JP2002102707A - アシロキシ化反応用触媒および該触媒を用いたアシロキシ化反応方法 - Google Patents

アシロキシ化反応用触媒および該触媒を用いたアシロキシ化反応方法

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JP2002102707A
JP2002102707A JP2000295916A JP2000295916A JP2002102707A JP 2002102707 A JP2002102707 A JP 2002102707A JP 2000295916 A JP2000295916 A JP 2000295916A JP 2000295916 A JP2000295916 A JP 2000295916A JP 2002102707 A JP2002102707 A JP 2002102707A
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Japan
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catalyst
reaction
acyloxylation
anion
acid
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Keiji Yurugi
啓嗣 万木
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的、経済的に有利で効率の良いアシロキ
シ化反応方法を提供する。 【解決手段】 一般式(1) MgaAlbPdc(OH)de・nH2O (式中、Xはヒドロキシアニオン以外のアニオンを表
し、nは0から30の数を表し、a、b、c、dおよび
eはそれぞれ2(a+b+c)=dかつb+c=meを
満たす正の数を表す。ここでmはXの価数を表す。)で
表されるアシロキシ化反応用触媒を用いて、アシロキシ
化反応を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アシロキシ化反応
用触媒および該触媒を用いたアシロキシ化反応方法に関
するものである。
【0002】アシロキシ化反応は、香料や医農薬原料と
して、有機合成中間体として、さらに重合性材料として
用いられる種々の有用な化合物の合成反応である。
【0003】
【従来の技術】従来より、トルエン、キシレン等のベン
ジル位に水素原子を有する化合物または、プロピレン、
シクロヘキセン等のアリル位に水素原子を有する化合物
と、酢酸等のカルボン酸および酸素によるアシロキシ化
反応方法は公知である。
【0004】該アシロキシ化反応用触媒として、酢酸パ
ラジウム等の均一系触媒およびパラジウムをシリカ等の
担体に担持した不均一系触媒が開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のアシロキシ化反応用触媒は、反応初期の活性および
選択性は良好なものの、短時間のうちに活性が急激に低
下する、高価なパラジウムの溶出を充分に抑制できな
い、多量の反応系に可溶な助触媒が必要であるため分離
・リサイクル工程が煩雑になる等の問題点を有してお
り、工業触媒としては不十分であった。
【0006】本発明は上記のごとき状況に鑑みてなされ
たものであり、アシロキシ化反応を効率よく行い、アシ
ロキシ化生成物を経済的に製造するための触媒および製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、アシロキ
シ化反応を効率よく行いアシロキシ化生成物を経済的に
製造するための触媒および効率の良い反応方法を提供す
るため、鋭意検討を重ねた結果、一般式(1) MgaAlbPdc(OH)de・nH2O (式中、Xはヒドロキシアニオン以外のアニオンを表
し、nは0から30の数を表し、a、b、c、dおよび
eはそれぞれ2(a+b+c)=dかつb+c=meを
満たす正の数を表す。ここでmはXの価数を表す。)で
表されるアシロキシ化反応用触媒、および該触媒を用い
たアシロキシ化反応方法によって、経済的にアシロキシ
化生成物を製造することができることを見出し、本発明
を完成させるに至った。
【0008】即ち、本発明は、一般式(1) MgaAlbPdc(OH)de・nH2O (式中、Xはヒドロキシアニオン以外のアニオンを表
し、nは0から30の数を表し、a、b、c、dおよび
eはそれぞれ2(a+b+c)=dかつb+c=meを
満たす正の数を表す。ここでmはXの価数を表す。)で
表されるアシロキシ化反応用触媒に関する。
【0009】また、前記触媒が担体に担持されたアシロ
キシ化反応用触媒に関する。
【0010】前記担体が、二酸化マンガンであることが
好ましい。また本発明の他の発明は、前記アセトキシ化
触媒の存在下に、下記一般式(2): CHR12−Z (式中、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子または有
機残基を表し、Zは置換基を有していてもよい芳香族炭
化水素残基または置換基を有していてもよいオレフィン
残基を表す)で表される化合物と、下記一般式(3): R3−COOH (式中、R3は水素原子または有機残基を表す)で表さ
れるカルボン酸類と酸素とを反応させて、下記一般式
(4): R3−COO−CR12−X (式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子ま
たは有機残基を表し、Zは置換基を有していてもよい芳
香族炭化水素残基または置換基を有していてもよいオレ
フィン残基を表す)で表される化合物を得ることを特徴
とするアシロキシ化反応方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。本発明のアシロキシ化反応用触媒
は、一般式(1) MgaAlbPdc(OH)de・nH2O (式中、Xはヒドロキシアニオン以外のアニオンを表
し、nは0から30の数を表し、a、b、c、dおよび
