JP2002107288A - 部品接合強度判定システム - Google Patents

部品接合強度判定システム

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JP2002107288A
JP2002107288A JP2000296948A JP2000296948A JP2002107288A JP 2002107288 A JP2002107288 A JP 2002107288A JP 2000296948 A JP2000296948 A JP 2000296948A JP 2000296948 A JP2000296948 A JP 2000296948A JP 2002107288 A JP2002107288 A JP 2002107288A
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nickel
electronic component
printed wiring
wiring board
nickel plating
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JP2000296948A
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Kenji Kuhara
健二 久原
Junichi Yamasoto
淳一 山外
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ニッケルメッキ中のりん含有量を定量的に測定
し、接合部品の強度特性を測定することにより基板に接
合された電子部品の接合強度を判定する。 【解決手段】ランド7にニッケル金メッキ層が設けられ
た基板2に接合された電子部品6の部品接合強度判定シ
ステム1において、ニッケル金メッキ層から金層を剥離
し、ニッケルメッキ層に検査光を照射し、反射光の輝度
を測定することによりニッケルめっき層の表面の黒化度
を判定する輝度検査装置15と、ニッケルメッキ層にX
線を照射し、反射した蛍光X線の強度を測定することに
よりニッケルメッキ中に含まれるりんの含有量を判定す
るりん検出装置30と、接合された電子部品6を押圧す
る押圧部材と、電子部品6が押圧される荷重値を測定す
る測定部と、押圧部材を駆動する駆動機構を有する部品
接合強度測定装置50を用いて部品接合強度を判定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリント配線基板に
実装された実装部品の接合強度を判定する接合強度判定
システム、接合強度判定方法、輝度検査装置、りん含有
量判定装置、部品接合強度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より携帯用の電子機器、例えば携帯
電話では、操作釦とプリント基板上に形成されたコネク
タ端子との接点においては、ボタンを押したときの接点
抵抗を低くするために、電子部品がはんだ付けされるラ
ンドにニッケル金メッキが施されている。
【0003】すなわち、配線パターンが印刷されたプリ
ント基板のランドには、金メッキの下地としてニッケル
メッキが施され、このニッケルメッキの上に金メッキが
施される。次いで、ニッケル金メッキ層が形成されたラ
ンド上にはクリームはんだが塗布される。その後、電子
部品が搭載され、リフローソルダリングによりランドに
はんだ付けされる。なお、先に形成された金メッキ層は
極少量であるため、金メッキははんだ層に拡散される。
この結果、はんだ層とニッケル層との境界面にはニッケ
ルとはんだの合金が形成され、ランドに実装された電子
部品の接合強度が得られる。
【0004】ところで、電子部品が接合されたプリント
配線基板は、携帯型電子機器の普及に伴って小型化、軽
量化が図られている。また、携帯型電子機器は外出時に
使用されることが多く、使用中の落下等に備えた強度が
要求されている。したがって、内装されるプリント配線
基板に接合されている電子部品には、携帯型電子機器の
落下等に対応した強度が要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は電子部
品の接合強度特性を精度よく測定する方法が無かった。
また、プリント配線基板上に接合された電子部品の接合
強度特性についての検査方法も確立されていなかった。
したがって、プリント配線基板に電子部品を接合し、不
具合が発生することにより初めて電子部品の接合強度の
不備が判明していた。
【0006】そこで、本発明は、ニッケルメッキ層の表
面黒化度を測定し、ニッケルメッキより放射される蛍光
X線の強度を測定することによりニッケルメッキ中に含
まれるりんの含有量を定量的に測定し、さらに、接合部
品の破壊試験を行い、接合部品の強度特性を測定するこ
とによりプリント配線基板に接合された電子部品の接合
強度を容易且つ精度よく判定することができる接合強度
判定システム及び接合強度判定方法を提供することを目
的とする。
【0007】また、本発明は、ランドに施されたニッケ
ルメッキ表面に検査光を照射し、この反射光の輝度を測
定することによりニッケルメッキ表面の黒化度を測定す
ることにより、ランドに接合された電子部品の接合強度
を判定する輝度検査装置を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、ランドに施されたニッケ
ルメッキ表面にX線を照射し、ニッケルメッキ表面より
反射されるりん特有の波長を有する蛍光X線の強度を測
定することにより、ニッケルメッキ中に含まれるりんの
含有量を測定し、ランドに接合された電子部品の接合強
度を判定するりん含有量判定装置を提供することを目的
とする。
【0009】また、本発明は、ニッケル金メッキが施さ
