JP2002107381A - コヒーレント・サンプリング方法と装置 - Google Patents

コヒーレント・サンプリング方法と装置

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JP2002107381A
JP2002107381A JP2000301546A JP2000301546A JP2002107381A JP 2002107381 A JP2002107381 A JP 2002107381A JP 2000301546 A JP2000301546 A JP 2000301546A JP 2000301546 A JP2000301546 A JP 2000301546A JP 2002107381 A JP2002107381 A JP 2002107381A
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signal
trigger
frequency
period
hold
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Application number
JP2000301546A
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English (en)
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Masaru Kimura
勝 木村
Atsushi Minegishi
篤 峯岸
Kensuke Kobayashi
謙介 小林
Haruo Kobayashi
春夫 小林
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TERATEKKU KK
Terra Tec Co Ltd
Original Assignee
TERATEKKU KK
Terra Tec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジッタが小さく波形抜けを発生しないコヒー
レント・サンプリングを実行する。 【解決手段】 入力トリガ1の周波数が所定値を越えな
いようにトリガ分周器53で分周してトリガ3を得て、
ホールド信号6のホールド期間が終了してホールドオフ
となる直前と直後の期間をメタステーブル検出窓信号2
3とし、このメタステーブル検出窓信号23の中にトリ
ガ3が入ったときにはメタステーブル検出22をし、メ
タステーブル現象を回避するようにホールド信号6の期
間を可変して、同期信号5を発生するようにした。これ
により、メタステーブル現象を回避し、同期信号5の周
期を一定にすることができたから、ジッタが小さな波形
抜けのないコヒーレント・サンプリングが可能になっ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繰り返し入力信号を
高時間分解能でコヒーレント・サンプリングにより測定
する、時間補間機能を有する等価時間サンプリングを用
いたタイム・ドメイン測定器に関し、特にメタステーブ
ル現象によって引き起こされるジッタの低減をヒステリ
シス分周と可変ホールドオフを用いて可能とした方法と
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】等価時間サンプリングはサンプリング周
期より細かな時間分解能で、繰り返し信号の波形データ
収録を可能とする技術であり、次の文献に紹介されてい
る。
【0003】文献1 Edmund K, Miller, et al. "Time
-Domain Measurements in Electromagnetics," VAN NOS
TRAND REINHOLD, 1986
【0004】文献2 特願平11−198272 コヒ
ーレント・サンプリング方法と装置小林 1999年7
月13日 出願
【0005】文献3 特願平10−293140 ラン
ダム・サンプリングのホールドオフ方法と回路 内田
小林 1997年4月18日 出願
【0006】文献4 特公平7−85089 ランダム
・ホールドオフ
【0007】文献5 R.W. Dover, "Metastability and
the ECLinPS Family" MOTOROLA High Performance ECL
Data, Application Note AN1504, pp4-75-4-7-82, 199
3
【0008】文献6 特公平7−111444 メタス
テーブル検出器
【0009】文献7 U.S.P.4,694,244 " Apparatus f
or random repetitive sampling."Sep., 1987
【0010】文献8 Waveform Missing Mechanisms an
d a Countermeasure in a Random Sampling System, IE
EE Instrumentation and Measurement Technology Conf
erence, St. Paul Minnesota, U.S.A. May 18-21, 199
8, K. Uchida et al
【0011】文献1には、波形データのタイムベースを
実現する手法の1つのランダム・サンプリングが開示さ
れている。ランダム・サンプリングを用いたデジタル・
ストレージ・オシロスコープ(DSO)では、入力信号
とサンプリング時刻との時間差(Ts )を測定(時間補
間と呼ばれる)して、サンプリング時刻を決定してい
る。この時間補間データの処理及びデータ収録と転送に
要する期間、同期回路が新たなトリガ入力を受け付けな
いようにする必要があり、禁止期間を確保するための信
号をホールド信号(Hold)、その禁止期間をホールド
期間(Thold)と呼んでいる。
【0012】図35には、文献2に開示されたストレー
ジ・オシロスコープ(DSO)のタイム・チャートが示
されている。(a)は被測定信号に同期したトリガ(T
rig)、(b)にはホールド信号(Hold )、(c)に
はクロック(Clk)、(d)には処理の内容(Proc )
が示されている。この図を用いてホールド期間(Thol
d)を説明する。
【0013】プリセットされた数のクロック分だけ後の
トリガ以降の信号をサンプルするポストトリガ・データ
収録期間(Tpost)、時間補間に要する期間(Ttim
)、データ処理および転送に要する期間(Ttran)、
このTtran終了後プリセットされた数のクロック分信号
をサンプルするプリトリガ・データ収録期間(Tpre
)、上記すべての期間が終了した時点でホールド信号
を解除する。
【0014】時点t1の参照トリガとして用いられるR
ef.Trig から最初のクロックの時点t2までの時間差
をTsn とする。(b)のホールド信号(Hold )がオ
フとなる時点t5に最も近い(a)のトリガ(Trig)
入力時点t4又はt6との時間差は、以下のTdpren ま
たはTdpostn のどちらか小さい方となる。 Tdpren =Thold−M×Tt Tdpostn=(M+1)×Tt−Thold 但し M=Floor[Thold/Tt] Floor[X]はX以下で最大の整数 0≦Tsn<Tc であるから Tdpren とTdpostnの最大
変化量はクロック周期Tc となる。
【0015】文献2のオシロスコープでは、クロック周
期とホールド期間を制御して、オシロスコープの管面上
に再現された波形の一部が抜けて欠けてしまう、波形抜
け現象を防止している。
【0016】一般にオシロスコープでは、被測定信号に
同期した(a)のトリガ(Trig )を基準として掃引信
号あるいは時間補間測定用の傾斜波(Ramp )信号を発
生するため、トリガにより状態遷移するラッチ回路が必
要である。このラッチ回路は(b)のホールド信号(H
old )を解除(ホールドオフ)している“L”の期間に
入力する最初のトリガ(Ref. Trig )で(b)のホー
ルド信号(Hold )を“L”から“H”に変化するよう
動作する。この出力を同期信号(sync)と呼称してい
る。
【0017】通常(b)のホールド信号(Hold )は同
期信号(sync)をスタート信号として“L”から“H”
に変化し、ホールド期間(Thold)経過後、(c)のク
ロック(Clk)に同期して“H”から“L”に変化して
ホールド状態を終了(ホールドオフ)する。
【0018】同期信号(Sync )の発生に関するトリガ
(Trig )が参照トリガ(Ref. Trig )であり、
(b)のホールド信号(Hold )も、そのタイミングで
“L”(ホールドオフ)の状態から“H”(ホールド)
の状態となって、ホールド状態において印加されるトリ
ガに対しては応答しない。
【0019】ホールド期間(Thold)経過後、ホールド
オフとなり、その直後に印加されるのが参照トリガ(R
ef. Trig +1)である。
【0020】参照トリガ(Ref. Trig)とその直後に
印加される(c)のクロック(Clk)との時間差Ts が
測定される。この測定に要する期間が時間補間に要する
期間Ttim である。この時間差Ts は、被測定信号とそ
れをサンプリングするクロック(Clk)の時間位置関係
を表している。n番目のTs がTsn 、n+1番目のTs
がTsn+1 である。
【0021】時間補間に要する期間Ttim がポストリガ
・データ収録期間Tpostより早く終了する場合には、ホ
ールド期間(Thold)はプリセット・クロック数の計数
時間Tps(Tpost+Ttran+Tpre)+Ts となって、Ts
の変動幅の最大値でクロック1周期(Tc )分の揺らぎ
を持つことになる。この場合ホールド期間(Thold)の
揺らぎによって同期信号(Sync )の周期(Trr)はT
t ×NまたはTt ×(N+1)の混在した出力となり
(Nは整数)、波形抜けの原因となる。
【0022】この問題を解決する手段として、測定時間
差Ts をプリセット・クロック数計数時間Tpsに加える
ことで、ホールド期間(Thold)を時間差Ts の変化に
影響されず常に一定にする、コンスタント・ホールドオ
フがある。
【0023】文献3には、このコンスタント・ホールド
オフが開示されている。このコンスタント・ホールドオ
フは同期信号周期がTt ×NまたはTt ×( N+1)に
なるという混在出力を解決しているが、時間差Ts 分を
加えるための高速アナログ回路が必要となり、システム
のコストを増加させる。
【0024】文献4には、ホールド期間(Thold)をラ
ンダムにするランダム・ホールドオフが開示されてい
る。ホールドオフの発生タイミングをクロックに対して
ランダム化している。ランダムにホールド期間を設定す
るための、ふらふらさせるディザ(dizier )を発生さ
せるためにクロックとは別の信号源を必要とする。その
ため、この信号源とクロック間の干渉による雑音によっ
てジッタが増加する。このジッタの増加については、文
献3にも説明されている。
【0025】被測定信号に同期したトリガのうちの一部
を参照トリガ(Ref・Trig )として用い、それと同時
にホールド状態にしてトリガを受け付けない。このホー
ルド状態からトリガを受け付けるホールドオフ状態にな
って、その直後に印加されるトリガを参照トリガ(Re
f. Trig +1)として用いている。この参照トリガ(Re
f. Trig +1)によって再びホールド状態に移行する。
この参照トリガ(Ref.Trig 又はRef. Trig +1)に
よってホールドオフ状態からホールド状態に移行するの
は同期信号(Sync )が出された結果である。
【0026】しかしながら、トリガを受け付けないホー
ルド状態から、トリガを受け付けるホールドオフ状態に
移行する遷移期間(過渡状態)が存在する。この過渡状
態においてトリガが印加されると、再びホールド状態に
移行し同時に同期信号(Sync )が出力されてしまうこ
とがある。
【0027】この過渡状態において出力される同期信号
は、安定なホールドオフ状態にトリガを印加される場合
に出力される同期信号よりもトリガの印加から若干の遅
れを生じる。これがジッタの原因となる。この過渡状態
をメタステーブル(準安定)状態と呼んでいる。
【0028】文献5においては、このメタステーブル状
態について詳細な解析がなされている。この文献5によ
れば、一般に同期信号を発生する同期信号発生器には、
フリップフロップが用いられる。フリップフロップで
は、データ入力遷移とクロック入力のタイミングが、要
求される仕様を満足しない場合、データ出力が所定の時
間内に定められた電圧レベルに到達しないいわゆるメタ
ステーブル状態となる可能性がある。
【0029】通常オシロスコープにおいて、被測定信号
からピックオフされるトリガ信号(Trig )と、クロッ
クに同期して動作するホールド状態からホールドオフ状
態に移行するタイミングは同期関係にないため、同期信
号がメタステーブル状態で出力され、ジッタの問題が発
生する。
【0030】メタステーブル状態の発生自体を抑制する
ことは困難なため、従来技術ではメタステーブル現象の
発生確率の低減や、メタステーブル状態の検出を目的と
したものが発表されている。
【0031】図36には、文献5に示されたジッタフリ
ー回路または二重同期回路と呼ばれる回路を示してい
る。ここで1は入力トリガであり、Dフリップフロップ
161のクロック端子と遅延素子DL10を介して遅延
トリガ信号169を得ている。6はホールド信号であ
り、インバータ163を介してホールドオフ信号となっ
て、Dフリップ・フロップ161のデータ端子(D)に
印加されている。
【0032】Dフリップフロップ161の出力(Q)は
Dフリップフロップ162のデータ端子(D)に印加さ
れている。そのクロック端子には遅延トリガ信号169
が印加され、出力端子(Q)から同期信号5を得てい
る。
【0033】ホールド状態からホールドオフ状態に移行
する過渡状態と、トリガ入力のタイミングが一致して、
前段のDフリップフロップ161がメタステーブル状態
となった場合でも、データ出力が遅延素子DL10の持
つ遅延時間以内に定められた電圧レベルに達すれば、後
段のDフリップフロップ162の出力である同期信号5
が出力されるタイミングはメタステーブル状態とはなら
ないようにしている。
【0034】しかし、このジッタフリー回路ではメタス
テーブル発生の確率を低減することは可能だが、初段の
Dフリップフロップ161の出力が、遅延素子DL10
の伝搬遅延時間を越えても所定の電圧レベルに達しない
場合には、メタステーブル現象発生の可能性は無くなら
ない。
【0035】図37は、文献6に開示されたメタステー
ブル現象発生の可能性を検出する回路を示している。そ
こではホールド状態からホールドオフ状態に移行する過
渡状態にトリガの入力タイミングが一致してメタステー
ブル状態となる可能性を検出し、その可能性があるか否
かを表す信号を出力することにより、同期信号を選択的
に利用することを目的としている。
【0036】図37において、入力トリガ1はラッチ1
71,172のデータ端子(D)およびDフリップフロ
ップ173のクロック端子に印加されている。ホールド
信号6は、ラッチ171のクロック端子に印加されてい
る。
【0037】ホールド信号6は、反転中間タップを有す
る遅延素子DL9を介してラッチ172のクロック端子
に印加され、反転中間タップの出力は、Dフリップフロ
ップ173のデータ端子(D)に印加されている。
【0038】Dフリップフロップ171のノット出力
(NQ)とDフリップフロップ172の出力(Q)はア
ンド・ゲート175に加えられ、メタステーブルの可能
性を示すメタステーブル検出信号22を得ている。Dフ
リップフロップ173の出力(Q)からは、同期信号5
を得ている。
【0039】ホールド信号6をゲートとする入力トリガ
1のラッチ171の反転出力(NQ)と、遅延素子DL
9による遅延を加えたホールド信号6をゲートとする入
力トリガ信号のラッチ172の出力(Q)の論理積(A
ND)をメタステーブル検出信号(メタステーブル状態
となる可能性があることを示す信号)22としてアンド
