JP2002098405A - 給湯器システム - Google Patents

給湯器システム

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JP2002098405A
JP2002098405A JP2000293591A JP2000293591A JP2002098405A JP 2002098405 A JP2002098405 A JP 2002098405A JP 2000293591 A JP2000293591 A JP 2000293591A JP 2000293591 A JP2000293591 A JP 2000293591A JP 2002098405 A JP2002098405 A JP 2002098405A
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Hirokazu Kuwabara
宏和 桑原
Takehiro Kurihara
武弘 栗原
Masayoshi Murakami
昌義 村上
Yoshikazu Hamaya
佳和 濱谷
Narimasa Matsugu
成昌 真次
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 システム内の一部の機器等に異常が発生した
場合に、他の正常に動作する機器等を使って給湯運転を
正常に行い得る制御構成を備えた給湯器システムを提供
する。 【解決手段】 給湯器Qの運転台数制御を行なうサブシ
ステムコントローラSC1〜SC4と、これらサブシス
テムコントローラの動作制御を行うメインシステムコン
トローラSC5とにより構成される給湯器システム1に
おいて、各システムコントローラSC1〜SC5の電源
系統を別系統とする。そして、サブシステムコントロー
ラSC1〜SC4のいずれかが故障したり、これらの間
で通信異常が生じた場合には、メインシステムコントロ
ーラSC5は、当該故障や通信異常を生じたサブシステ
ムコントローラSC1〜SC4を除外して動作制御を行
なうことにより、給湯器システム1の運転を継続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は複数の給湯器を連
結して運用する給湯器システムに関し、より詳細には、
給湯器の運転台数制御を行なうシステムコントローラと
して、数台の給湯器に対して運転台数制御を行うサブシ
ステムコントローラと、複数のサブシステムコントロー
ラの動作制御を行うメインシステムコントローラとを備
えた給湯器システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大量の給湯が必要となる施設に設
置される給湯器システムとして、たとえば図3に示すよ
うな並列型の給湯器システムが提案されている。この給
湯器システムは、複数の給湯器a(図示例ではa1 ,a
2 ,a3 の3台)と、システムコントローラbとを主要
部として構成される。そして、給湯量の増加に伴って、
上記システムコントローラbが給湯器aの運転台数を1
台,2台,3台と順次増加させる制御(運転台数制御)
を行い、これにより給湯器aが能力不足に陥るのを防止
して、大量の給湯を実現している。
【0003】より具体的には、上記給湯器システムは、
管端が市水等に接続された入水管cと管端がカランi等
に接続された出湯管dとの間に三本の分岐配管e1 ,e
2 ,e3 を並列に接続し、各分岐配管e1 ,e2 ,e3
の配管経路上に給湯器a1 ,a2 ,a3 を配設すること
により構成される。
【0004】各給湯器a1 ,a2 ,a3 には、少なくと
もそれぞれ上記分岐配管e1 ,e2,e3 を経て供給さ
れる水を加熱するためのバーナ(図示せず)を備えた熱
交換器f1 ,f2 ,f3 と、上記出湯管dへの出湯流量
を調節する流路開閉弁g1 ,g2 ,g3 とが設けられ、
これらが各給湯器a1 ,a2 ,a3 のコントローラ
1 ,h2 ,h3 によって制御可能とされている。つま
り、各給湯器a1 ,a2 ,a3 の出湯温度や出湯流量
は、これらコントローラh1 ,h2 ,h3 によって給湯
器毎に制御可能とされている。
【0005】そして、図示の給湯器システムでは、これ
ら給湯器a1 ,a2 ,a3 のコントローラh1 ,h2
3 はいずれも上記システムコントローラbと電気的に
接続され、該システムコントローラbによって制御可能
とされている。つまり、各給湯器a1 ,a2 ,a3 のコ
ントローラh1 ,h2 ,h3 がシステムコントローラb
によって制御されることにより、上述した給湯器a1
2 ,a3 の運転台数制御が実現されている。
【0006】なお、システムコントローラbには、通
常、リモートコントローラjが設けられ、給湯器システ
ムの運転入/切や給湯設定温度の修正等の各種操作は、
このリモートコントローラjによって行なわれるように
構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の給湯器システムでは、給湯器の運転台数制御
を行うシステムコントローラが一台しか存在しないた
め、現状では、システム全体として運用可能な給湯器の
台数は数台程度(3台〜5台程度)に限られている。し
たがって、たとえばホテルや旅館などのように極めて大
量の給湯が要求される施設の場合、このような従来の給
湯器システムでは給湯要求に十分に対応できないという
問題が生じていた。
【0008】そのため、本願出願人は、このような問題
を解消するため、図1に示すような給湯器システムを考
案するに至った。この図1に示す給湯器システムの詳細
は後述するが、図示の給湯器システム1は、給湯器の運
転台数制御を行うシステムコントローラとして、給湯器
数台(図示例では4台)毎に給湯器の運転台数制御を行
うシステムコントローラ(サブシステムコントローラ)
SC1〜SC4を設けるとともに、これらサブシステム
コントローラSC1〜SC4の上位に、これらサブシス
テムコントローラの制御を統括するシステムコントロー
ラ(メインシステムコントローラ)SC5を設け、メイ
ンシステムコントローラSC5を通じて各サブシステム
コントローラSC1〜SC4による運転台数制御の実行
/停止を制御(動作制御)することにより、従来の給湯
器システムより多くの給湯器(図示例では16台)の連
結運用を実現可能としている。
【0009】しかしながら、このように多くの給湯器を
連結して運用する給湯器システムでは、以下のような問
題が存在することが判明し、その改善が望まれた。
【0010】すなわち、上述した従来の給湯器システム
も含め、この種の給湯器システムでは、システムの安全
対策上、システムの一部に異常が発生した場合に、シス
テムコントローラが当該異常を検出して出湯を停止させ
る制御構成が採用されている。そのため、本願出願人の
提案に係る給湯器システムのようにシステム内に多くの
機器(システムコントローラや給湯器など)を設ける構
成では、一部の機器(たとえばリモートコントローラや
サブシステムコントローラのうちの一台など)が故障し
たり、一部の通信線が断線した場合などに、他に正常に
動作し得る機器が存在してもシステム全体が機能を停止
