JP3402365B2 - 防食剤 - Google Patents

防食剤

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JP3402365B2 JP2001196511A JP2001196511A JP3402365B2 JP 3402365 B2 JP3402365 B2 JP 3402365B2 JP 2001196511 A JP2001196511 A JP 2001196511A JP 2001196511 A JP2001196511 A JP 2001196511A JP 3402365 B2 JP3402365 B2 JP 3402365B2
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    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F11/00Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent
    • C23F11/08Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids
    • C23F11/10Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids using organic inhibitors
    • C23F11/14Nitrogen-containing compounds
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  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェーハ上
に形成された金属膜の腐食を防止する防食剤に関し、よ
り詳しくは、半導体ウェーハ上に形成された銅等の腐食
性金属の腐食を防止する防食剤に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造プロセスにおいては、
半導体ウェーハ上に所定の形状にパターニングされた金
属膜を形成し、配線や接続プラグを形成する。このよう
な配線や接続プラグの形成工程では、金属膜の腐食を防
止し、配線抵抗の上昇等を防ぐための防食技術が重要と
なる。特に、近年では、素子の高速動作化を図る観点か
ら配線や接続プラグの構成材料として銅が広く利用され
るようになってきており、金属膜の防食に対する要請は
従来以上に厳しくなってきている。何故ならば銅は、エ
レクトロマイグレーション耐性に優れ、かつ、低抵抗で
あるという優れた利点を有するものの、容易に酸化やエ
ッチング等が起こり、腐食しやすい性質を有しているか
らである。
【0003】金属膜の防食が重要となるプロセスの例と
して、レジスト剥離液による剥離処理工程が挙げられ
る。金属配線上にスルーホールを形成する場合、ドライ
エッチングによりホールを形成した後、レジスト残渣や
エッチング残渣を剥離除去する工程が必要となるが、こ
の際、剥離液による金属配線の腐食を防止することが重
要な課題となる。このため、レジスト剥離液に防食剤を
配合し、金属配線の腐食を防止することが広く行われて
いる。このような防食剤として、従来、ヒドロキシ安息
香酸等の芳香族ヒドロキシ化合物、酢酸、クエン酸、コ
ハク酸等のカルボキシル基含有有機化合物、ベンゾトリ
アゾール(BTA)類が使用されていた(特開平8−3
34905号公報等)。
【0004】また、配線金属として銅を用いる場合に行
われる化学的機械的研磨(ChemicalMechanical Polishi
ng: CMP)プロセスにおいては、腐食による配線金属の
品質劣化だけでなく、プロセス上の理由からも金属の防
食が重要となる。配線金属として銅を用いる場合、ドラ
イエッチング法による微細加工が困難であるため、通
常、ダマシン法とよばれるプロセスにより配線のパター
ニングが行われる(図3)。ダマシン法では、まず絶縁
膜3中に配線溝を形成した後(図3(a))、全面にバ
リアメタル膜4を形成する。次いで配線溝を埋め込むよ
うに全面に銅膜5を成膜した後(図3(b))、化学的
機械的研磨(以下「CMP」という)により配線溝以外
の領域に形成された銅膜5を除去する。このようにして
配線溝に銅が埋め込まれた形状の銅配線を形成される
(図3(c)、(d))。ここで、CMP工程では腐食
性のスラリーが用いられるため銅の腐食が進行しやすい
ことから、銅の防食が重要となる。くわえて、CMPプ
ロセスにおいては、(i)ディッシングやエロージョンの
発生、(ii)銅膜とバリアメタル膜との間のスリットの発
生、(iii)CMPにより研磨された銅の研磨パッドやウ
ェーハへの付着等、CMPプロセス特有の課題が生じる
ため、これらを防止する観点からも銅の防食を行うこと
が重要となる。以下、この点について説明する。
【0005】ディッシングとは、図4のように、銅膜5
の表面中央部が凹む現象をいう。これは、銅膜5の研磨
速度がバリアメタル膜4の研磨速度に比べて格段に大き
いことに起因して生じるものである。このようなディッ
シングが生じると配線の断面積が減少して抵抗が局所的
に増加する等、種々の問題を引き起こすこととなる。エ
ロージョンとは、配線密集部でCMPが過剰に進行し、
図3(d)のように配線密集部の表面が凹んでしまう現
象をいう。エロージョンが発生すると、配線抵抗が上昇
するとともに、基板表面の平坦性が悪化して配線の短絡
等の要因となる。
【0006】銅膜とバリアメタル膜との間のスリットと
は、CMP中に一種の電池効果によって生じる、図4に
示すようなスリットをいう。このようなスリットが生じ
ると、配線抵抗が上昇するとともに、その後の成膜不良
の要因となる。
【0007】CMPにより研磨された銅のウェーハ等へ
の付着とは、CMP中に発生した銅イオンが研磨パッド
に蓄積し、ウェーハ面上に再付着し、ウェーハ面の平坦
性を悪化させたり、電気的短絡を起こしたりすることを
いう。この問題については、たとえば特開平10−11
6804号公報等に記載されている。
【0008】以上のように、CMPにおいては、腐食に
よる配線金属の品質劣化だけでなく、プロセス上の理由
からも金属の防食が必要となる。従来のCMPでは、主
としてディッシング防止および研磨パッドへの銅の付着
防止の観点から防食剤が使用され、ベンゾトリアゾール
やその誘導体が用いられていた(特開平8−83780
号公報、特開平11−238709号公報)。
【0009】ところが、BTAやその誘導体は生物によ
る分解処理することが難しく、これらを含む廃液の処理
が困難であるという課題を有していた。近年、環境負荷
低減に対する要求が強まる中、半導体製造工場で使用さ
れる化学物質に対しても、より高い安全性が求められる
ようになってきている。半導体製造工場から発生する有
機廃水は、通常、生物学的処理(以下「生物処理」と記
す)を施し、分解した後に放流されているが、生物処理
によって処理が出来ない物質に関しては、他の手段を用
いて処理するか、生分解性を示す他の化学物質に代替す
ることが望ましい。上記したBTAやその誘導体は生物
処理によって分解することが極めて困難である。以上の
理由から、BTA類を含む薬液を使用する工場では、そ
の廃液や廃水の処理に環境リスクを負うばかりか、多大
なコストや手間のかかる生分解処理以外の処理方法に頼
らざるを得ないのが現状であった。
【0010】一方、前述したように、レジスト剥離液の
分野においては芳香族ヒドロキシ化合物やカルボキシル
基含有有機化合物等が防食剤として用いられる場合もあ
った。これらの防食剤は、一般に、BTA類よりも生分
解性に優れる。しかし、これらは主としてアルミ−銅合
金からなる配線材料の防食を目的とするものであったた
め、銅のような腐食されやすい金属に対する防食作用は
充分ではなく、CMPのような過酷な条件下で使用する
防食剤として利用することは困難であった。
【0011】以上、半導体装置の製造プロセスにおける
