JP2002106531A - クリップ - Google Patents
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Abstract
雄部材を引き抜いて本止め態様から仮止め位置にしたと
き、初期形状に復元されない場合にも、例えば、雄部材
の抜け落ち等を防いで、雄・雌部材と常に一緒に取り扱
うことができようにする。 【解決手段】 雄部材10が頭部11と軸部12を有
し、雌部材20が胴部21及びフランジ部22並びに略
筒状に配された複数の弾性脚片24を有し、雄・雌部材
10,20が軸部12の胴部21内への押し入れによっ
て仮止め態様となり、軸部12の更なる押し入れによっ
て脚片24を拡径して前記フランジ部22との間に部材
1,2を挟み込む本止め態様となるクリップにおいて、
雌部材20と雄部材10との間に設けられ、脚片24が
拡径した状態から元の縮径した状態への変位を許容する
位置に雄部材10の動きを規制保持する保持手段3A又
は/及び3Bを有している。
Description
したり、パネルに取付部材を固定するような場合に好適
なクリップに関するものである。
クリップを示している。このクリップは雄部材30及び
雌部材36からなり、例えば、パネル40に取付部材4
5を固定するようなときに用いられる。雌部材36は、
筒形胴部37及び胴部37の上外周から張り出したフラ
ンジ部38並びに胴部37の下端から略筒状に配された
複数の弾性脚片39を有している。雄部材30は、頭部
31、軸部32、先端部33を一体に形成し、軸部32
と先端部33との間に設けられた仮止め用凹部34と、
凹部34の上側に設けられた本止め用係止部35とを有
している。
軸部32が胴部37内から脚片39同士の内側中空部に
挿入され、先端部33が脚片39を貫通すると、各脚片
39が凹部34と係合し同(b)の如く仮止め態様とな
る。クリップは該仮止め態様で搬送など一体物として取
り扱われる。使用時には同(b)の如くパネル40及び
取付部材45の各取付孔40a,45aに共通に差し込
まれる。雄部材30は、軸部32の更なる押し入れによ
り前記係合を解除した後、脚片39が凹部34の上側に
位置する係止部35の径大周囲により拡径されつつ係止
部35と係合すると、同(a)の如く脚片39の拡径部
分とフランジ部38との間にパネル40及び取付部材4
5を挟み込んで取付部材45をパネル40に固定する本
止め態様となる。修理等で取付部材45をパネル40か
ら外す場合には、例えば、雄部材30の頭部31の下側
に工具を差し込んで、脚片39と係止部35の係合力に
抗し雄部材30を引き抜いて同(b)の仮止め態様に
し、雄・雌部材30,35を取付孔40a,45aから
一体物として引き抜くが、多数のクリップが使用されて
いる場合には各クリップを仮止め態様にした後、取付部
材45をパネル40から離間操作して全てのクリップを
取付孔40aから同時に引き抜くことになる。
は樹脂成形品であり、脚片39が長期間、拡径した状態
にされると、樹脂弾性が損なわれ、雄部材30を少し引
き抜いて本止め態様から仮止め位置にしても、初期形状
に復元されなく、同(c)の如く脚片39が拡径された
ままの状態になり易い。そのような事態になると、上述
した如く多数のクリップを順に仮止め位置まで引き抜い
てから、取付部材45をパネル40から離間操作すると
きに次のような不具合を生じる。即ち、同図の如くクリ
ップが下向きの状態で使用されている場合には、雄部材
30を工具などにて仮止め位置まで引き抜き該引き力を
解放すると、雄部材30は同(d)の如く係止部35の
径大付近が拡径した脚片39に引っ掛かるまで自重によ
り下へ落ち込むため、取付部材45を上に持ち上げたと
しても脚片39の先端が係止部35の径大部分に当たっ
て縮径方向への移動が規制されて、パネル40から離間
できないか、取付部材45に対する過大な持ち上げ力が
必要となる。また、クリップが図6を天地逆転した上向
きの状態で使用されている場合には、雄部材30が本止