れたランドにはんだ付けされた電子部品を押圧し、該電
子部品がランドより剥離した時点の押圧力を測定するこ
とにより、電子部品の接合強度を判定する部品接合強度
判定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明にかかる接合強度判定システムは、電子
部品が接合されるランドにニッケル金メッキ層が設けら
れたプリント配線基板のランドと電子部品との接合強度
を判定する部品接合強度判定システムにおいて、上記ラ
ンドに形成された金メッキ層が剥離されたニッケルメッ
キ層に検査光を照射し、上記ニッケルメッキ層で反射さ
れた反射光の輝度を測定し、輝度が所定値より小さいと
きプリント配線基板を不適格とする、上記ニッケルめっ
き層の表面黒化度を判定する輝度検査装置と、上記ラン
ドに形成された金メッキ層が剥離されたニッケルメッキ
層にX線を照射し、上記ニッケルメッキ層で反射した蛍
光X線の強度を測定し、上記ニッケルメッキ中に含まれ
るりんの含有量が所定値に満たないときプリント配線基
板と不適格と判定するりん含有量判定装置と、上記ラン
ドに接合された電子部品を押圧し、上記電子部品が剥離
したときの荷重値を測定し、荷重値が所定値に満たない
ときプリント配線基板を不適格とする部品接合強度測定
装置とを備え、上記輝度検査装置と、りん含有量判定装
置と、部品接合強度測定装置とによって行う。
【0011】また、本発明にかかる部品接合強度判定方
法は、電子部品が接合されるランドにメッキ層が設けら
れたプリント配線基板のランドと電子部品との部品接合
強度の判定方法において、上記ランドに形成されたメッ
キ層の輝度を測定し、測定値が基準値に満たないときは
プリント配線基板を不適格と判定し、ニッケルメッキ層
の表面黒化度を判定するステップと、上記ランドに形成
されたメッキ層のりん含有量を測定し、含有量が基準値
に満たないときはプリント配線基板を不適格と判定する
ステップと、上記ランドに接合された部品接合強度特性
を測定し、接合強度が基準値に満たないときはプリント
配線基板を不適格と判定するステップとを有する。
【0012】また、本発明に係る輝度検査装置は、発光
部から検査光が照射されるニッケルメッキが施されたプ
リント配線基板が載置される載置部と、上記載置部に載
置されたプリント配線基板のランドに施された上記ニッ
ケルメッキ表面に上記検査光を照射する発光部と、上記
ニッケルメッキ表面で反射された反射光を受光する受光
部と、上記ニッケルメッキ表面の反射光の輝度を算出す
る制御部とを備え、上記制御部は、メモリに予め記憶さ
れている所定値と上記受光部によって受光された反射光
の輝度とを比較し、上記反射光の輝度が上記所定値より
低いとき、ニッケルメッキ表面が黒化しているものとし
て不適格と判定する。
【0013】また、本発明に係るりん含有量判定装置
は、ランドにりんを含むニッケルメッキが施されたプリ
ント配線基板が載置される載置部と、上記ニッケルメッ
キ表面に対しX線を照射するX線発光部と、上記ニッケ
ルメッキ表面より反射されたりん特有の波長を有する蛍
光X線の分光角度を調整する測角器と、上記測角器に設
けられ、上記ニッケルメッキ表面から反射されたりん特
有の波長を有する蛍光X線を結晶面で回折させて干渉を
起こさせる分光結晶と、上記分光結晶から回折された干
渉時のりん特有の波長を有する蛍光X線を受光し、蛍光
X線の強度を検出するX線検出器と、上記X線検出器に
より検出された蛍光X線の強度に基づき、上記ニッケル
メッキ中に含まれるりんの含有率を算出する制御部とを
備え、上記制御部は、上記りんの含有量が所定値に満た
ないときは不適格と判定する。
【0014】また、本発明に係る部品接合強度測定装置
は、電子部品が接合されたプリント配線基板が固定され
て載置される載置部と、上記載置部に固定して配置され
た上記プリント配線基板の電子部品を水平方向に押圧す
る押圧部材と、上記押圧部材を電子部品の押圧方向に往
復駆動させる駆動機構と、上記駆動機構に取り付けら
れ、上記押圧部材が電子部品を剥離した時点の押圧力を
測定する測定部と、上記測定部により測定された電子部
品を剥離した時点の押圧力が所定値に満たないときは不
適格と判定する制御部とを有する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された接合強
度判定システムについて図面を用いて説明する。
【0016】先ず、接合強度判定システムについて説明
する前に、この接合強度判定システムに使用される電子
部品が接合されたプリント配線基板について説明する。
【0017】このプリント配線基板2は、図1に示すよ
うに、エポキシ樹脂を含浸させたガラス布基材の主面
に、導電パターンを形成するための銅箔が熱プレスされ
ることにより形成された銅張積層板3に導電層を構成す
る配線パターン4がエッチング等により形成されてい
る。
【0018】また、プリント配線基板2は、配線パター
ン4に本発明が適用された接合強度判定システム1によ
り接合強度の測定がされる検査用ランド7が複数形成さ
れている。この検査用ランド7は、図2に示すように、
1.25mm×1.25mmの大きさに形成された部品
実装部8有し、この部品実装部の周囲には2.0mm×
2.0mmの外層ランド9が形成されている。この部品
実装部8は、ニッケルメッキ層10、金メッキ層12が
順に形成される。その後、一部の検査用ランド7aは、
エッチングにより金メッキ層12が剥離され、ニッケル
メッキ層10中に含まれるりんの含有量が測定される。
また、他の検査用ランド7bは、メタルマスク印刷法に
よりはんだクリーム13が印刷される。メタルマスクの
厚みは120μmとされ、部品実装部8と同一の開口を
有する。また、はんだクリーム13はAlmit高強度
はんだ(SSHA−SJS)(商品名)を使用した。次
いで、図3に示すように、例えば、1.25mm×1.
