JP2002104906A - カメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方法 - Google Patents

カメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方法

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JP2002104906A
JP2002104906A JP2000292109A JP2000292109A JP2002104906A JP 2002104906 A JP2002104906 A JP 2002104906A JP 2000292109 A JP2000292109 A JP 2000292109A JP 2000292109 A JP2000292109 A JP 2000292109A JP 2002104906 A JP2002104906 A JP 2002104906A
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Hidekazu Yamada
英一 山田
Yukio Kiritani
幸生 桐谷
Takashi Watanabe
渡辺  孝
Oma Oe
桜麻 大江
Nobuyuki Kawahara
信行 河原
Atsuko Kawahara
敦子 河原
Masahiko Nakamura
雅彦 中村
Shuji Ozawa
修二 小澤
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 作業者への薬剤被曝が防止され、薬剤環境負
荷が軽減され、作業性に優れたカメムシ類による水稲斑
点米の生成抑制方法を提供する。 【解決手段】 浸透移行性を有し、カメムシ類に吸汁阻
害作用を示す1種以上の化合物を含有する組成物を水田
の水面に施用してカメムシ類による水稲斑点米の生成を
抑制する方法。この化合物がニトロメチレン系殺虫剤、
ニトロイミノ系殺虫剤、シアノイミノ系殺虫剤あるいは
フェニルピラゾール骨格を有する殺虫剤である方法。ま
たニトロメチレン系殺虫剤がニテンビラム、ニトロイミ
ノ系殺虫剤がイミダクロプリド、ジノテフラン、チアメ
トキサム又はクロチアニジン、シアノイミノ系殺虫剤が
チアクロプリド、ニトロシアノ系殺虫剤がアセタミプリ
ド、フェニルピラゾール骨格を有する殺虫剤がフィプロ
ニル、エチプロール又はアセトプロールである方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメムシ類による
水稲斑点米の生成を抑制する方法に関する。詳しくはカ
メムシ類の水稲の穂への加害を防止し、水稲斑点米の生
成を抑制する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水稲に対する多くの害虫のうち、米の収
穫や品質に重大な影響を及ぼす害虫として、ウンカ類や
カメムシ類などの半翅目害虫がある。その中で、カメム
シ類は近年、水稲の穂を加害し、収穫した米の品質を低
下させる害虫として問題となり、難防除害虫となってい
る。ウンカ類の水稲に及ぼす影響とカメムシ類の水稲に
及ぼす影響を比較すると、両者の水稲に及ぼす影響は大
きく異なる。すなわち、ウンカ類はある程度の発生密度
に達しないと水稲に対する被害が顕在化しない。それに
対して、カメムシ類は非常に少ない発生密度でも、収穫
した米の品質に対して、重大な被害が出る。一般に米10
00粒中、2個以上の米粒にカメムシ類による吸汁痕があ
ると、斑点米として、米の等級が下がる。また、1アー
ル当たりに2、3頭のカメムシ類の存在が確認される
と、そのカメムシが水稲の穂を吸汁し、その結果、収穫
した米の品質に重大な被害が出る。そのため、カメムシ
類の防除はウンカ類の防除と比べて、極めて高い防除効
果を要求される。
【0003】これらのカメムシ類は、歩行或いは飛び込
みにより水田に入り込み、増殖を繰り返して稲の穂、ま
た、ある種のカメムシ類は茎部を加害する。一般的に
は、水稲の開花から収穫期に被害が発生する。
【0004】カメムシ類の防除は、カメムシ類の発生が
予期される時期に、散布器を用いた薬剤散布や或いは、
航空機で薬剤を散布する方法で行なわれている。すなわ
ち、出穂期、乳熟期或いは黄熟期にかけて粉剤、液剤等
を2〜3回、散布することでカメムシ類の防除を行って
いる。この防除方法では、カメムシ類を完璧に防除する