してしまうという問題があった。
【0011】さらに、従来のシステムコントローラをサ
ブシステムコントローラとして用いた場合、サブシステ
ムコントローラのうちの一台に異常が発生した場合に、
当該サブシステムコントローラが制御している給湯器の
流路開閉弁が開いてしまうため、バーナが燃焼していな
いにもかかわらず給湯器から出湯管に水が流出し、その
結果、流出した水によってメインシステムコントローラ
で設定している給湯設定温度通りの給湯が行なえなくな
るという問題もあった。
【0012】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的とするところは、シ
ステム内の一部の機器等に異常が発生した場合に、他の
正常に動作する機器を使って給湯運転を正常に行い得る
制御構成を備えた給湯器システムを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の給湯器システムは、複数の給湯器を連結し
て運用する給湯器システムであって、給湯器の運転台数
制御を行なうシステムコントローラとして、所定台数の
給湯器に対して運転台数制御を行うサブシステムコント
ローラと、複数のサブシステムコントローラを統括して
これらの動作制御を行うメインシステムコントローラと
を有し、かつ上記メインシステムコントローラに遠隔操
作用のリモートコントローラが設けられている給湯器シ
ステムにおいて、以下のような制御構成を備えたことを
特徴としている。
【0014】まず第一の制御構成は、上記メインシステ
ムコントローラに、リモートコントローラの故障および
リモートコントローラとの通信異常の少なくとも一つを
検出する手段が設けられ、当該手段においてリモートコ
ントローラの故障または通信異常が検出された場合に、
上記メインシステムコントローラがサブシステムコント
ローラに対して所定の給湯設定温度による燃焼運転を許
可する制御信号を送信する制御構成を有することを特徴
とする。
【0015】この制御構成では、メインシステムコント
ローラに搭載されるマイクロコンピュータにより、リモ
ートコントローラの故障や、メインシステムコントロー
ラとリモートコントローラとの間の通信線の断線などに
よる通信異常が検出される。これらの検出は、リモート
コントローラから送信されるエラーコードやリモートコ
ントローラとの通信の監視によって行われる。メインシ
ステムコントローラは、このようなリモートコントロー
ラの故障や通信異常を検出すると、サブシステムコント
ローラに対して、予め設定された所定の給湯設定温度に
よる燃焼運転を許可する制御信号(緊急運転開始指令信
号)を送信する。これにより、サブシステムコントロー
ラは、給湯器の運転台数制御を実行可能な状態となり、
リモートコントローラによる制御が不能に陥った場合で
も、出湯を停止させることなく給湯器システムの運転が
可能となる。なお、上記所定の給湯設定温度は、高温の
出湯とならない範囲で適宜設定され得る。
【0016】次に第二の制御構成は、上記メインシステ
ムコントローラに、サブシステムコントローラの故障お
よびサブシステムコントローラとの通信異常の少なくと
も一つを検出する手段が設けられ、当該手段においてい
ずれかのサブシステムコントローラの故障または通信異
常が検出された場合に、上記メインシステムコントロー
ラは故障または通信異常が検出されたサブシステムコン
トローラを除外して、サブシステムコントローラに対す
る上記動作制御を実行する制御構成を有することを特徴
とする。
【0017】この第二の制御構成では、メインシステム
コントローラに搭載されるマイクロコンピュータによ
り、サブシステムコントローラの故障や、メインシステ
ムコントローラとサブシステムコントローラとの間の通
信線の断線などによる通信異常が検出される。これらの
検出は、サブシステムコントローラから送信されるエラ
ーコードやサブシステムコントローラとの通信を監視す
ることにより行われる。そして、このようなサブシステ
ムコントローラの故障や通信異常をメインシステムコン
トローラが検出すると、メインシステムコントローラ
は、故障または通信異常に陥ったサブシステムコントロ
ーラを除外して、他のサブシステムコントローラのみを
対象として動作制御を実行する。つまり、この場合、通
信異常により制御不能に陥ったサブシステムコントロー
ラを除いた他のサブシステムコントローラによって給湯
器システムが運転される。したがって、この場合も出湯
を停止させることなく給湯を実現できる。また、上記他
のサブシステムコントローラのみの運転であっても、能
力不足に陥らない限り給湯設定温度での給湯が実現され
る。
【0018】次に第三の制御構成は、上記サブシステム
コントローラに、メインシステムコントローラの故障お
よびメインシステムコントローラとの通信異常の少なく
とも一つを検出する手段が設けられ、当該手段において
メインシステムコントローラの故障またはメインシステ
ムコントローラとの通信異常が検出された場合に、上記
サブシステムコントローラが給湯器に対して燃焼禁止お
よび出水停止を指示する制御信号を送信する制御構成を
有することを特徴とする。
【0019】この第三の制御構成では、サブシステムコ
ントローラに搭載されるマイクロコンピュータにより、
メインシステムコントローラの故障や、メインシステム
コントローラとの間の通信異常が検出される。これらの
検出は、メインシステムコントローラから送信されるエ
ラーコードやメインシステムコントローラとの通信を監
視することにより行われる。そして、このようなメイン
システムコントローラの故障や通信異常をサブシステム
コントローラが検出すると、当該故障や通信異常を検出
したサブシステムコントローラは、接続されている給湯
器に対して燃焼の禁止と出水の停止を指示する制御信号
(運転停止指令信号)を送信する。これにより、当該サ
ブシステムコントローラに接続されている給湯器の運転
が停止される。その際、上記運転停止指令信号には出水
の停止の指示も含まれているので、当該運転停止指令信
号を受信した給湯器は燃焼運転の停止だけでなく出湯管
への出水をも停止させる。つまり、この第三の制御構成
によれば、上記故障や通信異常により運転を停止した給
湯器から出湯管に水が流出することが防止される。
【0020】なお、この第三の制御構成は、上記第二の
制御構成と組み合わせて実施されることにより、当該故
障や通信異常によって制御不能に陥ったサブシステムコ
ントローラに接続された給湯器から水が流出しない状態
で、正常なサブシステムコントローラにより給湯器の運
転台数制御が行われるので、より安定して給湯設定温度
による給湯を行うことができる。
【0021】次に第四の制御構成は、上記サブシステム
コントローラに、メインシステムコントローラの故障お
よびメインシステムコントローラとの通信異常の少なく
とも一つを検出する手段が設けられ、当該手段において
メインシステムコントローラの故障またはメインシステ
ムコントローラとの通信異常が検出された場合に、上記
サブシステムコントローラが給湯器に対して所定の給湯
設定温度による燃焼運転を許可する制御信号を送信する
制御構成を有することを特徴とする。
【0022】この第四の制御構成では、サブシステムコ