25mm×2.0mmに形成されたセラミックコンデン
サ(TAIYO YUDEN CO.,LTD 型番E
MK212F105ZGST)等の電子部品6が搭載さ
れた後、リフローソルダリングされる。リフロー温度
は、プリント配線基板表面にてピーク温度205°とさ
れる。これによりプリント配線基板2上に電子部品6が
接合される。
【0019】ところで、ニッケル金メッキが施されたラ
ンド7にはんだ付けされた電子部品6の接合強度は、ニ
ッケルメッキ中に含まれるりんの含有量に大きく依存し
ている。これは、ニッケルメッキ中のりんがニッケル被
膜の耐食性の低下を防止する作用を有することによる。
したがって、ニッケルメッキ中のりんの含有量が低下す
ると、ニッケル被膜の耐食性が低下し、ニッケルメッキ
処理後に行われる金メッキ処理の際、ニッケル表面に酸
化膜が形成されてしまう。酸化膜が形成されると、ニッ
ケルメッキ表面は黒化し、りんの含有量が減少するにつ
れてニッケルメッキ表面に見られる黒化の度合いが強く
なる。そして、この酸化膜が形成され黒化現象が見られ
るニッケルメッキ上に金メッキ及びクリームはんだが塗
布されると、ニッケル層とはんだ層との間に酸化膜が形
成されているため、はんだとニッケルとの合金が形成さ
れにくい。したがって、電子部品6がはんだ付けされる
と、このニッケルめっき層とはんだ層との接合強度が低
下しているため、接合された電子部品6が剥離されやす
くなる。
【0020】すなわち、ニッケルメッキ中においてりん
の含有量が一定の割合以下のときは、リフローのピーク
温度にかかわらず、電子部品の接合強度は低下する。逆
に、ニッケルメッキ中のりんの含有量が一定の割合を超
えると、リフローのピーク温度にかかわらず、電子部品
の接合強度は増加する。
【0021】具体的には、図4及び図5に示すように、
ニッケルメッキ中に含まれるりんの含有量が4%以下の
ときでは、リフローのピーク温度にもよるが、概して接
合強度が低下している。一方、ニッケルメッキ中に含ま
れるりんの含有量が4%を越えると、リフローのピーク
温度にかかわらず接合強度が急激に増加する。
【0022】更に、ニッケル金メッキがされたランドに
電子部品を実装したプリント配線基板を高さ1.5mか
ら落下し、電子部品の剥離の有無を確認したところ、ニ
ッケルメッキ中のりんの含有量が一定の割合を超える
と、電子部品の剥離は見られなくなった。
【0023】具体的には、図6に示すように、ニッケル
メッキ中に含まれるりんの含有量が4%未満になると、
りんの含有量が減少するに連れて部品剥離の発生率が増
大する。この部品剥離が生じたプリント基板のランド表
面からは、部品剥離が生じなかったプリント基板のラン
ド表面よりも多くの酸素が検出されている。一方、ニッ
ケルメッキ中のりんの含有量が4%以上になると、部品
剥離は見られなくなる。
【0024】以上より、本発明が適用された接合強度判
定システム1は、ニッケルメッキ中のりんの含有量に着
目し、これを定量的に測定することにより、ニッケル金
めっき層が形成されたランド上に接合された電子部品の
接合強度を判定するものである。
【0025】次に、本発明が適用された接合強度判定シ
ステム1について説明する。この接合強度判定システム
1は、図7に示すように、ロット生産されるプリント配
線基板2から、以下に示す抜き取り検査を行い、当該ロ
ットにおけるプリント配線基板2の出荷の可否を決める
ものであり、ランド7に形成されたニッケルメッキの表
面色調を測定し、黒化度を判定する輝度検査装置15
と、蛍光X線分光法によりニッケルメッキ中に含まれる
リンの含有率を測定し、所定量のリンが含まれているか
否かを判定するりん含有量判定装置30と、ランド7に
はんだ付けされた電子部品6がランド7より剥離される
まで押圧して剥離時の押圧力を測定する部品接合強度測
定装置50とを有する。
【0026】具体的に、接合強度判定システム1は、ロ
ットの1枚目と最終のプリント配線基板2を抜き取り、
検査用ランド7上にニッケル金メッキが形成されたプリ
ント配線基板2の金メッキを剥離した後、輝度検査装置
15によってニッケルメッキ表面に検査光を照射し、そ
の反射光の輝度を予め定められた閾値と比較してニッケ
ルメッキの酸化の度合いを示すニッケルメッキ表面の黒
化現象の有無を判定する。
【0027】次いで、接合強度判定システム1は、上記
輝度検査装置15によって適合したプリント配線基板2
を、りん含有量判定装置30によって、ニッケルメッキ
表面より放射されるりん特有の波長を有する蛍光X線の
強度を測定することによりニッケルメッキ中のリンの含
有率を算出し、リンの含有率が所定値未満か否かを判定
する。
【0028】次いで、接合強度判定システム1は、上記
りん含有量判定装置30によって適合されたプリント配
線基板2を含むロット中からランダムに数点抜き取り、
部品接合強度測定装置50によって破壊試験を行い、接
合強度を測定する。そして、電子部品の接合強度の最小
値及び平均値が所定の値未満か否かを判定する。
【0029】これにより、接合強度判定システム1は、
携帯電話等の携帯型電子機器に内蔵されるプリント配線
基板に接合されている電子部品について、携帯型電子機
器の使用態様に応じた接合強度を確保することができ
る。
【0030】次に、接合強度判定システム1に用いられ
るニッケルメッキの黒化度を測定することにより部品接
合強度を判定する輝度検査装置15について説明する。
この輝度検査装置15は、ニッケルメッキ表面に表れる
著しい黒化現象の有無を、ニッケルメッキ表面の輝度を
測定することにより判定するものである。
【0031】これは、上述のように、ニッケルメッキ中
に含まれるりんの含有量の低下に伴って酸化膜が形成さ
れると、電子部品の接合強度が低下する。また、酸化膜
が形成されると、ニッケルメッキ表面には黒化現象が表
れる。この黒化現象は、ニッケルメッキ中のりんの含有
量の低下に比例して黒化の度合いが著しく見られるよう
になる。したがって、輝度検査装置15は、ニッケルメ
ッキの表面観察によりニッケルメッキ表面の黒化度を測
定し、電子部品の接合強度を判定する。具体的には、輝
度検査装置15は、金メッキがエッチング液により剥離
された後のニッケルメッキの表面に光線を照射し、その
反射光の輝度を予め定められた閾値に照らすことによ
り、ニッケルメッキ表面の黒化現象の度合いを判定す
る。
【0032】この輝度検査装置15は、図8に示すよう
