JP2002099101A - 剥離剤組成物および剥離方法 - Google Patents

剥離剤組成物および剥離方法

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JP2002099101A JP2001196512A JP2001196512A JP2002099101A JP 2002099101 A JP2002099101 A JP 2002099101A JP 2001196512 A JP2001196512 A JP 2001196512A JP 2001196512 A JP2001196512 A JP 2001196512A JP 2002099101 A JP2002099101 A JP 2002099101A
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啓二 平野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅等の腐食しやすい金属の腐食を防止しつつ
レジスト膜やエッチング残渣を効果的に剥離除去するこ
とができ、製品安全性に優れ、生物処理が可能で廃水処
理が容易な剥離剤組成物を提供すること。 【解決手段】 (a)防食剤、(b)剥離剤および
(c)溶媒を含む剥離剤組成物であって、(a)防食剤
が、窒素原子を含む六員環を有する複素環式化合物であ
ることを特徴とする剥離剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造プロセ
スにおける半導体基板上の不要物、たとえば、絶縁膜を
ドライエッチングした後のレジスト膜やエッチング残渣
等を剥離処理するための剥離剤組成物および剥離方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造プロセスにおけるスル
ーホールや配線溝等の形成工程はリソグラフィ技術を利
用して行われ、通常、レジスト膜を形成後、これをマス
クとしてドライエッチングを行い、次いでレジスト膜を
除去するというプロセスが行われる。ここで、レジスト
膜を除去するには、プラズマアッシング後、剥離液を用
いたウエット処理が一般的に行われる。剥離液について
は従来から様々な種類のものが開発されており、アルキ
ルベンゼンスルホン酸を主要成分とした有機スルホン酸
系剥離液、モノエタノールアミン等のアミン類を主要成
分とした有機アミン系剥離液、フッ化水素酸もしくはそ
の塩を主要成分としたフッ酸系剥離液などが知られてい
る。
【0003】ところが、近年では半導体素子の高速化に
対する要請から配線材料として銅等の低抵抗材料が利用
されるようになってきており、剥離液に対して配線材料
の防食性能が要求されるようになってきた。何故なら銅
は、アルミニウム等の従来の配線材料と比較して薬液に
対する耐腐食性が劣るため、剥離工程中に腐食が進行し
やすいためである。
【0004】半導体基板上に設けられた金属膜の腐食を
防止するための技術として、特開平7−247498号
公報には、第4級アンモニウム水酸化物、糖類または糖
アルコール類、および尿素化合物を含有する水溶液をア
ッシング後の洗浄として用いることにより、アルミニウ
ム合金のコロージョンを防止する技術が開示されてい
る。具体的には、テトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイド、ソルビトール、尿素および水からなる洗浄液
が示されている。アルミニウムを主成分とするアルミニ
ウム合金膜を用いて配線を形成する場合、アルミニウム
合金膜上に所定のパターンを有するフォトレジストを設
けた後、これをマスクとして上記アルミニウム合金膜を
ドライエッチングするというプロセスが採用される。ド
ライエッチング後、アルミニウム合金膜の側壁にフォト
レジストとドライエッチングガスの反応生成物である側
壁保護膜が形成される。ところが、ドライエッチングガ
スとして、一般的に塩素系ガスが用いられるため、この
側壁保護膜に塩素が取り込まれ、エッチング終了後にア
ルミニウム合金膜が腐食するという問題が生じていた。
特開平7−247498号公報開示の技術によれば、上
記した特定の組成を有する洗浄液を用いることにより、
塩素を含む側壁保護膜を効果的に除去できるとされてい
る。しかしながらこの技術は、アルミニウム合金膜を腐
食する原因となる塩素を含む側壁保護膜を効率的に除去
することを目的とするものであり、レジスト剥離液の剥
離性能向上を改善するものであって、高純度銅等の腐食
しやすい金属に対する有効な防食剤を提供するものでは
ない。
【0005】一方、金属の防食と清浄化とを目的とする
レジスト剥離液については、たとえば特開平8−334
905号公報に開示されており、カテコール、ピロガロ
ール、ヒドロキシ安息香酸等の芳香族ヒドロキシ化合物
や、酢酸、クエン酸、コハク酸等のカルボキシル基含有
有機化合物等が防食剤として例示されている。しかしな
がら、これらの防食剤は、アルミを主成分とするアルミ
−銅合金の腐食を目的とするものであり、純度が高く腐
食性の強い銅に対する防食作用は充分とはいえない。上
記特開平8−334905号公報には、他の防食剤とし
て、ベンゾトリアゾール(BTA)類が開示されてい
る。この防食剤を用いれば、銅のような腐食性金属に対
しても一定の防食作用が得られる。
【0006】ところが、BTAやその誘導体は生物によ
る分解処理を実施することが難しく、これらを含む廃液
の処理が困難であるという課題を有していた。近年、環
境負荷低減に対する要求が強まる中、半導体製造工場で
使用される化学物質に対しても、より高い安全性が求め
