JP2002097134A - オキセサゼインを有効成分とする皮膚外用剤 - Google Patents

オキセサゼインを有効成分とする皮膚外用剤

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JP2002097134A
JP2002097134A JP2000288113A JP2000288113A JP2002097134A JP 2002097134 A JP2002097134 A JP 2002097134A JP 2000288113 A JP2000288113 A JP 2000288113A JP 2000288113 A JP2000288113 A JP 2000288113A JP 2002097134 A JP2002097134 A JP 2002097134A
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pain
skin
ointment
oxesazein
minutes
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JP2000288113A
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Tomohiro Naruse
友裕 成瀬
Seiki Fujimoto
盛揮 藤本
Motoko Furuta
素子 古田
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Maruho Co Ltd
Original Assignee
Maruho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】欠損皮膚を除く皮膚の表皮より内側の疼痛を治
療するための、オキセサゼインを有効成分とする皮膚外
用剤の提供。 【解決手段】オキセサゼインを有効成分とする皮膚外用
剤。特に、帯状ヘルペス痛、帯状ヘルペス後神経痛であ
る疼痛を治療するための皮膚外用剤。オキセサゼイン
は、化学名で2,2′−[(2−ヒドロキシエチル)ア
ミノ]ビス[N−(1,1−ジメチル−2−フェニルエ
チル)−N−メチルアセトアミド]と称されるアミド型
局所麻酔薬である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、欠損皮膚を除く皮
膚の表皮より内側の疼痛を治療するための、オキセサゼ
インを有効成分とする皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】オキセサゼインは、化学名で2,2'-[(2-
ヒドロキシエチル)アミノ]ビス[N-(1,1-ジメチル-2-フ
ェニルエチル)-N-メチルアセトアミド]と称されるアミ
ド型局所麻酔薬である。特開平11−12169号公報
はオキセサゼインを基剤に分散させた組成物が粘膜又は
皮膚の欠損部位、例えば、痔核、痔疾患者の手術部位、
褥瘡、糖尿病性血行障害による壊死、採皮部位の疼痛に
対し局所的かつ長時間持続的な局所麻酔作用を発現する
ことを開示している。これは、遊離塩基型のオキセサゼ
インが難溶性であり正常皮膚に対する経皮吸収性に劣る
と考えられていたため、正常皮膚より薬剤吸収性の高い
皮膚の欠損部位、特に表皮及び真皮を欠損した部位にオ
キセサゼインを適用することにより、オキセサゼインの
疼痛抑制作用を利用するものである。また、特開平7−
145047号公報には、オキセサゼインのテープ剤に
よる局所麻酔作用が開示されている。当該テープ剤で
は、オキセサゼインの吸収を促進させるために可塑剤と
してミリスチン酸イソプロピルを使用しているにもかか
わらず、実際に確認された作用は皮膚表面の局所麻酔作
用のみであり、表皮より内側の疼痛に関しては何ら示唆
していない。
【0003】帯状ヘルペスは、水痘・帯状ヘルペスウイ
ルスにより発症する。約95%の人は小児期に該ウイル
スの初感染を経験し、治癒後、該ウイルスに対する免疫
を獲得する。しかし、感染したウイルスは、皮膚の水疱
から神経軸索を経由して知覚神経節に到達し、神経細胞
に潜伏感染する。多くの人は、潜伏後に、ウイルスによ
る発症を経験しないが、一部の人は、免疫の低下あるい
は何らかの刺激により、潜伏ウイルスが再活性化され、
