JP2002105875A - インクジェット捺染用布帛及びその製造方法、及びその捺染物 - Google Patents

インクジェット捺染用布帛及びその製造方法、及びその捺染物

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JP2002105875A
JP2002105875A JP2001201395A JP2001201395A JP2002105875A JP 2002105875 A JP2002105875 A JP 2002105875A JP 2001201395 A JP2001201395 A JP 2001201395A JP 2001201395 A JP2001201395 A JP 2001201395A JP 2002105875 A JP2002105875 A JP 2002105875A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 滲みが生じない上、目むき、いらつき及び裏
抜けを防止できるインクジェット捺染用布帛、及び立毛
部も地組織も同様に均一に染色されるインクジェット捺
染用布帛を提供すること。 【構成】 合成繊維または合成繊維を含む繊維よりなり
立毛部と地組織とを有するインクジェット捺染用布帛1
であって、地組織には合成繊維に対して高ヌレ性のイン
ク保持剤を含む処理液及び合成繊維に対して低ヌレ性の
インク保持剤を含む処理液の少なくとも2種類の処理液
が浸透し、立毛部には合成繊維に対して高ヌレ性のイン
ク保持剤(A)を含む処理液が浸透してなるインクジェ
ット捺染用布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット捺
染用布帛及びその製造方法、及びその捺染物に関し、更
に詳しくは、インクジェット方式による捺染により滲み
がなくシャープで鮮明に染色でき、しかも目むきやいら
つきを生じることのないインクジェット捺染用布帛及び
その製造方法、及びその捺染物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、布帛に対して、インクジェット方
式で印捺するインクジェット捺染の技術が開発され、改
良が進んでいる。インクジェット捺染は、シャープで鮮
明な図柄の表現が可能であり、図柄の選定が自在で、表
現できる色数が豊富であるなど、従来の布帛に対する捺
染法すなわちローラー捺染、自動スクリーン捺染等と比
較して多くの利点を有する。
【0003】しかも、従来の捺染法のように図柄ごとに
スクリーンや彫刻ローラー等を変更する必要がないた
め、多品種少量生産が可能である。こうした利点から、
インクジェット捺染は、高度にファッション化し多様化
するトレンドに応えるものとして注目されている。
【0004】しかし、このインクジェット方式による捺
染も、これまでの捺染法と同様、布帛の印捺面でのイン
クの滲みという根本的な問題を抱えている。そこで、イ
ンクの材料や材質の改良、インクの吐出方法や布帛の処
理方法の改善など、様々な改良がなされてきた。
【0005】特に、布帛の処理方法に関しては、早くか
ら改良が加えられ、初期には、インクの吐出と同時に布
帛を加熱しておく方法等が提案された。しかし、この方
法でも滲みを防止できず、現在では、捺染の前処理とし
て布帛にインク保持剤を付与したり印捺面にインク保持
層を形成しておく方法が主流となっている(例えば特開
昭61−55277号公報等参照)。
【0006】この場合、インク保持剤(層)は、インク
に対して非染着性で且つインクを保持する能力(すなわ
ちインク保持性)を有する物質が用いられる。そして、
インク保持剤(層)は、飛翔してきたインクを一時的に
自らの中に吸収することで保持して滲みを抑え、捺染
後、固着(発色)のために行われる湿熱等の処理の際、
インクを繊維に移行させる働きをする。
【0007】それ以後の改良は、主に、インク保持剤
(層)のインク保持性を向上させ、インクの滲みを防ぎ
ながら染着性を改善しようというものであった(例えば
特開平3−137283号公報等参照)。そして、イン
ク保持剤の材質や付与形態の改良が進み、現在、インク
の滲みの問題に関しては大幅に改善が進んでいる。
【0008】しかし、このような改良の結果、非常に高
いインク保持性を有するインク保持剤(層)が主に布帛
の印捺面の表面にのみ付与されるため、インクが布帛の
内部まで十分に浸透しなくなるという新たな問題が生じ
ている。
【0009】そのため、布帛の中でも特に伸縮性布帛や
立毛布帛を対象としたインクジェット捺染では、布帛内
部の未染色や染着不足のために、伸縮性布帛を引き伸ば
したり、立毛布帛に触れたり曲げたりした時に「目む
き」が目立つという事態を招いた。ここで、目むきと
は、引伸しにより伸縮性布帛の内部が露出したり、立毛
布帛を曲げるなどして立毛部の毛元(根元)や地組織が
露出することにより、染着していない地色(主に白色)