ために、2〜3回の農薬散布を行う必要があり、人手や
防除費用の面からも十分なものではなかった。また、散
布器や航空機による薬剤散布は乳剤、水和剤、粉剤など
をカメムシ類が存在する茎葉部に直接散布する方法であ
り、散布時における作業者の薬剤被爆、作業条件の困
苦、水田以外の環境への拡散、散布効果維持の為に過剰
量の薬剤の使用、降雨による防除効果の低下や防除適期
の逸脱、作業効率が悪いなど、多くの解決すべき課題を
抱えている。
【0005】最近、イミダクロプリド、ニテンピラム、
チアメトキサム、チアクロプリド、クロチアニジン、ア
セアタミプリド、ジノテフランなどのニトロメチレン系
殺虫剤、ニトロイミノ系殺虫剤、シアノイミノ系殺虫剤
や、フィプロニル、エチプロール、アセトプロールなど
のフェニルピラゾール骨格を有する殺虫剤など、浸透移
行性を有する殺虫剤が水稲の害虫防除用殺虫剤として開
発されている。(特開昭61−267575、特開平4
−154741、特開平3−157308、特開平6−
183918、特開平6−183918、特開平7−1
79448、特開昭63−316771、特開平6−2
71408、特開平6−271408など。) これらの殺虫剤は散布剤、水面施用剤の剤型で、ウンカ
類などの水稲の害虫防除に使用できる。また、これらの
殺虫剤の一部がカメムシ類に対して殺虫効果のあること
も該公報などに記載されている。しかし、これら公報に
はカメムシ類による水稲の穂の吸汁を防止することやそ
れによりカメムシ類による水稲斑点米の生成を防除する
ことに関しては何も開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の散布器
を使用した殺虫剤散布方法によるカメムシ類の防除の問
題点を解決し、作業者への薬剤被爆防止、作業条件の改
善、環境への拡散防止、天候に左右されないなど、作業
性に優れたカメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制す
る方法を提供することを目的とし、 更に本発明は、
殺虫剤を水面に処理する方法によるカメムシ類の水稲の
穂に対する吸汁を防止する方法、更にはカメムシ類が水
稲の穂を吸汁することで引き起こされる、水稲斑点米の
生成を抑制する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、浸透移行
性を有する化合物を含有する組成物の水面施用方法によ
る、カメムシ類の水稲の穂に対する吸汁を防止する方法
に関して鋭意検討した結果、浸透移行性を有する化合物
を水面に処理すると、カメムシ類に対して吸汁阻害効果
があること、及び、カメムシ類を完全に死に至らしめな
くても、カメムシ類の水稲の穂に対する吸汁を十分に防
止できること、更にその結果、水稲斑点米の生成を抑制
できることを見い出し、本発明を完成させた。
【0008】すなわち、本発明は、浸透移行性を有し、
且つ、カメムシ類に吸汁阻害作用を示す、少なくとも1
種類以上の化合物を含有する組成物を水田の水面に施用
することを特徴とする、カメムシ類による水稲斑点米の
生成を抑制する方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いるカメムシ類に防除
効果を示す化合物は、浸透移行性を有し、且つカメムシ
類に対して吸汁阻害作用を示す化合物である。本発明で
言う、浸透移行性を有する化合物は、活性化合物が植物
の根や茎葉から吸収されて、植物の他の部位へ移行し、
害虫が茎や葉を吸汁あるいは食することで、害虫を死に
至らしめる作用を有する化合物である。本発明で言う、
浸透移行性を有し、且つカメムシ類に対して吸汁阻害作
用を示す化合物は、該化合物が植物体内を浸透移行し、
その結果、カメムシ類を完全に死に至らしめなくても、
カメムシ類の積極的な吸汁を阻止できる化合物を意味し
ている。そのようなものは従来より殺虫性化合物として
知られているものを含んでいる。本発明の方法に使用さ
れる化合物としては具体的に、イミダクロプリド、3-(2
-クロロチアゾール-5-イルメチル)-5-メチル-1,3,5-オ
キサジアジナン-4-イリデン-N-(ニトロ)アミン(一般
名チアメトキサム)、(RS)-1-メチル-2-ニトロ-3-[(3-
テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン(一般名ジノ
テフラン)、(E)-1-(2-クロロ-1,3-チアゾール-5-イル
メチル)-3-メチル-2-ニトログアニジン(一般名クロチ