め態様から工具などで引き抜き操作されるとき、同
(c)の仮止め位置から更に引き出されて、雌部材36
から離れ落下されることも多い。これは、先端部33の
形状が雌部材36内への挿入性を維持するため、脚片3
9の拡径した先端同士の最大内径よりも小さく形成され
ているためである。なお、同(b)の如く脚片39が正
常に縮径している場合は取付部材45から抜け落ちる。
本発明は以上のような課題を解消して使い勝手を向上す
ることを目的としている。
請求項1の本発明は、図1〜図5に例示される如く、雄
部材10が頭部11及び軸部12を有し、前記雌部材2
0が筒形胴部21及び該胴部21の上外周に張り出した
フランジ部22並びに該胴部21の下端から略筒状に配
された複数の弾性脚片24を有し、前記雄・雌部材1
0,20が、前記軸部12の前記胴部21内への押し入
れによって仮止め態様となり、前記軸部12の更なる押
し入れによって前記脚片24を拡径して前記フランジ部
22との間に部材1,2を挟み込む本止め態様となるク
リップにおいて、前記雌部材20と前記雄部材10との
間に設けられ、前記脚片24が拡径した状態から元の縮
径した状態への変位を許容する位置に前記雄部材10の
動きを規制保持する保持手段3A又は/及び3Bを有し
ていることを特徴としている。このクリップ構造では、
脚片24が拡径した状態で弾性を減衰し仮止め態様にし
たときに当初の形状に縮径しなくなったとしても、保持
手段3A又は/及び3Bの作動によって、例えば、図3
(b),(c)の如く軸部12を仮止め位置まで引き抜
き、部材2を部材1から離間すると拡径した脚片12を
取付孔1aなどから受ける応力で縮径可能となり、従来
の問題を解消できる。ここで、保持手段3Aは、特に部
材1,2に対しクリップが図3の例の如く上から下向き
に配されるときに有効となり、保持手段3Bはクリップ
が図3を天地逆転して下から上向きに配されるときに有
効となる。
部材2を取り外し可能に固定する場合に上記クリップを
用いるときに特定したものであり、前記雌部材20は前
記フランジ部22の下面に突設された係合爪部29を介
し前記取付部材2に単独で取付可能であると共に、前記
雄部材10と前記雌部材20との間に設けられ、前記脚
片24が拡径した状態から元の縮径した状態への変位を
許容する位置に前記雄部材10の動きを規制保持する保
持手段3A又は/及び3Bを有していることを特徴とし
ている。このクリップ構造では、上記した保持手段3A
又は/及び3Bの作用に加えて、雌部材20が係合爪部
29を介し取付部材2に単独で取り付けられることによ
り、前述のように取付部材2をパネル1から離間した後
にも、雄・雌部材10,20が常に取付部材2に保持さ
れて以後の取り扱いを容易にする。これは、取付部材1
がパネル1に対し多数のクリップを使用して固定される
ときに作業性を大きく改善できることに意義がある。
体化されることが好ましい。即ち、第1に、前記保持手
段3Aは、前記胴部21内面の段差部27aと、前記軸
部12に設けられて該軸部12の押し入れ方向から前記
段差部27aと係脱する凸部15からなる構成である。
段差部27a及び凸部15は、単純な形状でよく、凸部
15が軸部12の雌部材20内への押し入れ方向から段
差部27aに係合することにより、図3(b)の例にお
いて、脚片24が拡径した状態で弾性を減衰し当初の形
状に縮径しなくなったとしても、脚片24が仮止め位置
に引き抜かれたときに雄部材10の下移動を防ぐ。第2
に、前記保持手段3Bは、前記軸部12先端に設けられ
前記拡径した各脚片24の先端24a同士の間の最大内
径より大きな膨出部13からなる構成である。膨出部1
3は、各脚片24の先端24a同士の間の最大内径より
大きいことから、各脚片24の先端24a同士の間を一
旦貫通されると、脚片24が拡径した状態で弾性を減衰
し当初の形状に縮径しなくなったとしても、例えば、図
3(b)を天地逆転した状態において、脚片24が仮止
め位置に引き抜かれたときに雄部材10の下移動を防
ぐ。第3に、前記膨出部13が弾性変形可能な複数の突