の部分が印象付けられる現象である。
【0010】例えば、模様や柄を施した水着やTシャツ
(伸縮性布帛)を着た時、模様や柄に細かな白い割れ目
が現れる。また、ソファや車のシートのような構造物に
立毛布帛を張ると、カーブした部分に地色が露出し、ま
た人が触れて立毛部が倒れた部分で毛元や地組織の白さ
が目立ってしまう。こうした目むきを生じる商品は、品
質に対して粗悪感を印象づけ、高級感等の点で致命的な
欠陥となる。
【0011】しかし、これまで、布帛に対するインクジ
ェット捺染における目むき防止に関する発明はいくつか
提案されている。伸縮性布帛に対するものとしては、布
帛に張力を与えて伸張するなどして捺染する方法(例え
ば特開平10−245785号公報等参照)がある。
【0012】また、立毛布帛に対する目むき解消の試み
としては、撥水剤を配合した捺染糊を立毛部に塗布して
印捺した後、立毛布帛の裏面を地染液面に載せ地組織の
みを染色する方法(例えば特開平9−279486号公
報等参照)がある。しかし、前者では伸縮性布帛を引き
伸ばすため印写面積が広くなり、元の形状に戻らなかっ
たり破れたりするという問題があること、また後者では
立毛部と地組織の色が異なる部分が生じるなど、問題の
本質的な解決には至っていない。
【0013】一方、布帛内部へのインクの浸透不足は、
結果として染色物の色相や濃度が不均一となるいわゆる
「いらつき」の問題もしばしば発生させる。そして、こ
うした目むきやいらつきの問題を解消するために、イン
クの吐出量を増加するなどして、いわゆる強いインクジ
ェット捺染を行うと、インクが布帛を通り抜けて捺染設
備を汚染するいわゆる「裏抜け」の問題を引き起こして
しまう。
【0014】これらの問題は、特に合成繊維を含む布帛
で生じ易かった。しかし、目むきやいらつきを防止する
ためには、どうしても強めの捺染を行う必要があるが、
上記のような前処理だけでは、捺染を強くすると、どう
しても裏抜けは避けられないのである。
【0015】このようなことから、少なくとも伸縮性布
帛や立毛布帛に対するインクジェット捺染においては、
インクの滲みを抑え且つ布帛内部までインクを浸透させ
るという二律背反的な課題をクリアできる布帛の前処理
方法が強く望まれている。そのためには、多少強めのイ
ンクジェット捺染を行っても、インクが滲まず裏抜けも
起こさないような前処理方法が開発されなければならな
い。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実情
を背景に、上記の課題を克服するためになされたもので
ある。すなわち、滲みが生じない上、目むきやいらつ
き、及び裏抜けを防止できるインクジェット捺染用布帛
およびその製造方法を提供することである。また、立毛
を有する布帛に対して、立毛部が均一に染色され且つ地
組織も立毛部と同様に均一に染色され、しかも目むきや
いらつき、及び裏抜けを防止できるインクジェット捺染
用布帛およびその製造方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明者は、
このような課題背景に対して、鋭意研究を重ねた結果、
合成繊維または合成繊維を含む繊維よりなる布帛におい
ては、合成繊維に対してインク保持剤のヌレ性の高低に
よるインク保持剤の合成繊維への付着の具合の違いを使
い分けることにより布帛の内部でのインクの分布状態を
コントロールできることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成させたものである。
【0018】即ち、本発明は、(1)、合成繊維または
合成繊維を含む繊維よりなるインクジェット捺染用布帛
であって、合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤を
含む処理液、及び合成繊維に対して低ヌレ性のインク保
持剤を含む処理液の、少なくとも2種類の処理液が浸透
してなるインクジェット捺染用布帛に存する。
【0019】そして、(2)、合成繊維または合成繊維
を含む繊維よりなり立毛部と地組織とを有するインクジ
ェット捺染用布帛であって、地組織には合成繊維に対し
て高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液及び合成繊維に
対して低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液の少なくと
も2種類の処理液が浸透し、立毛部には合成繊維に対し
て高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液が浸透してなる
インクジェット捺染用布帛に存する。
【0020】そしてまた、(3)、前記合成繊維に対し
て高ヌレ性のインク保持剤は、水酸基、アミド基、カル
ボニル基のうちの少なくとも1種類の官能基を有するイ
ンク保持剤であるインクジェット捺染用布帛に存する。
【0021】そしてまた、(4)、前記合成繊維に対し
