JP2002097167A - 酸素含有化合物の製造方法 - Google Patents
酸素含有化合物の製造方法Info
- Publication number
- JP2002097167A JP2002097167A JP2000283621A JP2000283621A JP2002097167A JP 2002097167 A JP2002097167 A JP 2002097167A JP 2000283621 A JP2000283621 A JP 2000283621A JP 2000283621 A JP2000283621 A JP 2000283621A JP 2002097167 A JP2002097167 A JP 2002097167A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxygen
- phase
- compound
- containing compound
- catalyst
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】従来技術の難点を解消して、パラジウム化合物
を触媒とする有機相−水相二相系での酸化反応によりオ
レフィン系化合物から酸素含有化合物を製造する方法に
おける、有機相(酸素含有化合物相)と水相(触媒相)
との分離に関する問題点を解決し、このため分離後の触
媒をそのまま再度該反応に用いることが可能な酸素含有
化合物の製造方法を提供する。 【解決手段】本発明の酸素含有化合物の製造方法は、パ
ラジウム化合物を触媒とするオレフィン系化合物の有機
相−水相二相系酸化反応による酸素含有化合物の製造方
法において、水相としてポリアミド水溶液を用いること
を特徴とする。
を触媒とする有機相−水相二相系での酸化反応によりオ
レフィン系化合物から酸素含有化合物を製造する方法に
おける、有機相(酸素含有化合物相)と水相(触媒相)
との分離に関する問題点を解決し、このため分離後の触
媒をそのまま再度該反応に用いることが可能な酸素含有
化合物の製造方法を提供する。 【解決手段】本発明の酸素含有化合物の製造方法は、パ
ラジウム化合物を触媒とするオレフィン系化合物の有機
相−水相二相系酸化反応による酸素含有化合物の製造方
法において、水相としてポリアミド水溶液を用いること
を特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン系化合物を
原料とする酸素含有化合物の製造方法に関するものであ
る。更に詳しくは、本発明は、パラジウム化合物を触媒
とするオレフィン系化合物の有機相−水相二相系酸化反
応による酸素含有化合物の製造方法であって、有機相
(酸素含有化合物相)と水相(触媒相)との容易な分離
と、使用後の触媒の再利用とを可能とした、酸素含有化
合物の製造方法に関するものである。
原料とする酸素含有化合物の製造方法に関するものであ
る。更に詳しくは、本発明は、パラジウム化合物を触媒
とするオレフィン系化合物の有機相−水相二相系酸化反
応による酸素含有化合物の製造方法であって、有機相
(酸素含有化合物相)と水相(触媒相)との容易な分離
と、使用後の触媒の再利用とを可能とした、酸素含有化
合物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パラジウム化合物を触媒とする酸素若し
くは空気雰囲気下、有機相−水相という二相系での酸化
反応により、オレフィン系化合物からアルデヒド化合物
或いはケトン化合物のような酸素含有化合物を製造する
方法は公知である(例えば、特開平7―149685号
公報又はOrg.Synth., 1984, 62, 9参照)。
くは空気雰囲気下、有機相−水相という二相系での酸化
反応により、オレフィン系化合物からアルデヒド化合物
或いはケトン化合物のような酸素含有化合物を製造する
方法は公知である(例えば、特開平7―149685号
公報又はOrg.Synth., 1984, 62, 9参照)。
【0003】上記酸化反応において、有機相を形成する
有機溶媒としては、従来、水との混和性の良好なジメチ
ルホルムアミド、アセトニトリル、ジメトキシエタン、
メタノール、エタノール、1,4-ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン等が用いられたため、これらの有機溶媒を使
用する溶媒系による上記酸化反応では、有機相と水相が
均一相になるため、有機相(酸素含有化合物相)と水相
(触媒相[場合によっては酸素含有化合物を含む])と
