JP2002098164A - 車両用変速機 - Google Patents

車両用変速機

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JP2002098164A
JP2002098164A JP2000284741A JP2000284741A JP2002098164A JP 2002098164 A JP2002098164 A JP 2002098164A JP 2000284741 A JP2000284741 A JP 2000284741A JP 2000284741 A JP2000284741 A JP 2000284741A JP 2002098164 A JP2002098164 A JP 2002098164A
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Japan
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gear
damper member
speed
dog clutch
circumferential direction
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JP2000284741A
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English (en)
Inventor
Junichi Yoshida
順一 吉田
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速操作時のショックとショック音の低減を
図ることができる車両用変速機を提供すること。 【構成】 ドライブシャフト(軸)3上に自由回転可能
に支承された第1速ギヤ(変速ギヤ)15と同軸上に摺
動可能にスプライン嵌合されたスライドギヤ18とをド
ッグクラッチ20の凹凸嵌合によって選択的に連結して
変速を行う車両用変速機1において、前記ドッグクラッ
チ20の凸部20aが嵌合する凹部20bが設けられた
第1速ギヤ15側にリング状のダンパー部材23を取り
付け、ドッグクラッチ20の凸部20aが凹部20bに
嵌合する以前に該凸部20aが前記ダンパー部材23に
周方向に当接してこれを周方向に弾性変形せしめるよう
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常時噛み合い式ド
ッグクラッチ方式を採用する車両用変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動二輪車には常時噛み合い式ド
ッグクラッチ方式を採用する変速機が用いられるが、こ
の種の変速機は、軸上に自由回転可能に支承された変速
ギヤと同軸上に摺動可能にスプライン嵌合されたスライ
ドギヤとをドッグクラッチの凹凸嵌合によって選択的に
連結して変速を行うものであって、これによれば変速ギ
ヤ自体を動かして変速しないためにギヤの損傷が防がれ
るというメリットが得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、自動二輪車
等において発進時にギヤをニュートラルから第1速にシ
フトした場合、自由回転している第1速ギヤに停止中の
スライドギヤがドッグクラッチによって連結されるた
め、大きなショックとショック音が発生するという問題
があった。
【0004】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、変速操作時のショックとショ
ック音の低減を図ることができる車両用変速機を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、軸上に自由回転可能に支承
された変速ギヤと同軸上に摺動可能にスプライン嵌合さ
れたスライドギヤとをドッグクラッチの凹凸嵌合によっ
て選択的に連結して変速を行う車両用変速機において、
前記ドッグクラッチの凸部が嵌合する凹部が設けられた
ギヤ側にリング状のダンパー部材を取り付け、ドッグク
ラッチの凸部が凹部に嵌合する以前に該凸部が前記ダン
パー部材に周方向に当接してこれを周方向に弾性変形せ
しめるよう構成したことを特徴とする。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記ダンパー部材を、径方向又は軸方向に