に、ニッケルメッキ表面に検査光を照射する発光部16
と、発光部16から光が照射されるプリント配線基板2
が載置される載置部17と、ニッケルメッキ表面からの
反射光を受光する受光部18と、装置全体を制御し、ニ
ッケルメッキ表面の輝度を演算する制御部19とを備え
る。
【0033】ニッケルメッキ表面に検査光を照射する発
光部16は、例えばLED(lightemitting diode)で
あり、このLEDからの光が載置部17に載置されたプ
リント配線基板2に形成されたニッケルメッキ表面に照
射され、この反射光が受光部18に導かれる。これら発
光部16から受光部18へ至る反射光の光軸は、載置部
17上のニッケルメッキ表面から引いた法線に対してそ
れぞれ5°〜10°の角度でニッケルメッキ表面を照射
するように配設されている。
【0034】また、装置全体を制御し、受光部18によ
り受光されたニッケルメッキ表面からの反射光の輝度を
判定する制御部19は、反射光を増幅させる増幅器21
と、反射光を光電変換によりデジタル信号に変換するA
/D変換器22と、デジタル信号に変換された反射光の
輝度をメモリ24に記憶された閾値と照合し、ニッケル
メッキ表面の輝度を測定するCPU23とを備える。
【0035】増幅器21は、ニッケルメッキ表面からの
反射光を受光する受光部18からの出力を増幅し、A/
D変換器22に出力する。A/D変換器22は、増幅さ
れたアナログ信号をA/D変換することによりデジタル
信号へ変換し、CPU23に出力する。メモリ24には
輝度の閾値が記憶されている。そして、CPU23は、
メモリ24に予め記憶されている閾値と比較してニッケ
ルメッキ表面の輝度を算出する。そして、CPU23
は、算出された輝度がメモリ24に記憶されている所定
値を満たしているか否か判定し、ニッケルメッキ表面に
著しい黒化現象が生じているか判定する。すなわち、C
PU23は、所定のレベル以上に黒化現象が現れると、
ニッケルメッキ表面からの反射光の輝度も低下し、黒化
現象が現れたプリント配線基板2を不適格と判定する。
【0036】次ぎに、輝度検査装置15によるニッケル
メッキ表面の黒化現象の有無の判定手順を説明する。先
ず、ニッケル金メッキが施されたプリント配線基板2の
検査用ランド7aをエッチングすることにより、金メッ
キを剥離する。次いで、このプリント配線基板2を輝度
検査装置15の載置部17上に載置し、ニッケルメッキ
表面に発光部16より光線を照射する。そして、このニ
ッケルメッキ表面からの反射光は受光部18で受光され
る。すると、増幅器21により増幅された後、A/D変
換器22によってデジタル信号に変化される。そして、
ニッケルメッキ表面からの反射光は、CPU23により
メモリ24に予め記憶された閾値と照合され、所定の受
光量より大きいか否かが判定される。
【0037】そして、輝度検査装置15は、ニッケルメ
ッキが施された検査用ランド7aの複数箇所に光線を照
射し、輝度を測定することによりニッケルメッキ表面に
黒化現象が表れているか否か測定する。そして、黒化現
象が見られなかったプリント配線基板2は、後述するり
ん含有量判定装置30により、更にニッケルメッキ中の
りんの含有率が測定される。黒化現象が見られたプリン
ト配線基板2は、電子部品6が実装されても所定の強度
が得られないものとし、生産ラインから除外される。
【0038】このような輝度検査装置15によれば、ニ
ッケルメッキ中のりんの含有量が減少することにより、
ニッケルメッキ表面が酸化し、黒化現象を生じることを
利用して、ニッケルメッキ表面の輝度を測定することに
より、ニッケルメッキ表面の酸化膜の形成の度合いを判
定し、電子部品の接合強度を判定することができる。
【0039】次いで、ニッケルメッキ中のりんの含有率
を測定するりん含有量判定装置30について説明する。
りん含有量判定装置30は、図9に示すように、試料装
着部32と、試料に対しX線を照射するX線発光部33
と、ニッケルメッキ表面から反射された蛍光X線の分光
角度を測定する測角器34と、上記ニッケルメッキ表面
から反射され、りん特有の波長を有する蛍光X線を結晶
面で回折させて干渉を起こさせる分光結晶35と、上記
分光結晶35から回折されたりん特有の波長を有する蛍
光X線を受光し、蛍光X線の強度を検出するX線検出器
39と、X線検出器39により検出された蛍光X線の強
度から、ニッケルメッキ中に含まれるりんの含有率を演
算し、ランドに接合された電子部品の接合強度を判定す
る制御部40とを備える。
【0040】蛍光X線の分光角度を測定する測角器34
は、ゴニオメータ34a等であり、θ回転テーブル36
のθ回転に対して2θ回転アーム37が正確にθの2
倍、すなわち2θ回転できる構造となっている。そし
て、ゴニオメータ34aの回転部には、ニッケルメッキ
表面から放射されたりん特有の波長を有する蛍光X線を
各結晶面で回析させて干渉を起こさせる分光結晶35が
配設されている。
【0041】この分光結晶35は、ニッケルメッキ中に
含まれるりん特有の波長を有する蛍光X線が入射される
と、この蛍光X線を後述するX線検出器39に回折させ
る角度に配設されている。そして、各結晶面にりん特有
の波長を有するX線が入射されると、これらが干渉を起
こして回折され、X線検出器39によりピーク値が測定
される。
【0042】なお、分光結晶35は、図10に示す面間
隔dが既知の単結晶平板を用いられる。また、分光結晶
35は、ニッケルメッキが施されたプリント配線基板2
と平行に分光結晶35の結晶面を配置し、且つプリント
配線基板2と分光結晶35の結晶面との間に図9に示す
任意の間隔aを設ける。プリント配線基板2と分光結晶
35の結晶面とを一致させると、ニッケルメッキ表面か
ら放射される蛍光X線を分光結晶35の結晶面に入射さ
せることができないからである。そこで、分光結晶35
は、上記のような間隔aを設けて、ニッケルメッキ表面
から放射される蛍光X線を分光結晶35の結晶面へと確
実に入射させる。
【0043】また、分光結晶35とX線検出器39との
間には、回折した蛍光X線の向きと発散を制限するソー
ラスリット38が配設される。このソーラスリット38
は、多数の金属箔を所定間隔を置いて平行に並べた構造
を有しており、分光結晶35で分光された蛍光X線をそ
れら金属箔の間に通すことで、該蛍光X線の発散を制限
する。また、ソーラスリット38は、X線検出器39と