アニジン)などのニトロイミノ系殺虫剤、ニテンピラム
などのニトロメチレン系殺虫剤、アセタミプリド、N-[3
-(6-クロロピリジン-3-イルメチル)チアゾリジン-2-イ
リデン]シアナミド(一般名チアクロプリド)などのシ
アノイミノ系殺虫剤やフィプロニル、5-アミノ-1-(2,6-
ジクロル-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-4-エチル
スルフィニルピラゾール-3-カルボニトリル(一般名エ
チプロール)、1-[5-アミノ-1-(2,6-ジクロル-α,α,α
-トリフルオロ-p-トリル)-4-メチルスルフィニルピラ
ゾール-3-イル]エタノン(一般名アセトプロール)な
どのフェニルピラゾール骨格を有する殺虫剤があげられ
るが、浸透移行性を有し、且つカメムシ類に対して吸汁
阻害作用を示す化合物であれば、これらに限定されるも
のではない。本発明の方法においては、これらの化合物
を単独で、または2種以上を混合してカメムシ類に対し
て水面に施用する。
【0010】カメムシ類の水稲の穂に対する吸汁を防止
するために、浸透移行性を有し、且つカメムシ類に対し
て吸汁阻害作用を示す化合物は、カメムシ類の吸汁阻害
効果が出る薬量以上を、水面に施用すればよい。具体的
には、10アール当たり、1g以上の活性成分を水面に施用
すれば、活性成分が水稲へ浸透移行して、カメムシ類に
吸汁阻害効果が出る。活性成分を多く施用しても、カメ
ムシ類の吸汁阻害効果の発現に影響はないが、経済的な
観点から、100g以下の施用量で十分である。好ましく
は、10アールあたり、10g以上70g以下の活性成分の施用
量で十分である。浸透移行性を有し、且つカメムシ類に
対して吸汁阻害作用を示す化合物が殺虫剤である場合に
は、これら施用量は該殺虫剤が殺虫効果を示す量よりも
一般的に少ない量で十分である。
【0011】本発明の、浸透移行性を有し、且つ、カメ
ムシ類に吸汁阻害作用を示す化合物を含有する組成物を
水面に施用する時期は、水稲の生育期間内であれば、い
つでもよいが、好ましくは、水稲の分けつ時期から黄熟
期の間に該殺虫剤を水面に処理すれば、効果的にカメム
シ類の水稲の穂に対する吸汁を防止することができる。
更に好ましくは、水稲の出穂30日前から出穂20日後
の期間に該殺虫剤を処理すればよい。本願の方法は通
常、1回の処理で、十分にカメムシ類の水稲の穂に対す
る吸汁を防除することができるが、カメムシ類の発生状
況に応じて、2回以上、水面に処理しても、何ら問題は
ない。
【0012】本発明で言う、カメムシ類の水稲の穂に対
する吸汁を防止する方法は、浸透移行性を有し、且つ、
カメムシ類に吸汁阻害作用を示す化合物を含有する組成
物を水面に施用する方法である。ここで言う、水面に施
用する方法とは、該化合物を固体製剤、液体製剤等の組
成物の形態で、水面に直接施用することを意味してい
る。該化合物の固体製剤は直接水面に施用するか、ある
いは、水に懸濁し、少量且つ高濃度状態の液体あるいは
懸濁液の状態で水面に施用する。畦畔から手振り散布、
パック等に粒剤を封入し、これを投与する方法、水口か
らの水の流入拡散を利用した水口処理等の方法が挙げら
れる。該化合物の液状製剤も固体製剤と同様に水面に処
理する。水面への施用が可能な固体製剤は、粒剤、ジャ
ンボ剤、水和剤、顆粒水和剤、顆粒水溶剤、粉剤等が挙
げられる。また、これらをPVAなどの水溶性フィルム
等でパックした剤型も使用できる。水面に施用が可能な
液体製剤は、乳剤、液剤、油剤、フロアブル剤、エマル
ジョン剤,マイクロエマルジョン剤、サスポエマルジョ
ン剤、マイクロカプセル剤等である。いかなる剤型にお
いても、浸透移行性を有し、且つ、カメムシ類に吸汁阻
害作用を示す殺虫剤を水面に施用すれば、該化合物が水
稲植物内へ浸透移行し、カメムシ類の水稲の穂に対する
吸汁を防止することができる。
【0013】本発明の方法で、効果的に、且つ簡易にカ
メムシ類による水稲の穂に対する吸汁を防止できる。こ
こで言う、水稲の穂に対する吸汁を防止できるカメムシ
類として、例えば、以下のものが挙げられる。ナカグロ
メクラガメ、ブチヒゲクロメクラガメ、アカホシメクラ
ガメ、ハナグロミドリメクラガメ、マダラメクラガメ、
マキバメクラガメ、アカスジメクラガメ、ムギメクラガ
メ、アカミャクメクラガメ、ナカムギメクラガメ、アカ
ヒゲホソミドリメクラガメ等のメクラカメムシ科、メダ
カバガカメムシ等のメダカナガカメムシ科、ヒメヒラタ
ナガカメムシ、モンシロナガカメムシ、ウスグロシロヘ
