JP4907029B2 - 作物に損害をもたらす節足動物を処理及び抑制するための方法、及び、その方法に有用な組成物 - Google Patents

作物に損害をもたらす節足動物を処理及び抑制するための方法、及び、その方法に有用な組成物 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の説明)
本発明は、節足動物を抑制するための方法、特には昆虫を抑制するための方法、とりわけ、作物、特には米作物または市場向け菜園作物を荒らす昆虫を抑制するための方法;及び、作物、特には米作物を保護するための方法;並びに、処理された作物の収穫量を改善するための方法;更には、そのような方法で使用され得る組成物または製品;に関するものである。
【0002】
より詳細には、本発明は、特殊な殺虫性化合物を、他の特殊な殺虫性化合物と組み合わせて使用する方法に関するものであり;通常、これらは、ピラゾール基を含む殺虫性化合物(A)の作用と、特にはピレスロイド群の殺虫性化合物である殺虫性化合物(B)の作用とを、特別に有利な仕方で組み合わせる方法である。
【0003】
文献には、広範囲な様々の殺虫性化合物を用いる方法が開示されている。しかし、そのような方法で使用されている既知の化合物は、特定の殺虫効果を有しているものの、そのような製品のユーザーが遭遇する数多くの問題、特にはかなり特殊な使用形態に適合するように作成された特殊な解決策を探し求めているユーザーが遭遇する数多くの問題を克服できないことが多い。
【0004】
国際特許出願WO 95/22902号が既知であり、その特許出願は、シロアリを抑制するのに有用な特定の殺虫方法を開示しており、そして、その方法では、ピレスロイドと共にフィプロール群の特定な特殊の化合物が使用される。
【0005】
穀類作物を襲う特定の特殊なタイプのハムシ(chrysomeles)を抑制するために、ピレスロイド群の特定の化合物と共に特定のピラゾールを使用する方法も、米国特許出願US−09/396 331号から既知である。
【0006】
しかし、これらの特許出願は、作物を荒らす昆虫を、特には特殊な殺虫方法により、退治もしくは抑制する際に遭遇し得る問題に対する満足のいく解決策を提供することができない。
【0007】
有害な節足動物、特には害虫から作物を保護する際に遭遇する一つの問題は、より大きくなくとも、満足のいく効能が得られるようにしながら、使用する活性成分の量を低減したいというニーズである。実際には、大量のそのような殺虫活性成分を散布または使用することが普通に行われている。
【0008】
遭遇する別の問題は、作物に損害をもたらす可能性があるか、もしくは作物に損害を与える広範囲の害虫に有効な活性成分を利用できるようにしたいというニーズに関するものである。
【0009】
更に別の問題は、作物を保護するために使用される活性成分の経時的な効果に関わるものである:作物に適用後、即座の、もしくは実質的に即座の殺虫活性を持つ活性成分を有することが望ましく、また、これらの活性成分は、殺虫効果を持っていて、その殺虫効果の持続期間が、害虫に対する効果的且つ持続的な作物の保護を可能にするのに充分な期間であることも望ましい。
【0010】
また、別の問題は、特定の殺虫活性成分は、即座の殺虫効果を持っておらず、適用後ある程度の期間が経過した後に初めて作用し、その為、使用したその活性成分が効き目を現す前に、害虫の個体群が繁殖できてしまう、という事実にある。
【0011】
かなりな数の殺虫活性成分で遭遇する別の問題は、それらが治療効果しか有しておらず、その為、正確な処理時機を決定するためには、ユーザーは、作物の過度な且つ慎重な監視を余儀なくされることである。
【0012】
別の重要な問題は、数多くの殺虫活性成分は、予防効果しか有しておらず、その為、ユーザーは、後に効果のなかったことが明らかになる多量のこれらの活性成分を散布しなければならないことである。
【0013】
特定の殺虫活性成分の使用に関わる別の問題は、処理した害虫の個体群が復活する現象にある。この現象は、ユーザーにとって重大な問題であり、この現象が起こると、ユーザーは、処理後、有害な生体の個体群が減少するのを最初に観測するが、その後、これらの個体群が再度繁殖しているのを観測することとなる。この復活現象は頻繁には起こらないものの、起こったときには極めて重大な損害をもたらす。
【0014】
特定の既知の殺虫性化合物の使用に関わる別の問題は、特定の作物を襲いがちな一群の幾種類かの害虫を効果的に抑制するための手段を見つけるのが困難なことである。
【0015】
特に、米作物を荒らす一連の害虫に対する殺虫剤による効果的な抑制手段、とりわけDelphacidae科、Noctuidae科、Plutellidae科、Pyralidae科、Tortricidae科の害虫を抑制する手段を提供するのはことのほか難しい。
【0016】
以上で説明されている数多くの問題は、環境保護に関わる問題を伴っていることが非常に多く、この環境問題に対しては、これらの作物から得られる製品の消費者だけでなく、殺虫活性成分のユーザーもますます敏感になっている。
【0017】
多くの殺虫剤の使用に関わる別の難点は、以上で説明された2つもしくはそれ以上の問題の累積効果にある。実際、それらが累積している場合には、考慮され得る解決策が、幾つかのケースでは、矛盾していたり、あるいは、相反することさえあるため、生じたそれらの問題を解決するのは更に一層難しくなる。
【0018】
その上、一般的な性状として、作物を荒らす昆虫を退治もしくは抑制するための方法に関して言えば、これらの方法をユーザーの特殊な要件に最上な状態で適合化させることに加え、より高い効能を有する製品または組み合わせを得るべくそれらの化合物を組み合わせることにより、殺虫作用を有する化合物の活性スペクトル及び効能を改善することや、それらの活性スペクトル及び効能スペクトルを増強することも常に望ましい。
【0019】
また、害虫の側にこれらの殺虫剤に対する耐性が出現するのを防止することも望ましい。
【0020】
同様に、これらの殺虫性化合物のユーザーに、特にはそれらの害虫が作物に及ぼし得る荒廃を回避するため、特には農業の分野における害虫を退治もしくは抑制するためのより広範囲な殺虫手段を提供することも常に望ましい。
【0021】
同じく、これらの殺虫性化合物の作用速度または作用持続性を改善することや、より良好な状態で調節することも非常に望ましい。
【0022】
更に、これらの殺虫性化合物のユーザーに対して、特定の使用条件下において、特には保護すべき作物の環境に従って、あるいは、作物、または損害をもたらす害虫、もしくはこれらの作物に及ぼす損害に従って、更には、代替的に、これらの害虫の蔓延度に従って、害虫を退治もしくは抑制する手段を提供することも常に望ましい。
【0023】
また、いわゆるノックダウン殺虫効果を有する殺虫的抑制手段を提供することも最も望ましく、このノックダウン効果は、本明細書の意味合いでは、昆虫数の迅速な減少により測定される、殺虫作用の迅速な効き目である。そのようなノックダウン効果は、好適には、満足のいく殺虫作用が数時間以内に現れる活性材料について認められる。
【0024】
同様に、使用される殺虫活性成分が有する殺虫作用の経時的な作用の持続性を可能にすることも望ましい。
【0025】
従って、本発明は、以上で説明されている多くの問題のうちのすべて、もしくは一部に対する解決策を提供すべく意図されたものである。また、本発明は、以上で述べられているすべての目的、もしくは一部の目的を達成すべく意図されたものでもある。
【0026】
本発明の本質的な態様は、作物に損害をもたらす節足動物を処理及び抑制するための特殊な方法、好適には殺虫方法に関係し、それらの方法は、ピラゾール基を含む殺虫性化合物(A)と、ピレスロイド族の殺虫性化合物(B)とを使用する。
【0027】
好適には、本発明による方法は、農業分野において、特には植物を保護するために有利に実施される。
【0028】
有利には、本発明による保護または処理方法は、フェニルピラゾール群の殺虫性化合物(A)を使用する。
【0029】
一層有利には、本発明による方法は、化学式(I):
【0030】
【化3】
Figure 0004907029
[式中:
は、−CNまたはメチルラジカルまたはラジカル−C(S)NH、またはラジカル−C(=N−Y)Zを表し;
は、−S(O)を表し;
は、アルキルまたはハロアルキルラジカルを表し;
は、水素原子、ハロゲン原子、及び−NRか、−C(O)OR、−S(O)、アルキル、ハロアルキル、−ORまたは−N=C(R)(R10)であってよいラジカルからなるグループから選択され;
及びRは、水素原子、アルキルまたはハロアルキルラジカル、−C(O)アルキル、−C(O)OR、及び−S(O)CFから独立的に選択されるか;あるいは、RとRが一緒になって、1つもしくはそれ以上のヘテロ原子で中断されてよい二価ラジカルを形成し;
は、アルキルラジカル及びハロアルキルラジカルから選択され;
は、アルキルラジカル、ハロアルキルラジカル、及び水素原子から選択され;
は、水素原子及びアルキルラジカルから選択され;
10は、1つもしくはそれ以上のヒドロキシルラジカル、ハロゲン原子、−O−アルキル、−S−アルキル、シアノもしくはアルキルラジカル、またはそれらの組み合わせで場合によって置換された、フェニル及びヘテロアリールラジカルから選択され;
Xは、窒素原子、及びラジカルC−R12から選択され;
Yは、置換されているかまたは置換されていない、ヒドロキシル、アミノ、アミノカルボニル、アルコキシ、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アリールカルバモイル、アルキルカルバモイル、及びピラゾール基から選択され;
Zは、ヒドロキシル、アミノ、アミノカルボニル、アルコキシ、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アリールカルバモイル、及びアルキルカルバモイル基から選択され;
11及びR12は、ハロゲン原子及び水素原子から独立的に選択され;
13は、ハロゲン原子、ハロアルキルまたはハロアルコキシラジカル、−S(O)CF、及び−SFから選択され;
m、n、q、及びrは、0、1、及び2から独立的に選択され;
但し、Rがメチルラジカルを表すときには、Rはハロアルキルラジカルを表し、Rは−NHを表し、R11はClを表し、R13は−CFを表し、そして、XはNを表すことを条件とし;
上述の化学式(I)のアルキルラジカル及びアルコキシラジカルは、好適には低級のアルキルラジカル及び低級のアルコキシラジカル、即ち、1個から4個までの炭素原子を有するラジカルであり;
同様に、ハロアルキルラジカル及びハロアルコキシラジカルは、好適には1個から4個までの炭素原子を有しており;
これらのハロアルキルラジカル及びハロアルコキシラジカルは、1つもしくはそれ以上のハロゲン原子を担持していてよく、このタイプの好適なラジカルは−CF及び−OCFを含む。]で表される殺虫性化合物を使用する。
【0031】
一つの好適な変形態様によれば、本発明による方法は、上述の式中の:
が−CNを表し;及び/又は
が−NRを表し;及び/又は
及びRが、水素原子、アルキルまたはハロアルキルラジカル、及び−C(O)アルキルから独立的に選択され;及び/又は
Xが−C−R12を表し;及び/又は
13が、ハロゲン原子、ハロアルキルまたはハロアルコキシラジカル、及び−SFから選択される;
化学式(I)の殺虫性化合物(A)を使用する。
【0032】