防食に関する従来技術について述べたが、本発明と異な
る技術分野の従来技術として、特開平9−291381
号公報には、水溶性防錆剤として尿素縮合体が有効であ
ることが記載され、尿素縮合体の例としてイソシアヌル
酸、ヒダントイン、尿酸、トリスカルボキシメチルイソ
シアヌル酸、トリスカルボキシエチルイソシアヌル酸が
例示されている。しかしながらこの技術は、切削加工、
研磨加工、塑性加工等の金属加工時、およびその保管に
おける金属の錆び防止を目的とするものであり、半導体
製造工程のように極微細なホール内に堆積する残渣物の
除去や高度な表面清浄化を考慮した技術を提供するもの
ではない。また、上記公報記載の技術は、金属の「防
錆」を目的とするものであり、「防食」を目的とする本
発明とは解決すべき課題が相違する。「防錆」とは金属
の酸化の進行を抑えるものであるのに対し、本発明にお
ける「防食」とは半導体ウェーハ上に形成された金属膜
の腐食を防止するものであり、具体的には、レジスト剥
離液や各種洗浄液、CMPスラリー等によって銅等の金
属が溶解したり、あるいは、錯体を形成する等して変質
することを防止するものである。また、防錆剤による処
理は、通常、空気中で行われ、金属表面に存在する酸化
膜上に防錆剤からなる保護層を形成するものであるのに
対し、本発明における「防食」は、酸化していない金属
清浄面に防食剤を作用させて保護層を形成するものであ
る。半導体ウェーハ上に形成された金属膜は、その表面
がわずかに酸化した場合(錆が生じた場合)でも、抵抗
の上昇や、その上に形成される膜との密着性不良等、種
々の問題が生じる。したがって本発明における防食剤
は、金属膜表面に緻密な保護膜を形成し、金属膜の酸化
を実質的に完全に抑えた上で、レジスト剥離液や各種洗
浄液により金属膜が溶解したり錯体を形成するのを有効
に防止することが求められる。すなわち、本発明におけ
る「防食」とは、防錆よりも高度の金属膜保護作用が求
められるのである。さらに、後述するように、半導体ウ
ェーハ上に形成された金属膜の腐食を防止する用途に用
いられる防食剤は、一般の金属部材の防食剤と異なり、
種々の特性を備えることが必要となる。以上のように、
半導体装置の製造プロセスにおいて使用される本発明の
防食剤の設計においては、一般の金属の防錆とは異なる
観点からの検討が必要となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情を踏
まえてなされたものであり、銅等の腐食しやすい金属の
腐食を効果的に防止する優れた防食性能を有し、製品安
全性に優れ、さらに、生物による分解処理が可能な、良
好な分解性を兼ね備えた防食剤を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】これまでの防食剤の開発
にあっては、金属に対する防食性能をいかに高めるかが
重要な技術的課題とされてきたが、防食性能に加えて十
分に高い安全性や優れた生分解性を付与するためには、
従来とは異なる観点からの検討が必要となる。本発明者
らは、かかる観点から検討を進め、特定の構造を有する
複素環式化合物を防食成分として用いることにより、高
度な防食性能と十分に高い安全性、優れた生分解性を両
立させ得ることを見出し、本発明を完成した。
【0014】本発明によれば、半導体ウェーハ上に形成
された金属膜の腐食を防止する防食剤であって、防食成
分として、窒素原子を含む六員環を有する複素環式化合
物を含有することを特徴とする防食剤が提供される。
【0015】また本発明によれば、半導体ウェーハ上に
形成された金属膜の腐食を防止する防食剤であって、防
食成分として、−C(OH)=N−、または −CONH− なる原子団を含む五員ないし六員の複素環を有する複素
環式化合物を含有することを特徴とする防食剤が提供さ
れる。
【0016】また本発明によれば、半導体ウェーハ上に
形成された金属膜の腐食を防止する防食剤であって、防
食成分として、プリンまたはその誘導体を含有すること
を特徴とする防食剤が提供される。
【0017】また本発明によれば、上記防食剤を、水ま
たは水溶性有機溶媒に溶解させてなる防食液が提供され
る。
【0018】また本発明によれば、半導体ウェーハ上に
形成された金属膜の防食処理に用いられる防食処理液で
あって、上記防食剤を含むことを特徴とする防食処理液
が提供される。
【0019】また本発明によれば、表面に金属膜の形成
された半導体ウェーハを保管するための保管液であっ
て、上記防食剤を含むことを特徴とする保管液が提供さ
れる。
【0020】また本発明によれば、表面に金属膜の形成
された半導体ウェーハを化学的機械的研磨するためのス
ラリーであって、上記防食剤を含むことを特徴とする化
学的機械的研磨用スラリーが提供される。
【0021】また本発明によれば、半導体ウェーハ上に
金属膜を形成し、該金属膜の一部を化学的機械的研磨
し、洗浄液を用いて該半導体ウェーハ表面の洗浄を行っ
た後、上記防食処理液を用いて該金属膜の防食処理を行
うことを特徴とする防食処理方法が提供される。
【0022】本発明は、上記したような特定の構造を有
する複素環式化合物を防食剤として用いているため、金
属膜表面に緻密な保護層を形成し、かつ、金属膜表面が
適度な疎水性に保つことができ、優れた防食性能を発揮
する。また、安全性に優れる上、生物による分解処理が
可能で容易に廃水処理を行うことができる。
【0023】本発明における防食剤は半導体ウェーハ上
に形成された金属膜の腐食を防止する用途に用いられる
ため、一般の金属部材の防食剤と異なり、種々の特性を
備えることが必要となる。
【0024】第一に、半導体装置の製造プロセスにおい
ては、金属配線の一部がわずかに損傷した場合でも設計
通りの性能を発揮できなくなることが多いことから、き
わめて高度の防食性能が要求される。特に半導体装置の
製造プロセスでは、ウエットエッチングやレジスト剥離
処理、洗浄等、酸やアルカリの薬液を使用する工程が多
数存在し、これらの工程を行う際に金属膜の溶解や変質
を充分に抑制することが必要となる。また、本発明の防
食剤をレジスト等の剥離液やCMPスラリーに添加して
用いる場合は、他の成分との共存下で高度の防食作用を
発揮することが要求される。
【0025】第二に、半導体基板やその上に形成される
各種の膜に損傷を与えないことが必要となる。近時の半
導体装置の製造プロセスにおいては素子の微細化が一層
進行しており、半導体装置を構成する基板や膜がわずか
に損傷を受けた場合でも、素子性能に致命的なダメージ
を与えることがある。
【0026】第三に、防食処理後の工程に悪影響を与え
ないことが必要となる。たとえば金属膜表面に防食剤が
残存したまま、その上に絶縁膜や他の金属膜を形成する
と、抵抗の上昇、膜剥がれ等、素子性能に悪影響を与え
る場合がある。このため、残存しても素子性能に悪影響
を与えない防食剤を選択するか、あるいは、防食処理
後、次工程に移る前の段階で防食剤が金属膜表面から脱
離する防食剤を選択することが望まれる。
【0027】第四に、半導体装置の製造プロセス中で使
用されるため、廃液の量が多大であり、その処理に関
し、安全、迅速かつ低コストで行うことが特に要求され
る。したがって生物処理可能な成分で構成することが強
く求められる。
【0028】本発明の防食剤は上記特性を兼ね備えたも
のである。すなわち、本発明の剥離剤組成物に含まれる
防食剤は、他の化学物質の存在下でも強力な剥離性能を
発揮し、基板や他の膜を損傷することがない。また、金
属膜上に付着した防食剤は、成膜のための予備加熱等に
より速やかに脱離する。さらに、安全性および生分解性
に優れるものである。したがって、半導体ウェーハ上に
形成された金属膜の腐食を防止するのに特に適した構成
となっている。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明における防食剤中の防食
分は、窒素原子を含む六員環を分子中に有する複素環式
化合物を含有するものとすることができる。このような
複素環式化合物は、複素環中の窒素原子の有するキレー
