JP2002097352A - 樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
樹脂組成物およびその製造方法Info
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Abstract
ボトル口部結晶性を安定に向上させたせ成形品を提供す
る。 【解決手段】 ゲルマニウム化合物を触媒として重縮合
反応することにより製造された極限粘度数0.70〜
0.90のポリエチレンテレフタレート(A)に、ポリ
テトラメチレンテレフタレート(B)を、ポリエチレン
テレフタレート(A)に対して1〜100ppm配合し
てなる樹脂組成物。
Description
その製造方法に関する。更に詳しくは、中空成形体の製
造に好適に用いることのできる、ポリエステル樹脂組成
物およびその製造方法に関する。
特性および化学的特性が良好であり、透明性、ガスバリ
ア性、フレーバー性および安全衛生性に優れることか
ら、飲料等のボトル容器の素材として用いられている。
器は、予め射出成形により製造したプリフォームを、ブ
ロー金型内で延伸ブロー成形して成形される。そして、
例えば果汁飲料のボトル容器として用いる場合、充填は
熱充填により行われることが必要であり、ボトル容器
は、特にその口部において十分な耐熱性が要求される。
この耐熱性を付与するために、プリフォームまたはボト
ルの状態で口部を熱処理して結晶化することが行われ
る。口部はキャプ密栓部分となるため高い寸法精度が要
求される。そして、十分な寸法精度を得るためには、成
形プリフォームの結晶性が極めて重要な因子である。
た食品の安全の観点から、ポリエチレンテレフタレート
はゲルマニウム化合物を触媒として重縮合して製造した
ものを用いることが好ましい。しかし、ゲルマニウム化
合物を触媒として製造されたポリエチレンテレフタレー
トは、そもそも結晶化温度が高く、結晶化は進みにく
い。
添加する方法、高級脂肪族化合物、ポリエーテル系化合
物をブレンドまたは共重合する方法が従来技術として知
られている。しかし、これらの従来技術では、透明性の
低下、熱安定性の低下、分解成分の発生による内容物の
フレーバー性の低下の問題と食品の安全上の問題が懸念
され、ボトル容器の素材としては、不十分なものであ
る。
リエチレン等のポレオレフィン系熱可塑性樹脂を添加剤
として微量添加する方法が含まれるが、具体的な例とし
て、特開平8−302168号公報、特開平9−183
430号公報、特開平9−71639号公報、特開平9
−151308号公報および特開平9−194697号
公報がある。
エチレンテレフタレートの結晶化を促進しながら透明な
ボトル容器を得ることができる点で優れた方法である
が、添加剤のポリオレフィン系熱可塑性樹脂とポリエチ
レンテレフタレートとの相溶性がそもそも低いため、微
量の添加剤を均一に分散することが非常に難しい。この
ため、成形して得たプリフォームの口部を結晶化すると
きに、結晶性が大きくばらつき、生産安定性が低くなる
場合が多い。
用いることができるように、透明性、機械的強度、耐熱
性およびフレーバー性に優れるとともに、口部の十分な
寸法精度を確保しながら、結晶性のばらつきが少なく生
産安定性に優れ,結晶性が促進されたボトル容器(以
下、単にボトルということがある。)用のポリエステル
樹脂組成物を得ることを課題とする。
ることにより製造された極限粘度数0.70〜0.90
のポリエチレンテレフタレート(A)に、ポリテトラメ
チレンテレフタレート(B)を、ポリエチレンテレフタ
レート(A)に対して1〜100ppm配合してなる樹
脂組成物、 項2) ゲルマニウム化合物を触媒として重縮合反応す
ることにより製造された極限粘度数0.70〜0.90
のポリエチレンテレフタレート(A)に、ポリテトラメ
チレンテレフタレート(B)を、ポリエチレンテレフタ
レート(A)に対して1〜100ppmとなるように配
合する、樹脂組成物の製造方法。 項3) ポリテトラメチレンテレフタレート(B)が、
ポリテトラメチレンテレフタレート(B)を0.05〜
2wt%の濃度で含有する水分散体をポリエチレンテレ
フタレート(A)のチップに付着させることにより配合
される、項2記載の樹脂組成物の製造方法、 項4) 項3記載の製造方法により製造された樹脂組成
物、 項5) ポリエチレンテレフタレート(A)が固相重合
により製造され、ポリマーの構成成分としてジエチレン
グリコール成分を0.7〜2.0wt%含有するととも
に,オリゴマーを0〜0.5wt%、アセトアルデヒド
を0〜5ppm含有することを特徴とする、項1記載の
樹脂組成物、 項6) 項1記載の樹脂組成物を射出成形して得られる
成形品、 項7) 示差走査熱量計により測定される昇温(10℃
/min昇温)時の結晶化温度Tciが140〜150
℃である項6記載の成形品 および 項8) ポリテトラメチレンテレフタレート(B)を配
合しない場合の成形品よりTciが5〜15℃低い、項
7記載の成形品である。
れるポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記
することがある。)は、テレフタル酸を主たるジカルボ
ン酸成分とし、エチレングリコールを主たるジオール成
分としてなるポリエステルである。
ジカルボン酸成分あたり80モル%を超える成分をい
う。従って、本発明におけるポリエチレンテレフタレー
ト(A)はテレフタル酸以外のジカルボン酸成分を20
モル%未満の範囲で含んでいてもよい。
分としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカル
ボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−フェニレンジオ
キシジ酢酸およびこれらの構造異性体、マロン酸、コハ
ク酸、アジピン酸等のジカルボン酸およびその誘導体、
p−ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸等のオキシ酸お
よびその誘導体を挙げることができる。
ル成分あたり90モル%を超える成分をいう。従って、
本発明におけるポリエチレンテレフタレート(A)はエ
チレングリコール以外のジオール成分を10モル%未満
の範囲で含んでいてもよく、好ましくは高々5モル%、
さらに好ましくは高々3モル%である。
しては、例えば1,2−プロパンジオール、1,3−プ
ロパンジオール、ペンタメチレングリコール、ネオペン
チルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサン
ジメタノール等の脂環式グリコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールS等の芳香族ジヒドロキシ化合物誘
導体を挙げることができる。
レフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレン
グリコールとを主たる原料として製造されるが、前述の
通り、他のジカルボン酸成分および/または他のグリコ
ール成分を併せて原料として用いてもよい。テレフタル
酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコー
ルとを含む原料は、エステル化触媒またはエステル交換
触媒の存在下で、エステル化反応またはエステル交換反
応され、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート
および/またはそのオリゴマーとされる。その後、重縮
合触媒および安定剤の存在下で、高温、減圧下に溶融重
縮合を行ってポリマーとされる。
ル化反応の自己触媒となるため特に使用する必要はな
い。エステル交換触媒としては、マグネシウム、カルシ
ウム等のアルカリ土類金属塩、チタン、亜鉛、マンガン
等の金属化合物が好ましく使用されるが、透明性の観点
からチタン、マンガン化合物が特に好ましい。これらの
触媒の使用割合は、全重合原料に対する触媒の金属元素
の重量として、通常5〜1000ppm、好ましくは1
0〜100ppmである。
の安全性を満足させる観点から二酸化ゲルマニウムを用
いることが必要であり、添加量は全ジカルボン酸成分の
重量に対するゲルマニウム元素の重量として、好ましく
は20〜150ppm、更に好ましくは30〜100p
pm、特に好ましくは30〜80ppmである。
としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフ
ェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステ
ル、トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスフ
ァイト等の亜リン酸エステル、メチルアシッドホスフェ
ート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート
酸性リン酸エステル、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、
ポリリン酸等のリン化合物が好ましい。
定剤中のリン元素の重量として、通常10〜1000p
pm、好ましくは20〜500ppmである。
調製の時点またはエステル化反応もしくはエステル交換
反応の任意の時点で行うことができる。重縮合反応工程
の初期の時点で供給してもよい。
反応温度は、通常240〜280℃であり、反応圧力は
常圧〜0.3Mpaである。
00℃であり、反応圧力は通常60〜0.1Kpaであ
る。
よび重縮合反応は、一段で行っても、複数段階に分けて
行っても良い。
粘度数が通常0.45〜0.70dl/gのポリマーが
得られる。ポリマーは常法によりチップ化され、通常
2.0〜5.5mm、好ましくは2.2〜4.0mmの
平均粒径のチップとされる。
は、固相重合に供される。この際、ポリマーチップは、
固相重合を行う温度より低い温度にて、予備結晶化を行
うことが好ましい。
