JP2004131411A - グリコール酸エステルの精製方法及びグリコール酸エステルの製造方法 - Google Patents

グリコール酸エステルの精製方法及びグリコール酸エステルの製造方法 Download PDF

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Yutaka Yoshida
吉田 裕
Kohei Umehara
梅原 康平
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Abstract

【課題】グリコール酸エステルによる副反応を抑制ないしは防止し、グリコール酸エステルを効率的に得る方法を提供する。
【解決手段】グリコール酸エステルを含む混合物を蒸留するにあたり、蒸留系内にアルコールを供給しながら蒸留を行う方法であって、
当該アルコールが、当該グリコール酸エステルのエステル基−C(=O)OR(但し、Rは炭化水素基)に対応するアルコールR−OHであることを特徴とするグリコール酸エステルの精製方法に係る。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリコール酸エステルの精製方法及びグリコール酸エステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
グルコール酸エステルは、ポリグリコール酸等の各種の合成樹脂の原料(重合用モノマー)として利用され、また洗浄剤、エッチング剤等としても工業的に有用な化合物である。
【0003】
グリコール酸エステルは、ヘテロポリ酸の存在下にホルムアルデヒドと一酸化炭素からポリグリコリドを合成して加アルコール分解する方法(例えば、特許文献1参照)、ホルムアルデヒドと一酸化炭素からグリコール酸を合成し、引き続きアルコールによりエステル化を行う方法(例えば、特許文献2参照)、触媒の存在下にグリオキサールとアルコールの酸化的エステル化を行う方法(例えば、特許文献3参照)、シュウ酸ジエステルを水素化する方法(例えば、特許文献4参照)等が、製造方法として知られている。
【0004】
これらの製法では、反応生成物として、グリコール酸エステルを含む混合物が得られる。この混合物からグリコール酸エステルを回収する場合は、反応生成物を蒸留することによって取り出すことができる。蒸留では、一般的には、まずグリコール酸エステルよりも低沸点の成分を第一の蒸留塔で除去し、次いでグリコール酸エステルよりも高沸点の成分を第二の蒸留塔で除去し、塔頂からグリコール酸エステルを回収することとなる。
【0005】
しかしながら、グリコール酸エステルは熱に対して弱く、比較的容易に反応を起こす。このため、蒸留中にグリコール酸エステルが加熱されることによって、副反応(例えば、オリゴマー化、加水分解、エステル交換反応等)を起こすおそれがある。さらに、蒸留によってグリコール酸エステルよりも低沸点成分が系外に留去される結果、平衡がずれ、副反応が促進されることとなる。
【0006】
副反応によって、グリコール酸エステルが減少するという問題が生じるほか、次のような問題も起こる。例えば、副生成物(アルコール、水等)がグリコール酸エステルとともに留出し、得られるグリコール酸エステルの純度が低下する。また、グリコール酸エステルがオリゴマー化した場合には、ボトム液(塔底液)の粘度が上昇し、安定した蒸留ができなくなる。さらに、グリコール酸エステルが加水分解され、グリコール酸が生成すると、これが酸触媒として作用する結果、前記のような副反応を促進させる。
【0007】
これに対し、グリコール酸エステルを精製する方法として、グリコール酸エステルとシュウ酸ジエステルの混合物を、炭素数3〜12のジカルボン酸のエステル化物の存在下に蒸留して、グリコール酸エステルを留出させて分離すると共に、シュウ酸ジエステルと該ジカルボン酸のエステル化物を缶液として抜き出すことを特徴とするグリコール酸エステルの精製法(例えば、特許文献5参照)が知られている。
【0008】
しかしながら、上記精製法は、特許文献3又は特許文献4のように、グリコール酸エステルとシュウ酸ジエステルが並存する場合の精製方法であり、適用範囲が限定される。また、上記精製法によって、グリコール酸エステルの副反応が起こりやすいという問題点を解決することはできない。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−228045号(特許請求の範囲)