られるようになってきている。半導体製造工場から発生
する有機廃水は、通常、生物学的処理(以下「生物処
理」と記す)を施し、分解した後に放流されているが、
生物処理によって処理が出来ない物質に関しては、他の
手段を用いて処理するか、生分解性を示す他の化学物質
に代替することが望ましい。上記したBTAやその誘導
体は生物処理によって分解することが極めて困難であ
る。以上の理由から、BTA類を含む剥離液を使用する
工場では、その廃液や廃水の処理に環境リスクを負うば
かりか、多大なコストや手間のかかる生分解処理以外の
処理方法に頼らざるを得ないのが現状であった。
【0007】本発明と異なる技術分野の従来技術とし
て、特開平9−291381号公報には、水溶性防錆剤
として尿素縮合体が有効であることが記載され、尿素縮
合体の例としてイソシアヌル酸、ヒダントイン、尿酸、
トリスカルボキシメチルイソシアヌル酸、トリスカルボ
キシエチルイソシアヌル酸が例示されている。しかしな
がらこの技術は、切削加工、研磨加工、塑性加工等の金
属加工時、およびその保管における金属の錆び防止を目
的とするものであり、半導体製造工程のように極微細な
ホール内に堆積する残渣物の除去や高度な表面清浄化を
考慮した技術を提供するものではない。また、上記公報
記載の技術は、金属の「防錆」を目的とするものであ
り、「防食」を目的とする本発明とは解決すべき課題が
相違する。「防錆」とは金属の酸化の進行を抑えるもの
であるのに対し、本発明における「防食」とは半導体ウ
ェーハ上に形成された金属膜の腐食を防止するものであ
り、具体的には、レジスト剥離液に含まれる剥離成分に
よって銅等の金属が溶解したり錯体を形成することを防
止するものである。また、防錆剤による処理は、通常、
空気中で行われ、金属表面に存在する酸化膜上に防錆剤
からなる保護層を形成するものであるのに対し、本発明
における「防食」は、酸化していない金属清浄面に防食
剤を作用させて保護層を形成するものである。半導体ウ
ェーハ上に形成された金属膜は、その表面がわずかに酸
化した場合(錆が生じた場合)でも、抵抗の上昇や、そ
の上に形成される膜との密着性不良等、種々の問題が生
じる。したがって本発明における防食剤は、金属膜表面
に緻密な保護膜を形成し、金属膜の酸化を実質的に完全
に抑えた上で、レジスト剥離液や各種洗浄液により金属
膜が溶解したり錯体を形成するのを有効に防止すること
が求められる。すなわち、本発明における「防食」と
は、防錆よりも高度の金属膜保護作用が求められるので
ある。さらに、後述するように、レジスト剥離剤に用い
られる防食剤は、一般の金属部材の防食剤と異なり、種
々の特性を備えることが必要となる。以上のように、半
導体装置の製造プロセスにおいて使用されるレジスト剥
離剤の設計においては、一般の金属の防錆とは異なる観
点からの検討が必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情を踏
まえてなされたものであり、銅等の腐食しやすい金属の
腐食を防止しつつレジスト膜やエッチング残渣を効果的
に剥離除去することができ、製品安全性に優れ、生物処
理が可能で廃水処理が容易な剥離剤組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】これまで、レジスト剥離
液に添加される防食剤としては、配線材料に対する防食
性能を改善することを主眼として開発が進められてきた
が、さらに、安全性や生分解性といった環境リスクの低
減を考慮するためには、従来とは異なる観点からの検討
が必要となる。本発明者らは、かかる観点から検討を進
め、所定の構造を有する複素環式化合物が良好な防食性
を有することを見出し、本発明を完成した。
【0010】本発明によれば、(a)防食剤、(b)剥
離剤および(c)溶媒を含む剥離剤組成物であって、
(a)防食剤が、窒素原子を含む六員環を有する複素環
式化合物であることを特徴とする剥離剤組成物が提供さ
れる。
【0011】また本発明によれば、(a)防食剤、
(b)剥離剤および(c)溶媒を含む剥離剤組成物であ
って、(a)防食剤が、−C(OH)=N−、または −CONH− なる原子団を含む五員ないし六員の複素環を有する複素
環式化合物であることを特徴とする剥離剤組成物が提供
される。
【0012】また本発明によれば、(a)防食剤、
(b)剥離剤および(c)溶媒を含む剥離剤組成物であ
って、(a)防食剤が、プリンまたはその誘導体である
ことを特徴とする剥離剤組成物が提供される。
【0013】また本発明によれば、(a)防食剤、
(b)剥離剤および(c)溶媒を含む剥離剤組成物であ
って、(a)防食剤が、下記一般式(1)で表される化
合物であることを特徴とする剥離剤組成物が提供され
る。
【0014】
【化2】
【0015】(A1、A2およびA3は、それぞれ独立し
て水素原子、水酸基、炭素数1〜5のアルキル基または
アミノ基を表す。)
【0016】また本発明によれば、金属膜露出面を含む
半導体ウェーハ上のレジスト膜および/またはエッチン
グ残渣を、上記剥離剤組成物を用いて剥離処理すること
を特徴とする剥離方法が提供される。
【0017】また本発明によれば、半導体ウェーハ上に
金属膜および絶縁膜をこの順で形成し、さらにその上に
レジスト膜を形成した後、該レジスト膜をマスクとして
ドライエッチングを行い、前記絶縁膜中に前記金属膜に
達する凹部を設けた後、レジスト膜および/またはエッ
チング残渣を剥離処理する剥離方法であって、前記剥離
処理を上記剥離剤組成物を用いて行うことを特徴とする
剥離方法が提供される。
【0018】また本発明によれば、半導体ウェーハ上に