チップを、通常120〜200℃、好ましくは130〜
180℃の温度で、チップの結晶化発熱による融着が起
こらないように、常に流動状態下で、一段または二段以
上で、少なくとも15分間以上処理して結晶化させる。
らなり、通常190〜230℃、好ましくは195〜2
25℃の重合温度で、0.05〜5Kpaの真空下、も
しくは常圧〜0.1Mpaの条件下で、窒素、アルゴ
ン、二酸化炭素等の不活性ガス流通下で実施される。
よいが、通常1〜50時間、好ましくは5〜30時間、
更に好ましくは10〜25時間である。
度数は、通常0.70〜0.90dl/gの範囲であ
る。
ート(A)を構成するジエチレングリコールの含有量
は、ポリエチレンテレフタレートを構成する全ジオール
成分あたり0.7〜2.0wt%、好ましくは1.0〜
1.5wt%である。0.7wt%未満であると成形後
のボトル胴部の透明性が低下し、2.0wt%を超える
と耐熱性が低下し、結晶化促進の効果が小さくなる。
量を調節するために、ジエチレングリコールを重合原料
として使用してもよく、主原料として使用するエチレン
グリコールからジエチレングリコールが一部副生するた
め、反応条件と合わせて、その副生成量を調節してもよ
い。
に、オリゴマーの含有量をポリマーの全重量あたり0〜
0.5wt%、さらには0〜0.4wt%以下とするこ
とが好ましい。
め、アセトアルデヒドの含有量をポリマーの全重量あた
り0〜5ppm、さらには0〜2ppmとすることが好
ましい。
は上記の固相重合により行われ、溶融重合後のポリマー
の極限粘度数、固相重合時間および温度時間を調整する
ことで上記の含有量を満たすようにすることができる。
カルボキシル基の濃度は、15〜25eq/トンである
ことが好ましい。この範囲であれば、比較的短時間の固
相重合で、オリゴマーを十分に低減することができる。
(B)]ポリテトラメチレンテレフタレート(B)は、
テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、テトラメ
チレングリコールを主たるジオール成分とするポリエス
テルである。
ン酸成分の80モル%以上、好ましくは90モル%以上
の成分を意味する。また、主たるジオール成分とは、全
ジオール成分の80モル%以上、好ましくは90モル%
以上の成分を意味する。
は、溶媒への溶解性を得るために、スルホン酸金属塩基
を有するイソフタル酸成分(以下、IASと略記するこ
とがある。)を全ジカルボン酸成分あたり1〜10モル
%、さらに3〜5モル%を共重合成分として含有するこ
とが好ましい。
フタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カ
リウムスルホイソフタル酸を例示することができ、就
中、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が好ましい。
としては、例えばエステルを用いることができ、メチル
エステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチル
エステルを例示することができ、就中、メチルエステル
が好ましい。
は、結晶化促進の効果を妨げない範囲で、ジカルボン酸
成分および/またはジオール成分が共重合成分で置換さ
れていてもよい。これは、ジカルボン酸成分の好ましく
は20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下の
成分であり、ジオール成分の好ましくは20モル%以
下、さらに好ましくは10モル%以下の成分である。
成分としては、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン
酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸、1,3−フェニレンジオキシ
ジ酢酸およびこれらの構造異性体、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸等のジカルボン酸およびその誘導体、p
−ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸等のオキシ酸およ
びその誘導体を例示することができる。
としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオ
ール、1,3−プロパンジオール、ペンタメチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール等の脂環式グリコール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールS等の芳香族ジヒドロキシ化合物誘導体を例示
することができる。
成性誘導体とテトラメチレングリコールとを含む原料
を、エステル化触媒またはエステル交換触媒の存在下
で、エステル化反応またはエステル交換反応させて、テ
トラメチレンテレフタレートのモノマー(1量体)〜オ