ト作用により、良好な防食作用を発揮する上、生分解性
も良好である。
【0030】また、防食剤中の防食成分として、 −C(OH)=N−、または −CONH− なる原子団を含む五員ないし六員の複素環を有する複素
環式化合物を用いれば、特に良好な防食作用および生分
解性が発揮される。この理由は必ずしも明らかではない
が、以下のように推察される。
【0031】上記複素環式化合物において、C、N、
O、Hの各原子は、同一平面上にあるため、−C(O
H)=N−(アミド単位)と−CONH−(イミノヒド
リン単位)とは互変異性をなす。このことは、ラクタム
−ラクチム互変異性として知られている(下記式)。
【0032】
【化2】
【0033】上記式において、N、C、Oの各原子上に
共役系が広がり、この領域に電子が非局在化する。この
共役系の電子は、金属表面の空軌道と相互作用しやすい
ため、安定なキレート結合を形成するものと考えられ
る。
【0034】また、上記原子団は五員ないし六員の複素
環の環状部分に含まれているため、立体障害が低く、上
記原子団が金属原子に接近しやすくキレート結合を形成
しやすいものと考えられる。
【0035】アミド単位乃至イミノヒドリン単位を含む
五員ないし六員の複素環を分子中に有する複素環式化合
物が顕著な防食作用を有するのは、上記理由によるもの
と推察される。
【0036】また、生分解性が良好な理由は、アミド結
合が高い生体親和性を有することに関連するものと推察
される。
【0037】本発明における複素環式化合物の具体例と
しては、プリン、6−アミノプリン、2−アミノ−6−
オキソプリン、6−フルフリルアミノプリン、2,6−
(1H.3H)−プリンジオン、2−アミノ−6−ヒド
ロキシ−8−メルカプトプリン、アロプリノール、尿
酸、カイネチン、ゼアチン、グアニン、キサンチン、ヒ
ポキサンチン、アデニン、テオフェリン、カフェイン、
テオプロミン等のプリンおよびその誘導体;8−アザグ
アニン等のアザグアニンおよびその誘導体;プテリジ
ン、プテリン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシプテ
リジン、2−アミノ−4,7−ジヒドロキシプテリジ
ン、2−アミノ−4,6,7−トリヒドロキシプテリジ
ン等のプテリジン、プテリンおよびそれらの誘導体;シ
アヌル酸、イソシアヌル酸、トリスカルボキシメチルシ
アヌル酸、トリスカルボキシエチルシアヌル酸、トリス
カルボキシメチルイソシアヌル酸、トリスカルボキシエ
チルイソシアヌル酸等のシアヌル酸、イソシアヌル酸お
よびそれらの誘導体;ヒダントイン、ジメチルヒダント
イン、アラントイン(5−ウレイドヒダントイン)等の
ヒダントイン、アラントインおよびそれらの誘導体;バ
ルビツール酸およびそれらの誘導体;イソニコチン酸、
シトラジン酸等のニコチン酸およびそれらの誘導体;等
が挙げられ、これらを単独で使用、または2種以上を併
用することができる。上記のうち、プリンおよびその誘
導体や、ニコチン酸およびそれらの誘導体が好ましく用
いられる。生分解性に優れる上、銅等の金属に対して優
れた防食効果を発揮するからである。
【0038】上記のうち、特にプリンおよびその誘導体
は優れた防食効果を発揮する上、半導体基板やその上に
形成される各種の膜に損傷を与えることがなく、剥離処
理後の工程に悪影響を与えないため、好ましく用いられ
る。なかでも、下記一般式(1)で表される化合物、特
に尿酸は、天然に広く分布する安全性の高い物質であ
り、生分解性が特に優れ、さらに防食性が顕著に優れて
おり、好ましく用いられる。
【0039】
【化3】 (A1、A2およびA3は、それぞれ独立して水素原子、
水酸基、炭素数1〜5のアルキル基またはアミノ基を表
す。)
【0040】上記式中、A2およびA3のうち、少なくと
も一方が水酸基であることが望ましい。このようにすれ
ば複素環内にアミド結合を有する構造となり、防食作用
および生分解性が特に良好となる。
【0041】なお、上記環状部分にアミド単位を有する
化合物は、アミド単位がイミノヒドリン単位に変換し、
下記式に示すようにラクタム形とラクチム形の互変異性
をなすことが知られている。たとえば尿酸の場合は、以
下のような共鳴構造をとる。
【0042】
【化4】
【0043】本発明の防食剤は、水や後述する水溶性有
機溶媒に分散させて用いることができる。この場合、ア
ルカノールアミン類をさらに添加すれば、防食剤の溶解
性を改善できる。生分解性の良好なアルカノールアミン
を選択すれば、特に安全性、生分解性に優れた防食液と
することができる。
【0044】アルカノールアミン類の具体例としては、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−エチ
ルアミノエタノール、N−メチルアミノエタノール、N
−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノー
ル、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、1−アミ
ノ−2−プロパノール、トリエタノールアミン、モノプ
ロパノールアミン、ジブタノールアミン等が例示され
る。このうち、モノエタノールアミン、N−メチルアミ
ノエタノールが特に好ましい。これらの化合物は単独で
用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0045】防食剤中の防食成分(以下、(a)成分と
称する)およびアルカノールアミン類(以下、(b)成
分と称する)の混合比は任意に設定することができる
が、たとえば、(a)成分の質量に対する(b)成分の
質量を、好ましくは0.1〜10000質量%、さらに
好ましくは1〜100質量%とする。このような混合比
にすることによって、より高い防食性能を発揮すること
が可能になる。
【0046】本発明の防食剤は、銅または銅を主成分と
する銅合金の防食に用いられた場合、特に効果的であ
る。銅を主成分とする銅合金とは、銅を90質量%以上
含有する合金であって、Mg、Sc、Zr、Hf、N
b、Ta、Cr、Mo等の異種元素を含む銅合金をい
う。これらの金属は、低抵抗で素子の高速動作性を向上
させる反面、薬液により溶解、変質等の腐食を起こしや
すいため、本発明の適用効果が顕著となる。
【0047】本発明に係る防食液は、上記防食剤を水及
び/または水溶性有機溶媒に溶解させてなるものであ
る。
【0048】上記水溶性有機溶媒としては、ジメチルス
ルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、ジ
エチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホ
ン、テトラメチレンスルホン等のスルホン類;N,N−
ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、
N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチ
ル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N
−プロピル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−
2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリド
ン等のラクタム類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、
1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等のイ
ミダゾリジノン類;γ−ブチロラクトン、δ−バレロラ
クトン等のラクトン類;エチレングリコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多
価アルコール類およびその誘導体があげられる。これら
