JP2002103195A - 溝加工装置 - Google Patents
溝加工装置Info
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Abstract
度に溝を仕上げることのできる溝加工装置を提供する。 【解決手段】 ワークW1の溝11を加工するための溝
加工装置10であって、溝11の断面に応じた凸形状の
先端面30aを有するバックアップ部材30と、バック
アップ部材30に沿って先端面30aと溝11との間に
供給されるラッピングテープ35とを備えている。ラッ
ピングテープ35はバックアップ部材30と共に押付け
機構42によって溝11に押付けられる。ワークW1と
ラッピングテープ35は、往復移動機構によって溝11
の軸線方向に相対移動させられる。往復移動機構は、そ
の移動方向を切替える際に、ラッピングテープ35のテ
ープ端の位置を溝11の軸線方向に変化させる。
Description
ドやボールねじ等のワークに形成されるボール転動溝の
内面を仕上げ加工するための溝加工装置に関する。
のボール転動溝を所望の面精度(面粗さ)に仕上げるた
めに、砥石を用いた溝加工装置が使用されることがあ
る。
置は、砥石を成形するためのドレッサや砥石とワーク溝
を正確に位置決めするための高精度の案内や送り装置が
必要となり、機械が大きく複雑になる。また、面粗さを
良くするためには砥粒径の小さい砥石を使用しなければ
ならず、加工効率が悪い。
工程に分けて加工すると、粗加工された溝に仕上げ砥石
を正確に位置決めする必要があり、難しい。位置ずれを
考慮して仕上げ取代を多くとると加工効率が悪くなる。
また、位置決め精度を上げるために同じ機械で加工する
と、粗加工から仕上げ加工に移る時に砥石交換するか2
つの砥石をもつ必要があり、より複雑で高価な機械が必
要になる。
工装置では、図5に示すようにラッピングテープの移動
方向が切替わる時のテープ端t1,t2付近の研磨量
(取りしろ)が、それ以外の箇所の研磨量よりも大きく
なり、本来は2点鎖線Mで示すように平坦であるべき加
工面が実線Nで示す加工面のような形状崩れΔHを生じ
てしまうことがある。
プを用いる低コストの装置で高精度にかつ能率良く溝を
仕上げることができるような溝加工装置を提供すること
にある。
の本発明は、ワークの溝を加工するための溝加工装置で
あって、前記溝の断面に対応した凸形状の先端面を有し
かつこの先端面を前記溝内に進入させるバックアップ部
材と、前記バックアップ部材の先端面に巻掛けることに
よって該先端面に沿う形状となるラッピングテープと、
前記ラッピングテープを前記バックアップ部材に向かっ
て供給するテープ供給機構と、前記バックアップ部材の
先端面を前記ラッピングテープと共に前記溝の内面に向
かって押圧する押付け機構と、前記溝の内面に前記ラッ
ピングテープを押付けた状態で前記ワークとラッピング
テープを溝に沿って相対移動させる移動機構とを具備し
ている。
プ部材の幅よりも長い直線溝をラッピングテープの相対
的な往復動によって加工する場合、前記移動機構は、移
動方向を切替える際にワークに対するラッピングテープ
のストローク終端位置を順次変化させるようにするとよ
い。
ついて、図1から図4を参照して説明する。図1に示す
溝加工装置10は、ワークW1の一例であるリニアガイ
ド用スライダのボール転動溝11を仕上げ加工するもの
である。ボール転動溝11の断面は、例えば半円形ある
いはゴシックアーチ状などであり、予め機械加工によっ
てワークW1の長手方向に沿って形成されている。
W1を保持するためのクランプ機構12を備えた加工テ
ーブル13と、加工ヘッド14を備えた加工機本体部1
5などを備えている。加工テーブル13の一例は工作機
械等の1軸テーブルであり、図3に模式的に示す移動機
構20によって、矢印A方向(溝11の軸線Xに沿う方
向)に往復移動させることができるようになっている。
しかもこの移動機構20は、図4に示すように移動方向
を切り替えるたびに、その移動ストロークをS1,S2
…Snと複数段階に変化させることができるような制御
手段を備えている。
レーム21と、供給リール22と、供給側の送りローラ
23と、巻取リール24と、巻取側の送りローラ25な
どが設けられている。リール22,24は、図3に一部
を示すリール駆動モータ26によって回転させることが
できる。送りローラ23,25は、図3に一部を示すロ
ーラ駆動モータ27によって回転させることができる。
リール22,24とローラ23,25とモータ26,2
7等は、この発明で言うテープ供給機構28を構成して
いる。
に、後述するバックアップ部材30とガイドローラ3
1,32などが設けられている。加工ヘッド14は、図