eはそれぞれ2(a+b+c)=dかつb+c=meを
満たす正の数を表す。ここでmはXの価数を表す。)で
表されるアシロキシ化反応用触媒である。
【0012】本発明のアシロキシ化反応用触媒の調整法
としては、原料となる無機金属塩、即ちマグネシウム
塩、アルミニウム塩およびパラジウム塩を水に溶解し、
アルカリ(土類)金属水酸化物およびXで表されるアニ
オンのアルカリ(土類)金属塩を添加し、加熱処理する
ことにより沈殿物として得ることができる。得られた沈
殿物はさらに乾燥させて使用することが好ましい。
【0013】原料として使用される無機金属塩として
は、特に限定されることはないが、具体的には例えば、
塩化物、臭化物、ヨウ化物等のハロゲン化物;硝酸塩、
炭酸塩、硫酸塩等の無機酸塩が挙げられる。これらの
内、塩化物または硝酸塩が好ましい。
【0014】Xで表されるアニオンとしては、特に限定
されるものではないが、具体的には例えば、炭酸アニオ
ン、硫酸アニオン、硝酸アニオン、りん酸アニオン等の
無機酸アニオン類;酢酸アニオン、プロピオン酸アニオ
ン、酪酸アニオン、セバシン酸アニオン、アジピン酸ア
ニオン、コハク酸アニオン、マレイン酸アニオン、フマ
ル酸アニオン、安息香酸アニオン、テレフタル酸アニオ
ン等のカルボン酸アニオン類;メタンスルホン酸アニオ
ン、ベンゼンスルホン酸アニオン、p−トルエンスルホ
ン酸アニオン等の有機スルホン酸アニオン類;塩素アニ
オン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン等のハロゲンアニ
オン類;等が挙げられる。これらはアルカリ(土類)金
属塩として添加される。これらの内、炭酸アニオン、硝
酸アニオン、塩素アニオンが好ましい。
【0015】また、前記触媒は担体に担持されていても
良く、前記触媒の担体としては、特に限定されるもので
はないが、具体的には、二酸化マンガン、シリカ、アル
ミナ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物、炭素、木
炭、活性炭、アスベスト、シリカ−アルミナ、ゼオライ
ト、オルガノゾルゲル、イオン交換樹脂、クレー、炭酸
塩、炭酸塩等が挙げられる。これらの内、二酸化マンガ
ンがより好ましい。
【0016】担体の状態は、特に限定されるものではな
く、固定床方式、流動床方式および懸濁触媒方式等の実
施する反応形態等により、粉末状、破砕状、粒子状およ
び柱状等を適宜選ぶことができる。
【0017】前記担体上に担持される一般式(1)で表
される触媒の担持量としては、特に限定されるものでは
ないが、担体に対して0.1〜150重量%、好ましく
は1〜100重量%、さらに好ましくは5〜75重量
%、特に好ましくは10〜50重量%である。前記担持
量の範囲が反応収率、反応速度および経済性の点で好ま
しい。
【0018】前記本発明の担持型触媒の調製方法として
は、特に限定されるものではなく、前記一般式(1)で
表されるアシロキシ化反応用触媒調整時に、上記の担体
を共存させれば良い。
【0019】担持された触媒は、必要に応じて還元する
ことにより調製することができる。その還元方法は、特
に限定されるものではなく、公知の方法で還元すること
ができる。具体的には例えば、気相での還元は、水素お
よび/または一酸化炭素等の還元性ガスの気流下で処理
することにより行うことができる。また、液相での還元
は、ヒドラジン、ギ酸、ギ酸ナトリウムあるいはホルム
アルデヒド等の公知の還元剤と接触させることにより行
うことができる。
【0020】本発明におけるアシロキシ化反応とは、一
般式(2): CHR12−Z (式中、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子または有
機残基を表し、Zは置換基を有していてもよい芳香族炭
化水素残基または置換基を有していてもよいオレフィン
残基を表す)で表される化合物と、一般式(3): R3−COOH (式中、R3は水素原子または有機残基を表す)で表さ
れるカルボン酸類と酸素を反応させることによる、一般
式(4): R3−COO−CR12−Z (式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子ま
たは有機残基を表し、Zは置換基を有していてもよい芳
香族炭化水素残基または置換基を有していてもよいオレ
フィン残基を表す)で表される化合物を製造する反応で
ある。
【0021】原料として用いられる一般式(2)で表さ
れる化合物は、式中のR1、R2で示される置換基が水素
原子または有機残基で構成され、Zで示される置換基が
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素残基または置
換基を有していてもよいオレフィン残基で構成される化
合物であれば、特に限定されるものではない。
【0022】R1、R2で表される有機残基とは、例えば
炭素数1〜18の直鎖状、分枝状または環状の飽和およ
び/または不飽和アルキル基、炭素数1〜8のヒドロキ
シアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル
基、炭素数1〜8のハロゲン化(例えば塩素化、臭素化
またはフッ素化)アルキル基、またはアリール基であ
る。これらの内、炭素数1〜10の飽和および/または
不飽和アルキル基が好適に用いられる。
【0023】Zで示される置換基を有していてもよい芳
香族残基とは、例えば炭素数1〜18の直鎖状、分枝状
または環状のアルキル基;炭素数1〜8のヒドロキシア
ルキル基;炭素数2〜20のアルコキシ基;置換基を有
していてもよいフェノキシ基;炭素数1〜8のハロゲン
化(例えば塩素化、臭素化またはフッ素化)アルキル
基;水酸基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン
原子等の置換基を有していてもよいフェニル基である。
【0024】また、Zで示される置換基を有していても
よいオレフィン残基とは、一般式(5): −CR4=CHR5 (式中、R4、R5は、水素原子または有機残基で表され