突出する複数の突起を周方向に配置して成るスリーブと
これに保持された弾性体で構成したことを特徴とする。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、前記ダンパー部材を第1速ギヤに設
けたことを特徴とする。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の発明において、前記ドッグクラッチの凸部が前
記ダンパー部材に当接して凹部に嵌合するまでにギヤが
相対的に回転する作動角を加速側及び減速側の双方向に
設けたことを特徴とする。
【0009】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、前記加速側の作動角を減速側の作動角より
も大きく設定したことを特徴とする。
【0010】従って、請求項1及び2記載の発明によれ
ば、変速時にドッグクラッチによって変速ギヤとスライ
ドギヤが連結される際、ドッグクラッチの凸部が凹部に
嵌合する以前に該凸部がダンパー部材に周方向に当接し
てこれを周方向に弾性変形せしめるため、このダンパー
部材の弾性変形によって変速操作時のショックとショッ
ク音が吸収されてこれらが低く抑えられる。
【0011】請求項3記載の発明によれば、ダンパー部
材を第1速ギヤに設けたため、車両発進時に発生してい
た大きなショックとショック音が効果的に吸収されてこ
れらが低く抑えられる。
【0012】請求項4記載の発明によれば、加速時及び
減速時の変速操作におけるショックとショック音がダン
パー部材によって吸収されてこれらが低く抑えられる。
【0013】請求項5記載の発明によれば、減速時より
も大きなショックとショック音が発生する加速時におい
てショックとショック音を効果的に吸収してこれらを低
く抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0015】図1は本発明に係る変速機1の断面図であ
り、図示の変速機1は自動二輪車用であって、これには
互いに平行に車幅方向に配されたメインシャフト2とド
ライブシャフト3が設けられ、メインシャフト2はその
左右がベアリング4,5によって回転自在に支承され、
同様にドライブシャフト3はその左右がベアリング6,
7によって回転自在に支承されている。
【0016】上記メインシャフト2はこれと平行に配さ
れた不図示のクランクシャフトに不図示のギヤを介して
連結されるとともに、その一端には不図示のクラッチが
設けられている。そして、このメインシャフト2には小
径の第1速ギヤ8が一体に形成されるとともに、第2速
ギヤ9が一体に回転すべくスプライン嵌合され、第4速
ギヤ10と第5速ギヤ11が自由回転可能に支承されて
いる。
【0017】又、メインシャフト2上の前記第4速ギヤ
10と第5速ギヤ11の間には第3速ギヤを構成するス
ライドギヤ12が軸方向に摺動可能にスプライン嵌合さ
れており、該スライドギヤ12の第5速ギヤ11に対向
する一端面には複数の凸部13aが形成され、第4速ギ
ヤ10に対向する他端面には複数の凹部14bが形成さ
れている。そして、第5速ギヤ11のスライドギヤ12
に対向する一端面にはスライドギヤ12に形成された前
記凸部13aが選択的に嵌合する複数の凹部13bが形
成され、この凹部13bと凸部13aはドッグクラッチ
13を構成している。同様に、第4速ギヤ10のスライ
ドギヤ12に対向する一端面にはスライドギヤ12に形
成された前記凹部14bに選択的に嵌合する複数の凸部
14aが形成され、この凸部14aと凹部14bはドッ
グクラッチ14を構成している。
【0018】尚、メインシャフト2上に配された第1速
ギヤ8、第2速ギヤ9、スライドギヤ(第3速ギヤ)1
2、第4速ギヤ10、第5速ギヤ11はこの順に径が次
第に大きくなっている。
【0019】他方、前記ドライブシャフト3上には、前
記第1速ギヤ8に噛合する第1速ギヤ15と前記第2速
ギヤ9に噛合する第2速ギヤ16及び第3速ギヤを構成
する前記スライドギヤ12に噛合する第3速ギヤ17が
それぞれ自由回転可能に支承されるとともに、第1速ギ
ヤ15と第3速ギヤ17の間には第4速ギヤを構成する
スライドギヤ18が、第2速ギヤ16と第3速ギヤ17
との間には第5速ギヤを構成するスライドギヤ19がそ
