JP2002105870A - 皮革様シートおよびその製造方法 - Google Patents

皮革様シートおよびその製造方法

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JP2002105870A
JP2002105870A JP2000301911A JP2000301911A JP2002105870A JP 2002105870 A JP2002105870 A JP 2002105870A JP 2000301911 A JP2000301911 A JP 2000301911A JP 2000301911 A JP2000301911 A JP 2000301911A JP 2002105870 A JP2002105870 A JP 2002105870A
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Naohiko Uchiumi
直彦 内海
Yoshihiro Tanba
善博 丹波
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂による銀面部分と立毛部分とが混在し、十
分な立体感、凹凸の色差を有するような優美な外観の皮
革様シートを提供する。 【解決手段】0.5デシテックス以下の極細繊維からな
る3次元絡合不織布とそれに充填された弾性体ポリマー
からなる基体層、およびその表面に形成された凹凸模様
からなる皮革様シートにおいて、その凹部は、立毛を毛
羽伏せして基体層を構成する弾性体ポリマーに固定した
部分を有する非立毛部分であり、凸部は立毛を有しかつ
凹部に周囲を囲まれた柄であって、個々の凸部分が縦横
0.5〜5.0mmの範囲内の大きさである皮革様シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮革様シートおよ
びその製造方法に関し、特に衣料用、靴用もしくはイン
テリア用に用いられる柔軟で高級感のある表面タッチを
有する皮革様シートとその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より銀面を有する皮革様シートにつ
いては様々な提案がなされ、多くの素材が生み出されて
きた。これらの多くは、シボ模様の凹凸部で、ツヤ感、
色調に差が無く凹凸感、立体感に欠ける単調な外観であ
るため高級感のある外観の商品を生み出すための素材と
しては物足りないものであった。近年、これを改良する
試みも繰り返しなされ、数多くの提案がなされている。
まずシボ模様の凹部をマット調にし、凹凸のツヤ差を作
り、凸部を際だたせることで立体感を表現する試みが、
特公昭59−34821号公報、特公昭59−3371
5号公報に提案されている。また、凹凸部の色調を変え
ることで異色感、立体感を生み出す試みが、特開昭63
−42980号公報に提案されている。さらに、スエー
ド調皮革状物の立毛面に弾性重合体の溶液、または分散
液をシボ模様状に塗布し、凹凸感、異色感を表現しよう
とする試みが、特公平5−45717号公報、特公平3
−42358号公報に提案されている。また、表面被覆
層を有する繊維質シートに凹凸模様を付与し、凸部の被
覆層をバフィングにより除去し繊維立毛を形成させ、立
毛と銀面の混在した表面とすることが特開昭63−50
580号公報に提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、衣料用、靴用、
インテリア用等に使用する銀付皮革様シートは、従来の
凹凸の色差、立体感に欠ける単調な外観のために低級
品、低価格品にしか使用しなくなったため、凹凸の色
差、立体感等が従来とは差別化された外観を有し、高級
感のあるものに対する要求が高まっている。しかし、例
えば特公昭59−34821号公報、特公昭59−33
715号公報のように、シボ模様の凹部をマット調にし
て凹凸部の艶差を作る方法では、艶感の単調さはなくな
るものの凹凸の色差までは表現できず、結局は単調な外
観しか得られずに差別化できていない。また、特開昭6
3−42980号公報の様に凹凸部の色調を変える方法
では、シボ模様に異色感がでて微妙な立体感、変化のあ
る外観は得られるが、その程度は僅かであり十分な差別
化とはいえない。逆に、敢えて凹凸に際だった色差をつ
けてしまうと、差別化はできても商品としては不自然な
外観となり、高級感とはほど遠いものとなる。さらに、
特公平5−45717号公報、特公平3−42358号
公報のように、スエード調皮革様シートの立毛面にシボ
模様状に樹脂液を塗布する方法、特開昭63−5058
0号公報のように凸部に立毛を形成する方法では、樹脂
による銀面部分と立毛部分とが混在するため、シボ模様
としての変化があり興味ある外観は得られるものの、実
質的には皮革様の凹凸はないので十分な立体感が表現で
きず、本発明で目的とするような立体感および凹凸の色