ともにゴニオメータ34aの2θ回転アーム37上に形
成され、分光結晶35で回析してきた蛍光X線の少なく
とも中心線部分が、ソーラスリット38を通り、X線検
出器39の受光面へと入射される。
【0044】分光結晶35から回析してきたりん特有の
波長を有する蛍光X線のピーク値を検出するX線検出器
39は、ゴニオメータ34aの2θ回転アーム37上に
配設されている。
【0045】このX線検出器39により検出されたりん
特有の波長を有する蛍光X線の強度よりニッケルメッキ
中のりん含有率を演算する制御部40は、CPU41及
びりん含有率の閾値が記憶されたメモリ42を有する。
【0046】そして、制御部40は、X線検出器39に
より検出されたりん特有の波長を有する蛍光X線の強度
がデジタル信号に変換されて入力され、メモリ42に記
憶された閾値と照合することにより、ニッケルメッキ中
に含まれるりんの含有率が測定される。測定の結果、り
んの含有率が予め定められている所定値に満たないプリ
ント配線基板2は、生産ラインから除外される。
【0047】次いで、りん含有量判定装置30によるニ
ッケルメッキ中に含まれるりんの含有率の測定手順につ
いて説明する。先ず、エッチング等により金メッキが剥
離されたニッケルメッキが施されたプリント配線基板2
が載置部32に載置される。次いで、X線発光部33に
よりX線がニッケルメッキ表面に照射される。すると、
ニッケルメッキ及びこれに含まれるりんが励起されてニ
ッケルメッキ内に含むりん特有の波長λを持った蛍光X
線が放射される。この蛍光X線は分光結晶35に照射さ
れる。この分光結晶35は、りん特有の波長を有する蛍
光X線が入射されると各結晶面で回折された蛍光X線が
干渉を起こす分光角度で配設されている。したがって、
蛍光X線は、図10に示すように、面間隔dの分光結晶
35に入射角θ’をもって入射され、入射X線に対し2
θ’の角度に回析する。この入射角θ’は、この蛍光X
線の波長をλとすると、2dsinθ’=nλ (nは
反射次数)の式(ブラッグの式)、を満たすため、回析
した蛍光X線が干渉を起こす。したがって、分光結晶3
5から回析してきた蛍光X線のピーク値を、X線検出器
39によって検出することができる。そして、測定によ
り得られた蛍光X線の強度がCPU41に入力され、C
PU41は、予め装置のメモリ42に記憶されているこ
の蛍光X線の強度とりんの含有量との関係より規定され
た所定の閾値と照合し、ニッケルメッキ中に含まれるり
んの含有量が5%未満か否かを判定する。CPU41
は、りん含有量の閾値として、5%が設定されており、
ニッケルメッキ中に含まれるりんの含有量が5%未満と
判定すると、電子部品が実装されても所定の強度が得ら
れないものとして、プリント配線基板2が生産ラインか
ら除外される。CPU41は、ニッケルメッキ中含まれ
るりんが5%以上と判定したときは正常値であるとし
て、プリント配線基板2を後述する部品接合強度測定装
置50に送る。
【0048】このようなりん含有量判定装置30によれ
ば、ニッケルメッキ表面から放射されるりん特有の波長
を有する蛍光X線の強度を測定し、所定の閾値と照合す
ることにより、ニッケルメッキ中に含まれるりんの含有
量が測定される。したがって、ニッケルメッキが施され
たランド上にはんだ付けされた電子部品の接合強度を判
定することができる。
【0049】次いで、ニッケル金メッキが施された検査
用ランド7上に電子部品6が搭載されたプリント配線基
板2の破壊試験を行うことにより電子部品6の接合強度
を測定する部品接合強度測定装置50について説明す
る。部品接合強度測定装置50は、図11に示すよう
に、電子部品6が接合されたプリント配線基板2が固定
されて載置される載置部52と、この載置部52に固定
して配置されたプリント配線基板2の電子部品6を水平
方向に押圧する押圧部材54と、この押圧部材54を電
子部品6の押圧方向に往復駆動させる駆動機構55と、
この駆動機構55に取り付けられ、押圧部材54が電子
部品6を押圧する押圧力を測定する測定部56と、測定
部によって測定された押圧力が所定の値以上か否かを判
定する制御部57とを備える。
【0050】プリント配線基板2が固定載置される載置
部52は、図11及び図12に示すように、略矩形状に
形成された載置部53を有し、プリント配線基板2を載
置部53に固定させる固定バー58を備える。固定バー
58は略矩形状に設けられている載置部53の一端側
に、載置部53の長辺方向に亘って配設されている。こ
の固定バー58は、両端部に貫通孔49が形成され、固
定バー58を載置部52に押圧する固定クランプ60の
一端側が挿通されている。そして、固定バー58は、電
子部品6が接合されたプリント配線基板2を介して固定
クランプ60によって載置部53に押圧されることによ
り、載置部53上に載置されたプリント配線基板2を載
置部53に固定させる。
【0051】また、載置部52上に固定配置されている
プリント配線基板2に接合されている電子部品6を押圧
する押圧部材54は、電子部品6と対向して配設され、
電子部品6を押圧する押圧部62と、この押圧部62を
電子部品6に近接離間させる図11及び図12中矢印D
方向及び反矢印D方向に往復駆動させる押圧軸63とを
備える。
【0052】この押圧部62は、電子部品6に当接され
る略平坦な押圧面62aを有し、この押圧面62aの背
面側には後述する測定部56から突設された押圧軸63
が取り付けられている。また、この押圧部62は、下面
部が、載置部52上に載置されたプリント配線基板2の
表面より若干間隙を形成させて配設されている。すなわ
ち、押圧部62は、電子部品6の押圧方向に移動される
際に、押圧部62の下面部とプリント配線基板2の表面
とが接触して摩擦力が生じたり、電子部品6の上部側の
み押圧することにより押圧部62の押圧力が電子部品6
全体に均等にかからず、電子部品6の接合強度の正確な
測定ができなくなる。したがって、押圧部62は、プリ
ント配線基板2の表面より上述した不都合が生じない間
隙、例えば、0.2±0.1ミリのところに配設され
る。また、押圧部62の背面部に取り付けられている押
圧軸63は、後述する測定部56より突設され、押圧部
62の背面部略中央部に取り付けられている。
【0053】押圧軸63の先端に取り付けられ、押圧部
62が電子部品6を押圧する押圧力を測定する測定部5
6は、押圧部62に押圧される電子部品6にかかる荷重