リナガカメムシ、シロヘリナガカメムシ、アムールシロ
ヘリナガカメムシ、チャイロナガカメムシ、ヒメナガカ
メムシ、ミナミホソナガカメムシ、クロアシホソナガカ
メムシ、キベリヒョウタンナガカメムシ、ヒラタヒョウ
タンナガカメムシ、サビヒョウタンナガカメムシ、ヒゲ
ナガカメムシ、ヨツボシヒョウタンナガカメムシ、マダ
ラナガカメムシ、コバネヒョウタンナガカメムシ等のナ
ガカメムシ科、フタモンホシカメムシ等のホシカメムシ
科、アズキヘリカメムシ、ヒメハリカメムシ、ハリカメ
ムシ、ホソハリカメムシ、ホシハラビロヘリカメムシ等
のヘリカメムシ科、ヒメクモヘリカメムシ、クモヘリカ
メムシ、タイワンクモヘリカメムシ、ホソヘリカメムシ
等のホソヘリカメムシ科、アカヒメヘリカメムシ、ケブ
カヒメヘリカメムシ、スカシヒメヘリカメムシ、ブチヒ
ゲヘリカメムシ等のヒメヘリカメムシ科、チャイロカメ
ムシ等のキンカメムシ科、エビイロカメムシ、ウズラカ
メムシ、トゲカメムシ、ムラサキカメムシ、ブチヒゲカ
メムシ、ハナダカカメムシ、ムラサキシラホシカメム
シ、マルシラホシカメムシ、オオトゲシラホシカメム
シ、トゲシラホシカメムシ、シラホシカメムシ、クサギ
カメムシイネカメムシ、ツマジロカメムシ、アオクサカ
メムシ、ミナミアオカメムシ、エゾアオカメムシ、イチ
モンジカメムシ、チャバネアオカメムシ、アカカメム
シ、イネクロカメムシ、イワサキカメムシ等のカメムシ
類が挙げられる。本発明の方法は、これらのカメムシ類
のうち、特に水稲の穂を吸汁するカメムシ類に対して効
果的に、その吸汁を防止することができる。
【0014】本発明の方法により、カメムシ類を完全に
死に至らしめることなく、カメムシ類の積極的な吸汁活
動を防止することができる。更には、水稲の穂に対する
吸汁活動を防止することができる。その結果、水稲の穂
に対するカメムシ類の吸汁活動によって引き起こされ
る、水稲斑点米の生成を抑制することができる。
【0015】本発明の方法に使用される組成物を実際に
施用するにあたって、組成物は、必要に応じて、他の活
性化合物、例えば殺菌剤や肥料等と混用して使用しても
よい。更に、その他の活性化合物を含む場合、これらの
活性化合物は、浸透移行性を有するものが好ましい。そ
の代表例として、イソプロチオラン、フルトラニル、ア
ゾキシストロビン、プロベナゾール、フラメトピル、チ
フルザミド、バリダマイシン、ピロキロン、メトミノス
トロビン、IBP、フサライド、カスガマイシン、カル
プロパミド、ジクロメジン、トリシクラゾール、バリダ
マイシン、ペンシクロン、ポリオキシン、メプロニル、
EDDPなどを例示できる。
【0016】本発明の方法に使用される組成物の製剤化
にあたっては、何らの特別の条件を必要とせず、一般農
薬に準じて当業技術の熟知する方法によって、粒剤、水
和剤、顆粒水和剤、顆粒水溶剤、粉剤、乳剤、液剤、油
剤、フロアブル剤、エマルジョン剤、マイクロエマルジ
ョン剤、サスポエマルジョン剤、マイクロカプセル剤等
の任意の剤型に調製することができる。
【0017】かくして、浸透移行性を有し、且つ、カメ
ムシ類に吸汁阻害作用を示す、少なくとも1種類以上の
化合物を含有する組成物を水面に施用すれば、カメムシ
類による水稲斑点米の生成を効果的に抑制できる他、農
作業の簡便化、農作業に従事する作業者への薬剤被爆、
環境への拡散、天候の影響など、従来の散布器を使用し
た防除方法の問題点を全て解決することができる。
【0018】
【実施例】以下に製剤例及び試験例により本発明を更に
詳細に説明する。尚、製剤例中の部は重量部を示す。
【0019】製剤例 1 ジノテフランを10部、ソルポール355S(東邦化学
製、界面活性剤)10部、ソルベッソ150(エクソン
製)80部、以上を均一に撹拌混合して乳剤を得た。
【0020】製剤例 2 ジノテフランを10部、アルキルナフタレンスルホン酸
ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム1部、
ホワイトカーボン5部、ケイソウ土82部、以上を均一
に撹拌混合して水和剤100部を得た。
【0021】製剤例 3 ジノテフランを10部、ポリビニルアルコールの20%
水溶液5部を充分撹拌混合した後、キサンタンガムの
0.8%水溶液65部を加えて再び撹拌混合してフロア
ブル剤100部を得た。
【0022】製剤例 4 ジノテフランを20部、尿素90部を部を均一に十分攪
拌混合して水溶剤100部を得た。
【0023】製剤例 5 ジノテフランを1部、ホワイトカーボン2部、リグニン
スルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト95部、以上
を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥して
粒剤100部を得た。
【0024】製剤例 6 チアクロプリドを1部、ホワイトカーボン2部、リグニ
ンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト95部、以
上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥し
て粒剤100部を得た。
【0025】製剤例 7 チアメトキサムを1部、ホワイトカーボン2部、リグニ
ンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト95部、以
上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥し
て粒剤100部を得た。
【0026】製剤例 8 クロチアニジンを1部、ホワイトカーボン2部、リグニ
ンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト95部、以
上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥し
て粒剤100部を得た。
【0027】製剤例 9 エチプロールを1部、ホワイトカーボン2部、リグニン
スルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト95部、以上
を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥して
粒剤100部を得た。
【0028】製剤例 10 アセトプロールを1部、ホワイトカーボン2部、リグニ
ンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト95部、以
上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥し
て粒剤100部を得た。
【0029】試験例 1 ポットでの出穂時処理におけ
るカメムシ類への効果 出穂時期のイネ(こしひかり:1/5000aポット:
水深3cmで管理)に上記の製剤例5〜10で作成した
粒剤、或いは市販品アドマイヤー1粒剤、ベストガード
粒剤、モスピラン粒剤、プリンス粒剤を3kg/10a
相当量散布した。処理7日後に穂の部分のみをゴースで
覆い、ゴースの中にオオトゲシラホシカメムシを雄雌各
5頭ずつ放飼した(1区3連制)。放飼6日後に生死判
定を行った。更に収穫時、斑点米の調査を行った。試験
の結果、死虫率が不十分でカメムシが死滅しなくても、
十分な吸汁阻害作用を示す事がわかった。
【0030】
【表1】
【0031】試験例 2 ポットでの出穂時処理におけ
るカメムシ類への効果 出穂10日前のイネ(こしひかり:1/5000aポッ
ト:水深3cmで管理)に製剤例5で作成した粒剤を3
kg/10a相当量水面に処理した。また、製剤例3で
調製したフロアブル剤を30gai./10a相当量水
面し処理した。処理20日後に穂の部分のみをゴースで
覆い、ゴースの中にオオトゲシラホシカメムシを雄雌各
5頭ずつ放飼した(1区3連制)。放飼6日後に生死判
定を行った。試験の結果、剤型に関わらず同じ処理量で
は同程度の吸汁阻害作用が見られた。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の方法はカメムシ類の水稲の穂に
対する加害を防止し、その結果、斑点米の生成を効果的
に抑制することができ、米の品質確保に貢献できる。ま
た、本発明の方法は薬剤を水面に施用するので、作業者
への薬剤被爆防止、作業条件の改善、環境への拡散防
止、天候に左右されないなど、従来のカメムシ類の防除
方法の問題点を解決し、作業の簡便化、作業条件の改善
などに寄与することができる。更に、本発明の方法にお
いてはカメムシを殺虫するための薬剤の施用量よりも少
ない量でカメムシの水稲の穂の吸汁阻害が起こるため、
従来の農薬の施用量よりも少ない薬剤量で十分な効果が