出片からなる態様である。これは、 以下の形態例の如
く突出片の形状を先端から上向きに拡大するよう傾斜す
る等工夫することにより、膨出部13つまり複数の突出
片が胴部21内や脚片24同士の間や、取付孔1aに弾
性縮径しつつ押し入れられる作用と、図3(c)の如く
取付孔1aから弾性縮径しつつ引き抜かれる作用とを充
足容易にすることに意義がある。第4に、前記軸部12
が上下連続リブ16を有し、該上下連続リブ16が前記
胴部21に設けた上下溝28から脚片24間の隙間25
へ挿入される構成である。これは、軸部12が雌部材2
0の胴部21及び脚片24同士の間の内側へ押し入れる
ときに上下連続リブ16と上下溝28との嵌合つまりガ
イド作用を伴って行われるようにする。加えて、上下連
続リブ16と上下溝28とは、雄部材10と雌部材20
との相対的な位置を確定して、前記した保持手段3Aや
3Bの係合状態を確実に得られるよう機能する。
図面に基づいて詳細に説明する。図1はクリップを構成
している雄部材と雌部材との関係を示す概略外観図であ
る。図2(a)は前記クリップを仮止め態様で、図2
(b)は本止め態様でそれぞれ示す断面図である。図3
(a)〜(c)は取付部材をパネルから離間して外すと
きの上記クリップの作用を示している。なお、図2及び
図3のクリップは雌部材が図4(a)のC−C線に沿っ
て断面された状態である。図4は雌部材単品を示し、同
(a)は上から見た図、同(b)は(a)のA−A線に
沿って一部を破断した側断面図、同(c)は(a)のB
−B線に沿って一部を破断した側断面図、同(d)は下
から見た図である。図5は雄部材単品を示し、同(a)
は正面図、同(b)は側面図、同(c)は下から見た
図、同(d)は(a)のD−D線断面図、同(e)は
(a)のE−E線断面図、同(f)は(a)のF−F線
断面図である。
部材10及び雌部材20からなる点、雄部材10が頭部
11及び軸部12を有している点、雌部材20が胴部2
1、フランジ部22、略筒状に配された複数の脚片24
を有している点、雄・雌部材10,20が軸部12の脚
片24同士の内側への押し入れよって仮止め態様とな
り、軸部12の更なる押し入れによって脚片24を拡径
した本止め態様となる点で従来と同じ。改良した点は、
特に、雌部材20が取付部材2に係合爪部29を介して
単独で取り付けられること、仮止め態様において脚片2
4が拡径しているときに雄部材10の上下動を規制保持
する保持手段3A,3Bを有した構造等にある。以下の
説明では、雄・雌部材10,20の各部材構造を基本作
動と共に明らかにし、その後、要部作動に言及する。な
お、この形態例は、作図上、それぞれ一個のクリップだ
けを示しているが、実際には複数のクリップを用いて取
付部材2をパネル1に複数箇所で固定するようになって
いる。パネル1には使用クリップに応じた数だけ取付孔
1aが設けられている。取付部材2には、取付孔1aに
対応する取付孔2aと、後述する係合爪部29に対応し
た貫通孔2bとが設けられている。
図5に示される如く略円盤状の頭部11に対し軸部12
を頭部11の下面から垂直に突設している。この軸部1
2は、頭部11の下面から先端に向けて、第1軸部分1
2a、第2軸部分12b、第3軸部分12c、傾斜軸部
分12d、第4軸部分12e、先端部12fを順に配置
している。また、軸部12には、先端部12fから上向
きに設けられた膨出部13と、周囲180度変位した箇
所にあって頭部11の下から先端部12fまで連続して
突出形成された対の上下連続リブ16と、各上下連続リ
ブ16から略90度変位した箇所にあって第1軸部分1
2aの周囲面に突出形成された上短リブ17a(17)
及び、傾斜軸部分12dと先端部12fとの間に突出形
成された下短リブ17b(17)とを有している。
第2軸部分12bが最大径L2、第4軸部分12eが最
小径L4であり、第1軸部分12aの径L1が第3軸部分
12cの径L3よりも小径となっていて、第2軸部分1
2bの径L2>第3軸部分12cの径L3>第1軸部分1