ントローラに搭載されるマイクロコンピュータにより、
メインシステムコントローラの故障やメインシステムコ
ントローラとの通信異常が検出される。これらの検出
は、メインシステムコントローラから送信されるエラー
コードやメインシステムコントローラとの通信を監視す
ることにより行われる。そして、サブシステムコントロ
ーラは、このようなメインシステムコントローラの故障
や通信異常を検出すると、接続された各給湯器に対し
て、予め設定された所定の給湯設定温度による燃焼運転
を許可する制御信号(緊急運転開始指令信号)を送信す
る。これにより、各給湯器は出湯可能な状態となり、出
湯を停止させることなく給湯器システムの運転が可能と
なる。なお、この制御構成は、特にメインシステムコン
トローラの故障等により上記第二の制御構成が機能し得
ない場合に、サブシステムコントローラのみによって暫
定的な給湯運転を行わせることができる。
【0023】次に第五の制御構成は、上記給湯器に、サ
ブシステムコントローラの故障およびサブシステムコン
トローラとの通信異常の少なくとも一つを検出する手段
が設けられ、当該手段においてサブシステムコントロー
ラの故障またはサブシステムコントローラとの通信異常
が検出された場合に、上記給湯器は燃焼および出水を停
止する制御構成を有することを特徴とする。
【0024】この第五の制御構成では、給湯器に搭載さ
れるマイクロコンピュータにより、サブシステムコント
ローラの故障や、サブシステムコントローラとの通信異
常が検出される。これらの検出は、サブシステムコント
ローラから送信されるエラーコードやサブシステムコン
トローラとの通信監視によって行われる。そして、この
ようなサブシステムコントローラの故障や通信異常が検
出されると、当該異常を検出した給湯器は、燃焼と出水
の双方を停止させる処理を実行する。これにより、燃焼
を停止した給湯器から出湯管に水が流出することがない
ので、給湯器システムを安定して運用することができ
る。なお、この場合、メインシステムコントローラは正
常に動作しているので、上記第二の制御構成によって正
常なサブシステムコントローラによって給湯運転を行わ
せることが可能である。
【0025】次に第六の制御構成は、上記メインシステ
ムコントローラが、給湯器の運転台数制御用として保有
するデータを消失した場合に、各サブシステムコントロ
ーラに対してサブシステムコントローラが保有する給湯
器の運転台数制御用のデータの送信を要求し、この送信
要求に応じてサブシステムコントローラから返信された
データに基づいて給湯器の運転台数制御を再開すること
を特徴とする。
【0026】この第六の制御構成では、メインシステム
コントローラが、たとえば電源の瞬時停電などによって
給湯器の運転台数制御用として保有するデータを消失し
た場合に、サブシステムコントローラとの通信により当
該データを補充して給湯器の運転台数制御、つまり、サ
ブシステムコントローラの動作制御を再開することか
ら、給湯器の運転順序や運転中の給湯器を変更すること
なくシステムの運用を継続できるので、システム全体の
動作を安定させることができる。
【0027】また、本発明の給湯器システムは、上述し
た制御構成を実現するため、上記メインシステムコント
ローラと各サブシステムコントローラとが、それぞれ異
なる電源から駆動電源の供給を受けるように構成されて
いることを特徴とする。つまり、メインシステムコント
ローラとサブシステムコントローラの電源系統を分ける
ことにより、一のシステムコントローラが動作不能に陥
っても他のシステムコントローラにより応急運転が可能
とされる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る給湯器システ
ムの一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0029】図1は本発明に係る給湯器システムの概略
構成を示すブロック図である。この給湯器システム1
は、給湯器Qを連結して運用するシステムであって、複
数(図示例では16台)の給湯器Q1〜Q16と、これ
ら給湯器Q1〜Q16の運転台数の制御を行う複数(図
示例では5台)のシステムコントローラSC1〜SC5
とを主要部として構成される。
【0030】具体的には、上記給湯器Q1〜Q16は、
上述した従来の給湯器システムと同様に、各給湯器Q1
〜Q16が入水管10と出湯管11に分岐配管13を介
して並列に接続されることによって連結されている。ま
た、各給湯器Q1〜Q16は、それぞれ入水管10から
供給される水を加熱する熱交換器(図示せず)と、上記
出湯管への出湯流量を調節する流路開閉弁14とを有
し、これらが各給湯器Q1〜Q16毎に設けられるコン
トローラ(図示せず)によって制御可能とされている。
【0031】一方、システムコントローラSCは、複数
の給湯器Qが接続されるサブシステムコントローラSC
1〜SC4と、これら複数のサブシステムコントローラ
SC1〜SC4を統括する上位のメインシステムコント
ローラSC5とで構成される。つまり、本実施形態で
は、下位のサブシステムコントローラSC1〜SC4に
よる給湯器Qの運転台数制御が、上位のメインシステム
コントローラSC5によって制御される構成、つまり、
システムコントローラを階層的に配置することによりシ
ステムが構成されている。
【0032】具体的には、サブシステムコントローラS
C1〜SC4とメインシステムコントローラSC5とは
通信線(たとえば2芯通信線)L1 を介して接続され、
相互に制御用のデータの送受信が可能とされている。ま
た、サブシステムコントローラSC1〜SC4と給湯器
Q1〜Q16のコントローラとの間も、同様に通信線L
2 を介してそれぞれ接続され、これらの間でも相互に制
御用のデータの送受信が可能とされている。
【0033】ここで、図示の給湯器システムでは、シス
テムコントローラSCが下層に位置するサブシステムコ
ントローラSC1〜SC4と上層に位置するメインシス
テムコントローラSC5の2層で構成されているが、最
上位に位置するシステムコントローラが1台となるよう
な構成であれば、給湯器Qの接続台数に応じて適宜2層
以上の階層構造をもってシステムコントローラSCを配
置することも可能である。また、ここで述べる上位、下
位(または上層、下層)の関係は、システムコントロー
ラSC相互間の接続関係を示すものであって、実際に用
いられるシステムコントローラSCとしては同種あるい
は異種のシステムコントローラを用いることも可能であ
る。
【0034】また、図示例では、サブシステムコントロ
ーラSC1〜SC4には、それぞれ給湯器Qが4台ずつ
接続されているが、これはサブシステムコントローラS
C1〜SC4に設けられる給湯器接続用の接続部(具体
的には、図2に示す通信インターフェース211〜21
4)が4台分設けられている場合を示したからであり、
たとえば給湯器接続用の接続部が5台分設けられている
場合にはサブシステムコントローラSC1〜SC4には
それぞれ5台の給湯器が接続される。また同様に上記接
続部が3台分しか設けられていない場合には、サブシス
テムコントローラSC1〜SC4には、給湯器がそれぞ
れ3台ずつ接続されることとなる。また、図示例では、
