JP2017078026A - 害虫の防除方法及び防除剤 - Google Patents

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Toru Uchikurohane
徹 内黒羽子
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Abstract

【課題】水稲に対して薬害を生じさせることなく、既存の殺虫剤に抵抗性を獲得した水稲に加害する難防除害虫であるウンカ類及び/又は殺虫剤感受性のウンカ類、特にトビイロウンカの防除方法の提供。
【解決手段】殺菌剤として知られているイソプロチオランと、ブプロフェジン、イミダクロプリド、ニテンピラム又はフェノブカルブ(BPMC)から選択される1種以上の殺虫化合物とを同時に、又は1薬剤を処理した後、1日乃至2ヵ月の期間をおいて他の1薬剤を、水稲に茎葉処理する薬剤抵抗性害虫及び/又は感受性害虫の防除方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、イソプロチオランの、殺虫剤への感受性害虫及び抵抗性害虫に対する効果の増強作用、及び効果増強剤に関する。具体的には、合成ピレスロイド系化合物、有機リン剤系化合物、カーバメート系化合物、IGR剤、及びネオニコチノイド系化合物への感受性害虫はもとより、これらの薬剤に抵抗性を獲得した害虫に対して、当該薬剤から選択される1種以上の殺虫化合物と、イソプロチオランとを植物に処理することを特徴とする害
虫、特にウンカ類の防除方法に関する。
イソプロチオラン(isoprothiolane)は、主にイモチ病殺菌剤又は植物成長調節剤として公知の化合物である。
一方、ブプロフェジン(buprofezin)は、IGR剤としてカメムシ目害虫対象の殺虫剤として使用されている化合物である。また、イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、
チアクロプリド(thiacloprid)、クロチアニジン(clothianidin)、ジノテフラン(dinotefuran)等のネオニコチノイド系殺虫剤、並びにBPMC(fenobucarb)、MIPC(isoprocarb)、MTMC(metolcarb)等のカーバメート系殺虫剤、さらにはピメトロジ
ン(pymetrozine)及びフロニカミド(flonicamid)等の薬剤も、カメムシ目害虫対象の
殺虫剤として使用されている化合物である(例えば、非特許文献1を参照)。
さらにまたエトフェンプロックス(etofenprox)、シラフルオフェン(silafluofen)
等の合成ピレスロイド化合物、アセフェート(acephate)、クロロピリホス(chlorpyrifos)等の有機リン剤系化合物、及びフィプロニル(fipronil)、ピリプロール(pyriprole)
等のフェニルピラゾール系薬剤は、カメムシ目、チョウ目等の害虫対象の殺虫剤として知られている。(例えば、非特許文献1を参照)。
トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)及びセジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類は、アジア地域で生産されている水稲に加害する難防除害虫である。これらの害虫は、幼虫段階においては、葉維管束から樹液を吸汁することにより、また成虫段階においては、葉鞘の中央脈にその卵を産み、水及び栄養分の輸送を妨害することにより、水稲に重大な被害を及ぼす。またウンカ類は、植物ウイルスを媒介することが知られており、例えば、トビイロウンカは、グラッシースタントテヌイウイルス(grassystunt tenuivirus)、及びラギットスタントオリザウ
イルス(raggedstunt oryzavirus)を媒介し、またヒメトビウン
カは、ストライプウイルス(stripevirus)を媒介する。そしてこれにより、坪枯れ等の被害が生じる。
米の収穫量は水稲に加害する害虫の防除に大きく依存しており、特に難防除害虫であるウンカ類の害虫防除のため多種の農薬が使用されてきた。その結果、ピレスロイド系化合物、有機リン剤系化合物、カーバメート系化合物、IGR剤、及びネオニコチノイド系化合物に抵抗性を獲得した害虫が多数報告されている(例えば、非特許文献2、3を参照)。よって、交差抵抗性及び/又は多剤抵抗性を獲得したこれら害虫の出現は、水稲の栽培にとって大きな脅威となっている。