差を有する高級な外観の皮革様シートは得られない。本
発明は、銀面部分と立毛部分とが混在し、十分な立体
感、凹凸の色差を有する優美な外観の皮革様シートとそ
の製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決しうるような優美な外観を有する皮革様シ
ートについて鋭意研究の結果、本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は、0.5デシテックス以下の極細
繊維からなる3次元絡合不織布とそれに充填された弾性
体ポリマーからなる基体層、およびその表面に形成され
た凹凸模様からなる皮革様シートにおいて、その凹部
は、立毛を毛羽伏せして基体層を構成する弾性体ポリマ
ーに固定した非立毛部分であり、凸部は立毛を有しかつ
凹部に周囲を囲まれた柄であって、個々の凸部分が縦横
0.5〜5.0mmの範囲内の大きさであることを特徴
とする皮革様シートであり、好ましくは、この皮革様シ
ートにおいて、凹部が、屈曲状および/または分岐状に
連続している溝である皮革様シートである。
【0005】さらに本発明は、皮革様シートを製造する
に際し、下記〜の工程、 0.5デシテックス以下の極細繊維が3次元絡合した
不織布とそれに充填された弾性体ポリマーからなる基体
層表面に、弾性体ポリマーと親和性のある溶剤を塗布す
る工程、 基体層表面を起毛する工程、 起毛した表面を加熱された凹凸面にプレスすることに
より、立毛部が毛羽伏せして固定された凹部分と、立毛
を有する凸部分を形成し、凸部は凹部に周囲を囲まれた
柄であって、個々の凸部分が縦横0.5〜5.0mmの
範囲内の大きさとする工程、 を、の順序で行うことを特徴とする皮革様シート
の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明を構成する繊維に関しては
特に限定されるものではなく、公知のセルロース系繊
維、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド
系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール
系繊維などの合成繊維、天然繊維、再生繊維、半合成繊
維等が挙げられ、これら繊維は単独であっても、あるい
は複数種が混合使用されていてもよい。
【0007】良好なハンドリング性、さらに天然皮革様
の柔軟性や風合い、手触り感を得るためには、表面立毛
繊維の繊度は0.5デシテックス以下である必要があ
り、好ましくは0.2デシテックス以下である。特に、
本発明において基体層を構成する繊維としては、単繊度
は0.2デシテックス以下の極細繊維が数本〜数百本収
束して、トータルのデシテックスが0.5〜50デシテ
ックスとなった、いわゆる極細繊維束が、天然皮革様の
柔軟性や表面の立毛性の点でより好ましい。
【0008】このような極細繊維束は、相溶性を有しな
い2種以上のポリマーを混合して溶融して紡糸口金から
吐出して延伸する、いわゆる混合紡糸方法により、ある
いは該ポリマーを別々に溶融して溶融物を紡糸口金で合
せて吐出して延伸する、いわゆる複合紡糸方法により、
繊維断面が海島構造、あるいは多層張り合わせ構造とな
っている極細繊維形成性繊維を製造し、この繊維から海
成分ポリマーを除去、あるいは層間で剥離することによ
り得られる。
【0009】この極細繊維形成性繊維を構成する島成分
ポリマーとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン610、ナイロン612等のポリアミド類、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト等のポリエステル類等が挙げられ、また海成分ポリマ
ーとしては、ポリエチレン、ポリスチレン及びこれらの
繰り返し単位を構成単位の一部とする共重合体、共重合
ポリエステルなどが挙げられる。
【0010】このような繊維をカードにかけてウェッブ
とし、得られたウェッブをニードルパンチ処理により、
又は高圧柱状水流処理により、3次元絡合不織布とす
る。3次元絡合不織布の目付けとしては、500〜10
00g/m2が好ましい。このような3次元絡合不織布
に弾性体ポリマーの溶液又はエマルジョン液を含浸し、
凝固させて、弾性体ポリマーが充填された3次元絡合不
織布を形成する。そして、3次元絡合不織布を構成する
繊維が極細繊維形成性繊維である場合には、極細繊維化
して、極細繊維から構成された3次元絡合不織布とそれ
に含有された弾性体ポリマーからなる基体層を得る。も
ちろん、極細繊維形成性繊維の極細化は、弾性体ポリマ
ーを充填する前に行ってもよい。
【0011】基体層を構成する弾性体ポリマーとして
は、特に限定されず、ポリウレタンエラストマー、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、ポリアクリル酸エステル、アクリル酸エ