サブシステムコントローラSC1〜SC4に設けられる
接続部の数は全て4台分に統一されているが、接続部の
本数が異なるサブシステムコントローラSCを組み合わ
せてシステムを構成することも可能であり、さらに、サ
ブシステムコントローラSC1〜SC4に接続する給湯
器の台数は、上記接続部の数以下の台数であれば何台で
あってもよい。
【0035】また、図示例では、メインシステムコント
ローラSC5には4台のサブシステムコントローラSC
1〜SC4が接続されているが、これはメインシステム
コントローラSC5に設けられるサブシステムコントロ
ーラ接続用の接続部(具体的には、図2に示す通信イン
ターフェース111〜114)が4台分設けられている
場合を示したからであり、もちろんこの場合も接続部の
数に応じてメインシステムコントローラSC5に接続さ
れるサブシステムコントローラの数は増減変更可能であ
る。また、メインシステムコントローラSC5に接続す
るサブシステムコントローラSC1〜SC4の台数は、
上記接続部の数以下の台数ならば何台であってもよい。
【0036】また、このメインシステムコントローラS
C5には、通信線L3 を介してリモートコントローラR
Cが接続されている。このリモートコントローラRC
は、上記メインシステムコントローラSC5との通信に
より、給湯器システム1の運転入/切や給湯設定温度の
修正等の各種操作を行う操作装置であって、遠隔操作用
の各種操作スイッチ(図示せず)と、システムコントロ
ーラSC5を介して提供される各種情報を表示する表示
部(図示せず)とを備えて構成される。
【0037】図2は、上記給湯器システム1の通信系お
よび電源系統を示す説明図である。図示されるように、
給湯器システム1の通信系および電源系統は以下のよう
に構成されている。
【0038】すなわち、メインシステムコントローラS
C5は、当該メインシステムコントローラSC5の制御
中枢を構成するマイクロコンピュータ100を備えると
ともに、サブシステムコントローラSC1〜SC4との
通信用の通信インターフェース111〜114と、リモ
ートコントローラRCとの通信用の通信インターフェー
ス115とを主要部として備えている。
【0039】上記マイクロコンピュータ100は、メイ
ンシステムコントローラSC5に内蔵されたマイコン用
電源(直流5V)101から電源供給を受けるように構
成されており、このマイコン用電源101はさらに外部
電源装置400から電源供給を受けるように構成されて
いる。外部電源装置400は、商用電源から直流15V
を生成するスイッチング電源回路で構成され、メインシ
ステムコントローラSC5の各部(図示せず)および上
記マイコン用電源101に電源を供給するとともに、リ
モートコントローラRCに対してもメインシステムコン
トローラSC5を経由して、通信線L3 を介してリモコ
ン用の駆動電源(直流15V)の電源供給を行ってい
る。
【0040】また、マイクロコンピュータ100と上記
通信インターフェース111〜114との間には、それ
ぞれフォトカプラ121〜124が介装され、これによ
ってマイクロコンピュータ100と通信インターフェー
ス111〜114とが縁切りされるとともに、通信イン
ターフェース111〜114相互間も縁切りされてい
る。
【0041】一方、サブシステムコントローラSC1〜
SC4も上記メインシステムコントローラSC5とほぼ
同様の回路構成を備えている。すなわち、ここでサブシ
ステムコントローラSC1を例にとってサブシステムコ
ントローラSC1〜SC4の回路構成を説明すると、サ
ブシステムコントローラSC1は、その制御中枢を構成
するマイクロコンピュータ200を備えるとともに、給
湯器Q1〜Q4との通信用の通信インターフェース21
1〜214と、メインシステムコントローラSC5との
通信用の通信インターフェース215とを主要部として
備えている。
【0042】そして、サブシステムコントローラSC1
に設けられたマイクロコンピュータ200は、サブンシ
ステムコントローラSC1に内蔵されたマイコン用電源
(直流5V)201から電源供給を受けるように構成さ
れている。ここで、このサブシステムコントローラSC
1のマイコン用電源201は、図示のように、サブシス
テムコントローラSC1に接続された給湯器Q1〜Q4
のうちのいずれか一台(図示例では給湯器Q1)から供
給されている。
【0043】具体的には、給湯器Q1に内蔵された電源
回路310から出力される直流15Vが、電源供給線
(たとえば2芯線)L4 を介してメインシステムコント
ローラSC5の通信インターフェース111に入力さ
れ、この直流15Vが通信インターフェース111から
通信線L1 を介して制御信号とともにマイコン用電源2
01に重畳伝送されている。また、サブシステムコント
ローラSC1各部の駆動電源もこれと同様に上記通信イ
ンターフェース111を経由して給湯器Q1から供給さ
れる(図示省略)。
【0044】つまり、本実施形態に示す給湯器システム
1では、サブシステムコントローラSC1〜SC4が、
それぞれ当該サブシステムコントローラSC1〜SC4
に接続される各給湯器Q1〜Q16のうちのいずれかよ
り個別に駆動電源の供給を受ける一方で、メインシステ
ムコントローラSC5もこれらサブシステムコントロー
ラSC1〜SC4とは別系統の外部電源装置400から
駆動電源の供給を受けるように構成されている。つま
り、本実施形態に示す給湯器システムは、メインシステ
ムコントローラSC5とサブシステムコントローラSC
1〜SC4とがそれぞれ別系統の電源から駆動電源の供
給を受けるように構成されているので、電源系統の一部
に異常が発生しても他の電源系統から電源供給を受ける
他のシステムコントローラSCは正常に動作し得るもの
とされている。
【0045】また、サブシステムコントローラSC1の
マイクロコンピュータ200と上記通信インターフェー
ス211〜214との間にも、メインシステムコントロ
ーラSC5と同様にそれぞれフォトカプラ221〜22
4が介装され、これによってマイクロコンピュータ20
0と上記通信インターフェース211〜214とが縁切
りされるとともに、通信インターフェース211〜21
4相互間も縁切りされている。
【0046】また、給湯器Q1〜Q16について給湯器
Q1を例にとって説明すると、給湯器Q1は、その制御
中枢を構成するマイクロコンピュータ300と、上記サ
ブシステムコントローラSC1との通信用の通信インタ
ーフェース311とを主要部として備えており、上記マ
イクロコンピュータ300は給湯器Q1に内蔵されたマ
イコン用電源(直流5V)301から電源供給を受ける
ように構成されている。このマイコン用電源301は、
商用電源から直流15Vを生成するスイッチング電源回
路で構成された内部電源回路310から電源供給を受け
るように構成されている。なお、この内部電源回路31
0と、上記外部電源装置400とは異なる電源系統から
電源供給を受けることが望ましい。
【0047】そして、このように構成された給湯器シス
テム1では、上記システムコントローラSC1〜SC5
および給湯器Q1〜Q16が、それぞれに搭載されたマ
イクロコンピュータ100,200,300に格納され
た制御プログラムに従い、以下のような各種処理や機能