The Pesticide Manual 15th Edition 2009 J.Pestic.Sci.,20,541−543,1995 J.Asia−Pacific Entomol.,5(1),113−116,2002
本発明の課題は、上記のような殺虫剤への感受性害虫はもとより、ブプロフェジン等のIGR剤、ネオニコチノイド系化合物、カーバメート系化合物、フェニルピラゾール系化合物、合成ピレスロイド系化合物、有機リン剤系化合物、その他の各種殺虫剤に対して交差抵抗性及び/又は多剤抵抗性を獲得した害虫の防除方法及び防除剤を提供することにある。
本発明者は前記状況に鑑み、殺虫剤への感受性害虫はもとより、既存の殺虫剤に抵抗性を獲得した害虫の防除方法及び防除剤を創出すべく種々の化合物の組合せにつき鋭意研究を重ねた。その結果、驚くべきことに通常イモチ病殺菌剤等として知られているイソプロチオランと、殺虫剤として知られているブプロフェジン等のIGR剤、並びにネオニコチノイド系化合物及びカーバメート系化合物等から選択される1種以上の化合物とをあわせて使用することにより、殺虫剤への感受性害虫だけでなく、当該既存の殺虫剤に対して抵抗性を獲得した害虫に対して、顕著に当該殺虫剤自体の殺虫効果が増強されることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、
[1]イソプロチオランと、ブプロフェジン、ネオニコチノイド系化合物及びカーバメート系化合物からなる群より選択される1種以上の殺虫化合物とを、植物に処理することを特徴とする害虫の防除方法、
[2] イソプロチオラン又は1種以上の前記殺虫化合物のうち何れか一方の薬剤を植物
に処理し、その後相当期間をおいて他方の薬剤を処理することを特徴とする[1]に記載の害虫の防除方法、
[3] ネオニコチノイド系化合物が、イミダクロプリド、又はニテンピラムである [1]
又は[2]に記載の害虫の防除方法、
[4] カーバメート系化合物が、BPMCである [1]又は[2]に記載の害虫の防除方法

[5]ブプロフェジン1質量部に対して、イソプロチオランを0.1乃至400質量部の割合で用いる[1]又は[2]に記載の薬剤抵抗性害虫の防除方法、
[6]ニテンピラム1質量部に対して、イソプロチオランを0.1乃至1000質量部の割合で用いる [3]に記載の害虫の防除方法、
[7]BPMC又はイミダクロプリド1質量部に対して、イソプロチオランを0.1乃至400質量部の割合で用いる [3]又は[4]に記載の害虫の防除方法、
[8]害虫が、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)である[1]
乃至[7]の何れか1項に記載の害虫の防除方法、
[9]植物が、水稲である[1]乃至[8]の何れか1項に記載の害虫の防除方法、
[10]処理が、水田施用処理である[1]乃至[9]の何れか1項に記載の害虫の防除方法、
[11]処理が、茎葉処理又は水面施用処理である[1]乃至[10]の何れか1項に記載の害虫の防除方法、
[12]茎葉処理が散布処理である[11]に記載の害虫の防除方法、
[13]イソプロチオランと、ブプロフェジン、ネオニコチノイド系化合物及びカーバメ
ート系化合物からなる群より選択される1種以上の殺虫化合物とからなる害虫防除のため
の殺虫組成物、及び
[14]イソプロチオランを有効成分とする害虫に対する効果増強剤、
に関する。
本発明の防除方法及び防除剤は、特に水稲に加害する殺虫剤感受性害虫及び殺虫剤抵抗性害虫を防除でき、処理した水稲に全く薬害を与えることなく米を収穫することができる。
本発明の防除方法に使用する主たる有効成分は、イソプロチオランであり、例えば、昭47‐34126号の公知の方法により製造することができる。イソプロチオランと併せて使用することができる薬剤は、IGR剤としてはブプロフェジン等であり、ネオニコチノイド系化合物としては、イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、チアメトキサム、チアクロプリド、クロチアニジン、ジノテフラン等であり、カーバメート系化合物としては、BPMC(fenobucarb)、MIPC(isoprocarb)、MTMC(metolcarb)等であり、合成ピレスロイド化合物としては、エトフェンプロックス、シラフルオフェン等であり、有機リン剤系化合物としては、アセフェート、クロロピリホス等であり、フェニルピラゾール系薬剤としては、フィプロニル、ピリプロール等であり、その他の薬剤としては、ピメトロジン、フロニカミド等である。