は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0049】本発明に係る防食液には、アルカノールア
ミン類((b)成分)を添加してもよい。このようにす
れば防食成分((a)成分)の溶解度を高めることが可
能になり、防食効果がより顕著に発揮される。本発明に
係る防食液中の(a)、(b)成分の濃度は、用途・目
的に応じて適宜設定されるが、たとえば以下のようにす
ることが好ましい。すなわち、防食液全体に対し、
(a)成分の配合量の下限は0.0001質量%が好ま
しく、特に0.01質量%が好ましい。上限については
特に制限がないが、溶解度の関係上、たとえば20質量
%程度とする。一方、(b)成分の配合量の上限は20
質量%が好ましく、特に10質量%が好ましい。また下
限は0.0001質量%が好ましく、特に0.001質
量%が好ましい。このような配合量とすることにより、
防食性能を一層良好にすることができる。
【0050】本発明の防食剤は、半導体ウェーハ上に形
成された金属膜(特に銅膜)の防食に用いられ、たとえ
ば、CMP用スラリーやCMP後等に用いられる防食処
理液およびウェーハ保管液、あるいは、レジスト等の剥
離液へ適用することができる。
【0051】本発明は、金属膜、特に銅膜の露出面を有
する半導体ウェーハのCMPプロセスへ適用した場合、
一層効果的である。CMPプロセスは、金属腐食性のス
ラリーが用いられることから金属の腐食が進行しやすい
上、(i)ディッシングやエロージョンの発生、(ii)金属
膜とバリアメタル膜との間のスリットの発生、(iii)C
MPにより研磨された金属の研磨パッドやウェーハへの
付着等、CMPプロセス特有の課題を有している。本発
明の防食剤によれば、金属膜表面に緻密な保護層が形成
され、かつ、金属膜表面が適度な疎水性に保たれるた
め、上記課題を有効に解決することができる。以下、本
発明に係る防食剤のCMPプロセスへの適用について説
明する。
【0052】CMPを利用した銅配線形成プロセスは図
1に示す工程を経て行われる。まず、図1(a)に示す
ように、シリコンウェーハ(不図示)上にシリコン酸化
膜1、シリコン窒化膜2およびシリコン酸化膜3をこの
順で形成し、ついで、ドライエッチングにより、所定の
形状にパターニングされた複数の配線溝を形成する。次
に図1(b)に示すように、全面にバリアメタル膜4を
スパッタリング法により堆積する。バリアメタル膜の材
料としては、Ta、TaN、Ti、TiN、W、WN、
WSiN等を用いることができ、膜厚は、通常、10〜
100nm程度とする。つづいてバリアメタル膜4上に
銅膜5を形成する(図1(b))。銅膜5の形成は、め
っき法、CVD法、スパッタリング法等を用いることが
できる。
【0053】次に銅膜5の表面をCMP法により研磨す
る。CMPは、通常、酸化剤と研磨砥粒を主成分とする
スラリーを用い、酸化剤の化学的作用で銅表面をエッチ
ングするとともに、その酸化表面層を研磨砥粒により機
械的に除去することにより行われる。このCMP用スラ
リーに本発明の防食剤を含有させることにより、CMP
中の銅の腐食を防止し、また、銅の研磨速度を抑制する
ことによりディッシングの防止を図ることができる。ま
た、CMPプロセスでは大量の廃液が発生するが、本発
明の防食剤は生分解性が良好であるため、廃液処理も容
易となる。
【0054】CMPは、最終的に図1(d)の如くバリ
アメタル膜4が完全に除去されるまで行う。この工程に
おいて、単一のCMP用スラリーを用いても良いが、デ
ィッシングやエロージョンを防止する観点から2種類以
上のスラリーを用いてもよい。たとえば金属研磨用およ
び酸化膜・バリアメタル膜研磨用の2種類のスラリーを
用いることができる。CMP用スラリーに本発明の防食
剤を適用する場合、どの段階のスラリーに添加してもよ
いが、特に図1(c)のようにバリアメタル膜露出以降
のスラリーに添加すると効果的である。このようにすれ
ば、配線部を構成する銅膜5の腐食防止効果、および、
ディッシング・エロージョンの抑制効果が一層顕著とな
るからである。
【0055】CMPはバリアメタル膜4が除去されてト
ルクが変化した時点で終了し(図1(d))、その後、
必要に応じて後洗浄を行い、さらに純水を主成分とする
リンス液でリンス処理して銅配線形成プロセスを終了す
る。
【0056】CMPは、例えば図2に示すような化学的
機械的研磨装置を用いて行うことができる。絶縁膜や銅
系金属膜等が成膜されたウェーハ21は、スピンドルの
ウェーハキャリア22に設置される。このウェーハ21
の表面を、回転プレート(定盤)23上に貼り付けられ
た研磨パッド24に接触させ、CMP用スラリー供給口
25からCMP用スラリーを研磨パッド24表面に供給
しながら、ウェーハ21と研磨パッド24の両方を回転
させて研磨する。必要により、パッドコンディショナー
26を研磨パッド24の表面に接触させて研磨パッド表
面のコンディショニングを行う。なお、CMP用スラリ
ーの供給は、回転プレート23側から研磨パッド24表
面へ供給する構成とすることも可能である。
【0057】本発明は、CMP後の後処理において適用
することができる。CMP後の後処理の一例を図5に示
す。CMP後、いったん保管液中にウェーハを保管した
後、研磨粒子等を除去するためのCMP後洗浄を行う。
その後、必要に応じ防食剤を用いて防食処理を行い、最
後に純水を主成分とするリンス液でリンスする。ここ
で、上記保管液や防食処理液、リンス液に、本発明に係
る防食剤を添加すれば、廃液処理の困難をもたらすこと
なく、また化学物質の安全性に対する作業上のリスクを
負うことなくウェーハに形成された銅膜を好適に防食す
ることができる。
【0058】CMPとCMP後処理がインライン化され
ている場合は、図6のようなプロセスとなる。この場合
は、図中の防食処理において本発明に係る防食剤を用い
ることが有効となる。
【0059】以下、本発明に係る化学的機械的研磨用ス
ラリー、保管液および防食液の好ましい実施形態につい
て説明する。
【0060】本発明の化学的機械的研磨用スラリーは、
前記した本発明に係る防食剤を含むものである。防食剤
の含有量は、充分な防食効果を得る点から、スラリー全
体量に対して0.01質量%以上が好ましく、0.1質
量%以上がより好ましい。また、適度な研磨速度に調整
する点から、30質量%以下が好ましく、20質量%以
下がさらに好ましい。含有量が多すぎると、防食効果が
大きくなりすぎて銅の研磨速度が低下しすぎ、CMPに
時間がかかる場合がある。
【0061】本発明の化学的機械的研磨用スラリーは、
上記防食剤のほかに研磨材、酸化剤及び水を含む構成と
することが好ましく、さらに、有機酸等を適宜配合させ
ることもできる。
【0062】研磨材としては、α−アルミナやθアルミ
ナ、δ−アルミナ等のアルミナ、ヒュームドシリカやコ
ロイダルシリカ等のシリカ、チタニア、ジルコニア、ゲ
ルマニア、セリア、及びこれらの金属酸化物研磨砥粒か
らなる群より選ばれる1種または2種以上の混合物を用
いることができる。
【0063】CMP用スラリー中の研磨材の含有量は研
磨能率や研磨精度等を考慮して適宜設定され、スラリー
組成物全量に対し、好ましくは0.1〜50質量%、よ
り好ましくは2〜30質量%の範囲とする。
【0064】酸化剤としては、導電性金属膜の種類や研
磨精度、研磨能率を考慮して適宜、公知の水溶性の酸化
剤から選択して用いることができる。例えば、重金属イ
オンのコンタミネーションを起こさないものとして、過
酸化水素(H22)、Na22、Ba22、(C6
5C)22等の過酸化物、次亜塩素酸(HClO)、過
塩素酸、硝酸、オゾン水、過酢酸やニトロベンゼン等の
有機過酸化物を挙げることができる。なかでも、金属成
分を含有せず、有害な複生成物を発生しないH22が好
ましい。酸化剤量は、十分な添加効果を得る点から、C
MP用スラリー全量に対して0.01質量%以上が好ま
しく、0.05質量%以上がより好ましい。ディッシン
グの抑制や適度な研磨速度に調整する点から、15質量