れぞれ軸方向に摺動可能にスプライン嵌合されている。
【0020】そして、スライドギヤ18の第1速ギヤ1
5に対向する一端面には複数の凸部20aが形成され、
第3速ギヤ17に対向する他端面には複数の凸部21a
が形成されている。そして、第1速ギヤ15のスライド
ギヤ18に対向する一端面にはスライドギヤ18に形成
された前記凸部20aが選択的に嵌合する複数の凹部2
0bが形成され、この凹部20bと凸部20aはドッグ
クラッチ20を構成している。同様に、第3速ギヤ17
のスライドギヤ18に対向する一端面にはスライドギヤ
18に形成された前記凸部21aが選択的に嵌合する複
数の凹部21bが形成され、この凹部21bと凸部21
aはドッグクラッチ21を構成している。
【0021】又、スライドギヤ19の第2速ギヤ16に
対向する一端面には複数の凸部22aが形成され、第2
速ギヤ16のスライドギヤ19に対向する一端面にはス
ライドギヤ19に形成された前記凸部22aが選択的に
嵌合する複数の凹部22bが形成されており、この凹部
22bと凸部22aはドッグクラッチ22を構成してい
る。
【0022】尚、ドライブシャフト3のベアリング6の
外側方に延出する端部には不図示のスプロケットが結着
されており、ドライブシャフト3上に配された第1速ギ
ヤ15、第2速ギヤ16、第3速度ギヤ17、スライド
ギヤ(第4速ギヤ)18、スライドギヤ(第5速ギヤ)
19はこの順に径が次第に小さくなっている。
【0023】而して、本実施の形態に係る変速機1にお
いては、ドライブシャフト3上に配された前記第1速ギ
ヤ15に内周部にリング状のダンパー部材23が圧入に
よって取り付けられている。
【0024】ここで、上記ダンパー部材23の構成の詳
細を図2に基づいて説明する。尚、図2(a)はダンパ
ー部材が組み込まれた第1速ギヤの正面図、図2(b)
は同図(a)のA−A線断面図である。
【0025】ダンパー部材23は、内外二重リング状を
成す金属製のスリーブ24,25の間にゴム等の弾性体
26を焼き付けて構成されており、内側のスリーブ24
には径方向内方に向かって一体に突出する矩形状の4つ
の突起24aが等角度ピッチ(90°ピッチ)で周方向
に配置されている。
【0026】一方、第1速ギヤ15の一端面には扇状を
成す4つの前記凹部20bが等角度ピッチ(90°ピッ
チ)で周方向に形成されており、隣接する凹部20bの
間には壁15aがそれぞれ形成されている。
【0027】而して、ダンパー部材23は外側のスリー
ブ25の外周を第1速ギヤ15の内周部に圧入嵌合する
ことによって取り付けられるが、このダンパー部材23
の取付状態においては、スリーブ24に形成された各突
起24aが図2(a)に示すように第1速ギヤ15の前
記壁15aの左右に所定量だけ突出するようダンパー部
材23が位置決めされる。具体的には、突起24aの左
右の突出量は、該突起24aの端面24a−1と壁15
aの端面とが成す角度(後述の加速側作動角)が4°、
突起24aの反対側の端面24a−2と壁15aの端面
とが成す角度(後述の減速側作動角)が3°となるよう
に設定されている。
【0028】尚、前記スライドギヤ18には、図2
(a)に斜線にて示すように扇状の4つの前記凸部20
a(図には1つのみ図示)が周方向に等角度ピッチ(9
0°ピッチ)で形成されており、各凸部20aの周方向
長さは第1速ギヤ15の各凹部20bの周方向長さより
も小さく設定されている。
【0029】次に、以上の構成を有する本発明に係る変
速機1の作用について説明する。
【0030】自動二輪車のエンジンが始動されて不図示
のクランクシャフトが回転駆動されると、このクランク
シャフトの回転は不図示のギヤ及びクラッチを介してメ
インシャフト2に伝達されて該メインシャフト2が回転
駆動される。この場合、前記クラッチは接続状態にあ
り、変速機1のドッグクラッチ13,14,20〜22
は全て離間状態にあって変速機1はニュートラル状態に
ある。
【0031】而して、ニュートラル状態においては、メ
インシャフト2上の第1速ギヤ8と第2速ギヤ9及びス
ライドギヤ12はメインシャフト2と共に回転し、これ
らのギヤ8,9,12に噛合するドライブシャフト3上
の第1速ギヤ15と第2速ギヤ16及び第3速ギヤ17
はドライブシャフト3上を自由回転するため、メインシ
ャフト2の回転はドライブシャフト3に伝達されず、従
って、自動二輪車の発進はなされない。
