JP2002110404A - 有機ptc素子 - Google Patents

有機ptc素子

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JP2002110404A
JP2002110404A JP2000294382A JP2000294382A JP2002110404A JP 2002110404 A JP2002110404 A JP 2002110404A JP 2000294382 A JP2000294382 A JP 2000294382A JP 2000294382 A JP2000294382 A JP 2000294382A JP 2002110404 A JP2002110404 A JP 2002110404A
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polyethylene
organic ptc
average molecular
ptc element
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JP2000294382A
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Masao Makishima
正夫 槇島
Hideto Ishikawa
秀人 石川
Mitsuru Matsuzawa
充 松澤
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Nichias Corp
Original Assignee
Nichias Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続通電後における電気抵抗値の変化が小さ
く、かつ耐電圧の高い有機PTC素子を提供する。 【解決手段】 重量平均分子量(Mw)が100000
以上であり、かつ数平分子量をMnとする分子量分布
(Mn/Mw)が0.15以上であるポリエチレンに導
電性粒子を分散させたシート材を一対の電極で挟持して
なる有機PTC素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機PTC素子に
関し、さらに詳しくは、繰り返しの使用における特性変
化が小さく、かつ耐電圧の高い有機PTC素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、有機PTC素子は、ベースポリ
マーの高分子材料中にカーボンブラック等の導電材料の
粉末を分散させた組成物のシート材に一対の電極を設け
てなり、通電電流がある程度以上多くなると、自己発熱
によって電気抵抗値が急激に上昇し、通電電流を制限す
る、所謂PTC特性を有している。
【0003】この有機PTC素子は、従来から、上記特
性を利用して、例えばヒューズに代わるデバイスとして
用いられている。また、発熱量の上限が制限されること
から、一定量の発熱を行わせたいヒータ素子としても用
いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、有機PTC
素子がPTC特性を発現する作動機構は、高分子材料が
溶融状態あるいはそれに近い状態となることで、導電材
料による導電経路が遮断され、それにより電気抵抗値が
急激に上昇するものとして説明されている。
【0005】しかし、有機PTC素子においては、この
ような作動機構で繰り返し作動させると、高分子材料の
状態が変化し、流れる電流値の上限や発熱量等の特性が
変化してしまうという問題がある。これは、高分子材料
が一旦溶融状態あるいはそれに近い状態となった後、元
の状態に完全には復元しないことに起因する。また、こ
のような繰り返し作動による特性変化は、有機PTC素
子の連続通電後における常温での電気抵抗値の変化を調
べることにより推し量ることができる。即ち、連続通電
後における常温での電気抵抗値の変化が小さいほど、繰
り返し作動による特性の変化が小さい、優れたPTC素
子であると評価することができる。
【0006】上記問題に関連して、ある程度以上の重量
平均分子量(Mw)を有するポリエチレンをベースポリ
マーとすることにより、連続通電後における電気抵抗値
の変化が小さくなることが知られている。例えば、特開
昭62−93902号公報には、有機PTC素子のベー
スポリマーとして、重量平均分子量150000〜40
0000のポリエチレンが好ましいことが記載されてい
る。
【0007】確かに、有機PTC素子のベースポリマー
として、重量平均分子量(Mw)がある程度以上のポリ
エチレンを用いることにより、有機PTC素子の連続通
電後における電気抵抗値の変化を小さくすることができ
るようになる。しかし、一方で通電量を増やす要求も高
く、そのためには所謂「耐電圧」の改善が必要となる
が、重量平均分子量(Mw)を規定するだけでは、十分
な耐電圧を兼ね備える有機PTC素子が得られないこと
が判明した。
【0008】従って、本発明の目的は、上記従来の状況
に鑑み、連続通電後における電気抵抗値の変化が小さ
く、かつ耐電圧の高い有機PTC素子を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、重量平均分子量(Mw)が100000
以上であり、かつ数平分子量をMnとする分子量分布
(Mn/Mw)が0.15以上であるポリエチレンに導
電性粒子を分散させたシート材を一対の電極で挟持して
なることを特徴とする有機PTC素子を提供する。
【0010】本発明においては、ベースポリマーに用い
るポリエチレンの重量平均分子量(Mw)を10000
0以上とすることにより、連続通電後における電気抵抗
値の変化を小さくでき、一方その分子量分布(Mn/M
w)を0.15以上とすることにより、耐電圧を高める
ことができるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳細に説明
する。
【0012】本発明において、ベースポリマーは、重量
平均分子量(Mw)が100000以上であり、好まし