の分離には蒸留工程が必要となり、触媒の回収工程が複
雑となる。
有機溶媒としては、従来、水との混和性の良好なジメチ
ルホルムアミド、アセトニトリル、ジメトキシエタン、
メタノール、エタノール、1,4-ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン等が用いられたため、これらの有機溶媒を使
用する溶媒系による上記酸化反応では、有機相と水相が
均一相になるため、有機相(酸素含有化合物相)と水相
(触媒相[場合によっては酸素含有化合物を含む])と
の分離には蒸留工程が必要となり、触媒の回収工程が複
雑となる。
【0004】特に、高級オレフィン系化合物から製造さ
れる酸素含有化合物は、高沸点であるために有機相と水
相との分離がより困難であり、同時に熱による触媒の劣
化が問題となっていたことに加え、上記酸化反応では、
触媒の失活、析出、及び、金属塩化物を触媒として使用
した際の塩素付加有機化合物の生成も又、問題となって
いた。
れる酸素含有化合物は、高沸点であるために有機相と水
相との分離がより困難であり、同時に熱による触媒の劣
化が問題となっていたことに加え、上記酸化反応では、
触媒の失活、析出、及び、金属塩化物を触媒として使用
した際の塩素付加有機化合物の生成も又、問題となって
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のようなパラジウム化合物を触媒とする有機相−水相二
相系での酸化反応によりオレフィン系化合物から酸素含
有化合物を製造する方法における、有機相(酸素含有化
合物相)と水相(触媒相)との分離に関する問題点を解
決し、このため分離後の触媒をそのまま再度該反応に用
いることが可能な酸素含有化合物の製造方法を提供する
ことにある。
のようなパラジウム化合物を触媒とする有機相−水相二
相系での酸化反応によりオレフィン系化合物から酸素含
有化合物を製造する方法における、有機相(酸素含有化
合物相)と水相(触媒相)との分離に関する問題点を解
決し、このため分離後の触媒をそのまま再度該反応に用
いることが可能な酸素含有化合物の製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記本発
明の目的を達成すべく鋭意検討した結果、上記のような
パラジウム化合物を触媒とする有機相−水相二相系での
酸化反応によりオレフィン系化合物から酸素含有化合物
を製造する方法において、水相としてポリアミド水溶液
を用いることにより、有機相(酸素含有化合物相)と水
相(触媒相)との分離が容易となって、触媒の再使用も
可能であることを見出し、更に研究を続けた結果、本発
明を完成した。
明の目的を達成すべく鋭意検討した結果、上記のような
パラジウム化合物を触媒とする有機相−水相二相系での
酸化反応によりオレフィン系化合物から酸素含有化合物
を製造する方法において、水相としてポリアミド水溶液
を用いることにより、有機相(酸素含有化合物相)と水
相(触媒相)との分離が容易となって、触媒の再使用も
可能であることを見出し、更に研究を続けた結果、本発
明を完成した。
【0007】即ち、本発明の要旨は、パラジウム化合物
を触媒とするオレフィン系化合物の有機相−水相二相系
酸化反応による酸素含有化合物の製造方法において、水
相としてポリアミド水溶液を用いることを特徴とする酸
素含有化合物の製造方法に存する。
を触媒とするオレフィン系化合物の有機相−水相二相系
酸化反応による酸素含有化合物の製造方法において、水
相としてポリアミド水溶液を用いることを特徴とする酸
素含有化合物の製造方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の酸素含有化合物の
製造方法について更に詳細に説明する。
製造方法について更に詳細に説明する。
【0009】本発明の酸素含有化合物の製造方法ではパ
ラジウム化合物を触媒とするが、このパラジウム化合物
としては、容易にパラジウム(0)へと変換されるパラ
ジウム(II)が有用であり、主として例えば塩化パラジ
ウム、酢酸パラジウムが使用される。又、パラジウム
(0)をパラジウム(II)へと再酸化するため、適当な
酸化剤を選択して使用することができ、このような酸化
剤としては、例えば塩化銅(II)、塩化鉄(III)、二
酸化マンガン、ヘテロポリ酸、過酸化水素、或いはベン
ゾキノン、有機過酸化物、亜硝酸アルキルなどが使用さ
れるが、本発明における最も好ましい組み合わせは、塩
化パラジウム−塩化銅(II)である。
ラジウム化合物を触媒とするが、このパラジウム化合物