・ゲート175から出力する。
【0040】この遅延素子DL9の途中から引き出した
信号(タップ出力と呼ばれ、伝搬遅延時間に対して中間
の遅延時間を持つ)をホールドオフ信号として、フリッ
プフロップ173を用いて入力トリガ1から同期信号5
を発生した場合、メタステーブル可能性を示すメタステ
ーブル検出信号22が“H”のときは同期信号5がメタ
ステーブル状態で出力された可能性があるため、その同
期信号5を基に得られた測定データは信頼できないとす
るものである。
【0041】メタステーブル可能性を示すメタステーブ
ル検出信号22はメタステーブル状態発生の可能性を検
出してはいるが、メタステーブル状態の発生確率低減や
回避の効果は持たない。このため完全な被測定信号の再
現と測定データが得られないケースを生ずるという欠点
がある。さらにメタステーブルの可能性を示すメタステ
ーブル検出信号22がメタステーブル状態となる可能性
があり、その可能性のある期間中はシステムがメタステ
ーブル検出信号22を参照できないため、余分な待ち時
間をシーケンスに加える必要があるという問題点があ
る。
【0042】文献7および8には、波形抜けの原因につ
いて詳しく述べられている。それらの文献では、クロッ
クの位相および周期を固定にしたランダム・サンプリン
グではホールド信号の生成方式に起因する波形抜け現象
(波形データの一部が欠落する現象)が発生することが
述べられている。波形抜け現象は、ホールド状態からホ
ールドオフ状態に変化する過渡の時点を基準としたトリ
ガ分布が、その過渡の時点を跨ぐことに起因する。
【0043】文献7および8に述べられた波形抜け現象
を回避する手法として、文献4のホールド解除の発生タ
イミングをクロックに対してランダム化する方法や、文
献3の時間補間データを基にホールドオフ期間を一定時
間コントロールする方法などが提案されてきた。
【0044】ホールド期間(Thold)が終了してホール
ドオフになる過渡状態(図35の時点t5)に、入力ト
リガが一致したときにジッタを生ずる可能性がある。そ
こでその過渡状態付近に入力トリガが印加された場合を
想定する。
【0045】図38,図39および図40には、ホール
ドオフとなる時点(図35の時点t5)を基準とした入
力トリガが、ホールド信号の発生の度に如何なる値を取
るかを数値シミュレーションした例を示している。トリ
ガ時刻はTdpren とTdpostn(図35参照)の絶対値の
小さな値を選んでいる。数値計算の条件は、クロック周
期Tc =1、Ts は初期値=0.99 、クロック数(図3
5参照)N=13 であり、トリガ周期は各図においてTt
=6.99 と6.51 および0.19 とした。
【0046】縦軸はトリガの時間位置を、クロック周期
Tc を1として示しており、0はホールド信号が終了
し、ホールドオフとなる過渡時点(図35のt5)であ
り、入力トリガの時間位置が1であることは、その過渡
の時点よりクロック周期1個分Tc だけ遅れ、−1であ
ることは過渡の時点よりTc だけ以前に入力トリガが印
加されたことを示している。
【0047】横軸はホールド信号(図35(b)Hold
)の発生回数であり、多くの小さいドットは入力トリ
ガの分布をTt の幅にわたり示し、大きな黒点はメタス
テーブル状態の発生を表している。たとえば、図38の
場合、ホールド信号の発生回数50および150でTdp
ren = 0 あるいはTdpostn = 0となって、メタステーブ
ル状態が発生している。
【0048】入力トリガ時点の分布範囲はトリガ信号周
期Tt 、クロック周期Tc およびホールド期間Tholdの
間に計数されるクロック数N(図35参照)により定ま
る。Tc ,N,Tholdは通常はシステム固有の値なので
変化せず、被測定信号の周期でもあるTt が、図40の
Tt = 0.19Tc の値になると、メタステーブル状態が繰
り返し発生することになる。
【0049】メタステーブル状態が繰り返し発生するこ
とを回避するためには、ホールドオフになるタイミング
を入力トリガ時点の分布する範囲外へ移動すればよいこ
とが解る。ホールドオフになるタイミングをコントロー
ルし、ホールド期間Tholdを変化させることを以下にお
いて可変ホールドオフと呼称する。
【0050】最初に入力トリガが、メタステーブル状態
の発生する可能性があるタイミングで印加されたことを
検出する方法を述べる。検出するにはホールドオフとな
った時点を中心として時間窓(Time Window )を形成
する検出用パルスを発生させればよい。この時間窓内に
入力トリガがあればメタステーブル状態の発生する可能
性があるとするのである。
【0051】例えばクロックの同一エッジに同期して簡
便に発生できる1クロック幅の検出用パルスを発生させ
てDフリップフロップのデータ端子に入力する。このパ
ルスが“1”の期間にDフリップフロップのクロック端
子に入力トリガのエッジが印加されると、Dフリップフ
ロップの出力は“1”に変化するので、時間窓期間にト
リガ入力のあったことが検出できる。
【0052】次に検出結果が1であった場合、可変ホー
ルドオフでメタステーブル発生を避ける必要がある。こ
のためには、新たなホールドオフとなった時点を中心に
設けられた入力トリガの検出に対して、入力トリガ時点
の分布範囲が重ならないようにする必要がある。
【0053】図41には、メタステーブル状態の発生原
因とそれを回避する条件を説明するための可変ホールド
とトリガ周期の関係が示されている。(a)と(b)に
はトリガのタイミングが示されている。(a)ではTri
g 1が時点t15とt16の間の斜線の範囲で印加さ
れ、次のTrig 1はそれから4×Tc 後に印加される場
合である。同じく(b)ではTrig 2が時点t11とt
13の間の斜線の範囲で印加され、次のTrig 2はそれ
から4×Tc 後に印加される場合である。
【0054】同図(c)はクロック(Clk)を表し、そ
の周期はTc である。(d)はホールド信号(Hold )
1を表し、時点t14でホールドオフとなっている。
(e)はメタステーブルの発生の可能性のある範囲(タ
イム・ウインドウ)を時点t14を中心にして±Tc /
2の期間検出するための検出窓信号DW1である。
【0055】同図(f)はホールド信号(Hold )2を
表し、時点t17でホールドオフとなった場合を示して
いる。(d)のホールド信号(Hold )1のホールドオ
フとなった時点よりも2×Tc だけ遅らせた場合であ
る。(g)はメタステーブルの発生の可能性のある範囲
(タイム・ウインドウ)を時点t17を中心にして±T
c /2の期間検出するための検出窓信号DW2である。
【0056】いま(a)の入力トリガであるTrig 1
が、丁度時点t15の直前に印加されたとすると、
(e)の検出窓信号DW1により検出されてしまう。そ
の場合には、(d)のホールド信号(Hold )1のt1
4から(f)のホールド信号(Hold )2のt17へと
2×Tc だけ遅らせるようにコントロールするならば、
メタステーブル状態に入力トリガが印加されてしまうこ
とを避けることができる。
【0057】同図(e)および(g)の検出窓信号(D
W)1または2に(b)の入力トリガ(Trig )2が検
出されないためには、(b)の(Trig )2の周期は4
×Tc またはそれ以上でなければならない。
【0058】すなわち、(1)ホールド信号のコントロ
ール範囲は2×Tc またはそれ以上でなければならず、
(2)入力トリガの周期は4×Tc またはそれ以上(入
力トリガの周波数では、1/(4×Tc )以下)でなけ
ればならない、ことが解る。
【0059】そこで、入力トリガの周期は4×Tc また
はそれ以上でなければならないから、この条件を満足し
ない4×Tc 以下の場合、すなわち、入力トリガ周波数
ftが高い場合、これを分周して分周後のトリガを得る
必要がある。その分周後のトリガ周波数をfdvd とす
る。
【0060】図42には、トリガ分周の機能図を示して
いる。入力トリガ1はバイナリ・カウンタ150で分周
され、分周後のトリガ3を得ている。そのトリガ3の繰
り返し周波数は周波数カウンタ152でモニタしてお
り、トリガ3の繰り返し周波数fdvd が、所定の周波数
を越えた時には、バイナリ・カウンタ150の分周比を
大にするように制御し、トリガ3の繰り返し周波数fdv
d が所定の周波数を越えないように制御する。ここで所
定のトリガ繰り返し周波数とは、図41で説明した条件
では1/(4×Tc )を意味する。
【0061】図43には、図42の構成における入力ト
リガ1の入力トリガの繰り返し周波数ft と分周後のト
リガ3の繰り返し周波数fdvd の特性を示している。縦
軸はトリガ3の繰り返し周波数fdvd であり、所定のト
リガ繰り返し周波数を1としている。横軸は入力トリガ
の繰り返し周波数ft であり、所定のトリガ繰り返し周
波数を1として、その何倍であるかを表している。
【0062】トリガ3の繰り返し周波数fdvd が1を越
えようとすると、周波数カウンタ152からの指示でバ
イナリ・カウンタ150の分周比が増加し、以下の問題
が発生する。
【0063】入力トリガ1の繰り返し周波数が低い場合
には、その測定を行うためには、入力トリガ1の1周期
分の測定時間を要する。このため、入力トリガ1が高周
波数(すなわち入力分周比大なる時)から低い周波数に
変化すると、分周後のトリガ3の出力周波数fdvd は非
常に低い周波数となっているため、計数に多大の時間を
要する。
【0064】図43に示されているように、トリガ3の
繰り返し周波数fdvd が設定値(=1)に達した直後に
0.5 に移行する大きな跳びが生ずる。入力トリガの繰り
返し周波数ft がこの跳びの近傍にあると、ノイズや周
波数揺らぎで分周比が常に変動する。
【0065】
【発明が解決しようとする課題】(1)入力トリガの印
加がホールドオフになるのと同時に行われ、メタステー
ブル状態におけるジッタを発生することを防止するこ
と。 (2)入力トリガ(周波数ft )を分周して同期信号を
得る場合に、分周比がNからN+1に変動したときに同
期信号の周期に跳びを生ずる。この跳びを防止するこ
と。
【0066】
【課題を解決するための手段】入力トリガの繰り返し周
波数が所定の値を越えた場合には分周して、常に所定の
周波数以下の繰り返し周波数のトリガを得るためのトリ
ガ分周器と、入力トリガを受け付けないホールド期間が
終了しホールドオフ期間が開始する時点の直前および直
後の所定の期間をメタステーブル検出窓とし、このメタ
ステーブル検出窓内にトリガが入ったことを検出するメ
タステーブル検出をし、メタステーブル検出結果によっ
てホールド期間の長さを変化せしめる同期信号を受けて
直ちにホールド期間に入る可変ホールド発生器と、ホー
ルドオフ期間において受けたトリガに同期して同期信号
を発生する同期信号発生器とを備えたコヒーレント・サ
ンプリング手段を構成した。
【0067】この構成により、分周されたトリガの周期
は、クロック周期Tc に対して、例えば4×Tc を越え
ることなく、メタステーブル状態において同期信号を発
生することを回避するホールド期間を設定するようにし
た。すなわち、可変分周と可変ホールドを用いてジッタ
の発生を除去した。このようにして、ジッタと波形抜け
の無いコヒーレント・サンプリングが可能になった。
【0068】
【発明の実施の形態】図1および図2には本発明の実施
の形態を示す回路構成およびその動作を示すタイムチャ
ートが示されている。
【0069】信号入力端子52には、測定される被測定
信号2が印加され、サンプラ61でサンプルされる。こ
のサンプルは、クロック発生器59で発生された周期T
c のクロック9(図2(e))によって実行される。サ
ンプルされた被測定信号2の振幅値はデジタル化され
て、サンプル値11となって出力される。サンプル値1
1は取得メモリ62に記憶される。
【0070】タイムベース64にはタイムベース制御器
65とカウンタ群66が含まれている。このタイムベー
ス制御器65からの書込み信号15(図2(f))によ
って、サンプル値11の取得メモリ62への書込みがな
される。
【0071】この書込み動作により、トリガ3の以後の
データを収録するポストトリガ・データ収録(図2
(g)の時点t32〜t33およびt38〜t39)と
トリガ3の以前のデータを収録するプリトリガ・データ
収録(図2(g)のt34〜t35)が実行される。こ
れらデータ収録の実行は、タイムベース64によって制
御される。
【0072】取得メモリ62はタイムベース制御器65
からのデータ転送指示信号16を受けて取得データ12
を波形メモリ63へ送る。このデータ転送は図2(g)
の時点t33〜t34のデータ転送の処理において行わ
れる。
【0073】波形メモリ63では、タイムベース制御器
65からのデータ転送クロック18を受けて、タイムベ
ース制御器65からの書込みアドレス信号17に従っ
て、指示されたアドレスに取得データ12を収納する。
この波形データ13は、図示されてはいない表示装置に
印加されて、被測定信号2の波形を表示する。
【0074】入力トリガ端子51には、被測定信号2に
同期した入力トリガ1(図2(a))が印加され、トリ
ガ分周器53に入力される。入力トリガ1は、多くの場
合、被測定信号2の一部を分岐することによって得てい
る。クロック9は多くの回路に印加されている。クロッ
ク分周器58に印加されたクロック9は所定の分周(た
とえば、16分周)をし、分周クロック21をトリガ分
周器53に送出している。
【0075】トリガ分周器53は、タイムベース制御器
65からのリセット信号14により動作を開始し、分周
クロック21を受けている。入力トリガ1(図2
(a))の周期が所定値(たとえば4×Tc )よりも小
さくなったときには、それを分周して、トリガ3(図2
(b))を得ている。またトリガ3の周期が所定値以上
の状態、すなわち、設定範囲内に入っていることを表す
ステータス信号20を出力している。
【0076】可変ホールド発生器55は、メタステーブ
ル検出器56とホールド回路57を含んでいる。メタス
テーブル検出器56は、トリガ3とステータス信号20
とホールド回路57からのメタステーブル検出窓信号2
3を受けている。メタステーブル検出窓信号23は、図
41(e)又は(g)の検出窓信号DW1又はDW2に
同じである。
【0077】メタステーブル検出器56では、検出窓信
号23の示す期間にトリガ3が印加された場合には、メ
タステーブル検出信号22を“H”にしてホールド回路
57に送出する。この動作は、図2(d)のホールド信
号6が時点t36で終了する直前および直後の(g)の
可変ホールド発生器55のメタステーブル検出処理の期
間(メタステーブル検出窓信号23の期間に同じ)に
(b)のトリガ3が印加された場合に行われる。図2に
示した例では、メタステーブル検出処理の期間にトリガ
3は印加されてはいないから、メタステーブル検出信号
22は出力されない。すなわち、“L”である。
【0078】メタステーブル検出信号22が発生して
“H”になった場合には、ホールド回路57では、図2
(g)の時点t35〜t36の可変期間の変更(図41
の(d)Hold 1から(f)Hold 2への変更に相当)
をする。
【0079】同期信号発生器54では、図2(b)の時
点t31においてトリガ3を受けると(c)の同期信号
5を出力する。この同期信号5を出力せしめるトリガ3
を、特に、参照トリガ(リファレンス・トリガ)と呼ん
でいる。この同期信号5はタイムベース64とホールド
回路57に印加される。
【0080】ホールド回路57は、同期信号5(図2
(c))を時点t31で受けると、図2(d)のホール
ド信号6を“H”にして、ホールド信号6によって、同
期信号発生器54は、(b)のトリガ3を受けてもホー
ルド期間Tholdの間は同期信号5を出力することはな
い。
【0081】図2(d)のホールド信号6が時点t36
において終了し“L”となりホールドオフとなって、時
点t37になる。
【0082】そこで(b)のトリガ3が印加され、再び
(c)の同期信号5が出力される。それと同時に(d)
のホールド信号6も“H”になり、以上の動作が繰り返
される。
【0083】ここで時点t31〜t32の時間差Tsn