を測定するものであり、電子部品6がランド7より剥離
された時点の最大荷重値を記録する。この測定部56
は、後述する駆動機構55のラック65に取り付けら
れ、電子部品6に近接離間する図11及び図12中矢印
D方向及び反矢印D方向に移動可能とされている。そし
て、測定部56は、駆動機構55によって電子部品6に
近接する図11及び図12中矢印D方向に移動される
と、測定部56より突設された押圧軸63及び押圧軸6
3の先端に取り付けられている押圧部62の押圧面62
aが載置部52に固定されているプリント配線基板2に
接合されている電子部品6を押圧し、測定部56が押圧
力を測定していく。電子部品6を押圧する押圧力は、電
子部品6がランド7より剥離されるまで増大され、測定
部56は、電子部品6が剥離された時点での最大荷重値
が記録される。
【0054】このような測定部56を、電子部品6に近
接離間させる図11及び図12中矢印D方向及び反矢印
D方向に往復駆動させる駆動機構55は、ラック65と
ピニオン66とからなる。ラック65先端には押圧部6
2が電子部品6を押圧する押圧力を測定する測定部56
が取り付けられている。また、ラック65は、図示しな
いスイッチ機構を操作することにより、ピニオン66に
より図11及び図12中矢印D方向及び反矢印D方向に
往復駆動される。したがって、ラック65が往復駆動さ
れることにより、測定部56及び測定部56より突設さ
れている押圧軸63が、載置部52に固定配置されてい
るプリント配線基板2に接合されている電子部品6に近
接離間する図11及び図12中矢印D方向及び反矢印D
方向に往復駆動される。これにより、駆動機構55は、
押圧軸63の先端に取り付けられている押圧部62に、
載置部52に載置されたプリント配線基板2の検査用ラ
ンド7に接合された電子部品6を押圧する押圧力を付与
する。
【0055】また、測定部56に測定された押圧力が予
め決められた所定値を満たすか否かを判定する制御部5
7は、測定部56が測定した押圧力に基づいて判定する
CPU68と、携帯型電子機器の落下等に対応した強度
が閾値として予め記憶されているメモリ69とを備え
る。このCPU68は、測定部56が測定した荷重値と
メモリ69に記憶されている以下の判定閾値とを照合す
る。その結果、測定サンプル中、電子部品6が剥離され
た時点での荷重値の最低値が2.5kgf以下のものが
あるとき又は測定サンプルの平均荷重値が5.5kgf
以下のときは、当該ロットに含まれるプリント配線基板
2は不適格と判定され、生産ラインから除外される。
【0056】次いで、部品接合強度測定装置50による
部品接合強度の測定手順について説明する。
【0057】この部品接合強度測定装置50により電子
部品の6破壊試験がされるプリント配線基板2は、上述
のように、配線パターン4に複数の検査用ランド7bが
形成されている。この検査用ランド7b上には、ニッケ
ルメッキ、金メッキが施された後、メタルマスク等を用
いてはんだクリームが印刷され、リフローソルダリング
により電子部品6が接合されている。なお、この電子部
品6は、後述する部品接合強度測定装置50の押圧部6
2の押圧面62aが当接できる高さを有している。
【0058】このようなプリント配線基板2は、上述し
た輝度検査装置15、りん含有量判定装置30による検
査を経て問題が無ければ、生産ロット中からランダムに
数点抜き出されてこの部品接合強度測定装置50により
電子部品6の破壊試験がされる。
【0059】そして、部品接合強度測定装置50の載置
部52上には、検査用ランド7bに電子部品6が接合さ
れているプリント配線基板2が載置される。このとき、
プリント配線基板2は、検査用ランド7b上に接合され
た電子部品6と、測定部56より突設した押圧軸63の
先端に取り付けられている押圧部62の押圧面62aと
が相対向するように配設される。そして、固定クランプ
60により固定バー58がプリント配線基板2を載置台
53に押圧することによりプリント配線基板2が載置部
52に固定配置される。
【0060】次いで、ラック65が図11及び図12中
矢印D方向に移動され、ラック65の先端に取り付けら
れた測定部56も電子部品6に近接する図11及び図1
2中矢印D方向に移動する。これにより、測定部56よ
り突設している押圧軸63及び押圧軸63の先端に取り
付けられている押圧部62が電子部品6に当接する。そ
して、さらに駆動機構55のラック65が移動すること
により押圧部62が電子部品6を水平方向に押圧し、測
定部56が荷重値を測定する。そして、電子部品6が検
査用ランド7より剥離されると、ラック65の移動が停
止される。このとき、測定部56は、電子部品6が剥離
された時点での最大荷重値を記録する。
【0061】そして、制御部57により測定部56の最
大荷重値とメモリ69に記録されている基準値とが照合
され、電子部品6が剥離した時点での荷重値が2.5k
gf未満又は電子部品6が剥離した時点での荷重値の平
均値が5.5kgf未満のときは当該ロットは所定の強
度が得られないものとして、生産ラインから除外され
る。
【0062】以上のような構成を有する部品接合強度判
定システム1の動作を図13に示すフローチャートを用
いて説明する。
【0063】部品接合強度判定システム1を適用する前
段階として、公知の方法によってガラスエポキシを用い
た基板を作成し、フォトツールを用いたプリントエッチ
法によって配線パターン4を形成する。そして、電子部
品6が接合されるランド7の部品実装部8にニッケルメ
ッキ及び金メッキの順にめっき層を形成する。次いで、
ランド7のうち一部のランド7aは、エッチングにより
金めっき層12が剥離され、他のランド7bは、はんだ
クリームが塗布され、電子部品6が搭載された後リフロ
ーされることにより電子部品6が接合される。
【0064】そして、部品接合強度判定システム1は、
先ずステップS1において、輝度検査装置15により金
メッキ層12が剥離されたランド7aのニッケルめっき
表面の黒化度を測定する。そして、ステップS2におい
て、部品接合強度判定システム1の輝度検査装置15
は、ニッケルメッキ表面から反射された検査光の受光量
と、メモリ24に記憶された所定の閾値とを照合し、著
しい黒化現象が生じているか否を判定する。その結果、
輝度検査装置15は、ニッケルめっき表面が黒化してい
ると判定すると、そのプリント配線基板2を含むロット