【0032】その後、ライダーはクラッチレバーを操作
して不図示のクラッチを遮断するとともに、シフト操作
によってスライドギヤ18をドライブシャフト3上で摺
動させて該スライドギヤ18の凸部20aを第1速ギヤ
15の凹部20bに嵌合させてドッグクラッチ20を接
続させる。すると、クランクシャフトからメインシャフ
ト2への回転伝達が遮断されるが、メインシャフト2は
慣性によって第1速ギヤ8、第2速ギヤ9及びスライド
ギヤ12と共に回転し続けており、この状態では第1速
ギヤ15がドライブシャフト3上で自由回転しているた
め、前述のようにスライドギヤ18をドライブシャフト
3上で摺動させて該スライドギヤ18の凸部20aを第
1速ギヤ15の凹部20bに嵌合させてドッグクラッチ
20を接続させると、従来は大きなショックとショック
音が発生していた。
【0033】ところが、本実施の形態に係る変速機1に
おいては、第1速ギヤ15にダンパー部材23を取り付
けたため、スライドギヤ18の凸部20aは第1速ギヤ
15の凹部20bに嵌合する以前に先ずダンパー部材2
3のスリーブ24に突設された各突起24aに当接す
る。具体的には、凸部20aがダンパー部材23の突起
24aの端面24a−1に当接して弾性体26を周方向
に弾性変形させるため、この弾性体26の弾性変形によ
ってショックとショック音が吸収されてこれらが低く抑
えられる。
【0034】そして、ダンパー部材23の弾性体の変形
が進むと凸部20aが第1速ギヤ15の前記壁15aの
端面に当接し、第1速ギヤ15の回転がスライドギヤ1
8を介してドライブシャフト3に伝達されて該ドライブ
シャフト3が回転駆動される。ここで、ドッグクラッチ
20の凸部20aがダンパー部材23の突起24aに当
接してから壁15aの端面に当接するまでの間に第1速
ギヤ15が凸部20aに対して相対回転し得る角度を作
動角とすると、この作動角は前述のように4°(図2
(a)参照)に設定されており、ダンパー部材23の弾
性体26は作動角(4°)分だけ周方向に弾性変形す
る。
【0035】ところで、本実施の形態では、図2(a)
に示すように逆側(減速側)にも3°の作動角を設けた
ため、ドッグクラッチ20の凸部20aが壁15aへの
当接の反動によって突起24aの逆側の端面24a−2
に当接しても、ダンパー部材23の弾性体26の作動角
3°分の周方向の弾性変形によってショックとショック
音が吸収されてこれらが低く抑えられる。
【0036】又、発進時を含む加速時における変速操作
によってドッグクラッチ20が接続される場合、第1速
ギヤ15の方がスライドギヤ18よりも高速で回転して
いるためにドッグクラッチ20の凸部20aはダンパー
部材23の突起24aの端面24a−1に当接して弾性
体26を作動角4°だけ周方向に弾性変形させ、逆に減
速時の変速操作によってドッグクラッチ20が接続され
る場合、スライドギヤ18の方が第1速ギヤ15よりも
高速で回転しているためにドッグクラッチ20の凸部2
0aはダンパー部材23の突起24aの反対側の端面2
4a−2に当接して弾性体26を作動角3°だけ逆方向
に弾性変形させ、弾性体26の弾性変形によって加速時
及び減速時の変速操作におけるショックとショック音が
吸収されてこれらが低く抑えられる。
【0037】ここで、減速時の変速操作においては、ス
ライドギヤ18と第1速ギヤ15は同方向に回転してい
るために両者の速度差は小さく、ドッグクラッチ20の
接続時のショックは発進時及び加速時のそれに比して小
さいものとなる。このため、本実施の形態では図2
(a)に示すように加速側の作動角4°を減速側の作動
角3°よりも大きく設定し、減速時よりも大きなショッ
クとショック音が発生する発進時(加速時)においてシ
ョックとショック音を効果的に吸収するようにした。
【0038】而して、自動二輪車が第1速状態で発進さ
れた後、変速機1の変速位置を第2速〜第5速へと順次
切り換えて車速を上げ場合、変速位置の第2速〜第5速
の切り換えは次のようにしてなされる。
【0039】即ち、不図示のクラッチを遮断してクラン
クシャフトからメインシャフト2への回転伝達を遮断し
た状態でスライドギヤ18を摺動させてドッグクラッチ
20を遮断した後、スライドギヤ19を摺動させてこれ
に形成された凸部22aを第2速ギヤ16の凹部22b
に嵌合させることによってドッグクラッチ22を接続さ