(n番目の時間差)と時点t37〜t38の時間差Tsn
+ 1(n+1番目の時間差)は、被測定信号2、あるい
は、それに同期したトリガ3とクロック9との時間差を
表すものである。この時間差Ts の測定は、図2(g)
の時点t31およびt37から始まる時間補間処理にお
いて、タイムベース制御器65によって実行される。
【0084】タイムベース制御器65はカウンタ群66
との間でカウンタ制御信号24をやり取りし、時間補
間、ポストトリガ・データ収録、データ転送、プリトリ
ガ・データ収録、可変期間、メタステーブル検出の各処
理のタイミングを制御している。
【0085】カウンタ群66では、リセット信号14で
動作を開始し、同期信号5を図2の時点t31で受ける
とカウント動作を開始して、プリトリガ・データ収録処
理の終了を通知するために、時点t35においてプリト
リガ・カウント終了信号19をホールド回路57に送出
する。ホールド回路57では、必要に応じて可変期間
(t35〜t36)を付加する。
【0086】図3には、図1の構成要素であるホールド
回路57の内部構成が示されている。そこには、ホール
ド生成器71、検出窓生成器72、制御信号ラッチ回路
73、カウンタ・イネーブル生成器74、タイミング・
カウンタ75、タイミング選択器76を含んでいる。
【0087】図4には、図1の構成要素である同期信号
発生器54の回路が示されている。ここで101はイン
バータ、102はDフリップフロップである。Dフリッ
プフロップ102のリセット端子Rにはホールド信号6
が印加されている。このホールド信号6はインバータ1
01を介して反転され、Dフリップフロップ102のデ
ータ端子Dに印加される。その出力端子Qからは同期信
号5が出力されている。
【0088】図5には図1の構成要素であるカウンタ群
66の内部構成が示されている。そこにはポストトリガ
・カウンタ91、データ転送シーケンサ92、プリトリ
ガ・カウンタ93が含まれている。ポストトリガ・カウ
ンタ91、データ転送シーケンサ92、プリトリガ・カ
ウンタ93はクロック9を受けて、カウンタ制御信号2
4を用いてタイムベース制御器65との間でやりとりし
ている。
【0089】図6および図7には、図3、図4および図
5に示したホールド回路57、同期信号発生器54およ
びカウンタ群66の動作を説明するためのタイムチャー
トが示されている。
【0090】図6(a)のクロック9が、カウンタ群6
6のプリトリガ・カウンタ93に時点t51で印加され
ると、(b)のプリトリガ・カウント終了信号19を
“H”にし、次のクロック9の時点t52で“L”にな
る。このプリトリガ・カウンタのカウント動作が終了し
たことを1クロック間“H”にして、カウンタ・イネー
ブル生成器74に対して出力する。
【0091】カウンタ・イネーブル生成器74では、図
6(b)のプリトリガ・カウント終了信号19が“H”
のとき、時点t52において(a)のクロック9のポジ
ティブ・エッジで“H”となる(c)のイネーブル信号
81を出力する。イネーブル信号81はタイミング・カ
ウンタ75と制御信号ラッチ回路73に入力される。タ
イミング・カウンタ75から出力される(e)のキャリ
ー82が“H”(t57〜t58)のとき、次の時点t
58のクロック9で(c)のイネーブル信号81を“L
“にする。
【0092】タイミング・カウンタ75は、(c)のイ
ネーブル信号81が“H”の期間(t52〜t58)、
クロック9のポジティブ・エッジ(t53,t55,t
57)でインクリメントする2ビットカウンタである。
(d)のカウンタ出力83が3を示したとき、(e)の
キャリー82を時点t57〜t58において出力する。
(e)のキャリー82はカウンタ・イネーブル生成器7
4に入力され、(c)のイネーブル信号81を“L”に
する。
【0093】タイミング選択器76では、(k)の選択
指示信号85が“L”のときは、カウンタ出力83が1
(t53〜t55)のとき“H”となる(f)の選択信
号84を出力する。選択指示信号85が“H”(図7の
t62以降)のときは、カウンタ出力83が3(図7の
t65〜t67)のとき“H”となる(f)の選択信号
84を出力する。選択信号84は検出窓生成器72に印
加される。
【0094】制御信号ラッチ回路73は、メタステーブ
ル状態においてトリガ3を印加された可能性のあること
を検出したことを示す(j)のメタステーブル検出信号
22が“L”のときは選択指示信号85を、メタステー
ブル検出信号22が“H”のときは選択指示信号85の
反転を(c)のイネーブル信号81の時点t62(図
7)のポジティブ・エッジでラッチして、(k)の選択
指示信号85として出力する。選択指示信号85はタイ
ミング選択器76に入力される。
【0095】メタステーブル検出信号22が“H”のと
きには(時点t59以後)には、イネーブル信号81の
ポジティブ・エッジの印加の前後において、選択指示信
号85はそのレベルを反転する(“H”→“L”また
は、“L”→“H”)。また、メタステーブル検出信号
22が“L”のときには(時点t59以前)には、イネ
ーブル信号81の印加によって、選択指示信号85はそ
のレベルを反転することはない。
【0096】検出窓生成器72は、(g)のメタステー
ブル検出窓信号23を生成している。(f)の選択信号
84を時点t54(図6)のクロック9のネガティブ・
エッジでラッチし、(g)のメタステーブル検出窓信号
23をt54〜t56で出力している。(g)のメタス
テーブル検出窓信号23はメタステーブル検出器56
(図1)およびホールド生成器71に入力される。
【0097】メタステーブル検出器56では、(g)の
メタステーブル検出窓信号23の期間中(t54〜t5
6)の時点t59においてトリガ3の印加があったとき
は、(j)のメタステーブル検出信号22を“H”にし
てホールド回路57(図1)に知らせる。(g)のメタ
ステーブル検出窓信号23(t54〜t56)は、
(h)のホールド信号6がホールドオフとなる時点t5
5に対して±Tc /2の幅の窓となっている。
【0098】ホールド生成器71は(h)のホールド信
号6を生成している。(l)の同期信号5を受けたと
き、(h)のホールド信号6が“L”(t55〜t6
0)であれば、(h)のホールド信号6は“H”になる
(t60)。その後は(h)のホールド信号6が“H”
である期間中は同期信号発生器54において同期信号5
を発生することはない。
【0099】タイミング・カウンタ75のカウント動作
が時点t52(図6)で開始されたとき、(j)のメタ
ステーブル検出信号22は“L“であり、メタステーブ
ル現象の発生の可能性は無いものと判断され、ホールド
信号6を可変する必要は無いから、(d)のカウンタ出
力83が時点t53で1にインクリメントされると、直
ちに(f)の選択信号84を出力し(t53〜t5
5)、そこで(h)のホールド信号6は終了してホール
ドオフとなっている。
【0100】これに対して、タイミング・カウンタ75
のカウント動作が時点t62(図7)で開始されたとき
(j)のメタステーブル検出信号は“H“であり、メタ
ステーブル現象の発生の可能性があるものと判断され、
(d)のカウンタ出力83が時点t63でインクリメン
トされて1になっても、(f)の選択信号84は出力さ
れず、(d)のカウンタ83が、所定の値である3に達
したとき(t65)、(f)の選択信号84を出力し
(t65〜t67)、そこで(h)のホールド信号6は
終了してホールドオフとなっている。
【0101】このホールドオフとなった時点t67(図
7)は、t55(図6)でホールドオフとなった場合に
比べて、メタステーブル現象の発生を回避するために、
(d)のカウンタ出力83で2カウント分(2Tc )だ
け遅れている。すなわち、図7の場合の方が図6の場合
に比べてホールド期間Tholdが2Tc だけ長くなってい
る。これが図2の時点t35〜t36に示した可変期間
である。
【0102】ホールド期間Tholdが2Tc だけすでに長
くなっている図7の時点t67以降においてメタステー
ブル現象が発生せずメタステーブル検出信号22が
“H”から“L”になり、再びメタステーブル検出信号
22が発生した(“L”から“H”になった)場合、あ
るいは、メタステーブル検出信号22が時点t67にお
いて“H”であり、その後も“H”の状態を続ける場合
がある。
【0103】このような場合には、(c)のイネーブル
信号81の直後の(d)のカウンタ出力83が1にイン
クリメントされた時点(この場合は図示されてはいない
が、図6の時点t53に対応)で(f)の選択信号84
が出力され、Tc の2分の1遅れて(g)のメタステー
ブル検出窓信号23が出力され、更にTc の2分の1遅
れた時点(t55に対応)で(h)のホールド信号6は
終了する。
【0104】この場合はホールド期間Tholdには可変期
間(図2のt35〜t36)は追加されず、図7の時点
t67で終る(h)のホールド信号6のホールド期間T
holdよりは2Tc だけ短いものとなる。
【0105】図8には、図1の構成要素であるトリガ分
周器53の内部構成が示されている。そこには可変分周
回路100、シフト・レジスタ101、トリガ・カウン
タ102、上限比較器103、下限比較器104、ステ
ータス信号器105、シフトクロック生成器106、シ
ーケンス・カウンタ107、時間窓作成器108および
カウンタ・クリア生成器109を含んでいる。
【0106】このトリガ分周器53では、所定の期間で
ある時間窓を設け、その時間窓の期間中に、分周器53
の出力であるトリガ3が発生した回数をカウントし、そ
のカウント値が上限設定値より大きいときには、入力ト
リガ1を分周してトリガ3を得る分周比を大きくして、
上限設定値に入るようにする。逆にそのカウント値が下
限設定値より小さい時には入力トリガ1を分周してトリ
ガ3を得る分周比を小さくして設定値以上に入るように
している。
【0107】図9には図8の構成要素の1つである可変
分周回路100の内部の回路構成が示されている。11
1〜114は入力を2分の1に分周する分周器であり、
D2,D4,D8,D16は分周指示信号である。入力
トリガ1は各分周器で分周され、分周された分周信号D
V2、DV4、DV8、DV16を出力する。
【0108】分周信号DV2は入力トリガ1を2分の1
に分周、分周信号DV4は入力トリガ1を4分の1に分
周、分周信号DV8は入力トリガ1を8分の1に分周、
分周信号DV16は入力トリガ1を16分の1に分周し
た信号である。分周指示信号D2、D4、D8、D16
により各分周動作をオンまたはオフすることができる。
入力トリガ1および各分周信号DV2、DV4、DV
8、DV16は、オア回路115に入力され、トリガ3
を出力する。
【0109】図10、11および12には図8および図
9に示したトリガ分周器53の動作を示すタイムチャー
トが示されている。このタイムチャートを用いてトリガ
分周器53の動作を説明する。
【0110】シーケンス・カウンタ107は、たとえば
3ビットのカウンタで、分周クロック21に同期してイ
ンクリメントし、0〜7の値を示すシーケンス・データ
124を出力する。リセット信号14が“H”のときは
シーケンス・カウンタ107の出力をすべて“L“にす
る。シーケンス・データ124は時間窓作成器108、
カウンタ・クリア生成器109、シフト・クロック生成
器106、ステータス信号器105に入力される。
【0111】時間窓作成器108は、所定の期間だけ
“H”となる(b)の時間窓信号125を発生する。
(d)のシーケンス・データ124が1の時、次の時点
t71における(c)の分周クロック21で(b)の時
間窓信号125を“H“にする。(d)のシーケンス・
データ124が時間窓設定値Nw +1と一致した時、時
点t72の分周クロック21で時間窓信号125を“L
“にする。(b)の時間窓信号125の“H”の期間
(t71〜t72)は分周クロック周期×分周クロック
個数(Nw )となる。時間窓信号125はトリガ・カウ
ンタ102のカウント・イネーブル端子(EN)に入力
される。
【0112】カウンタ・クリア生成器109は、トリガ
・カウンタ102をクリアするための分周クロック21
の1周期分のパルス幅のカウンタ・クリア信号126を
生成している。シーケンス・データ124が(Nw +N
c +2)の時、分周クロック21で時点t74において
(e)のカウンタ・クリア信号126を“H”(t74
〜t75)にする。このカウンタ・クリア信号126
は、トリガ・カウンタ102のリセット端子(RC)に
入力される。
【0113】ここでNc は、上限比較器103および下
限比較器104の出力である上限比較結果122および
下限比較結果123を確定するために要する時間を分周
クロック21の周期で表したものであり、図示の例で
は、Nc =1として描いている。時間窓設定値Nw は、
図示の例ではNw =4として描いている。
【0114】トリガ・カウンタ102は、(b)の時間
窓信号125が“H”の期間(t71〜t72)に入力
される(a)のトリガ3のパルス数をカウントしてい
る。トリガ・カウンタ102は、時間窓信号125が
“H”である期間においてのみクロック入力端子(C
K)に入力される(a)のトリガ3のポジティブ・エッ
ジでインクリメントするアップカウンタである。
【0115】リセット端子(RC)に印加される(e)
のカウンタ・クリア信号126が“H”のとき(t74
〜t75)は、トリガ・カウンタ102の出力(8ビッ
トとする)である(f)のトリガ・パルス数121をす
べて“L”に初期化(clear)する。(f)の時間窓信
号125をカウント・イネーブル端子ENに、(a)の
トリガ3をクロック端子CKに、(e)のカウンタ・ク
リア信号126をリセット端子RCに入力している。
【0116】トリガ・カウンタ102のデータ出力であ
るトリガ・パルス数121は上限比較器103および下
限比較器104に入力される。(f)のトリガ・パルス
数121において、時点t71〜t72の期間は入力ト
リガ1を分周して得たトリガ3の(Tdvd )パルス数を
カウントしている。
【0117】上限比較器103は、上限設定値Nu と
(f)のトリガ・パルス数121を受けて、予め設定さ
れた時間窓の上限設定値Nu の値を(f)のトリガ・パ
ルス数121の値と比較し、トリガ・パルス数121の
値が上限設定値Nu の値を越えている時には、(g)の
上限比較結果122(Result )において時点t72〜
t74で“H”を出力する。
【0118】下限比較器104は、下限設定値Nl と
(f)のトリガ・パルス数121を受けて、予め設定さ
れた時間窓の下限設定値Nl の値を(f)のトリガ・パ
ルス数121の値と比較し、トリガ・パルス数121の
値が下限設定値Nl の値より大きい時には、(h)の下
限比較結果123(Result )において時点t72〜t
74で“L”を出力する。
【0119】シフト・クロック生成器106は、シーケ
ンス・データ124から、シフト・レジスタをシフトす
るための(j)のシフト・クロック127を出力してい
る。(d)のシーケンス・データ124が(Nw +Nc
+1)の時、分周クロック21(t73〜t74)でシ
フト・クロック127を“H”にする。
【0120】Nc は上限比較器103および下限比較器
104の上限および下限比較結果122と123の出力
が確定する迄に要する時間から決定する。図示した例で
は、分周クロック21の周期を単位にして、Nc =1で
描いている。時間窓設定値Nw は、図示の例ではNw =
4となっている。シフト・クロック127はシフト・レ
ジスタ101のクロック入力端子(CK)に入力されて
いる。
【0121】ステータス信号器105では、(c)の分
周クロック21と、(d)のシーケンス・データ124
と、(g)の上限および(h)の下限比較結果122お
よび123を受けて、(l)のステータス信号20を出
力している。このステータス信号20は、分周して得ら
れたトリガ3の周期が設定範囲内に入ったことを示して
いる。
【0122】(g)の上限比較結果122が“L”で、
かつ(h)の下限比較結果123が“L”の時(図11
のt77〜t79)、かつ、(d)のシーケンス・デー
