JP2002109626A - 自動販売機の支持脚用キャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送時に、自動販売機が破損すること、及び
支持脚からキャップが外れることを防止する。 【解決手段】 支持脚１１は、六角ボルト形状の軸部１
３と、接地部１４とが一体に形成されており、雄ネジ部
１７及びナット１６ｂにより自販機本体３の外装板に取
り付けられている。挿通路２２及びスロット２３から支
持脚１１を挿入し、接地板１４の底面を内部受け面２４
に当接する。スロット２３の幅は、雄ネジ部１７の外径
に合わせられているので、接地板１４が上方へ外れるこ
とがない。また、挿通路２２の底面２２ａは、内部受け
面２４よりも一段高く形成されているので、接地板１４
が図中水平方向に外れることがない。キャップ２０が支
持脚１１に装着されると、自販機本体３の輪郭から突出
するので、隣接する自動販売機との間に間隔が生ずる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動販売機（以
下、自販機）を輸送する際にその支持脚に装着して使用
されるキャップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から様々な商品が自販機で販売され
ている。自販機の多くは、縦長の箱型形状で、その底面
の４隅には支持脚が固定されている。一般に自販機の支
持脚は、自販機の底面枠に螺合させる雄ネジをきった軸
部と、その下端に一体化され軸部よりも大径の円板形状
をした接地板とからなっている。

【０００３】自販機を設置場所まで輸送する際には、通
常、何台かの自販機をまとめてトラックの荷台に積み込
むことが多い。このような場合、輸送中の振動などで自
販機が互いにぶつかり合って傷つくことを防ぐために自
販機の各々には木製の保護枠が嵌められる。これらの自
販機は、さらに荷台上で移動することがないようにまと
めてロープ架けされるが、保護枠が緩衝材としても作用
するので効率的な輸送を行うことができる。

【０００４】また、設置場所まで輸送した後には、ロー
プ架けを解いて自販機を保護枠付きのまま一台ずつ荷台
から搬出する。このとき、自販機を保護枠ごと荷台の端
の方に移動させて保護枠の下部にフォークリフトの腕を
差し込み、フォークリフトで保護枠ごと自販機を荷台か
ら下ろしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、保護枠
は自販機の輸送時や荷台から下ろすときに、自販機を保
護するために用いられるが、自販機を設置場所まで移動
させた後には不要物となり、その場で分解して廃棄され
ることが多い。もちろん、持ち帰って再利用することも
可能ではあるが、分解した後の積み込みが作業が面倒な
こともあって、ほとんどの場合、廃棄物として処理され
る。したがって、輸送のたびにこのような保護枠を利用
することは産業廃棄物を増やすことにつながり、環境保
全の面からも改善が望まれていた。

【０００６】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、従来のような保護枠を用いることなく輸送時に自販
機を保護し、また、積み卸し作業もこれまでと同様に行
うことができ、しかも使用後には持ち帰って再使用する
ことができる自販機の支持脚用キャップを提供すること
を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するにあたり、自販機の底面に固着されている支持脚が
軸部とその下端にフランジ状に一体的に形成された接地
板からなることに着目し、この支持脚にキャップを嵌め
ることによって輸送時の自販機の保護及び、荷台からの
積み卸し作業を簡便かつ効率的に行うことができるよう
にしたものである。このため、本発明の支持脚用キャッ
プは、側面から内部に向かって支持脚の軸部と接地板と
を進入させる挿通路と、この挿通路に沿って進入してく
る軸部を上方に貫通させるために上面に形成されたスロ
ットと、前記挿通路及びスロットに連通する内部に形成
され、挿通路の底面よりも低い位置で接地板の底面を支
持する内部受け面とを備え、支持脚への装着時には、自
動販売機の底面輪郭外に突出する外形寸法を持つ。前記
挿通路は支持脚の挿通方向と直交する断面において、支
持脚の軸方向を断面形状に合わせることが好ましく、ま
た支持脚用キャップ滑性に富むプラスチック材で作り、
その底面を平坦面にするのがよい。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、上記自販機の支持脚用キャ
ップの構成及び機能について、図示した実施形態に基づ
いて説明する。図２は、本発明の支持脚用キャップが装
着される自動販売機２の外観斜視図を示すものである。
箱型形状をした自販機本体３の前面には、商品の展示窓
５と、商品の選択ボタン６と、開閉自在なカバー７で覆
われ、購入された商品が排出される排出部と、コインや
貨幣の投入口及び返却操作つまみが組み込まれた貨幣投
入部８と、釣り銭排出口９とが設けられている。