て低ヌレ性のインク保持剤は、アミロース鎖またはセル
ロース鎖を主鎖とするインク保持剤であるインクジェッ
ト捺染用布帛に存する。
【0022】そしてまた、(5)、前記合成繊維に対し
て高ヌレ性のインク保持剤および前記合成繊維に対して
低ヌレ性のインク保持剤は、いずれも水溶性であり且つ
そのイオン性が使用されるインクと同性あるいはノニオ
ン性であるインクジェット捺染用布帛に存する。
【0023】そしてまた、(6)、合成繊維または合成
繊維を含む繊維よりなるインクジェット捺染用布帛の製
造方法であって、合成繊維に対して高ヌレ性のインク保
持剤を含む処理液を付与し浸透させる工程と、その後、
布帛の非印捺面より合成繊維に対して低ヌレ性のインク
保持剤を含む処理液を付与し浸透させる工程とを有する
インクジェット捺染用布帛の製造方法に存する。
【0024】そしてまた、(7)、合成繊維または合成
繊維を含む繊維よりなり立毛部と地組織とを有するイン
クジェット捺染用布帛の製造方法であって、合成繊維に
対して高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液を付与して
立毛部と地組織に浸透させる工程と、その後、非印捺面
より合成繊維に対して低ヌレ性のインク保持剤を含む処
理液を付与して地組織に浸透させる工程とを有するイン
クジェット捺染用布帛の製造方法に存する。
【0025】そしてまた、(8)、合成繊維に対して高
ヌレ性のインク保持剤を含む処理液は、パディング法に
より付与されるインクジェット捺染用布帛の製造方法に
存する。
【0026】そしてまた、(9)、合成繊維に対して低
ヌレ性のインク保持剤を含む処理液は、片面付与方法に
より布帛の非印捺面より付与されるインクジェット捺染
用布帛の製造方法に存する。
【0027】そしてまた、(10)、合成繊維に対して
高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液は、その粘度が1
0〜200cpsのものを用いるインクジェット捺染用
布帛の製造方法に存する。
【0028】そしてまた、(11)、上記(1)〜
(5)のいずれか1のインクジェット捺染用布帛にイン
クジェット捺染を施してなる捺染物に存する。
【0029】本発明はこの目的に沿ったものであれば、
上記1〜5の中から選ばれた2つ以上、および6〜10
の中から選ばれた2つ以上を組み合わせた構成も当然採
用可能であり、そのようなインクジェット捺染用布帛及
びその製造方法を用いて捺染された捺染物も同様に当然
採用可能である。
【0030】本発明のインクジェット捺染用布帛及びそ
の製造方法によれば、布帛に少なくとも2種類のインク
保持剤を付与してあるため、上記課題が解決される。ま
た、立毛布帛においても、地組織と立毛部とを均一に染
色することができ、しかも立毛部を均一に染めることが
可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明の実
施の形態を説明するが、「布帛」とは、立毛部を有さな
い布帛及び立毛部を有する布帛(立毛部と地組織とを有
する布帛、すなわち立毛布帛)の両者をともに含むもの
とする。また、布帛の表裏2面のうち、インクを吹き付
けて捺染する面を「印捺面」、またその裏側の面を「非
印捺面」といい、従って、立毛布帛においては、立毛部
を有する面が印捺面、その裏側の地組織が露出している
面が非印捺面となる。
【0032】また、「ヌレ性」とは、固体(合成繊維)
と液体(乾燥前のインク保持剤)との界面における表面
張力等の相互作用力の尺度をいう。つまり、ヌレ性が高
いインク保持剤(高ヌレ性のインク保持剤)は、合成繊
維の表面に広がった状態(いわゆる濡れた状態)になり
易く、ヌレ性が低いインク保持剤(低ヌレ性のインク保
持剤)は、合成繊維との接触面積を小さくして凝集した
状態(いわゆるはじいた状態)になり易い。
【0033】始めに、本発明のインクジェット捺染用布
帛の構成および機能について説明する。本発明のインク
ジェット捺染用布帛は、合成繊維若しくは合成繊維を含
む繊維より形成された布帛よりなり、合成繊維に対して
高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液と、合成繊維に対
して低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液の、少なくと
も2種類の処理液が、それぞれ別々に浸透されてなる。
しかも、合成繊維に対して低ヌレ性のインク保持剤を含
む処理液は、後述するように、布帛1の非印捺面より付
与されてなる〔図1(a)(b)参照〕。
【0034】布帛の内部においては、高ヌレ性のインク
保持剤は浸透し易く、合成繊維1本1本の表面を被覆す
るように付着し〔図2(b)参照〕、布帛の内部全体に
ほぼ均一に分布した状態となっている。しかし、低ヌレ
性のインク保持剤は、高ヌレ性のインク保持剤と比較し
て浸透性が劣り、布帛の非印捺面付近に偏って分布し、
