JP2024077687A - フィルムラップ加工装置 - Google Patents

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淳一 福嶋
Junichi Fukushima
謙太 中村
Kenta Nakamura
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Abstract

【課題】はすば歯車の歯面を好適に研磨することが可能なフィルムラップ加工装置を提供する。【解決手段】本発明にかかるフィルムラップ加工装置(加工装置200)の構成は、はすば歯車(ワーク100)の歯面を研磨フィルム202で研磨するフィルムラップ加工装置であって、はすば歯車を回動自在に保持するワーク保持部210と、研磨フィルム202をはすば歯車の歯溝に付勢するシューを有する加工ユニット240と、を含み、加工ユニット240は、はすば歯車の歯のねじれ角に応じてシュー248を傾け、ワーク保持部210は、はすば歯車をはすば歯車の軸方向にオシレーションさせつつ、オシレーションと同期して、ねじれ角に対応した角度にはすば歯車を回動させる。【選択図】図2

Description

本発明は、はすば歯車の歯面を研磨フィルムで研磨するフィルムラップ加工装置に関するものである。
金属部品のワークの研磨方法として、フィルムラップ加工が知られている。フィルムラップ加工とは、表面に砥粒が塗布された研磨フィルムを用いて行う研磨方法である。フィルムラップ加工方法としては、例えば特許文献1に外歯歯車の研磨方法が開示されている。特許文献1の外歯歯車の研磨方法は、「前記外歯歯車の歯面に対し、押圧部材でバックアップすることによりフィルム研磨材を押し付け、その状態で外歯歯車の歯とフィルム研磨材とを歯形方向に相対的に摺動させることにより、歯面を研磨すること」を特徴としている。
特開2000-205377号公報
歯車には様々な種類があり、特許文献1に例示されている平歯車の他にはすば歯車が周知である。特許文献1では、外歯歯車の歯とフィルム研磨材とを歯形方向に相対的に摺動させることにより平歯車の歯面を研磨している。しかしながら、はすば歯車は軸に対して歯筋が斜めになっているため、特許文献1の方法で歯面を研磨することができない。このため特許文献1の技術の更なる改善が求められていた。
本発明は、このような課題に鑑み、はすば歯車の歯面を好適に研磨することが可能なフィルムラップ加工装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるフィルムラップ加工装置の代表的な構成は、はすば歯車の歯面を研磨フィルムで研磨するフィルムラップ加工装置であって、はすば歯車を回動自在に保持するワーク保持部と、研磨フィルムをはすば歯車の歯溝に付勢するシューを有する加工ユニットと、を含み、加工ユニットは、はすば歯車の歯のねじれ角に応じてシューを傾け、ワーク保持部は、はすば歯車をはすば歯車の軸方向にオシレーションさせつつ、オシレーションと同期して、ねじれ角に対応した角度にはすば歯車を回動させる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるフィルムラップ加工装置の代表的な構成は、はすば歯車の歯面を研磨フィルムで研磨するフィルムラップ加工装置であって、はすば歯車を回動自在に保持するワーク保持部と、研磨フィルムをはすば歯車の歯溝に付勢するシューを有する加工ユニットと、を含み、ワーク保持部は、はすば歯車の軸をねじれ角に応じて傾斜させてワークを保持し、はすば歯車を歯筋方向にオシレーションさせる。
本発明によれば、はすば歯車の歯面を好適に研磨することが可能なフィルムラップ加工装置を提供することが可能になる。
本実施形態のフィルムラップ加工装置によって研磨するワークを説明する斜視図である。 本実施形態にかかる加工装置の全体を示す斜視図である。 図2の加工装置を、図2中のIII方向からみた斜視図である。 図2のワーク近傍の拡大斜視図である。 図4とは異なるオシレーション方向及びワーク回転方向を示すワーク近傍の拡大斜視図である。 本実施形態にかかる加工装置全体の他の実施例を説明する斜視図である。 図6のワーク近傍の拡大斜視図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示または説明を省略する。
(ワーク)
図1は、本実施形態のフィルムラップ加工装置(以下、加工装置200と称する)によって研磨するワーク100を説明する斜視図である。
近年は自動車のEV(電気自動車)化に伴い、部品の小型化および静音化の要請がある。小型化の一つとして、外径が異なるはすば歯車を2種類並べた段差歯車を用いる手法が周知である。尚、静音化のために、はすば歯車の歯面を研磨・研削することが有効であることが知られている。
図1に示すように、ワーク100は、小径(外径D1)の第1はすば歯車110と大径(外径D2)の第2はすば歯車120とが軸130によって連結された段差歯車である(外径D1<外径D2)。第1はすば歯車110および第2はすば歯車120は、それぞれ軸130に対して斜めに歯筋112・122が形成されている。尚、第1はすば歯車110のねじれ角をθとする。