【0010】
【特許文献2】
大韓民国公告特許第9511114号
【0011】
【特許文献3】
特開平8−104665号(特許請求の範囲)
【0012】
【特許文献4】
特開平6−135895号(特許請求の範囲)
【0013】
【特許文献5】
特開平7−17914号(特許請求の範囲)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
かかる見地より、グリコール酸エステルによる副反応を抑制ないしは防止するプロセスの開発が望まれるが、未だその開発に至っていないのが現状である。
【0015】
従って、本発明の主な目的は、グリコール酸エステルによる副反応を抑制ないしは防止し、グリコール酸エステルを効率的に得る方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、かかる従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の蒸留プロセスによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明は、下記のグリコール酸エステルの精製方法に係るものである。
【0018】
1. グリコール酸エステルを含む混合物を蒸留するにあたり、蒸留系内にアルコールを供給しながら蒸留を行う方法であって、
当該アルコールが、当該グリコール酸エステルのエステル基−C(=O)OR(但し、Rは炭化水素基)に対応するアルコールR−OHであることを特徴とするグリコール酸エステルの精製方法。
【0019】
2. 蒸留塔によって蒸留を行い、アルコールを蒸留塔の塔底に供給する前記項1記載の精製方法。
【0020】
3. 塔底液中のアルコールをグリコール酸エステルに対して0.1モル%以上とする前記項2記載の精製方法。
【0021】
4. 酸素の存在下において、(i)エチレングリコールどうし又は(ii)エチレングリコール及びアルコールを反応させることによりグリコール酸エステルを製造する方法であって、上記反応により得られた反応生成物を蒸留する工程を有し、当該グリコール酸エステルのエステル基−C(=O)OR(但し、Rは炭化水素基)に対応するアルコールR−OHを蒸留系内に供給しながら蒸留を行うことを特徴とするグリコール酸エステルの製造方法。
【0022】
5. 上記反応を、1)Auからなる微粒子及び/又は2)周期表第4から第6周期の2B族、3B族、4B族、5B族、6B族及び第4周期8族の少なくとも1種の第二元素とAuとからなる微粒子が担体上に担持されている触媒の存在下で行う前記項4記載の製造方法。
【0023】
【発明の実施の形態】
(1)グリコール酸エステルの精製方法
本発明の精製方法は、グリコール酸エステルを含む混合物を蒸留するにあたり、蒸留系内にアルコールを供給しながら蒸留を行う方法であって、
当該アルコールが、当該グリコール酸エステルのエステル基−C(=O)OR(但し、Rは炭化水素基)に対応するアルコールR−OHであることを特徴とする。
【0024】
上記混合物としては、グリコール酸エステルのほか、1)グリコール酸エステルよりも低い沸点を有する成分及び2)グリコール酸エステルよりも高い沸点を有する成分の少なくとも1種を含むものであれば特に限定されない。
【0025】
上記混合物としては、例えば、酸素の存在下において、(i)エチレングリコールどうし又は(ii)エチレングリコール及びアルコールを反応させることにより得られた反応生成物を用いることも可能である。
【0026】
上記(i)の場合には、一般に、未反応のエチレングリコール、グリコール酸エステル及び水を含む混合物が反応生成物として得られる。
【0027】
上記(ii)の場合には、一般に、未反応のエチレングリコール、アルコール、グリコール酸エステル及び水を含む混合物が反応生成物として得られる。上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール等の炭素数1〜10程度の脂肪族アルコール;1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等の炭素数2〜10程度の脂肪族多価アルコール;アリルアルコール、メタリルアルコール等の炭素数3〜10程度の脂肪族不飽和アルコール;ベンジルアルコール等の芳香環を有するアルコール等が挙げられる。これらの中でも、1級アルコールが好ましく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール等の炭素数1〜4の脂肪族1級アルコールを好適に使用でき、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール等の1価アルコールが特に好ましい。アルコールは、1種又は2種以上で用いることができる。