る)で表されるものである。ここで、R4、R5で表され
る有機残基とは、例えば炭素数1〜18の直鎖状、分枝
状または環状の飽和および/または不飽和アルキル基、
炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜20
のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化
(例えば塩素化、臭素化またはフッ素化)アルキル基、
アルデヒド基、脂肪族および/または芳香族ケトン基、
カルボン酸基、脂肪族および/または芳香族カルボン酸
エステル基である。これらの内、炭素数1〜10の直鎖
状、分枝状または環状の飽和および/または不飽和アル
キル基、カルボン酸基、脂肪族および/または芳香族カ
ルボン酸エステル基が好適に用いられる。また、R1
たはR2とR4またはR5により環を形成していても良
い。
【0025】前記一般式(2)で表される化合物の代表
例としては、特に限定されるものではないが、具体的に
は、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチルおよびメタクリル酸
2−エチルヘキシル、プロピレン、ブテン、ペンテン、
ヘキセン、ヘプテン、ノネン、デセン、ブタジエン、シ
クロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、
シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、シクロオクテ
ン、シクロノネン、シクロデセン、トルエン、エチルベ
ンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、スチレ
ン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベン
ゼン、ペンタメチルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、
メチルビフェニル、ジメチルビフェイル、ジフェニルメ
タン、トリフェニルメタン、メチルフェノール、メトキ
シトルエン、エトキシトルエン、フェノキチトルエン等
が挙げられる。これらの内、異性体を含むものは、各異
性体単独および/または各異性体混合物でもよい。これ
らの内、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、プ
ロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、
シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセ
ン、シクロヘキサジエン、トルエン、キシレン、トリメ
チルベンゼン、メトキシトルエン、フェノキシトルエン
が好適に用いられる。
【0026】本発明の方法において原料として用いられ
る一般式(3)で表されるカルボン酸類は、式中のR3
で示される基が水素原子または有機残基で構成される化
合物であれば、特に限定されるものではない。R3で表
される有機残基としては、例えば炭素数1〜18の直鎖
状、分枝状または環状の飽和および/または不飽和アル
キル基、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、炭素数
2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のア
セトキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化(例え
ば塩素化、臭素化またはフッ素化)アルキル基、置換さ
れていても良い芳香族基等が挙げられる。これらの内、
炭素数1〜5の飽和および/または不飽和アルキル基が
好適に用いられる。
【0027】前記一般式(3)で表されるカルボン酸類
の代表例としては、特に限定されるものではないが、具
体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、
カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチル酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、アセト酢酸、ヒドロキシ
プロピオン酸、イソブタン酸、ヒドロキシイソブタン
酸、t−ブチル酢酸、安息香酸、アクリル酸およびメタ
クリル酸等が挙げられる。これらの内、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、安息香酸、アクリル酸およびメタクリル酸
がより好ましく、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸およ
びメタクリル酸が特に好ましい。
【0028】前記一般式(2)で表される化合物と前記
一般式(3)で表わされるカルボン酸類の反応初期にお
けるモル比は、特に限定されるものではないが、10/
1〜1/10の範囲内であればよい。上記範囲内でも8
/1〜1/8の範囲内が好ましく、6/1〜1/6の範
囲内がより好ましく、5/1〜1/5の範囲内が特に好
ましい。前記モル比の範囲が反応収率、反応速度および
経済性の点で好ましい。
【0029】本発明にかかる反応に使用される酸素は、
原子状および/または分子状酸素であり、好ましくは分
子状酸素である。また、分子状酸素は窒素、アルゴン、
ヘリウムおよび二酸化炭素等の不活性な気体との混合気
体として使用するのが好ましい。この場合、酸素濃度
は、反応系内で気体が爆発組成とならない範囲に調整し
て使用するのがより好ましい。
【0030】分子状酸素および分子状酸素を含む混合気
体を反応系に供給する方法としては、反応系内の液相部
または気相部の一方または両方に供給すれば良い。反応
系内へ分子状酸素および分子状酸素を含む混合気体を供
給する場合には、酸素分圧が0.01〜20MPa、好
ましくは、0.1〜10MPa、より好ましくは、0.