としては、容易にパラジウム(0)へと変換されるパラ
ジウム(II)が有用であり、主として例えば塩化パラジ
ウム、酢酸パラジウムが使用される。又、パラジウム
(0)をパラジウム(II)へと再酸化するため、適当な
酸化剤を選択して使用することができ、このような酸化
剤としては、例えば塩化銅(II)、塩化鉄(III)、二
酸化マンガン、ヘテロポリ酸、過酸化水素、或いはベン
ゾキノン、有機過酸化物、亜硝酸アルキルなどが使用さ
れるが、本発明における最も好ましい組み合わせは、塩
化パラジウム−塩化銅(II)である。
【0010】又、本発明における上記触媒の量として
は、使用するオレフィン系化合物に対して、パラジウム
化合物として0.1〜20mol%であり、好ましくは
2.0〜10mol%であるが、パラジウム化合物及びそ
の量、選択して使用する酸化剤共に、これらに限定され
ることはない。
は、使用するオレフィン系化合物に対して、パラジウム
化合物として0.1〜20mol%であり、好ましくは
2.0〜10mol%であるが、パラジウム化合物及びそ
の量、選択して使用する酸化剤共に、これらに限定され
ることはない。
【0011】上記触媒は、有機相−水相という二相系の
水相で使用されるが、本発明では、この水相としてポリ
アミド水溶液を使用するのであり、このポリアミド水溶
液を形成するためのポリアミド化合物としては、例え
ば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセトアミド、
ポリ―N―メチルビニルアセトアミド、ビニルピロリド
ン―酢酸ビニル共重合体又はビニルピロリドンーアクリ
ル酸共重合体等が挙げられるが、特にポリビニルピロリ
ドンが好ましい。
水相で使用されるが、本発明では、この水相としてポリ
アミド水溶液を使用するのであり、このポリアミド水溶
液を形成するためのポリアミド化合物としては、例え
ば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセトアミド、
ポリ―N―メチルビニルアセトアミド、ビニルピロリド
ン―酢酸ビニル共重合体又はビニルピロリドンーアクリ
ル酸共重合体等が挙げられるが、特にポリビニルピロリ
ドンが好ましい。
【0012】上記ポリアミド化合物は、その重量平均分
子量(Mw)が5,000〜2,000,000、好ま
しくは重量平均分子量が10,000〜1,000,0
00であり、水に可溶性のものであるが、あまりに高分
子量の化合物を使用すると撹拌効率が低下する。
子量(Mw)が5,000〜2,000,000、好ま
しくは重量平均分子量が10,000〜1,000,0
00であり、水に可溶性のものであるが、あまりに高分
子量の化合物を使用すると撹拌効率が低下する。
【0013】又、水相として使用する上記ポリアミド水
溶液の濃度は、5重量%〜50重量%、好ましくは15
重量%〜40重量%であり、この濃度が5重量%未満で
は、反応による触媒の劣化が著しくなり、50重量%を
超えると、粘度が高くなりすぎて、反応系の撹拌効率が
悪くなる。
溶液の濃度は、5重量%〜50重量%、好ましくは15
重量%〜40重量%であり、この濃度が5重量%未満で
は、反応による触媒の劣化が著しくなり、50重量%を
超えると、粘度が高くなりすぎて、反応系の撹拌効率が
悪くなる。
【0014】一方、本発明においては、有機相(酸素含
有化合物相)を形成するために特に有機溶媒を必要とし
ないが、場合によっては、有機相(酸素含有化合物相)
と水相(触媒相)との分離を阻害しない範囲で、例えば
シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素
類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の飽和炭化水素
類、1,4―ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテル等のエーテル類を使用することもできる。
有化合物相)を形成するために特に有機溶媒を必要とし
ないが、場合によっては、有機相(酸素含有化合物相)
と水相(触媒相)との分離を阻害しない範囲で、例えば
シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素
類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の飽和炭化水素
類、1,4―ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテル等のエーテル類を使用することもできる。