リゴマー(低重合度の重合体)を得、その後、重縮合触
媒および必要に応じて安定剤の存在下に、高温で減圧下
に溶融重縮合を行うことにより、ポリテトラメチレンテ
レフタレートを得ることができる。
がエステル化反応の自己触媒となるため特に使用する必
要はない。エステル交換触媒としては、マグネシウム、
カルシウム等のアルカリ土類金属塩、チタン、亜鉛、マ
ンガン等の金属化合物が好ましく使用されるが、反応性
および透明性の観点からチタン化合物が特に好ましい。
ム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、コバルト
化合物、錫化合物を用いることができるが、反応性の面
からチタン化合物が好ましい。添加量は、全ジカルボン
酸成分の重量に対するチタン元素の重量として、好まし
くは20〜80ppm、更に好ましくは30〜50pp
mである。
調製の時点またはエステル化反応もしくはエステル交換
反応の任意の時点で行うことができる。重縮合反応工程
の初期の時点で供給してもよい。
反応温度は、通常210〜220℃であり、反応圧力は
常圧〜0.3Mpaである。
0〜270℃であり、反応圧力は通常60〜0.1Kp
aである。
よび重縮合反応は、一段で行っても、二段以上の複数段
階に分けて行っても良い。
度数が通常0.30〜0.70dl/gのポリマーが得
られる。ポリマーは常法によりチップ化される。
レート(B)は、ポリエチレンテレフタレート(A)に
対して1〜100ppm、好ましくは1〜50ppm、
更に好ましくは5〜50ppmの割合で配合される。1
ppm未満では結晶性の向上効果がなく、100ppm
を超えるとチップの乾燥時にチップ同士の融着が発生し
たり、成形時にチップの落下不良が発生したりして成形
の安定性が阻害され、さらに得られるボトル容器の透明
性が低下する。
は、ポリテトラメチレンテレフタレート(B)を0.0
5〜2wt%の濃度で含有する水分散体をポリエチレン
テレフタレート(A)のチップに付着させることにより
配合するのが好ましい。
を、水分散体の状態で配合せず、例えば、粉体ブレンド
で配合すると、不均一な配合となり、結晶化の促進効果
を安定して得ることが困難であり好ましくない。
ート(B)の濃度は、通常0.05〜2wt%である
が、好ましくは0.1〜1wt%、さらに好ましくは
0.2〜0.5wt%である。0.05wt%未満であ
ると適正量をポリエチレンテレフタレートのチップに付
着させることが困難であり、また処理後の乾燥で極限粘
度数が大きく低下して好ましくない。2wt%を超える
と溶液をポリエチレンテレフタレートのチップに均一に
付着させることが困難であり好ましくない。
を水分散体とする方法として、ポリテトラメチレンテレ
フタレート(B)を溶解可能な有機溶媒で溶解し、水で
置換する方法が好ましい。ポリテトラメチレンテレフタ
レート(B)の濃度は、置換に用いる水の量を調整して
行ってもよく、一旦高濃度の水分散体を得て、水を追加
して適宜希釈することによって行ってもよい。
の水分散体を、ポリエチレンテレフタレート(A)のチ
ップに付着させる方法としては、例えばスプレー法、デ
ィップ法を適用することができる。
の配合は、ポリエチレンテレフタレート(A)の溶融重
合終了の時点から成形体を成形する時点までの間、例え
ば、溶融重合後にチップ状にカットする時点、固相重合
後の時点、成形の乾燥前の時点に行うことができる。ポ
リエチレンテレフタレート(A)の熱による劣化を抑制
する観点から、固相重合後の時点が好ましい。
の配合に、水分散体を用いた場合、水分散体の付着処理
から成形までの間に、乾燥して水分を除去することが好
ましいが、ベント付成形であれば特に乾燥の必要はな
い。
示差走査熱量計により測定される昇温時(10℃/mi
n昇温)の結晶化温度Tciが140〜150℃である
成型品である。さらに好ましくは、ポリテトラメチレン
テレフタレート(B)を配合しない場合の成形品(例え
ばポリエチレンテレフタレート(A)の成形品)よりT
ciが5〜15℃低い成形品である。
得られたプリフォームの胴部をブロー成形のために加熱
する際に、結晶化による白化が生じやすくなり、肩部や
胴部が白化して透明性を損なうことがあり、耐熱性を付
与するため加熱が困難となり、耐熱性が不足することに
なり好ましくない。Tciが150℃を超えると、口部
を目的の結晶化度まで加熱結晶化するために、長時間の
加熱が必要となり生産性が低下するとともに、口部結晶
化設備を大型にせざるを得ないことになる。上記Tci
の条件を満足することにより、成形品の結晶性、透明性
およびボトルへの耐熱性付与を全て同時に満足すること
ができる。
は、一般的に使用される溶融成形法を採用してボトルに
成形することができる。具体的には、例えば、射出成形
または押出成形で一旦パリソンを成形し、そのまま、ま
たは口部および底部を加工後、再加熱し、ホットパリソ
ン法、コールドパリソン法等の延伸ブロー成形法を適用
する。
のシリンダー各部およびノズルの温度)は、例えば26