せれば、変速位置は第1速から第2速に切り換えられ、
メインシャフト2の回転は第2速ギヤ9,16及びスラ
イドギヤ19を経てドトライブシャフト3に伝達されて
該ドライブシャフト3が回転駆動される。
【0040】同様に、不図示のクラッチを遮断してクラ
ンクシャフトからメインシャフト2への回転伝達を遮断
した状態でスライドギヤ19を摺動させてドッグクラッ
チ22を遮断した後、スライドギヤ18を摺動させてこ
れに形成された凸部21aを第3速ギヤ17の凹部21
bに嵌合させることによってドッグクラッチ21を接続
させれば、変速位置は第2速から第3速に切り換えら
れ、メインシャフト2の回転はスライドギヤ12、第3
速ギヤ17及びスライドギヤ18を経てドライブシャフ
ト3に伝達されて該ドライブシャフト3が回転駆動され
る。
【0041】又、不図示のクラッチを遮断してクランク
シャフトからメインシャフト2への回転伝達を遮断した
状態でスライドギヤ18を摺動させてドッグクラッチ2
1を遮断した後、スライドギヤ12を摺動させてこれに
形成された凹部14bに第4速ギヤ10の凸部14aを
嵌合させることによってドッグクラッチ14を接続させ
れば、変速位置は第3速から第4速に切り換えられ、メ
インシャフト2の回転はスライドギヤ12、第4速ギヤ
10及びスライドギヤ18を経てドライブシャフト3に
伝達されて該ドライブシャフト3が回転駆動される。
【0042】更に、不図示のクラッチを遮断してクラン
クシャフトからメインシャフト2への回転伝達を遮断し
た状態でスライドギヤ12を摺動させてドッグクラッチ
14を遮断した後、スライドギヤ12を逆方向に摺動さ
せてこれに形成された凸部13aを第5速ギヤ11の凹
部13bに嵌合させることによってドッグクラッチ13
を接続させれば、変速位置は第4速から第5速に切り換
えられ、メインシャフト2の回転はスライドギヤ12、
第4速ギヤ11及びスライドギヤ19を経てドライブシ
ャフト3に伝達されて該ドライブシャフト3が回転駆動
される。
【0043】次に、ダンパー部材の他の形態を図3〜図
6に基づいて説明する。図3(a)〜図6(a)はダン
パー部材の正面図、図3(b)、図4(b)、図5
(b)、図6(b)はそれぞれ図3(a)のB−B線断
面図、図4(a)のC−C線断面図、図5(a)のD−
D線断面図、図6(a)のE−E線断面図である。
【0044】図3に示すダンパー部材23は内外二重リ
ング状を成す金属製のスリーブ24,25の間にゴム等
の弾性体26を焼き付けて構成されており、内側のスリ
ーブ24には軸方向に向かって水平に延びる4つの突起
24aが等角度ピッチ(90°ピッチ)で周方向に配置
されている。このダンパー部材23においては、ドッグ
クラッチ接続時に凸部20aが各突起24aの端面に当
接して内側のスリーブ24を介して弾性体26を周方向
に弾性変形させることによって変速操作時のショックと
ショック音を吸収することができる。尚、本実施の形態
は、ギヤの寸法上或はドッグの強度上等の問題で径方向
に突起を設ける余裕(スペース)がない場合等に適用す
ることができる。
【0045】図4に示すダンパー部材23も内外二重リ
ング状を成す金属製のスリーブ24,25の間にゴム等
の弾性体26を焼き付けて構成されるが、外側のスリー
ブ25には径方向外方に向かって一体に突出する4つの
突起25aが等角度ピッチ(90°ピッチ)で周方向に
配置されている。このダンパー部材23においても、ド
ッグクラッチ接続時に凸部20aが各突起25aの端面
に当接して外側のスリーブ25を介して弾性体26を周
方向に弾性変形させることによって変速操作時のショッ
クとショック音を吸収することができる。
【0046】図5に示すダンパー部材23は内外二重リ
ング状を成す金属製のスリーブ24,25の間に波状に
折り曲げられた金属製のリングバネ27を配し、このリ
ングバネ27の一部(図示のa点)を内側のスリーブ2
4に点溶接するとともに、両スリーブ24,25とリン
グバネ27の間にゴム等の弾性体26を充填して構成さ
れており、内側のスリーブ24には径方向内方に向かっ
て一体に突出する4つの突起24aが等角度ピッチ(9
0°ピッチ)で周方向に配置されている。
【0047】図6に示すダンパー部材23は軸方向に平
行に配された金属製のリング28,29の間にゴム等の
弾性体26を焼き付けて構成されており、一方のリング