特別に有利な一つの変形態様によれば、本発明による保護または処理方法は、殺虫性化合物(A)としてFipronil(フィプロニル)、化学名5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾールを使用する。
【0033】
本発明による方法の別の有利な実施形態によれば、使用される化合物(B)は、化学式(II):
【0034】
【化4】
Figure 0004907029
[式中:
及びRは、独立的に、CないしCアルキルラジカルまたはCないしCハロアルキルラジカルまたはハロゲン原子、または置換されているかもしくは置換されていないフェニル基を表し;及び/又は
は、−CN基、または水素原子、またはCないしCアルキルラジカルを表し;及び/又は
は、置換されているかまたは置換されていないフェニル基を表す。]で表される化合物である。
【0035】
別の有利な実施形態によれば、本発明による方法で使用される化合物(B)は、
及びRが、独立的に、臭素原子もしくは塩素原子、またはメチルラジカルまたはイソプロピルラジカルまたはパラ−クロロフェニルラジカル、またはトリフルオロメチルラジカルを表し;及び/又は
が、置換されているかまたは置換されていないフェノキシベンジル基を表す;
化学式(II)の化合物である。
【0036】
更に別の有利な実施形態によれば、本発明による方法で使用される化合物(B)は、
が、ハロフェノキシベンジル基を表す;
化学式(II)の化合物である。
【0037】
適切な場合、本発明による方法で使用する際には、化学式(II)の化合物(B)は、特定の異性体の形態であってもよいし、あるいは、幾つかの異性体からなる混合物の形態であってもよく、更には、化学式(II)で表される幾つかの化合物の混合物の形態であってさえよい。
【0038】
しかし、本発明による保護または処理方法の使用に際する殺虫性化合物(B)として使用されるピレスロイド群の化合物に関しては、好適に使用されるそれらの化合物は:
ビフェンスリン、または、2−メチルビフェニル−3−イルメチル−(Z)−(1RS、3RS)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルーシクロプロパンカルボキシラート;
シフルスリン、または、(R、S)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1RS、3RS;1RS、3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;
シハロスリン、または、(R、S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(Z)−(1RS、3RS)−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;
シペルメスリン、または、(R、S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS、3RS;1RS、3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;
アルファ−シペルメスリン、または、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R、3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートと(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1S、3S)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを含むラセミ混合物;
ベータ−シペルメスリン、または、以下の2種類の鏡像異性体対、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R)−シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート及び(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1S)−シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート並びに(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート及び(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1S)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを2:3の比で含む反応混合物;
シータ−シペルメスリン、または、以下の鏡像異性体、(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1S、3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート及び(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R、3S)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートの1:1の比における混合物;
ゼータ−シペルメスリン、または、以下の立体異性体、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS、3RS;1RS、3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートの混合物(この混合物における鏡像異性体対(S)−(1RS、3RS)及び(S)−(1RS、3SR)の比は、それぞれ、45/55から55/45までの間である);
デルタメスリン、または、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R、3R)−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;
フェンプロパスリン、または、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート;
フェンバレラート、または、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチラート;
フルメスリン、または、α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル;
ペルメスリン、または、3−フェノキシベンジル(1RS、3RS;1RS、3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;
フェノスリン、または、3−フェノキシベンジル(1RS、3RS;1RS、3SR)−2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロプ−1−エニル)−シクロプロパンカルボキシラート;
テフルスリン、または、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル(Z)−(1RS、3RS)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;
トラロメスリン、または、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R、3S)−2,2−ジメチル−3−[(RS)−1,2,2,2−テトラブロモエチル]−シクロプロパンカルボキシラート;
フルシスリナート、または、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(S)−2−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−3−メチルブチラート;
タウ−フルバリナート、または、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジルN−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−D−バリナート;
からなるグループから選択される化合物である。
【0039】
更に、本発明による方法を実施するときに使用され得るピレスロイド群の化合物は、それらのうちの幾つかは、それら自体が、特定の殺虫特性を有しているか、あるいは、殺虫活性を有しており、同時に、農業での使用に、特には作物を処理または保護するための使用に許容できることが知られている。
【0040】
本発明による方法の異なる変形態様では、殺虫性化合物(A)及び(B)は、有効であるが、植物に有害な作用を及ぼさない用量で使用される。
【0041】
本発明による様々な方法で使用されるピラゾール基を含む殺虫性化合物(A)に関して、欧州特許または特許出願EP−A−0 295 117号、EP−A−0 460 940号、またはEP−A−0 484 165号、並びに、国際特許出願WO 98/28279号にそれぞれ開示されているものも引用することができる。
【0042】
更に、殺虫性化合物(B)を調製するための方法に関して、書物「電子殺虫剤マニュアル(The Electronic Pesticide Manual)第1.0版」(英国作物保護会議(British Crop Protection Council)より、Clive Tomlin編集)を引用することができる。
【0043】
別に述べられている場合を除き、本明細書全体を通じ、使用される殺虫性化合物(A)及び(B)は、特にはこれらの化合物、物質、または材料の殺虫特性の故に、優先順位を設けることなく、但し、本発明の精神から逸脱することなく、活性材料または活性化合物または殺虫性化合物または活性物質または殺虫性物質のいずれかの表現で示されることがある。
【0044】
好適には、また、本発明による方法を実施するときの実際の使用においては、上に記載されている種々の殺虫性物質(A)及び(B)は、単独ではまれにしか使用されない。
【0045】
このように、これらの殺虫性活性材料(A)及び(B)は、本発明による方法においてこれらを使用する場合、場合によっては少なくとも1つの界面活性剤及び/又は1つもしくはそれ以上の補助剤を伴って、通常、特には農業の分野で使用することができる固体または液体の担体と組み合わされる。
【0046】
特には、昆虫から植物を保護するのに有用な本発明によるこれらの方法は、活性材料として、上で説明された通りの少なくとも1つの殺虫性化合物(A)または(B)を、有利には農学的に許容可能な固体または液体の担体、及び/又は、これも農学的に許容可能な界面活性剤と組み合わせて使用する。
【0047】
詳細には、使用され得る担体は、通常の不活性な担体であり、同様に、使用され得る界面活性剤は、農業での使用を意図した組成物の調合、特には、本発明の場合のように、作物を処理または保護するための組成物の調合において普通に用いられる界面活性剤である。
【0048】
本発明の目的に則って上述の化合物(A)及び(B)と組み合わせ得る種々の化合物または補助剤についてのより詳細な説明は、本明細書において後に開示される特定の展開の主題となるであろう。
【0049】