2aの径L1>第4軸部分12eの径L4に設定されてい
る。傾斜軸部分12dは、第3軸部分12cの下側を一
回り径大にし、該径大部14から第4軸部分12eに向
けて次第に低くなるよう傾斜されている。径大部14と
第3軸部分12cとの間には、本止め態様において脚片
24の先端と係合する係合段部14aが形成されてい
る。対の上下連続リブ16は、図5(b)の如く最大径
の第2軸部分12bよりも外へ張り出す高さのリブであ
り、下端が先端部12fの丸味に沿って傾斜している。
上短リブ17a及び下短リブ17bは、図5(a)の如
く第3軸部分12cの外径と同じ高さのリブで、上下連
続リブ16よりも若干低く形成されている。従って、軸
部12の周囲は、第3軸部分12cを除いて、対の上下
連続リブ16及び対の上下短リブ17a,17bにより
横断面が略十の字に対応して区画されている。そして、
第4軸部分12eの周囲には、対の上下連続リブ16及
び対の下短リブ17bにより区画された4つの係合凹所
18が形成されている。この係合凹所18は、仮止め態
様において脚片24の先端と係合する箇所となる。
リブ16で周囲を2等分されると共に、第1軸部分12
a及び第3軸部分12cから見ると一段張り出した凸部
15を形成している。この凸部15は、後述する雌部材
20の段差部27aと係合して、図3(b)の状態で雄
部材10の雌部材20内への落ち込みを阻止する。要は
凸部15及び段差部27aにより本発明の一方の保持手
段3Aを構成している。また、膨出部13は、先端部1
2fの第4軸部分12e側に位置する端面から上向きに
突設された弾性変形可能な4つの突出片から構成されて
いる。各突出片は、図5(f)の如く上下連続リブ16
と下短リブ17bとで区画される各リブ同士の間の空間
部に位置し、図5(a)の如く中間部が先端部12fよ
り一回り外側に張り出し、上側13aが第4軸部分12
eの方向へ傾斜されている。この膨出部13つまり各突
出片は、各突出片で形成される最大外径が図3(b)の
如く拡径した各脚片24の先端同士の間の最大内径より
も大きく形成されおり、胴部21及び脚片24同士の内
側に弾性縮径しながら挿通され、脚片24同士の先端か
ら一旦突出されると拡径した初期状態に復元される。そ
して、この膨出部13は、図3(b)を天地逆転したと
きに雄部材10の雌部材20からの抜け落ちを阻止す
る。要は本発明のもう一方の保持手段3Bを構成してい
る。
図4に示される如くフランジ部22を胴部21の上外周
に鍔状に設け、4個の脚片24を胴部21の下端に上下
スリット(隙間と同じ)25を介して略円筒状に配置し
ている。胴部21は、上下貫通した筒孔内面にあって、
対向した2つの突起27と、対向した2つの上下溝28
とを互いに略十字形の関係となるよう形成している。各
上下溝28は、脚片24同士の間の上下スリット25の
うち、180度ずれた2箇所の上下スリット25と連通
していて、軸部12が胴部21内に挿通されるとき、各
上下連続リブ16と嵌合し当該リブ16をここから対応
する上下スリット25内に入るよう案内する。各突起2
7は、胴部21の筒孔内面にあって、上下溝29同士の
間の内面、つまり上下連続リブ16が嵌合しない残りの
2箇所の上下スリット25の真上に位置し、上端に傾斜
した段差部27aを形成している。この段差部27a
は、凸部15と共に本発明の一方の保持手段3Aを構成
し、図3(b)の如く凸部15と係合して雄部材10の
雌部材20内への落ち込みを阻止する。
部23と、凹部23内にあって胴部21の筒孔を縁取っ
ているリング形の縁取り部26と、下面側に突設された
係合爪部29とを形成している。縁取り部26には頭部
11が密に当接される。係合爪部29は、図4の如く胴
部21の左右2箇所に突設されていて、先端に掛止め爪
29aを有し、図2の如く取付部材2に対し雌部材20
を単独で取付可能にする。各脚片24は、上下スリット
25を介し独立した揺動片に形成されている。上下スリ
ット25の幅は、上下連続リブ16に対応した寸法に設