28の内周部には径方向内方に向かって一体に突出する
4つの突起28aが等角度ピッチ(90°ピッチ)で周
方向に配置され、他方のリング29は第1速ギヤ15に
接合又はビス止めによって固定されている。このダンパ
ー部材23においては、ドッグクラッチ接続時に不図示
の凸部が各突起28aの端面に当接してリング28を介
して弾性体26を剪断方向に弾性変形させることによっ
て変速操作時のショックとショック音を吸収することが
できる。
【0048】尚、以上は本発明を特に自動二輪車用の変
速機に適用した形態について述べたが、本発明は他の任
意の車両の変速機に対しても同様に適用可能であること
は勿論である。
【0049】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、軸上に自由回転可能に支承された変速ギヤと同
軸上に摺動可能にスプライン嵌合されたスライドギヤと
をドッグクラッチの凹凸嵌合によって選択的に連結して
変速を行う車両用変速機において、前記ドッグクラッチ
の凸部が嵌合する凹部が設けられたギヤ側にリング状の
ダンパー部材を取り付け、ドッグクラッチの凸部が凹部
に嵌合する以前に該凸部が前記ダンパー部材に周方向に
当接してこれを周方向に弾性変形せしめるよう構成した
ため、変速操作時のショックとショック音をダンパー部
材によって効果的に吸収してこれらを低く抑えることが
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る変速機の断面図である。
【図2】本発明に係る変速機のダンパー部材の構成を示
す図である。
【図3】ダンパー部材の別形態を示す図である。
【図4】ダンパー部材の別形態を示す図である。
【図5】ダンパー部材の別形態を示す図である。
【図6】ダンパー部材の別形態を示す図である。
【符号の説明】
1 車両用変速機 2 メインシャフト(軸) 3 ドライブシャフト(軸) 8,15 第1速ギヤ(変速ギヤ) 9,16 第2速ギヤ(変速ギヤ) 10 第4速ギヤ(変速ギヤ) 11 第5速ギヤ(変速ギヤ) 12,18,19 スライドギヤ 13,14,20〜22 ドッグクラッチ 13a,14a,20a〜22a 凸部 13b,14b,20b〜22b 凹部 17 第3速ギヤ(変速ギヤ) 23 ダンパー部材 24,25 スリーブ 24a,25a 突起 26 弾性体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸上に自由回転可能に支承された変速ギ
    ヤと同軸上に摺動可能にスプライン嵌合されたスライド
    ギヤとをドッグクラッチの凹凸嵌合によって選択的に連
    結して変速を行う車両用変速機において、 前記ドッグクラッチの凸部が嵌合する凹部が設けられた
    ギヤ側にリング状のダンパー部材を取り付け、ドッグク
    ラッチの凸部が凹部に嵌合する以前に該凸部が前記ダン
    パー部材に周方向に当接してこれを周方向に弾性変形せ
    しめるよう構成したことを特徴とする車両用変速機。
  2. 【請求項2】 前記ダンパー部材を、径方向又は軸方向
    に突出する複数の突起を周方向に配置して成るスリーブ
    とこれに保持された弾性体で構成したことを特徴とする
    請求項1又は2記載の車両用変速機。
  3. 【請求項3】 前記ダンパー部材を第1速ギヤに設けた
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用変速機。
  4. 【請求項4】 前記ドッグクラッチの凸部が前記ダンパ
    ー部材に当接して凹部に嵌合するまでにギヤが相対的に
    回転する作動角を加速側及び減速側の双方向に設けたこ
    とを特徴とする請求項1,2又は3記載の車両用変速
    機。
  5. 【請求項5】 前記加速側の作動角を減速側の作動角よ
    りも大きく設定したことを特徴とする請求項4記載の車
    両用減速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018523794A (ja) * 2015-08-10 2018-08-23 ジーケーエヌ・ドライブライン・ノースアメリカ・インコーポレーテッド 自動車ドライブライン切断アセンブリ

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