タ124が(Nw +Nc +2)の時、分周クロック21
で(l)のステータス信号20を、時点t79において
“H“にする。図示した例では、Nw =4、Nc =1と
している。
【0123】(g)および(h)の上限および下限比較
結果122と123のどちらかが“H”の時は(t72
〜t74の場合)、(d)のシーケンス・データ124
が(Nw +Nc +2)の時、分周クロック21で、時点
t74において(l)のステータス信号20を“L”に
する。図示の時点t74以前において、(l)のステー
タス信号20は“L”であったから、時点t74になっ
ても、“L”のままである。
【0124】シフト・レジスタ101には、上限および
下限比較結果122および123がシフト方向選択端子
S2およびS1に印加されている。シフト・レジスタ1
01のDR端子には“0”を入力している。これにより
右シフト時に出力端子Q3に出力されるデータは“0
“となる。DL端子には“1”を入力している。これに
より左シフト時に出力端子D0に出力されるデータには
“1”を出力する。
【0125】クロック端子CKにはシフト・クロック1
27が印加されている。リセット端子RSにはリセット
信号14が印加されている。出力端子Q3、Q2、Q
1、Q0からは、それぞれ、分周指示信号D2、D4、
D8、D16が出力されている。
【0126】シフト・レジスタ101のシフト方向は、
シフト方向選択端子S1およびS2により、次のように
決まる。S1が“H”かつS2が“L”の時、左へシフ
ト。S1が“L”かつS2が“H”の時、右シフト。S
1が“L”かつS2が“L”の時、シフト停止となる。
リセット端子RSに印加されているリセット信号14が
“H”の時、シフト・レジスタ101の出力端子Q0〜
Q3は、すべて“1”に初期化される。
【0127】シフトレジスタ101の出力Q3、Q2、
Q1、Q0の状態は図10〜12の(i)にバイナリコ
ード(bin )で示されている。時点t73以前において
は(i)のシフト・レジスタ101は“1111”であ
り、これはQ3、Q2、Q1、Q0の各出力が“1”で
あることを意味し、このときは、分周器111〜114
(図9)は分周動作をしないから、入力トリガ1がオア
回路115に印加され、時点t74までは入力トリガ1
がそのままトリガ3として出力される。
【0128】時点t73以降は、(i)のシフト・レジ
スタ101の出力Q3、Q2、Q1、Q0の各出力は、
バイナリ表示で“0111”になっている。Q3が
“0”であり、Q2〜Q0はすべて“1”である。そこ
で分周器111は分周動作をして入力トリガ1を2分の
1に分周した分周信号DV2を出力するが、他の分周器
112〜114は動作をしない。この時はオア回路11
5には入力トリガ1と分周信号DV2が印加される。
【0129】図示されてはいないが、(i)のシフト・
レジスタ101の出力Q3、Q2、Q1、Q0の各出力
が“0011”のときには、分周器111および112
からそれぞれ入力トリガ1を2分の1および4分の1に
それぞれ分周した分周信号DV2、DV4を出力する。
この場合には、オア回路115には、入力トリガ1、分
周信号DV2とDV4が印加される。分周器113と1
14は動作をしない。
【0130】同様に図示されてはいないが、(i)のシ
フト・レジスタ101の出力Q3、Q2、Q1、Q0の
各出力が“0001”のときには、分周器111,11
2および113から、それぞれ入力トリガ1を2分の1
に、4分の1に、および8分の1にそれぞれ分周した分
周信号DV2、DV4、DV8を出力する。この場合に
は、オア回路115には入力トリガ1、分周信号DV
2、DV4、DV8が印加される。
【0131】同様に図示されてはいないが、(i)のシ
フト・レジスタ101の出力Q3、Q2、Q1、Q0の
各出力が“0000”のときには、分周器111,11
2,113および114からそれぞれ入力トリガを2分
の1に、4分の1に、8分の1におよび16分の1にそ
れぞれ分周した分周信号DV2、DV4、DV8、DV
16を出力する。この場合には、オア回路115には入
力トリガ1、分周信号DV2、DV4、DV8、DV1
6が印加される。
【0132】図13には、図9に示した可変分周回路1
00の分周器111,112,113および114の出
力を表すタイム・チャートが示されている。(a)には
入力トリガ1が、(b)には入力トリガ1を2分の1に
分周した分周信号DV2が、(c)には入力トリガが1
を4分の1に分周した分周信号DV4が、(d)には入
力トリガ1を8分の1に分周した分周信号DV8が、
(e)には入力トリガ1を16分の1に分周した分周信
号DV16が示されている。
【0133】ここで(b)の分周信号DV2の立上り
は、(a)の入力トリガ1の立上りエッジである時点t
91に対して、分周器111における図示できない程度
の僅かな遅延を生ずる。(c)の分周信号DV4は
(b)の分周信号DV2に対して、分周器112におけ
る図示できない程度の僅かな遅延を生ずる。(d)の分
周信号DV8は(c)の分周信号DV4に対して、分周
器113における図示できない程度の僅かな遅延を生ず
る。(e)の分周信号DV16は(d)の分周信号DV
8に対して、分周器114における図示できない程度の
僅かな遅延を生ずる。
【0134】ところが、オア回路115の出力である
(f)のトリガ3は、(a)の入力トリガ1の立上り時
点t91で立上るから、分周信号DV2、DV4、DV
8、DV16の立上りの僅かな遅れは、(f)のトリガ
3には現れない。したがって、図9の可変分周回路10
0によるならば、分周比を変えても、出力である(f)
のトリガ3の立上りエッジは、常に(a)の入力トリガ
1の立上りエッジによって決定されている。
【0135】一般に、従来のフリップフロップで分周さ
れた信号出力と、分周比が1(スルー)である場合の信
号出力では、信号入力時刻から出力時刻までの遅延時間
が異なる。トリガの遅延時間が異なると、参照トリガ
(Ref.Trig )とクロックの時間差を測定する時間補
間測定結果が分周比によって変化し、正確な波形表示が
得られない(図35参照)。
【0136】そのような従来例に対して図9の可変分周
回路100は分周比の変化によって入力トリガ1と分周
された出力のトリガ3の立上りエッジは全く影響を受け
ないという特徴を有している。
【0137】図14には、図8に示したトリガ分周器5
3とは異なる構成のトリガ分周器53Bを示している。
このトリガ分周器53Bも図1のトリガ分周器53とし
て使用することができる。図8に示したトリガ分周器5
3との相違点はシフト・レジスタ101に替えて分周比
選択信号生成器110と、可変分周回路100に替えて
可変分周回路100Bを用いている点である。分周信号
DV2、DV4、DV8、DV16を一括してDVとし
て表示している。したがって、以下においては、その相
違点について説明する。
【0138】図15には、図14の可変分周回路100
Bの内部構成が示されている。131はマルチプレク
サ、132と133はオア・ゲート、134はアンド・
ゲート、135はインバータ、137と138はDフリ
ップフロップである。
【0139】図16には、図15の可変分周回路100
Bの入力(Input)である分周比選択信号SL2、SL
1、SL0と出力(Output)であるトリガ(Trig)3
の関係を示している。
【0140】図17には、図14〜16に示した構成の
動作を説明するためのタイム・チャートを示している。
ここでは、分周信号DV2、DV4、DV8、DV16
のうち、DV4を用いた場合を説明している。
【0141】図16のデータ選択信号図によると、分周
比選択信号生成器110の出力である分周比選択信号S
L0が“1”であればSL2とSL1にかかわらず(D
on'tcare )可変分周回路100Bの入力トリガ(Inpu
t Trig)1がそのまま分周されずにトリガ(Trig )
3となって出力される。すなわち、図10〜12の
(i)101のデータが“1111”となっている場合
に相当する。
【0142】分周比選択信号SL2、SL1、SL0が
“000”の場合は、入力トリガ1を2分の1分周した
分周信号DV2が、同じく“010”では4分の1分周
した分周信号DV4が、同じく“100”では8分の1
分周した分周信号DV8が、同じく“110”では16
分の1分周した分周信号DV16がトリガ(Trig )3
として出力される。
【0143】図15を参照しながら図17を説明する。
(a)のトリガ1はDフリップフロップ137、138
のクロック端子およびオア・ゲート133に入力されて
いる。
【0144】入力トリガ1を分周器111で2分の1に
分周した分周信号DV2はマルチプレクサ131のデー
タ端子D0に、同じく入力トリガ1を分周器112で4
分の1に分周した分周信号DV4はマルチプレクサ13
1のデータ端子D1に、同じく入力トリガ1分周器11
3でを8分の1に分周した分周信号DV8はマルチプレ
クサ131のデータ端子D2に、同じく入力トリガ1を
分周器114で16分の1に分周した分周信号DV16
はマルチプレクサ131のデータ端子D16に印加され
ている。
【0145】分周比選択信号SL2、SL1で選択され
た信号をマルチプレクサ131の出力端子から(c)の
信号141として出力される。(b)の分周信号DV4
が選択されている場合(SL2=0、SL1=1、SL
=0)は(c)の信号141には、(b)の分周信号D
V4が得られる。
【0146】Dフリップフロップ137の出力端子Qか
らは、(d)の信号142が得られる。信号142は、
(c)の信号141に対して入力トリガ1の1周期分遅
れて得られる。(e)の信号143は、(d)の信号1
42のノット信号である。Dフリップフロップ138の
出力端子Qからは(f)の信号144が得られる。この
信号は、(d)の信号142に対して入力トリガ1の1
周期分遅れて得られる。
【0147】かくして、(a)の入力トリガ1、(e)
の信号143、(f)の信号144を印加されたオア・
ゲート133は、(g)のトリガ3を出力する。ここで
(g)のトリガ3のネガティブ・エッジは時点t94の
入力トリガ1のネガティブ・エッジに一致しており、ト
リガ3のポジティブ・エッジは、時点t95の入力トリ
ガ1のポジティブ・エッジに一致している。
【0148】(b)の分周信号DV4や、(e)の信号
143、(f)の信号144の入力トリガ1のポジティ
ブ・エッジ(t95)からの図示されてはいない僅かな
遅延時間は、(g)のトリガ3のポジティブ・エッジ
(t95)には現われない。
【0149】この可変分周回路100Bの場合も、図9
および図13で説明した可変分周回路100の場合と同
様に、分周比を変化させても、入力トリガ1と分周して
得られたトリガ3のポジティブ・エッジのタイミングは
変化しないことが解る。
【0150】図18には、図8および図14に示したト
リガ分周器53および53Bの動作の流れを示してい
る。動作が開始すると、入力トリガ1の周期は未知であ
るから、分周比は1として可変分周回路100(および
100B)の出力であるトリガ3を出力する(S1)。
【0151】トリガ・カウンタ102では、設定した時
間窓に入るトリガ3のパルス数を計数する(S2)。そ
のパルス数が上限値Nu 以上であれば(S3Y)、ステ
ータス信号20を“L”にし(S4)、いま最大分周比
に設定されていないことを確認し(S5N)、分周比を
現在の分周比の2倍として(S6)、ステップS2へも
どる。いま、最大分周比に設定されている場合には(S
5Y)、ステップS2にもどる。
【0152】トリガ・カウンタ102の計数値が上限値
以上でない場合は(S3N)、下限値以下であれば(S
7Y)、ステータス信号20を“L”にし(S8)、現
在の分周比が1でなければ(S9N)、分周比を現在の
分周比の2分の1にする。現在の分周比が1であれば
(S9Y)、ステータス信号20を“H”にし、ステッ
プS2にもどる。トリガ・カウンタ102の計数値が下
限値以下でなければ(S7N)、ステータス信号20を
“H”にし(S11)、ステップS2にもどる。
【0153】図19には、図8および図14に示したト
リガ分周器53および53Bの機能図を示している。こ
こでバイナリ・カウンタ150は、図8および図14の
可変分周回路100および100Bの機能に対応し、時
間窓発生器151は、図8および図14の可変分周回路
100および100Bを除いたすべての回路の機能に対
応している。バイナリ・カウンタ150には入力トリガ
1が印加されトリガ3が出力される。
【0154】時間窓発生器151において予め設定した
期間である時間窓Tw を発生し、この時間窓Tw の間に
発生するトリガ3の数を計数する。その計数値が設定値
より大きいときは分周比を増加し、逆に設定値より小さ
いときには分周比を減少するようバイナリ・カウンタ1
50に制御信号を送出する。
【0155】この構成では、1回の時間窓Tw の測定に
ついて、分周比を現在の2倍、あるいは、2分の1にす
るように変化するので、分周比を設定するのに必要な時
間は、最大で、 Tw の発生周期×log2(最大分周比) となる。
【0156】トリガ3の繰り返し周波数をfdvd 、入力
トリガ1の繰り返し周波数をft とする。そこで、fdv
d を50MHz、最大のft を3.2GHzとすれば最
大分周比は64である。時間窓Tw は100〜200n
s程度、また時間窓Tw の発生周期は1μs以下に設定
できるので、入力トリガ1が1GHzから数MHz以下
に変化しても6μsで分周比を確定できる。
【0157】図20には、図19のバイナリ・カウンタ
150の入力である入力トリガ1の繰り返し周波数ft
を横軸に、バイナリ・カウンタ150の出力であるトリ
ガ3の繰り返し周波数fdvd を縦軸にとり、シミュレー
ションした結果を示している。
【0158】特定の入力トリガ1の周波数ft =1とし
たとき、時間窓Tw =4にし、分周比を2倍あるいは2
分の1倍に変えるか否かを判定する。1つの入力トリガ
1の周波数ft あたり10回計算している。出力周波数
fdvd が2値間で変動している。
【0159】時間窓Tw の期間に計測されるトリガ3
(周波数fdvd、周期Tdvd)の数Ntは、時間窓Tw の
発生時におけるトリガ3の入力位相φ(タイミング)の
影響を次ぎの式で示すように受けるからである。 Nt =Ceiling [x] x=[TW −(φ/2π)×Tdvd ]/Tdvd また、Ceiling [x]はx以上で最小の整数である。
【0160】入力位相φは0から2π迄の乱数(ばらつ
き)となるので、Nt は量子化誤差1を有する。図20
では、出力周波数fdvd は大きな跳びを生じている。f
dvdがこの跳びを生ずる周波数の近傍にあると、ノイズ
や入力トリガ1の周波数の揺らぎによって、分周比が常
に変動する。
【0161】この分周比の変動による出力周波数fdvd
の跳びを抑制するために、図8および図14の構成例で
は、上限および下限設定値Nu およびNl の比を Nu /Nl >2 に設定している。これによってヒステリシス特性が得ら
れ、出力周波数fdvd の跳びが防止される。
【0162】図21には、Tw =4、Nu =7、Nl =
3すなわち、 Nu /Nl =7/3>2 の場合が例示されている。これにより入力トリガ1の周
波数ft が変動しても、その変動幅が大きく変動しなけ
れば、安定に分周した出力周波数fdvd を得ることがで
きる。
【0163】図22には、特定の出力されるトリガ3の
繰り返し周波数fdvd を1として、図8あるいは図14
に示したトリガ分周器53あるいは53Bにおいて上限
設定値Nu を下限設定値Nl の2倍より大きな値とする
ことの必要性を示すため、Nu がNl の2倍より小さい
場合の数値シミュレーションを行っている。下限設定値
Nl 、上限設定値Nu 以外すべて図21と同じ条件で、
Nl =3、Nu =5としている。
【0164】図22では図21に見られていたヒステリ
シスが無くなって、分周比が2値間で変動を繰り返して
いる。このことから、分周比が2値間で変動を繰り返す
動作を避けたい場合には、Nu >2Nl に設定して図2
1に示すように、ヒステリシス特性をもたせればよいこ