定され、当該リブ16が挿入可能になっている。各脚片
24の先端24aは筒中心に絞られてその端面に掛止め
爪を形成している。
材10が雌部材20に対し軸12を胴部21及び脚片2
4同士の内中空部に押し入れられて、図2(a)の如く
4つの脚片24の先端24aが対応する係合凹所18と
係合した仮止め態様となり、更に押し入れられると図2
(b)の如く各脚片24の先端24aが係合段部14a
と係合した本止め態様となって、脚片24の拡径部分と
フランジ22との間に取付部材2及びパネル1を挟み連
結、又は、取付部材2をパネル1に固定する点で、従来
と同じ。この基本作用において、従来と異なることは次
の点にある。 ア)、雌部材20が取付部材1に対し係合爪部29を介
し単独でも取り付けることができる。このため、この構
造では、例えば、複数のクリップについて、雄・雌部材
10,20の仮止め態様から、貫通孔2bと係合爪部2
9との係合を介し取付部材2に取り付ける。その後、取
付部材2をパネル1に位置決め配置することにより各ク
リップを同時に図2(a)の状態、つまり雌部材20の
脚片24をパネル1の取付孔1aに挿通した後、各雄部
材10に押し込め力を加えて図2(b)の本止め態様に
することができる。 イ)、図1の状態から雄部材10の軸部12を雌部材2
0内に入れる際、上下連続リブ16が胴部21内の対応
する上下溝28と嵌合され、軸部12が該嵌合を伴って
胴部21及び脚片24同士の間に押し入れられる。この
ため、この構造では、雄部材10を仮止め態様へ押し入
れる操作、雄部材10を更に本止め態様まで押し入れる
操作、本止め態様の係合を解除したり、仮止め位置まで
雄部材10を相対的に引き抜く操作を、上下連続リブ1
6と胴部21の上下溝28との嵌合つまり案内作用を伴
ってスムースに行うことができる。 ウ)、この構造では、上述した上下連続リブ16と上下
溝28の嵌合により雄・雌部材10,20同士の周方向
の移動(相対的に回転しようとする動き)が阻止される
ため、次の保持手段3A,3Bの作動も確実に得られる
こと、段差部27aを形成している突起27をこの形態
の如く部分的に形成しても凸部15と確実に係合できる
等の利点を具備できる。
ら外すときの操作要領と作動を模式的に示している。実
際には取付部材2がパネル1に複数のクリップにて固定
されている。各クリップは、時間経過により雌部材20
の脚片24が樹脂弾性を減衰し、雄部材10が本止め態
様から仮止め位置まで引き抜かれても拡径状態を維持し
弾性縮径されない状態となっている。 エ)、図3(a)と(b)は、各クリップについて、雄
部材10が雌部材20に対し脚片24を縮径可能な位
置、つまり仮止め位置まで引き抜く操作を示している。
この場合には、頭部11の下側に工具などを差し込み図
3(a)の如く雄部材10が脚片先端24aと係合段部
14aとの係合力に抗し、また、途中では凸部15が段
差部27aを形成している突起27を乗り越えるときの
抵抗に抗して抜き操作され、図3(b)の如く脚片24
が縮径可能な位置まで上移動される。このときには、雄
部材10が過大な引き抜き力を受けることもあり、その
場合に従来構造だと雄部材の軸部が雌部材から完全に抜
かれることもあったが、この構造では軸部12の先端に
設けられた膨出部13(保持手段3B)が拡径した脚片
先端24aに当たるためそのような不具合は生じない。
において、引き抜き力が解放されると、図3(b)の如
く凸部15が段差部27aに係合(保持手段3A)して
それ以上、下方向へ移動されないよう規制保持される。
この保持手段3Aの規制保持は、従来の図6(d)の如
く雄部材30が拡径された脚片39の先端部に当たるま
で下方向へ落ち込むことを防ぐことを意味する。そし
て、この構造では、図3(b)の状態から、取付部材2
をパネル1から離間する矢印方向へ持ち上げると、脚片
24が取付孔1aの内周から受ける内向き応力により図
3(c)の如く強制縮径されつつ取付孔1aから外れ、
続いて膨出部13つまり突出片が取付孔1aを弾性縮径
しつつ通り抜ける。これにより、各クリップが取付部材