【0028】
蒸留の方法としては、特に蒸留系内にアルコールを供給するほかは、公知の蒸留(精留)の操作条件等を適宜採用することができる。また、蒸留は、回分式又は連続式のいずれであっても良い。
【0029】
グリコール酸エステルは加熱されると以下のような副反応を起こす場合がある。1)水が共存すると、グリコール酸エステルが加水分解してグリコール酸が生成する。2)複数のグリコール酸エステル分子からの脱アルコールによりオリゴマー化が起こる。3)グリコール酸エステルと他のアルコールとのエステル交換反応が起こる。これらの反応は、いずれもグリコール酸エステルのエステル基−C(=O)ORからアルコールROHが遊離する反応である。蒸留中にこのような副反応が生じると、ROHの沸点がグリコール酸エステルよりも低い場合はROHが留去され、平衡的にこれらの副反応が促進されることとなる。本発明では、これらの副反応を抑制しながら蒸留を行う必要がある。
【0030】
本発明では、蒸留に際しては、基本的には公知の蒸留塔(精留塔)を使用して蒸留を好適に行うことができる。蒸留塔を用いて蒸留する場合、アルコールは、蒸留塔の中段以下の位置から供給することが望ましい。特に、塔の段数をn段としたとき、塔底からn/5段目以下(小数点以下は切り捨て)の位置からアルコールを供給することがより好ましく、塔底からアルコールを供給することが最も好ましい。また、混合物を加熱するリボイラ部にアルコールを供給しても良い。
【0031】
供給するアルコールは、蒸留する混合物中に存在するグリコール酸エステルのエステル基−C(=O)OR(但し、Rは炭化水素基)に対応するアルコールR−OHである。例えば、グリコール酸エステルとしてグリコール酸メチルが混合物中に存在する場合には、アルコールとしてメタノールを供給すれば良い。
【0032】
アルコールの供給は、ガス状、液状又はこれらの混合物の状態で実施することができる。供給方法は、連続的に供給しても良いし、間欠的に供給しても良い。特に、連続蒸留を行う場合には、連続的にアルコールを供給することが望ましい。アルコールの供給量は、グリコール酸エステルの種類、蒸留する混合物の組成、用いるアルコールの種類、蒸留の運転条件等により適宜設定すれば良い。
【0033】
蒸留塔によりバッチ蒸留する場合には、蒸留塔の塔底に仕込んだグリコール酸エステルに対して、蒸留中に合計で0.2モル%以上(特に0.5モル%以上、さらには1モル%以上)のアルコールを供給することが望ましい。あるいは、蒸留塔の塔底液中のアルコールがグリコール酸エステルに対して、0.1モル%以上(特に0.3モル%以上)存在するようにアルコールを供給しても良い。これらアルコール供給量の上限は、蒸留の運転条件、グリコール酸エステルの用途等に応じて適宜設定すれば良い。
【0034】
また、連続蒸留する場合には、蒸留塔に供給するグリコール酸エステルに対して、0.2モル%以上(特に0.5モル%以上、さらには1モル%以上)のアルコールを供給すれば良い。あるいは、蒸留塔の塔底液中のグリコール酸エステルに対して、0.1モル%以上(特に0.3モル%以上)存在するようにアルコールを供給しても良い。これらアルコール供給量の上限は、蒸留の運転条件、グリコール酸エステルの用途等に応じて適宜設定すれば良い。
【0035】
蒸留装置は、多段式蒸留塔等のような回分式(バッチ式)蒸留装置又は連続式蒸留装置が好適である。多段式蒸留塔である場合における蒸留塔の段数は、特に限定されるものではないが、塔頂(最上段)と塔底(最下段)とを除いた段数が3段以上であることが好ましい。このような蒸留塔としては、例えばラシヒリング、ポールリング、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、スルーザーパッキング等の充填物が充填された充填塔;泡鐘トレイ、シーブトレイ、バルブトレイ等のトレイ(棚段)を使用した棚段塔等、一般に用いられている蒸留塔が好適である。また、棚段と充填物層とを併せ持つ複合式の蒸留塔も採用することができる。上記の段数とは、棚段塔においては棚段の数を示し、充填塔においては理論段数を示す。