【0015】又、本発明の有機相−水相という二相系に
おける有機相と水相の量比としては、特に限定されるも
のではないが、例えば10:1乃至1:10容積%とい
う範囲を挙げることができる。
おける有機相と水相の量比としては、特に限定されるも
のではないが、例えば10:1乃至1:10容積%とい
う範囲を挙げることができる。
【0016】又、本発明の酸素含有化合物の製造方法
(酸化反応)における反応温度は20〜150℃、好ま
しくは60〜90℃であり、酸素又は空気圧力は、酸素
分圧として0.02〜0.50MPa、好ましくは0.02
〜0.20MPaである。又、反応時間としては、0.5
〜100時間、好ましくは2〜24時間である。
(酸化反応)における反応温度は20〜150℃、好ま
しくは60〜90℃であり、酸素又は空気圧力は、酸素
分圧として0.02〜0.50MPa、好ましくは0.02
〜0.20MPaである。又、反応時間としては、0.5
〜100時間、好ましくは2〜24時間である。
【0017】本発明で酸素含有化合物を製造するために
原料として使用されるオレフィン系化合物としては、少
なくとも1つの炭素―炭素二重結合を有する炭素原子数
3〜15の炭化水素化合物を挙げることができ、この化
合物は環状、鎖状化合物であってよく、且つ、モノオレ
フィン型、ジオレフィン型、又はポリオレフィン型のも
のであってもよく、オレフィン結合が2以上存在する場
合には、これは共役結合又は非共役結合であってよい。
原料として使用されるオレフィン系化合物としては、少
なくとも1つの炭素―炭素二重結合を有する炭素原子数
3〜15の炭化水素化合物を挙げることができ、この化
合物は環状、鎖状化合物であってよく、且つ、モノオレ
フィン型、ジオレフィン型、又はポリオレフィン型のも
のであってもよく、オレフィン結合が2以上存在する場
合には、これは共役結合又は非共役結合であってよい。
【0018】このようなオレフィン化合物の例として
は、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテ
ン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、ノ
ルボルネン、カンフェン、リモネン、ピネン、シクロヘ
キサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエ
ン、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン等の環状
のもの;スチレン、ビニルナフタレン、ブテン−1、ブ
テン−2、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、
オクテン−1、ペンタデセン−1、1,3−ペンタジエン、
イソプレン、1,7−オクタジエン等の鎖状のものが挙げ
られる。
は、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテ
ン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、ノ
ルボルネン、カンフェン、リモネン、ピネン、シクロヘ
キサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエ
ン、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン等の環状
のもの;スチレン、ビニルナフタレン、ブテン−1、ブ
テン−2、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、
オクテン−1、ペンタデセン−1、1,3−ペンタジエン、
イソプレン、1,7−オクタジエン等の鎖状のものが挙げ
られる。
【0019】このようにして、本発明の酸素含有化合物
の製造方法は、上記パラジウム化合物を触媒として、上
記オレフィン系化合物から、上記有機溶媒による有機相
と、ポリアミド水溶液による水相との二相系酸化反応に
より実施されるものであり、本発明により製造される酸
素含有化合物としては、シクロペンタノン、シクロヘキ
サノン、シクロオクタノン、シクロへキセノン、3-シク
ロヘキセニルメチルケトン、メチルエチルケトン、ペン
タノン-2,オクタノン-2などのケトン化合物を例示する
ことができる。
の製造方法は、上記パラジウム化合物を触媒として、上
記オレフィン系化合物から、上記有機溶媒による有機相
と、ポリアミド水溶液による水相との二相系酸化反応に
より実施されるものであり、本発明により製造される酸