0〜315℃、好ましくは275℃〜295℃である。
延伸温度は、ポリエチレンテレフタレートのガラス転位
温度以上であり、通常70〜130℃である。延伸倍率
は、通常、縦方向に1〜4倍、円周方向に1〜5倍の範
囲である。
るが、特に果汁飲料、ウーロン茶等のように熱充填を必
要とする場合には、一般に加熱したブロー金型内で熱固
定し更に耐熱性を付与して使用される。
型温度を100〜200℃で数秒間〜数分間行われる。
また、最終形状より大きいボトルを成形し、加熱により
収縮させることにより胴部の結晶化を行い、その後最終
形状の金型内でブロー成形して、製品のボトルを得る方
法を用いてもよい。
する。「部」は重量部を意味する。
チップまたはプリフォームのボトル口部(口栓部と同義
である。)天面に相当する部分から切り出した試料を一
定量計量し、o−クロロフェノールに0.012g/m
lの濃度に溶解し、25℃にて測定した。
る。)は、プリフォームのボトル口部天面に相当する部
分から切り出した試料について、示差走査熱量計(Du
Pont製DSC MODEL2200)を用いて、1
0℃/min昇温条件にて測定される昇温時の結晶化温
度Tci(結晶化ピークのトップ温度)を測定した。
た試料(330μm厚み)について、日本電色工業製C
olor and color difference
meter MODEL1001DPにて測定した。
る。)含有量は、サンプルを凍結粉砕しバイアル瓶に仕
込み、150℃×60分保持し、日立製ヘッドスペース
ガスクロマトグラフィーにて測定した。
含有量は、サンプルを一定量計量し、ヘキサフロロイソ
プロパノールに溶解し、クロロホルムで一定濃度に希釈
した試料にて、ゲルパミッションクロマトグラフィー
(ウォーターズ484)にて定量した。
レフタレート(B)濃度 ポリテトラメチレンテレフタレート(B)が樹脂組成物
に占める重量割合を算出した。具体的には、実際に配合
されたポリテトラメチレンテレフタレート(B)の重量
を樹脂組成物の重量で割った値である。実際に配当され
たポリテトラメチレンテレフタレート(B)の重量は、
配合前の重量と配合後の重量を測定して両者の差をとる
ことにより算出した。
ある。)含有量は、サンプルをヒドラジンにて分解し、
ガスコロマトグラフィーにて測定した。
(B)の製造と水分散体の製造 ジメチルテレフタレート100部、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸ジメチルエステル6部および1,4−ブ
タンジオール77部に、テトラ−t−ブトキシチタン
0.03部を触媒として用い、副生するメタノールを系
外に留去させかつ220℃まで加熱昇温しながらエステ
ル交換反応させ、次いで、反応生成物を高温高真空下で
重縮合反応させて、極限粘度数0.50のポリテトラメ
チレンテレフタレート(B)を得て、チップ状にした。
得られたチップ状のポリテトラメチレンテレフタレート
(B)を、テトラヒドロフランにて溶解し、その後、水
で置換し、ポリテトラメチレンテレフタレート(B)濃
度が0.3wt%の水分散体を得た。
ングリコール22部とからなるスラリーを重縮合槽に供
給して、常圧下、275℃、4時間の条件で、エステル
化反応を行い、副生する水を系外に流出し、エステル化
反応率97%まで反応せしめることにより、重合度5〜
10のオリゴマーとし、これにトリメチルリン酸のエチ
レングリコール溶液(リン濃度(リン元素が溶液に占め
る重量割合)5.5wt%)0.017部と二酸化ゲル
マニウムのエチレングリコール溶液(二酸化ゲルマニウ
ム濃度1wt%)0.38部とを加えて、2000Pa
の減圧下で1時間、引き続き133Paの減圧下、27
7℃で2時間重縮合を行った。
却水槽に直結させて設けた抜き出し口からストランド状
に抜き出して水冷した後、チップ状にカットしてポリマ
ーチップとした。
化機で結晶化させた後、窒素流通下140℃で3時間乾
燥させ、続いて充填塔式固相重合塔に移し、窒素流通下
215℃で22時間固相重合して、チップ状のポリエチ
レンテレフタレート(A)を製造した。
レート(A)に、ポリテトラメチレンテレフタレート
(B)の水分散体(濃度0.3wt%)を一定量スプレ
−した後、140℃で3時間乾燥させて、ポリテトラメ
チレンテレフタレート(B)の濃度が20ppmのポリ
エチレンテレフタレートの樹脂組成物のチップを得た。
結果を表1に示す。
機にて160℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(名
機製作所社製M−100DM)にて、シリンダー温度2
75℃、スクリュー回転数160rpm、1次圧時間
3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約
28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約5
6gの円筒状のプリフォームを射出成形した。得られた
プリフォームについて、極限粘度数、結晶化温度(Tc