【0036】
蒸留塔の構成としては、リボイラ、コンデンサ等を備えた一般的な構成を採用できる。蒸留塔の本数は限定的でなく、1本又は2本以上の蒸留塔が使用できる。2本以上の蒸留塔を使用する場合は、少なくとも1本の蒸留塔にアルコールを供給すれば良い。
【0037】
蒸留塔における操作圧力は、混合物の組成、加熱源・冷却源の温度等によって適宜決定されるものであり、特に制限されるものではないが、副反応の抑制という観点から減圧下で行うことが好ましい。また、蒸留塔の塔頂における還流比は限定的ではないが、好ましくは0.1〜50、より好ましくは0.3〜30とすれば良い。その他の操作条件は、公知の蒸留条件に従えば良い。
【0038】
また、本発明の蒸留は、下記の方法(a)〜(c)の少なくとも1種を適宜組み合わせて実施することもできる。これらの方法を適用することによって、グリコール酸エステルの副反応等をより効果的に抑制することができる。
【0039】
(a)蒸留に際し、グリコール酸エステルを含む留分をサイドカット方式により回収する方法が適用できる。サイドカット方式自体は、公知の方法に従えば良い。
【0040】
(b)蒸留に際して、混合物を含む液を薄膜状にして加熱面と接触させることにより、混合物の加熱を行う方法が適用できる。かかる加熱は、公知の液膜式蒸発缶等を用いて実施することができる。
【0041】
(c)▲1▼混合物及び/又は蒸留系内をpH5〜9に調整する方法ならびに▲2▼混合物及び/又は蒸留系内に塩基性化合物を添加する方法の少なくとも1種の方法を適用できる。塩基性化合物としては、例えばアルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)等の水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等の第一アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン等の第二アミン類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等の第三アミン類のほか、アンモニア等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で使用することができる。この中でも、1)アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩及びは重炭酸塩ならびに2)アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩の中から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
(2)グリコール酸エステルの製造方法
本発明の製造方法は、酸素の存在下において、(i)エチレングリコールどうし又は(ii)エチレングリコール及びアルコールを反応させることによりグリコール酸エステルを製造する方法であって、上記反応により得られた反応生成物を蒸留する工程を有し、当該グリコール酸エステルのエステル基−C(=O)OR(但し、Rは炭化水素基)に対応するアルコールR−OHを蒸留系内に供給しながら蒸留を行うことを特徴とする。
【0042】
アルコールとしては、エチレングリコール以外のアルコールであれば良く、分子内に水酸基を有していればその種類は特に限定されるものではなく、1価アルコールであっても良く、2価以上の多価アルコールであっても良い。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール等の炭素数1〜10程度の脂肪族アルコール;1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等の炭素数2〜10程度の脂肪族多価アルコール;アリルアルコール、メタリルアルコール等の炭素数3〜10程度の脂肪族不飽和アルコール;ベンジルアルコール等の芳香環を有するアルコール等が挙げられる。これらの中でも、1級アルコールが好ましく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール等の炭素数1〜4の脂肪族1級アルコールを好適に使用でき、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール等の1価アルコールが特に好ましい。アルコールは、1種又は2種以上で用いることができる。