【０００９】自動販売機２の底面の４隅には、自販機本
体３を支持する支持脚１１が取り付けられている。図３
に示すように、支持脚１１は、自販機本体３の底面に固
定される軸部１３と、軸部１３の下端に固着され、地面
に接する接地板１４とが一体に形成されている。軸部１
３は、ナット１６ａ，１６ｂに螺合する雄ネジ部１７
と、六角柱形状に形成され、スパナ等に嵌合するネジ頭
部１８とからなる。ナット１６ａは、自販機本体３の外
装板１９の内壁に溶接で固着されている。支持脚１１を
自販機本体３に取り付けるには、まず、ナット１６ｂを
雄ネジ部１７の中間付近まで螺合させておく。そして、
自販機本体３の外装板１９に形成された開口１９ａを挿
通して、雄ネジ部１７をナット１６ａに螺合させる。さ
らにナット１６ｂで、外装板１９の外側から締め付ける
ことによって緩みを無くし、軸部１３を自販機本体３の
底面に確実に固定する。

【００１０】円盤形状の接地板１４は、ネジ頭部１８の
下方に配置され、雄ネジ部１７及びネジ頭部１８よりも
大きな外径となっている。支持脚１１が自販機本体３に
取り付けられたとき、接地板１４が、自販機本体３の底
面における前後端及び左右両側端の輪郭から突出しない
ように配置されている。

【００１１】図１、及び図４に示すように、４つの支持
脚１１には、自動販売機２が搬送される際、本発明の支
持脚用キャップ（以下、単にキャップとする。）２０が
装着される。キャップ２０は、支持脚１１の外周を覆う
略円筒形状の上面と下面とが塞がれるように形成されて
おり、キャップ２０の外周面２０ａから内部へと貫通
し、支持脚１１を進入させる挿通路２２と、この挿通路
２２に沿って進入してくる軸部１３を上方へ貫通させる
ために、上面に切り欠かれたスロット２３と、挿通路２
２及びスロット２３に連続する内部に形成され、接地板
１４の底面を支持する内部受け面２４とが一体にプラス
チック成形されている。キャップ２０を成形する材料と
しては、例えば、シリコンを含有させた滑性に富むプラ
スチックを用いるとよい。

【００１２】挿通路２２は、図５に示すように、上段の
幅Ａが狭く、下段の幅Ｂが広い段差のついた略矩形が連
続した形状となっている。図６に示すように、支持脚１
１を外周面２０ａから水平に挿入するために、挿通路２
２の断面形状は、支持脚１１の中心軸に沿った断面形状
に合わせられており、上段の幅Ａはネジ頭部１８の二面
幅Ｌに合わせられ、下段の幅Ｂは接地板１４の外径Ｄ₁
に合わせられている。

【００１３】スロット２３は、挿通路２２に連続して、
キャップ２０の外周面２０ａから上面２０ｂの中心付近
まで切り欠かれている。スロット２３の幅Ｃは、軸部１
３の雄ネジ部１７の外径Ｄ₂ に寸法が合わせられてお
り、ネジ頭部１８の二面幅Ｌ、及び接地板１４の外径Ｄ
₁ よりも狭くなっているため、接地板１４がキャップ２
０の上方へ外れることを防ぐことができる。