とが解る。
【0165】本発明によるトリガ分周器53および53
Bにおいて、上限設定値Nu とNlの関係をNu >2Nl
に設定すれば、図21に示すようにヒステリシス特性
を示す。そこで、このヒステリシス特性は入力トリガ1
の繰り返し周波数ft によってどのような影響を受ける
のか検討する。
【0166】図21において、ヒステリシスの横軸(周
波数軸)方向の高い周波数fH と低い周波数fL 、その
幅をヒステリシス量fH −fL とし、時間窓Tw 、分周
比Ndvd 、上限設定値Nu 、下限設定値Nl 、横軸にお
けるヒステリシス中心周波数fcnt を用いると次の関係
がある。
【0167】fL =(Nl /Tw )2Ndvd×2 fH =(Nu /Tw )2Ndvd fH −fL =(Nu −2Nl )2Ndvd/Tw fcnt =(fH +fL )/2
【0168】入力トリガ1の周波数ft の揺らぎ(変
動)が、ヒステリシス量(fH −fL)の範囲内にある
限りは、トリガ分周器53または53Bの分周後の出力
であるトリガ3の周波数fdvd は、2値間で変動を繰り
返すことなく、安定した動作が得られる。
【0169】トリガ分周器53または53Bがその出力
周波数fdvd を2値間で変動することなく、安定に動作
し得る入力トリガ周波数ft の揺らぎ(変動)の最大値
maxfdt は、次式で示される。
【0170】maxfdt =(fH −fL )/fcnt これを書き換えると、 maxfdt =(Nu −2Nl )/(Nu /2+Nl ) となる。
【0171】Nl =3、Nu =8の場合、 maxfdt =(8-2×3)/(8/2+3)=2/7 であるからヒステリシス中心周波数fcntに対して入力
トリガ1の周波数ft の揺らぎ(変動)幅が28.57 %以
下であれば安定動作をする。
【0172】図23には、図1の主要な構成要素である
トリガ分周器53(または53B)可変ホールド発生器
55および同期信号発生器54の機能すなわち、メタス
テーブル状態を回避してジッタを低減する機能を確認す
るための測定用の構成が示されている。ここで分周機能
と可変ホールド機能を個別に確認できるよう、それぞれ
の機能を無効にできる機能無効(disable )信号28と
29を追加した。
【0173】信号発生器190には周期可変発振器OS
C(HP8131A:ヒューレット・パッカード社製)
があり、その出力は2分されて、HP8131Aに内蔵
の2つの可変遅延器VDL1およびVDL2に印加され
る。
【0174】可変遅延器VDL2の出力はバッファ19
1とインバータ192を介して出力される。バッファ1
91を介した出力は、クロック9となる。インバータ1
92を介した出力は、セミリジツド同軸ケーブルである
遅延素子DL1を通ってオシロスコープ195(HP5
4750:ヒューレット・パッカード社製)のチャンネ
ルCH1に印加される。
【0175】可変遅延器VDL1の出力は、微調整可能
な可変遅延器VDL3(機械式)を介して入力トリガ1
となり、トリガ分周器53に印加される。トリガ分周器
53から出力されたトリガ3は、可変ホールド発生器5
5と同期信号発生器54に印加される。トリガ分周器5
3から出力されたステータス信号20は可変ホールド発
生器55に加えられる。
【0176】可変ホールド発生器55は、ホールド信号
6を出力し、同期信号発生器54に印加している。トリ
ガ3とホールド信号6を受けた同期信号発生器54で
は、トリガ3に同期した同期信号5を出力する。同期信
号5は、シグナルT(ST)で同期信号5のパワーの大
部分はオシロスコープのトリガ端子Trig に入力し、同
期信号5のパワーの一部を取り出して遅延素子DL2を
介してオシロスコープ195のチャンネルCH2に印加
される。
【0177】このような構成で、可変遅延器VDL1お
よびVDL3を調整してメタステーブル現象を発生し易
い条件にすることができる。ホールド信号6が終了し、
ホールドオフになろうとする時点の近傍でトリガ3が同
期信号発生器54に印加されると、メタステーブル現象
が発生し、同期信号5はトリガ3に対してジッタを生ず
る。このジッタの増大する様子はオシロスコープ195
の管面上で観察できる。
【0178】トリガ分周器53(又は53B)に機能無
効信号28が印加されたときには、可変分周回路100
(又は100B)は入力トリガ1を分周せずにそのまま
トリガ3として出力する。
【0179】可変ホールド発生器55に機能無効信号2
9が印加されたときには、メタステーブル検出信号22
はホールド回路57に印加されず、ホールド回路57に
おけるホールド期間Thold(図2のt31〜t36)の
変更(図2のt35〜t36)は行われない。
【0180】図24には、機能無効信号28および29
を印加して、入力トリガ1に対する分周機能をオフに、
ホールド期間Tholdを変更するための可変ホールド機能
をオフにした場合の、大きなジッタの発生を示してい
る。これは、メタステーブル状態を回避できないためで
ある。
【0181】図25には、機能無効信号29を印加し
て、入力トリガ1に対する分周機能はオンにしたまま、
ホールド期間Tholdを変更するための可変ホールド機能
をオフにした場合の、大きなジッタの発生を示してい
る。入力トリガ1に対する分周機能だけでは、メタステ
ーブル現象を十分に回避できないことを示している。
【0182】図26には、機能無効信号28および29
をともに印加しないで入力トリガ1に対する分周機能お
よびホールド期間Tholdを変更するための可変ホールド
機能をともに活かした場合、すなわち、本発明による装
置の機能を十分に発揮した場合のジッタ発生状況を示し
ている。図24および図25の場合と異なり、メタステ
ーブル現象を回避してジッタを低減している様子を確認
できる。さらに可変遅延器VDL1とVDL3を可変し
てもジッタの発生量は増加せず、メタステーブル現象を
回避できることを確認した。
【0183】本発明によれば、入力トリガ1の周期が一
定である限り、同期信号5の周期は一定値が得られる。
このことは文献2の「コヒーレント・サンプリング方法
と装置」のように、同期信号の周期を測定し、測定した
値を基にクロック周期をコントロールするシステムにお
いては不可欠の機能である。本発明は文献2の装置にも
適用することができる。
【0184】従来例として、図38、図39および図4
0を用いて、トリガ時間位置とホールド信号発生回数の
関係を説明した。これらの図においては、トリガ時間位
置が0の時に、大きな黒点で示すメタステーブル現象を
発生していた。そこで本願の装置の機能を、入力トリガ
1の周期Tt=6.88 とし、その他の条件、すなわち、T
c=1、Ts[0]=0.99 、Thold=13+Ts[N] は、従来例
の図38、図39および図40と同じにして数値シミュ
レーションした。
【0185】図27には、このトリガ時間位置とホール
ド信号発生回数との関係が示されている。ホールド信号
の発生回数が100回に達するまでは、可変ホールド機
能および入力トリガの分周機能をオフにしている。即
ち、従来と同じ動作をしている。トリガ時間位置は、0
の周辺にある。このことは、トリガ時間位置が0となっ
たときにはメタステーブル現象が発生するから、大きな
ジッタの発生が生じていることを意味している。
【0186】ホールド信号の発生回数が100回を越え
る時点で、入力トリガの分周機能と可変ホールド機能を
オンにして、コントロールを開始している。すなわち、
本願発明の機能を発揮する状態にしている。すると、ホ
ールド期間Tholdがコントロールされて、変更された結
果、トリガ時間位置が0となることは全く生じない。す
なわち、メタステーブル現象の発生が無くなっている。
【0187】図28には、図27のデータを得る最中に
おける同期信号5の周期の変動を表している。すなわ
ち、入力トリガの分周機能と可変ホールド機能のコント
ロールを開始するまでのホールド信号発生回数100回
までは、同期信号5の周期は、Tt で規格化して、2と
3の間で変動を繰り返している。しかし、コントロール
開始以降のホールド信号発生回数100回以上では、同
期信号5の周期は3で固定化されて一定となって本発明
の効果が発揮されている。
【0188】図29には、図23に示した測定系を用い
て、同期信号5を観測した場合のオシロスコープ195
の管面上の波形を示している。図29の測定において
は、図23の機能無効信号28をオフにし、機能無効信
号29をオンにして、トリガ分周機能をオン、可変ホー
ルド機能をオフにしている。
【0189】観測している同期信号5の周期が変動して
いるため、最左端のパルス(同期信号5)を基準にし、
左から2番目のグループには2つの、3番目のグループ
には3つの、4番目のグループには4つの異なるタイミ
ングのパルスが観測される。
【0190】図30には、図23に示した測定系を用い
て、同期信号5を観測した場合のオシロスコープ195
の管面上の波形を示している。図30の測定において
は、図23の機能無効信号28をオフにし、機能無効信
号29をオフにして、トリガ分周機能をオン、可変ホー
ルド機能もオンにしている。
【0191】観測している同期信号5の周期の変動がな
いため、最左端のパルス(同期信号5)を基準にし、左
から2番目、3番目、4番目のパルスともに各1個のパ
ルスが観測される。これは、同期信号5の周期が変動せ
ず、一定となっていることを示している。
【0192】トリガ3を受け付けないホールド期間が終
り、トリガ3を受け付けるホールドオフに移行する過渡
期にトリガ3が印加されると、直ちに同期信号5を発生
することができず、遅れて発生してジッタの原因とな
る。これがメタステーブル(準安定)状態である。メタ
ステーブル状態で可変ホールド発生器55が、その機能
を十分に発揮できない状況が生ずる可能性がある。これ
を図1を参照しながら説明する。
【0193】ケース1:同期信号5がメタステーブル状
態において発生しているにもかかわらず、メタステーブ
ル検出器56が、トリガ3をメタステーブル検出窓信号
23の期間中に検出せず、メタステーブル検出信号22
をホールド回路57に対して出力しない可能性があり得
る。
【0194】ケース2:メタステーブル状態となる可能
性がないタイミングで同期信号5が発生しているにもか
かわらず、メタステーブル検出器56が、トリガ3をメ
タステーブル検出窓23の期間中に検出し、メタステー
ブル検出信号22をホールド回路57に対して出力して
しまう可能性があり得る。
【0195】ケース1および2の問題が生ずるのは、メ
タステーブル検出器56においてメタステーブル検出信
号22を発生する際にも、トリガ3がメタステーブル検
出窓信号23の立上りあるいは立下りエッジ付近の過渡
状態で印加される可能性があるからである。
【0196】図31には、メタステーブル検出器56お
よびホールド回路57における過渡状態における問題点
を説明するためのタイムチャートが示されている。
(a)のホールド信号6が、時点t105において、
“H”から“L”のホールドオフに遷移している。
(b)のメタステーブル検出窓信号23は時点t102
で“L”から“H”になり、時点t108で“H“から
“L”に遷移している。
【0197】(b)のメタステーブル検出窓信号23が
時点t102において印加されても、その前後に誤って
(c)のトリガ3を検出するあるいは検出しない期間が
存在する。この前後の誤りを生ずる可能性のある検出期
間をホールド・タイムthdおよびセット・アップ・タイ
ムtsuと呼んでいる。
【0198】すなわち、時点t102の前後にthd2と
tsu2、時点t105の前後にthd1とtsu1、時点t
108の前後にthd2とtsu2が存在する。
【0199】たとえば、時点t101〜t102のthd
2において、メタステーブル検出器56にトリガ3が印
加されると、誤ってトリガ3を検出し、メタステーブル
検出信号22を出力してしまうことがある。また、時点
t102〜t103において、メタステーブル検出器5
6にトリガ3が印加されると、トリガ3を検出せずにメ
タステーブル検出信号22を出力しないという誤った動
作をしてしまう可能性がある。
【0200】このような誤作動を発生する可能性のある
期間がT23aである。また時点t105やt108を
中心にしてそのような誤作動を発生する可能性のある期
間T6やT23bが存在する。これらの期間T23aと
T6の間隔(t103〜t104)およびT6とT23
bの間隔(t106〜t107)が0にならないように
(b)のメタステーブル検出窓信号23のパルス幅(t
102〜t108)が設定されなければならない。
【0201】そこで、前記ケース1を避けるためには、
(a)のホールド信号6がホールドオフになる時点t1
05以前の(b)のメタステーブル検出窓信号23のパ
ルス幅tda(t102〜t105)は、tsu2(t10
2〜t103)とthd1(t104〜t105)の和よ
りも大でなければならない。 tda>tsu2+thd1
【0202】(a)のホールド信号6がホールドオフに
なる時点t105以後の(b)のメタステーブル検出窓
信号23のパルス幅tdb(t105〜t108)は、t
su1(t105〜t106)とthd2(t107〜t1
08)の和よりも大でなければならない。 tdb>tsu1+thd2
【0203】したがって、(b)のメタステーブル検出
窓信号23のパルス幅 tda+tdbは、 tda+tdb>tsu2+thd1+tsu1+thd2 でなければならない。
【0204】前記のケース2を避けるための、ホールド
信号6の最小可変期間Tshtminおよびトリガ3の最小周
期Ttminが求められる。
【0205】最小可変期間Tshtminは、(b)のメタス
テーブル検出窓信号23の幅(t102〜t108)を
最小(t103〜t104を0、t106〜t107を
0)にしたときの幅にクロック9の1クロック周期Tc
を加えた値、 T23a +T6 +T23b +Tc となる。
【0206】そこで(c)のトリガ3の最小の周期Ttm
in=2Tshtminとなる。
【0207】ここで、tsu1(t105〜t106)、
thd1(t104〜t105)、tsu2(t102〜t
103またはt108〜t109)とthd2(t101
〜t102またはt107〜t108)のすべてが、そ
れぞれ、Tc /4と仮定すると、Tshtmin=(5/2)
Tc となるので、 Ttmin≧5Tc とすれば、ケース2の事態は避けられる。
【0208】ここで通常は、(a)のホールド信号6や
(b)のメタステーブル検出窓信号23の制御は、クロ
ック9の同一エッジで行うのが容易であるから、 Tshtmin=3Tc Ttmin =6Tc として実施することができる。
【0209】図32は、可変ホールド発生器55とトリ
ガ分周器53において決定される図31を用いて説明し
たホールド信号6の最小可変期間Tshtminとトリガ3の
最小周期Ttminの発生状況を示すタイムチャートであ
る。
【0210】図32(a)の時点t124における周期
Tc のクロック9に制御されて(b)のホールド信号6
は“H”から“L”になりホールドオフとなる。(c)
のメタステーブル検出窓信号23は、ホールドオフにな
った時点t124を中心にして±Tc /2の幅を有して
いる。
【0211】(c)のメタステーブル検出窓信号23の
後縁の時点t125から、すくなくとも、(1/4)T
c 離れた時点t126〜t127で、(f)のトリガ3
が印加されればメタステーブル現象の発生はなく、ジッ
タも発生しない。ここでは(f)のトリガ3の発生範囲
は斜線のTc の期間にあると仮定している。
【0212】そこでホールド信号9の可変期間が変更さ
れて、(d)のホールド信号9のように、時点t129
でホールドオフになった場合(e)のメタステーブル検
出窓信号23cも時点t129を中心にした時点t12
8〜t130に移行して、(f)のトリガ3の分布の後
縁である時点t127と、(e)のメタステーブル検出
窓信号23cの前縁の時点t128の時間間隔は(1/
4)Tc となる。
【0213】このときのホールド信号9のホールドオフ
への移行時点t124からt129へのシフト量は、2.