【0043】
本発明の製造方法では、目的とするエステルの種類等に応じて、アルコールの種類を適宜選択すれば良い。例えば、グリコール酸エステルを合成する場合には、アルコールとしてメタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール等の1級アルコールを用いれば良い。あるいは、エチレングリコールだけを用いた場合には、グリコール酸2−ヒドロキシエチルエステルを製造することができる。
【0044】
エチレングリコールとアルコールを原料とする場合は、反応割合は特に限定されないが、エチレングリコールに対するアルコールのモル比は、通常1:2〜50程度であり、1:3〜20程度がより好ましい。上記範囲内とすることにより、より効率的にグリコール酸エステルを合成することが可能になる。
【0045】
▲1▼ 触媒
本発明は、触媒の存在下で上記反応を行っても良い。上記反応で触媒を用いる場合の触媒の種類は、特に限定されるものではないが、活性成分である金属が担体に担持された触媒、即ち担持型金属触媒を用いるのが好ましい。
【0046】
活性成分である金属は、特に制限されないが、好ましくは貴金属であり、例えば、金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金等を例示することができ。これらの中でも、金、パラジウム、ルテニウム等がより好ましく、特に金が好ましい。
【0047】
本発明で用いることができる触媒は、上記の貴金属を必須成分として含み、更に、貴金属以外にも、第4周期から第6周期の2B族、3B族、4B族、5B族及び6B族並びに第4周期の8族からなる群から選択される少なくとも1種の元素(以下、これらの元素を「第二元素」ということがある。)を含む触媒が挙げられる。第二元素の具体例として、例えばZn, Cd, Hg等の2B族;Ga, In, Tl等の3B族;Ge, Sn, Pb等の4B族;As, Sb, Bi等の5B族;Se, Te, Po等の6B族;Fe, Co, Ni等の8族等を例示することができる。
【0048】
本発明で触媒を用いる場合には、例えば、Auからなる微粒子及び/又は周期表第4から第6周期の2B族、3B族、4B族、5B族、6B族及び第4周期8族の少なくとも1種の第二元素とAuとからなる微粒子が担体上に担持されている触媒を好適に用いることができる。
【0049】
活性成分である金属は、上記貴金属を単独で含んでいても良く、2種以上を含んでいても良い。2種以上の貴金属を含む場合には、本発明の効果が得られる限り、一部又は全部が合金、金属間化合物等を形成していても良い。
【0050】
また、活性成分である金属が、貴金属と第二元素とを含む場合には、本発明の効果が得られる限り、一部又は全部が合金、金属間化合物等を形成していても良い。貴金属及び第二元素は、通常微粒子として担体に担持されている。本発明において用いる触媒は、本発明の効果を妨げない範囲内で貴金属及び第二元素以外の他の元素又は不純物が含まれていても良い。
【0051】
活性成分である金属微粒子の粒子径は、所定の触媒活性が得られる限り限定的ではないが、平均粒子径は、通常10nm以下程度、好ましくは6nm以下程度、より好ましくは5nm以下程度、特に好ましくは1〜5nm程度である。この範囲内に設定すれば、より確実に優れた触媒活性を得ることができる。平均粒子径の下限値は特に制限されないが、物理的安定性の見地より約1nm程度とすれば良い。
【0052】
なお、本発明における金属粒子の平均粒子径は、担体上の金属粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)による観察により任意に選んだ120個のうち、(1)大きい順に上から10個及び(2)小さい順に下から10個の合計20個を除いた100個の粒子径の算術平均値を示す。また、金属粒子の粒子径分布の極大値は、1〜6nm程度、特に1〜5nm程度の範囲にあることが好ましい。粒子径の分布は狭い方が好ましく、上記120個の粒子径の標準偏差(Standard Deviation)が2以下程度、特に1.5以下程度であることが好ましい。
【0053】
触媒における金属活性成分の担持量は、担体の種類等に応じて適宜決定すれば良いが、通常は担体100質量部に対して0.01〜20質量部程度、特に0.1〜10質量部程度とすることが好ましい。
【0054】