神経軸索を経由して皮膚に至り、帯状の水疱と疼痛(帯
状ヘルペス痛)が発症する。帯状ヘルペス痛について
は、「皮膚そのものの変化によるものではなく、神経の
炎症によるものである。」(第98回日本皮膚科学会総
会スポンサードレクチャー(平成11年4月10日
(土))、プログラム「ウィルス性疾患における最近の
話題 〜帯状疱疹痛〜」、順天堂大学麻酔科宮崎東洋教
授講演「帯状疱疹痛 〜痛みの機序と治療〜」抄録)、
「帯状疱疹の疼痛は、急性期では知覚神経の炎症による
痛みが主である。」(ヘルペス感染症ワークショップ
「帯状疱疹の疼痛管理 〜コンセンサスを求めて〜」
(平成11年3月6日(土))、セッション2「急性期
疼痛に関する病理と治療」、昭和大学岡本健一郎講師講
演「帯状疱疹に対する神経ブロック療法」プロシーディ
ング24ページ〜26ページ)との報告がなされてい
る。
【0004】帯状ヘルペスの皮疹は、通常、3週間程度
で治癒し、神経痛は1〜3ヶ月で漸減するが、特に高齢
者の場合、慢性或いは難治性の神経痛(帯状ヘルペス後
神経痛)が残存することがある。帯状ヘルペスは、年間
50万人が発症し、そのうち3〜5%が帯状ヘルペス後
神経痛に移行すると言われている。
【0005】帯状ヘルペス後神経痛は神経因性疼痛(ニ
ューロパシックペイン)の代表疾患である。神経因性疼
痛は、末梢神経自体の損傷によって引き起こされた神経
細胞の異常興奮に由来する痛みである。帯状ヘルペス後
神経痛の他にも癌性疼痛、三叉神経痛、カウザルギー或
いは手術や外傷後の慢性疼痛等が神経因性疼痛であり、
我が国の患者数は100万人以上と推定される。
【0006】従来、帯状ヘルペス痛には、神経ブロック
や非ステロイド性抗炎症薬などにより治療が施される
が、神経ブロックには通院が必要であるため在宅での治
療はできない。さらに、非ステロイド性抗炎症薬には消
化器系の副作用が出現する上に、痛みの軽減は不完全で
ある。また、神経因性疼痛には、しばしば抗うつ薬が使
用されるが、眠気、口渇、便秘、尿閉或いは起立性低血
圧などの副作用が問題となる上に、効果は十分ではな
い。
【0007】上述のように、現在、帯状ヘルペス痛や帯
状ヘルペス後神経痛に代表されるような表皮より内側の
疼痛に対して有効な治療法はない。従って、これらの痛
みに悩む患者のQOL(quality of life)向上のため
に、安全かつ強力な治療薬の開発が臨床上強く望まれて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、欠損皮膚を
除く皮膚の表皮より内側の疼痛を治療するための、オキ
セサゼインを有効成分とする皮膚外用剤の提供を目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、オキセサゼイ
ンを有効成分とする皮膚外用剤を、欠損皮膚を除く皮膚
に適用すると、表皮より内側の疼痛を抑制することがで
きることを見出し、さらに、オキセサゼイン外用剤は、
帯状ヘルペス痛や帯状ヘルペス後神経痛に代表される表
皮より内側の疼痛を軽減することを見出した。すなわ
ち、本発明は、以下の外用剤を提供するものである。 項1.欠損皮膚を除く皮膚の表皮より内側の疼痛を治療
するための、オキセサゼインを有効成分とする皮膚外用
剤。 項2.疼痛が神経に起因する疼痛である項1記載の皮膚
外用剤。 項3.神経に起因する疼痛が帯状ヘルペス痛である項2
記載の皮膚外用剤。 項4.神経に起因する疼痛が帯状ヘルペス後神経痛であ
る項2記載の皮膚外用剤。 項5.剤型が軟膏剤、クリーム剤、乳剤又はゲル剤のい
ずれかである項1〜4のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本明細書において、%とは
重量%を意味する。
【0011】欠損皮膚とは、表皮及び真皮が欠損するこ
とにより、正常皮膚と比較して薬剤吸収性が格段に上昇
した状態の皮膚をいい、例えば負傷や手術により傷口が
発生した皮膚、褥瘡を起こした皮膚などが欠損皮膚に該
当する。なお、表皮が一部損傷していても薬剤吸収性が
格段に上昇していない皮膚は、欠損皮膚に該当しない。
従って、欠損皮膚を除く皮膚とは、正常な皮膚又は表皮
は欠損又は損傷しているが薬剤吸収性が格段に上昇した
状態でない皮膚をいい、好ましくは正常な皮膚である。
【0012】表皮より内側の疼痛とは、表皮より深部で