%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。な
お、過酸化水素のように比較的経時的に劣化しやすい酸
化剤を用いる場合は、所定の濃度の酸化剤含有溶液と、
研磨剤等を含む液を別個に調整しておき、使用直前に両
者を混合してもよい。
【0065】有機酸は、上記酸化剤の酸化を促進すると
ともに安定した研磨を行うために添加される。有機酸は
プロトン供与剤としての機能を有するものが用いられ、
カルボン酸やアミノ酸が好適に用いられる。
【0066】カルボン酸の具体例としては、クエン酸、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、アクリル
酸、乳酸、コハク酸,ニコチン酸、シュウ酸、マロン
酸、酒石酸、リンゴ酸、グルタル酸、クエン酸、マレイ
ン酸、及びこれらの塩などが挙げられる。
【0067】アミノ酸の具体例としては、例えば、L-グ
ルタミン酸、D-グルタミン酸、L-グルタミン酸一塩酸
塩、L-グルタミン酸ナトリウム一水和物、L-グルタミ
ン、グルタチオン、グリシルグリシン、DL-アラニン、L
-アラニン、β-アラニン、D-アラニン、γ-アラニン、
γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸、L-アルギニン一
塩酸塩、L-アスパラギン酸、L-アスパラギン酸一水和
物、L-アスパラギン酸カリウム、L-アスパラギン酸カル
シウム三水塩、D-アスパラギン酸、L-チトルリン、L-ト
リプトファン、L-スレオニン、L-アルギニン、グリシ
ン、L-シスチン、L-システイン、L-システイン塩酸塩一
水和物、L-オキシプロリン、L-イソロイシン、L-ロイシ
ン、L-リジン一塩酸塩、DL-メチオニン、L-メチオニ
ン、L-オルチニン塩酸塩、L-フェニルアラニン、D-フェ
ニルグリシン、L-プロリン、L-セリン、L-チロシン、L-
バリンなどが挙げられる。
【0068】有機酸の含有量は、プロトン供与剤として
十分な添加効果を得る点から、CMP用スラリー全体量
に対して0.01質量%以上が好ましく、0.05質量
%以上がより好ましい。また、ディッシングの抑制や適
度な研磨速度に調整する点から、5質量%以下が好まし
く、3質量%以下がより好ましい。
【0069】本発明のCMP用スラリーには、その特性
を損なわない範囲内で、広く一般にCMP用スラリーに
添加されている分散剤、緩衝剤、粘度調整剤などの種々
の添加剤を含有させてもよい。
【0070】本発明のCMP用スラリーは、一般的な遊
離砥粒研磨スラリー組成物の製造方法を用いて製造する
ことができる。すなわち、分散媒に研磨材粒子を適量混
合する。必要であるならば保護剤を適量混合する。この
状態では、研磨材粒子表面は空気が強く吸着しているた
め、ぬれ性が悪く凝集状態で存在している。そこで、凝
集した研磨材粒子を一次粒子の状態にするために粒子の
分散を実施する。分散工程では一般的な分散方法および
分散装置を使用することができる。具体的には、例えば
超音波分散機、各種のビーズミル分散機、ニーダー、ボ
ールミルなどを用いて公知の方法で実施できる。
【0071】本発明の保管液は、本発明に係る防食剤を
水に溶解させた水溶液とすることが好ましい。保管液全
体に対する防食剤濃度の下限は、好ましくは0.000
1質量%、より好ましくは0.01質量%以上とする。
防食剤濃度が低すぎると充分な防食効果が得られない場
合がある。なお、防食剤濃度の上限は特にないが、たと
えば20質量%以下でも充分な防食効果が得られる。た
だし、本発明に係る防食剤は水に添加するだけでは十分
な防食性を有するまでには至らない場合もある。そこ
で、アルカノールアミンを添加し、pHをアルカリ性に
調節することによってプリンおよびプリン誘導体の溶解
度を高め、十分な防食性能が得られる濃度に調整する必
要がある。
【0072】半導体ウェーハを保管液に保管する際の環
境については特に制限がない。たとえばCMP後の保管
においては、CMP装置の設置されている環境と同一の
環境で保管するのが一般的である。なお、本発明に係る
保管液は、CMP後の保管だけでなく種々の工程におい
て用いることができる。
【0073】本発明の防食処理液は、上記保管液と同
様、本発明に係る防食剤を水に溶解させた水溶液とする
ことが好ましい。この水溶液に適宜、他の添加剤や水溶
性有機溶媒等を配合してもよい。保管液全体に対する防
食剤濃度の下限は、好ましくは0.0001質量%、よ
り好ましくは0.01質量%以上とする。防食剤濃度が
低すぎると充分な防食効果が得られない場合がある。な
お、防食剤濃度の上限は特にないが、たとえば20質量
%以下でも充分な防食効果が得られる。本発明の防食処
理液は、図5中の防食処理工程に適用するほか、純水リ
ンス工程で適用することもできる。この場合の防食処理
液は、純水に本発明の防食剤を上記した濃度範囲で溶解
させた構成とすることが好ましい。なお、本発明の防食
処理液は、CMP後の防食処理だけでなく種々の工程に
おいて用いることができる。
【0074】上記した化学的機械的研磨用スラリー、防
食処理液および保管液は、金属膜露出面を有する半導体
ウェーハの処理に用いられるものであるが、金属膜が銅
膜または銅を主成分とする銅合金膜である場合、本発明
の効果はより顕著に発揮される。
【0075】本発明の保管液および防食液には、適宜、
添加剤や有機溶媒等を配合してもよい。たとえば、防食
剤の溶解性を向上させるためにpH調節用の酸や塩基を
加えてもよく、防食性能をさらに向上させる目的で、水
や他の配合成分と混和性のある水溶性有機溶媒を用いる
ことができる。
【0076】本発明に係る防食剤は、レジスト等の剥離
液へ適用することもできる。この場合、剥離成分とし
て、アルカノールアミンやフッ化水素酸アンモニウムを
含み、さらに水を含む構成の剥離液とすることが好まし
い。
【0077】アルカノールアミンとしては、具体的に
は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−
エチルアミノエタノール、N−メチルアミノエタノー
ル、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエ
タノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、1
−アミノ−2−プロパノール、トリエタノールアミン、
モノプロパノールアミン、ジブタノールアミン等が例示
される。このうち、モノエタノールアミン、N−メチル
アミノエタノールが特に好ましい。
【0078】上記アミン系剥離成分では除去困難な残渣
等を除去する場合は、剥離成分としてフッ化水素酸塩を
用いることができる。具体的には、フッ化アンモニウム
等が好適に用いられる。フッ化水素酸塩を使用した場
合、レジスト側壁に付着する堆積物等を除去することが
できる。
【0079】剥離液中の剥離成分の上限は95質量%が
好ましく、特に85質量%が好ましい。また下限は1質
量%が好ましく、特に10質量%が好ましい。このよう
な配合量とすることにより、防食性能を良好に維持しつ
つ、レジスト膜やエッチング残渣を一層効率よく除去す
ることができる。
【0080】剥離液中の水の割合の上限は90質量%が
好ましく、特に80質量%が好ましい。また下限は1質
量%が好ましく、特に5質量%が好ましい。上記のよう
な配合量とすることにより、剥離成分であるアルカノー
ルアミンの機能が充分に発揮され、剥離性能および防食
性能が一層良好となる。
【0081】本発明の防食剤を用いた剥離液には、水溶
性有機溶媒を含有しても良い。水溶性有機溶媒としては
前述したのと同様のものを用いることができる。水溶性
有機溶媒の配合量の上限は、80質量%が好ましく、特
に70質量%が好ましい。また下限は5質量%が好まし
く、特に10質量%が好ましい。このような配合量とす
ることにより、剥離性能と防食性能のバランスが一層良
好となる。
【0082】上記剥離液は、半導体基板上の不要物を被