担体としては、従来から触媒担体として用いられているものを使用することができ、特に限定されない。例えば、市販品を使用することができる。また、公知の製法によって得られるものも使用できる。例えば、金属酸化物(シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア等)、複合金属酸化物(シリカ・アルミナ、チタニア・シリカ、シリカ・マグネシア等)、ゼオライト(ZSM−5等)、メソポーラスシリケート(MCM−41等)等の無機酸化物;天然鉱物(粘土、珪藻土、軽石等);炭素材料(活性炭、黒鉛等)の各種担体を挙げることができ、これらの中では無機酸化物が好ましい。
【0055】
本発明では、無機酸化物担体は多孔質であることが好ましく、特にその比表面積(BET法)が50m/g以上程度のものが好ましく、100m/g以上程度であることがより好ましく、100〜800m/g程度のものが特に好ましい。担体の形状・大きさは限定的でなく、最終製品の用途等に応じて適宜決定すれば良い。
【0056】
▲2▼ 触媒の製造方法
上記触媒の製造方法は、上記のような担持体が得られる限りその制限はない。例えば、所望の金属及びその化合物の少なくとも1種を含む担体を熱処理することによって得ることができる。金属の化合物は、水酸化物、塩化物、カルボン酸塩、硝酸塩、アルコキサイド、アセチルアセトナート塩等のいずれであっても良い。
【0057】
具体的には、例えば、金微粒子を担持する場合は、金微粒子を担体上に固定化できる方法であれば特に限定されない。担持方法自体は、例えば共沈法、析出沈殿法、含浸法、気相蒸着法等の公知の方法を利用できるが、共沈法、析出沈殿法等を好適に使用でき、特に析出沈殿法が好ましい。析出沈殿法により第一工程で用いることができる触媒を製造する場合、例えば、金を含む水溶性化合物の水溶液と無機酸化物担体とを混合した後、回収された固形分を焼成することによって触媒を得ることができる。
【0058】
また、担体に2種以上の金属を担持させる場合、担持させる順序も限定的でなく、いずれが先であっても良いし、また同時であっても良い。すなわち、(A)貴金属を担体に担持した後、第二元素を担持する方法、(B)第二元素を担体に担持した後、貴金属を担持する方法、(C)貴金属と第二元素とを同時に担体に担持する方法のいずれであっても良い。
【0059】
▲3▼ グリコール酸エステル合成反応
上記反応は、液相反応、気相反応等のいずれであっても良い。酸素としては、分子状酸素を用いるのが好ましい。酸素(酸素ガス)は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガスで希釈されていても良い。また、空気等の酸素含有ガスを用いることもできる。酸素含有ガスの反応系への供給方法は特に限定されず、公知の方法を採用できる。特に、液中へのバブリング等を好適に用いることができる。
【0060】
上記反応の形態としては、連続式、回分式、半回分式等のいずれであっても良く、特に限定されるものではない。触媒は、反応形態として回分式を採用する場合には、反応装置に原料とともに一括して仕込めば良い。また、反応形態として連続式を採用する場合には、反応装置に予め上記触媒を充填しておくか、あるいは反応装置に原料とともに触媒を連続的に仕込めば良い。触媒は、固定床、流動床、懸濁床等のいずれの形態であっても良い。
【0061】
触媒を用いる場合の使用量は、原料であるアルコールの種類、触媒の種類、反応条件等に応じて適宜決定すれば良いが、通常、エチレングリコール1モルに対して1〜100g程度、好ましくは2〜60g程度である。
【0062】
反応時間は特に限定されるものではなく、設定した条件により異なるが、通常は反応時間又は滞留時間(反応器内滞留液量/液供給量)として0.5〜20時間程度、好ましくは1〜10時間程度とすれば良い。
【0063】
反応温度、反応圧力等の諸条件は、原料であるアルコールの種類、触媒の種類等に応じて適宜決定すれば良い。反応温度は、通常0〜200℃程度、好ましくは50〜180℃程度とすれば良い。この範囲内の温度に設定することにより、いっそう効率的に反応を進行させることができる。反応圧力は、減圧、常圧又は加圧のいずれであっても良いが、通常は0.05〜10MPa(ゲージ圧)程度、特に0.1〜5MPa程度の範囲内が好適である。また、反応系のpHは、副生成物抑制等の見地よりpH2〜9程度とすることが望ましい。pH調節のために、例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物(カルボン酸塩)を反応系への添加剤として使用することもできる。