金属膜、第一の絶縁膜および所定の開口部を有する第二
の絶縁膜をこの順で形成した後、第二の絶縁膜をマスク
としてドライエッチングを行い、第一の絶縁膜中に前記
金属膜に達する凹部を設けた後、エッチング残渣を剥離
処理する剥離方法であって、前記剥離処理を上記剥離剤
組成物を用いて行うことを特徴とする剥離方法が提供さ
れる。
【0019】なお、上記剥離方法において、金属膜は、
たとえば銅または銅合金からなる膜とすることができ
る。
【0020】本発明は、上記したような特定の構造を有
する複素環式化合物を防食剤として用いているため、金
属膜表面に緻密な保護層を形成して優れた防食性能を発
揮する。また、製品安全性に優れる上、生物による分解
処理が可能で容易に廃水処理を行うことができる。
【0021】本発明における剥離剤組成物とは、主とし
て半導体装置の製造プロセスにおいて、レジスト膜やそ
の残渣を除去するのに用いられるほか、レジスト膜を設
けずに層間絶縁膜をエッチングした後の残渣除去等にも
用いられる。
【0022】本発明における防食剤は剥離剤組成物の一
成分として使用されるため、一般の金属部材の防食剤と
異なり、種々の特性を備えることが必要となる。
【0023】第一に、半導体装置の製造プロセスにおい
ては、金属配線の一部がわずかに損傷した場合でも設計
通りの性能を発揮できなくなることが多いことから、き
わめて高度の防食性能が要求される。くわえて、このよ
うな高度の剥離性能をアミンやフッ化水素酸塩等の剥離
成分の共存下で発揮することが要求される。
【0024】第二に、半導体基板やその上に形成される
各種の膜に損傷を与えないことが必要となる。近時の半
導体装置の製造プロセスにおいては素子の微細化が一層
進行しており、半導体装置を構成する基板や膜がわずか
に損傷を受けた場合でも、素子性能に致命的なダメージ
を与えることがある。
【0025】第三に、剥離処理後の工程に悪影響を与え
ないことが必要となる。たとえば金属膜表面に防食剤が
残存したまま、その上に絶縁膜や他の金属膜を形成する
と、抵抗の上昇、膜剥がれ等、素子性能に悪影響を与え
る場合がある。このため、残存しても素子性能に悪影響
を与えない防食剤を選択するか、あるいは、防食処理
後、次工程に移る前の段階で防食剤が金属膜表面から脱
離する防食剤を選択することが望まれる。
【0026】第四に、半導体装置の製造プロセス中で使
用されるため、廃液の量が多大であり、その処理に関
し、安全、迅速かつ低コストで行うことが特に要求され
る。したがって生物処理可能な成分で構成することが強
く求められる。
【0027】本発明の剥離剤組成物に含まれる防食剤は
上記特性を兼ね備えたものである。すなわち、本発明の
剥離剤組成物に含まれる防食剤は剥離剤の存在下でも強
力な防食性能を発揮し、基板や他の膜を損傷することが
ない。また、金属膜上に付着した防食剤は、成膜のため
の予備加熱等により速やかに脱離する。さらに、安全性
および生分解性に優れるものである。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明における(a)成分は、窒
素原子を含む六員環を分子中に有する複素環式化合物を
含有するものである。このような複素環式化合物は、複
素環中の窒素原子の有するキレート作用により、良好な
防食作用を発揮する上、生分解性も良好である。
【0029】また、(a)成分として、−C(OH)=
N−、または −CONH− なる原子団を含む五員ないし六員の複素環を有する複素
環式化合物を用いれば、特に良好な防食作用および生分
解性が発揮される。この理由は必ずしも明らかではない
が、以下のように推察される。
【0030】上記複素環式化合物において、C、N、
O、Hの各原子は、同一平面上にあるため、−C(O
H)=N−(アミド単位)と−CONH−(イミノヒド
リン単位)とは互変異性をなす。このことは、ラクタム
−ラクチム互変異性として知られている(下記式)。
【0031】
【化3】
【0032】上記式において、N、C、Oの各原子上に
共役系が広がり、この領域に電子が非局在化する。この
共役系の電子は、金属表面の空軌道と相互作用しやすい
ため、安定なキレート結合を形成するものと考えられ
る。
【0033】また、上記原子団は五員ないし六員の複素
環の環状部分に含まれているため、立体障害が低く、上
記原子団が金属原子に接近しやすく、キレート結合を形
成しやすいものと考えられる。
【0034】アミド単位乃至イミノヒドリン単位を含む
五員ないし六員の複素環を分子中に有する複素環式化合
物が顕著な防食作用を有するのは、上記理由によるもの
と推察される。
【0035】また、生分解性が良好な理由は、アミド結
合が生体親和性が高いことと関連するものと推察され
る。
【0036】本発明における複素環式化合物の具体例と
しては、プリン、6−アミノプリン、2−アミノ−6−
オキソプリン、6−フルフリルアミノプリン、2,6−
(1H.3H)−プリンジオン、2−アミノ−6−ヒド
ロキシ−8−メルカプトプリン、アロプリノール、尿
酸、カイネチン、ゼアチン、グアニン、キサンチン、ヒ
ポキサンチン、アデニン、テオフェリン、カフェイン、
テオプロミン等のプリンおよびその誘導体;8−アザグ
アニン等のアザグアニンおよびその誘導体;プテリジ
ン、プテリン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシプテ
リジン、2−アミノ−4,7−ジヒドロキシプテリジ
ン、2−アミノ−4,6,7−トリヒドロキシプテリジ
ン等のプテリジン、プテリンおよびそれらの誘導体;シ
アヌル酸、イソシアヌル酸、トリスカルボキシメチルシ