好ましい組み合わせとしては、イソプロチオランとブプロフェジン、イソプロチオランとイミダクロプリド、イソプロチオランとニテンピラム、イソプロチオランとアセタミプリド、イソプロチオランとチアメトキサム、イソプロチオランとチアクロプリド、イソプロチオランとクロチアニジン、イソプロチオランとジノテフラン、イソプロチオランとBPMC、イソプロチオランとMIPC、イソプロチオランとMTMC、イソプロチオランとエトフェンプロックス、イソプロチオランとシラフルオフェン、イソプロチオランとアセフェート、イソプロチオランとクロロピリホス、イソプロチオランとフィプロニル、イソプロチオランとピリプロール、イソプロチオランとピメトロジン、イソプロチオランとフロニカミドであり、その中でも、イソプロチオランとブプロフェジン、イソプロチオランとイミダクロプリド、イソプロチオランとニテンピラム、及びイソプロチオランとBPMCとの組み合わせが特に好ましい。
これらは公知の化合物であり(The PesticideManual 15th Ed
ition 2009)、これらの薬剤は既に農薬として市販されていることから、それ
らを使用することもできるし、公知の方法で製造した薬剤を製剤とした組成物を使用することもできる。
本発明の防除方法では、薬剤をそのまま、又は水等で適宜希釈し、若しくは懸濁させた形で、駆除すべき害虫が棲息する水稲、特にその茎、葉、種子、稲穂、植物が栽培されている土壌、又はその周辺等に処理すればよい。当該処理方法としては、例えば葉面若しくは茎部への散布処理又は噴霧処理(茎葉処理)、種子粉衣等の種子処理、土壌処理、水面施用処理、育苗箱処理等が挙げられる。また本発明の防除方法は、イソプロチオランと、1種以上の上記殺虫剤とからなる2つの有効成分を同時に水稲に処理するだけでなく、ま
ず上記有効成分のうちいずれか一方を含有する薬剤を植物に茎葉処理し又は水面施用処理し、その後相当期間をおいてもう一方の有効成分を含有する他の薬剤を植物に茎葉処理、又は水面施用処理することも含まれる。当該相当期間は、有効成分の一方を含有する薬剤の処理後1日乃至2ヵ月の範囲で適宜選択することができる。
本発明の防除方法において、イソプロチオランとブプロフェジンの配合割合は、ブプロフェジン1質量部に対して、イソプロチオランが0.1乃至400質量部の範囲から適宜
選択すれば良く、1乃至400の範囲が好ましく、1乃至40の範囲が更に好ましい。
また、本発明の防除方法におけるイソプロチオランとBPMC又はイミダクロプリドの配合割合は、BPMC又はイミダクロプリド1質量部に対して、イソプロチオランが0.1乃至400質量部の範囲から適宜選択すれば良く、1乃至400の範囲が好ましく、1乃至40の範囲が更に好ましい。
さらにまた、本発明の防除方法におけるイソプロチオランとニテンピラムの配合割合は、ニテンピラム1質量部に対して、イソプロチオランが0.1乃至1000質量部の範囲から適宜選択すれば良く、1乃至500の範囲が好ましい。
茎葉処理の場合、植物の茎葉部に、乳剤、フロアブル剤等の液体製剤又は水和剤もしくは顆粒水和剤等の固形製剤を水で適宜希釈し、散布・噴霧する方法、粉剤を散布・噴霧する方法等が挙げられる。
種子処理の場合は、例えば、液状又は固体状の製剤を希釈又は希釈せずして液体状態にして、種子を浸漬して薬剤を浸透させる方法、固形製剤又は液状製剤を種子と混和し、粉衣処理して種子の表面に付着させる方法、樹脂、ポリマー等の付着性のある担体と混和して種子にコーティングする方法、植え付けと同時に種子付近に散布する方法等が挙げられる。
当該種子処理を行う「種子」とは、植物の繁殖に用いられる栽培初期の植物体を意味し、例えば、籾米等の種子を挙げることができる。
本発明の防除方法を実施する場合の植物の「土壌」又は「栽培担体」とは、作物を栽培するための支持体、特に根を生えさせる支持体を示すものであり、材質は特に制限されないが、植物が生育しうる材質であれば良く、いわゆる土壌、育苗マット、水等であっても良く、具体的な素材としては例えば、砂、軽石、バーミキュライト、珪藻土、寒天、ゲル状物質、高分子物質、ロックウール、グラスウール、木材チップ、バーク等であっても良い。