素含有化合物としては、シクロペンタノン、シクロヘキ
サノン、シクロオクタノン、シクロへキセノン、3-シク
ロヘキセニルメチルケトン、メチルエチルケトン、ペン
タノン-2,オクタノン-2などのケトン化合物を例示する
ことができる。
【0020】
【発明の効果】本発明では、パラジウム化合物を触媒と
するオレフィン系化合物の有機相−水相二相系酸化反応
による酸素含有化合物の製造方法において、水相として
ポリアミド水溶液を用いたので、有機相(酸素含有化合
物相)と水相(触媒相)との分離が容易となると共に、
水相の触媒を反応系に循環することで触媒の再利用が可
能となった。
するオレフィン系化合物の有機相−水相二相系酸化反応
による酸素含有化合物の製造方法において、水相として
ポリアミド水溶液を用いたので、有機相(酸素含有化合
物相)と水相(触媒相)との分離が容易となると共に、
水相の触媒を反応系に循環することで触媒の再利用が可
能となった。
【0021】加えて本発明は、オレフィン系化合物から
酸素含有化合物への転化率及び酸素含有化合物の選択性
が高いという優れた効果を有するものであるが、これは
水相としてポリアミド水溶液を用いたことにより、パラ
ジウム化合物による触媒系が安定化されるためと考えら
れる。
酸素含有化合物への転化率及び酸素含有化合物の選択性
が高いという優れた効果を有するものであるが、これは
水相としてポリアミド水溶液を用いたことにより、パラ
ジウム化合物による触媒系が安定化されるためと考えら
れる。
【0022】
【実施例】本発明を実施例及び比較例によって、更に詳
細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0023】実施例1 シクロペンテン(CPE)の酸化
反応によるシクロペンテノン(CPN)の製造 ガラス製オートクレーブ中で、ポリビニルピロリドン3
0%水溶液(PVPaq、20ml)に塩化パラジウム
(0.21g)、塩化銅(II)(1.59g)を溶解
し、室温下30分間撹拌した。シクロペンテン(1.5
8g)を添加し、空気圧0.40MPa下、室温から60
度まで加熱した後、空気圧0.47MPaに保ち、時々酸
素圧を補充しながら60℃で6時間反応させた。反応終
了後、有機相と水相は速やかに分離した。酸化反応結果
を表1に示す。
反応によるシクロペンテノン(CPN)の製造 ガラス製オートクレーブ中で、ポリビニルピロリドン3
0%水溶液(PVPaq、20ml)に塩化パラジウム
(0.21g)、塩化銅(II)(1.59g)を溶解
し、室温下30分間撹拌した。シクロペンテン(1.5
8g)を添加し、空気圧0.40MPa下、室温から60
度まで加熱した後、空気圧0.47MPaに保ち、時々酸
素圧を補充しながら60℃で6時間反応させた。反応終
了後、有機相と水相は速やかに分離した。酸化反応結果
を表1に示す。
【0024】実施例2 空気圧を0.67MPaに調節した点を除き、実施例1と
同じ仕込み比、反応温度、反応時間で酸化反応を行っ
た。反応終了後、有機相と水相は速やかに分離した。反
応結果を表1に示す。
同じ仕込み比、反応温度、反応時間で酸化反応を行っ
た。反応終了後、有機相と水相は速やかに分離した。反
応結果を表1に示す。
【0025】実施例3 空気圧を0.27MPaに調節した点を除き、実施例1と
同じ仕込み比、反応温度、反応時間で酸化反応を行っ
た。反応終了後、有機相と水相は速やかに分離した。反
応結果を表1に示す。
同じ仕込み比、反応温度、反応時間で酸化反応を行っ
た。反応終了後、有機相と水相は速やかに分離した。反
応結果を表1に示す。
【0026】実施例4 反応温度を80℃に調節した点を除き、実施例1と同じ
仕込み比、空気圧、反応時間で酸化反応を行った。反応
終了後、有機相と水相は速やかに分離した。反応結果を
表1に示す。
仕込み比、空気圧、反応時間で酸化反応を行った。反応
終了後、有機相と水相は速やかに分離した。反応結果を
表1に示す。
【0027】実施例5 反応時間を24時間にした点を除き、実施例2と同じ仕
込み比、反応温度、空気圧で酸化反応を行った。反応終
了後、有機相と水相は速やかに分離した。反応結果を表
1に示す。
込み比、反応温度、空気圧で酸化反応を行った。反応終
了後、有機相と水相は速やかに分離した。反応結果を表
1に示す。
【0028】比較例1 ポリビニルピロリドン水溶液を水に変更した点を除き、
実施例2と同じ仕込み比、反応温度、反応時間で酸化反
応を行った。反応結果を表1に示す。
実施例2と同じ仕込み比、反応温度、反応時間で酸化反