剥離物とするものである。半導体基板上の不要物とは、
半導体装置の製造プロセス中に生じた種々の不要物をい
い、レジスト膜、ドライエッチング後のエッチング残渣
のほか、化学的に変質したレジスト膜等も含む。特に、
被剥離物が、金属膜露出面を含む半導体基板上のレジス
ト膜および/またはエッチング残渣である場合、より効
果的である。さらに、上記金属膜が銅膜である場合、本
発明の防食剤の防食作用がより効果的に発揮される。
【0083】上記剥離剤液は種々のレジストの剥離に使
用することができ、芳香族化合物からなるKrF用レジ
ストや、脂環式アクリルポリマー等のArF用レジスト
に適用することができる。たとえば、(i)ナフトキノン
ジアジド化合物とノボラック樹脂を含有するポジ型レジ
スト、(ii)露光により酸を発生する化合物、酸により分
解しアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する化合物及
びアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型レジスト、(ii
i)露光により酸を発生する化合物、酸により分解しアル
カリ水溶液に対する溶解性が増大する基を有するアルカ
リ可溶性樹脂を含有するポジ型レジスト、(iv)光により
酸を発生する化合物、架橋剤及びアルカリ可溶性樹脂を
含有するネガ型レジスト等に対して使用することができ
る。
【0084】次に、本発明の防食剤を用いた剥離液の適
用例として、シングルダマシンプロセスにより銅配線上
の層間接続プラグを形成する例を示す。
【0085】まず図9(a)のように、トランジスタ等
の素子を形成した半導体基板(不図示)上にシリコン酸
化膜1、シリコン窒化膜2、およびシリコン酸化膜3を
成膜した後、化学的機械的研磨(CMP)を利用した公
知のダマシンプロセスを用いてバリアメタル膜4および
銅膜5からなる銅配線を形成し、さらにその上に膜厚5
0〜100nm程度のシリコン窒化膜6および膜厚60
0〜1000nm程度のシリコン酸化膜7を形成する。
銅膜5の膜厚は任意に選択されるが、隣接配線間の寄生
容量を低減する観点からは膜厚をたとえば350nm以
下とすることが好ましい。銅配線の膜厚を薄くした場
合、銅配線層全体に対する腐食層の厚みが相対的に大き
くなり、銅表面の腐食による配線抵抗の増大が特に問題
となるが、本発明の防食剤を用いた剥離液を用いれば、
かかる問題を解消しつつ膜厚を薄くすることが可能とな
る。なお、本実施形態では、シリコン窒化膜6の膜厚を
50〜100nm程度としているが、これより厚くして
エッチング阻止膜としての機能を高めてもよい。
【0086】次いでシリコン酸化膜7の上に、所定の形
状にパターニングしたレジスト膜8を設ける(図9
(b))。
【0087】次にレジスト膜8をマスクとしてシリコン
窒化膜6が露出するまでシリコン酸化膜7をドライエッ
チングし、スルーホール10を形成する(図9
(c))。このとき、スルーホール10の内壁にエッチ
ング残渣11が付着する。スルーホールの開口径はたと
えば0.2μm程度とする。エッチングガスとしては、
シリコン窒化膜よりもシリコン酸化膜をより速くエッチ
ングできるガスを用いることが好ましい。
【0088】ここで、シリコン窒化膜6は銅の拡散防止
機能のほか、エッチング阻止膜としての機能も有してい
るのであるが、図9(c)に示すように、シリコン窒化
膜6上で制御性良くドライエッチングを停止できないこ
とがある。これは以下の理由による。本実施形態のよう
なプロセスでは、一般に、半導体ウェーハ上に種々の開
口径のスルーホールが形成される。ところが、小さい開
口径のホールではマイクロローディング効果によりエッ
チングの進行が遅くなる。このため、スルーホール形成
のためのエッチングに一定程度オーバーエッチング時間
を設けることが必要となり、これにより、一部のスルー
ホールにおいてシリコン窒化膜6がエッチングを受け、
銅膜5の一部が露出することとなる。また、たとえば銅
膜5の上面にディッシングとよばれる凹部が生じると、
シリコン窒化膜6の薄膜部が発生し、この箇所でシリコ
ン窒化膜6がエッチングされて銅膜5の一部が露出する
こともある(図9(c))。図9(a)に示す工程でシ
リコン窒化膜6を厚く形成しておけば銅膜5の露出を防
止することもできるが、この場合、隣接する銅配線の配
線間容量が大きくなり、半導体素子の高速動作が阻害さ
れるという弊害が生じやすい。
【0089】エッチング終了後、酸素プラズマアッシン
グによりレジスト膜8の一部を除去した後、本発明の防
食剤を含む剥離液を用いて剥離処理を行う。この剥離処
理により、アッシングで除去しきれなかったレジスト膜
やエッチング残渣11が除去される。前述したように、
エッチング後、少なくとも一部のスルーホールにおいて
銅膜5が露出していることから、剥離液には銅に対する
防食性能が必要となるが、本発明の防食剤を用いた剥離
液を用いることにより、銅膜5に損傷を与えることなく
レジスト膜およびエッチング残渣11を効果的に除去す
ることができる。剥離処理を終了した状態を図10
(a)に示す。
【0090】その後、上記したエッチングとエッチング
ガスを変え、シリコン窒化膜6のエッチングを行う。こ
のとき、スルーホール10の内壁にエッチング残渣12
が付着する(図10(b))。このエッチング残渣12
を剥離除去するため、上記した剥離液を用いて、再度、
剥離処理を行う。この剥離処理を行う段階では、スルー
ホール10底部に銅膜5が露出しているが、本発明の防
食剤を含む剥離液を用いることにより、銅膜5に損傷を
与えることなくエッチング残渣12を除去できる(図1
0(c))。
【0091】その後、スルーホール内部にTiおよびT
iNがこの順で積層したバリアメタル膜14およびタン
グステン膜15を成膜し、次いでCMPによる平坦化を
行うことにより層間接続プラグを形成することができる
(図10(d))。
【0092】
【実施例】以下、実施例により本発明についてさらに詳
細に説明する。なお、各成分の配合量は、特にことわり
がない限り防食液や剥離液全体の量を基準とする。
【0093】実施例1 本実施例は、本発明に係る防食剤をCMP後の防食処理
に適用した例である。以下、図7および図8を参照して
本実施例で行ったプロセスの概要を説明する。
【0094】はじめにCu−CMP工程70を行った
(図7)。この工程に対応する状態を図8(a)、
(b)に示す。まず、図8(a)に示すように、シリコ
ンウェーハ上にシリコン窒化膜80およびシリコン酸化
膜82をこの順で形成し、ついで、ドライエッチングに
より、所定の形状にパターニングされた複数の配線溝を
形成した。次に全面にTaNからなるバリアメタル膜8
4をスパッタリング法により堆積した後、シードCu8
5およびメッキCu86を形成した。つづいてウェーハ
表面をCMP法により研磨し、図8(b)のように銅配
線を形成した。
【0095】次いで半導体ウェーハ表面に付着した研磨
砥粒、研磨屑等の粒子、金属、スラリーを除去するた
め、以下の工程を行った。まずスクラブ洗浄工程72を
行った。すなわち、回転するブラシに電解イオン水より
なる洗浄液をかけながらブラシを移動させて粒子汚染を
除去した。次いでスピン洗浄工程74を行った。この工
程では、半導体ウェーハを回転させながら洗浄液として
シュウ酸水溶液を吹きかけ、金属汚染すなわち表面の酸
化銅を除去し、純水でリンスした。
【0096】次に防食処理工程75を行った。この工程
は、ウェーハ表面が空気に接触しないように、上記スピ
ン洗浄工程74の後に連続して行う。すなわち、ウェー
ハ表面を乾燥させることなく防食処理液を吹き付け、防
食処理を行う。これにより、ウェーハ表面の金属膜(銅
膜)の酸化を防止でき、酸化されていない金属清浄面に
防食剤を付着せしめることができる。なお、防食処理
は、スピン洗浄と同様、ウェーハを所定の回転数で回転
させつつウェーハ表面に処理液を吹き付けることにより
行った。
【0097】本実施例では、防食処理工程75で本発明
の防食剤を含む防食処理液を用いる。用いた防食処理液
は、以下の組成を有する。