土壌処理の場合、例えば、液体製剤を水に希釈又は希釈せずして植物体の株元または育苗用苗床等に施用する方法、粒剤を植物体の株元又は育苗のための苗床等に散布する方法、播種前または移植前に粉剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤等を散布し土壌全体と混和する方法、播種前または植物体を植える前に植え穴、作条等に粉剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤等を散布する方法等が挙げられる。土壌処理の時期は、種子又は苗等の植付け前、植付け中又は植付け後であって発芽前もしくは発芽後のいずれでもよい。
水田(本田)施用処理としては、ジャンボ剤、パック剤、粒剤、顆粒水和剤等の固形製剤、フロアブル、乳剤等の液体状製剤を、通常は、湛水状態の水田に散布する。その他、田植え時には、適当な製剤をそのまま、あるいは、肥料に混和して土壌に散布、注入することもできる。また、水口や灌漑装置等の水田への水の流入元に乳剤、フロアブル等の薬液を処理することにより、水田への水の供給に伴い省力的に施用することもできる。
水稲の育苗箱への施用方法としては、剤型は、例えば播種時施用、緑化期施用、移植時施用などの施用時期により異なる場合もあるが、粉剤、顆粒水和剤、粒剤等の剤型で施用すればよい。培土との混和によっても施用することができ、培土と粉剤、顆粒水和剤又は粒剤等との混和、例えば、床土混和、覆土混和、培土全体への混和等することができる。単に、培土と各種製剤を交互に層状にして施用してもよい。
本発明により保護される植物は特に限定されるものではないが、例えば穀類(例えば、水稲(イネ)、大麦、小麦、ライ麦、オート麦、トウモロコシ等)を例示することができ、水稲が好ましい。また、当該植物には、遺伝子組換え等により産出された植物も含む。
本発明の防除方法により防除することができる薬剤抵抗性の害虫は、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)等のカイガラムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)等のコナジラミ類、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、ヒメトビウンカ(Laodelphaxstriatellus)及びセジロウンカ(Sogatella furcifera)のウンカ類であり、本発明は特に
、トビイロウンカの防除に適している。
本発明で使用する薬剤を製剤にする場合、その製剤は、農薬製剤上の常法に従って適当な不活性担体、及び必要に応じて補助剤等と共に上記有効成分を適当な割合に配合して溶解、懸濁、粉砕、混合、捏和、含浸、吸着若しくは付着等させ、使用目的に応じて適当な剤形、例えば乳剤、乳懸濁剤、粉剤、粒剤、水和剤、フロアブル剤、顆粒水和剤、錠剤、ジャンボ剤又はパック剤等に製造すれば良い。
本発明はまた、イソプロチオランと、ブプロフェジン、ネオニコチノイド系化合物及びカーバメート系化合物からなる群より選択される1種以上の殺虫化合物とからなる害虫防
除のための殺虫組成物にも関する。さらに本発明はイソプロチオランを有効成分とする害虫に対する効果増強剤にも関する。本発明の効果増強剤は殺虫組成物の成分として、また、単独の薬剤として殺虫剤と組み合わせて使用することもできる。
本発明の組成物中の全有効成分の添加量はそれぞれ1乃至60質量部の範囲から適宜選択すれば良く、好ましくはそれぞれ1乃至30質量部の範囲である。又、本発明の組成物中のイソプロチオランとブプロフェジンの配合割合は、ブプロフェジン1質量部に対して、イソプロチオランが0.1乃至400質量部の範囲から適宜選択すれば良く、1乃至400の範囲が好ましく、1乃至40の範囲が更に好ましい。
本発明の組成物中のイソプロチオランとBPMC又はイミダクロプリドの配合割合は、BPMC又はイミダクロプリド1質量部に対して、イソプロチオランが0.1乃至400質量部の範囲から適宜選択すれば良く、1乃至400の範囲が好ましく、1乃至40の範囲が更に好ましい。
本発明の組成物中のイソプロチオランとニテンピラムの配合割合は、ニテンピラム1質量部に対して、イソプロチオランが0.1乃至1000質量部の範囲から適宜選択すれば良く、1乃至500の範囲が好ましい。
