のコモンインピーダンス素子部59との間、さらにまたは第3の内電電極素子部57と第3のコモンインピーダンス素子部60との間に形成され、第1のバイアホール61aと第2のバイアホール61bおよび第3のバイアホール61cを有している。また、第1のバイア電極55bと第4のバイア電極58bとが第1のバイアホール61aによって互いに接続され、これにより、第1の内電電極素子部55と第1のコモンインピーダンス素子部58とが接続されて、第1のインピーダンス素子51が形成される。同様に、第2のバイア電極56bと第5のバイア電極59bとが第2のバイアホール61bによって互いに接続され、これにより第2の内電電極素子部56と第2のコモンインピーダンス素子部59とが接続されて、第2のインピーダンス素子52が形成される。同様に、第3のバイア電極57bと第6のバイア電極60bとが第3のバイアホール61cによって互いに接続され、これにより第3の内電電極素子部57と第3のコモンインピーダンス素子部60とが接続されて、第3のインピーダンス素子53が形成される。尚、第1のインピーダンス素子51、第2のインピーダンス素子52、第3のインピーダンス素子53は、それぞれ上部インピーダンス素子とする。
【0037】
54は第4のインピーダンス素子で、渦巻き状の第4のコモンインピーダンス素子部63及び第4のコモンインピーダンス素子部63の下方に形成された内電電極の第4の内電電極素子部64からなる。第4のコモンインピーダンス素子部63は第7の引き出し部63aと渦巻きの中心に位置する第7のバイア電極63bとを、第4の内電電極素子部64は第8の引き出し部64aと内側に位置する第8のバイア電極64bとをそれぞれ有している。
【0038】
65は方形の第3の磁性体シートで、第4のコモンインピーダンス素子部63と第4の内電電極素子部64との間に形成され、第4のバイアホール65aを有している。また、第7のバイア電極63bと第8のバイア電極64bとが第4のバイアホール65aによって互いに接続され、これにより、第4のコモンインピーダンス素子部63と第4の内電電極素子部64とが接続されて、第4のインピーダンス素子54が形成される。尚、第4のインピーダンス素子54は下部インピーダンス素子とする。
【0039】
このとき、第1、第2、第3及び第4の内電電極素子部55、56、57、64並びに第1、第2、第3及び第4のコモンインピーダンス素子部58、59、60、63は銀などの導電体からなり、その長さ、幅、厚みは所定の特性に合致するように調整すればよい。これらはそれぞれ一平面内に形成されている。
【0040】
また、同一平面に形成されている第1のコモンインピーダンス素子部58と第2のコモンインピーダンス素子部59および第3のコモンインピーダンス素子部60の3つの導体と第4のコモンインピーダンス素子部63とは、互いに対向し、かつその間は絶縁されている。さらに、同じ方向に引き出されている第1、第2、第3、第7の引き出し部55a、56a、57a、63aから第4、第5、第6、第8の引き出し部58a、59a、60a、64aへ電流を流したとき、第1の内電電極素子部55または第2の内電電極素子部56あるいは第3の内電電極素子部57の上方から平面視にて第1のコモンインピーダンス素子部58、第2のコモンインピーダンス素子部59、第3のコモンインピーダンス素子部60と第4のコモンインピーダンス素子部63に同じ方向に電流が流れるように形成されている。
【0041】
62は方形の第2の磁性体シートで、第1のインピーダンス素子51または第2のインピーダンス素子52または第3のインピーダンス素子53と第4のインピーダンス素子54との間(第1のコモンインピーダンス素子部58または第2のコモンインピーダンス素子部59または第3のコモンインピーダンス素子部60と第4のコモンインピーダンス素子部63との間)に形成されている。第2の磁性体シート62によって第1のコモンインピーダンス素子部58または第2のコモンインピーダンス素子部59または第3のコモンインピーダンス素子部60と第4のコモンインピーダンス素子部63との間が絶縁される。
【0042】
66は方形の第4の磁性体シートで、第1の内電電極素子部55、第2の内電電極素子部56及び第3の内電電極素子部57の上面と、第4の内電電極素子部64の下面にそれぞれ形成されている。
【0043】
そして第1、第2、第3、第4の磁性体シート61、62、65、66は、フェライト粉体の酸化物及び樹脂からなる混合物から構成され、また、上記したように上下方向に積層することによって方形で板状の磁性体67が形成される。なお、磁性体67は板状でなく、ある程度の厚みを有してもよい。また、磁性体67は必ずしも方形である必要はない。さらに、それぞれの厚みは、所定の特性(耐電圧など)によって適宜調整すればよく、厚みの調整は、磁性体シート自体の厚みを変えるか、形成される磁性体シートの枚数を変えることによって行う。