示しない昇降機構によって上下方向に所望量移動させる
ことが可能であり、例えば図1に示すように加工すべき
溝11の高さに応じて、バックアップ部材30を所望の
高さに位置させることができるようになっている。
巻かれている。ラッピングテープ35は、可撓性のテー
プ基材の表面に砥粒面を施したものであり、適度なテン
ションを与えてバックアップ部材30の先端面30aに
押付けた状態において、バックアップ部材30の先端面
30aに応じた形状に撓むことができるような可撓性を
有している。このラッピングテープ35は、ワークW1
の幅方向、すなわち溝11の軸線X(図3に示す)と直
交する方向に沿ってバックアップ部材30の先端面30
aに巻掛けられている。
エラストマのようにゴム弾性を有する材料からなる。図
2に示すようにバックアップ部材30の先端面30a
は、溝11の円弧状断面に応じた形成されている。さら
に詳しくは、バックアップ部材30の先端面30aにラ
ッピングテープ35を重ねた状態において、ラッピング
テープ35の外面が溝11の円弧形状と合致するように
している。図示例の場合には、バックアップ部材30の
先端面30aの曲率半径R1にラッピングテープ35の
厚さDを加えた寸法が溝11の曲率半径R2に相当する
ことになる。
プ部材30が形成されている場合、バックアップ部材3
0がある程度弾性変形できるため、バックアップ部材3
0と溝11の位置が多少ずれていても、無理なく溝11
を加工することができる。バックアップ部材30を金属
等の硬質材料によって構成した場合には、バックアップ
部材30の位置を正確に規制すれば、バックアップ部材
30の位置に応じて、研磨加工によって溝11の位置を
修正することができる。また、ウレタン樹脂等の弾性材
料からなるバックアップ部材のベースの先端面(溝11
と接する箇所)を、硬質材料によって被ったものを使用
すれば、上記2つの特性を合わせたバックアップが可能
となる。
40を備えている。テンション用シリンダ40は、加工
ヘッド14をガイドレール41に沿って上昇させること
により、ラッピングテープ35に適度なテンションを与
える。またこの溝加工装置10は、加工ヘッド14を図
1中の矢印B,C方向に付勢可能なエアシリンダ等を用
いた押付け機構42を備えている。
ついて説明する。図1に示すように供給リール22から
繰り出されたラッピングテープ35は、供給側の送りロ
ーラ23とガイドローラ31を経由して、バックアップ
部材30の先端面30aに巻掛けられ、さらにガイドロ
ーラ32と巻取側の送りローラ25を経由して巻取リー
ル24に巻取られる。このラッピングテープ35は、バ
ックアップ部材30と接する箇所において、テンション
付与機構として機能するテンション用シリンダ40によ
って適度なテンションが与えられることにより、バック
アップ部材30の先端面30aに沿う形状となる。
て図1中の矢印B方向に移動させることにより、バック
アップ部材30を矢印B方向に移動させ、バックアップ
部材30の溝11内に進入させてラッピングテープ35
を溝11の内面に押付ける。この押付け状態を維持した
まま、移動機構20によってワークW1を溝11の軸線
Xに沿って第1の方向に相対移動させる。この場合、ワ
ークW1はラッピングテープ35の幅方向に移動するこ
とになる。そののち移動方向を切り替え、ワークW1を
溝11の軸線Xに沿って第2の方向(逆方向)に相対移
動させる。そののち再び第1の方向に移動させる。
向を切り替えるたびに、図4に示すようにラッピングテ
ープ35のストローク終端位置をP1,P2…Pnと段
階的に順次変化させるとともに、移動距離自体もS1,
S2…Snと変化させる。こうしてラッピングテープ3
5とワークW1をテープ35の幅方向に相対的に往復移
動させつつ、加工ストロークを溝11の軸線X方向全体
に振り分ける。こうすることにより、テープ35の幅に
比べてはるかに長いワークW1の溝11を加工する場合
に、軸線X方向に研磨量がばらつくことが回避され、溝
11の直線度と面粗さを向上させることができる。
て溝11の内面を所定回数研磨したのち、押付け機構4
2を図1中の矢印C方向に移動させることにより、ラッ
ピングテープ35を溝11から離す。そして供給リール
22から未使用のラッピングテープ35を所定量繰り出
すとともに、その繰り出し分だけ使用済みのラッピング
テープ35を巻取リール24に巻取る。こうすることに
より、ラッピングテープ35の新たな砥粒面が溝11に
接することができるようになるため、砥石を用いる場合
のようなドレッシングを要することなく、総型形状の面
粗さを高精度に仕上げることが可能となる。
施形態の溝加工装置10Aについて説明する。図6に示
すように、この溝加工装置10Aは、ワークW2を保持
するためのクランプ機構50を備えたテーブル51と、