製剤で使用することができる不活性担体としては固体又は液体の何れであっても良く、固体の担体になりうる材料としては、例えばダイズ粉、穀物粉、木粉、樹皮粉、鋸粉、タバコ茎粉、クルミ殻粉、ふすま、繊維素粉末、植物エキス抽出後の残渣、粉砕合成樹脂等の合成重合体、粘土(クレー)類(例えばカオリン、ベントナイト、酸性白土等)、タルク類(例えばタルク、ピロフィライト等)、シリカ類{例えば珪藻土、珪砂、雲母、ホワイトカーボン(含水微粉珪素、含水珪酸ともいわれる合成高分散珪酸で、製品により珪酸カルシウムを主成分として含むものもある。)}、活性炭、イオウ粉末、軽石、焼成珪藻土、レンガ粉砕物、フライアッシュ、砂、硫酸ナトリウム又は炭酸マグネシウム等の無機鉱物性粉末、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリ塩化ビニリデン等のプラスチック担体、硫安、燐安、硝安、尿素又は塩安等の化学肥料、あるいは堆肥等を挙げることができ、これらは単独で若しくは二種以上の混合物の形で使用される。
液体の担体の材料としては、それ自体が溶媒としての性能を有するものの他、かかる性
能を有さずとも補助剤により有効成分化合物を分散させることができるものから選択すれればよい。例えば、水、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール,プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ガンマ―ブチロラクトン等)、エーテル類(例えばエチルエーテル、ジオキサン、セロソルブ、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(例えばケロシン、鉱油等)、芳香族炭化水素類(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、アルキルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、塩素化ベンゼン等)、エステル類(例えば酢酸エチル、ジイソプロピルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ニトリル類(例えばアセトニトリル等)、ジメチルスルホキシド類、含窒素担体類(N―アルキルピロリドン等)、又は油脂類(例えば、菜種油、大豆油、オリーブ油、コーン油、ヤシ油、ヒマシ油等)等を挙げることができる。これらは単独で若しくは2種以上を混合して使用することもできる。
他の補助剤としては次に例示する代表的な補助剤をあげることができ、これらの補助剤は目的に応じて使用され、単独で、ある場合は二種以上の補助剤を併用し、又ある場合には全く補助剤を使用しないことも可能である。
有効成分化合物の乳化、可溶化及び/又は湿潤の目的のために界面活性剤を使用することができる。例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム(ジオクチルスルホサクシネートソーダ)、アルキルアリールスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸縮合物[例えば、β‐ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩;デモールT(花王アトラス株式会社)等]、リグニンスルホン酸塩又は高級アルコール硫酸エステル等の界面活性剤を例示することができる。
また、有効成分化合物の分散安定化、粘着及び/又は結合の目的のために、次に例示する補助剤を使用することができ、例えばカゼイン、ゼラチン、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、松根油、糠油、ベントナイト又はリグニンスルホン酸塩等の補助剤を使用することができる。
さらに、固体製品の流動性改良のために次に挙げる補助剤を使用することもでき、例えばワックス、ステアリン酸塩又は燐酸アルキルエステル等の補助剤を使用できる。懸濁性製品の解こう剤として、例えばナフタレンスルホン酸縮合物又は縮合燐酸塩等の補助剤を使用することができる。
消泡剤としては、例えばシリコーン油等の補助剤を使用することもできる。防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(商品名:プロキセルGXL)、パラクロロメタキシレノール又はパラオキシ安息香酸ブチル等を添加することができる。
更に必要に応じてテルペン、ポリアミド樹脂又はポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンの高級脂肪酸エステル等の機能性展着剤、ピペロニルブトキサイド等の代謝分解阻害剤等の活性増強剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン又はプロ