2〜8MPa、特に好ましくは、0.2〜5MPaの範
囲内となるように供給すればよい。前記酸素分圧の範囲
が反応収率、反応速度および経済性の点で好ましい。本
発明の反応方法は、前記アシロキシ化反応を、前記した
本発明のアシロキシ化反応用触媒の存在下で行うもので
ある。
【0031】前記触媒の使用量は、用いる前記一般式
(2)で表される化合物と前記一般式(3)で表わされ
るカルボン酸類の種類や組み合わせにもよるが、前記一
般式(1)で表される触媒が、前記一般式(2)で表さ
れる化合物に対して0.01〜30重量%、好ましくは
0.1〜20重量%、さらに好ましくは1〜15重量
%、特に好ましくは2〜10重量%の範囲内となるよう
に使用すればよい。前記触媒使用量の範囲が反応収率、
反応速度および経済性の点で好ましい。本発明では特に
溶剤を使用する必要は無いが、有機溶剤を使用すること
もできる。有機溶剤は、特に限定されるものではない
が、例えば、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;ペンタ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭
化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル
等のエーテル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロ
ロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピ
オン酸エチル、(メタ)アクリル酸メチルおよび(メ
タ)アクリル酸エチル等のカルボン酸エステル類等が挙
げられる。
【0032】上記有機溶剤の使用量は、原料にもよる
が、原料の総量の0〜200重量%、好ましくは0〜1
00重量%、さらに好ましくは0〜80重量%、特に好
ましくは0〜70重量%の範囲内となるように使用すれ
ばよい。前記溶剤使用量の範囲が反応収率、反応速度お
よび経済性の点で好ましい。
【0033】また本発明において、原料である前記一般
式(2)で表される化合物およびアシロキシ化生成物が
重合性化合物である場合、重合禁止剤の存在下で反応さ
せることが、これらの化合物の重合を抑制し、収率の点
で好ましい。前記重合禁止剤としては、特に限定される
ものではないが、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノ
ン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール等
のキノン系重合禁止剤;2,6−ジ−tert−ブチル
フェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノー
ル、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノー
ル、2,6―ジ―tert−ブチル−4−メチルフェノ
ール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール
等のアルキルフェノール系重合禁止剤;アルキル化ジフ
ェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレン
ジアミン、フェノチアジン等のアミン系重合禁止剤;ジ
メチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミ
ン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカル
バミン酸銅系重合禁止剤等が挙げられる。これらは単独
でも、あるいは2種以上を適宜組み合わせて使用するこ
とができる。これらのなかでも、キノン系重合禁止剤、
特にヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノ
ン、p−tert−ブチルカテコールおよびフェノチア
ジンが好適に用いられる。
【0034】上記重合禁止剤の添加量は、用いる前記一
般式(2)で表される化合物の種類にもよるが、該重合
性化合物の0.001〜5重量%、好ましくは0.00
5〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.1重量%
の範囲内となるように添加すればよい。前記重合禁止剤
添加量の範囲が重合防止および経済性の点で好ましい。
反応温度は、特に限定されるものではないが、0℃〜5
00℃の範囲内が好ましく、20℃〜400℃の範囲内
がさらに好ましく、30℃〜300℃の範囲内が特に好