を実現する。
【0048】A.給湯器の運転台数制御:そこで、まず
本実施形態の給湯器システム1の基本動作、つまり、給
湯器の運転台数制御について説明する。
【0049】この運転台数制御は、上記リモートコント
ローラRCによる運転開始操作によって開始される。す
なわち、給湯器システム1の運転が開始されると、メイ
ンシステムコントローラSC5は、当該システムコント
ローラSC5に搭載されたマイクロコンピュータ100
の制御プログラムに従って、メインシステムコントロー
ラSC5に接続されているサブシステムコントローラS
C1〜SC4のうちの一台(たとえばSC1)に対し
て、給湯器Qの運転を行わせても良い旨の信号(動作可
能指令信号)を送信する。
【0050】メインシステムコントローラSC5からの
動作可能指令信号を受信したサブシステムコントローラ
SC1は、当該システムコントローラSC1に搭載され
ているマイクロコンピュータ200の制御プログラムに
従って、接続されている給湯器Q1〜Q4のうちの一台
(たとえばQ1)に対して動作可能指令信号を送信す
る。
【0051】これにより、まず給湯器Q1が運転待機状
態に移行し、この状態でカラン等が開かれて給湯要求が
なされると、まず給湯器Q1によりかかる給湯要求に対
する給湯が開始される。
【0052】そして、この状態で上記給湯要求が増加す
るなどして、給湯器Q1の出湯能力だけでは上記給湯要
求に応じきれない場合には、サブシステムコントローラ
SC1は、上記制御プログラムに従って、当該給湯要求
の増加に応じて給湯器Q2,Q3,Q4の順に動作可能
指令信号を送信し、運転可能な給湯器の台数を順次増加
させる処理を実行する(運転台数制御)。
【0053】一方、サブシステムコントローラSC1の
運転台数制御、つまり、給湯器Q1〜Q4を全て運転さ
せても給湯要求に対応できない場合には、上記メインシ
ステムコントローラSC5は、2台目のサブシステムコ
ントローラ(たとえばSC2)に対して、1台目のサブ
システムコントローラSC1の時と同様に動作可能指令
信号を送信する。これにより、サブシステムコントロー
ラSC2は、サブシステムコントローラSC1の場合と
同様の運転台数制御を行い、給湯要求の増加に伴って給
湯器Q5〜Q8を順次運転させる処理を実行する。以
下、同様に給湯要求の増加に伴い、メインシステムコン
トローラSC5からサブシステムコントローラSC3,
SC4に対して動作可能指令信号が送信される。
【0054】このように、メインシステムコントローラ
SC5は、給湯要求の増加に伴って順次サブシステムコ
ントローラSC1〜SC4に対して動作可能指令信号を
送信する制御(動作制御)を実行することにより、給湯
要求に応じて給湯器Q1から給湯器Q16を適宜運転さ
せ、これによって給湯器システム1が出湯能力不足に陥
るのを防止し、給湯要求に応じた安定した給湯を実現し
ている。
【0055】なお、上述した実施形態では、給湯器シス
テム1の運転開始当初にサブシステムコントローラSC
1に対してのみ動作可能指令信号が送信される制御構成
を示したが、運転開始当初から複数のサブシステムコン
トローラ(たとえばSC1とSC2の2台)に対して動
作可能指令信号を送信するように、メインシステムコン
トローラSC5の制御プログラムを設定することも可能
であり、また、そうすることにより給湯器開始当初から
大量の給湯を実現することができる。
【0056】B.緊急運転機能:次に、本発明の給湯器
システム1における緊急運転機能について説明する。本
発明の給湯器システム1は、メインシステムコントロー
ラSC5とサブシステムコントローラSC1〜SC4に
搭載されるマイクロコンピュータ100,200等の制
御プログラムの設定により、システムの一部に異常が発
生した場合に所定の安全動作を行った後、他の正常に動
作する部分で緊急運転を行い得るように構成されてい
る。
【0057】そこで、かかる緊急運転の態様について、
故障発生部位毎に事例を分けて説明する。
【0058】(1) リモートコントローラRCの故障また
は通信線L3 の断線等:メインシステムコントローラS
C5に接続されているリモートコントローラRCが故障
したり、あるいはメインシステムコントローラSC5と
リモートコントローラRCとを接続する通信線L3 が断
線するなどしてこれらの間に通信異常が発生した場合、
本実施形態の給湯器システム1は、以下のような安全動
作を行った後、緊急運転が開始される。
【0059】〔安全動作〕このような異常の発生は、ま
ずメインシステムコントローラSC5のマイクロコンピ
ュータ100によって検出される。この異常の検出は、
故障発生時にリモートコントローラRCから送信される
エラーコードや、メインシステムコントローラSC5と
リモートコントローラRCとの通信を監視することによ
り行われる。
【0060】メインシステムコントローラSC5におい
てこのようなリモートコントローラRCの故障や通信異
常が検出されると、次に、メインシステムコントローラ
SC5のマイクロコンピュータ100は、サブシステム
コントローラSC1〜SC4のマイクロコンピュータ2
00に対して給湯器Qによる燃焼の禁止と出水の停止を
指示する制御信号(運転停止指令信号)を送信する。
【0061】サブシステムコントローラSC1〜SC4
は、メインシステムコントローラSC5からの運転停止
指令信号を受信すると、接続された各給湯器Q1〜Q1
6に対して、同様に上記運転停止指令信号を送信する。
これにより、運転停止指令信号を受信した各給湯器Q1
〜Q16は燃焼運転を停止するとともに、流路開閉弁1
4を閉じて出水を停止し、安全動作が完了する。
【0062】〔緊急運転〕一方、給湯器システム1のユ
ーザは、各給湯器Q1〜Q16の運転が停止したこと、
およびリモートコントローラRCを操作しても給湯器Q
の燃焼運転が再開されないことなどから、この時点で給
湯器システム1のいずれかに異常が発生したことを知覚
する。
【0063】本実施形態では、この段階で、メインシス
テムコントローラSC5の電源がリセットされることを
条件に以下のようにして緊急運転が実行される。なお、
この状態では未だリモートコントローラRCは操作不能
であることから、この電源リセットはメインシステムコ
ントローラSC5の本体側の操作によって行われる。
【0064】そこで、メインシステムコントローラSC
5の電源がリセット(再投入)されると、メインシステ
ムコントローラSC5のマイクロコンピュータ100は
再びリモートコントローラRCの異常の有無の検出を行
う。この時、リモートコントローラRCの故障や通信線
3 が断線等が復旧しているとメインシステムコントロ
ーラSC5は通常の動作制御に復帰するが、リモートコ
ントローラRCの故障等が復旧していない場合には、当
該マイクロコンピュータ100はリモートコントローラ
RCは接続されていないと判断し、サブシステムコント
ローラSC1〜SC4に対して、所定の給湯設定温度に
よる燃焼運転を許可する制御信号(緊急運転開始指令信
号)を送信する。
【0065】各サブシステムコントローラSC1〜SC
4は、メインシステムコントローラSC5からの緊急運
転開始指令信号を受信すると、給湯器Q1〜Q16に対