通常、本発明による方法は、殺虫性化合物(A)及び(B)が複合されているか、あるいは、別々に使用される2つの活性材料の形態であるかに関わらず、これらの殺虫性化合物を0.00001%から100%までの範囲、好適には0.001%から80%までの範囲で含む調合物を使用する。
【0050】
しかし、通常、本発明による方法は、殺虫性化合物(A)と殺虫性化合物(B)を同時に組み合わせる。
【0051】
別に述べられている場合を除き、本説明全体及び後の特許請求項で使用されている、もしくは記載されている割合及び百分率は、重量をベースとした割合または百分率である。
【0052】
より一般的には、殺虫性化合物(A)及び(B)は、本発明による方法で使用される場合、通常の調合技術、特には農業での使用または利用を意図した製品または組成物の調合に相応する何らかの固体または液体の添加剤と組み合わせることができる。
【0053】
本発明による処理及び/又は保護のプロセスもしくは方法の中でもとりわけ好適なものは、作物を処理及び/又は保護するために使用されるプロセスまたは方法である。
【0054】
本発明による方法の上述の使用は、様々な形態に従って、特には非常に広範囲の種々の適用法を用いて実施できるが、また、異なる適用技術に従って実施することもでき、あるいは、異なるタイプや種類または科の草木あるいは植物を保護するため、あるいは、異なるタイプまたは種の節足動物、特には害虫を退治もしくは抑制するために使用することもできる。
【0055】
本発明による方法で有益に実施される様々な適用方法に関して、同時に、別々に、交互に、もしくは逐次適用する方法が特に可能である。
【0056】
しかし、通常、本発明による方法において有益で、且つ、好適な適用方法は、殺虫性化合物(A)及び(B)を同時に適用する方法からなる。
【0057】
しかし、本発明による方法の比較的有利な変形態様においては、殺虫性化合物(A)及び(B)を交互に適用する方法を使用する。
【0058】
本発明による方法を実施するのに有用な別の適用方法は、殺虫性化合物(A)及び(B)の逐次適用に関するものである。そのような逐次適用方法は、特に、殺虫性化合物(A)を数回適用し、続いて、殺虫性化合物(B)を数回適用する形態をとることができる。言うまでもなく、殺虫性化合物(B)を数回適用し、続いて、殺虫性化合物(A)を数回適用することからなる逆の逐次適用方法も、本発明の方法の一部を形成する。
【0059】
これまで説明してきた本発明による方法を実施するための異なる変形態様は、相互にそれらの全体もしくは一部を組み合わせたり連合させることもできる。当技術分野における熟練者であれば、彼がもくろむ殺虫性化合物(A)及び(B)の使用に最も合った、本発明による適用方法の連合または組み合わせを如何にして決定するかは、容易に理解されよう。
【0060】
これまでに説明してきた本発明による方法を実施するための様々な方法の他、上述の方法は、かなり多数の適用技術を使用することもできる;例えば、そのような技術の中でも特に名前を挙げ得る技術は、散布法(dusting)、浸漬法、噴霧法、燻蒸法、または煙霧法等である。
【0061】
特には処理すべき植物または草木の部分に応じて、本発明による方法にとって有用な適用方法の他の変形態様が存在する。
【0062】
従って、本発明による方法は、植物繁殖材料または種子、特には穀粒や、塊茎、または地下茎を処理または保護するため;根を処理するため、または、植物の茎もしくは葉を処理するために;並びに、根や、あるいは果実、または、実質的な経済価値もしくは農業経済価値を有する植物の他の部分を処理するため;に実施することができる。
【0063】
更に、本発明による上述の方法は、植物の発育過程における多くの段階で植物を処理するため、特には種子や、苗、または移植した苗、移植した植物、あるいは植物を処理するために実施することができる。
【0064】
また、耕作中の土壌や耕作すべき土壌を処理するために実施される方法も、本発明の一部を形成する。
【0065】
しかし、特に有利な様式では、本発明による方法は、処理すべき植物に対して葉への適用により処理するために、殺虫性化合物(A)及び(B)を使用する。更に一層有利には、そのような処理は、噴霧により実施される。
【0066】
同様に、種子を処理するための本発明による上述の方法は、特に有利である。
【0067】
殺虫性化合物(A)及び(B)により本発明に従って植物を処理または保護するための方法は、穀類または市場向け菜園作物、特には米や、小麦、大麦、またはライ麦を処理または保護するために実施される場合、並びに、トウモロコシや、サトウモロコシ、ヒマワリ、大豆、あるいは、代替的に綿や、エンドウ、セイヨウアブラナ、ジャガイモ、野菜または果実作物、ビート、タマネギ、キャベツ、トマト、豆類、レタス等を処理または保護するために実施される場合、特に有利である。
【0068】
本発明による植物を処理または保護するための上述の方法は、米を処理するために使用したときに、特に有利な結果を与える。米の種類がハイブリッド種であるか否かに関わらず、数多くの米の種類で特に有利な結果が得られる。Oryza sativa種を処理または保護するために有益に実施される本発明による方法も、非常に満足のいく結果を与える。
【0069】
本明細書の先の展開から明らかなように、本発明による方法は、予防的な処理と治療的な処理の両方に有用であり得る。
【0070】
殺虫性化合物(A)と殺虫性化合物(B)を用いる本発明による方法は、有利には、有害な節足動物、特には有害な昆虫を退治もしくは抑制するために実施される。
【0071】
従って、本発明による上述の方法は、有利には、以下の科、Delphacidae sp.、特にはNilaparvata lugens、Nilaparvata oryzae、及びSogatella furcifera;及び/又は、Cicadellidae sp.、特にはEmpoasca decipiens、Nephotettix apicalisi、Nephotettix impicticeps、Nephotettix cincticeps、及びNilaparvata oryzae;及び/又は、Pyralidae sp.、特にはTryporyza incertulas、Tryporyza innotata、Cnaphalocrosis medinalis、Chilo loftini、Chilo suppressalis、Chilo indicus、及びChilotraea plejadellus;Tylenchidae sp.、特にはDitylenchus dipsaci、Ditylenchus angustus、及びDitylenchus radicicolus;及び/又は、Noctuidae sp.、特にはSesamia interens、Sesamia calamistis、及びSesamia cretica;及び/又は、Pentatomidae sp.、特にはScotinophara lurida、及びScotinophara coarctata;及び/又は、Plutellidae sp.、特にはPlutella xylostella;及び/又は、Tortricidae sp.、特にはArchips breviplicanus;及び/又は、Cecidomyiidae sp.、特にはOrselia oryzae、及びPachydiplosis oryzae;の昆虫を退治もしくは抑制するために使用される。
【0072】
本発明による方法を実行する別の方法によれば、それらの方法は、有利には、土壌で生まれる害虫、特には、少なくとも一時期を土壌中で生活し、この期間に作物に損害をもたらす害虫を退治または抑制するために実施される。
【0073】
従って、土壌で生まれるそのような害虫は、とりわけ、Aeneolamia sp.、Agrotis sp.、Agriotes sp.、Araecerus sp.、Aulacophora sp.、Atherigona sp.、Cerotoma sp.、Chilo sp.、Cylas sp.、Delia sp.、Diabrotica sp.、Diaprepes sp.、Elasmopalpus sp.、Frankliniella sp.、Graphognathus sp.、Gryllotalpa sp.、Hypomeces sp.、Heteronychus sp.、Holotrichia sp.、Hydraecia sp.、Hylemia sp.、Leucopholis sp.、Lepidiota sp.、Limonius sp.、Listroderes sp.、Loxostege sp.、Mamestra sp.、Melolontha sp.、Oscinella sp.、Ostrinia sp.、Otiorhynchus sp.、Phyllophaga sp.、Phyllotreta sp.、Popillia sp.、Pseudococcus sp.、Psila sp.、Psylloides sp.、Sitona sp.、Spoladea sp.、Tanymecus sp.、Thrips、およびTribolium sp.を挙げることができる。
【0074】
更には、本発明による方法は、以下のものに対しても同様に非常に有利である:
−鱗翅目の昆虫、特には、Pectinophora gossypiella、Bupalus piniarius、Cheimatobia brumata、Lithocolletis blancardella、Hyponomeuta padella、Plutella sp.、例えばPlutella xylostella、Malacosoma neustria、Euproctis chrysorrhoea、Lymantria sp.、例えばBucculatrix thurberiella、Phyllocnistis citrella、Agrotis sp.、例えばAgrotis segetum、Agrotis ipsilon、Euxoa sp.、Feltia sp.、Earias insulana、Heliothis sp.、例えばHelicoverpa armigera、Helicoverpa armigera、Helicoverpa zea、Laphygma exigua、Mamestra brassicae、Panolis flammea、Prodenia litura、Spodoptera sp.、例えばSpodoptera littorallis、Spodoptera litura、Spodoptera exigua、Trichoplusia ni、Cydia pomonella、Pieris sp.、Chilo sp.、例えばChilo suppressalis、Pyrausta nubilalis、Ephestia kuehniella、Galleria mellonella、Cacoecia podana、Capua reticulana、Choristoneura fumiferana、Clysia ambiguella、Hofmannophila pseudospretella、Homona magnanima、Tineola bisselliella、Tinea pellionella、Elasmopalpus sp.、Hydraecia sp.、Loxostege sp.、Ostrinia sp.、Spoladea sp.、例えばTortrix viridana;