ステルあるいはメタクリル酸エステルの共重合体、シリ
コンゴム等から選ばれる、すくなくとも一種の弾性高分
子が使用できるが、良好な風合が得られる点からポリウ
レタンエラストマーを用いることが好ましい。好ましい
ポリウレタンエラストマーとしては、ジオールとジカル
ボン酸またはそのエステル形成性誘導体とを反応させて
得られるポリエステルジオールやそれとポリエーテルと
のブロック共重合ジオール、ポリラクトンジオール、ポ
リカーボネートジオール、ポリエーテルジオール等から
なる群より選ばれた数平均分子量が500〜5000の
少なくとも1種のポリマージオールを使用し、これとジ
イソシアネート化合物と低分子量伸長剤とを反応せしめ
て得られる、いわゆるセグメンテッドポリウレタンが挙
げられる。上記ポリエステルジオールの合成に用いられ
るジオール化合物としては、耐久性あるいは皮革様の風
合いの点で、炭素数5以上10以下の化合物を少なくと
も一部に用いるのが好ましく、このようなジオール化合
物として、例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8
−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,1
0−デカンジオール、N−メチルジエタノールアミンな
どが挙げられる。また、ジカルボン酸の代表例として、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられ
る。
【0012】ポリマージオールの数平均分子量が500
未満の場合には、柔軟性に欠け、天然皮革様の風合いが
得られないため好ましくない。ポリマージオールの数平
均分子量が5000を越える場合には、ポリウレタン中
のウレタン基濃度が減少するため柔軟性、耐久性、耐熱
性、および耐加水分解性にバランスの取れた人工皮革が
得られにくい。また、低分子鎖伸長剤としては、例えば
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ヘキサンジオール、エチレンジアミン、イソホ
ロンジアミン、ヒドラジンなどの活性水素原子を2個有
する低分子量化合物が挙げられる。また、ジイソシアネ
ート化合物としては、たとえばジフェニルメタン−4,
4'−ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート等の芳香族系、ヘキサメチレンジイソシアネートで
代表される脂肪族系、ジシクロヘキシルメタン−4,
4'−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
等の脂環族系のものが挙げられる。また、必要に応じ
て、顔料、染料、凝固調節剤、安定剤などを添加しても
よく、さらに2種以上のポリマーを併用してもかまわな
い。
【0013】弾性体ポリマーの付与方法については、特
に限定されるものではないが、風合いのバランスの点か
ら3次元絡合不織布に弾性体ポリマー溶液を含浸し、湿
式凝固する方法が好ましい。また、天然皮革様の柔軟な
風合いの点から、基体層を構成する極細繊維と弾性ポリ
マーとの重量比は、好ましくは30/70〜95/5の
範囲内であり、さらに好ましくは、50/50〜90/
10の範囲内である。極細繊維の比率が低くなりすぎる
と、ゴムライクな風合いとなる傾向にあるため好ましく
ない。極細繊維の比率が高くなりすぎると、ペーパーラ
イクな風合いとなる傾向にあり、また弾性ポリマーによ
る繊維立毛の把持効果に乏しくなって立毛が脱落し易く
なるため好ましくない。
【0014】3次元絡合不織布を構成する繊維を極細繊
維および/またはその束状繊維の状態にするには、弾性
体ポリマーを含有せしめる前の絡合不織布、また弾性体
ポリマーを含有せしめた絡合不織布について、混合紡糸
繊維および/または複合紡糸繊維の海成分を溶剤あるい
は分解剤で処理して繊維から除去し島成分を残すことに
よって、極細繊維および/またはその束状繊維に変成す
る。また、絡合不織布を構成する繊維が分割型繊維の場
合には、繊維を構成する一成分の膨潤剤および/または
物理的に処理して各成分に分割することにより極細繊維
および/またはその束状繊維に変成する。
【0015】基体層の厚みとしては、0.3〜2.0m
mが天然皮革調の風合いのものが得られやすいことか
ら、本発明では好ましく用いられる。
【0016】次に、基体層表面に、基体層を構成する弾
性体ポリマーと親和性のある溶剤を塗布する。弾性ポリ
マーと親和性のある溶剤とは、弾性ポリマーを溶解、ま
たは膨潤させる溶剤であり、このような溶剤として、例
えば、弾性ポリマーがポリウレタンエラストマーである
場合、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンなどの単独溶