応を行った。反応結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなごとく、本発明の実施例
1〜3の、水相にポリビニルピロリドン水溶液を用いた
製造方法では、CPNの高い選択率を保ったままCPEへの転
化率を上げることができる。又、この系の実施例4〜5
から、反応温度を高くすると高い選択率のまま転化率を
向上させることができ、反応時間を長くすることで、転
化率>99%を達成できることがわかる。一方、比較例
1の水相に水を用いた場合は、転化率が低いことがわか
る。
1〜3の、水相にポリビニルピロリドン水溶液を用いた
製造方法では、CPNの高い選択率を保ったままCPEへの転
化率を上げることができる。又、この系の実施例4〜5
から、反応温度を高くすると高い選択率のまま転化率を
向上させることができ、反応時間を長くすることで、転
化率>99%を達成できることがわかる。一方、比較例
1の水相に水を用いた場合は、転化率が低いことがわか
る。
【0031】実施例6 シクロペンテン(CPE)の酸化
反応によるシクロペンテノン(CPN)の製造における触
媒寿命の検討 ガラス製オートクレーブ中で、ポリビニルピロリドン3
0%水溶液(PVPaq、20ml)に塩化パラジウム
(0.21g)、塩化銅(II)(1.59g)を溶解
し、室温下30分間撹拌した。シクロペンテン(1.5
8g)を添加し、空気圧0.40MPa下、室温から60
度まで加熱した後、空気圧0.67MPaに保ち、時々酸
素圧を補充しながら60℃で11時間反応させた。反応
終了後、有機相と水相は速やかに分離した。酸化反応結
果を表2に示す。
反応によるシクロペンテノン(CPN)の製造における触
媒寿命の検討 ガラス製オートクレーブ中で、ポリビニルピロリドン3
0%水溶液(PVPaq、20ml)に塩化パラジウム
(0.21g)、塩化銅(II)(1.59g)を溶解
し、室温下30分間撹拌した。シクロペンテン(1.5
8g)を添加し、空気圧0.40MPa下、室温から60
度まで加熱した後、空気圧0.67MPaに保ち、時々酸
素圧を補充しながら60℃で11時間反応させた。反応
終了後、有機相と水相は速やかに分離した。酸化反応結
果を表2に示す。
【0032】実施例7 実施例6で回収した触媒相(ポリビニルピロリドン相)
をそのまま用い、実施例6と同じ条件で酸化反応を検討
した。反応終了後、有機相と水相は速やかに分離した。
反応結果を表2に示す。
をそのまま用い、実施例6と同じ条件で酸化反応を検討
した。反応終了後、有機相と水相は速やかに分離した。
反応結果を表2に示す。
【0033】実施例8 実施例7で回収した触媒相(ポリビニルピロリドン相)
をそのまま用い、実施例6と同じ条件で酸化反応を検討
した。反応終了後、有機相と水相は速やかに分離した。
反応結果を表2に示す。
をそのまま用い、実施例6と同じ条件で酸化反応を検討
した。反応終了後、有機相と水相は速やかに分離した。
反応結果を表2に示す。
【0034】実施例9 実施例8で回収した触媒相(ポリビニルピロリドン相)
をそのまま用い、実施例6と同じ条件で酸化反応を検討
した。反応終了後、有機相と水相は速やかに分離した。
反応結果を表2に示す。
をそのまま用い、実施例6と同じ条件で酸化反応を検討
した。反応終了後、有機相と水相は速やかに分離した。
反応結果を表2に示す。
【0035】比較例2 実施例9で回収した触媒相(ポリビニルピロリドン相)
をそのまま用い、実施例6と同じ条件で酸化反応を検討
した。反応結果を表2に示す。
をそのまま用い、実施例6と同じ条件で酸化反応を検討
した。反応結果を表2に示す。
【0036】比較例3 比較例2で回収した触媒相(水相)をそのまま用い、比
較例2と同じ条件で酸化反応を検討した。反応結果を表
2に示す。
較例2と同じ条件で酸化反応を検討した。反応結果を表
2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】表2から明らかなごとく、実施例6〜9の
ポリビニルピロリドン水溶液中での反応では、触媒相
(ポリビニルピロリドン相)を反応に再利用しても、触
媒の活性と選択性の低下は認められない。更に、金属種
の析出と塩素化合物の生成も認められない。一方、比較
例2〜3に示す水中での反応では、選択性の大幅な低下
と金属種と思われる固体の析出が見られた。これが活性
低下の原因と考えられる。以上の結果から、ポリビニル
ピロリドン水溶液を用いると活性及び選択性の低下を起
こすことがなく、触媒の再利用が可能なことがわかる。
ポリビニルピロリドン水溶液中での反応では、触媒相