して動作可能指令信号を送信する。これにより、各給湯
器Q1〜Q16は運転可能な状態となり、この状態でカ
ラン等が開かれて給湯要求がなされると、当該給湯要求
に応じて出湯が開始される。なお、この際における給湯
器Q1〜Q16による運転は、リモートコントローラR
Cの異常解消後に給湯設定温度の修正操作がなされるま
では、上述した所定の給湯設定温度に固定されている。
【0066】(2) サブシステムコントローラSC1〜4
の故障または通信線L1 の断線等:サブシステムコント
ローラSC1〜SC4のいずれかが故障したり、あるい
はメインシステムコントローラSC5とサブシステムコ
ントローラSC1〜SC4とを接続する通信線L1 のい
ずれかが断線するなどの通信異常を生じ、メインシステ
ムコントローラSC5によるサブシステムコントローラ
SC1〜SC4(たとえばSC1とする)の制御が不能
に陥った場合、まず、メインシステムコントローラSC
5のマイクロコンピュータ100が当該異常を検出す
る。この検出は、サブシステムコントローラSC1から
送信されるエラーコード、または通信線L1 の通信監視
によって行われる。
【0067】そして、メインシステムコントローラSC
5においてこのような異常が検出されると、上記メイン
システムコントローラSC5のマイクロコンピュータ1
00は、当該異常が検出されたサブシステムコントロー
ラSC1を除外してシステムの緊急運転を開始する。つ
まり、この場合、メインシステムコントローラSC5
は、サブシステムコントローラSC1を除いたサブシス
テムコントローラSC2〜SC4のみを用いて通常と同
様の動作制御を行い、給湯器Q5〜Q16による給湯運
転を開始する。なお、この給湯運転実行中は、リモート
コントローラRCの表示部(図示せず)にその旨を表示
する等の所定の故障報知が行われる。
【0068】その一方、上記給湯運転の対象から除外さ
れたサブシステムコントローラSC1に関しては、発生
した異常の内容、つまり、サブシステムコントローラS
C1自体が故障した場合と、通信線L1 が断線等した場
合とで以下のような処理が実行される。
【0069】まず、サブシステムコントローラSC1が
故障している場合には、サブシステムコントローラSC
1から送信されるエラーコードによって給湯器Q1〜Q
4がサブシステムコントローラSC1の故障を検出す
る。なお、この検出は各給湯器Q1〜Q4に搭載される
マイクロコンピュータ300において個別に行われる。
そして、給湯器Q1〜Q4においてサブシステムコント
ローラSC1が故障していると判断されると、各給湯器
Q1〜Q4のマイクロコンピュータ300は、各給湯器
に対して運転停止指令信号を送信し、給湯器Q1〜Q4
の燃焼を停止させるとともに流路開閉弁14を閉じて出
水を停止する処理を実行する。これにより、サブシステ
ムコントローラSC1に接続された各給湯器Q1〜Q4
からの出水が停止される。その結果、サブシステムコン
トローラSC2〜SC4によって行われる給湯運転はリ
モートコントローラRCによって設定された給湯設定温
度に安定する。なお、この給湯器Qにおける燃焼停止と
出水停止の処理は、サブシステムコントローラSC1〜
SC4と給湯器Q1〜Q16との間の通信線L2 の断線
や、サブシステムコントローラSC1〜SC4の故障に
伴う給湯器Q1〜Q16との通信途絶(通信異常)の際
にも給湯器側の処理として実行される。
【0070】また、通信線L1 の断線等による通信異常
が発生している場合、サブシステムコントローラSC1
は正常に動作し得るので、この場合は、サブシステムコ
ントローラSC1によって上記通信異常が検出される。
この検出はサブシステムコントローラSC1に搭載され
たマイクロコンピュータ200による通信監視によって
行われる。そして、マイクロコンピュータ200が上記
通信異常を検出した場合には、サブシステムコントロー
ラSC1は、接続されている給湯器Q1〜Q4に対して
運転停止指令信号を送信する。これにより、当該サブシ
ステムコントローラSC1に接続されている給湯器Q1
〜Q4の運転が停止され、かつ流路開閉弁14が閉じら
れて出水が停止する。したがって、この場合もサブシス
テムコントローラSC2〜SC4によって行われる給湯
運転はリモートコントローラRCによって設定された給
湯設定温度に安定する。
【0071】このように、サブシステムコントローラS
C1が故障するか、あるいは通信線L1 が断線する等し
て通信異常が発生した場合、メインシステムコントロー
ラSC5がサブシステムコントローラSC1を除外して
システムを運用する一方で、サブシステムコントローラ
SC1または給湯器Q1〜Q4の判断によって、給湯器
Q1〜Q4の運転が停止して、かつ出水も停止されるの
で、サブシステムコントローラSC1〜SC4のいずれ
かが異常に陥っても、メインシステムコントローラSC
5は給湯器Q5〜Q16で給湯可能な範囲で給湯運転を
継続させることができる。
【0072】(3) メインシステムコントローラSC5の
故障または通信線L1 の断線等:メインシステムコント
ローラSC5が故障したり、メインシステムコントロー
ラSC5とサブシステムコントローラSC1〜SC4と
を接続する通信線L1 が断線した場合、これらの故障や
通信異常は、サブシステムコントローラSC1〜SC4
のマイクロコンピュータ200によって検出される。こ
れらの検出は、メインシステムコントローラSC5から
送信されるエラーコードや通信監視によって行われる。
【0073】そして、各サブシステムコントローラSC
1〜SC4において、メインシステムコントローラSC
5の故障や通信異常が検出されると、まず、各サブシス
テムコントローラSC1〜SC4は、各給湯器Q1〜Q
16に対して上記運転停止指令信号を送信し、各給湯器
Q1〜Q16の運転を停止させる(安全動作)。
【0074】一方、給湯器システム1のユーザは、各給
湯器Q1〜Q16の運転が停止したこと、およびリモー
トコントローラRCを操作しても給湯器Qの燃焼運転が
再開されないことなどから、この時点で給湯器システム
1のいずれかに異常が発生したことを知覚する。
【0075】本実施形態では、この段階で、サブシステ
ムコントローラSC1〜SC4の電源がリセットされる
ことを条件に以下のようにして緊急運転が実行される。
なお、この状態では、上記電源のリセットは各サブシス
テムコントローラSC1〜SC4の操作によって行われ
る。
【0076】そして、サブシステムコントローラSC1
〜SC4の電源がリセット(再投入)されると、各サブ
システムコントローラSC1〜SC4のマイクロコンピ
ュータ200は再びメインシステムコントローラSC5
の故障や通信異常の検出を行い、依然としてメインシス
テムコントローラSC5が故障または通信異常の状態に
あると判断した場合には、各サブシステムコントローラ
SC1〜SC4は、各給湯器Q1〜Q16に対して、所
定の給湯設定温度による燃焼運転を許可する制御信号
(緊急運転開始指令信号)を送信する。
【0077】これにより、各サブシステムコントローラ
SC1〜SC4は、メインシステムコントローラSC5
による制御を受けることなく、それぞれ運転台数制御を
行い給湯運転を再開する。したがって、この状態でカラ