【００１４】内部受け面２４は、挿通路２２及びスロッ
ト２３から連続して、キャップ２０の中心付近に配置さ
れ、接地板１４の外径Ｄ₁ に合わせた直径Ｂに形成され
ている。内部受け面２４は、挿通路２２の底面２２ａよ
りも一段低い位置に形成されているので、接地板１４が
水平方向へ外れることを防ぐことができる。

【００１５】キャップ２０を支持脚１１に装着するとき
には、まず、自動販売機２を少し傾けるなどして、支持
脚１１の少なくとも１つを宙に浮いた状態にして、挿通
路２２から接地板１４及びネジ頭部１８を挿入し、さら
に、スロット２３から雄ネジ部１７を挿入する。雄ネジ
部１７がスロット２３の最も奥の位置まで挿入される
と、接地板１４は挿通路２２を通過して、キャップ２０
の内部に収納される。さらに、接地板１４をキャップ２
０の下方へ相対移動させると、内部受け面２４と当接し
て接地板１４が内周面２０ｃに嵌め込まれた状態とな
り、キャップ２０は支持脚１１に装着される。キャップ
２０が支持脚１１に装着されたときには、図１に示すよ
うに、自販機本体３の輪郭から、キャップ２０が突出す
る。

【００１６】また、キャップ２０を支持脚１１から外す
ときには、まず、支持脚１１の少なくとも１つを宙に浮
いた状態にして、内部受け面２４から一段高い挿通路２
２の底面２２ａの位置まで、接地板１４を上方へ相対移
動させる。次に、接地板１４を図中水平方向に移動させ
ることにより、接地板１４及びネジ頭部１８が挿通路２
２を通過し、さらに、雄ネジ部１７がスロット２３を通
過して、支持脚１１からキャップ２０が外される。

【００１７】キャップ２０は、その底面２０ｄが平坦面
となるように形成されている。これによって、４つの支
持脚１１のすべてにキャップ２０が装着されたとき、自
動販売機２は、水平方向に押されることによりトラック
の荷台上等で滑らすことが可能であり、容易に搬送する
ことができる。

【００１８】上記構成の作用について以下に説明する。
自動販売機２は、設置場所への搬送の際には、４つの支
持脚１１のすべてにキャップ２０が装着される。そし
て、トラックの荷台に載せられ、貨物用ロープなどで自
販機本体３が縛りつけられて、荷台に固定される。この
とき、図７に示すように、キャップ２０が自販機本体３
の輪郭から突出しているので、隣接する自販機本体３と
の間に一定の間隔ｔが設けられるため、搬送時に自動販
売機同士がぶつかり合って破損することがない。さら
に、スロット２３の幅Ｃを雄ネジ部１７の外径Ｄ₂ に合
わせるとともに、挿通路２２の底面２２ａと内部受け面
２４との間に段差を設けているので、搬送中でも、支持
脚１１からキャップ２０が外れることがない。

【００１９】そして、トラックによって設置場所の近く
まで搬送され、自動販売機２が荷台から降ろされるとき
等には、キャップ２０の底面２０ａが平滑に形成されて
いるので、荷台の上などを滑らせて容易に搬送すること
ができる。また、荷台の上から地面に向かうスロープを
取り付けて、そのスロープ上を滑らせることも可能であ
り、フォークリフトや、クレーンなどを使用するときで
もキャップ２０を装着したまま荷台から下ろし、搬送す
ることができる。設置場所まで搬送された自動販売機２
は、４つの支持脚１１からキャップ２０がそれぞれ取り
外される。キャップ２０が外された支持脚１１は、自販
機本体３から突出しないので、寸法的に余裕のない場所
でも、自動販売機２を設置することができる。使用後、
取り外されたキャップ２０は容易に回収することがで
き、回収されたキャップ２０をまとめておく場合にも場
所をとらず、回収後もかさばることがなく容易に持ち帰
ることができる。また、装着、取り外しや回収が容易な
こと、及びプラスチック成形による耐久性などから再使
用することが可能であり、廃棄物を削減することができ
る。