5Tcであり、これが、ホールド信号9のシフト量最小可
変期間Tshtminであることを示している。
【0214】(c)のメタステーブル検出窓信号23に
対して時点t121〜t122の範囲に(h)のトリガ
3cが分布してもメタステーブル検出はされない。この
(h)の時点t121〜t122のトリガ3cに対し、
ホールド信号9が(d)のホールド信号9cにシフト
し、(e)のメタステーブル検出窓信号23cになった
とき、メタステーブル検出がされないようにコントロー
ルしなければならない。
【0215】そのためには、たとえば、時点t121に
トリガ3cがあったとき、次のトリガ3cは時点t12
1からすくなくとも5Tc 離れた時点t131〜t13
2で発生するならば、メタステーブル検出はなされな
い。この5Tc がトリガ3の最小周期Ttminである。
【0216】図33および図34には、タイムベース制
御器65に含まれた時間補間器の回路とその動作を示す
タイムチャートを示している。この図33の回路は、デ
ュアル・スロープ方式と呼ばれる公知の回路であるが、
本発明の目的を達成するためのコントロールが必要とな
るので、それについて説明する。
【0217】定電流源181は、たとえば、1000Iの定
電流を、スイッチ185が同期信号5によってオンにな
っている期間、たとえば、時間差Ts (図2のt31〜
t32またはt37〜t38)の間に容量Cを充電す
る。
【0218】時間差Ts の期間が終ると放電期間(Tdi
s) がスタートし、その間、スイッチ186はオンとな
って定電流Iを流す定電流源182により容量Cの電荷
を放電する。全電荷が放電されると、放電期間Tdis は
終了する。この放電期間Tdisは、その期間のクロック
9の数をカウントすることによって計数される。すなわ
ち、Tdis=1000Ts となる。
【0219】図2のホールド期間Tholdは、 Thold=Ts +Tdis+Ttran+Tpre=1001Ts+Ttra
n+Tpre となる。ここで、Ttranは図35のデータ処理および転
送の期間(図2のt33〜t34)、Tpreは図35の
プリトリガデータ収録の期間(図2のt34〜t35)
である。この放電期間Tdis はクロック周期Tc のクロ
ック9でカウントされるから、Tdis の値は、クロック
9の1個分(Tc )の揺らぎを誤差として持つ。
【0220】Tc ≦Ts ≦ 2Tc の場合は、ホールド期間Thold の変動幅(揺らぎ)
は、Ts の変動を無視して1000Tc となる。ホールド信
号6の必要な変動幅、すなわち、最小可変期間Tshtmin
は、2000 Tc となる。そこでトリガ分周器53が出力
すべきトリガ3の最小周期Ttminは2Tshtmin 、すな
わち、4000 Tc となる。
【0221】図33および図34の例示においは、充電
用の定電流源181の電流値を1000I放電用の定電流源
182の電流値をIとした場合、すなわち、その電流比
Ni=1000 の場合であった。このNi は他の値であって
も同様であるから、 Tshtmin=2NiTc Ttmin =4NiTc とするならば、メタステーブル現象を避けることができ
る。
【0222】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、ホール
ド信号が終ってホールドオフとなる時点をトリガの分布
範囲外へシフトするように可変期間を設け、この要件を
満足するトリガの繰り返し周波数となるように入力トリ
ガを分周するようにした。
【0223】したがって、ホールド信号がホールドオフ
になる時点でトリガが印加されることがなくなり、同期
信号の発生周期も一定となるため、メタステーブル現象
の発生を回避し、ジッタの極めて小さなコヒーレント・
サンプリングが可能になった。したがって、本発明の効
果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す回路構成図である。
【図2】図1の回路の動作を示すタイムチャートであ
る。
【図3】図1の構成要素であるホールド回路の内部の回
路構成図である。
【図4】図1の構成要素である同期信号発生器の内部の
回路構成図である。
【図5】図1の構成要素であるカウンタ群の内部の回路
構成図である。
【図6】図3〜図5の回路の動作を示すタイムチャート
である。
【図7】図6とともに、図3〜図5の回路の動作を示す
タイムチャートである。
【図8】図1の構成要素であるトリガ分周器の内部の回
路構成図である。
【図9】図8の構成要素である可変分周回路の内部の回
路構成図である。
【図10】図8および図9に示したトリガ分周器の動作
を示すためのタイムチャートである。
【図11】図10とともに、図8および図9に示したト
リガ分周器の動作を示すためのタイムチャートである。
【図12】図10,図11とともに、図8および図9に
示したトリガ分周器の動作を示すためのタイムチャート
である。
【図13】図9に示した可変分周回路の動作を示すタイ
ムチャートである。
【図14】図1の構成要素であるトリガ分周器の他の実
施例の内部の回路構成図である。
【図15】図14の回路構成要素である可変分周回路の
実施例を示す内部の構成図である。
【図16】図15の可変分周回路のデータ選択信号図で
ある。
【図17】図15の回路の動作を示すタイムチャートで
ある。
【図18】図8および図14に示したトリガ分周器の動
作の流れを示すフローチャートであるる
【図19】図1の構成要素の1つであるトリガ分周器の
機能を説明するための機能図である。
【図20】図19のトリガ分周器の機能のシミュレーシ
ョン図である。
【図21】図19のトリガ分周器にヒステリシス特性を
持たせた場合のシミュレーション図である。
【図22】図19のトリガ分周器にヒステリシス特性を
持たせない場合のシミュレーション図である。
【図23】図1の主要な構成要素であるトリガ分周器、
可変ホールド発生器および同期信号発生器の機能を確認
するための測定構成図である。
【図24】図23の測定系において、トリガ分周器の機
能をオフ、可変ホールド発生器の機能をオフにした場合
に観測した信号のジッタ発生状況を示すオシロスコープ
の観測波形図である。
【図25】図23の測定系において、トリガ分周器の機
能をオン、可変ホールド発生器の機能をオフにした場合
に観測した信号のジッタ発生状況を示すオシロスコープ
の観測波形図である。
【図26】図23の測定系において、トリガ分周器の機
能をオン、可変ホールド発生器の機能をオンにして、本
発明の機能を発揮した場合に観測した信号のジッタ発生
状況を示すオシロスコープの観測波形図である。
【図27】図1の回路構成において可変ホールド発生器
の機能をオフまたはオンした場合のトリガ時間位置とホ
ールド信号の発生回数の分布を示すシミュレーション図
である。
【図28】図1の回路構成において同期信号の周期とホ
ールド信号の発生回数の関係を示す図27に対応したシ
ミュレーション図である。
【図29】図23の測定系においてトリガ分周器の機能
をオン、可変ホールド発生器の機能をオフにした場合の
オシロスコープに観測される信号波形図である。
【図30】図23の測定系においてトリガ分周器の機能
をオン、可変ホールド発生器の機能をオンにした場合の
オシロスコープに観測される信号波形図である。
【図31】図1の構成要素である可変ホールド発生器に
含まれたメタステーブル検出器とホールド信号の関係を
示すメタステーブル状態図である。
【図32】図1の構成要素である可変ホールド発生器と
トリガ分周器のメタステーブル発生状況における動作を
示すタイムチャートである。
【図33】図1の構成要素であるタイムベース制御器に
含まれた時間補間器の回路構成図である。
【図34】図33の時間補間器の動作を説明するための
タイムチャートである。
【図35】従来のサンプリング・オシロスコープのホー
ルド期間を説明するためのタイムチャートである。
【図36】従来の同期信号発生器の回路図である。
【図37】従来のメタステーブル発生の可能性を検出す
る検出回路図である。
【図38】従来のトリガ時間位置とホールド信号の発生
回数の変化を示すシミュレーション図である。
【図39】従来の図38の場合とは異なるトリガ周期に
よるトリガ時間位置とホールド信号の発生回数の変化を
示すシミュレーション図である。
【図40】従来の図38および図39の場合とは異なる
トリガ周期によるトリガ時間位置とホールド信号の発生
回数の変化を示すシミュレーション図である。
【図41】従来のメタステーブル状態の発生原因とそれ
を回避する条件を説明するための可変ホールドとトリガ
周期の関係を示すタイムチャートである。
【図42】従来のトリガ分周の機能を説明するための機
能構成図である。
【図43】従来の図42に示した構成によるトリガ分周
機能を説明するための分周機能特性図である。
【符号の説明】
1 入力トリガ 2 被測定信号 3 トリガ 5 同期信号 6 ホールド信号 9 クロック 11 サンプル値 12 取得データ 13 波形データ 14 リセット信号 15 書込み信号 16 データ転送指示信号 17 書込みアドレス信号 18 データ転送クロック 19 プリトリガ・カウント終了信号 20 ステータス信号 21 分周クロック 22 メタステーブル検出信号 23 メタステーブル検出窓信号 24 カウンタ制御信号 28,29 機能無効信号 51 入力トリガ端子 52 信号入力端子 53 トリガ分周器 54 同期信号発生器 55 可変ホールド発生器 56 メタステーブル検出器 57 ホールド回路 58 クロック分周器 59 クロック発生器 61 サンプラ 62 取得メモリ 63 波形メモリ 64 タイムベース 65 タイムベース制御器 66 カウンタ群 71 ホールド生成器 72 検出窓生成器 73 制御信号ラッチ回路 74 カウンタ・イネーブル生成器 75 タイミング・カウンタ 76 タイミング選択器 81 イネーブル信号 82 キャリー 83 カウンタ出力 84 選択信号 85 選択指示信号 91 ポストトリガ・カウンタ 92 データ転送シーケンサ 93 プリトリガ・カウンタ 100,100B 可変分周回路 101 シフト・レジスタ 102 トリガ・カウンタ 103 上限比較器 104 下限比較器 105 ステータス信号器 106 シフト・クロック生成器 107 シーケンス・カウンタ 108 時間窓作成器 109 カウンタ・クリア生成器 110 分周比選択信号生成器 111〜114 分周器 115 オア回路 121 トリガ・パルス数 122 上限比較結果 123 下限比較結果 124 シーケンス・データ 125 時間窓信号 126 カウンタ・クリア信号 127 シフト・クロック 131 マルチプレクサ 132,133 オア・ゲート 134 アンド・ゲート 135 インバータ 137,138 Dフリップフロップ 141〜144 信号 150 バイナリ・カウンタ 151 時間窓発生器 152 周波数カウンタ 161,162 Dフリップフロップ 163 インバータ 169 遅延トリガ信号 171,172 ラッチ 173 Dフリップフロップ 175 アンド・ゲート 181,182 定電流源 183 キャパシタ 185,186 スイッチ 190 信号発生器 191 バッファ 192 インバータ 195 オシロスコープ D2,D4,D8,D16 分周指示信号 DL 遅延素子 DV2,DV4,DV8,DV16 分周信号 DW 検出窓信号 fdvd トリガ周波数 ft 入力トリガ周波数 Nl 下限設定値 Nu 上限設定値 Nw 時間窓設定値 OSC 周期可変発振器 Ref. Trig 参照トリガ SL0,SL1,SL2 分周比選択信号 ST シグナルT Tdis 放電期間 Thold ホールド期間 Ts 時間差 Tshtmin 最小可変期間 Ttmin 最小周期 Ttim 時間補間期間 Tw 時間窓 t 時点 VDL 可変遅延器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 謙介 東京都武蔵野市中町二丁目11番13号 株式 会社テラテック内 (72)発明者 小林 春夫 群馬県桐生市相生町2丁目620番地12号 相生住宅1−202

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定信号(2)をクロック(9)でサ
    ンプリングしてサンプル値(11)を得るためのサンプ
    リング処理(61)をし、 前記サンプリング処理(61)において取得した前記サ
    ンプル値(11)を記憶して取得データ(12)を得る
    ための取得メモリ処理(62)をし、 前記取得メモリ処理(62)において記憶した取得デー
    タ(12)を、書込みアドレス信号(17)により波形
    を再現したときのアドレスに書込み、再現した波形デー
    タ(13)を読出すための波形メモリ処理(63)を
    し、 前記被測定信号(2)と同期した入力トリガ(1)の繰
    り返し周波数が所定の周波数を越えた場合に分周した所
    定の周波数以下の繰り返し周波数のトリガ(3)を得る
    ためのトリガ分周処理(53)をし、 ホールド信号(6)がホールド期間(Thold)を終了し
    て(t36)ホールドオフ(t36〜t37)になった
    ときに最初に印加された(t37)前記トリガ(3)に
    同期して同期信号(5)を発生するための同期信号発生
    処理(54)をし、 前記ホールドオフになる時点(t36)の直前および直
    後の期間において前記トリガ(3)が印加されたことを
    検出してメタステーブル検出信号(22)を出力し、こ
    のメタステーブル検出信号(22)が発生したときには
    前記ホールド期間(Thold)を所定の範囲で可変する可
    変期間(t35〜t36)を設けて前記メタステーブル
    検出信号(22)が発生しないようにした前記ホールド
    信号(6)を発生する可変ホールド発生処理(55)を
    し、 前記同期信号(5)を受けて(t37)、その直後(t
    38)に印加された前記クロック9との間の時間差(T
    s )を測定し、前記書込みアドレス信号(17)を発生
    し、前記同期信号(5)の発生に係わる前記トリガ
    (3)以後に取得した前記取得データ(12)を前記波
    形メモリ処理(63)をするためのポストトリガ・デー
    タ収録期間(t32〜t33)と、前記取得データ(1
    2)を前記波形メモリ処理(63)のために転送するデ
    ータ転送期間(t33〜t34)と、前記同期信号
    (5)の発生に係わる前記トリガ(3)以前に取得した
    前記取得データ(12)を前記波形メモリ処理(63)
    をするためのプリトリガ・データ収録期間(t34〜t
    35)の一連の期間(t32〜t35)を制御して前記
    一連の期間の終了を示すプリトリガ・カウント終了信号
    (19)を出力するためのタイムベース処理(64)を
    するコヒーレント・サンプリング方法。
  2. 【請求項2】 前記可変ホールド発生処理(55)にお
    いて、 前記ホールド信号(6)が前記ホールドオフになる時点
    (t55)の直前(t54)および直後(t56)の期
    間を示すメタステーブル検出窓信号(23)を受けて、
    前記メタステーブル検出窓信号(23)の期間に前記ト