アヌル酸、トリスカルボキシエチルシアヌル酸、トリス
カルボキシメチルイソシアヌル酸、トリスカルボキシエ
チルイソシアヌル酸等のシアヌル酸、イソシアヌル酸お
よびそれらの誘導体;ヒダントイン、ジメチルヒダント
イン、アラントイン(5−ウレイドヒダントイン)等の
ヒダントイン、アラントインおよびそれらの誘導体;バ
ルビツール酸およびそれらの誘導体;イソニコチン酸、
シトラジン酸等のニコチン酸およびそれらの誘導体;が
挙げられ、これらを単独で使用、または2種以上を併用
することができる。上記のうち、プリンおよびその誘導
体、ニコチン酸およびそれらの誘導体が好ましく用いら
れる。生分解性に優れる上、銅等の金属に対して優れた
防食効果を発揮するからである。
【0037】上記のうち、特にプリンおよびその誘導体
は、アミンやフッ化水素酸塩等の剥離成分の共存下で
も、銅等の金属に対して優れた防食効果を発揮する上、
半導体基板やその上に形成される各種の膜に損傷を与え
ることがなく、剥離処理後の工程に悪影響を与えないた
め、好ましく用いられる。なかでも、下記一般式(1)
で表される化合物、特に尿酸は、天然に広く分布する安
全性の高い物質であり、生分解性が特に優れ、さらに防
食性が顕著に優れており、好ましく用いられる。
【0038】
【化4】 (A1、A2およびA3は、それぞれ独立して水素原子、
水酸基、炭素数1〜5のアルキル基またはアミノ基を表
す。)
【0039】上記式中、A2およびA3のうち、少なくと
も一方が水酸基であることが望ましい。このようにすれ
ば複素環内にアミド結合を有する構造となり、防食作用
および生分解性が特に良好となる。
【0040】なお、上記環状部分にアミド単位を有する
化合物は、アミド単位がイミノヒドリン単位に変換し、
下記式に示すようにラクタム形とラクチム形の互変異性
をなすことが知られている。たとえば尿酸の場合は、以
下のような共鳴構造をとる。
【0041】
【化5】
【0042】本発明において、(a)成分の配合量の下
限は、好ましくは0.0001質量%、より好ましくは
0.001質量%とする。このような配合量とすること
により、防食性能を一層良好にすることができる。上限
については特に制限がないが、剥離液に対する溶解度の
関係上、たとえば20質量%程度、好ましくは10質量
%程度とする。なお、本明細書において、各成分の配合
量は特にことわりがない限り剥離剤組成物全体を基準と
する。
【0043】本発明における(b)成分としては、アル
カノールアミン類やフッ化水素酸塩を用いることができ
る。
【0044】アルカノールアミンとしては、具体的に
は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−
エチルアミノエタノール、N−メチルアミノエタノー
ル、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエ
タノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、1
−アミノ−2−プロパノール、トリエタノールアミン、
モノプロパノールアミン、ジブタノールアミン等が例示
される。このうち、モノエタノールアミン、N−メチル
アミノエタノールが特に好ましい。
【0045】モノエタノールアミン、N−メチルアミノ
エタノール等のアルカノールアミン類は良好な生分解性
を示すことから、剥離剤成分としてこれらを選択した場
合、本発明の剥離剤組成の安全性と生分解性をより高め
ることが可能である。
【0046】アミン系剥離成分では除去困難な残渣等を
除去する場合は、(b)成分としてフッ化水素酸塩を用
いることができる。具体的には、フッ化アンモニウム等
が好適に用いられる。フッ化水素酸塩を使用した場合、
レジスト側壁に付着する堆積物等を除去することができ
る。
【0047】本発明において、(b)成分の配合量の上
限は95質量%が好ましく、特に85質量%が好まし
い。また下限は1質量%が好ましく、特に10質量%が
好ましい。このような配合量とすることにより、防食性
能を良好に維持しつつ、レジスト膜やエッチング残渣を
一層効率よく除去することができる。
【0048】本発明における(c)成分としては、たと
えば水を用いることができる。本発明における(c)成
分の配合量の上限は90質量%が好ましく、特に80質
量%が好ましい。また下限は1質量%が好ましく、特に
5質量%が好ましい。このような配合量とすることによ
り、防食剤の溶解を促進し、防食性能を良好に維持しつ
つ、レジスト膜やエッチング残渣を一層効率よく除去す
ることができる。
【0049】本発明において(c)成分として、水溶性
有機溶媒を含有しても良い。水溶性有機溶媒としては、
水および本発明の他の配合成分と混和性のある有機溶媒
を用いることができる。
【0050】このような水溶性有機溶媒としては、ジメ
チルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホ
ン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)
スルホン、テトラメチレンスルホン等のスルホン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセト
アミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;
N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリ
ドン、N−プロピル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシ
メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−
ピロリドン等のラクタム類;1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジ
ノン、1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン
等のイミダゾリジノン類;γ−ブチロラクトン、δ−バ
レロラクトン等のラクトン類;エチレングリコール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エ−テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等
の多価アルコール類およびその誘導体があげられる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。これらの中で、ジメチルスルホキシド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、エチレングリコール、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテルが剥離性能に優
れるので好ましい。中でも、N−メチル−2−ピロリド
ンが基板に対する防食性能にも優れるため特に好まし
い。
【0051】本発明の剥離剤組成物は、上記(a)〜
(c)成分のみからなるものとしてもよく、また、本発
明の特性を損なわない範囲でこれらに適宜他の成分を添
加してもよい。
【0052】本発明の剥離剤組成物は種々のレジストの
剥離に使用することができ、芳香族化合物からなるKr
F用レジストや、脂環式アクリルポリマー等のArF用
レジストに適用することができる。たとえば、(i)ナフ
トキノンジアジド化合物とノボラック樹脂を含有するポ
ジ型レジスト、(ii)露光により酸を発生する化合物、酸
により分解しアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する
化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型レジス
ト、(iii)露光により酸を発生する化合物、酸により分
解しアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する基を有す
るアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型レジスト、(iv)
光により酸を発生する化合物、架橋剤及びアルカリ可溶
性樹脂を含有するネガ型レジスト等に対して使用するこ
とができる。
【0053】本発明の剥離剤組成物は、半導体基板上の
不要物を被剥離物とするものである。半導体基板上の不
要物とは、半導体装置の製造プロセス中に生じた種々の
不要物をいい、レジスト膜、ドライエッチング後のエッ
チング残渣のほか、化学的に変質したレジスト膜等も含
む。特に、被剥離物が、金属膜露出面を含む半導体基板
上のレジスト膜および/またはエッチング残渣である場
合、より効果的である。さらに、上記金属膜が銅膜であ
る場合、本発明の剥離剤組成物の有する防食作用がより
効果的に発揮される。
【0054】本発明は、低誘電率材料、たとえば、MS
Q(メチルシルセスキオキサン)、HSQ(ハイドロジ
ェンシルセスキオキサン)、MHSQ(メチル化ハイド
ロジェンシルセスキオキサン)等のポリオルガノシロキ
サン、あるいは、ポリアリールエーテル(PAE)、ジ
ビニルシロキサン−ビス−ベンゾシクロブテン(BC
B)等の芳香族含有有機材料を層間絶縁膜材料として用
いたプロセスに適用した場合、これらの膜の損傷を低減
できるという効果が得られる。これらの低誘電率材料
は、隣接配線間容量低減の観点から層間絶縁膜としてし
ばしば利用されるが、アッシング耐性が低く、プラズマ
に曝されることによって誘電率が上昇するという課題を
有していた。このため、アッシングの時間を極力短く
し、また、アッシング条件をできるだけ穏やかにするこ
とが望まれるが、この場合、強力な剥離作用を有する剥
離液による処理が不可欠となる。ところが、このような
強力な剥離成分は、同時に銅等の配線材料に対する腐食
作用も強いため、従来以上に強力な防食成分が求められ
るのである。したがって、上記低誘電率材料を用いるプ
ロセスでは、本発明の効果はより顕著に発揮される。
【0055】本発明は、金属膜露出面を含む半導体ウェ
ーハ上のレジスト膜および/またはエッチング残渣の除
去に適用した場合、効果的であるが、金属膜を、銅また
は銅を主成分とする銅合金とした場合、特に効果的であ
る。銅を主成分とする銅合金とは、銅を90質量%以上
含有する合金であって、Mg、Sc、Zr、Hf、N
b、Ta、Cr、Mo等の異種元素を含む銅合金をい
う。これらの金属は、低抵抗で素子の高速動作性を向上
させる反面、薬液により溶解、変質等の腐食を起こしや
すいため、本発明の適用効果が顕著となる。
【0056】次に、本発明の剥離剤組成物の適用例とし
て、シングルダマシンプロセスにより銅配線上の層間接
続プラグを形成する例を示す。
【0057】まず図1(a)のように、トランジスタ等
の素子を形成した半導体基板(不図示)上にシリコン酸
化膜1、シリコン窒化膜2、およびシリコン酸化膜3を
成膜した後、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical
Polishing :CMP)を利用した公知のダマシンプロセ