【0044】
68a、68b、68c、69a、69b、69c、70a、70bは磁性体67の両端面に形成された外部電極で、外部電極68aと68bと68cは磁性体67の一端面に、外部電極69aと69bと69cはこれらと対向する磁性体67の他の端面に設けられ、70aはこれらと直角方向の磁性体67の一端面に、70bはこれと対向する磁性体67の他の端面に設けられている。また、外部電極68a、68b、68c、69a、69b、69c、70a、70bは、銀などの導体の表面に、ニッケルめっき、すずやはんだなどの低融点金属めっきが施されている。
【0045】
そして、第1のインピーダンス素子51の第1の引き出し部55aが外部電極68aと、第4の引き出し部58aが外部電極69aと電気的に接続されている。同様に、第2のインピーダンス素子52の第2の引き出し部56aが外部電極68bと、第5の引き出し部59aが外部電極69bと電気的に接続されている。同様に、第3のインピーダンス素子53の第3の引き出し部57aが外部電極68cと、第6の引き出し部60aが外部電極69cと電気的に接続されている。同様に、第4のインピーダンス素子54の第7の引き出し部63aが外部電極70aと、第8の引き出し部64aが外部電極70bと電気的に接続されている。
【0046】
以上のように構成されたノイズフィルターは、第1のコモンインピーダンス素子部58と第2のコモンインピーダンス素子部59と第3のコモンインピーダンス素子部60と第4のコモンインピーダンス素子部63が渦巻き状に形成されたため、第1のコモンインピーダンス素子部58または第2のコモンインピーダンス素子部59または第3のコモンインピーダンス素子部60と第4のコモンインピーダンス素子部63との重複領域が増加されることができる。この結果、第1のコモンインピーダンス素子部58、第2のコモンインピーダンス素子部59、第3のコモンインピーダンス素子部60と第4のコモンインピーダンス素子部63とに同方向の電流が流れれば、第1のコモンインピーダンス素子部58、第2のコモンインピーダンス素子部59、第3のコモンインピーダンス素子部60または第4のコモンインピーダンス素子部63でそれぞれ発生する磁束を互いに強め合うことができるため、これらの結合係数を高め、コモンモードのインピーダンス値を高くできるという効果が得られる。加えて、第1のコモンインピーダンス素子部58と第2のコモンインピーダンス素子部59、第2のコモンインピーダンス素子部59と第3のコモンインピーダンス素子部60、第1のコモンインピーダンス素子部58と第3のコモンインピーダンス素子部60との重複領域も増加されるので、第1のコモンインピーダンス素子部58、第2のコモンインピーダンス素子部59、第3のコモンインピーダンス素子部60で発生する磁束をさらに強め合うことができるため、よりコモンモードのインピーダンス値を高くできるという効果が得られる。
【0047】
なお、第1のコモンインピーダンス素子部58、第2のコモンインピーダンス素子部59、第3のコモンインピーダンス素子部60、第4のコモンインピーダンス素子部63の形状を渦巻き状にすることによって、導体の長さを長くできるため、第1のコモンインピーダンス素子部58、第2のコモンインピーダンス素子部59、第3のコモンインピーダンス素子部60、第4のコモンインピーダンス素子部63の複数領域がより増加されることができ、これにより、第1のコモンインピーダンス素子部58と第2のコモンインピーダンス素子部59と第3のコモンインピーダンス素子部60と第4のコモンインピーダンス素子部63とに同方向の電流が流れれば、コモンモードのインピーダンス値をより高くできるという効果が得られる。
【0048】
また、少なくとも第1のコモンインピーダンス素子部58、第2のコモンインピーダンス素子部59、第3のコモンインピーダンス素子部60、第4のコモンインピーダンス素子部63のいずれかひとつは電鋳法によって形成されており、狭い導体幅、細かい導体線間ピッチが実現できるため、渦巻き状の第1のコモンインピーダンス素子部58、第2のコモンインピーダンス素子部59、第3のコモンインピーダンス素子部60、第4のコモンインピーダンス素子部63の長さをさらに長くでき、これにより、第1のコモンインピーダンス素子部58、第2のコモンインピーダンス素子部59、第3のコモンインピーダンス素子部60、第4のコモンインピーダンス素子部63との重複領域がさらに増加されることができるため、第1のコモンインピーダンス素子部58、第2のコモンインピーダンス素子部59、第3のコモンインピーダンス素子部60、第4のコモンインピーダンス素子部63とに同方向の電流が流れれば、第1のコモンインピーダンス素子部58、第2のコモンインピーダンス素子部59、第3のコモンインピーダンス素子部60、第4のコモンインピーダンス素子部63でそれぞれ発生する磁束を互いにさらに強め合うことができ、これにより、コモンモードのインピーダンス値をさらに高くできる。