繊維と繊維の間の空間で凝集し網状に充填された状態と
なっている〔図2(c)参照〕。
【0035】このような状態に形成しておくと、高ヌレ
性のインク保持剤が合成繊維1本1本の表面を被覆して
いるために、インクジェット捺染の際、繊維の表面全体
でインクを吸収できる。そのため、繊維を均一に染める
ことが可能となる。
【0036】一方、低ヌレ性のインク保持剤は、前述の
通り非印捺面付近にて繊維と繊維の間の空間で凝集し網
状に充填された状態になっており、高ヌレ性のインク保
持剤が吸収しきれなかったインクを低ヌレ性のインク保
持剤が吸収する役割を果たす。ここで、上記のような2
種のインク保持剤を用いれば、インクジェット捺染にお
いて、布帛の内部まで十分染色ができ、従って目むきや
いらつきを生じず、しかも裏抜けが生じないことについ
て説明する。
【0037】インクジェット捺染では、通常、インクは
布帛の上方の空間から布帛の印捺面に略垂直に飛翔して
くる。そして、インクは、印捺面に到達後も、布帛の内
部を印捺面に対し略垂直方向に浸透していく。従って、
強めのインクジェット捺染を行えば、布帛の内部まで十
分染色することが可能となり、目むきやいらつきを防止
できる。
【0038】しかし、前述の方法だけではインクの裏抜
けについては解決できていない。本発明では、低ヌレ性
のインク保持剤が布帛の非印捺面付近で繊維と繊維の間
の空間を網状に充填しているので、略垂直方向に浸透し
てきたインクを確実にキャッチする。そのため、強めの
インクジェット捺染を行っても、インクの裏抜けは十分
防止できるのである。
【0039】因みに、面方向(水平方向)のインクの滲
みについては、先述したようにインク保持剤の滲み防止
機能が十分に高いので、上記高ヌレ性のインク保持剤で
阻止できる。このように、本発明によれば、滲みを生じ
ることなく繊維を均一に染めることができるため、シャ
ープで鮮明に染色することが可能となる。しかも、布帛
の内部まで十分染色できるため、目むきやいらつき、及
びインクの裏抜けを防止することができるのである。
【0040】ここで、参考までに、布帛に高ヌレ性のイ
ンク保持剤を付与した後、仮に、さらに非印捺面からも
高ヌレ性のインク保持剤を付与した場合には、非印捺面
から布帛の内部に浸透してしまい、繊維と繊維の間の空
間は網状に又は密に充填されない。これでは、高ヌレ性
で繊維を被覆しただけで繊維と繊維の間を充填するもの
が何もない場合と同じこととなり、先述のように略垂直
方向に浸透してきたインクを確実にキャッチするものが
なく、インクの裏抜けを許してしまう。
【0041】従って、繊維と繊維の間の空間を網状に充
填しうる低ヌレ性のインク保持剤を非印捺面より付与す
ることが必要となるのである。すなわち、本発明の本質
は、高ヌレ性のインク保持剤には繊維を均一に染める役
割、また低ヌレ性のインク保持剤は裏抜けを防止する役
割というそれぞれ別の機能を持たせることにあるのであ
る。
【0042】さて、以上述べたことは立毛布帛において
も当然成り立つが、特に立毛布帛の場合は、立毛部には
出来るだけ高ヌレ性のインク保持剤のみを付与するよう
にし、低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液の浸透は少
なくとも立毛部の毛元周辺までに抑えるように注意して
付与しなければならない(図1(b)参照)。
【0043】すなわち、立毛部は、高ヌレ性のインク保
持剤が立毛部の合成繊維を被覆するように付着した状態
になっているが、低ヌレ性のインク保持剤は毛元に僅か
存在するだけでほとんど付着していない。このようにし
ておけば、上記のインクジェット捺染の場合と同様に、
飛翔してきたインクは、印捺面である立毛部に到達した
後も、立毛部の長さ方向すなわち布帛の内部へ向けて印
捺面に対し略垂直方向に浸透していく。
【0044】そして、インクは立毛部を浸透しながら、
立毛部の毛先から毛元までの全ての部分に付着したイン
ク保持剤で捕らえられ、立毛部全体を均一に染色するこ
とが可能となる。しかも、強めのインクジェット捺染を
行えば、インクは地組織まで到達することができ、立毛
部と地組織とを均一に染めることが可能となる。さら
に、地組織には低インク保持剤が繊維と繊維の間の空間
を網状に充填しているので、インクの裏抜けは十分防止
することができるのである。
【0045】次に、布帛を形成する合成繊維は、主とし
てポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル等が挙げら
れる。そして、布帛は、これらの合成繊維を1種類以上
含むものであれば、合成繊維のみよりなるものでもよい
し、合成繊維と他の天然繊維や再生繊維とより構成され
たものであってもよい。
【0046】また、布帛中の合成繊維が占める比率は、
本発明の効果を有効に発揮させるために、50%以上が
好ましく、80%以上であれば更に効果的である。合成
繊維の比率が50%より小さいと、上記のような合成繊