テーブル51上に設けた加工機本体部52を備えてい
る。ワークW2の一例はリニアガイドのレールである。
イドレール55に沿って移動可能であり、駆動モータ5
6とギヤ57等を用いた移動機構58によって、ワーク
W2の溝60の軸線方向に往復移動させることができる
ようになっている。図8に示すように、往復移動のスト
ローク端を規制するためのストッパ61,62と、スト
ローク端検出用の近接スイッチ63,64なども備えて
いる。
ッド71が設けられている。加工ヘッド71は、エアシ
リンダ等を用いた押付け機構72(図8に示す)によっ
て、上下方向のリニアガイド73に沿って、上下方向に
移動させることができるようになっている。
と、巻取リール76と、テープ送りローラ77,78
と、クランプローラ79,80と、テンションローラ8
1,82と、バックアップ部材83などが設けられてい
る。送りローラ77,78は、図6に一部を示すローラ
駆動モータ84によって回転させられる。リール75,
76はリール駆動モータ85等によって回転する。これ
らはテープ供給機構86を構成している。
ワークW2の溝60の断面に応じた凸形状をなし、この
バックアップ部材83の先端面83aにラッピングテー
プ35を巻掛けることにより、ラッピングテープ35が
バックアップ部材83の先端面83aに沿って溝60の
内面に合致する形状となる。すなわちこの実施形態の場
合も、バックアップ部材83の先端面83aにラッピン
グテープ35の厚みを加えた形状が、溝60の内面形状
に相当することになる。
60の軸線と平行な方向にバックアップ部材83に巻掛
けられている。つまりこの実施形態の場合、ラッピング
テープ35がバックアップ部材83の移動方向に張られ
ているため、加工中にラッピングテープ35に与えるテ
ンションが小さくても、ラッピングテープ35の位置が
ずれてしまうことがない。
0Aの作用について説明する。図7に示すように供給リ
ール75から繰り出されたラッピングテープ35は、供
給側の送りローラ77とテンションローラ81を経由し
て、バックアップ部材83の先端面83aに巻掛けら
れ、さらに巻取側のテンションローラ82と送りローラ
78を経由して巻取リール76に巻取られる。ラッピン
グテープ35は、バックアップ部材83と接する箇所に
おいて、テンションローラ81,82によって適度なテ
ンションが与えられることにより、バックアップ部材8
3の先端面83aに沿う形状となる。
させることにより、バックアップ部材83の先端面83
aをワークW2の溝60に進入させるとともに、バック
アップ部材83によってラッピングテープ35を溝60
の内面に押付ける。この押付け状態を維持したまま、移
動機構58によって加工機本体部52を溝60の軸線に
沿って第1の方向に相対移動させる。この場合、ラッピ
ングテープ35は、ワークW2の溝60に対してテープ
35の長さ方向に移動することになる。そののち移動方
向を切り替え、加工機本体部52を第2の方向に相対移
動させる。こうしてラッピングテープ35による溝60
の加工が行われる。
同様に、ワークW2に対するラッピングテープ35の移
動方向(相対的な移動方向)を切り替えるたびに移動ス
トロークを順次変化させ、溝60の長手方向全体にテー
プ端を振り分けることで、溝60の直線度と面粗さを向
上させることができる。
工ヘッド71を上昇させ、供給リール75から未使用の
ラッピングテープ35を所定量繰り出すとともに、使用
済みのラッピングテープ35を巻取リール76に巻取
る。こうすることによって、ラッピングテープ35の新
たな砥粒面が溝60に接することができるようになるた
め、砥石を用いる場合のようなドレッシングを要するこ
となく、総型形状の面粗さを高精度に仕上げることが可
能となる。
0Aにおいて、バックアップ部材83を回転可能な円板
形とし、加工に伴ってラッピングテープ35を少しずつ
移動させるようにすれば、常に新しいラッピングテープ
35の砥粒面を使用することができ、加工効率を高める
ことができる。
の溝加工装置10Bを示している。ワークW3の一例は
ボールねじである。この溝加工装置10Bは、ワークW
3の外周に形成される螺旋状の溝(図11に示すねじ溝
90)を加工するためのものである。ワークW3の両端
部はセンタ部材91,92によって回転自在に支持され
ている。ワークW3の一端側に設けたアタッチメント9
3と駆動部材94を含む回転機構95によって、ワーク
W3を軸まわりに回転させることができるようになって
いる。
ドレール101が設けられており、このガイドレール1
01に沿って、加工機本体部102が水平方向に移動す
るようになっている。加工機本体部102の移動ストロ
ーク終端位置は、位置決め用ドグ103と近接スイッチ