スを用いてバリアメタル膜4および銅膜5からなる銅配
線を形成し、さらにその上に膜厚50〜100nm程度
のシリコン窒化膜6および膜厚600〜1000nm程
度の層間絶縁膜(シリコン酸化膜又は低誘電率膜)7を
形成する。銅膜5の膜厚は任意に選択されるが、隣接配
線間の寄生容量を低減する観点からは膜厚をたとえば3
50nm以下とすることが好ましい。銅配線の膜厚を薄
くした場合、銅配線層全体に対する腐食層の厚みが相対
的に大きくなり、銅表面の腐食による配線抵抗の増大が
特に問題となるが、本発明の剥離剤組成物を用いれば、
かかる問題を解消しつつ膜厚を薄くすることが可能とな
る。なお、本実施形態では、シリコン窒化膜6の膜厚を
50〜100nm程度としているが、これより厚くして
エッチング阻止膜としての機能を高めてもよい。
【0058】次いで層間絶縁膜7の上に、所定の形状に
パターニングしたレジスト膜8を設ける(図1
(b))。
【0059】次にレジスト膜8をマスクとしてシリコン
窒化膜6が露出するまで層間絶縁膜7をドライエッチン
グし、スルーホール10を形成する(図1(c))。こ
のとき、スルーホール10の内壁にエッチング残渣11
が付着する。スルーホールの開口径はたとえば0.2μ
m程度とする。エッチングガスとしては、シリコン窒化
膜よりも層間絶縁膜をより速くエッチングできるガスを
用いることが好ましい。
【0060】ここで、シリコン窒化膜6は銅の拡散防止
機能のほか、エッチング阻止膜としての機能も有してい
るのであるが、図1(c)に示すように、シリコン窒化
膜6上で制御性良くドライエッチングを停止できないこ
とがある。これは以下の理由による。本実施形態のよう
なプロセスでは、一般に、半導体ウェーハ上に種々の開
口径のスルーホールが形成される。ところが、小さい開
口径のホールではマイクロローディング効果によりエッ
チングの進行が遅くなる。このため、スルーホール形成
のためのエッチングに一定程度オーバーエッチング時間
を設けることが必要となり、これにより、一部のスルー
ホールにおいてシリコン窒化膜6がエッチングを受け、
銅膜5の一部が露出することとなる。また、たとえば銅
膜5の上面にディッシングとよばれる凹部が生じると、
シリコン窒化膜6の薄膜部が発生し、この箇所でシリコ
ン窒化膜6がエッチングされて銅膜5の一部が露出する
こともある。図1(a)に示す工程でシリコン窒化膜6
を厚く形成しておけば銅膜5の露出を防止することもで
きるが、この場合、隣接する銅配線の配線間容量が大き
くなり、半導体素子の高速動作が阻害されるという弊害
が生じやすい。
【0061】エッチング終了後、酸素プラズマアッシン
グによりレジスト膜8の一部を除去した後、本発明に係
る剥離剤組成物を用いて剥離処理を行う。この剥離処理
により、アッシングで除去しきれなかったレジスト膜や
エッチング残渣11が除去される。前述したように、エ
ッチング後、少なくとも一部のスルーホールにおいて銅
膜5が露出していることから、剥離剤組成物には銅に対
する防食が必要となるが、上記(a)、(b)成分を含
む剥離剤組成物を用いることにより、銅膜5に損傷を与
えることなくレジスト膜およびエッチング残渣11を効
果的に除去することができる。剥離処理を終了した状態
を図2(a)に示す。
【0062】その後、上記したエッチングとエッチング
ガスを変え、シリコン窒化膜6のエッチングを行う。こ
のとき、スルーホール10の内壁にエッチング残渣12
が付着する(図2(b))。このエッチング残渣12を
剥離除去するため、上記した剥離剤組成物を用いて、再
度、剥離処理を行う。この剥離処理を行う段階では、ス
ルーホール10底部に銅膜5が露出しているが、上記
(a)、(b)成分を含む剥離剤組成物を用いることに
より、銅膜5に損傷を与えることなくエッチング残渣1
2を除去できる(図2(c))。
【0063】その後、スルーホール内部に、Tiおよび
TiNがこの順で積層したバリアメタル膜14およびタ
ングステン膜15を成膜し、次いでCMPによる平坦化
を行うことにより、層間接続プラグを形成することがで
きる(図2(d))。
【0064】
【実施例】実施例1 銅配線上のスルーホール形成プロセスに、本発明に係る
剥離剤組成物を適用し、剥離性および防食性の評価を行
った。
【0065】評価に供する試料は、図1〜図2(c)に
示したものと同様のプロセスにしたがって作成した。ま
ずシリコンウェーハ上に銅配線を形成した後、その上に
膜厚90nmのシリコン窒化膜および膜厚900nmの
層間絶縁膜(HSQ及びMSQ)を成膜した。次にポジ
型レジスト膜をスピンナー塗布しレジスト膜を形成し
た。レジスト膜材料としては、KrF用ポジ型レジスト
材料であるPEX4(東京応化工業株式会社製)を用い
た。このレジスト膜を、マスクパターンを介して露光
し、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用
いて現像処理しレジストパターンを得た。
【0066】このレジスト膜をマスクとしてシリコン窒
化膜が露出するまでシリコン酸化膜をドライエッチング
し、開口径0.2μmのスルーホールを形成した。エッ
チングガスとしては、フルオロカーボン系のガスを用い
た。エッチング終了後、酸素プラズマアッシングにより
レジスト膜の一部を除去した後、表1中のNO.1に示
す剥離剤組成物を用いて剥離処理を行った。
【0067】次に、エッチングガスを変え、シリコン窒
化膜のエッチングを行い、スルーホール底部に銅配線を
露出させた。このエッチングにより生じたエッチング残
渣を除去するため、前記した剥離処理で用いたものと同
じ剥離剤組成物(表1中のNO.1)を用い、再度、剥
離処理を行った。