維とインク保持剤とのヌレ性の効果が必ずしも十分発揮
できず、染めムラが発生する場合も生じる。
【0047】布帛の形態としては、編物、織物、不織布
等が採用されるが、本発明は、特に立毛布帛や伸縮性布
帛に対して効果が大きい。中でも、立毛布帛としては、
具体的に、モケット、ベルベット、別珍等のパイル編織
物、起毛加工して得られる起毛編織物、ダブルラッセル
等、通常使用される立毛布帛が挙げられ、また伸縮性布
帛としては、ポリウレタンやPBT等の弾性糸からなる
編織物、捲縮加工糸等からなる編織物等が挙げられる。
【0048】インク保持剤は、安全性・安定性に優れ、
コスト的に有利で、また環境に優しく、さらに作業をす
る上で取り扱いが容易な水溶性物質がより好ましく使用
される。一般的には、合成繊維に対して高ヌレ性のイン
ク保持剤は合成高分子であり、低ヌレ性のインク保持剤
は、天然高分子あるいは半合成高分子が使用されること
が多く、本発明も同様である。
【0049】合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤
は、その中でも、固着時の湿熱処理等の際に保持してい
たインクを容易に手放して、極力、繊維に移行させ易い
ものがより好ましい。例えば、高い親水性を有する水酸
基、アミド基、カルボニル基のうちの少なくとも1種類
の官能基を分子内に有する水溶性高分子であるインク保
持剤であればより効果的である。
【0050】具体的には、ポリアクリルアミド、ポリア
クリル酸エステル、アクリル酸アクリルアミド共重合
体、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレンオキシド、オキシエチ
レンオキシプロピレン共重合体、水溶性ポリエステル、
ポリアミド、尿素樹脂、ポリウレタン、デンプン−アク
リル酸共重合体等があげられる。
【0051】中でも、被覆強度に優れるポリアクリルア
ミド、ポリアクリル酸エステル、アクリル酸アクリルア
ミド共重合体、水溶性ポリエステル、ポリウレタンが好
ましく使用されるが、当然、実際に使用されるインクや
合成繊維等の条件を勘案して、最適なものが選ばれるべ
きである。
【0052】一方、合成繊維に対して低ヌレ性のインク
保持剤は、高ヌレ性のインク保持剤に吸収されなかった
インクを吸収するという本発明における役割上、極力、
インクを吸収し易いもの、すなわちインクの吸収性が高
いものがより好ましい。このため、低ヌレ性のインク保
持剤は、水素結合によりゲル化して、極力、網状構造に
なり易いもの、例えば、アミロース鎖やセルロース鎖を
主鎖に有するインク保持剤であるとより効果的である。
【0053】具体的には、でんぷん、グアーガム、アル
ギン酸ソーダ(以上天然高分子)、メチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン
(以上半合成高分子)等が挙げられる。
【0054】中でも、ゲル化に優れるカルボキシメチル
セルロースが好ましいが、この場合も、当然、使用され
るインクや合成繊維の種類により最適なものが選ばれ
る。また、高ヌレ性又は低ヌレ性のインク保持剤のイオ
ン性は、インクと同性あるいはノニオン性(非イオン
性)であるとより好ましい。
【0055】インク保持剤とインクのイオン性が反対だ
と、両者の間にイオン結合が生じ、必要以上に結び付き
が強くなり過ぎるため、インクが繊維へ移行しにくくな
り染着を妨げる。このようなインク保持剤は、固着後の
ソーピング(洗浄)の際、インクを内包したまま流れ落
ち、染色に寄与しないインクを大量に生み出すため、イ
ンクの染着効率を著しく低下させてしまうことになるた
めである。
【0056】次に、本発明のインクジェット捺染用布帛
の製造方法について説明する。まず、布帛の準備工程と
しては、精練工程や必要があれば漂白工程を経るが、通
常の処理を行えばよい。また、立毛布帛についても、準
備工程として、精練工程、ヒートセット工程、及び必要
に応じて起毛工程を経るが、その処理は、通常の立毛布
帛の前処理条件に準じて行えばよい。
【0057】また、上記のインク保持剤を含有する処理
液の他に、必要に応じて、pH調整剤、界面活性剤、均
染剤、キャリアー、濃染剤、浸透剤、触媒、吸油剤、防
腐剤、保持剤、可塑剤、熱硬化性樹脂、架橋剤、赤外線
吸収剤、紫外線吸収剤、耐光向上剤、酸化防止剤、体質
顔料、蛍光増白剤、吸着剤、還元防止剤、金属イオン封
鎖剤、増量剤、吸湿剤、電解質、香料、抗菌剤、消臭
剤、防虫剤等を含む処理液を添加調整してもよい。
【0058】更に、染色のための色材(染料や顔料等)
を、予め処理液に添加しておいてもよい。処理液を付与
する方法としては、浸漬法、パディング法等の全面付与
方法、またはスクリーン法、ローラー法、コーティング
法、スプレー法、ロータリー法、ラミネート法等の片面
付与方法が挙げられる。
【0059】布帛に対する処理液の付与は、次の2つの
工程に分けて行われる。まず、第1工程は、布帛に合成
繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液を付
与する工程である。付与方法は、上記のいずれでもよい
が、中でも、パディング法(マングルパット法ともい
う)は、処理液を布帛全体に付与でき、しかも繊維の1
本1本まで付与することが可能である点でより好ましく
用いられる。
【0060】実際には、例えば、布帛に対しパディング
法で高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液を付与し、そ
の後、100〜200℃で1〜10分間加熱乾燥を行っ
て、合成繊維上に被覆したように付着しているインク保
持剤を固定する。また、片面付与方法を用いる場合は、
高ヌレ性のインク保持剤が布帛の印捺面付近に確実に付
与されるように、布帛の印捺面より処理液を付与するの
が好ましい。
【0061】次に、第2工程は、布帛の非印捺面より低
ヌレ性のインク保持剤を付与する工程である。先述のよ
うに、低ヌレ性のインク保持剤は、主に布帛の内部のよ
り非印捺面に近い部分に偏って分布している方が、裏抜
け防止により効果を発揮する。従って、低ヌレ性のイン
ク保持剤を含む処理液は、布帛の非印捺面より付与し、
しかも片面付与方法を用いることがより好ましい。
【0062】実際には、例えば、布帛に対し非印捺面よ
りロータリースクリーンプリント法等の片面付与方法で
低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液を付与する。その
後、100〜200℃で1〜10分間加熱乾燥させて、
繊維間に凝集させて網状にインク保持剤を固定する。
【0063】更に、高ヌレ性のインク保持剤で繊維を確
実に被覆させるために、先に第1工程を行った後に、第
2工程を行う方が好ましい。ここで、図2に、繊維に対
するインク保持剤の付与状態を模式的に示す。第1工程
により布帛内部で交絡する合成繊維の繊維(a)に浸透
した高ヌレ性のインク保持剤が、繊維を被覆するように
付着し固定される(b)。
【0064】その後、第2工程により付与され浸透して
きた低ヌレ性のインク保持剤が、繊維間で凝集し網状に
固定されるのである(c)。ここで、立毛布帛の場合に
は、先述のように、低ヌレ性のインク保持剤を含む処理
液が少なくとも立毛部の上部までは浸透しないようにす
る必要があり(図1参照)、第2工程で非印捺面より該
処理液を付与する際は、注意を要する。
【0065】以上の処理液の付与工程において、処理液
の粘度は、インク保持剤を均一に付与しやすい10〜2
00cpsがより好ましい。10cps以下では繊維と
の密着性に乏しくインク保持剤の付与量不足やマイグレ
ーションが起こりやすく、また、200cps以上では
付与したインク保持剤の付着ムラが起こりやすい。
【0066】さて、以上述べた本発明のインクジェット
捺染用(立毛)布帛は、インクジェット捺染により、適
宜色、模様等が施される。インクジェット捺染を行う手
段としては、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電
噴射制御方式、インクミスト方式、磁性インク方式等の
連続方式、およびステメ方式、パルスジェット方式、バ
ブルジェット(登録商標)方式、静電吸引方式、ドライ
ジェット方式等のオンデマンド方式などがあげられる。
【0067】色、模様等が施された後は、通常、熱処理
加工が行われ、又必要に応じた処理加工が行われて、最
終的な捺染物が得られる。熱処理の条件は、布帛の素材
と染料の物性によって異なるが、通常、100〜200
℃の範囲で湿熱処理される。
【0068】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0069】〔実施例1〕まず、以下の処方にて高ヌレ
性の前処理液A1を調製した。 PVA205 3部 (クラレ・製 ポリビニルアルコール;合成高分子) リアクタントMS 1部 (ユニ化成・製 還元防止剤) リンゴ酸(50%水溶液) 0.5部 ユニガードE−200N 1部 (第一工業製薬・製 耐光向上剤) 水 残部 計 100部 粘度 80cps ポリエステル100%のダブルラッセル立毛布帛(編
物)に通常の糊抜き精練を行った。次いで前記の前処理
液A1をパディング法で付与した。その後、上記布帛を
180℃で3分間熱風乾燥を行った。
【0070】次いで、以下の処方にて低ヌレ性の前処理
液B1を調製した。 ファインガムSP−1 3部 (第一工業製薬・製 カルボキシメチルセルロース;半合成高分子) リアクタントMS 1部 リンゴ酸(50%水溶液) 0.5部 ユニガードE−200N 1部 水 残部 計 100部 上記前処理液B1を布帛の非印捺面からスクリーン法に
て付与した。その後、上記布帛を180℃で3分間熱風
乾燥した。
【0071】次いでインクジェット法にてインクを付与