(ポリビニルピロリドン相)を反応に再利用しても、触
媒の活性と選択性の低下は認められない。更に、金属種
の析出と塩素化合物の生成も認められない。一方、比較
例2〜3に示す水中での反応では、選択性の大幅な低下
と金属種と思われる固体の析出が見られた。これが活性
低下の原因と考えられる。以上の結果から、ポリビニル
ピロリドン水溶液を用いると活性及び選択性の低下を起
こすことがなく、触媒の再利用が可能なことがわかる。
【0039】実施例11 ビニルシクロヘキセンの酸化
反応 ガラス製オートクレーブ中で、ポリビニルピロリドン3
0%水溶液(PVPaq、40ml)に塩化パラジウム
(0.41g)、塩化銅(II)(3.11g)を溶解
し、室温下30分間撹拌した。ビニルシクロヘキセン
(5.00g)を添加し、酸素圧0.10MPa下、室温
から60度まで加熱し、60℃で24時間反応させ、転
化率>99%、選択性95%を達成した。尚、反応終了
後、有機相と水相は速やかに分離した。
反応 ガラス製オートクレーブ中で、ポリビニルピロリドン3
0%水溶液(PVPaq、40ml)に塩化パラジウム
(0.41g)、塩化銅(II)(3.11g)を溶解
し、室温下30分間撹拌した。ビニルシクロヘキセン
(5.00g)を添加し、酸素圧0.10MPa下、室温
から60度まで加熱し、60℃で24時間反応させ、転
化率>99%、選択性95%を達成した。尚、反応終了
後、有機相と水相は速やかに分離した。
【0040】実施例12 オクテン−1の酸化反応 ガラス製オートクレーブ中で、ポリビニルピロリドン3
0%水溶液(PVPaq、40ml)に塩化パラジウム
(0.41g)、塩化銅(II)(3.11g)を溶解
し、室温下30分間撹拌した。オクテン−1(5.19
g)を添加し、酸素圧0.10MPa下、室温から60度
まで加熱し、60℃で24時間反応させ、転化率56
%、選択性95%を達成した。尚、反応終了後、有機相
と水相は速やかに分離した。
0%水溶液(PVPaq、40ml)に塩化パラジウム
(0.41g)、塩化銅(II)(3.11g)を溶解
し、室温下30分間撹拌した。オクテン−1(5.19
g)を添加し、酸素圧0.10MPa下、室温から60度
まで加熱し、60℃で24時間反応させ、転化率56
%、選択性95%を達成した。尚、反応終了後、有機相
と水相は速やかに分離した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 45/34 C07C 45/34 49/20 49/20 A 49/303 49/303 49/403 49/403 A 49/603 49/603 Fターム(参考) 4G069 AA02 BB08A BB08B BC31A BC31B BC72A BC72B BD12A BD12B CB11 4H006 AA02 AC12 AC44 BA05 BA25 BB24 BB31 BE30 4H039 CA62 CC30
Claims (5)
- 【請求項1】 パラジウム化合物を触媒とするオレフィ
ン系化合物の有機相−水相二相系酸化反応による酸素含
有化合物の製造方法において、水相としてポリアミド水
溶液を用いることを特徴とする酸素含有化合物の製造方
法。 - 【請求項2】 ポリアミド水溶液がポリビニルピロリド
ン水溶液である請求項1に記載の酸素含有化合物の製造
方法。 - 【請求項3】 パラジウム化合物を含む触媒が塩化パラ
ジウム−塩化銅(II)である請求項1に記載の酸素含
有化合物の製造方法。 - 【請求項4】 オレフィン系化合物が炭素数3〜15の
環状オレフィン又は鎖状オレフィンである請求項1に記
載の酸素含有化合物の製造方法。 - 【請求項5】 酸素含有化合物がケトン化合物である請
求項1に記載の酸素含有化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000283621A JP2002097167A (ja) | 2000-09-19 | 2000-09-19 | 酸素含有化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000283621A JP2002097167A (ja) | 2000-09-19 | 2000-09-19 | 酸素含有化合物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002097167A true JP2002097167A (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=18767959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000283621A Pending JP2002097167A (ja) | 2000-09-19 | 2000-09-19 | 酸素含有化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002097167A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011125541A1 (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-13 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 固定化パラジウム触媒およびそれを用いたケトンの製造方法 |
-
2000
- 2000-09-19 JP JP2000283621A patent/JP2002097167A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011125541A1 (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-13 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 固定化パラジウム触媒およびそれを用いたケトンの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1619176B1 (en) | Process for producing cycloalkanol and/or cycloalkanone | |
CN1199922C (zh) | 氧化方法 | |
US11420991B2 (en) | Confined porphyrin Co(II) and preparation method and application thereof | |
JP5055262B2 (ja) | 水中におけるp−キシレンの液相酸化によるp−トルイル酸の製造方法 | |
JP3943336B2 (ja) | シクロアルカンの酸化法 | |
JP2002097167A (ja) | 酸素含有化合物の製造方法 | |
RU2288211C2 (ru) | Способ каталитического разложения циклоалкилгидропероксидов c6-c12 | |
JP3904454B2 (ja) | 炭化水素を酸に酸化するための方法 | |
JP2022514224A (ja) | 選択的均一系水素化触媒の回収方法および再使用方法 | |
JP4601805B2 (ja) | シクロヘキサンの酸化方法 | |
JP3027162B2 (ja) | ビフェニルカルボン酸の製造方法 | |
JPH0557250B2 (ja) | ||
JP2007223933A (ja) | シクロアルカノール及びシクロアルカノンの製法 | |
JP2003210993A (ja) | 遷移金属錯体を固定化した酸化触媒及びこれを用いた炭化水素類の酸化方法 | |
JPH0768247B2 (ja) | ジアリ−ルジカルボン酸の製造方法 | |
JPWO2010113877A1 (ja) | ケトンの製造方法 | |
US8258362B2 (en) | Method for the production of α, ω-olefins by using the copper catalyzed coupling reaction of a Grignard reagent with an allylic substrate | |
CN116987088A (zh) | 一种含六氟丙烯三聚体功能基团的金属卟啉及其制备方法和应用 | |
JPS58144345A (ja) | シクロペンタノンの製造方法 | |
CN117263946A (zh) | 一种含六氟丙烯三聚体基团的金属卟啉及其制备方法和应用 | |
JPWO2011125541A1 (ja) | 固定化パラジウム触媒およびそれを用いたケトンの製造方法 | |
JPH0338537A (ja) | ビフェニル―4,4′―ジオールの合成法 | |
KR100641623B1 (ko) | 카르복실산의 제조 방법 | |
JPS62258351A (ja) | テトラエチルウレアの製造方法 | |
JP4357645B2 (ja) | 1,3−シクロアルカジエンの製造法 |