【0064】
上記反応は、溶媒の存在下で実施することができる。溶媒を用いることにより、目的とするグリコール酸エステルを効率良く製造できる場合がある。使用できる溶媒としては、原料であるエチレングリコール又はアルコールを溶解することができ、反応条件下で自ら反応しにくいものであればその種類は特に限定されるものではなく、原料アルコールの種類、反応条件等に応じて適宜選択すれば良い。例えば、水のほか、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレン等のハロゲン含有化合物等を挙げることができる。溶媒の使用量は、溶媒の種類、アルコールの種類、触媒の種類等に応じて適宜設定すれば良い。
【0065】
▲4▼ 反応生成物の蒸留
本発明では、上記反応により得られた反応生成物を蒸留する工程を有し、当該グリコール酸エステルのエステル基−C(=O)OR(但し、Rは炭化水素基)に対応するアルコールR−OHを蒸留系内に供給しながら蒸留を行う。この蒸留工程は、本発明のグリコール酸エステルの精製方法に従って実施することができる。
【0066】
また、上記反応で触媒を用いた場合は、例えばろ過、遠心分離等の公知の固液分離方法に従って触媒を除去した後、蒸留工程に供することが望ましい。
【0067】
【発明の効果】
本発明では、アルコールを蒸留系内に積極的に導入するので、グリコール酸エステルの副反応を抑制ないしは防止することができる。これにより、グリコール酸エステルを効率的に回収することが可能となる。
【0068】
また、アルコールを供給することにより、蒸留系内のアルコール濃度が高くなる結果、蒸留系内の混合物の沸点を下げることができる。この点においても、本発明方法では、副反応の抑制に寄与することができる。
【0069】
さらに、混合物中にグリコール酸、グリコール酸エステルオリゴマー、供給するアルコールとは異なるアルコールのグリコール酸エステル等が含まれていても、本発明方法に従って供給されたアルコールと反応し、目的生成物であるグリコール酸エステルが生成することもある。これにより、グリコール酸エステルの収量をより高めることができる。
【0070】
本発明の製造方法によれば、上記の蒸留工程を有しているので、高い精製収率でグリコール酸エステルを製造することができる。
【0071】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。但し、本発明の範囲は、実施例の範囲に限定されるものではない。なお、実施例における物性の測定等は、次のような方法で実施した。
(1)金属微粒子の担持量
蛍光X線分析により測定した。
(2)金属微粒子の平均粒子径
透過型電子顕微鏡(TEM)(装置名「HF−2000」日立製作所、加速電圧200kV)で粒子径を観察し、付属のX線分析装置により粒子の成分分析を行った。
(3)反応生成物の定量
ガスクロマトグラフィー及び/又は液体クロマトグラフィーにより、反応液中の反応生成物の成分を定量分析した。
【0072】
参考例1
Au/TiO−SiO触媒を用い、酸化的エステル反応を行った。
(1)触媒の調製
共沈法により調製されたTiO−SiO(モル比TiO:SiO=5:95、焼成温度600℃、粒度50〜250メッシュ)を担体として用いた。
【0073】
濃度20mmol/Lのテトラクロロ金酸水溶液40Lを65〜70℃の範囲で0.5N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH7に調節した。この水溶液に上記TiO−SiO担体1kgを攪拌下に投入し、温度65〜70℃に保ちながら1時間攪拌を続けた。その後、静置して上澄液を除去し、残った金固定化物にイオン交換水20Lを加えて室温で5分間攪拌した後、上澄液を除去するという洗浄工程を3回繰り返した。ろ過により得られた金固定化物を110℃で8時間乾燥し、さらに空気中400℃で3時間焼成することにより、TiO−SiO担体上に金が担持された触媒(Au/TiO−SiO)を得た。
【0074】
この触媒における金の担持量は、担体に対して5.4質量%であった。また、この触媒に担持された金微粒子の粒子径を観察したところ、ほとんど全て6nm以下の粒径で高分散しており、2〜3nm付近に極大を持つ狭い粒子径分布を示し、平均粒子径は6nm以下であった。
(2)酸化的エステル反応