した。処方及び条件を以下に示す。 インク1 C.I.Disperse Red 127 5部 陰イオン界面活性剤 4部 信越シリコーンKM−70 0.05部 (信越化学工業(株)製 消泡剤) エチレングリコール 3部 珪酸 0.1部 イオン交換水 残部 計 100部
【0072】インクジェット印写条件 印写装置:オンデマンド方式シリアル走査型印写装置 ノズル径:50μm 駆動電圧:100V 周波数 :5kHz 解像度 :360dpi 次いで、180℃で10分間湿熱処理を行った。
【0073】その後、以下の条件で浴比1:100の割
合で洗浄液に浸し、80℃で30分間処理を行い、乾燥
した。 洗浄条件 水酸化ナトリウム 1部 リポトールTC―300 0.2部 (日華化学(株)製 ソーピング剤) 温水 残部 計 100部
【0074】〔実施例2〕以下の処方にて高ヌレ性の前
処理液A2の調製を行った。 マーポゾールM−1 5部 (松本油脂(株)製 ポリアクリル酸エステル;合成高分子) リアクタントMS 1部 リンゴ酸(50%水溶液) 0.5部 ユニガードE−200N 1部 水 残部 計 100部 粘度;50cps ポリエステル100%の立毛布帛の代わりに、ポリエス
テル80%、綿20%交編の立毛布帛を用い、前処理液
A1の代わりに前処理液A2を用いる以外は実施例1に
準じた。
【0075】〔実施例3〕以下の処方にて低ヌレ性の前
処理液B2を調製した。 キプロガムF500 5部 (日澱化学(株)製 デンプン;天然高分子) リアクタントMS 1部 リンゴ酸(50%水溶液) 0.5部 ユニガードE−200N 1部 水 残部 計 100部 前処理液B1の代わりに前処理液B2を用いる以外は実
施例1に準じた。
【0076】〔実施例4〕ポリエステル100%の立毛
布帛の代わりに、ポリエステル100%トリコット布帛
を用いる以外は、実施例1に準じた。
【0077】〔実施例5〕ポリエステル100%の立毛
布帛の代わりに、カチオン可染ポリエステル95%ポリ
ウレタン5%からなる伸縮性編物を用いる以外は、実施
例1に準じた。
【0078】〔比較例1〕前処理液A1としてPVA2
05(合成高分子)の代わりに、マーポローズM−25
(松本油脂(株)製 メチルセルロース;半合成高分
子)を使用する以外は、実施例1と同様に処理を行っ
た。
【0079】〔比較例2〕前処理液A1を付与する工程
を省く以外は、実施例1と同様に処理を行った。
【0080】 〔評価方法〕 (1)浸透度 インクの浸透度を光学顕微鏡により測定し、以下の式により 浸 透度を求めた。 浸透度=インクの浸透距離/布帛の厚み(パイルの長さ)×100 ここで、数字が大きいほど浸透度が高いことを示す。 (2)濃度 表面の染色濃度の反射率をMINOLTA製SPECTRO PHOTOMETER(CM−1000R)を用いて測定し 、 K/S値を求めた。 ここで、数字が大きいほど高濃度であることを示す。 (3)裏面汚染度 布帛の裏面の汚染具合を目視により評価した。 判定基準 ○ 汚染されていない △ わずかに汚染されているが問題はない × 汚染している (4)均染感 布帛のいらつき感を目視により評価した。 判定基準 ○ いらつき感がなく深みのある表現である △ わずかにいらつき感があるが問題はない × いらつき感がある (5)目むき 布帛の目むき状態を目視により評価した。 判定基準 ○ 目むきを生じない △ わずかに目むきを生じるが問題はない × 目むきを生じる
【0081】
【表1】
【0082】〔評価結果〕表1の結果から、布帛の印捺
面に高ヌレ性のインク保持剤を、非印捺面に低ヌレ性の
インク保持剤を付与した場合、浸透度、濃度、裏面汚染
度、均染性、目むき防止に優れた高品位の布帛が得られ
ることがわかった。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、これまで布帛に対する
インクジェット捺染において問題となっていたインクの
滲みを抑え且つ布帛内部までインクを浸透させるという
二律背反的な課題を一挙に解決することができ、しかも
目むきやいらつき、裏抜けを的確に防止することができ
る。
【0084】この効果は、伸縮性布帛や立毛布帛におい
て顕著である。インクが布帛の内部まで十分に浸透する
ため、より深みがある画像を加工できるようになり、水
着やTシャツ等の衣類や自動車内装材等の産業資材、タ
ペストリー、カーペット、椅子等といったインテリア資
材での応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のインクジェット捺染用布帛を
表した模式図である。
【図2】図2は、非印捺面付近の繊維に対するインク保
持剤の付与状態を表した模式図である。
【符号の説明】
1…布帛 2…繊維 3…合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤 4…合成繊維に対して低ヌレ性のインク保持剤 A…合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤が付与さ