剤、またはそれら2種以上の混合溶剤などが挙げられ
る。
【0017】該溶剤の塗布量は、基体層の種類によって
異なるが、表面に弾性体ポリマーによる薄い被膜を形成
しうる量が好ましく、一般には、50g/m2以下、特に
5〜35g/m2の範囲が好ましい。塗布量が少ない場合
は、基体層表面の繊維の仮固定が不十分となり、起毛処
理時に立毛長の制御ができなくなって表面のタッチにば
らつきが生じ、また立毛繊維の脱落も顕著になるため好
ましくない。塗布量が多い場合には、十分な深さの凹凸
模様の付与が困難になるとか、表面の風合いが硬くなる
などの問題を生ずるため好ましくない。基体層表面に塗
布する方法は、グラビアコート法、ナイフコート法、ス
プレー法、その他の転写法など、上記の塗布量で塗布で
きるような公知の方法であれば何れも採用できるが、塗
布量の均一性や連続処理の安定性などの点から、グラビ
アコート法が最も好ましい方法である。
【0018】次に、基体層の表面をサンドペーパーまた
は布帛でバフィングして、基体層表面に繊維立毛を形成
する。繊維立毛は、均一で、スエード調のライティング
効果のある、優美な皮革様の外観のものが好ましい。例
えば、240番以上の番手の目の細かいサンドペーパー
を使用することにより、このようなスエード調の外観を
有する立毛面を得ることができる。基体層を構成する繊
維が極細繊維の場合には、バフィング処理時のサンドペ
ーパーの接触圧力を小さくして回転速度をより高速にす
る、あるいは、サンドペーパーの目をさらに細かくする
など、処理条件を適宜設定することにより、極細繊維立
毛の形成は達成できる。
【0019】次に、起毛した表面に加熱された凹凸面を
プレスすることにより、表面に凹凸模様を形成させる。
使用する凹凸面としては、表面に凹凸模様を有し、かつ
加熱することができれば、平板状、ロール状などの形状
のものがいずれも使用できるが、連続生産性や処理の安
定性の点で、表面に凹凸模様を有するエンボスロールを
使用する方法が、好ましい方法として挙げられる。ま
た、表面に凹凸模様を有するエンボスロールの中でも、
高級感のある表面タッチ、風合いが得られる点におい
て、エンボスロールの凹部分のサイズが、縦横0.5〜
5.0mmの範囲にあるような、シュリンク調の柄を有す
るものが好ましい。
【0020】こうして仕上げたシートの表面に形成され
た凹部は、立毛を毛羽伏せして基体層を構成する弾性体
ポリマーに固定した非立毛部分であり、凸部は立毛を有
しかつ凹部に周囲を囲まれた柄であって、個々の凸部分
が縦横0.5〜5.0mmの範囲内の大きさである。特
に、形成された凹凸模様の凹部が、屈曲状および/また
は分岐状に連続している溝である場合には、高級感のあ
る天然皮革様の外観、折れシボ、表面のタッチが得られ
るという優れた効果を示すことから、本発明において好
ましい皮革様シートの態様である。そして本発明におい
て、皮革様シート表面の凹凸模様は、天然皮革のシュリ
ンク模様に類似していることが好ましく、凹部の溝で形
成される凸部の大きさ及び形状は隣り合う凸部と異なる
こと、すなわち凹凸模様が不均一なものであることが好
ましい。凹部の溝は、特定方向に伸びる一定幅の溝で、
かつ隣り合う凹部溝と一定間隔をおいて存在する場合、
すなわち凸部の大きさや形状が一定である場合には、本
発明が目的とするシュリンク模様は得られない。すなわ
ち、本発明において、凹部溝は不規則な間隔で模様を形
成して基体層表面に存在しているのが好ましい。
【0021】得られたシートは、さらに、柔軟処理、も
み処理、染色処理等を加えることによりさらに風合い、
立体感ある色調が向上し、皮革様シートとして優れた風
合いとすることができる。
【0022】
【実施例】つぎに、本発明の実施態様を具体的な実施例
で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例中の部、および%は断りのな
い限り重量に関するものである。なお、本発明で規定す
る繊維の繊度は、任意の50本の繊維の横断面の電顕写
真から求めた断面積の平均値から求めた値である。
【0023】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(島成分)とポリエチレン
(海成分)からなる繊度6デシテックスの混合紡糸繊維
の絡合不織布に、ジオール成分として炭素数6の3−メ
チル−1,5−ペンタンジオールを含むポリエステル/
ポリカーボネート系ポリウレタンの14%N,N−ジメ
チルホルムアミド(以下、DMFで表す)溶液を含浸
し、DMF水溶液に浸漬してポリウレタンを凝固し、次
いでトルエン中で処理して繊維中のポリエチレン成分を
溶解除去し、ポリエチレンテレフタレートの極細繊維束
状繊維(顕微鏡写真から求めた平均単繊維度0.02デ
シテックス)の絡合不織布にポリウレタンエラストマー
が多孔質構造となって含有した、厚さ1.3mmの繊維質
シートを得た。この繊維質シートの一面に、200メッ