    リガ(3)を受けたときには前記メタステーブル検出信
    号(22)を送出(t59)するためのメタステーブル
    検出処理(56)をし、 前記ホールドオフ状態において前記同期信号(5)を受
    けると、前記ホールド信号(6)を前記ホールド期間
    (Thold)において発生(t60〜t67)し、前記ホ
    ールド期間(Thold)の終了(t67)の直前(t6
    6)および直後(t68)の期間において前記メタステ
    ーブル検出窓信号(23)を送出するホールド処理(5
    7)をする請求項1のコヒーレント・サンプリング方
    法。
  3. 【請求項3】 前記ホールド処理(57)において、 前記タイムベース処理(64)における前記一連の期間
    (t32〜t35)の終了を示すカウント終了信号(1
    9)を受けて(t52)、キャリー(82)を印加され
    る(t58)までの期間(t52〜t58)イネーブル
    信号(81)を生成するカウンタ・イネーブル生成処理
    (74)をし、 前記イネーブル信号(81)を受けて前記クロック9を
    カウントしながらカウント数をカウンタ出力(83)と
    して出力し、このカウンタ出力(83)が所定の数に達
    したとき(t57)前記キャリー(82)を出力する
    (t57〜t58)タイミング・カウンタ処理(75)
    をし、 前記メタステーブル検出信号(22)をすでに印加され
    ており前記イネーブル信号(81)を受けたときには
    (t62)、前記メタステーブル検出信号(22)の示
    している検出状況をラッチしてホールド信号(6)を制
    御するためにホールド期間(Thold)の可変の選択を指
    示する選択指示信号(85)を出力する(t62)ため
    の制御信号ラッチ処理(85)をし、 前記選択指示信号(85)をまだ受けていないときには
    前記カウンタ出力(83)が1カウントしたとき(t5
    3)選択信号(84)を出力し(t53〜t55)、す
    でに前記選択指示信号(85)を受けているときには前
    記カウンタ出力(83)が前記可変期間(t35〜t3
    6)を設けるために所定値に達するのを待って(t6
    5)選択信号(84)を出力する(t65〜t67)た
    めのタイミング選択処理(76)をし、 前記選択信号(84)の指示により前記メタステーブル
    検出窓信号(23)を生成する(t54〜t56、又
    は、t66〜t68)ための検出窓生成処理(72)を
    し、 前記同期信号(5)を受けて(t60、又は、t6
    9)、ホールド信号(6)を発生し、前記メタステーブ
    ル検出窓信号(23)の幅の中央(t55、又は、t6
    7)において、前記ホールド信号(6)を終了せしめる
    ように前記ホールド信号(6)を生成するホールド生成
    処理(71)をする請求項2のコヒーレント・サンプリ
    ング方法。
  4. 【請求項4】 前記トリガ分周処理(53)において、 前記入力トリガ(1)を受けて、分周指示信号(D2〜
    16)の指示により分周したトリガ(3)を出力するた
    めの可変分周処理(100)をし、 前記クロック(9)を所定の分周比で分周して得た分周
    クロック(21)をカウントしてそのカウント数をシー
    ケンス・データ(124)とするためのシーケンス・カ
    ウンタ処理(107)をし、 前記シーケンス・データ(124)が所定の時間窓設定
    値(Nw )を示している期間(t71〜t72)を時間
    窓信号(125)として作成するための時間窓作成処理
    (108)をし、 前記シーケンス・データ(124)が、最高値を示した
    ことを確認したとき(t74)、カウンタ・クリア信号
    (126)を出力(t74〜t75)するためのカウン
    タ・クリア生成処理(109)をし、 前記時間窓信号(125)の期間中(t71〜t72)
    に受けた前記トリガ(3)の数をカウントして、その値
    をトリガ・パルス数(121)として出力し(t71〜
    t72)、前記カウンタ・クリア信号(126)を受け
    て前記トリガ・パルス数(121)をクリアする(t7
    4〜t75)ためのトリガ・カウンタ処理(102)を
    し、 前記トリガ・パルス数(121)が所定の上限設定値
    (Nu )よりも大きいことを示す上限比較結果(12
    2)を出力する(t72〜t74)ための上限比較処理
    (103)をし、 前記トリガ・パルス数(121)が所定の下限設定値
    (Nl )よりも小さいことを示す下限比較結果(12
    3)を出力する(t72〜t74)ための下限比較処理
    (104)をし、 前記上限比較結果(122)および前記下限比較結果
    (123)を受けていないときには、前記トリガ(3)
    の周期がトリガ周期の許容範囲内にあるという状態を示
    すステータス信号(20)を出力するためのステータス
    信号処理(105)をし、 前記シーケンス・データ(124)が最高値に達したと
    き(t73)、シフト・クロック(127)を生成する
    (t73〜t74)ためのシフト・クロック生成処理
    (106)をし、 前記上限比較結果(122)および前記下限比較結果
    (123)にしたがって、前記トリガ(3)の周期が前
    記トリガ周期の許容範囲内となるように、前記分周指示
    信号(D2〜16)をシフトするためのシフト・レジス
    タ処理(101)をする請求項1のコヒーレント・サン
    プリング方法。
  5. 【請求項5】 前記可変分周処理(100)において、 前記分周指示信号(D2〜16)の指示により、 前記入力トリガ(1)を分周して第1分周信号(DV
    2)を得るための第1分周処理(111)をし、 前記第1分周信号(DV2)を分周して第2分周信号
    (DV4)を得るための第2分周処理(112)をし、 これらの分周を繰り返して、第n−1分周信号(DV
    8)を分周して第n分周信号(DV16)を得るための
    第n分周処理(114)をし、 前記入力トリガ(1)と、前記第1ないし第n分周信号
    (DV2〜16)とのオアをとって前記トリガ3を得る
    ためのオア処理(115)をする請求項4のコヒーレン
    ト・サンプリング方法。
  6. 【請求項6】 前記トリガ分周処理(53B)におい
    て、 前記入力トリガ(1)を受けて、小さな分周比から大き
    な分周比までの複数の分周比選択信号(SL0〜2)の
    指示により分周指示信号(D2〜16)を選択して分周
    したトリガ(3)を出力するための可変分周処理(10
    0B)をし、 前記クロック(9)を所定の分周比で分周して得た分周
    クロック(21)をカウントしてそのカウント数をシー
    ケンス・データ(124)とするためのシーケンス・カ
    ウンタ処理(107)をし、 前記シーケンス・データ(124)が所定の時間窓設定
    値(Nw )を示している期間(t71〜t72)を時間
    窓信号(125)として作成するための時間窓作成処理
    (108)をし、 前記シーケンス・データ(124)が、最高値を示した
    ことを確認したとき(t74)、カウンタ・クリア信号
    (126)を出力(t74〜t75)するためのカウン
    タ・クリア生成処理(109)をし、 前記時間窓信号(125)の期間中(t71〜t72)
    に受けた前記トリガ(3)の数をカウントして、その値
    をトリガ・パルス数(121)として出力し(t71〜
    t72)、前記カウンタ・クリア信号(126)を受け
    て前記トリガ・パルス数(121)をクリアする(t7
    4〜t75)ためのトリガ・カウンタ処理(102)を
    し、 前記トリガ・パルス数(121)が所定の上限設定値
    (Nu )よりも大きいことを示す上限比較結果(12
    2)を出力する(t72〜t74)ための上限比較処理
    (103)をし、 前記トリガ・パルス数(121)が所定の下限設定値
    (Nl )よりも小さいことを示す下限比較結果(12
    3)を出力する(t72〜t74)ための下限比較処理
    (104)をし、 前記上限比較結果(122)および前記下限比較結果
    (123)を受けていないときには、前記トリガ(3)
    の周期がトリガ周期の許容範囲内にあるという状態を示
    すステータス信号(20)を出力するためのステータス
    信号処理(105)をし、 前記シーケンス・データ(124)が最高値に達したと
    き(t73)、シフト・クロック(127)を生成する
    (t73〜t74)ためのシフト・クロック生成処理
    (106)をし、 前記上限比較結果(122)および前記下限比較結果
    (123)にしたがって、前記トリガ(3)の周期が前
    記トリガ周期の許容範囲内となるように、前記分周指示
    信号(D2〜16)をシフトし、前記分周比選択信号
    (SL0〜2)を生成するための分周比選択信号生成処
    理(110)をする請求項1のコヒーレント・サンプリ
    ング方法。
  7. 【請求項7】 前記上限設定値(Nu )が、前記下限設
    定値(Nl )の2倍よりも大きな値となるように設定さ
    れている請求項4または6のコヒーレント・サンプリン
    グ方法。
  8. 【請求項8】 前記可変分周処理(100B)におい
    て、 前記分周比選択信号(SL0〜2)のうちの最小の分周
    比を示す分周比選択信号(SL0)以外の分周比選択信
    号(SL1,2)により前記分周指示信号(D2〜1
    6)により指示されて分周を重ねて、分周毎に得た各分
    周信号(DV2〜16)のうちから1つを選択して選択
    された信号(141)を得るための選択処理(131)
    をし、 前記最小の分周比を示す分周比選択信号(SL0)と前
    記選択された信号(141)とのオアをとって前記入力
    トリガ(1)の1周期分遅延せしめた選択遅延信号(1
    42)を得るための選択遅延処理(132、137)を
    し、 前記選択遅延信号(142)と、前記最小の分周比を示
    す分周比選択信号(SL0)の反転信号とのアンドをと
    り、前記トリガ(1)の1周期分遅延せしめた遅延信号
    (144)を得るための遅延処理(135、134、1
    38)をし、 前記遅延信号(144)と前記選択遅延信号(142)
    の反転信号(143)と、前記入力トリガ(1)とのオ
    アをとって、前記トリガ(3)を得るためのオア処理
    (133)をする請求項6のコヒーレント・サンプリン
    グ方法。
  9. 【請求項9】 前記同期信号発生処理(54)におい
    て、 前記ホールド信号(6)をリセット信号とし、その反転
    信号(101)をデータ入力(D)とし、前記トリガ
    (3)をクロック入力として出力に前記同期信号(5)
    を得るDフリップフロップ処理(102)をする請求項
    1のコヒーレント・サンプリング方法。
  10. 【請求項10】 前記タイムベース処理(64)におい
    て、 前記時間差(Ts )を測定するための時間差測定処理
    (181〜183、185、186)を含んだタイムベ
    ース処理(65)をし、 前記一連の期間を前記クロック(9)をカウントしなが
    ら制御するためのカウンタ処理(66)をする請求項1
    のコヒーレント・サンプリング方法。
  11. 【請求項11】 前記カウンタ処理(66)において、 前記一連の期間(t32〜t35)に含まれた前記ポス
    トトリガ・データ収録期間(t32〜t33)をカウン
    トするためのポストトリガ・カウンタ処理(91)を
    し、 前記データ転送期間(t33〜t34)を制御するため
    のデータ転送処理(92)をし、 前記プリトリガ・データ収録期間(t34〜t35)を
    カウントして、前記プリトリガ・カウント終了信号(1
    9)を出力するためのプリトリガ・カウンタ処理(9
    3)をする請求項10のコヒーレント・サンプリング方
    法。
  12. 【請求項12】 前記時間差測定処理(181〜18
    3、185、186)において、 大きな定電流(1000×I、181)を前記同期信号
    (5)の印加時点から前記時間差(Ts )の期間静電容
    量(183)に充電し、小さな定電流(I、182)で
    放電し、前記放電した電圧が前記充電の開始電圧に達す
    るまでの放電期間(Tdis )を得て、この放電期間(T
    dis )を前記クロック(9)を用いてカウントすること
    により、前記時間差(Ts )をデジタル値として得るよ
    うにした請求項10のコヒーレント・サンプリング方
    法。
  13. 【請求項13】前記可変ホールド発生処理(55)にお
    いて、 前記可変期間(t35〜t36)の最も短い期間である
    最小可変期間(Tshtmin、t124〜t129)が前記
    クロック(9)の周期(Tc )の2.5倍以上である請
    求項1のコヒーレント・サンプリング方法。
  14. 【請求項14】 前記トリガ分周処理(53)におい
    て、 前記トリガ(3)の最小周期(Ttmin、t121〜t1
    31)が、前記クロック(9)の周期(Tc )の5倍以
    上である請求項1のコヒーレント・サンプリング方法。
  15. 【請求項15】 被測定信号(2)をクロック(9)で
    サンプリングしてサンプル値(11)を得るためのサン
    プリング手段(61)と、 前記サンプリング手段(61)において取得した前記サ
    ンプル値(11)を記憶して取得データ(12)を得る
    ための取得メモリ手段(62)と、 前記取得メモリ手段(62)において記憶した取得デー
    タ(12)を、書込みアドレス信号(17)により波形
    を再現したときのアドレスに書込み、再現した波形デー
    タ(13)を読出すための波形メモリ手段(63)と、 前記被測定信号(2)と同期した入力トリガ(1)の繰
    り返し周波数が所定の周波数を越えた場合に分周した所
    定の周波数以下の繰り返し周波数のトリガ(3)を得る
    ためのトリガ分周手段(53)と、 ホールド信号(6)がホールド期間(Thold)を終了し
    て(t36)ホールドオフ(t36〜t37)になった
    ときに最初に印加された(t37)前記トリガ(3)に
    同期して同期信号(5)を発生するための同期信号発生
    手段(54)と、 前記ホールドオフになる時点(t36)の直前および直
    後の期間において前記トリガ(3)が印加されたことを
    検出してメタステーブル検出信号(22)を出力し、こ
    のメタステーブル検出信号(22)が発生したときには
    前記ホールド期間(Thold)を所定の範囲で可変する可
    変期間(t35〜t36)を設けて前記メタステーブル
    検出信号(22)が発生しないようにした前記ホールド