i)およびアセトアルデヒド含有量を測定した。結果を
表2に示した。
その安定性および均一性を確認するために、異なるプリ
フォーム(n=5)で結晶化温度(Tci)を測定し、
バラツキを評価した。結果を表2に示す。
ーター)にて、160℃、1分間の条件でプリフォーム
のボトル口部相当部分のみを結晶化させた後、プリフォ
ームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、
ブロー圧力5〜40kg/cm2、金型温度150℃に
設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均
肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成
形した。得られたボトルについてヘーズを測定した。結
果を表2に示す。
め、10本のボトルで外観不良を確認した。
フタレート(B)の水分散体の濃度およびポリエチレン
テレフタレート(A)への配合量を表1に示すように変
更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物のチ
ップを得た。得られた樹脂組成物のチップをプリフォー
ムに射出成形し、更にボトルをブロー成形した。得られ
たプリフォームおよびボトルについて評価した。結果を
表2に示す。
レート(B)を配合しないで、実施例1と同様に実施し
た。結果を表1および表2に示す。
レート(B)の配合量を変更する以外は、実施例1と同
様に実施した。結果を表1および表2に示す。
ンテレフタレート(B)を粉砕し、100Meshの篩
を通過し、かつ200Meshの篩上に残る粉体とし、
ポリエチレンテレフタレート(A)に対して30ppm
の割合で、チップ状のポリエチレンテレフタレート
(A)にブレンドし、実施例1と同様に成形して評価し
た。結果を表1および表2に示す。
耐熱性およびフレーバー性に優れるとともに、口部の十
分な寸法精度を確保しながら、結晶性のばらつきが少な
く生産安定性に優れ,結晶性が促進されたボトル容器用
のポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 ゲルマニウム化合物を触媒として重縮合
反応することにより製造された極限粘度数0.70〜
0.90のポリエチレンテレフタレート(A)に、ポリ
テトラメチレンテレフタレート(B)を、ポリエチレン
テレフタレート(A)に対して1〜100ppm配合し
てなる樹脂組成物。 - 【請求項2】 ゲルマニウム化合物を触媒として重縮合
反応することにより製造された極限粘度数0.70〜
0.90のポリエチレンテレフタレート(A)に、ポリ
テトラメチレンテレフタレート(B)を、ポリエチレン
テレフタレート(A)に対して1〜100ppmとなる
ように配合する、樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項3】 ポリテトラメチレンテレフタレート
(B)が、ポリテトラメチレンテレフタレート(B)を
0.05〜2wt%の濃度で含有する水分散体をポリエ
チレンテレフタレート(A)のチップに付着させること
により配合される、請求項2記載の樹脂組成物の製造方
法。 - 【請求項4】 請求項3記載の製造方法により製造され
た樹脂組成物。 - 【請求項5】 ポリエチレンテレフタレート(A)が固
相重合により製造され、ポリマーの構成成分としてジエ
チレングリコール成分を0.7〜2.0wt%含有する
とともに,オリゴマーを0〜0.5wt%、アセトアル
デヒドを0〜5ppm含有することを特徴とする、請求
項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項6】 請求項1記載の樹脂組成物を射出成形し
て得られる成形品。 - 【請求項7】 示差走査熱量計により測定される昇温
(10℃/min昇温)時の結晶化温度Tciが140
〜150℃である請求項6記載の成形品。 - 【請求項8】 ポリテトラメチレンテレフタレート
(B)を配合しない場合の成形品よりTciが5〜15
℃低い、請求項7記載の成形品。
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JP2023066947A (ja) * | 2021-10-29 | 2023-05-16 | 三菱ケミカル株式会社 | ポリブチレンテレフタレート組成物及びその成形品 |
-
2000
- 2000-09-25 JP JP2000290429A patent/JP4422313B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2023066947A (ja) * | 2021-10-29 | 2023-05-16 | 三菱ケミカル株式会社 | ポリブチレンテレフタレート組成物及びその成形品 |
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