−鞘翅目の昆虫、特には、Anobium punctatum、Rhizopertha dominica、Bruchidius obtectus、Acanthoscelides obtectus、Hylotrupes bajulus、Agelastica alni、Leptinotarsa decemlineata、Phaedon cochleariae、Diabrotica sp.、例えばDiabrotica undecimpunctata、Diabrotica virgifera、Psylloides chrysocephala、Epilachna varivestis、Atomaria sp.、例えばAtomaria linearis、Oryzaephilus surinamensis、Anthonomus sp.、例えばAnthonomus grandis、Otiorhynchus sulcatus、Cosmopolites sordidus、Ceuthorrynchus assimilis、Hypera postica、Dermestes sp.、Ttogoderma sp.、Anthrenus sp.、Attagenus sp.、Lyctus sp.、例えばMeligethes aeneus、Ptinus sp.、例えばNiptus hololeucus、Gibbium psylloides、Tribolium sp.、例えばTenebrio molitor、Agriotes sp.、例えばAgriotes lineatus、Conoderus sp.、例えばMelolontha melolontha、Amphimallon solstitialis、Aeolus sp.、Araecerus sp.、Aulacophora sp.、Cerotoma sp.、Chaetocnema sp.、Cylas sp.、Diaprepes sp.、Graphognathus sp.、Heteronychus sp.、Holotrichia sp.、Hypomeces sp.、Leucopholis sp.、Lepidiota sp.、Limonius sp.、Listroderes sp.、Melanotus sp.、Phyllotreta sp.、Phyllophaga sp.、Popillia sp.、Sitona sp.、Tanymecus sp.、例えばCostelytra zealandica;もしくは
−双翅目の昆虫、特には、Drosophila melanogaster、Chrysomyxa sp.、Hypoderma sp.、Tannia sp.、Bibio hortulanus、Oscinella frit、Phorbia sp.、Pegomyia hyoscyami、Ceratitis capitata、Dacus oleae、Tipula sp.、Tipula paludosa、Atherigona sp.、Delia sp.、Hylemia sp.、Psila rosae、Tipula oleracea。
【0075】
本発明による方法の好適な使用によれば、これらの方法は、以上で挙げた数種類の害虫を同時に退治するために実施される。このケースでは、これらの方法は、損害をもたらす一群の昆虫を抑制するための方法と称される。
【0076】
更に一層好適な使用によれば、損害をもたらす一群の昆虫を抑制または処理するためのそのような方法は、ある与えられた作物を処理または保護するために実施される。
【0077】
更に一層好適には、本発明による方法は、米作物を荒らす昆虫を抑制または処理するための方法において実施される。
【0078】
本発明に従って害虫を抑制または退治するための方法は、特には卵や、それらの発育段階に関わらない幼虫、さなぎ、または亜成虫を抑制するため、あるいは、代替的に、成虫期にある節足動物または昆虫を抑制するため、それらの昆虫の一生または発育過程における様々な段階で実施することができる。
【0079】
その上、上述の方法は、単離された昆虫と、そのような昆虫の群体との両者に対して実施することができ、更には、そのような昆虫がはびこっている間にも実施することができる。
【0080】
本発明による処理または保護の方法でそれらを使用する場合、殺虫性化合物(A)及び(B)は、特には作物のタイプに応じて、また、それらの昆虫による攻撃の毒性、性状、及び程度に応じて、更には、気候や土壌の条件に応じて、広い範囲で変わり得る量で使用される。
【0081】
有利には、本発明による処理または保護の方法では、殺虫性化合物(A)、好適にはFipronil(フィプロニル)は、0.5g/haから500g/haまでの範囲の量、好適には2g/haから100g/haまでの範囲の量で使用される;また、好適にはビフェンスリン、シフルスリン、シハロスリン、シペルメスリン、アルファ−シペルメスリン、ベータ−シペルメスリン、シータ−シペルメスリン、ゼータ−シペルメスリン、デルタメスリン、フェンプロパスリン、フェンバレラート、フルメスリン、ペルメスリン、フェノスリン、テフルスリン、トラロメスリン、フルシスリナート、及びタウ−フルバリナートから選択される化合物の一つである殺虫性化合物(B)に関しては、0.5g/haから1000g/haまでの範囲の量、好適には1g/haから500g/haまでの範囲の量で使用される。
【0082】
より一層有利には、本発明による処理または保護の方法では、殺虫性化合物(A)及び(B)は、殺虫性化合物(A)に関しては2g/haから100g/haまでの範囲の量、そして、殺虫性化合物(B)に関しては1g/haから500g/haまでの範囲の量からなる、個々の量で同時的に使用される。
【0083】
重量比A/Bは、一般的には0.0005から250までの間であり、好適には0.05から10までの間である。その一部として、重量比B/Aは、一般的には0.004から2000までの間であり、好適には0.1から20までの間である。
【0084】
これまでに指摘されているように、上述の比A/Bは、使用される殺虫性化合物(A)及び(B)の量の重量比である。
【0085】
適当な場合、及び、最も好適な様式の場合、本発明による方法では、使用されるフィプロニルの量とデルタメスリンの量との比は、0.1から5までの間であり、好適には0.5から3までの間である。同様に、フィプロニルの量とシペルメスリンの量との比は、0.05から10までの間であり、好適には0.15から6までの間である。
【0086】
葉への適用で、本発明による処理または保護の方法において使用される殺虫性化合物(A)及び(B)の量に関して、50l/haから1500l/haまでの間、好適には200l/haから800l/haまでの間の希釈後、特には水での希釈後、特に満足のいく結果が得られる。
【0087】
本発明による処理または保護の方法でこれらを使用する場合、殺虫性化合物(A)及び(B)は、同時に適用されてもよいが、本発明による上述の方法の使用時にその場で調製されてもよい。
【0088】
本発明による上述の方法の別な実施形態によれば、殺虫性化合物(A)及び(B)は、別々に適用することもできる。
【0089】
本発明の別な態様は、上の展開の主題であった本発明による方法において使用され得る殺虫性化合物に関するものである。
【0090】
一つの特に有利な様式では、本発明による組成物は、上で定義された通りの殺虫性化合物(A)と殺虫性化合物(B)を含む。
【0091】
従って、本発明による組成物は、好適には、ピラゾール基を含む殺虫性化合物(A)と、ピレスロイド族から選択される殺虫性化合物(B)とを含む。
【0092】
有利には、本発明による組成物は、フェニルピラゾール群から選択される殺虫性化合物(A)を含む。
【0093】
より有利には、本発明による上述の組成物は、化学式(I)で表される殺虫性化合物を含み、ここで:
は、−CNまたはメチルラジカルまたはラジカル−C(S)NHまたはラジカル−C(=N−Y)Zを表し;
は、−S(O)を表し;
は、アルキルまたはハロアルキルラジカルを表し;
は、水素原子、ハロゲン原子、及び−NR、−C(O)OR、−S(O)、アルキル、ハロアルキル、−ORまたは−N=C(R)(R10)であってよいラジカルからなるグループから選択され;
及びRは、水素原子、アルキルまたはハロアルキルラジカル、−C(O)アルキル、−C(O)OR、及び−S(O)CFから独立的に選択されるか;または、RとRが一緒になって、1つもしくはそれ以上のヘテロ原子で中断されてよい二価ラジカルを形成し;
は、アルキルラジカル及びハロアルキルラジカルから選択され;
は、アルキルラジカル、ハロアルキルラジカル、及び水素原子から選択され;
は、水素原子及びアルキルラジカルから選択され;
10は、1つもしくはそれ以上のヒドロキシルラジカル、ハロゲン原子、−O−アルキル、−S−アルキル、シアノもしくはアルキルラジカル、またはそれらの組み合わせで場合によって置換された、フェニルラジカル及びヘテロアリールラジカルから選択され;
Xは、窒素原子、及びラジカルC−R12から選択され;
Yは、置換されているかまたは置換されていない、ヒドロキシル、アミノ、アミノカルボニル、アルコキシ、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アリールカルバモイル、アルキルカルバモイル、及びピラゾール基から選択され;
Zは、ヒドロキシル、アミノ、アミノカルボニル、アルコキシ、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アリールカルバモイル、及びアルキルカルバモイル基から選択され;
11及びR12は、ハロゲン原子及び水素原子から独立的に選択され;
13は、ハロゲン原子、ハロアルキルまたはハロアルコキシラジカル、−S(O)CF、及び−SFから選択され;
m、n、q、及びrは、0、1、及び2から独立的に選択され;
但し、Rがメチルラジカルを表すときには、Rはハロアルキルラジカルを表し、Rは−NHを表し、R11はClを表し、R13は−CFを表し、そして、XはNを表すことを条件とし;
上記の化学式(I)のアルキルラジカル及びアルコキシラジカルは、好適には低級のアルキルラジカル及び低級のアルコキシラジカル、即ち、1個から4個までの炭素原子を有するラジカルであり;
同様に、ハロアルキルラジカル及びハロアルコキシラジカルは、好適には1個から4個までの炭素原子を有しており;
これらのハロアルキルラジカル及びハロアルコキシラジカルは、1つもしくはそれ以上のハロゲン原子を担持していてよく、このタイプの好適なラジカルは−CF及び−OCFを含む。
【0094】
別の好適な実施形態によれば、本発明による組成物は、
が−CNを表し;及び/又は
が−NRを表し;及び/又は
及びRが、水素原子、アルキルまたはハロアルキルラジカル、−C(O)アルキル、及びC(O)ORから独立的に選択され;及び/又は
Xが−C−R12を表し;及び/又は
13が、ハロゲン原子、ハロアルキルまたはハロアルコキシラジカル、及び−SFから選択される;
化学式(I)の殺虫性化合物(A)を含む。
【0095】
別の特に有利な実施形態によれば、本発明による組成物は、殺虫性化合物(A)としてFipronil(フィプロニル)、化学名5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾールを含む。
【0096】
本発明による組成物における殺虫性化合物(B)として普通使用されるピレスロイド群の化合物に関して述べれば、好適に使用されるものは、化学式(II)で表される化合物であり、ここで:
及びRは、独立的に、CないしCアルキルラジカルまたはCないしCハロアルキルラジカル、もしくはハロゲン原子、あるいは、置換されているかまたは置換されていないフェニル基を表し;