2の離間操作によりパネル1の取付孔1aから同時に外
れるため、取付部材2の取り外し操作を迅速に行える。 カ)、取付部材2とパネル1は図3を天地逆転した状態
となる仕様もある。その場合には、図3(b)を天地逆
にした状態において、雄部材10の引き抜き力が解放さ
れると、膨出部13つまり突出片(保持手段3B)が脚
片24の先端24a同士の間の最大内径よりも大きいこ
とから該先端24aに当たり、雌部材20からそれ以
上、下方向へ移動されないよう規制保持される。このた
め、この構造では、そのような仕様においても、取付部
材2をパネル1から離間する下方向へ押し下げると、脚
片24が取付孔1aの内周から受ける内向き応力により
強制縮径されつつ取付孔1aから外れ、続いて膨出部1
3つまり突出片が取付孔1aを弾性縮径しつつ通り抜け
る。即ち、オ)に記載したと同様な利点を具備できる。
素を備えておればよく、例えば、脚片24や上下スリッ
ト25の個数、膨出部13の具体的な形状等、色々変形
可能なものである。
にあっては、雌部材の脚片が拡径した状態で弾性を減衰
し仮止め態様にしたときに当初の形状に縮径しなくなっ
たとしても、保持手段の作動によって、雄部材の軸部を
仮止め位置まで引き抜いた後、例えば、取付部材をパネ
ルから離間すると拡径した脚片が縮径可能となり、従来
の問題を解消できる。この場合、請求項2の如く雌部材
が係合爪部を介し取付部材に単独で取り付けられるよう
にすると、前述した例の如く取付部材をパネルから離間
した後にも、雄・雌部材が常に取付部材に保持され、以
後の取り扱いを容易にして作業性を改善できる。
す概略外観図である。
す模式断面図である。
断面図である。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 雄部材が頭部及び軸部を有し、前記雌部
材が筒形胴部及び該胴部の上外周に張り出したフランジ
部並びに該胴部下端から略筒状に配された複数の弾性脚
片を有し、前記雄・雌部材が、前記軸部の前記胴部内へ
の押し入れによって仮止め態様となり、前記軸部の更な
る押し入れによって前記脚片を拡径して前記フランジ部
との間に部材を挟み込む本止め態様となるクリップにお
いて、 前記雌部材と前記雄部材との間に設けられ、前記脚片が
拡径した状態から元の縮径した状態への変位を許容する
位置に前記雄部材の動きを規制保持する保持手段を有し
ていることを特徴とするクリップ。 - 【請求項2】 パネルに取付部材を取り外し可能に固定
する場合に用いられ、雄部材が頭部及び軸部を有し、前
記雌部材が筒形胴部及び該胴部の上外周に張り出したフ
ランジ部並びに該胴部の下端から略筒状に配された複数
の弾性脚片を有し、前記雄・雌部材が、前記軸部の前記
胴部内への押し入れによって仮止め態様となり、前記軸
部の更なる押し入れによって前記脚片を拡径して前記フ
ランジ部との間にパネル及び取付部材を挟み込む本止め
態様となるクリップにおいて、 前記雌部材は前記フランジ部の下面に突設された係合爪
部を介し前記取付部材に単独で取付可能であると共に、
前記雄部材と前記雌部材との間に設けられ、前記脚片が
拡径した状態から元の縮径した状態への変位を許容する
位置に前記雄部材の動きを規制保持する保持手段を有し
ていることを特徴とするクリップ。 - 【請求項3】 前記保持手段は、前記胴部内面の段差部
と、前記軸部に設けられ前記段差部と係脱する凸部から
なる請求項1又は2記載のクリップ。 - 【請求項4】 前記保持手段は、前記軸部先端に設けら
れ前記拡径した脚片先端同士の間の最大内径より大きな
膨出部である請求項1又は2記載のクリップ。 - 【請求項5】 前記膨出部が、弾性変形可能な複数の突
出片からなる請求項4に記載のクリップ。 - 【請求項6】 前記軸部が上下連続リブを有し、該上下
連続リブが前記胴部に設けた上下溝から脚片間の隙間へ
挿入される請求項1又は2記載のクリップ。
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