くは100000〜500000、さらに好ましくは1
50000〜500000であり、かつ分子量分布(M
n/Mw)が0.15以上であり、好ましくは0.20
以上のポリエチレンである。尚、重量平均分子量(M
w)および数平均分子量(Mn)は、下記に示す式
(I)及び(II)でそれぞれ定義される。
【0013】
【数1】
【0014】一般に、分子量分布(Mn/Mw)は、そ
の値が小さいほど分子量分布が広いことを意味し、その
値が大きいほど分子量分布が狭いことを意味するが、そ
の理論的最大値は1であり、この場合は単一の分子量の
分子によって高分子材料が構成されることを意味する。
従って、本発明においても分子量分布(Mn/Mw)の
上限は理論的には1であるが、現実的に入手可能な上限
は0.5程度である。本発明において分子量分布(Mn
/Mw)が0.15以上と規定することは、分子量の比
較的揃ったポリエチレン分子でベースポリマーを構成す
ることを意味し、それにより耐電圧を向上させることが
できる。
【0015】尚、本発明においては、上記の重量平均分
子量(Mw)及び分子量分布(Mn/Mw)を有するポ
リエチレンであれば、特にその製造由来等を問うことな
く適宜用いることができる。
【0016】本発明の有機PTC素子に使用される導電
性粒子としては、従来から知られているカーボンブラッ
クやグラファイトが適当であり、特にカーボンブラック
が好ましい。また、その粒径としては20〜80nm程
度が適当である。この導電性粒子のポリエチレンベース
ポリマーに対する配合割合は、30〜50重量%が適当
である。
【0017】本発明の有機PTC素子に使用される電極
材料としては、従来から知られている銅やニッケル、ア
ルミニウム等の金属箔が適当である。
【0018】本発明の有機PTC素子の作製は、従来か
ら知られた有機PTC素子の作製法に準じて適宜行うこ
とができる。一例を示すと、先ず、上記所定の重量平均
分子量(Mw)および分子量分布(Mn/Mw)を有す
るポリエチレンの粒子と、導電性粒子とを、混練機等を
用いて混練し、導電性ポリエチレン組成物を得る。その
際、用いるポリエチレンの粒子としては、粒径30〜5
0μm程度のものが好ましい。次いで、得られた導電性
ポリエチレン組成物を、熱プレスにより適当な厚さ、例
えば0.5〜5mmの厚さにプレスしてシート材に成形
する。次いで、得られたシート材の両面に、片面を粗面
化処理した電解金属箔を2枚用いて、粗面化処理した方
の面がシート材表面に接するようにして挟み込み、さら
に熱プレスして密着固定して一対の電極を形成する。こ
の熱プレスにより、シート材の厚さが更に1/2程度に
圧縮される。かくして得られた、両面にそれぞれ電解金
属箔が密着固定されたシート材を所望の大きさに切断す
ることにより、目的の有機PTC素子が得られる。
【0019】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。
【0020】(実施例1、比較例1〜3)重量平均分子
量(Mw)及び分子量分布(Mn/Mw)が表1に示し
たとおりのポリエチレン粒子(粒径30μm)と、カー
ボンブラック(粒径40nm)とを表1に示した割合で
配合して混練した。得られた混練物を加熱温度170
℃、圧力50kgf/cm2 の熱プレスにより厚さ2m
mのシート材に成形した。得られたシート材の両面に、
厚さ100μmで片面が粗面化処理された電解ニッケル
箔を2枚用いて、電解ニッケル箔の粗面化処理した方の
面がシート材表面に接するように挟み込み、加熱温度1
70℃、圧力50kgf/cm2 の熱プレスを行い、電
解ニッケル箔をシート材の両面に密着固定させると共
に、全体を厚さ1mmに成形した。そして、得られた成
形品を9mm×7mmの大きさに切断して有機PTC素
子の試験片を得た。
【0021】得られた試験片に対して、DC12V、突
入電流5Aの通電を200時間行い、その後、抵抗値の
変化を測定した。また、絶縁破壊する電圧を測定した。
抵抗値の変化は、通電前の抵抗値Rと通電後の抵抗値
から、下記式(III)により算出した。これらの結果
を表1に併記した。
【0022】
【数2】
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように、ポリエチレンの
重量平均分子量(Mw)が大きくても、分子量分布(M
n/Mw)が小さいと、通電後の抵抗値変化率は良い
が、耐電圧が低く所期の目的が達せられない。
【0025】従って、許容される抵抗値変化と、要求さ
れる耐電圧とを両立させるためには、ポリエチレンの重
量平均分子量(Mw)が100000以上であり、かつ
その分子量分布(Mn/Mw)が0.15以上であるこ
とが肝要である。この条件を満たすポリエチレンをベー
スポリマーに用いることで、有機PTC素子のDC12
V、通電200時間の連続通電前後における抵抗値変化
率を25%以下とすることができ、かつその耐電圧を2
00V以上とすることができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
連続通電後における電気抵抗値の変化が小さく、しかも
耐電圧の高い有機PTC素子が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA15 AA81 AB03 AE15 AH12 BA01 BB04 BC01 4J002 BB021 DA026 DA036 5E034 AB05 AC10 AC18 DC05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量(Mw)が100000
    以上であり、かつ数平分子量をMnとする分子量分布
    (Mn/Mw)が0.15以上であるポリエチレンに導
    電性粒子を分散させたシート材を一対の電極で挟持して
    なることを特徴とする有機PTC素子。
JP2000294382A 2000-09-27 2000-09-27 有機ptc素子 Pending JP2002110404A (ja)

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