ピレングリコール等の凍結防止剤、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)又はブチルヒドロキシアニソール(BHA)等の酸化防止剤、ハイドロキノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤又はシアノアクリレート系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、あるいはメチルセルロース、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸ナトリウム等のドリフト防止剤等その他の補助剤等を加えることができる。
本発明の組成物を使用する場合、目的に応じた製剤形態の組成物をそのまま、又は水等で希釈して使用すれば良く、その処理量は、有効成分の配合割合、気象条件、製剤形態、処理時期、処理方法、処理場所、防除対象有害生物又は保護対象作物等により異なるが、有効成分として10アール当たり、上記2つの有効成分の合計で、通常1乃至5000gの範囲で処理すれば良く、好ましくは10乃至1000gの範囲である。処理濃度は、上記2つの有効成分の合計で、1乃至5000ppmの範囲で処理すればよく、好ましくは、10乃至1000ppmの範囲である。
本発明の組成物は、更に防除対象病害虫、防除適期の拡大のため、或いは薬量の低減をはかる目的で、製剤中で安定である限り、ThePesticide Manual 15th Edition 2009に記載してある他の農園芸用殺虫剤、農園芸用殺ダニ剤
、殺線虫剤、殺菌剤又は生物農薬等と混合して使用することが可能であり、また、使用場面に応じて除草剤、植物成長調節剤又は肥料等と混用することが可能である。
なお、本明細書において、「防除」なる用語は例えば、農園芸用害虫類による損傷から植物を保護することをも意味する。
以下に製剤例、実施例により本発明を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製剤例1
イソプロチオラン 12質量部
ブプロフェジン 3質量部
含水珪酸 30質量部
ハイテノールN08(第一工業製薬(株)製) 5質量部
リグニンスルホン酸カルシウム 3質量部
水和剤用クレー 47質量部
有効成分化合物を含水珪酸に含浸させた後、他の成分と均一に混合して水和剤とする。
製剤例2
イソプロチオラン 8質量部
ブプロフェジン 2質量部
ベントナイトとクレーの混合粉末 85質量部
リグニンスルホン酸カルシウム 5質量部
以上を均一に混合し、適量の水を加えて混練し、造粒、乾燥して粒剤とする。
製剤例3
イソプロチオラン 16質量部
ブプロフェジン 4質量部
キシレン 60質量部
N−メチルピロリドン 10質量部
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと
アルキルベンゼンスルホン酸カルシウムとの混合物 10質量部
以上を均一に混合溶解して乳剤とする。
製剤例4
イソプロチオラン 2質量部
ブプロフェジン 1質量部
クレー粉末 82質量部
珪藻土粉末 15質量部
以上を均一に混合粉砕して粉剤とする。
製剤例5
イソプロチオラン 12質量部
イミダクロプリド 1.5質量部
含水珪酸 30.5質量部
ハイテノールN08(第一工業製薬(株)製) 5質量部
リグニンスルホン酸カルシウム 3質量部
水和剤用クレー 48質量部
有効成分化合物を含水珪酸に含浸させた後、他の成分と均一に混合して水和剤とする。
製剤例6
イソプロチオラン 8質量部
ニテンピラム 2質量部
ベントナイトとクレーの混合粉末 85質量部
リグニンスルホン酸カルシウム 5質量部
以上を均一に混合し、適量の水を加えて混練し、造粒、乾燥して粒剤とする。
製剤例7
イソプロチオラン 16質量部
BMPC 20質量部
キシレン 44質量部
N−メチルピロリドン 10質量部
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと
アルキルベンゼンスルホン酸カルシウムとの混合物 10質量部
以上を均一に混合溶解して乳剤とする。
実施例1 薬剤抵抗性トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)に対する殺虫効果試験
2012年熊本県大津市で採集した個体群を、繁殖・飼育した幼虫を使用した。