は、−CN基または水素原子、またはCないしCアルキルラジカルを表し;
は、置換されているかまたは置換されていないフェニル基を表す。
【0097】
有利には、そして、本発明による組成物の別な実施形態によれば、使用される化合物(B)は、
及びRが、独立的に、臭素原子または塩素原子、あるいは、メチルラジカルまたはイソプロピルラジカルまたはパラ−クロロフェニルラジカル、もしくはトリフルオロメチルラジカルを表し;及び/又は
が、置換されているか、または置換されていないフェノキシベンジル基を表す;
化学式(II)の化合物である。
【0098】
本発明による組成物の更に別の有利な実施形態は、上述の式中の:
が、ハロフェノキシベンジル基を表す;
化学式(II)の化合物(B)を使用する。
【0099】
適切な場合、本発明による組成物では、化学式(II)の化合物(B)は、特定の異性体の形態で使用することもできるし、あるいは、幾つかの異性体からなる混合物の形態で使用することもでき、更には、化学式(II)で表される幾つかの化合物の混合物の形態で使用することさえできる。
【0100】
しかし、本発明による組成物における殺虫性化合物(B)として使用されるピレスロイド群の化合物に関しては、好適に使用されるそれらの化合物は:
ビフェンスリン、または、特には0.25から0.9までの間のA/B比における2−メチルビフェニル−3−イルメチル(Z)−(1RS、3RS)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;
シフルスリン、または、特には0.25から0.9までの間のA/B比における(R、S)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1RS、3RS;1RS、3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;
シハロスリン、または、特には0.1から5までの間のA/B比における(R、S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(Z)−(1RS、3RS)−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;
シペルメスリン、または、特には0.25から0.9までの間のA/B比における(R、S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS、3RS;1RS、3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;
アルファ−シペルメスリン、または、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R、3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートと(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1S、3S)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを含むラセミ混合物;
ベータ−シペルメスリン、または、以下の2種類の鏡像異性体対、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R)−シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート及び(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1S)−シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート並びに(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート及び(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1S)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを2:3の比で含む反応混合物;
シータ−シペルメスリン、または、以下の鏡像異性体、(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1S、3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート及び(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R、3S)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートの1:1の比における混合物;
ゼータ−シペルメスリン、または、以下の立体異性体、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS、3RS;1RS、3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートの混合物(この混合物における鏡像異性体対(S)−(1RS、3RS)及び(S)−(1RS、3SR)の比は、それぞれ、45/55から55/45までの間である);
デルタメスリン、または、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R、3R)−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;
フェンプロパスリン、または、特には0.1から5までの間の比における(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート;
フェンバレラート、または、特には0.15から0.45までの間の比における(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチラート;
フルメスリン、または、α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル;
ペルメスリン、または、特には0.1から0.8までの間の比における3−フェノキシベンジル(1RS、3RS;1RS、3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;
フェノスリン、または、3−フェノキシベンジル(1RS、3RS;1RS、3SR)−2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロプ−1−エニル)−シクロプロパンカルボキシラート;
テフルスリン、または、特には0.1から5までの間の比における2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル(Z)−(1RS、3RS)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート;
トラロメスリン、または、特には0.6から0.9までの間の比における(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R、3S)−2,2−ジメチル−3−[(RS)−1,2,2,2−テトラブロモエチル]−シクロプロパンカルボキシラート;
フルシスリナート、または、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(S)−2−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−3−メチルブチラート;
タウ−フルバリナート、または、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジルN−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−D−バリナート;
からなるグループから選択される化合物である。
【0101】
通常、本発明による組成物において使用される殺虫性化合物(A)及び(B)は、1つもしくはそれ以上の担体、及び/又は、それらを調合するのに有用な1つもしくはそれ以上の物質と組み合わされる。従って、適当な場合、本発明による組成物は、99%までの担体、及び/又は、25%までの1つもしくはそれ以上の界面活性剤、及び/又は、25%までの1つもしくはそれ以上の調合剤を含むことができる。
【0102】
また、通常、本発明による組成物は、殺虫性化合物(A)及び(B)が複合されているか、あるいは、別々に使用される2つの活性材料の形態であるかに関わらず、これらの殺虫性化合物を0.00001%から100%までの範囲、好適には0.001%から80%までの範囲で含んでいる。
【0103】
2つの活性材料(A)及び(B)を一緒に使用する場合、本発明による上述の組成物は、上で説明されている量で使用することができるが、また、比A/Bが0.0005から250までの間、好適には0.05から10までの間になるようにして使用することもできる。
【0104】
本発明による組成物においてそれらを使用する場合、化合物(A)及び(B)は、場合によっては1つもしくはそれ以上の界面活性剤と共に、また、場合によっては1つもしくはそれ以上の調合剤もしくは補助剤と共に、通常、1つもしくはそれ以上の担体と組み合わされる。
【0105】
本説明では、「担体」という用語は、特には本組成物の植物への適用を、あるいは種子への適用を、または土壌への適用を可能にするための、活性材料(A)及び/又は(B)が本発明による組成物における、有機質または無機質の天然材料または合成材料を示している。
【0106】
従って、この担体は、一般には不活性であり、そして、通常は、特に処理される植物に対して農学的に許容可能でなければならない。
【0107】
本発明による方法における化合物(A)及び/又は(B)の調合で使用され得る担体は、固体または液体であってよい。
【0108】
使用され得る固体の担体の例として、天然または合成のケイ酸塩、樹脂、ワックス、クレーの微粉末または顆粒、特にはカオリンクレーの、珪藻土の、ベントナイトの、もしくは酸性土の微粉末または顆粒、合成の水和酸化ケイ素、タルク、セラミックス、及び、絹雲母、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、及び水和シリカを含む他の無機質、あるいは、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、または塩化アンモニウム等の工業用肥料を挙げることができる。
【0109】
使用され得る液体の担体の例として、水、アルコール、特にはメタノールまたはエタノール、ケトン、特にはアセトン、メチルエチルケトン、またはシクロヘキサノン、石油留分、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、またはメチルナフタレンを含む芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、または軽油を含む非芳香族炭化水素、液化ガス、酢酸エチル及び酢酸ブチルを含むエステル、アセトニトリル及びイソブチロニトリルを含むニトリル、ジイソプロピルエーテル及びジオキサンを含むエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミドを含むアミド、ジクロロメタン、トリクロロエタン、及び四塩化炭素を含むハロゲン化炭化水素、ジメチルスルホキシド、及び、大豆油及び綿実油を含む植物油を挙げることができる。