104等によって規制される。
ッピングテープ35を供給するための供給リール111
と、ラッピングテープ35を巻取る巻取リール112
と、送りローラ113,114と、ガイドローラ115
と、回転式のバックアップ部材120などが設けられて
いる。リール111,112は、図9に示すリール駆動
モータ121等によって回転させられる。送りローラ1
13,114は、ローラ駆動モータ122によって回転
する。これらはテープ供給機構123を構成している。
ンエラストマ等のゴム状弾性体によって円板状に作られ
ている。バックアップ部材120の先端面120aは、
バックアップ部材120の全周にわたってワークW3の
溝90の断面に応じた凸形状をなしている。このバック
アップ部材120の先端面120aにラッピングテープ
35を巻掛け、適度なテンションを与えることによっ
て、ラッピングテープ35がバックアップ部材120の
先端面120aに応じて変形し、溝90の内面に対応し
た形状となる。この場合、ラッピングテープ35は、溝
90の加工方向にラッピングテープ35が張られること
になるため、与えるテンションが小さくても、加工中に
ラッピングテープ35の位置がずれることを回避でき
る。
ークW3の溝90(図11に示す)のリード角θ1に応
じた角度θ2だけ傾けられている。バックアップ部材1
20の反対側の位置に、ワークW3を挟むようにして押
付けローラ130が設けられている。この押付けローラ
130は、エアシリンダ等を用いた押付け機構131に
よってバックアップ部材120に向かって押圧される。
これにより、バックアップ部材120の先端面120a
がワークW3の溝90に進入し、ラッピングテープ35
がバックアップ部材120によって溝90に押付けられ
るようになっている。
端面120aにラッピングテープ35を沿わせ、押付け
機構131によって溝90に押付けた状態で、回転機構
95によってワークW3を軸まわりに回転させつつ、そ
の回転量に関連した速度で、加工機本体部102をワー
クW3の軸線方向に移動させる。この場合、ラッピング
テープ35の長さ方向にワークW3の溝90が移動する
ことになる。また、加工の途中で、必要に応じてテープ
供給機構123を駆動するとともにバックアップ部材1
20を回転させることにより、新たなラッピングテープ
35の砥粒面を溝90の内面に接触させることができ
る。
際に、ワークW3の回転と同期して加工機本体部102
を駆動機構によってワークW3の軸線方向に積極的に移
動させている。但し、ねじ溝90とバックアップ部材1
20との噛合いを利用して、ワークW3が回転する際に
加工機本体部102がワークW3の軸線方向に従動する
ようにしてもよい。
ク、溝、ラッピングテープ等の形態をはじめとして、バ
ックアップ部材や、テープ供給機構、押付け機構、移動
機構など、本発明を構成する各要素を適宜に変形して実
施できることは言うまでもない。
ピングテープを用いてワークの溝を高精度に仕上げるこ
とができ、砥石を用いる場合のようなドレッシングある
いは砥石の交換が不要となり、能率良く溝加工を行うこ
とができる。請求項2に記載した発明によれば、ラッピ
ングテープのテープ幅あるいはバックアップ部材よりも
長い直線溝を、ラッピングテープを相対的に往復移動さ
せることによって加工する場合に、研磨量(取りしろ)
が溝の軸線方向にばらつくことを抑制でき、直線溝の面
粗さと形状精度を向上させることができる。
側面図。
部の拡大断面図。
正面図。
トローク変化を模式的に示す正面図。
ヘッドの加工ストロークと加工面を模式的に示す正面
図。
側面図。
正面図。
れるワークの一部の断面図。
Claims (2)
- 【請求項1】ワークの溝を加工するための溝加工装置で
あって、 前記溝の断面に対応した凸形状の先端面を有しかつこの
先端面を前記溝内に進入させるバックアップ部材と、 前記バックアップ部材の先端面に巻掛けることによって
該先端面に沿う形状となるラッピングテープと、 前記ラッピングテープを前記バックアップ部材に向かっ
て供給するテープ供給機構と、 前記バックアップ部材の先端面を前記ラッピングテープ
と共に前記溝の内面に向かって押圧する押付け機構と、 前記溝の内面に前記ラッピングテープを押付けた状態で
前記ワークとラッピングテープを溝に沿って相対移動さ
せる移動機構と、 を具備したことを特徴とする溝加工装置。 - 【請求項2】前記移動機構は、前記ワークとラッピング
テープとを相対的に往復移動させるものであり、その移
動方向を切替える際にラッピングテープのストローク終
端位置を順次変化させることを特徴とする請求項1記載
の溝加工装置。
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