【００２０】以上、図示した実施形態にしたがって本発
明について説明してきたが、この支持脚用キャップは、
プラスチック成形によるものだけでなく、金属の鋳造品
及び切削加工品、また木材から加工したもの、あるい
は、木材、プラスチック、金属などを組み合わせたもの
などでもよい。

【００２１】なお、図示した実施形態では、自動販売機
の搬送を容易にするため、支持脚用キャップの底面が平
坦面となるように形成したが、これに限らず、支持脚用
キャップの底面に回動自在に取り付けられた小型の転輪
を備えてもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の自動販
売機の支持脚用キャップは、側面から内部に向かって、
支持脚の軸部と接地板とを進入させる挿通路と、この挿
通路に沿って進入してくる軸部を上方に貫通させるため
に上面に形成されたスロットと、前記挿通路及びスロッ
トに連通する内部に形成され、挿通路の底面よりも低い
位置で接地板の底面を支持する内部受け面とを備え、支
持脚への装着時には、自動販売機の底面輪郭外に突出す
る外形寸法を有しているので、搬送時に自動販売機同士
がぶつかり合って破損することがない。また、キャップ
をプラスチックや金属など耐久性の強い材料で一体に成
形すれば、何度も繰り返し使用できるので、産業廃棄物
を削減することができる。さらに、前記挿通路の断面形
状を支持脚の軸方向断面形状に合わせたことで、搬送時
にキャップが支持脚から外れることを防止することがで
きる。また、キャップは滑性に富むプラスチック材で作
られ、底面が平坦面であることから、自販機の搬送を容
易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の支持脚用キャップを自動販売機の支持
脚に装着した状態を示す要部断面図である。

【図２】自動販売機の外観斜視図である。

【図３】自動販売機の支持脚の構造を示す要部断面図で
ある。

【図４】本発明の支持脚用キャップを自動販売機の支持
脚に装着した状態を示す外観斜視図である。

【図５】本発明の支持脚用キャップを示す側面図であ
る。

【図６】本発明の支持脚用キャップ、及びこの支持脚用
キャップが装着される自動販売機の支持脚を示す平面図
である。

【図７】本発明の支持脚用キャップを装着した自動販売
機同士が互いに隣接している状態を示す説明図である。

【符号の説明】

２ 自動販売機 ３ 自販機本体 １１ 支持脚 １３ 結合部 １４ 接地部 １６ ナット １７ 雄ネジ部 １８ ネジ頭部 １９ 外装板 ２０ 支持脚用キャップ ２２ 挿通路 ２３ スロット ２４ 内部受け面

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動販売気の底面に固定される軸部と、
   その軸部の下端に固着され、軸部よりも大径の接地板と
   からなる支持脚に装着される自動販売機の支持脚用キャ
   ップにおいて、 側面から内部に向かって前記軸部と接地板とを進入させ
   る挿通路と、この挿通路に沿って進入してくる軸部を上
   方に貫通させるために上面に形成されたスロットと、前
   記挿通路及びスロットに連通する内部に形成され、挿通
   路の底面よりも低い位置で接地板の底面を支持する内部
   受け面とを備え、支持脚への装着時には、自動販売機の
   底面輪郭外に突出する外形寸法を有することを特徴とす
   る自動販売機の支持脚用キャップ。
2. 【請求項２】 前記挿通路の断面形状を支持脚の軸方向
   断面形状に合わせたことを特徴とする請求項１記載の自
   動販売機の支持脚用キャップ。
3. 【請求項３】 滑性に富むプラスチック材で作られ、底
   面が平坦面であることを特徴とする請求項１又は２記載
   の自動販売機の支持脚用キャップ。