ン等が開かれて給湯要求がなされると、当該給湯要求に
応じて出湯が開始される。なお、この出湯は、メインシ
ステムコントローラSC5の故障解消後にリモートコン
トローラRCによって給湯設定温度の修正操作がなされ
るまでは、上述した所定の給湯設定温度に固定されてい
る。
【0078】C.メインシステムコントローラSC5の
データ消失時の復帰処理機能:次に、本発明の給湯器シ
ステム1におけるデータ消失時の復帰処理機能について
説明する。本発明の給湯器システム1では、上述したよ
うに、メインシステムコントローラSC5とサブシステ
ムコントローラSC1〜SC4の駆動電源がそれぞれ別
系統の電源から供給されることから、たとえばメインシ
ステムコントローラSC5に供給される電源が瞬時停電
するなどしてメインシステムコントローラSC5に保有
される制御用のデータが消失した場合には、以下のよう
なデータの復帰処理が実行される。
【0079】すなわち、メインシステムコントローラS
C5に供給される電源が瞬時停電するなどしてマイクロ
コンピュータ100がリセットされると、メインシステ
ムコントローラSC5はサブシステムコントローラSC
1〜SC4に対して、マイクロコンピュータ100のリ
セット前にマイクロコンピュータ100がサブシステム
コントローラSC1〜SC4に対して行った指令(制御
信号)の内容の問い合わせを行う。
【0080】メインシステムコントローラSC5からの
上記問い合わせを受け付けた各サブシステムコントロー
ラSC1〜SC4のマイクロコンピュータ200は、マ
イクロコンピュータ100のリセット前にメインシステ
ムコントローラSC5から受け付けた制御信号を返信す
る。
【0081】メインシステムコントローラSC5は、サ
ブシステムコントローラSC1〜SC4からの上記返信
に基づき、マイクロコンピュータ100のリセット前
に、動作可能指令信号の出力有無や、動作可能指令信号
をどのサブシステムコントローラSC1〜SC4に出力
したか、さらにはどういう順序でサブシステムコントロ
ーラSC1〜SC4に動作可能指令信号を出力したかな
ど、給湯器の運転台数制御用として保有すべきデータを
マイクロコンピュータ100に入力する。
【0082】そして、メインシステムコントローラSC
5のマイクロコンピュータ100は、このようにして入
力されたデータに基づいて、リセット前に動作可能指令
信号を出力したサブシステムコントローラSC1〜SC
4と、その出力順を特定して、この順に従ってサブシス
テムコントローラSC1〜SC4に動作可能指令信号を
送信する。つまり、マイクロコンピュータ100のリセ
ット前に運転していたのと同じ状態になるようにサブシ
ステムコントローラSC1〜SC4に動作可能指令信号
を送信する。
【0083】これにより、メインシステムコントローラ
SC5が保有するデータが消失しても、消失前の状態で
給湯器システム1を運用できるので、流路開閉弁14の
開閉を可能な限り少なくできるので、当該流路開閉弁1
4の開閉に伴う出湯量の変化を最低限に抑えることがで
きる。
【0084】なお、上述した実施形態はあくまでも本発
明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれ
に限定されることなくその発明の範囲内で種々の設計変
更が可能である。
【0085】たとえば、上述した実施形態では、メイン
システムコントローラSC5やサブシステムコントロー
ラSC1〜SC4のマイクロコンピュータ100,20
0等を用いてシステムの異常を検出する構成を示した
が、給湯器システム1の異常検出は他の方法によって行
わせてもよい。また、リモートコントローラRCやメイ
ンシステムコントローラSC5の故障時に、一旦安全動
作を行わせる場合を示したが、システムの異常発生を報
知し、安全動作を行わせずに直ちに緊急運転に移行する
ように構成することも可能である。
【0086】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る給湯
器システムによれば、複数の給湯器を連結して運用する
給湯器システムであって、給湯器の運転台数制御を行な
うシステムコントローラとして、所定台数の給湯器に対
して運転台数制御を行うサブシステムコントローラと、
複数のサブシステムコントローラを統括してこれらの動
作制御を行うメインシステムコントローラとを有し、か
つ上記メインシステムコントローラに遠隔操作用のリモ
ートコントローラが設けられている給湯器システムにお
いて、システムの一部に故障等が発生した場合に、他の
正常に動作する部位をもって暫定的な緊急運転が行われ
るので、システム全体を止めることなく給湯を継続する
ことができる。
【0087】また、本発明の給湯器システムは、上記メ
インシステムコントローラと各サブシステムコントロー
ラとが、それぞれ異なる電源から駆動電源の供給を受け
るように設定されていることから、一のシステムコント
ローラが動作不能に陥っても他のシステムコントローラ
により応急運転が可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給湯器システムの一例の概略構成
を示すブロック図である。
【図2】同給湯器システムの通信系および電源系統を説
明する説明図である。
【図3】従来の給湯器システムの概略構成を示す説明図
である。
【符号の説明】
Q1〜Q16 給湯器 SC1〜SC4 サブシステムコントローラ(シスム
コントローラ) SC5 メインシステムコントローラ(シス
テムコントローラ) RC リモートコントローラ L1 〜L3 通信線 L4 電源供給線 100 メインシステムコントローラのマイ
クロコンピュータ 101 マイコン用電源 111〜115 通信インターフェース 200 マイクロコンピュータ 201 マイコン用電源 211〜215 通信インターフェース 300 マイクロコンピュータ 301 マイコン用電源 311 通信インターフェース 400 外部電源装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗原 武弘 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 村上 昌義 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 濱谷 佳和 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 真次 成昌 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 Fターム(参考) 3K068 KA04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の給湯器を連結して運用する給湯器
    システムであって、給湯器の運転台数制御を行なうシス
    テムコントローラとして、所定台数の給湯器に対して運
    転台数制御を行うサブシステムコントローラと、複数の
    サブシステムコントローラを統括してこれらの動作制御
    を行うメインシステムコントローラとを有し、かつ前記
    メインシステムコントローラに遠隔操作用のリモートコ