【0110】
上述の1種類もしくそれ以上の界面活性剤は、乳化剤、分散剤、もしくは、イオン性型または非イオン性型の湿潤剤であってよい。
【0111】
例えば、ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩、またはナフタレンスルホン酸塩、脂肪族アルコールまたは脂肪酸あるいは脂肪族アミンとのエチレンオキシドの縮合重合体、置換されているフェノール、特にはアルキルフェノールまたはアリールフェノール、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体、特にはアルキルタウラート、アルコールの、またはフェノールのポリオキシエチル化リン酸エステルを挙げることができる;最も特定的には、アルキルスルホナートの塩、アルキルアリールスルホナート、アルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンのそれらの誘導体、ポリエチレングリコールエーテル、多価アルコールエステル、糖誘導体、アルコール等を挙げることができる。
【0112】
これらの活性材料及び/又は不活性担体のうちの少なくとも1つが不溶性の場合、特に、その適用での媒介剤(vector agent)が水であるときには、水に不溶性の場合、少なくとも1つの界面活性剤の存在が一般的には不可欠である。
【0113】
また、本発明による組成物では、あらゆる種類の他の成分または物質を化合物(A)及び/又は(B)と組み合わせることもでき、例えば、保護コロイド、粘着剤、増粘剤、揺変剤、浸透剤、及び、リン酸水素イソプロピル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、及び3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールを含む安定剤、鉱油または植物油、脂肪酸またはそれらのエステル、金属イオン封鎖剤、及び、カゼイン、ゼラチン、サッカリド、特にはデンプン粉末、アラビアゴム、特定のセルロース誘導体またはアルギン酸、リグニン誘導体、ベントナイト、水溶性合成ポリマー、特にはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の分散剤、更には、殺虫特性を有することが知られている他の活性材料、特には殺虫剤または殺真菌薬;または、植物の生長を促進する特性を有していることが知られている他の活性材料、特には肥料;あるいは、植物または昆虫の成長を調節する特性を有していることが知られている他の活性材料等を組み合わせることができる。
【0114】
本発明による殺虫性組成物は、非常に広範囲な様々の形態をとることができ、特には固体または液体の形態であってよい。
【0115】
従って、本発明による上述の組成物は、かなり多くの調合物の形態をとることができ、中でもとりわけ、油状の液剤、乳化可能な濃縮物、水和剤、流動性調合物、特には水性懸濁剤または水性乳剤、顆粒剤、粉末剤、エアロゾル剤、及び、自己燃焼式の燻蒸性調合物または化学反応を包含する燻蒸性調合物を含む燻蒸性調合物、噴霧用調合物、特には噴霧用調合物、非常に低容量の調合物、ペースト、乳剤、濃縮懸濁剤、更には、これらの様々な形態の可能な混合物、連合物、または組み合わせ物を挙げることができる。
【0116】
通常、散布または分散用の粉末剤等の調合物の場合、殺虫性化合物(A)及び(B)の内容量は100%までの量が可能であり、同様に、顆粒剤の形態における調合物、特には押出しや、圧縮固化、顆粒状担体の含浸、もしくは粉末を用いた顆粒化により得られる顆粒剤の形態の調合物の場合には、本発明によるこれらの顆粒剤中の殺虫性化合物(A)及び(B)の内容量は、通常、0.5%から80%までの間である。
【0117】
濃縮組成物と呼ばれる、乳化可能な濃縮物または可溶性濃縮物の形態を為す殺虫性化合物(A)と殺虫性化合物(B)を含む本発明による殺虫性組成物は、通常、25%から100%までの活性材料を含んでいる。直ぐに適用できる状態の乳剤または液剤自体は、0.00001%から20%までの活性材料を含んでいる。
【0118】
言うまでもなく、「活性材料」という表現は、本説明全体を通じて、適当な箇所では、単独の活性材料、即ち、殺虫性化合物(A)または(B)と解釈すべきであるが、場合によっては、これらの2つの活性材料の組み合わせとしても解釈すべきである。
【0119】
溶媒に加え、上述の乳化可能な濃縮物は、必要な場合、以上で述べられている安定剤、界面活性剤、浸透剤、腐食抑制剤、着色剤、または粘着剤等の2%から20%の適当な添加剤を含むこともできる。
【0120】
噴霧によっても適用可能な濃縮懸濁剤の形態における本発明による殺虫性組成物は、沈殿してしまわない安定な流動性製品が得られるように調製される。それらは、通常、2%から75%までの活性材料、0.5%から15%までの界面活性剤、0.1%から10%までのチキソトロピー剤、及び、泡止め剤、腐食抑制剤、安定剤、浸透剤、及び粘着剤等の0%から10%までの適当な添加剤、並びに、担体としての、その中で片方または両方の活性材料が不溶性であるかもしくは僅かにしか溶解しない、水または有機性液体、あるいは、幾つかのこれらの有機溶媒または無機溶媒の混合物を含む。
【0121】
沈殿を停止もしくは防止するため、特定の固形の有機材料または無機塩をその担体に溶解させることができる。あるいは、そのような材料を水に対する凍結防止剤として使用することもできる。
【0122】
水和剤または噴霧用粉末剤の形態を為す本発明による殺虫性組成物は、通常、それらが20%から95%までの活性材料を含むように調製される。
【0123】
更に、それらは、通常、固体の担体の他に、0%から5%までの湿潤剤、3%から10%までの分散剤、及び、適当な場合には、0%から10%までの、1つもしくはそれ以上の安定剤及び/又は浸透剤、粘着剤、抗ケーキング剤、着色剤等の他の添加剤を含む。
【0124】
これらの噴霧用粉末剤または水和剤を得るため、上述の片方または両方の活性材料は、適当な混合機内において、付加的な物質と直接的に混合され、その後、製粉機または他の適当な粉砕器を用いて粉砕される。このようにして、特に有利な湿潤性及び懸濁性を持った噴霧用粉末剤が得られる。それらは、あらゆる所望濃度にまで水中に懸濁させることができる。
【0125】
水和剤というよりむしろペーストの形態を為す本発明による殺虫性組成物を調製することもできる。
【0126】
これらのペーストの調製及び使用に関する条件並びに様式は、水和剤もしくは噴霧用粉末剤の場合と同様である。
【0127】
これまで述べられてきたような水性の分散液及び乳剤、例えば、本発明による水和剤または乳化可能な濃縮物を水で希釈することにより得られる殺虫性組成物は、本発明の全般的な範囲に包含される。
【0128】
上述の乳剤は、油中水型もしくは水中油型であってよく、また、濃厚な稠度または比較的濃厚な稠度を有していてよい。
【0129】
より一般的には、本発明による組成物は、数多くの調合形態を為していてよく;従って、殺虫性化合物(A)と殺虫性化合物(B)を含むこれらの組成物を、エアロゾル発生器;(直ぐに使用可能な)誘引剤(lure);誘引剤を調製するための濃縮物;ストック誘引剤;カプセル入り懸濁剤;低温噴霧製品;散布用粉末剤;乳化可能な濃縮物;水性/水性型の乳剤;油性/逆相型の乳剤;カプセル入りの顆粒剤;微細顆粒剤;種子処理用の濃縮懸濁剤;圧縮ガス;ガス生成製品;粒子(grain)上の誘引剤;顆粒化された誘引剤;高温噴霧製品;マクロ顆粒剤;マイクロ顆粒剤;油中に分散させる粉末剤;油中に希釈可能な濃縮懸濁剤;油混和性液剤;ペースト;農薬として使用するためのスティック;レンガ上の誘引剤;種子を乾性処理するための粉末剤;厚切り(chunks)上の誘引剤;処理またはコーティングされた種子;薫蒸性キャンドル;薫蒸性カートリッジ;薫蒸剤;薫蒸性顆粒剤;薫蒸性スティック;薫蒸性錠剤;薫蒸性の鉢;可溶性濃縮物;可溶性粉末剤;種子を処理するための液剤;濃縮懸濁剤(=流動性濃縮物);地下に埋める粉末剤;適用するための非常に低容量の液剤;適用するための非常に低用量の懸濁剤;蒸気散布品;水中に分散させる顆粒剤または錠剤;湿性処理用の水和剤;水溶性の顆粒剤または錠剤;種子を処理するための可溶性粉末剤;水和剤;として使用することが可能である。
【0130】
本発明の別な実施形態によれば、以上で説明されてきた本発明による様々な殺虫性組成物は、一般にタンク混合型と呼ばれる、その場で混合する形態をとることもできる。
【0131】
タンク混合型の形態におけるこれらの殺虫性組成物は、通常、希薄殺虫性組成物の形態を為している。
【0132】
このケースでは、本発明による殺虫性組成物は、殺虫性組成物(A)と(B)を別々に含む殺虫性組成物の形態を為しており、従って、これらの殺虫性組成物は、それらが適用されるとき、もしくは、適用する上述の希薄殺虫性組成物を調製するときに、混合する必要がある。
【0133】
タンク混合型として知られているこれらの殺虫性組成物は、通常、適用装置のタンク内で混合される。
【0134】
しかし、殺虫性化合物(A)と(B)を別々に含むこれらの殺虫性組成物は、特には希釈後、別々に適用してもよく、こうすることにより、適用現場で直接的に、上述の殺虫性化合物(A)及び(B)を含む本発明による殺虫性組成物の特性を得ることが可能になる。
【0135】
言うまでもなく、本発明による組成物、並びに、処理及び/又は保護方法の両者に対して想定され得る異なる変形態様または実施形態は、本発明の完全体を成すのに必要な一部を形成しており、更に、上述のそれらの異なる変形態様は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、相互に組み合わせたり連合させることができる。
【0136】
同様に、これまで説明してきた本発明の様々な態様を、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、相互に組み合わせたり連合させることができる。
【0137】
以下の実施例は、本発明の様々な態様、特には、上述の殺虫性組成物を用いる本発明による方法及び組成物に関する態様のより良好な例証となるであろう。しかし、これらの実施例は、決して本発明の範囲を制限するものではない。
【0138】
以下の方法実施例AからLは、本発明による特定の方法の例証を与えるであろう。
【0139】
また、これらの方法実施例により、本発明による方法に固有の多くの利点を明確にすることも可能になろう。
【0140】
方法実施例A
この方法実施例は、本発明による殺虫処理方法の一つの例証を与えることを意図したものである。
【0141】
実施した処理方法は、米作物が盛んに茂っている間の、黄色稲茎穿孔動物(yellow rice stem borer)、またはTryporyza incertulasに対する処理方法であった。本発明による方法を既知の殺虫処理方法と比較するため、同様な仕方で4つの画地を準備した。第一の画地は処理せずに放置され、第二の画地は活性材料としてフィプロニルで処理され、第三の画地はデルタメスリンで処理され、そして、第四の画地は、本発明による方法に従ってフィプロニルとデルタメスリンで処理される。