【0098】尿酸 0.05質量% N−メチルアミノエタノール 0.01質量% 水 残部
【0099】この防食液を、半導体ウェーハを回転させ
ながら1リットル/分の流量で10秒間、ウェーハ表面
に吹きかけ、Cu膜の防食を行った。その後、スピンリ
ンス・乾燥工程76で、純水で15秒間リンスを行った
後、乾燥させた。
【0100】次いで成膜工程78(図7)で、図8
(c)のようにシリコン窒化膜88を成膜し、さらにそ
の上にシリコン酸化膜89を成膜した。その後、上層配
線を形成して半導体装置を完成した。得られた半導体装
置は設計通りの性能を示した。
【0101】実施例2 シリコンウェーハ上の全面に銅めっき膜を形成した後、
図7に示す手順にしたがってCu−CMP70、スクラ
ブ洗浄72、スピン洗浄74、防食処理75、スピンリ
ンス+乾燥76、Si34膜成膜78を順次行い試料を
作製した。得られた試料について、密着性の測定により
防食性の評価を行った。スクラブ洗浄工程72およびス
ピン洗浄工程74は、実施例1と同様にして行った。防
食処理75においては、以下の10種類の防食処理液を
用い、10種類の試料を作製した。
【0102】
【表1】
【0103】防食処理後、所定の日数、大気下に放置
し、次いで、その上にCVD法によりシリコン窒化膜
(膜厚50nm)を成膜した。放置日数は、0日(直
後)、1日、3日とした。
【0104】上記のように作製した試料1〜10につい
て、Cu表面の変質の程度を評価するためCu/シリコ
ン窒化膜界面の密着性評価を行った。評価は、シリコン
窒化膜に1mmピッチで碁盤目状にラインを入れた後、
シリコン窒化膜上に粘着テープを貼り付けてこれを引き
剥がし、100個の碁盤目中の剥がれた碁盤目の数を計
数することにより行った。剥がれが多く界面密着性が劣
るものは、Cu表面の腐食が進んでいると考えられる。
評価結果を表2に示す。
【0105】
【表2】
【0106】上記結果から、本発明に係る防食剤を用い
ることにより、Cu表面の腐食が効果的に抑制され、C
u/シリコン窒化膜界面の密着性が向上することが確認
された。
【0107】実施例3 シリコン基板上の層間絶縁膜中に幅0.28μm、厚み
350nm、長さ100μmのダマシン銅配線を形成
し、エレクトロンマイグレーション耐性を評価した。
【0108】銅配線は、めっき法により銅膜を形成した
後、CMPを行うことにより形成した。次いで図7に示
す手順にしたがい、スクラブ洗浄72から層間膜成膜7
9までの工程を実施した。防食処理液の組成以外は実施
例1と同様にして行った。次いでSi34膜および層間
膜中にホールを形成し、その内部にプラグ金属を埋め込
み、さらにこのプラグと接続するパッドを形成すること
により、配線の両端に導通部を形成した。上記工程中、
防食処理工程75では、以下に示す組成の防食液を用い
た。
【0109】
【表3】
【0110】各実験NO.について複数の試料を作製
し、各試料の配線両端のパッド間に電流を流し続け、配
線が断線するまでのエレクトロンマイグレーションライ
フタイムを測定した。評価結果を図12に示す。尿酸処
理をしたものは、BTA処理したものと同様のライフタ
イムを示した。
【0111】実施例4 MITI法に準拠した生分解性試験法により、表3に示
す供試物質の生分解性を評価した。無機培地に供試物質
を100mg/lになるように添加し、これに活性汚泥
を接種し、25℃で培養して閉鎖系酸素消費量測定装置
を用いて酸素の消費量、ならびに供試物質の残存量を測
定し、酸素消費量から分解率を求め、以下の評価基準に
したがって生分解性を判定した。
【0112】 ◎…分解率が60%以上 ○…分解率が40%以上60%未満 △…分解率が10%以上40%未満 ×…分解率が10%未満 評価結果を表4に示す。
【0113】
【表4】 NMAE N−メチルアミノエタノール MEA モノエタノールアミン BTA ベンゾトリアゾール
【0114】実施例5 銅配線上のスルーホール形成プロセスに、本発明に係る
剥離剤組成物を適用し、剥離性および防食性の評価を行
った。
【0115】評価に供する試料は、図9〜図10(c)
に示したものと同様のプロセスにしたがって作成した。
まずシリコンウェーハ上に銅配線を形成した後、その上
に膜厚90nmのシリコン窒化膜および膜厚900nm
の層間絶縁膜(HSQ及びMSQ等の低誘電率膜)を成
膜した。次にポジ型レジスト膜をスピンナー塗布しレジ
スト膜を形成した。レジスト膜材料としては、KrF用
ポジ型レジスト材料であるPEX4(東京応化工業株式
会社製)を用いた。このレジスト膜を、マスクパターン
を介して露光し、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液を用いて現像処理しレジストパターンを得た。
【0116】このレジスト膜をマスクとしてシリコン窒
化膜が露出するまで層間絶縁膜をドライエッチングし、
開口径0.2μmのスルーホールを形成した。エッチン
グガスとしては、フルオロカーボン系のガスを用いた。
エッチング終了後、酸素プラズマアッシングによりレジ
スト膜の一部を除去した後、表5中のNO.1に示す剥
離剤組成物を用いて剥離処理を行った。
【0117】次に、エッチングガスを変え、シリコン窒
化膜のエッチングを行い、スルーホール底部に銅配線を
露出させた。このエッチングにより生じたエッチング残
渣を除去するため、前記した剥離処理で用いたものと同
じ剥離剤組成物(表5中のNO.1)を用い、再度、剥
離処理を行った。
【0118】同様の処理を、表5中のNO.2〜17の
剥離剤組成物を用いて行い、合計で17種類の試料を作
成した。
【0119】以上のように処理を行ったウェーハを純水
でリンス処理した後、SEM(走査型電子顕微鏡)によ
る断面観察を行い、レジスト膜およびエッチング残渣
の剥離性および銅膜に対する防食性を評価した。評価
の基準は以下のとおりである。
【0120】(剥離性)レジスト膜およびエッチング残
渣の残存状況を観察し、以下の4段階で評価した。 ◎…残存が全く認められなかった。 ○…残存がほとんど認められなかった。 △…残存量少。 ×…残存量多。
【0121】(防食性)銅膜表面の腐食状況を観察し、
以下の4段階で評価した。 ◎…銅膜の腐食がまったく認められなかった。 ○…銅膜の腐食がわずかに認められた。 △…銅膜の腐食が認められた。 ×…銅膜の腐食が顕著であった。
【0122】(HSQダメージ)低誘電率膜としてHS
Q(ハイドロジェンシルセスキオキサン)を用いた場合
のHSQ膜表面の状態を観察し、以下の4段階で評価し
た。 ◎…ダメージが全く認められなかった。 ○…ダメージがわずかに認められた。 △…ダメージが認められた。 ×…ダメージが顕著であった。
【0123】(MSQダメージ)低誘電率膜としてMS
Q(メチルシルセスキオキサン)を用いた場合のMSQ
膜表面の状態を観察し、以下の4段階で評価した。 ◎…ダメージが全く認められなかった。 ○…ダメージがわずかに認められた。 △…ダメージが認められた。 ×…ダメージが顕著であった。
【0124】
【表5】 *1 水の配合量で「残部」とあるのは、100質量%
から、防食剤および剥離剤の配合量を差し引いた残りを
いう。 *2 NMAE N−メチルアミノエタノール MEA モノエタノールアミン BTA ベンゾトリアゾール
【0125】以上のように、本発明の剥離剤組成物は優
れた剥離性能および防食性能を有していることがわか
る。なお、本実施例はシングルダマシンプロセスに本発
明を適用したものであるが、いわゆるデュアルダマシン
プロセスにも本発明を適用できる。
【0126】実施例6 基板全面に銅膜が形成されたシリコンウェーハを、80
℃で10分間、所定の剥離液に浸漬した。浸漬前後の銅
膜の膜厚から銅のエッチングレートを測定した。剥離液
は、以下の組成のものを用いた。なお、尿酸添加量の相
違によるpH変動の影響を排除するため、2N−アンモ
ニア水を添加し、pHを11にコントロールした。
【0127】アミン 80質量% 尿酸 0,0.0001,0.001,0.01,0.