【0068】同様の処理を、表1中のNO.2〜17の
剥離剤組成物を用いて行い、合計で17種類の試料を作
成した。
【0069】以上のように処理を行ったウェーハを純水
でリンス処理した後、SEM(走査型電子顕微鏡)によ
る断面観察を行い、レジスト膜およびエッチング残渣
の剥離性および銅膜に対する防食性を評価した。評価
の基準は以下のとおりである。
【0070】(剥離性)レジスト膜およびエッチング残
渣の残存状況を観察し、以下の4段階で評価した。 ◎…残存が全く認められなかった。 ○…残存がほとんど認められなかった。 △…残存量少。 ×…残存量多。
【0071】(防食性)銅膜表面の腐食状況を観察し、
以下の4段階で評価した。 ◎…銅膜の腐食がまったく認められなかった。 ○…銅膜の腐食がわずかに認められた。 △…銅膜の腐食が認められた。 ×…銅膜の腐食が顕著であった。
【0072】(HSQダメージ)低誘電率膜としてHS
Qを用いた場合のHSQ膜表面の状態を観察し、以下の
4段階で評価した。 ◎…ダメージが全く認められなかった。 ○…ダメージがわずかに認められた。 △…ダメージが認められた。 ×…ダメージが顕著であった。
【0073】(MSQダメージ)低誘電率膜としてMS
Q(メチル化HSQ)を用いた場合のMSQ膜表面の状
態を観察し、以下の4段階で評価した。 ◎…ダメージが全く認められなかった。 ○…ダメージがわずかに認められた。 △…ダメージが認められた。 ×…ダメージが顕著であった。
【0074】
【表1】 *1 水の配合量で「残部」とあるのは、100質量%
から、防食剤および剥離剤の配合量を差し引いた残りを
いう。 *2 NMAE N−メチルアミノエタノール MEA モノエタノールアミン BTA ベンゾトリアゾール
【0075】以上のように、本発明の剥離剤組成物は優
れた剥離性能および防食性能を有していることがわか
る。なお、本実施例はシングルダマシンプロセスに本発
明を適用したものであるが、いわゆるデュアルダマシン
プロセスにも本発明を適用できる。
【0076】実施例2 基板全面に銅膜が形成されたシリコンウェーハを、80
℃で10分間、所定の剥離液に浸漬した。浸漬前後の銅
膜の膜厚から銅のエッチングレートを測定した。剥離液
は、以下の組成のものを用いた。なお、尿酸添加量の相
違によるpH変動の影響を排除するため、2N−アンモ
ニア水を添加し、pHを11にコントロールした。
【0077】アミン 80質量% 尿酸 0,0.0001,0.001,0.01,0.
1,1質量% 水 残部 アミンとしては、NMAE(N−メチルアミノエタノー
ル)を用いた。
【0078】結果を図3に示す。図の縦軸の示すエッチ
ングレートが4nm/minを超えると銅膜の腐食が顕
著となる。図に示す結果から、尿酸を添加することよっ
て優れた防食性が発現することがわかる。
【0079】実施例3 MITI法に準拠した生分解性試験法により、表2で良
好な結果を示した剥離剤成分の生分解性を評価した。す
なわち、無機培地に供試物質を100mg/lになるよ
うに添加し、これに活性汚泥を接種し、25℃で培養し
て閉鎖系酸素消費量測定装置を用いて酸素の消費量、な
らびに供試物質の残存量を測定し、酸素消費量から分解
率を求め、以下の評価基準にしたがって生分解性を判定
した。
【0080】 ◎…分解率が60%以上 ○…分解率が40%以上60%未満 △…分解率が10%以上40%未満 ×…分解率が10%未満 評価結果を表2に示す。
【0081】
【表2】 BTA ベンゾトリアゾール MEA モノエタノールアミン NMAE N−メチルアミノエタノール
【0082】実施例4 本実施例は、銅配線上のスルーホール形成プロセスに、
本発明に係る剥離剤組成物を適用した例である。剥離成
分として、剥離作用の強力なフッ化アンモニウムを用い
た。実施例1とほぼ同様のプロセスとしたが、窒化膜の
厚みやエッチングガスの種類は若干相違するため、剥離
対象となる堆積物が実施例1と相違する。評価結果を下
記表に示す。剥離性や防食性の評価基準は実施例1と同
様である。尿酸を用いたものは、BTA誘導体と同等の
剥離性、防食性を示すことが確認された。
【0083】
【表3】 NMP:N−メチル−2−ピロリドン DMSO:ジメチルスルホキシド
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の剥離剤組
成物は、防食剤として、特定構造を有する複素環式化合
物を含有しているため、銅の腐食を防止しつつレジスト
膜やエッチング残渣を効果的に剥離除去することができ
る上、安全性に優れ、生分解処理が可能なため、廃水の
処理も容易である。このため、銅配線の設けられた半導
体装置の製造プロセス等に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スルーホール形成プロセスを説明するための工
程断面図である。
【図2】スルーホール形成プロセスを説明するための工
程断面図である。
【図3】銅膜のエッチング速度におよぼす尿酸濃度の影
響を示すグラフである。
【符号の説明】
1 シリコン酸化膜 2 シリコン窒化膜 3 シリコン酸化膜 4 バリアメタル膜 5 銅膜 6 シリコン窒化膜 7 層間絶縁膜(シリコン酸化膜又は低誘電率膜) 8 レジスト膜 10 スルーホール 11 エッチング残渣 12 エッチング残渣 14 バリアメタル膜 15 タングステン膜