イネ(品種:金南風)の葉梢(長さ15cm)を、第1表及び第2表に示す薬剤を所定の濃度となるよう調製した薬液(マイリノー0.01質量%添加)に30秒間浸漬処理した。薬液処理した葉梢を風乾後、試験管(直径2.2×長さ20cm)に入れ、上記トビイロウンカ(3令幼虫)を各区6頭放虫した。その後試験管を和紙で蓋をし、25℃の恒
温室(16時間明期、8時間暗期)に静置した。10日後又は7日後に正常虫数を調査し、下記式に従って補正死虫率を算出した(2連制)。同様に薬剤感受性のトビイロウンカを用いて試験を行った。それらの結果を第1表及び第2表に示す。
[式1]
Figure 2017078026

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第1表の結果から、イソプロチオラン、ブプロフェジンの単独処理では、薬剤抵抗性トビイロウンカに対して低い死虫率しか得られなかった。しかし、イソプロチオラン及びブプロフェジンを組み合わせると、いずれも薬剤抵抗性トビイロウンカに対して、期待される死虫率を大きく上回ることが分かった。これは、イソプロチオラン及びブプロフェジンとの相乗効果によるものである。また、何れの処理でもイネに薬害は認められなかった。
第2表の結果から、イソプロチオラン、BPMC、イミダクロプリド、及びニテンピラムの単独処理では、薬剤抵抗性トビイロウンカに対して低い死虫率しか得られなかった。しかし、イソプロチオラン及びBPMC、イソプロチオラン及びイミダクロプリド、又はイソプロチオラン及びニテンピラムを組み合わせると、何れの組み合わせも薬剤抵抗性トビイロウンカに対して、期待される死虫率を大きく上回ることが分かった。
これらの結果より、殺菌剤として知られているイソプロチオランは、各種殺虫剤と組み合わせて使用することにより、抵抗性害虫に対する効果増強作用を有することが判明し、効果増強剤として有用である。

Claims (14)

  1. イソプロチオランと、ブプロフェジン、ネオニコチノイド系化合物及びカーバメート系化合物からなる群より選択される1種以上の殺虫化合物とを、植物に処理することを特徴とする害虫の防除方法。
  2. イソプロチオラン又は1種以上の前記殺虫化合物のうち何れか一方の薬剤を植物に処理し、その後相当期間をおいて他方の薬剤を処理することを特徴とする請求項1に記載の害虫の防除方法。
  3. ネオニコチノイド系化合物が、イミダクロプリド、又はニテンピラムである請求項1又は請求項2に記載の害虫の防除方法。
  4. カーバメート系化合物が、BPMCである請求項1又は請求項2に記載の害虫の防除方法。
  5. ブプロフェジン1質量部に対して、イソプロチオランを0.1乃至400質量部の割合で用いる請求項1又は請求項2に記載の害虫の防除方法
  6. ニテンピラム1質量部に対して、イソプロチオランを0.1乃至1000質量部の割合で用いる請求項3に記載の害虫の防除方法、
  7. BPMC又はイミダクロプリド1質量部に対して、イソプロチオランを0.1乃至400質量部の割合で用いる請求項3又は請求項4に記載の害虫の防除方法、
  8. 害虫が、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)である請求項1乃至
    7の何れか1項に記載の害虫の防除方法。
  9. 植物が、水稲である請求項1乃至8の何れか1項に記載の害虫の防除方法。
  10. 処理が、水田施用処理である請求項1乃至9の何れか1項に記載の害虫の防除方法。
  11. 処理が、茎葉処理又は水面施用処理である請求項1乃至10の何れか1項に記載の害虫の防除方法。
  12. 茎葉処理が散布処理である請求項11に記載の害虫の防除方法。
  13. イソプロチオランと、ブプロフェジン、ネオニコチノイド系化合物及びカーバメート系化合物からなる群より選択される1種以上の殺虫化合物とからなる害虫防除のための殺虫組成物。
  14. イソプロチオランを有効成分とする害虫に対する効果増強剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20190058277A (ko) * 2017-11-20 2019-05-29 닛토덴코 가부시키가이샤 보강 필름
WO2022224765A1 (ja) * 2021-04-20 2022-10-27 日本農薬株式会社 農園芸用殺虫剤組成物及びその使用方法

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