ましい。反応時間は、上記反応が完結するように原料、
触媒および有機溶剤の種類や組み合わせ、使用量等に応
じて適宜設定すればよい。また反応圧力は、原料と反応
温度の組み合わせにもよるが、特に限定されるものでは
なく、常圧(大気圧)、加圧の何れであってもよい。
【0035】また反応方式は、特に限定されるものでは
なく、具体的には、例えば、回分式、半回分式および連
続式等がある。本発明にしたがって製造されたアシロキ
シ化生成物は、前記触媒を使用した場合はその触媒を分
離した後、反応溶液を精製することによって得ることが
できる。上記精製手段は特に限定されるものではない
が、蒸留法、抽出法およびカラムクロマト法等によって
分離・精製することができる。これらの方法は組み合わ
せて実施してもよい。これらの内、蒸留法、抽出法が特
に好ましい。
【0036】上記精製工程により分離された触媒、原料
および有機溶剤は、再び反応に用いることができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0038】実施例1(アシロキシ化反応用触媒Aの調
製) Mg6Al2Pd0.5(OH)16CO3の調整 攪拌機、温度計およびコンデンサーを取り付けた300
ml四つ口フラスコ中に炭酸ナトリウム21.2g、水
酸化ナトリウム16.0gおよび脱イオン水140ml
を添加し、攪拌を行いながら内温60℃に昇温した。該
水溶液中に硝酸パラジウム・2水和物2.66g、硝酸
マグネシウム・6水和物25.64gおよび硝酸アルミ
ニウム・9水和物13.13gを脱イオン水100ml
に溶解した水溶液を添加した。その後、内温を60℃に
維持したまま24時間攪拌を続けた。得られたスラリー
をろ別し、脱イオン水200mlで5回洗浄した後、空
気雰囲気下に200℃で10時間乾燥させることにより
アシロキシ化反応用触媒Aを調製した。
【0039】実施例2(アシロキシ化反応用触媒Bの調
製) Mg6Al2Pd0.5(OH)16CO3/MnO2 攪拌機、温度計およびコンデンサーを取り付けた300
ml四つ口フラスコ中に炭酸ナトリウム21.2g、水
酸化ナトリウム16.0g、二酸化マンガン20.0g
および脱イオン水140mlを添加し、攪拌を行いなが
ら内温60℃に昇温した。該水溶液中に硝酸パラジウム
・2水和物2.66g、硝酸マグネシウム・6水和物2
5.64gおよび硝酸アルミニウム・9水和物13.1
3gを脱イオン水100mlに溶解した水溶液を添加し
た。その後、内温を60℃に維持したまま24時間攪拌
を続けた。得られたスラリーをろ別し、脱イオン水20
0mlで5回洗浄した後、空気雰囲気下に200℃で1
0時間乾燥させることによりアシロキシ化反応用触媒B
を調製した。 実施例3 (メタクリル酸メチルと酢酸との反応例1) 温度計、攪拌装置、圧力計、およびガス導入管を取り付
けた100mlのハステロイC製オートクレーブに、メ
タクリル酸メチル20.0g、酢酸12.0g、ヒドロ
キノン10mg、およびアシロキシ化反応用触媒A2.
0gを添加した後、オートクレーブ内を10モル%酸素
−90モル%窒素混合気体により完全に置換した。10
モル%酸素−90モル%窒素混合気体を50気圧添加し
た後、混合攪拌しながら徐々に加熱し、内温を120℃
とした。次いで、120℃での圧力が60気圧を維持す
るように酸素を添加しながら8時間攪拌することにより
反応を完了させた。
【0040】反応終了後、反応溶液からろ過により触媒
を除去した後、ろ液をGC−1700型ガスクロマトグ
ラフィー((株)島津製作所製;以下「GC」という)
により測定した結果、目的とするα−アセトキシメチル
アクリル酸メチルの収率は55モル%であった。この
時、SPS4000型プラズマ発光分光分析装置(セイ
コー電子工業株式会社製;以下「発光分光」という)に
よるICP発光分光により測定した反応系へのPdの溶
出は観測されなかった。
【0041】実施例4(メタクリル酸メチルと酢酸との
反応例2) 触媒をアシロキシ化反応用触媒B4.0gとした以外
は、実施例3と同様の操作を行った。
【0042】反応終了後、反応溶液からろ過により触媒
を除去した後、ろ液をGCにより測定した結果、目的と
するα−アセトキシメチルアクリル酸メチルの収率は6
0モル%であった。この時、ICP発光分光により測定
した反応系へのPdの溶出は観測されなかった。 実施例5 (トルエンとメタクリル酸との反応例1) 温度計、攪拌装置、圧力計、およびガス導入管を取り付
けた100mlのハステロイC製オートクレーブに、ト
ルエン36.9g、メタクリル酸17.2g、フェノチ
アジン17mg、およびアシロキシ化反応用触媒A2.