れた部分 B…合成繊維に対して高ヌレ性および低ヌレ性のインク
保持剤が付与された部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 窪田 治和 福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレ ン株式会社内 Fターム(参考) 4H057 AA01 AA02 CA03 CB05 CB08 CC01 DA01 DA34 4L033 AA05 AA07 AA08 AB05 AB06 AC07 AC15 CA04 CA05 CA06 CA07 CA18 CA23 CA29 CA48

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維または合成繊維を含む繊維より
    なるインクジェット捺染用布帛であって、合成繊維に対
    して高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液、及び合成繊
    維に対して低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液の、少
    なくとも2種類の処理液が浸透してなることを特徴とす
    るインクジェット捺染用布帛。
  2. 【請求項2】 合成繊維または合成繊維を含む繊維より
    なり立毛部と地組織とを有するインクジェット捺染用布
    帛であって、地組織には合成繊維に対して高ヌレ性のイ
    ンク保持剤を含む処理液及び合成繊維に対して低ヌレ性
    のインク保持剤を含む処理液の少なくとも2種類の処理
    液が浸透し、立毛部には合成繊維に対して高ヌレ性のイ
    ンク保持剤を含む処理液が浸透してなることを特徴とす
    るインクジェット捺染用布帛。
  3. 【請求項3】 前記合成繊維に対して高ヌレ性のインク
    保持剤は、水酸基、アミド基、カルボニル基のうちの少
    なくとも1種類の官能基を有するインク保持剤であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェット捺染用布
    帛。
  4. 【請求項4】 前記合成繊維に対して低ヌレ性のインク
    保持剤は、アミロース鎖またはセルロース鎖を主鎖とす
    るインク保持剤であることを特徴とする請求項1記載の
    インクジェット捺染用布帛。
  5. 【請求項5】 前記合成繊維に対して高ヌレ性のインク
    保持剤および前記合成繊維に対して低ヌレ性のインク保
    持剤は、いずれも水溶性であり且つそのイオン性が使用
    されるインクと同性あるいはノニオン性であることを特
    徴とする請求項1記載のインクジェット捺染用布帛。
  6. 【請求項6】 合成繊維または合成繊維を含む繊維より
    なるインクジェット捺染用布帛の製造方法であって、合
    成繊維に対して高ヌレ性のインク保持剤を含む処理液を
    付与し浸透させる工程と、その後、布帛の非印捺面より
    合成繊維に対して低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液
    を付与し浸透させる工程とを有することを特徴とするイ
    ンクジェット捺染用布帛の製造方法。
  7. 【請求項7】 合成繊維または合成繊維を含む繊維より
    なり立毛部と地組織とを有するインクジェット捺染用布
    帛の製造方法であって、合成繊維に対して高ヌレ性のイ
    ンク保持剤を含む処理液を付与して立毛部と地組織に浸
    透させる工程と、その後、非印捺面より合成繊維に対し
    て低ヌレ性のインク保持剤を含む処理液を付与して地組
    織に浸透させる工程とを有することを特徴とするインク
    ジェット捺染用布帛の製造方法。
  8. 【請求項8】 合成繊維に対して高ヌレ性のインク保持
    剤を含む処理液は、パディング法により付与されること
    を特徴とする請求項6記載のインクジェット捺染用布帛
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 合成繊維に対して低ヌレ性のインク保持
    剤を含む処理液は、片面付与方法により布帛の非印捺面
    より付与されることを特徴とする請求項6記載のインク
    ジェット捺染用布帛の製造方法。
  10. 【請求項10】 合成繊維に対して高ヌレ性のインク保
    持剤を含む処理液は、その粘度が10〜200cpsの
    ものを用いることを特徴とする請求項6記載のインクジ
    ェット捺染用布帛の製造方法。
  11. 【請求項11】 インクジェット捺染用布帛にインクジ
    ェット捺染を施してなる請求項1〜5のいずれか1項記
    載の捺染物。
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