シュのグラビアロールを使用して、DMFとシクロヘキサ
ノンの50対50混合溶剤を18g/m2塗布し、乾燥し
た。この混合溶剤塗布面を粒度400番のサンドペーパ
ーでバフィングを行い、表面の極細繊維を起毛して、極
細繊維立毛が形成された繊維質シート(1)を得た。
【0024】次いで、凹部分のサイズが1.0〜3.5
mmであり、かつ不均一に分布しており、凸部分が分岐状
に連続した、シュリンク模様のエンボスロールを用い、
エンボスロール表面の温度をポリウレタンの軟化温度以
上に加熱して、立毛面に型押し処理を施すことにより、
基体表面に凸部分のサイズが1.0〜3.5mmであっ
て、凹部分に周囲を囲まれ、凹部分が分岐状に連続し
て、立毛を毛羽伏せし、弾性ポリマーに熱接着し、かつ
各凸部は隣り合う凸部と大きさ及び形状が異なっている
凹凸模様を有するシートを得た。次に、得られたシート
をサーキュラー染色機で130℃の温水中で60分間リ
ラックスし、濃い茶色の分散染料で130℃の温水中で
60分間染色し、温水洗浄後、還元処理、酸化処理、中
和処理、温水洗浄した後、乾燥した。
【0025】得られた皮革様シートの表面に形成された
凹部は、極細繊維立毛を毛羽伏せして基体層を構成する
弾性体ポリマーに固定した部分を有する非立毛部分であ
り、凸部は極細繊維立毛を有し、かつ凹部に周囲を囲ま
れた柄であって、凹部の溝で形成される各凸部の大きさ
及び形状は隣合う凸部と異なっており、規則性のない模
様であり、さらにライティング効果を有し、個々の凸部
分が縦横1.0〜3.5mmの範囲内の大きさであり、
凹凸部に立体感があり、柔軟で高級感のあるシュリンク
調の外観であった。
【0026】比較例1 実施例1において、エンボスロールの凹部分のサイズを
10〜15mmに変更する以外は同様にして皮革様シート
を得た。得られた皮革様シートは、表面の凸部分のサイ
ズが大きすぎるために立毛面の割合が高くなり、全体的
にスエード感の強いものとなり、目的とした立毛面と非
立毛面の混在した優美な外観の皮革様シートは得られな
かった。
【0027】比較例2 実施例1において、基体層表面に弾性ポリマーと親和性
のある溶剤を塗布しないこと以外は、同様にして皮革様
シートを得た。得られた皮革様シートは、凹凸模様の立
体感はあるものの、凸部分の立毛が全体に長いため高級
感のある表面タッチを有するものではなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明で得られた皮革様シートは、立毛
部分と非立毛部分とからなる凹凸模様を有し、立毛部分
である凸部分のサイズが適度であるため高級感を有し、
また、毛羽感および柔軟な風合いに優れるため、高級な
衣料用、靴用、インテリア用等に利用できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F055 AA01 AA11 AA27 AA30 BA12 DA02 EA04 EA12 EA24 FA15 GA02 HA04 HA06 4L033 AA05 AA07 AB07 AC11 CA18 CA50 CA68 4L047 AA14 AA21 AA27 AB02 AB08 BA03 BA04 CA06 CB10 CC01 CC16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.5デシテックス以下の極細繊維からな
    る3次元絡合不織布と、それに充填された弾性体ポリマ
    ーとからなる基体層、およびその表面に形成された凹凸
    模様からなる皮革様シートにおいて、その凹部は、立毛
    を毛羽伏せして基体層を構成する弾性体ポリマーに固定
    した非立毛部分であり、凸部は立毛を有しかつ凹部に周
    囲を囲まれた柄であって、個々の凸部分が縦横0.5〜
    5.0mmの範囲内の大きさであることを特徴とする皮
    革様シート。
  2. 【請求項2】凹部が、屈曲状および/または分岐状に連
    続している溝である請求項1記載の皮革様シート。
  3. 【請求項3】皮革様シートを製造するに際し、下記〜
    の工程、 0.5デシテックス以下の極細繊維が3次元絡合した
    不織布とそれに充填された弾性体ポリマーからなる基体
    層の表面に、弾性体ポリマーと親和性のある溶剤を塗布
    する工程、 基体層表面を起毛する工程、 起毛した表面を加熱された凹凸面にプレスすることに
    より、立毛部が毛羽伏せして固定された凹部分と、立毛
    を有する凸部分を形成し、凸部は凹部に周囲を囲まれた
    柄であって、個々の凸部分が縦横0.5〜5.0mmの
    範囲内の大きさとする工程、 を、の順序で行うことを特徴とする皮革様シート
    の製造方法。
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