は生産ラインから除き、ニッケルメッキ表面が黒化して
いないと判定すると、そのプリント配線基板2は、りん
含有量判定装置30によるりんの含有量の測定がされ
る。
【0065】次いで、ステップS3において、部品接合
強度判定システム1は、りん含有量判定装置30によっ
て、ニッケルメッキ表面より反射されるりん特有の波長
を有する蛍光X線の強度が検出される。その結果、ステ
ップS4において、りん含有量判定装置30は、ニッケ
ルメッキ中のりんの含有量が5%以下と判定すると、そ
のプリント配線基板2を含むロットを、生産ラインから
除する。りん含有量判定装置30は、りんの含有量が5
%以上と判定すると、そのプリント配線基板2を含むロ
ットを、部品接合強度測定装置50に搬送する。
【0066】そして、ステップS5において、部品接合
強度判定システム1は、部品接合強度測定装置50によ
って、ランド7bに接合されている電子部品6がランド
7bより剥離するまで押圧する破壊試験を行い、部品剥
離時の荷重値を測定する。その結果、ステップS6にお
いて、部品接合強度測定装置50は、測定サンプル中の
部品剥離時の最低荷重値が2.5kgf未満又は測定サ
ンプルの部品剥離時の平均荷重値が5.5kgf未満の
プリント配線基板を有するロットを、生産ラインから除
く。
【0067】このような接合強度判定システム1によれ
ば、プリント配線基板のランドに形成されたニッケルメ
ッキ表面に現れる酸化膜の度合いをニッケルメッキ表面
の黒化現象を観察することにより判定し、次いで、ニッ
ケルメッキ中に含まれるりん特有の波長を有する蛍光X
線の強度を測定することにより、ニッケルメッキ中に含
まれるりんの含有量を判定し、更に、ランド上にはんだ
付けされた電子部品を剥離される時点の荷重値を測定す
る。したがって、電子部品の接合強度を左右するニッケ
ルメッキ表面の酸化膜及びりん含有量を精度よく測定す
ることができ、更に、ランドに実装された電子部品の破
壊試験を行い、接合強度を測定することができるため、
確実に電子部品の接合強度を判定することができる。
【0068】以上、本発明が適用された接合強度判定シ
ステムについて説明したが、本発明は、接合強度判定シ
ステムを構成する輝度検査装置、りん含有量判定装置、
部品接合強度測定装置を経ることによってのみ接合強度
を判定できるものではなく、各検査装置のみを用いて、
又はこれら装置を適宜組み合わせることにより接合強度
を判定することもできる。また、各検査装置の順番を適
宜変更することもできる。
【0069】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
かかる部品接合強度判定システム及び部品接合強度判定
方法によれば、ニッケルメッキ表面に形成された酸化膜
の度合いを測定し、ニッケルメッキ中のりんの含有量を
測定し、更に破壊検査を行うため、ランドに接合された
電子部品の接合強度を精度よく判定することができ、電
子部品の接合不良によるトラブルを未然に回避すること
ができる。
【0070】また、本発明にかかる輝度検査装置によれ
ば、ニッケルメッキ表面の輝度を測定することにより、
ニッケルメッキ表面の黒化度を判定し、実装部品の接合
不良の原因となるニッケルメッキ表面に形成された酸化
膜の形成度合いを判定することができる。
【0071】また、本発明にかかるりん含有量判定装置
によれば、ニッケルメッキ表面から放射されるりん特有
の波長を有す蛍光X線のピーク値を測定することによ
り、ニッケルメッキ中に含まれるりんの含有量を測定す
ることができる。
【0072】更に、本発明にかかる接合強度判定装置に
よれば、ランドに接合された電子部品に押圧力を与え、
ランドより剥離した時点の荷重値を測定する。したがっ
て、電子部品の接合強度を精度よく測定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により接合部品の強度測定が行われるプ
リント配線基板を示す断面図である。
【図2】上記プリント配線基板に形成されたランドを示
す平面図である。
【図3】上記プリント配線基板に形成されたランドに電
子部品を実装する様子を示す斜視図である。
【図4】ニッケルメッキ中に含まれるりんの含有量と接
合強度の平均値との関係を示す特性図である。
【図5】ニッケルメッキ中に含まれるりんの含有量と接
合強度の最低値との関係を示す特性図である。
【図6】落下試験におけるニッケルメッキ中に含まれる
りんの含有量と部品剥離との関係を示す特性図である。
【図7】本発明が適用された接合強度判定システムの構
成を示すブロック図である。
【図8】接合強度判定システムを構成する輝度検査装置
の概略構成を示す図である。
【図9】接合強度判定システムを構成するりん含有量判
定装置の概略構成を示す図である。
【図10】りん含有量判定装置を構成する分光結晶によ
る蛍光X線の分光原理を説明するための図である。
【図11】接合強度判定システムを構成する部品接合強
度測定装置を示す平面図である。
【図12】接合強度判定システムを構成する部品接合強
度測定装置を示す側面図である。
【図13】接合強度判定システムの動作を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 プリント配線基板、6 電子部品、7 検査用ラン
ド、10 接合強度判定システム、15 輝度検査装
置、16 発光部、18 受光部、19 制御部、30
りん含有量判定装置、33 X線発光部、34a ゴ
ニオメータ、35分光結晶、39 X線検出器、50
部品接合強度測定装置、54 押圧部材、56 測定部
フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 AA07 BA04 BA14 CA01 CA07 FA06 GA01 JA11 KA01 KA09 LA02 LA11 MA05 NA07 2G051 AA61 AA65 AB14 BA20 CA02 CB01 EA12 EA14 EB01 EB02 EC03 2G055 AA07 BA01 BA05 BA14 CA26 FA01 FA02 FA03 5E319 AA03 AC01 AC18 CC22 CD53

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品が接合されるランドにニッケル
    金メッキ層が設けられたプリント配線基板のランドと電