前記(1)で得られたAu/TiO−SiO触媒を用い、酸化的エステル反応によりグリコール酸メチルの合成を行った。
【0075】
回転式攪拌機及びコンデンサを備えた100Lのオートクレーブに、エチレングリコール9.6kg、メタノール50.0kg及び上記触媒4.3kgを仕込み、窒素で系内を0.7MPaまで加圧した。その後、系内の温度を120℃に昇温し、圧力が1MPaになるように調整した。圧力を1MPaに保ったまま、空気を2.5Nm/hrの流量で液中に吹き込み、120℃で8時間反応を行った。
【0076】
反応終了後、反応液を冷却し、反応液を取り出した。反応液中の触媒をろ過した後、反応液の内容物の分析をガスクロマトグラフィー及び液クロマトグラフィーで行った。反応液には、グリコール酸メチル7.5kg、エチレングリコール3.5kg、メタノール43.2kg、水4.9kg及びグリコール酸0.7kg含まれていた。エチレングリコールの転化率は63モル%、エチレングリコール基準のグリコール酸メチルの収率は53.8モル%であった。
【0077】
実施例1
参考例1で得られた反応液の蒸留を行った。
【0078】
15段のオルダーショウ式蒸留塔(第一蒸留塔)の塔頂から10段目に上記反応液を連続的に供給し、反応液中に含まれるグリコール酸メチルに対して10モル%のメタノールを塔底から連続的に供給した。塔頂圧力は66.7kPa、還流比は1と設定し、塔頂からメタノールと水を含む混合物を連続的に抜き出し、塔底からは塔底液を連続的に抜き出した。引き続いて、10段のオルダーショウ式蒸留塔(第二蒸留塔)の塔頂から5段目に上記塔底液を連続的に供給し、塔底から上記塔底液中のグリコール酸メチルに対して15モル%のメタノールを連続的に供給した。塔頂圧力は13.3kPa、還流比は0.5と設定した。第二蒸留塔の塔頂からグリコール酸メチルとメタノールを含む混合物を抜き出した。
【0079】
各塔頂液及び塔底液をガスクロマトグラフィー及び液クロマトグラフィーで分析した。供給したグリコール酸メチルのうち、第二蒸留塔の塔頂から得られたものが85%、第二蒸留塔の塔底液から得られたものが12%であり、ロス分は32%であった。供給した反応液に含まれていた副生成物に比べて、第二蒸留塔の塔底液に含まれていた副生成物の増加分は、供給したグリコール酸メチルに対して、グリコール酸が3モル%、グリコール酸2−ヒドロキシエチルが5モル%、グリコール酸メチル2量体が1モル%であった。
【0080】
比較例1
第一蒸留塔及び第二蒸留塔にメタノールを供給しなかったほかは実施例1と同様に反応液の蒸留を行った。
【0081】
各塔頂液及び塔底液をガスクロマトグラフィー及び液クロマトグラフィーで分析した。供給したグリコール酸メチルのうち、第二蒸留塔の塔頂から得られたものが59%、第二蒸留塔の塔底液から得られたものが9%であり、ロス分は32%であった。供給した反応液に含まれていた副生成物に比べて、第二蒸留塔の塔底液に含まれていた副生成物の増加分は、供給したグリコール酸メチルに対して、グリコール酸2−ヒドロキシエチルが2モル%、グリコール酸メチル2量体が1モル%であった。第二蒸留塔の塔底液は非常に粘度が高くなっていた。これは、上記分析では検出できなかった高分子量のオリゴマーが生成したためと考えられる。

Claims (4)

  1. グリコール酸エステルを含む混合物を蒸留するにあたり、蒸留系内にアルコールを供給しながら蒸留を行う方法であって、
    当該アルコールが、当該グリコール酸エステルのエステル基−C(=O)OR(但し、Rは炭化水素基)に対応するアルコールR−OHであることを特徴とするグリコール酸エステルの精製方法。
  2. 蒸留塔によって蒸留を行い、アルコールを蒸留塔の塔底に供給する請求項1記載の精製方法。
  3. 塔底液中のアルコールをグリコール酸エステルに対して0.1モル%以上とする請求項2記載の精製方法。
  4. 酸素の存在下において、(i)エチレングリコールどうし又は(ii)エチレングリコール及びアルコールを反応させることによりグリコール酸エステルを製造する方法であって、上記反応により得られた反応生成物を蒸留する工程を有し、当該グリコール酸エステルのエステル基−C(=O)OR(但し、Rは炭化水素基)に対応するアルコールR−OHを蒸留系内に供給しながら蒸留を行うことを特徴とするグリコール酸エステルの製造方法。
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