    ントローラが設けられている給湯器システムにおいて、 前記メインシステムコントローラに、リモートコントロ
    ーラの故障およびリモートコントローラとの通信異常の
    少なくとも一つを検出する手段が設けられ、当該手段に
    おいてリモートコントローラの故障または通信異常が検
    出された場合に、前記メインシステムコントローラがサ
    ブシステムコントローラに対して所定の給湯設定温度に
    よる燃焼運転を許可する制御信号を送信する制御構成を
    有することを特徴とする給湯器システム。
  2. 【請求項2】 複数の給湯器を連結して運用する給湯器
    システムであって、給湯器の運転台数制御を行なうシス
    テムコントローラとして、所定台数の給湯器に対して運
    転台数制御を行うサブシステムコントローラと、複数の
    サブシステムコントローラを統括してこれらの動作制御
    を行うメインシステムコントローラとを有し、かつ前記
    メインシステムコントローラには遠隔操作用のリモート
    コントローラが設けられている給湯器システムにおい
    て、 前記メインシステムコントローラに、サブシステムコン
    トローラの故障およびサブシステムコントローラとの通
    信異常の少なくとも一つを検出する手段が設けられ、当
    該手段においていずれかのサブシステムコントローラの
    故障または通信異常が検出された場合に、前記メインシ
    ステムコントローラは故障または通信異常が検出された
    サブシステムコントローラを除外して、サブシステムコ
    ントローラに対する前記動作制御を実行する制御構成を
    有することを特徴とする給湯器システム。
  3. 【請求項3】 複数の給湯器を連結して運用する給湯器
    システムであって、給湯器の運転台数制御を行なうシス
    テムコントローラとして、所定台数の給湯器に対して運
    転台数制御を行うサブシステムコントローラと、複数の
    サブシステムコントローラを統括してこれらの動作制御
    を行うメインシステムコントローラとを有し、かつ前記
    メインシステムコントローラには遠隔操作用のリモート
    コントローラが設けられている給湯器システムにおい
    て、 前記サブシステムコントローラに、メインシステムコン
    トローラの故障およびメインシステムコントローラとの
    通信異常の少なくとも一つを検出する手段が設けられ、
    当該手段においてメインシステムコントローラの故障ま
    たはメインシステムコントローラとの通信異常が検出さ
    れた場合に、前記サブシステムコントローラが給湯器に
    対して燃焼禁止および出水停止を指示する制御信号を送
    信する制御構成を有することを特徴とする給湯器システ
    ム。
  4. 【請求項4】 複数の給湯器を連結して運用する給湯器
    システムであって、給湯器の運転台数制御を行なうシス
    テムコントローラとして、所定台数の給湯器に対して運
    転台数制御を行うサブシステムコントローラと、複数の
    サブシステムコントローラを統括してこれらの動作制御
    を行うメインシステムコントローラとを有し、かつ前記
    メインシステムコントローラには遠隔操作用のリモート
    コントローラが設けられている給湯器システムにおい
    て、 前記サブシステムコントローラに、メインシステムコン
    トローラの故障およびメインシステムコントローラとの
    通信異常の少なくとも一つを検出する手段が設けられ、
    当該手段においてメインシステムコントローラの故障ま
    たはメインシステムコントローラとの通信異常が検出さ
    れた場合に、前記サブシステムコントローラが給湯器に
    対して所定の給湯設定温度による燃焼運転を許可する制
    御信号を送信する制御構成を有することを特徴とする給
    湯器システム。
  5. 【請求項5】 複数の給湯器を連結して運用する給湯器
    システムであって、給湯器の運転台数制御を行なうシス
    テムコントローラとして、所定台数の給湯器に対して運
    転台数制御を行うサブシステムコントローラと、複数の
    サブシステムコントローラを統括してこれらの動作制御
    を行うメインシステムコントローラとを有し、かつ前記
    メインシステムコントローラには遠隔操作用のリモート
    コントローラが設けられている給湯器システムにおい
    て、 前記給湯器に、サブシステムコントローラの故障および
    サブシステムコントローラとの通信異常の少なくとも一
    つを検出する手段が設けられ、当該手段においてサブシ
    ステムコントローラの故障またはサブシステムコントロ
    ーラとの通信異常が検出された場合に、前記給湯器は燃
    焼および出水を停止する制御構成を有することを特徴と
    する給湯器システム。
  6. 【請求項6】 複数の給湯器を連結して運用する給湯器
    システムであって、給湯器の運転台数制御を行なうシス
    テムコントローラとして、所定台数の給湯器に対して運
    転台数制御を行うサブシステムコントローラと、複数の
    サブシステムコントローラを統括してこれらの動作制御
    を行うメインシステムコントローラとを有し、かつ前記
    メインシステムコントローラには遠隔操作用のリモート
    コントローラが設けられている給湯器システムにおい
    て、 前記メインシステムコントローラは、給湯器の運転台数
    制御用として保有するデータを消失した場合に、各サブ
    システムコントローラに対してサブシステムコントロー
    ラが保有する給湯器の運転台数制御用のデータの送信を
    要求し、この送信要求に応じてサブシステムコントロー
    ラから返信されたデータに基づいて給湯器の運転台数制
    御を再開する制御構成を備えたことを特徴とする給湯器
    システム。
  7. 【請求項7】 複数の給湯器を連結して運用する給湯器
    システムであって、給湯器の運転台数制御を行なうシス
    テムコントローラとして、所定台数の給湯器に対して運
    転台数制御を行うサブシステムコントローラと、複数の
    サブシステムコントローラを統括してこれらの動作制御
    を行うメインシステムコントローラとを有し、かつ前記
    メインシステムコントローラには遠隔操作用のリモート
    コントローラが設けられている給湯器システムにおい
    て、 前記メインシステムコントローラと各サブシステムコン
    トローラとが、それぞれ異なる電源から駆動電源の供給
    を受けるように構成されていることを特徴とする給湯器
    システム。
  8. 【請求項8】 前記サブシステムコントローラが、当該
    サブシステムコントローラに接続される給湯器のうちの
    いずれかより駆動電源の供給を受けるように構成されて
    いることを特徴とする請求項7に記載の給湯器システ
    ム。
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