    子部品との接合強度を判定する部品接合強度判定システ
    ムにおいて、 上記ランドに形成された金メッキ層が剥離されたニッケ
    ルメッキ層に検査光を照射し、上記ニッケルメッキ層で
    反射された反射光の輝度を測定し、輝度が所定値より小
    さいときプリント配線基板を不適格とする上記ニッケル
    めっき層の表面黒化度を判定する輝度検査装置と、 上記ランドに形成された金メッキ層が剥離されたニッケ
    ルメッキ層にX線を照射し、上記ニッケルメッキ層で反
    射した蛍光X線の強度を測定し、上記ニッケルメッキ中
    に含まれるりんの含有量が所定値に満たないときプリン
    ト配線基板を不適格と判定するりん含有量判定装置と、 上記ランドに接合された電子部品を押圧し、上記電子部
    品が剥離したときの荷重値を測定し、荷重値が所定値に
    満たないときプリント配線基板を不適格とする部品接合
    強度測定装置とを備えるプリント配線基板の部品接合強
    度判定システム。
  2. 【請求項2】 上記部品接合強度判定システムは、上記
    輝度検査装置によって上記ニッケルメッキ層の輝度を測
    定することにより表面黒化度を判定し、輝度が所定値よ
    りも大きいと判定された後、上記りん含有量判定装置に
    よって上記ニッケルメッキ層で反射した蛍光X線の強度
    を測定し、りん含有量が所定値よりも大きいと判定され
    た後、上記部品接合強度判定装置によって上記ランド上
    に接合された電子部品を押圧し、上記電子部品が剥離し
    たときの荷重値を測定することを特徴とする請求項1記
    載の部品接合強度判定システム。
  3. 【請求項3】 電子部品が接合されるランドにメッキ層
    が設けられたプリント配線基板のランドと電子部品との
    部品接合強度の判定方法において、 上記ランドに形成されたメッキ層の輝度を測定し、測定
    値が基準値に満たないとき、プリント配線基板を不適格
    とし、ニッケルメッキ層の表面黒化度を判定するステッ
    プと、 上記ランドに形成されたメッキ層のりん含有量を測定
    し、含有量が基準値に満たないとき、プリント配線基板
    を不適格と判定するステップと、 上記ランドに接合された部品接合強度特性を測定し、接
    合強度が基準値に満たないとき、プリント配線基板を不
    適格と判定するステップとを有することを特徴とする部
    品接合強度判定方法。
  4. 【請求項4】 上記部品接合強度判定方法は、上記ニッ
    ケルメッキ層の輝度を測定することにより、表面黒化度
    を判定し、輝度が所定値より大きいと判定された後、上
    記ニッケルメッキ層中のりん含有量を測定し、りん含有
    量が所定値より大きいと判定された後、上記ランド上に
    電子部品を実装し、部品接合強度を測定することを特徴
    とする請求項3記載の部品接合強度測定方法。
  5. 【請求項5】 発光部から検査光が照射されるニッケル
    メッキが施されたプリント配線基板が載置される載置部
    と、 上記載置部に載置されたプリント配線基板のランドに施
    された上記ニッケルメッキ表面に上記検査光を照射する
    発光部と、 上記ニッケルメッキ表面で反射された反射光を受光する
    受光部と、 上記ニッケルメッキ表面の反射光の輝度を算出する制御
    部とを備え、 上記制御部は、メモリに予め記憶されている所定値と上
    記受光部によって受光された反射光の輝度とを比較し、
    上記反射光の輝度が上記所定値より低いとき、ニッケル
    メッキ表面が黒化しているものとして上記プリント配線
    基板を不適格と判定する輝度検査装置。
  6. 【請求項6】 ランドにりんを含むニッケルメッキが施
    されたプリント配線基板が載置される載置部と、 上記ニッケルメッキ表面に対しX線を照射するX線発光
    部と、 上記ニッケルメッキ表面より反射されたりん特有の波長
    を有する蛍光X線の分光角度を調整する測角器と、 上記測角器に設けられ、上記ニッケルメッキ表面から反
    射されたりん特有の波長を有する蛍光X線を結晶面で回
    折させて干渉を起こさせる分光結晶と、 上記分光結晶から回折された干渉時のりん特有の波長を
    有する蛍光X線を受光し、蛍光X線の強度を検出するX
    線検出器と、 上記X線検出器により検出された蛍光X線の強度に基づ
    き、上記ニッケルメッキ中に含まれるりんの含有率を算
    出する制御部とを備え、 上記制御部は、上記りんの含有量が所定値に満たないと
    き、上記プリント配線基板を不適格と判定するりん含有
    量判定装置。
  7. 【請求項7】 電子部品が接合されたプリント配線基板
    が固定されて載置される載置部と、 上記載置部に固定して配置された上記プリント配線基板
    の電子部品を水平方向に押圧する押圧部材と、 上記押圧部材を電子部品の押圧方向に往復駆動させる駆
    動機構と、 上記駆動機構に取り付けられ、上記押圧部材が電子部品
    を剥離した時点の押圧力を測定する測定部と、 上記測定部により測定された押圧力が所定値を満たすか
    否か判定する制御部とを備え、 上記制御部は、上記測定部により測定された電子部品を
    剥離した時点の押圧力が所定値に満たないとき、上記プ
    リント配線基板を不適格と判定する部品接合強度測定装
    置。
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JP2008521003A (ja) * 2004-11-29 2008-06-19 モトローラ・インコーポレイテッド X線マイクロ分析法を用いて複雑な構造の含有化学物質を決定するための方法
WO2008110580A1 (en) * 2007-03-13 2008-09-18 Elca Technologies S.R.L. Method and apparatus for testing electronic board joints
CN108106993A (zh) * 2018-02-02 2018-06-01 巨心物联网实验室(深圳)有限公司 Inlay芯片粘接强度实验机

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