0gを添加した後、オートクレーブ内を10モル%酸素
−90モル%窒素混合気体により完全に置換した。10
モル%酸素−90モル%窒素混合気体を50気圧添加し
た後、混合攪拌しながら徐々に加熱し、内温を125℃
とした。次いで、125℃での圧力が60気圧を維持す
るように酸素を添加しながら8時間攪拌することにより
反応を完了させた。反応終了後、反応溶液からろ過によ
り触媒を除去した後、ろ液をGCにより測定した結果、
目的とするメタクリル酸ベンジルの収率は45モル%で
あった。この時、 ICP発光分光により測定した反応
系へのPdの溶出は観測されなかった。
【0043】実施例6(トルエンとメタクリル酸との反
応例2) 触媒をアシロキシ化反応用触媒B4.0gとした以外
は、実施例5と同様の操作を行った。
【0044】反応終了後、反応溶液からろ過により触媒
を除去した後、ろ液をGCにより測定した結果、目的と
するメタクリル酸ベンジルの収率は51モル%であっ
た。この時、ICP発光分光により測定した反応系への
Pdの溶出は観測されなかった。
【0045】実施例7(トルエンと酢酸との反応例1) 温度計、攪拌装置、圧力計、およびガス導入管を取り付
けた100mlのハステロイC製オートクレーブに、ト
ルエン36.9g、酢酸12.0g、およびアシロキシ
化反応用触媒A2.0gを添加した後、オートクレーブ
内を10モル%酸素−90モル%窒素混合気体により完
全に置換した。10モル%酸素−90モル%窒素混合気
体を50気圧添加した後、混合攪拌しながら徐々に加熱
し、内温を145℃とした。次いで、145℃での圧力
が70気圧を維持するように酸素を添加しながら8時間
攪拌することにより反応を完了させた。
【0046】反応終了後、反応溶液からろ過により触媒
を除去した後、ろ液をGCにより測定した結果、酢酸ベ
ンジルの収率は52モル%であった。この時、ICP発
光分光により測定した反応系へのPdの溶出は観測され
なかった。
【0047】実施例8(トルエンと酢酸との反応例2) 触媒をアシロキシ化反応用触媒B4.0gとした以外
は、実施例7と同様の操作を行った。
【0048】反応終了後、反応溶液からろ過により触媒
を除去した後、ろ液をGCにより測定した結果、目的と
する酢酸ベンジルの収率は60モル%であった。この
時、ICP発光分光により測定した反応系へのPdの溶
出は観測されなかった。
【0049】
【発明の効果】本発明を用いれば、短時間のうちに活性
が急激に低下することがなく、金属触媒活性成分の溶出
を抑制でき、また助触媒も必要ないため、工業的・経済
的に有利にアシロキシ化反応を行うことができる。
【0050】本発明により得られるアシロキシ化生成物
は、香料や医農薬原料、有機合成中間体、さらに重合性
材料等に広範囲に用いることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/73 C07C 69/73

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) MgaAlbPdc(OH)de・nH2O (式中、Xはヒドロキシアニオン以外のアニオンを表
    し、nは0から30の数を表し、a、b、c、dおよび
    eはそれぞれ2(a+b+c)=dかつb+c=meを
    満たす正の数を表す。ここでmはXの価数を表す。)で
    表されるアシロキシ化反応用触媒。
  2. 【請求項2】 前記触媒が担体に担持された請求項1記
    載のアシロキシ化反応用触媒。
  3. 【請求項3】 前記担体が、二酸化マンガンである請求
    項2記載のアシロキシ化反応用触媒。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の触媒
    の存在下に、下記一般式(2): CHR12−Z (式中、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子または有
    機残基を表し、Zは置換基を有していてもよい芳香族炭
    化水素残基または置換基を有していてもよいオレフィン
    残基を表す)で表される化合物と、下記一般式(3): R3−COOH (式中、R3は水素原子または有機残基を表す)で表さ
    れるカルボン酸類と酸素とを反応させて、下記一般式
    (4): R3−COO−CR12−Z (式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子ま
    たは有機残基を表し、Zは置換基を有していてもよい芳
    香族炭化水素残基または置換基を有していてもよいオレ
    フィン残基を表す)で表される化合物を得ることを特徴
    とするアシロキシ化反応方法。
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