ここで、第1はすば歯車110の歯面114を歯車研削盤の砥石10によって研磨する場合、砥石10の砥石径D3が大きいと、第1はすば歯車110の歯面114に接触した砥石10が第2はすば歯車120の歯筋122や歯面124にも接触してしまう。すると、第2はすば歯車120の歯筋122や歯面124が意図せず研磨されてしまい、加工精度の低下を招いてしまう。そこで本発明においては、フィルムラップ加工装置(加工装置200)を用いてはすば歯車の研磨を行う。
(加工装置)
図2は、本実施形態にかかる加工装置200の全体を示す斜視図である。図3は、図2の加工装置を、図2中のIII方向からみた斜視図である。加工装置200は、第1はすば歯車110および第2はすば歯車120のそれぞれの歯面114・124(図1参照)を研磨フィルム202で研磨する。
図2および図3に示すように本実施形態の加工装置200は、ワーク保持部210、加工ユニット240およびオシレーション機構260を含んで主要部が構成される。ワーク保持部210は、ヘッドストック220およびテールストック230によってワーク100を保持する。
ヘッドストック220は、ワーク100の一端を挟持するチャック222、およびチャック222ひいてはワーク100を回動させる回動用モータ224を有する。テールストック230は、ワーク100の他端を回動自在に軸支する。ヘッドストック220およびテールストック230は、側壁204に支持されている。
加工ユニット240は、ベッド206上に配置されていて、研磨フィルム202を保持してこれを第1はすば歯車110および第2はすば歯車120の歯溝(隣接する歯面の間)に付勢する。加工ユニット240は、研磨フィルム送出機構として、供給リール242、巻取リール244、複数のローラ246、シュー248、およびリール用モータ250を含んで主要部が構成される。
加工ユニット240では、リール用モータ250が駆動することにより、巻取リール244で研磨フィルム202を巻き取る。これに伴って、供給リール242から研磨フィルム202が各ローラ246を介してシュー248上に送り出される。このようにフィルム送出機構が消耗した研磨フィルム202を適宜移動させることにより、ワーク100を効率よく研磨することが可能になる。
またベッド206上には直動レール274が設けられていて、加工ユニット240はベッド206上をX方向に走行する。これにより、加工ユニット240のシュー248に保持されている研磨フィルム202をワーク100に対して近接および離間させることが可能となる。
なお、シュー248は、少なくとも先端部分は例えばウレタンやゴム等の弾性体で形成されているとよい。素材に弾性体を用いることで適度な柔軟性が得られ、研磨フィルム202をワーク100により均一に効率よく接触させることが可能になる。また例えば加工装置200においてシュー248をフローティング支持するフローティング機構を設けることによっても、シュー248をワーク100に適切な角度で接触させることができる。
オシレーション機構260は、オシレーションテーブル262およびオシレーション用モータ264を含んで主要部が構成される。オシレーションテーブル262は、側壁204の背面(ワーク保持部210が支持されている面と反対側の面)に固定されている。オシレーションテーブル262の下方には直動レール272が設けられていて、オシレーション用モータ264を駆動することによってZ方向に移動可能となる。Z方向の移動によって研磨フィルム202に対するワーク100の位置決めを行う。また研磨中には、オシレーションテーブル262を小刻みにZ方向に往復移動させることにより、側壁204およびそれに支持されているワーク保持部210が揺動する。これにより、ワーク100がワーク軸方向100a(図1参照)にオシレーションされる。
図4は、図2のワーク近傍の拡大斜視図である。図5は、図4とは異なるオシレーション方向及びワーク回転方向を示すワーク近傍の拡大斜視図である。本実施形態では、図4および図5に示すようにワーク100のうち、第1はすば歯車110の歯面114を研磨する場合を例示して説明する。
図4および図5に示すように、本実施形態の加工装置200において、シュー248は先端に向かって薄くなる山形形状を成していて、第1はすば歯車110の歯溝(歯面114、114の間)に付勢される。ここでシュー248は、第1はすば歯車110の歯(歯筋112)のねじれ角に応じて傾ける。すなわちワーク保持部210に支持されたワーク100の軸130は水平状態とし、シュー248のみを第1はすば歯車110の歯筋112に沿うように傾けて配置する。
そしてワーク保持部210は、ワーク100をワーク軸方向(水平方向であるZ方向)にオシレーションさせつつ、オシレーションと同期して、第1はすば歯車110のねじれ角に対応した角度にワーク100をすこしずつ回動させる。