1,1質量% 水 残部 アミンとしては、NMAE(N−メチルアミノエタノー
ル)を用いた。
【0128】結果を図11に示す。図の縦軸の示すエッ
チングレートが4nm/minを超えると銅膜の腐食が
顕著となる。図に示す結果から、尿酸を添加することよ
って優れた防食性が発現することがわかる。
【0129】実施例7 本実施例は、銅配線上のスルーホール形成プロセスに、
本発明に係る剥離剤組成物を適用した例である。剥離成
分として、剥離作用の強力なフッ化アンモニウムを用い
た。実施例5とほぼ同様のプロセスとしたが、窒化膜の
厚みやエッチングガスの種類は若干相違するため、剥離
対象となる堆積物が実施例5と相違する。評価結果を下
記表に示す。剥離性や防食性の評価基準は実施例5と同
様である。尿酸を用いたものは、BTA誘導体と同等の
剥離性、防食性を示すことが確認された。
【0130】
【表6】 NMP:N−メチル−2−ピロリドン DMSO:ジメチルスルホキシド
【0131】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防食剤
は、特定成分を含んでなるため、銅等の腐食しやすい金
属の腐食を効果的に防止できる上、安全性が高いため取
り扱いが容易であり、しかも生物処理が可能なため、廃
水の処理も容易である。このため、銅配線の設けられた
半導体装置の製造プロセス等に好適に用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダマシン法による銅配線の形成プロセスを説明
するための工程断面図である。
【図2】化学的機械的研磨装置の概略構成図である。
【図3】ダマシン法による銅配線の形成プロセスを説明
するための工程断面図である。
【図4】ディッシングおよびスリットの発生した銅配線
の断面を示す図である。
【図5】CMP後の工程を説明するための図である。
【図6】CMP後の工程を説明するための図である。
【図7】本発明に係る防食剤を適用したプロセスを説明
するための図である。
【図8】本発明に係る防食剤を適用したプロセスを説明
するための図である。
【図9】スルーホール形成プロセスを説明するための工
程断面図である。
【図10】スルーホール形成プロセスを説明するための
工程断面図である。
【図11】銅膜のエッチング速度におよぼす尿酸濃度の
影響を示すグラフである。
【図12】防食処理の相違によるエレクトロンマイグレ
ーションライフタイムの変化を示す図である。
【符号の説明】 1 シリコン酸化膜 2 シリコン窒化膜 3 シリコン酸化膜 4 バリアメタル膜 5 銅膜 6 シリコン窒化膜 7 層間絶縁膜(シリコン酸化膜又は低誘電率膜) 8 レジスト膜 10 スルーホール 11 エッチング残渣 12 エッチング残渣 14 バリアメタル膜 15 タングステン膜 21 ウェーハ 22 ウェーハキャリア 23 回転プレート(定盤) 24 研磨パッド 25 CMP用スラリー供給口 26 パッドコンディショナー 70 Cu−CMP工程 72 スクラブ洗浄工程 74 スピン洗浄工程 75 防食処理工程 76 スピンリンス・乾燥工程 78 成膜工程 79 層間膜成膜工程 80 シリコン窒化膜 82 シリコン酸化膜 84 バリアメタル膜 85 シードCu 86 メッキCu 88 シリコン窒化膜 89 シリコン酸化膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富盛 浩昭 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開2001−279231(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 11/14 101 H01L 21/304 622 H01L 21/3205

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェーハ上に形成された金属膜の
    腐食を防止する防食剤であって、−C(OH)=N−、
    または−CONH−なる原子団を含む五員ないし六員の
    複素環を有する複素環式化合物と、アルカノールアミン
    とを含有することを特徴とする生分解性防食剤。
  2. 【請求項2】 半導体ウェーハ上に形成された金属膜の
    腐食を防止する防食剤であって、下記一般式(1)で表
    される化合物と、アルカノールアミンとを含有すること
    を特徴とする生分解性防食剤。 【化1】 (A1、A2およびA3は、それぞれ独立して水素原子、
    水酸基、炭素数1〜5のアルキル基またはアミノ基を表
    す。)
  3. 【請求項3】 半導体ウェーハ上に形成された金属膜の
    腐食を防止する防食剤であって、プリン、6−アミノプ
    リン、2−アミノ−6−オキソプリン、6−フルフリル
    アミノプリン、2,6−(1H.3H)−プリンジオ
    ン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−8−メルカプトプリ
    ン、アロプリノール、尿酸、カイネチン、ゼアチン、グ
    アニン、キサンチン、ヒポキサンチン、アデニン、テオ
    フェリン、カフェイン、テオプロミン、8−アザグアニ
    ン、プテリジン、プテリン、2−アミノ−4,6−ジヒ
    ドロキシプテリジン、2−アミノ−4,7−ジヒドロキ
    シプテリジン、2−アミノ−4,6,7−トリヒドロキ
    シプテリジン、シアヌル酸、イソシアヌル酸、トリスカ
    ルボキシメチルシアヌル酸、トリスカルボキシエチルシ
    アヌル酸、トリスカルボキシメチルイソシアヌル酸、ト
    リスカルボキシエチルイソシアヌル酸、ヒダントイン、
    ジメチルヒダントイン、アラントイン(5−ウレイドヒ
    ダントイン)、バルビツール酸、イソニコチン酸、シト
    ラジン酸及びこれらの誘導体からなる群から選択される
    少なくとも一種の化合物と、アルカノールアミンとを含
    有することを特徴とする生分解性防食剤。
  4. 【請求項4】 前記アルカノールアミンが、モノエタノ
    ールアミン、ジエタノールアミン、N−エチルアミノエ
    タノール、N−メチルアミノエタノール、N−メチルジ
    エタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−
    (2−アミノエトキシ)エタノール、1−アミノ−2−
    プロパノール、トリエタノールアミン、モノプロパノー
    ルアミン及びジブタノールアミンからなる群から選択さ
    れる少なくとも一種の化合物である請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載の生分解性防食剤。
  5. 【請求項5】 銅または銅を主成分とする銅合金からな
    る金属膜の腐食を防止するものである請求項1乃至4の
    いずれか1項に記載の生分解性防食剤。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の生分
    解性防食剤を、水及び/又は水溶性有機溶媒に溶解させ
    てなる生分解性防食液。
  7. 【請求項7】 前記水溶性有機溶媒が、スルホキシド
    類、スルホン類、アミド類、ラクタム類、イミダゾリジ
    ノン類、ラクトン類、多価アルコール類及びその誘導体
    から選択される少なくとも一種の有機溶媒である請求項
    6記載の生分解性防食液。
  8. 【請求項8】 前記水溶性有機溶媒が、ジメチルスルホ
    キシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス
    (2−ヒドロキシエチル)スルホン、テトラメチレンス
    ルホン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホ
    ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
    ルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−
    メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリド
    ン、N−プロピル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメ
    チル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピ
    ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
    1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ
    イソプロピル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラク
    トン、δ−バレロラクトン、エチレングリコール、エチ
    レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
    ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチル
    エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセ
    テート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
    ート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモ
    ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
    ーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルから
    なる群から選択される少なくとも一種の有機溶媒である
    請求項7記載の生分解性防食液。
  9. 【請求項9】 半導体ウェーハ上に形成された金属膜の
    防食処理に用いられる防食処理液であって、請求項1乃
    至5のいずれかに記載の防食剤を含むことを特徴とする
    防食処理液。
  10. 【請求項10】 銅または銅を主成分とする銅合金から
    なる金属膜の防食処理に用いられることを特徴とする請
    求項9記載の防食処理液。
  11. 【請求項11】 表面に金属膜の形成された半導体ウェ
    ーハを保管するための保管液であって、請求項1乃至5
    のいずれかに記載の防食剤を含むことを特徴とする保管
    液。
  12. 【請求項12】 表面に銅または銅を主成分とする銅合
    金からなる金属膜の形成された半導体ウェーハを保管す
    るための保管液である請求項11記載の保管液。
  13. 【請求項13】 半導体ウェーハ上に金属膜を形成し、
    該金属膜の一部を化学機械的研磨し、洗浄液を用いて該
    半導体ウェーハ表面の洗浄を行った後、請求項9又は1
    0記載の防食処理液を用いて該金属膜の防食処理を行う
    ことを特徴とする防食処理方法。
  14. 【請求項14】 前記金属膜が、銅又は銅を主成分とす
    る銅合金からなる金属膜である請求項13に記載の防食
    処理方法。
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