フロントページの続き (72)発明者 青木 秀充 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 富盛 浩昭 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA25 CA05 HA23 LA03 4J038 RA02 RA04 RA05 RA10 RA12 5F004 AA14 DB26 DB27 5F043 AA40 BB27 CC16 GG10 5F046 MA02 MA17

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)防食剤、(b)剥離剤および
    (c)溶媒を含む剥離剤組成物であって、(a)防食剤
    が、窒素原子を含む六員環を有する複素環式化合物であ
    ることを特徴とする剥離剤組成物。
  2. 【請求項2】 (a)防食剤、(b)剥離剤および
    (c)溶媒を含む剥離剤組成物であって、(a)防食剤
    が、−C(OH)=N−、または −CONH− なる原子団を含む五員ないし六員の複素環を有する複素
    環式化合物であることを特徴とする剥離剤組成物。
  3. 【請求項3】 (a)防食剤、(b)剥離剤および
    (c)溶媒を含む剥離剤組成物であって、(a)防食剤
    が、プリンまたはその誘導体であることを特徴とする剥
    離剤組成物。
  4. 【請求項4】 (a)防食剤、(b)剥離剤および
    (c)溶媒を含む剥離剤組成物であって、(a)防食剤
    が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特
    徴とする剥離剤組成物。 【化1】 (A1、A2およびA3は、それぞれ独立して水素原子、
    水酸基、炭素数1〜5のアルキル基またはアミノ基を表
    す。)
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の剥離剤組成物におい
    て、A2およびA3の少なくとも一方が水酸基であること
    を特徴とする剥離剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の剥離剤組成物におい
    て、(a)成分が尿酸であることを特徴とする剥離剤組
    成物。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6いずれかに記載の剥離剤
    組成物において、(b)成分がアルカノールアミン類で
    あることを特徴とする剥離剤組成物。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の剥離剤組成物におい
    て、前記アルカノールアミン類が、モノエタノールアミ
    ン、N−メチルアミノエタノール、2−(2−アミノエ
    トキシエタノール)、N−メチル−ジエタノールアミ
    ン、1−アミノ−2−プロパノールからなる群から選ば
    れる一または二以上の化合物であることを特徴とする剥
    離液組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至6いずれかに記載の剥離剤
    組成物において、(b)成分がフッ化水素酸及びその塩
    であることを特徴とする剥離剤組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9いずれかに記載の剥離
    剤組成物において、(c)成分が水であることを特徴と
    する剥離剤組成物。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の剥離剤組成物にお
    いて、(a)成分を0.0001〜20質量%、(b)
    成分を1〜95質量%、(c)成分を1〜90質量%含
    むことを特徴とする剥離剤組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11いずれかに記載の剥
    離剤組成物において、被剥離物が、金属膜露出面を含む
    半導体基板上のレジスト膜および/またはエッチング残
    渣であることを特徴とする剥離剤組成物。
  13. 【請求項13】 金属膜露出面を含む半導体ウェーハ上
    のレジスト膜および/またはエッチング残渣を、請求項
    1乃至12いずれかに記載の剥離剤組成物を用いて剥離
    処理することを特徴とする剥離方法。
  14. 【請求項14】 半導体ウェーハ上に金属膜および絶縁
    膜をこの順で形成し、さらにその上にレジスト膜を形成
    した後、該レジスト膜をマスクとしてドライエッチング
    を行い、前記絶縁膜中に前記金属膜に達する凹部を設け
    た後、レジスト膜および/またはエッチング残渣を剥離
    処理する剥離方法であって、前記剥離処理を請求項1乃
    至12いずれかに記載の剥離剤組成物を用いて行うこと
    を特徴とする剥離方法。
  15. 【請求項15】 半導体ウェーハ上に金属膜、第一の絶
    縁膜および所定の開口部を有する第二の絶縁膜をこの順
    で形成した後、第二の絶縁膜をマスクとしてドライエッ
    チングを行い、第一の絶縁膜中に前記金属膜に達する凹
    部を設けた後、エッチング残渣を剥離処理する剥離方法
    であって、前記剥離処理を請求項1乃至12いずれかに
    記載の剥離剤組成物を用いて行うことを特徴とする剥離
    方法。
  16. 【請求項16】 請求項13乃至15いずれかに記載の
    剥離方法において、前記金属膜が銅または銅合金からな
    る膜であることを特徴とする剥離方法。
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