得られ、防除コストの低減や土壌の環境汚染を防止でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 51/00 A01N 51/00 (72)発明者 大江 桜麻 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 河原 信行 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 河原 敦子 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 中村 雅彦 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 小澤 修二 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式 会社内 Fターム(参考) 4H011 AC06 AC08 BA01 BA05 BB09 BB10 BB11 BC07 BC14 BC18 BC19 BC20 DA02 DA13 DA15 DA16 DD01 DD02 DH02 DH14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浸透移行性を有し、且つ、カメムシ類に吸
    汁阻害作用を示す、少なくとも1種類以上の化合物を含
    有する組成物を水田の水面に施用することを特徴とす
    る、カメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方
    法。
  2. 【請求項2】浸透移行性を有し、且つ、カメムシ類に吸
    汁阻害作用を示す化合物がニトロメチレン系殺虫剤、ニ
    トロイミノ系殺虫剤、シアノイミノ系殺虫剤、あるいは
    フェニルピラゾール骨格を有する殺虫剤の群から選ばれ
    る請求項1記載のカメムシ類による水稲斑点米の生成を
    抑制する方法。
  3. 【請求項3】ニトロメチレン系殺虫剤がニテンピラムで
    ある請求項2記載のカメムシ類による水稲斑点米の生成
    を抑制する方法。
  4. 【請求項4】ニトロイミノ系殺虫剤がイミダクロプリ
    ド、(RS)-1-メチル-2-ニトロ-3-[(3-テトラヒドロフリ
    ル)メチル]グアニジン(一般名ジノテフラン)、3-(2-
    クロロチアゾール-5-イルメチル)-5-メチル-1,3,5-オキ
    サジアジナン-4-イリデン-N-(ニトロ)アミン(一般名
    チアメトキサム)又は(E)-1-(2-クロロ-1,3-チアゾール
    -5-イルメチル)-3-メチル-2-ニトログアニジン(一般名
    クロチアニジン)である請求項2記載のカメムシ類によ
    る水稲斑点米の生成を抑制する方法。
  5. 【請求項5】シアノイミノ系殺虫剤がN-[3-(6-クロロピ
    リジン-3-イルメチル)チアゾリジン-2-イリデン]シア
    ナミド(一般名チアクロプリド)である請求項2記載の
    カメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方法。
  6. 【請求項6】ニトロシアノ系殺虫剤がアセタミプリドで
    ある請求項2記載のカメムシ類による水稲斑点米の生成
    を抑制する方法。
  7. 【請求項7】フェニルピラゾール骨格を有する殺虫剤が
    フィプロニル、5-アミノ-1-(2,6-ジクロル-α,α,α-ト
    リフルオロ-p-トリル)-4-エチルスルフィニルピラゾー
    ル-3-カルボニトリル(一般名エチプロール)又は1-[5-
    アミノ-1-(2,6-ジクロル-α,α,α-トリフルオロ-p-ト
    リル)-4-メチルスルフィニルピラゾール-3-イル]エタ
    ノン(一般名アセトプロール)である請求項2記載のカ
    メムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方法。
  8. 【請求項8】浸透移行性を有し、且つ、カメムシ類に吸
    汁阻害作用を示す、少なくとも1種類以上の殺虫剤の固
    体製剤、あるいは液体製剤を直接水田の水面に施用する
    か、または該固体製剤、あるいは液体製剤を水に希釈し
    て水田の水面に施用する請求項1記載のカメムシ類によ
    る水稲斑点米の生成を抑制する方法。
  9. 【請求項9】カメムシ類が水稲の穂を吸汁するカメムシ
    類である請求項1記載のカメムシ類による水稲斑点米の
    生成を抑制する方法。
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