図4では、オシレーション用モータ264を駆動してワーク100を軸方向Z1に移動(オシレーション)させ、それと同期して回動用モータ224を駆動してワーク100を回動方向R1に回動させている。軸方向Z1と回動方向R1のベクトルは、合成方向S1となる。合成方向S1が歯筋112に沿った方向となるように、軸方向Z1の移動量と回動方向R1の回動量を調節する。その結果として、図面上の奥側の位置にワーク100が位置していて、第1はすば歯車110の歯筋112のうち、図面上の手前側の位置が研磨される。
図5では、ワーク100を軸方向Z2にオシレーションさせ、それと同期して回動用モータ224を駆動してワーク100を回動方向R2に回動させる。軸方向Z2と回動方向R2のベクトルは、合成方向S2となる。合成方向S2が歯筋112に沿った方向となるように、軸方向Z2の移動量と回動方向R2の回動量を調節する。その結果として、図面上の手前側の位置にワーク100が位置していて、第1はすば歯車110の歯筋112のうち、図面上の奥側の位置が研磨される。このとき、研磨フィルム202は第2はすば歯車120には接触しない。そして図4および図5に示す動作を繰り返すことにより、第1はすば歯車110の歯面114が研磨フィルム202によって研磨される。
上記説明したように本実施形態の加工装置200によれば、ワーク100をオシレーションしつつ同期して回動させることで、軸130に対して斜めに形成されているはすば歯車の歯面を好適に研磨することができる。このとき特に、砥石10を用いる場合のように研磨対象となるはすば歯車と隣接しているはすば歯車への接触を好適に防ぐことができる。したがって、加工対象のはすば歯車の歯面を好適に研磨することができ、歯車において高い加工精度を得ることが可能となる。
(他の実施例)
図6は、本実施形態にかかる加工装置全体の他の実施例を説明する斜視図である。図7は、図6のワーク100近傍の拡大斜視図である。なお、先に説明した加工装置200と実質的に共通する構成要素については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図6に示す加工装置200aでは、ワーク保持部210の側壁204を傾けることにより、ワーク100を構成する第1はすば歯車110の軸130(図7参照)を歯筋112のねじれ角θ(図1参照)に応じて傾斜させている。すなわちワーク100を傾けて配置することにより歯筋112の方向をオシレーションの方向(水平方向:Z方向)と一致させている。
図7に示すように、加工ユニット240のシュー248は水平状態に配置する。そしてワーク保持部210は、ワーク100(図7では第1はすば歯車110を例示)を、水平方向(Z方向)にオシレーションさせる。このような構成によっても、軸130に対して斜めに形成されているはすば歯車の歯面を好適に研磨することができ、上記と同様の効果を得ることが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、はすば歯車の歯面を研磨フィルムで研磨するフィルムラップ加工装置に利用することができる。
10…砥石、100…ワーク、110…第1はすば歯車、112…歯筋、114…歯面、120…第2はすば歯車、122…歯筋、124…歯面、130…軸、200…加工装置(フィルムラップ加工装置)、200a…加工装置(フィルムラップ加工装置)、202…研磨フィルム、204…側壁、206…ベッド、210…ワーク保持部、220…ヘッドストック、222…チャック、224…回動用モータ、230…テールストック、240…加工ユニット、242…供給リール、244…巻取リール、246…ローラ、248…シュー、250…リール用モータ、260…オシレーション機構、262…オシレーションテーブル、264…オシレーション用モータ、274…直動レール

Claims (2)

  1. はすば歯車の歯面を研磨フィルムで研磨するフィルムラップ加工装置であって、
    前記はすば歯車を回動自在に保持するワーク保持部と、
    前記研磨フィルムを前記はすば歯車の歯溝に付勢するシューを有する加工ユニットと、
    を含み、
    前記加工ユニットは、前記はすば歯車の歯のねじれ角に応じて前記シューを傾け、
    前記ワーク保持部は、前記はすば歯車を該はすば歯車の軸方向にオシレーションさせつつ、前記オシレーションと同期して、前記ねじれ角に対応した角度に前記はすば歯車を回動させることを特徴とするフィルムラップ加工装置。
  2. はすば歯車の歯面を研磨フィルムで研磨するフィルムラップ加工装置であって、
    前記はすば歯車を回動自在に保持するワーク保持部と、
    前記研磨フィルムを前記はすば歯車の歯溝に付勢するシューを有する加工ユニットと、
    を含み、
    前記ワーク保持部は、前記はすば歯車の軸をねじれ角に応じて傾斜させて前記ワークを保持し、前記はすば歯車を歯筋方向にオシレーションさせることを特徴とするフィルムラップ加工装置。
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