【0142】
種子を蒔き、次いで、育てた後、それらの米の苗を、3−葉ないし4−葉期で移植した。次いで、移植の7日後、上述の様々な活性材料を適用した。
【0143】
本発明によるこの方法で使用された調合物は、組成物実施例Aの調合物と同一である。
【0144】
活性材料の適用率と、得られた結果が表1にまとめられている。
【0145】
測定は、処理された害虫、即ち、Tryporyza incertulasに襲われたことにより枯れた稲芯(rice plant cores)の数を計数することにより実施した。このようにして計数すると、最小の計数値は、本発明による方法の実施後に得られ、一方、処理を施さなかった画地や、既知の仕方で処理した画地は、実質的にそれより大きな計数値を与える。
【0146】
このように、これらの結果は、本発明による方法が、従来より良好な殺虫効能を有しており、それと同時に、散布する活性材料の量の実質的な低減を可能にし、且つ、付随的に、環境への影響をも低減できることを示している。
【0147】
【表1】
Figure 0004907029
【0148】
従って、この方法実施例は、本発明による方法を使用することによりもたらされる利点、特には、処理した害虫に対して非常に満足のいく殺虫効能を有しているという観点での利点、更には、散布する活性材料の量を低減できるという観点での利点に関する完璧な例証を与える。
【0149】
方法実施例B
この方法実施例は、ヨコバイ(leafhoppers)、特にはNephotettix apicalisに対する殺虫処理に有用な本発明による方法の例証を与えるものである。
【0150】
本発明によるこの方法を、米作物の処理で実施した。
【0151】
その操作条件は、方法実施例Aの条件を再現し、且つ、応用した。
【0152】
使用した活性材料は、組成物実施例Aによる顆粒剤の形態の調合物におけるフィプロニル及びデルタメスリンであった。
【0153】
移植の25日後に、上述の片方または両方の活性材料を、対応する画地に適用した。
【0154】
適用した活性材料の率、及び、適用の14日後に得られた結果が表2にまとめられている。
【0155】
【表2】
Figure 0004907029
【0156】
このように、本発明によるこの方法を使用することにより得られたこれらの結果は、殺虫効能の観点と、散布する活性材料の量の低減の観点との両観点において、大いに満足のいくものである。
【0157】
方法実施例C
この方法実施例は、Nilaparvata lugensに対する殺虫処理に有用な本発明による方法の例証を与えるものである。
【0158】
その操作条件及び測定条件は、方法実施例Bの条件が再現され、且つ、応用されている。
【0159】
この実施例での活性材料の適用率及び結果が表3にまとめられている。
【0160】
【表3】
Figure 0004907029
【0161】
このように、本発明によるこの方法を使用することにより得られたこれらの結果は、殺虫効能の観点と、散布する活性材料の量の低減の観点との両観点において、大いに満足のいくものである。
【0162】
方法実施例D
本発明によるこの方法実施例は、米作物を荒らす昆虫を抑制することに付随して得られる米作物の収穫量における改善の例証を与えるものである。
【0163】
本発明によるこの処理方法実施例では、その作物の収穫量を、化合物(A)としてのフィプロニルと化合物(B)としてのシペルメスリンを同時に使用する本発明による上述の方法を実施することにより得られたこの収穫量の改善率と共に評価した。
【0164】
その操作条件及び測定条件は、方法実施例Bの条件が再現され、且つ、応用されている。
【0165】
この実施例での活性材料の適用率及び結果が表4にまとめられている。
【0166】
【表4】
Figure 0004907029
【0167】
このように、本発明によるこの方法を使用することにより得られたこれらの結果は、絶対収穫量の観点と、本発明による方法を使用することにより得られる改善度の点から見た相対収穫量の観点との両観点、更には、散布する活性材料の量の低減の観点においても、大いに満足のいくものである。
【0168】
方法実施例E
この方法実施例は、Nilaparvata lugensに対する殺虫処理に有用な本発明による方法の例証を与えるものである。
【0169】
その操作条件及び測定条件は、方法実施例Bの条件が再現され、且つ、応用されている。
【0170】
この実施例で使用した活性材料、それらの適用率、及び得られた結果が表5にまとめられている。
【0171】
【表5】
Figure 0004907029
【0172】
このように、本発明によるこの方法を使用することにより得られたこれらの結果は、殺虫効能の観点と、散布する活性材料の量の低減の観点との両観点において、大いに満足のいくものである。
【0173】
特に、害虫数の低減を達成し得るのは、化合物(A)及び(B)としてフィプロニル及びデルタメスリンを使用する本発明による処理方法だけである。
【0174】
処理方法F
この方法実施例は、Nilaparvata lugensに対する殺虫処理に有用な本発明による方法の例証を与えるものである。
【0175】
その操作条件及び測定条件は、方法実施例Bの条件が再現され、且つ、応用されている。
【0176】
この実施例で使用した活性材料、それらの適用率、及び得られた結果が表6にまとめられている。
【0177】
【表6】
Figure 0004907029
【0178】
このように、本発明によるこの方法を使用することにより得られたこれらの結果は、殺虫効能の観点と、散布する活性材料の量の低減の観点との両観点において、大いに満足のいくものである。
【0179】
特に、害虫数の低減を達成し得るのは、化合物(A)及び(B)としてフィプロニル及びシペルメスリンを使用する本発明による処理方法だけである。
【0180】
方法実施例G
この方法実施例は、Nephotettix apicalisに対する殺虫処理に有用な本発明による方法の例証を与えるものである。
【0181】
その操作条件及び測定条件は、方法実施例Bの条件が再現され、且つ、応用されている。
【0182】
この実施例で使用した活性材料、それらの適用率、及び得られた結果が表7にまとめられている。
【0183】
【表7】
Figure 0004907029
【0184】
このように、本発明によるこの方法を使用することにより得られたこれらの結果は、殺虫効能の観点と、散布する活性材料の量の低減の観点との両観点において、大いに満足のいくものである。
【0185】
方法実施例H
この方法実施例は、Nilaparvata lugensに対する殺虫処理に有用な本発明による方法の例証を与えるものである。
【0186】
その操作条件及び測定条件は、方法実施例Bの条件が再現され、且つ、応用されている。
【0187】
この実施例で使用した活性材料、それらの適用率、及び得られた結果が表8にまとめられている。
【0188】
【表8】
Figure 0004907029
【0189】
このように、本発明によるこの方法を使用することにより得られたこれらの結果は、殺虫効能の観点と、散布する活性材料の量の低減の観点との両観点において、大いに満足のいくものである。
【0190】
方法実施例I
この方法実施例は、Nilaparvata lugensに対する殺虫処理に有用な本発明による方法の例証を与えるものである。
【0191】
その操作条件及び測定条件は、方法実施例Bの条件が再現され、且つ、応用されている。
【0192】
この実施例で使用した活性材料、それらの適用率、及び得られた結果が表9にまとめられている。
【0193】
【表9】
Figure 0004907029
【0194】
このように、本発明によるこの方法を使用することにより得られたこれらの結果は、殺虫効能の観点と、散布する活性材料の量の低減の観点との両観点において、大いに満足のいくものである。
【0195】
方法実施例J
この方法実施例は、本発明による殺虫処理方法の一つの例証を与えることを意図したものである。
【0196】
実施した処理方法は、米作物が盛んに茂っている間の、黄色稲茎穿孔動物、またはTryporyza incertulasに対する処理方法であった。
【0197】
その操作条件及び測定条件は、方法実施例Bの条件が再現され、且つ、応用されている。
【0198】
この実施例で使用した活性材料、それらの適用率、及び得られた結果が表10にまとめられている。
【0199】
【表10】
Figure 0004907029
【0200】
測定は、処理された害虫、即ち、Tryporyza incertulasに襲われたことにより枯れた稲芯の数を計数することにより実施した;このようにして計数すると、最大の低減度は、本発明による方法の実施後に得られ、一方、処理を施さなかった画地や、既知の仕方で処理した画地は、実質的にそれより劣った低減度を与える。
【0201】
このように、これらの結果は、本発明による方法が、優れた殺虫効能を有しており、それと同時に、散布する活性材料の量の実質的な低減を可能にし、且つ、付随的に、環境への影響をも低減できることを示している。
【0202】
方法実施例K
この方法実施例は、本発明による殺虫処理方法の一つの例証を与えることを意図したものである。
【0203】
実施した処理方法は、米作物が盛んに茂っている間の、Scotinophara luridaに対する処理方法であった。
【0204】
その操作条件及び測定条件は、方法実施例Bの条件が再現され、且つ、応用されている。
【0205】
この実施例で使用した活性材料、それらの適用率、及び得られた結果が表11にまとめられている。
【0206】
【表11】
Figure 0004907029
【0207】
このように、これらの結果は、本発明による方法が、従来より高い殺虫効能を有しており、それと同時に、散布する活性材料の量の実質的な低減を可能にし、且つ、付随的に、環境への影響をも低減できることを示している。
【0208】
方法実施例L
攪拌下の容器中において、トウモロコシの種子(Lorenzo種)を、単独及び組み合わせによる上述の活性成分で処理した。3個の処理した種子を、直径10cmの鉢に蒔いた。種蒔きの1週間後、各鉢を、10匹のAgrotis segetum(かぶら蛾)のL2幼虫で汚染した。損害が及ぶのを防止することにおけるそれらの活性成分の効能を、種蒔きの42日後に決定した。この試験は、温度が22から27℃で、相対湿度が30から70%の温室で実施した。
【0209】
それらの活性成分間に相乗作用があることを示すため、得られた結果を、Colby S.R.による「除草剤の組み合わせによる相乗作用及び拮抗作用の計算(Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations)」(Weeds 1967年、15、20−22)に記載されている仕方で処理した。この方法では、非処理コントロール値との比較における組み合わせによる損害の「期待」百分率コントロール値Eが、次式:
E=D+F−DF/100
で与えられ、ここで、式中のDは、ある与えられた濃度におけるデルタメスリンを単独で使用することによる%コントロール値であり、そして、Fは、ある与えられた濃度におけるフィプロニルを単独で使用することによる%コントロール値である。もし、その混合物の観測コントロール値がEを上回る場合、その結果は、相乗作用があることを示している。それらの結果が以下の表に示されている。
【0210】
【表12】
Figure 0004907029