【0049】
さらに、コモンモードのインピーダンス値に影響を与えるのは第1、第2、第3、第4のコモンインピーダンス素子部58、59、60、63であるので、第1、第2、第3、第4の内電電極素子部55、56、57、64が、磁性体67の上方から平面視にて位置ずれしたりしても構わない。
【0050】
また、外部電極68a、68b、68c、69a、69b、69c、70a、70bは磁性体67の両端面に形成されているが、68a、68b、68c、70aが磁性体67の一端面に、69a、69b、69c、70bは磁性体67の一端面に設けられていても構わない。
【0051】
さらには、3つの上部インピーダンス素子、3つの上部コモンインピーダンス素子について説明したが、4つまたはそれ以上の上部インピーダンス素子、4つまたはそれ以上の上部コモンインピーダンス素子にも本発明を適用することができる。
【0052】
【発明の効果】
上述したように本発明は、第1のコモンインピーダンス素子部と第3のコモンインピーダンス素子部との結合係数、及び第2のコモンインピーダンス素子部と第3のコモンインピーダンス素子部との結合係数が高くなり、かつ、第1のコモンインピーダンス素子部と第2のコモンインピーダンス素子部の結合係数が高くなるので、各コモンモードのインピーダンスを高くできるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるノイズフィルターの分解斜視図
【図2】同斜視図
【図3】本発明の実施の形態2におけるノイズフィルターの分解斜視図
【図4】同斜視図
【図5】従来の形態におけるノイズフィルターの分解斜視図
【図6】同斜視図
【符号の説明】
31 第1のインピーダンス素子
32 第2のインピーダンス素子
33 第3のインピーダンス素子
34 第1の内電電極素子部
35 第2の内電電極素子部
36 第1のコモンインピーダンス素子部
37 第2のコモンインピーダンス素子部
40 第3のコモンインピーダンス素子部
41 第3の内電電極素子部
44 磁性体
Claims (2)
- 磁性体と、前記磁性体内に設けた第1のインピーダンス素子、第2のインピーダンス素子及び第3のインピーダンス素子と、前記磁性体の外部に設けるとともに前記第1、第2及び第3のインピーダンス素子のいずれかと電気的に接続する外部電極とからなり、
前記第1のインピーダンス素子は渦巻き状の第1のコモンインピーダンス素子部及び前記第1のコモンインピーダンス素子部を設けた平面と異なる平面に設けるとともに前記第1のコモンインピーダンス素子部と電気的に接続する第1の内電電極素子部とからなり、
前記第2のインピーダンス素子は前記第1のコモンインピーダンス素子部と同一平面に2重渦巻き状に設けた第2のコモンインピーダンス素子部及び前記第2のコモンインピーダンス素子部を設けた平面と異なる平面に設けるとともに前記第2のコモンインピーダンス素子部と電気的に接続する第2の内電電極素子部とからなり、
前記第3のインピーダンス素子は、前記第1及び第2のコモンインピーダンス素子部と互いに対向し、かつ前記第1のコモンインピーダンス素子部の少なくとも一部および第2のコモンインピーダンス素子部のうち少なくとも一部と前記磁性体の上方から平面視にて位置ずれしないように渦巻き状に設けた第3のコモンインピーダンス素子部及び前記第3のコモンインピーダンス素子部を設けた平面と異なる平面に設けるとともに前記第3のコモンインピーダンス素子部と電気的に接続する第3の内電電極素子部とからなるノイズフィルター。 - 磁性体と、前記磁性体内に設けた3以上の上部インピーダンス素子及び前記3以上の上部インピーダンスの下方に設けた下部インピーダンス素子と、前記磁性体の外部に設けるとともに前記上部インピーダンス素子又は前記下部インピーダンス素子のいずれかと電気的に接続する外部電極とからなり、
前記3以上の上部インピーダンス素子は同一平面上に多重渦巻き状に設けた上部コモンインピーダンス素子部及び前記上部コモンインピーダンス素子部を設けた平面と異なる平面に設けるとともに前記上部コモンインピーダンス素子部と一対一に対応して電気的に接続する上部内電電極部とからなり、
前記下部インピーダンス素子は前記上部コモンインピーダンス素子部と互いに対向し、かつ前記上部コモンインピーダンス素子部と前記磁性体の上方から平面視にて位置ずれしないように渦巻き状に設けた下部コモンインピーダンス素子部及び前記下部コモンインピーダンス素子部を設けた平面と異なる平面に設けるとともに前記下部コモンインピーダンス素子部と電気的に接続する下部内電電極素子部とからなるノイズフィルター。
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