    信号(6)を発生する可変ホールド発生手段(55)
    と、 前記同期信号(5)を受けて(t37)、その直後(t
    38)に印加された前記クロック9との間の時間差(T
    s )を測定し、前記書込みアドレス信号(17)を発生
    し、前記同期信号(5)の発生に係わる前記トリガ
    (3)以後に取得した前記取得データ(12)を前記波
    形メモリ手段(63)において処理するためのポストト
    リガ・データ収録期間(t32〜t33)と、前記取得
    データ(12)を前記波形メモリ手段(63)に転送す
    るデータ転送期間(t33〜t34)と、前記同期信号
    (5)の発生に係わる前記トリガ(3)以前に取得した
    前記取得データ(12)を前記波形メモリ手段(63)
    において処理するためのプリトリガ・データ収録期間
    (t34〜t35)の一連の期間(t32〜t35)を
    制御して前記一連の期間の終了を示すプリトリガ・カウ
    ント終了信号(19)を出力するためのタイムベース手
    段(64)とを含んでいるコヒーレント・サンプリング
    装置。
  16. 【請求項16】 前記可変ホールド発生手段(55)
    が、 前記ホールド信号(6)が前記ホールドオフになる時点
    (t55)の直前(t54)および直後(t56)の期
    間を示すメタステーブル検出窓信号(23)を受けて、
    前記メタステーブル検出窓信号(23)の期間に前記ト
    リガ(3)を受けたときには前記メタステーブル検出信
    号(22)を送出(t59)するためのメタステーブル
    検出手段(56)と、 前記ホールドオフ状態において前記同期信号(5)を受
    けると、前記ホールド信号(6)を前記ホールド期間
    (Thold)において発生(t60〜t67)し、前記ホ
    ールド期間(Thold)の終了(t67)の直前(t6
    6)および直後(t68)の期間において前記メタステ
    ーブル検出窓信号(23)を送出するホールド手段(5
    7)とを含んでいる請求項15のコヒーレント・サンプ
    リング装置。
  17. 【請求項17】 前記ホールド手段(57)が、 前記タイムベース手段(64)における前記一連の期間
    (t32〜t35)の終了を示すカウント終了信号(1
    9)を受けて(t52)、キャリー(82)を印加され
    る(t58)までの期間(t52〜t58)イネーブル
    信号(81)を生成するカウンタ・イネーブル生成手段
    (74)と、 前記イネーブル信号(81)を受けて前記クロック9を
    カウントしながらカウント数をカウンタ出力(83)と
    して出力し、このカウンタ出力(83)が所定の数に達
    したとき(t57)前記キャリー(82)を出力する
    (t57〜t58)タイミング・カウンタ手段(75)
    と、 前記メタステーブル検出信号(22)をすでに印加され
    ており前記イネーブル信号(81)を受けたときには
    (t62)、前記メタステーブル検出信号(22)の示
    している検出状況をラッチしてホールド信号(6)を制
    御するためにホールド期間(Thold)の可変の選択を指
    示する選択指示信号(85)を出力する(t62)ため
    の制御信号ラッチ手段(85)と、 前記選択指示信号(85)をまだ受けていないときには
    前記カウンタ出力(83)が1カウントしたとき(t5
    3)選択信号(84)を出力し(t53〜t55)、す
    でに前記選択指示信号(85)を受けているときには前
    記カウンタ出力(83)が前記可変期間(t35〜t3
    6)を設けるために所定値に達するのを待って(t6
    5)選択信号(84)を出力する(t65〜t67)た
    めのタイミング選択手段(76)と、 前記選択信号(84)の指示により前記メタステーブル
    検出窓信号(23)を生成する(t54〜t56、又
    は、t66〜t68)ための検出窓生成手段(72)
    と、 前記同期信号(5)を受けて(t60、又は、t6
    9)、ホールド信号(6)を発生し、前記メタステーブ
    ル検出窓信号(23)の幅の中央(t55、又は、t6
    7)において、前記ホールド信号(6)を終了せしめる
    ように前記ホールド信号(6)を生成するホールド生成
    手段(71)とを含んでいる請求項16のコヒーレント
    ・サンプリング装置。
  18. 【請求項18】 前記トリガ分周手段(53)が、 前記入力トリガ(1)を受けて、分周指示信号(D2〜
    16)の指示により分周したトリガ(3)を出力するた
    めの可変分周手段(100)と、 前記クロック(9)を所定の分周比で分周して得た分周
    クロック(21)をカウントしてそのカウント数をシー
    ケンス・データ(124)とするためのシーケンス・カ
    ウンタ手段(107)と、 前記シーケンス・データ(124)が所定の時間窓設定
    値(Nw )を示している期間(t71〜t72)を時間
    窓信号(125)として作成するための時間窓作成手段
    (108)と、 前記シーケンス・データ(124)が、最高値を示した
    ことを確認したとき(t74)、カウンタ・クリア信号
    (126)を出力(t74〜t75)するためのカウン
    タ・クリア生成手段(109)と、 前記時間窓信号(125)の期間中(t71〜t72)
    に受けた前記トリガ(3)の数をカウントして、その値
    をトリガ・パルス数(121)として出力し(t71〜
    t72)、前記カウンタ・クリア信号(126)を受け
    て前記トリガ・パルス数(121)をクリアする(t7
    4〜t75)ためのトリガ・カウンタ手段(102)
    と、 前記トリガ・パルス数(121)が所定の上限設定値
    (Nu )よりも大きいことを示す上限比較結果(12
    2)を出力する(t72〜t74)ための上限比較手段
    (103)と、 前記トリガ・パルス数(121)が所定の下限設定値
    (Nl )よりも小さいことを示す下限比較結果(12
    3)を出力する(t72〜t74)ための下限比較手段
    (104)と、 前記上限比較結果(122)および前記下限比較結果
    (123)を受けていないときには、前記トリガ(3)
    の周期がトリガ周期の許容範囲内にあるという状態を示
    すステータス信号(20)を出力するためのステータス
    信号手段(105)と、 前記シーケンス・データ(124)が最高値に達したと
    き(t73)、シフト・クロック(127)を生成する
    (t73〜t74)ためのシフト・クロック生成手段
    (106)と、 前記上限比較結果(122)および前記下限比較結果
    (123)にしたがって、前記トリガ(3)の周期が前
    記トリガ周期の許容範囲内となるように、前記分周指示
    信号(D2〜16)をシフトするためのシフト・レジス
    タ手段(101)とを含んでいる請求項15のコヒーレ
    ント・サンプリング装置。
  19. 【請求項19】 前記可変分周手段(100)が、 前記分周指示信号(D2〜16)の指示により、 前記入力トリガ(1)を分周して第1分周信号(DV
    2)を得るための第1分周手段(111)と、 前記第1分周信号(DV2)を分周して第2分周信号
    (DV4)を得るための第2分周手段(112)と、 これらの分周を繰り返して、第n−1分周信号(DV
    8)を分周して第n分周信号(DV16)を得るための
    第n分周手段(114)と、 前記入力トリガ(1)と、前記第1ないし第n分周信号
    (DV2〜16)とのオアをとって前記トリガ3を得る
    ためのオア手段(115)とを含んでいる請求項18の
    コヒーレント・サンプリング装置。
  20. 【請求項20】 前記トリガ分周手段(53B)が、 前記入力トリガ(1)を受けて、小さな分周比から大き
    な分周比までの複数の分周比選択信号(SL0〜2)の
    指示により分周指示信号(D2〜16)を選択して分周
    したトリガ(3)を出力するための可変分周手段(10
    0B)と、 前記クロック(9)を所定の分周比で分周して得た分周
    クロック(21)をカウントしてそのカウント数をシー
    ケンス・データ(124)とするためのシーケンス・カ
    ウンタ手段(107)と、 前記シーケンス・データ(124)が所定の時間窓設定
    値(Nw )を示している期間(t71〜t72)を時間
    窓信号(125)として作成するための時間窓作成手段
    (108)と、 前記シーケンス・データ(124)が、最高値を示した
    ことを確認したとき(t74)、カウンタ・クリア信号
    (126)を出力(t74〜t75)するためのカウン
    タ・クリア生成手段(109)と、 前記時間窓信号(125)の期間中(t71〜t72)
    に受けた前記トリガ(3)の数をカウントして、その値
    をトリガ・パルス数(121)として出力し(t71〜
    t72)、前記カウンタ・クリア信号(126)を受け
    て前記トリガ・パルス数(121)をクリアする(t7
    4〜t75)ためのトリガ・カウンタ手段(102)
    と、 前記トリガ・パルス数(121)が所定の上限設定値
    (Nu )よりも大きいことを示す上限比較結果(12
    2)を出力する(t72〜t74)ための上限比較手段
    (103)と、 前記トリガ・パルス数(121)が所定の下限設定値
    (Nl )よりも小さいことを示す下限比較結果(12
    3)を出力する(t72〜t74)ための下限比較手段
    (104)と、 前記上限比較結果(122)および前記下限比較結果
    (123)を受けていないときには、前記トリガ(3)
    の周期がトリガ周期の許容範囲内にあるという状態を示
    すステータス信号(20)を出力するためのステータス
    信号手段(105)と、 前記シーケンス・データ(124)が最高値に達したと
    き(t73)、シフト・クロック(127)を生成する
    (t73〜t74)ためのシフト・クロック生成手段
    (106)と、 前記上限比較結果(122)および前記下限比較結果
    (123)にしたがって、前記トリガ(3)の周期が前
    記トリガ周期の許容範囲内となるように、前記分周指示
    信号(D2〜16)をシフトし、前記分周比選択信号
    (SL0〜2)を生成するための分周比選択信号生成手
    段(110)とを含んでいる請求項15のコヒーレント
    ・サンプリング装置。
  21. 【請求項21】 前記上限設定値(Nu )が、前記下限
    設定値(Nl )の2倍よりも大きな値となるように設定
    されている請求項18または20のコヒーレント・サン
    プリング装置。
  22. 【請求項22】 前記可変分周手段(100B)が、 前記分周比選択信号(SL0〜2)のうちの最小の分周
    比を示す分周比選択信号(SL0)以外の分周比選択信
    号(SL1,2)により前記分周指示信号(D2〜1
    6)により指示されて分周を重ねて、分周毎に得た各分
    周信号(DV2〜16)のうちから1つを選択して選択
    された信号(141)を得るための選択手段(131)
    と、 前記最小の分周比を示す分周比選択信号(SL0)と前
    記選択された信号(141)とのオアをとって前記入力
    トリガ(1)の1周期分遅延せしめた選択遅延信号(1
    42)を得るための選択遅延手段(132、137)
    と、 前記選択遅延信号(142)と、前記最小の分周比を示
    す分周比選択信号(SL0)の反転信号とのアンドをと
    り、前記トリガ(1)の1周期分遅延せしめた遅延信号
    (144)を得るための遅延処理(135、134、1
    38)をし、 前記遅延信号(144)と前記選択遅延信号(142)
    の反転信号(143)と、前記入力トリガ(1)とのオ
    アをとって、前記トリガ(3)を得るためのオア手段
    (133)とを含んでいる請求項20のコヒーレント・
    サンプリング装置。
  23. 【請求項23】 前記同期信号発生手段(54)が、 前記ホールド信号(6)をリセット信号とし、その反転
    信号(101)をデータ入力(D)とし、前記トリガ
    (3)をクロック入力として出力に前記同期信号(5)
    を得るDフリップフロップ手段(102)を含んでいる
    請求項15のコヒーレント・サンプリング装置。
  24. 【請求項24】 前記タイムベース手段(64)が、 前記時間差(Ts )を測定するための時間差測定手段
    (181〜183、185、186)を含んだタイムベ
    ース手段(65)と、 前記一連の期間を前記クロック(9)をカウントしなが
    ら制御するためのカウンタ手段(66)とを含んでいる
    請求項15のコヒーレント・サンプリング装置。
  25. 【請求項25】 前記カウンタ手段(66)が、 前記一連の期間(t32〜t35)に含まれた前記ポス
    トトリガ・データ収録期間(t32〜t33)をカウン
    トするためのポストトリガ・カウンタ手段(91)と、 前記データ転送期間(t33〜t34)を制御するため
    のデータ転送手段(92)と、 前記プリトリガ・データ収録期間(t34〜t35)を
    カウントして、前記プリトリガ・カウント終了信号(1
    9)を出力するためのプリトリガ・カウンタ手段(9
    3)とを含んでいる請求項24のコヒーレント・サンプ
    リング装置。
  26. 【請求項26】 前記時間差測定手段(181〜18
    3、185、186)が、 大きな定電流(1000×I、181)を前記同期信号
    (5)の印加時点から前記時間差(Ts )の期間静電容
    量(183)に充電し、小さな定電流(I、182)で
    放電し、前記放電した電圧が前記充電の開始電圧に達す
    るまでの放電期間(Tdis )を得て、この放電期間(T
    dis )を前記クロック(9)を用いてカウントすること
    により、前記時間差(Ts )をデジタル値として得るよ
    うに動作する請求項24のコヒーレント・サンプリング
    装置。
  27. 【請求項27】前記可変ホールド発生手段(55)にお
    いて、 前記可変期間(t35〜t36)の最も短い期間である
    最小可変期間(Tshtmin、t124〜t129)が前記
    クロック(9)の周期(Tc )の2.5倍以上である請
    求項15のコヒーレント・サンプリング装置。
  28. 【請求項28】 前記トリガ分周手段(53)におい
    て、 前記トリガ(3)の最小周期(Ttmin、t121〜t1
    31)が、前記クロック(9)の周期(Tc )の5倍以
    上である請求項15のコヒーレント・サンプリング装
    置。
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