【0211】
方法実施例AからLにおいて実施された本発明による様々な方法で得られた結果は、大いに満足のいくものであり、使用する活性材料(A)及び(B)を1回だけ適用すれば事足りたのに対し、既知の通常の慣例的手法の場合は、許容可能な結果もしくは同等な結果を達成するためには、何回も適用するのが普通である。
【0212】
以下の組成物実施例AからGは、本発明による特定の殺虫性組成物を例証するものである。
【0213】
組成物実施例A
顆粒剤の形態における本発明による一つの組成物実施例によれば、以下の構成成分が使用される:
【0214】
【表13】
Figure 0004907029
【0215】
この特定のケースでは、上述の殺虫性活性材料がエピクロロヒドリンと混合され、60gのアセトンが加えられ、続いて、ポリエチレングリコール及びセチルポリグリコールエーテルが付加される。得られた溶液がカオリンに注がれ、その後、真空下で蒸発させることによりアセトンが取り除かれる。
【0216】
組成物実施例B
顆粒剤の形態における本発明による一つの組成物実施例によれば、以下の構成成分が使用される:
【0217】
【表14】
Figure 0004907029
【0218】
次いで、組成物実施例Aで説明されているような処理が行われる。
【0219】
組成物実施例C
この実施例は、乳化可能な濃縮物の形態における本発明による組成物を例証することを意図したものである。
【0220】
【表15】
Figure 0004907029
【0221】
最初の3つの構成成分が、N−メチルピロリドンに溶解される;次いで、軽C10芳香族溶媒を加え、最終的な容量に調節する。
【0222】
組成物実施例D
乳化可能な濃縮物の形態における本発明による別な特定の殺虫性組成物は、以下の構成成分を用いて調製される:
【0223】
【表16】
Figure 0004907029
【0224】
次いで、組成物実施例Cで説明されているような処理が行われる。
【0225】
組成物実施例E
顆粒剤の形態における本発明による一つの組成物実施例によれば、以下の構成成分が使用される:
【0226】
【表17】
Figure 0004907029
【0227】
次いで、組成物実施例Aで説明されているような処理が行われる。
【0228】
組成物実施例F
水に分散性の顆粒剤の形態における本発明による別の特定な組成物実施例によれば、以下の構成成分が使用される:
【0229】
【表18】
Figure 0004907029
【0230】
それらの成分を一緒に混合し、流体エネルギーミル内で微小体化し、次いで、水(10%まで)を噴霧することにより、回転式造粒機内で粒状化する。過剰な水分を取り除くため、このようにして得られた顆粒を流動床乾燥機内で乾燥させる。
【0231】
組成物実施例G
水に分散性の顆粒剤の形態における本発明による別の特定な組成物実施例によれば、以下の構成成分が使用される:
【0232】
【表19】
Figure 0004907029
【0233】
次いで、組成物実施例Fで説明されているような処理が行われる。
【0234】
これまでに与えてきた組成物実施例AからG、並びに、方法実施例AからLは、既知の殺虫剤(A)及び(B)を単独で使用する場合に比べ、本発明による組成物及び方法の優越性を明確に例証している。
【0235】
また、上述の方法実施例の組み合わせも、殺虫性化合物(A)と殺虫性化合物(B)を含む本発明による組成物により、本発明による処理方法によりもたらされる利点の完璧な例証を与えることができる。
【0236】
また、本発明による殺虫性組成物の一つの形態、もしくは他の形態、特には組成物実施例AからGにより例証された形態における本発明による殺虫性組成物を、本発明による処理方法で使用したときにも、満足のいく結果が得られる。
【0237】
その上、本発明による様々な殺虫性組成物を用いて処理する際、これらの方法実施例で植物毒性現象は何ら観察されていない。

Claims (20)

  1. 殺虫性化合物(A)と、ピレスロイド群の殺虫性化合物(B)とを使用することを特徴とする、作物に損害をもたらす節足動物を処理し及び抑制するための方法であって、
    前記殺虫性化合物(A)がフィプロニルであり、
    前記ピレスロイド群の殺虫性化合物(B)がデルタメスリン及び/またはシペルメスリンであり、且つ
    前記作物に損害をもたらす節足動物が、デルファシダエ種(Delphacidae sp.)、シカデリダエ種(Cicadellidae sp.)、ピラリダエ種(Pyralidae sp.)、ペンタトミダエ種(Pentatomidae sp.)及びアグロティス種(Agrotis sp.)からなる群から選択される昆虫であることを特徴とする、方法。
  2. 前記方法が、作物であって、トウモロコシ、サトウモロコシ、ヒマワリ、大豆、綿、エンドウ、セイヨウアブラナ、ジャガイモ、野菜果実ビート、タマネギ、キャベツ、トマト、豆類及びレタスから選択されるものを処理及び/または保護するために、使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記方法が、穀類を処理及び/または保護するために、使用されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  4. 前記穀類が、米、小麦、大麦またはライ麦であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記方法が、
    植物繁殖材料または種子を処理及び/または保護するために;及び/または
    根を処理及び/または保護するために;及び/または
    植物の茎または葉を処理及び/または保護するために;及び/または
    根、または果実、または実質的な経済価値もしくは農業経済価値を有する植物の他の部分を処理及び/または保護するために;及び/または
    耕作されている土壌または耕作が予定されている土壌を処理及び/または保護するために;
    使用されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記植物繁殖材料または種子が、穀粒、塊茎または地下茎であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記方法が、植物の発育過程における多くの段階で植物を処理及び/または保護するために使用されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記植物の発育過程における多くの段階が、種子、苗もしくは移植した苗、移植した植物、または植物であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 前記デルファシダエ種(Delphacidae sp.)がニラパルバタ・ルジェンス(Nilaparvata lugens)であり;
    前記シカデリダエ種(Cicadellidae sp.)が、ネフォテティックス・アピカリシ(Nephotettix apicalisi)であり;
    前記ピラリダエ種(Pyralidae sp.)が、トリポリザ・インセルツラス(Tryporyza incertulas)である
    ことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記方法が、土壌で生まれる害虫を抑制または退治するために使用されることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記方法が、害虫の一生または発育過程における様々な段階で前記害虫を抑制または退治するために使用されることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記害虫の一生または発育過程における様々な段階が、卵、それらの発育段階に関わらない幼虫、さなぎ、または亜成虫または、成虫期であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 前記方法が、0.5g/haから500g/haまでの範囲の量の殺虫性化合物(A)、及び/または、0.5g/haから1000g/haまでの範囲の量の殺虫性化合物(B)を使用すること;及び/または、前記方法が、上記殺虫性化合物(A)及び(B)を、0.0005から250までの間の重量比A/Bで使用すること;及び/または、前記方法が、上記殺虫性化合物(A)及び(B)を、0.004から2000までの間の重量比B/Aで使用すること
    を特徴とする、請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記方法が、2g/haから100g/haまでの範囲の量の殺虫性化合物(A)及び/または、前記方法が、1g/haから500g/haまでの範囲の量の殺虫性化合物(B)を使用すること;及び/または、前記方法が、上記殺虫性化合物(A)及び(B)を、0.05から10までの間の重量比A/Bで使用すること;及び/または、前記方法が、上記殺虫性化合物(A)及び(B)を0.1から20までの間の重量比B/Aで使用すること
    を特徴とする、請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記方法が、化合物(A)としてのフィプロニルと、化合物(B)としてのデルタメスリンまたはシペルメスリンを、それぞれ、デルタメスリンの場合には0.1から5までの間のA/B重量比で、そして、シペルメスリンの場合には、0.05から10までの間のA/B重量比で使用することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記方法が、化合物(A)としてのフィプロニルと、化合物(B)としてのデルタメスリンまたはシペルメスリンを、それぞれ、デルタメスリンの場合には0.5から3までの間のA/B重量比で、そして、シペルメスリンの場合には、0.15から6までの間のA/B重量比で使用することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法。
  17. 請求項1から16までのいずれか一項に記載の方法で使用され得る、デルファシダエ種(Delphacidae sp.)、シカデリダエ種(Cicadellidae sp.)及びピラリダエ種(Pyralidae sp.)からなる群から選択される昆虫を処理し及び抑制するための組成物であって、前記組成物が、殺虫性化合物(A)としてのフィプロニルと、以下のグループ:
    シペルメスリン;及び
    デルタメスリン;
    から選択される殺虫性化合物(B)を含むことを特徴とする組成物。
  18. 前記組成物が、0.00001重量%から100重量%までの間の殺虫性化合物(A)及び(B)を含んでいることを特徴とする、請求項17記載の組成物。
  19. 前記組成物が、0.001重量%から80重量%までの間の殺虫性化合物(A)及び(B)を含んでいることを特徴とする、請求項17記載の組成物。
  20. 前記組成物が、99重量%までの1つもしくはそれ以上の担体、及び/または、25重量%までの1つもしくはそれ以上の界面活性剤、及び/または、25重量%までの1つもしくはそれ以上の調合剤を含むことを特徴とする、請求項17から19のいずれか一項に記載の組成物。
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