発生する疼痛をいい、例えば、帯状ヘルペス痛、神経因
性疼痛、レーザー照射に伴う疼痛、打撲・打ち身による
疼痛などをはじめとする神経に起因する疼痛が挙げられ
る。表皮より深部で発生する疼痛の中でも、好ましいの
は皮内で発生する疼痛である。
【0013】また、神経に起因する疼痛とは、神経の炎
症、損傷などによる疼痛をいう。例えば、帯状ヘルペス
痛、神経因性疼痛、レーザー照射に伴う疼痛、打撲・打
ち身による疼痛などが神経に起因する疼痛に該当する。
好ましい神経に起因する疼痛は、帯状ヘルペス痛、神経
因性疼痛、レーザー照射に伴う疼痛などであり、さらに
好ましいものは、帯状ヘルペス痛、神経因性疼痛などで
あり、それよりさらに好ましいものは、帯状ヘルペス痛
及び帯状ヘルペス痛後神経痛である。
【0014】なお、神経因性疼痛とは、末梢神経自体の
損傷によって引き起こされた神経細胞の異常興奮に由来
する痛みである。この痛みは、火傷したような痛みのこ
ともあるし、針で刺されたような、切り傷のような、或
いは深部を締め付けるような、疼くような痛みであった
りする。また、その痛みは周期的であったり、数秒間持
続する電撃性のものであったりする。神経因性疼痛とし
ては、例えば、帯状ヘルペス後神経痛、癌性疼痛、三叉
神経痛、カウザルギー或いは手術や外傷後の慢性疼痛等
が挙げられる。好ましくは帯状ヘルペス後神経痛であ
る。本発明の外用剤の剤型は、皮膚に適用可能なもので
あれば特に限定されるものではないが、例えば、軟膏
剤、クリーム剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション
剤、乳剤、粉剤、懸濁剤、エアゾール剤などや、基剤を
支持体上に支持させた硬膏剤、パップ剤、テープ剤、プ
ラスター剤などが挙げられる。好ましくは、前記剤型例
示のうち、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション
剤、乳剤であり、さらに好ましくは、軟膏剤である。
【0015】また、本発明の外用剤の有効成分であるオ
キセサゼインとしては、その純物質の結晶粉末を用いる
ことが好適である。外用剤中のオキセサゼインの含有量
は、患者の症状、剤型等によって、適宜選択可能である
が、0.01〜50%、好ましくは、0.5〜20%で
ある。
【0016】例えば、軟膏剤の場合、軟膏剤中のオキセ
サゼインの含有量は、0.01〜50%、好ましくは
0.5〜20%であり、クリーム剤、ゲル剤、リニメン
ト剤、ローション剤、乳剤、粉剤、懸濁剤、エアゾール
剤等の場合は、0.01〜20%、好ましくは0.5〜
20%である。また、支持体を有する硬膏剤、パップ
剤、テープ剤、プラスター剤場合は、0.01〜20
%、好ましくは0.1〜10%である。
【0017】基剤としては、薬学的に許容しうるもので
あればよく、従来公知のものを適宜使用することができ
る。例えば、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、コーン
スターチ、トラガントガム、メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
キサンタンガム、カラギーナン、マンナン、アガロー
ス、デキストリン、カルボキシメチルデンプン、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、メトキシ
エチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルエーテ
ル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマ
ー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等のポリマー類;ミツロウ、オリー
ブ油、カカオ油、ゴマ油、ダイズ油、ツバキ油、ラッカ
セイ油、牛油、豚油、鶏油、ラノリン等の油脂類;白色
ワセリン、黄色ワセリン、パラフィン、流動パラフィ
ン、セレシンワックス、スクワラン、軽質流動パラフィ
ン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;ゲ
ル化炭化水素(例えば、商品名プラスチベース、ブリス
トルマイヤーズスクイブ社製);ステアリン酸等の高級
脂肪酸;セタノール、オクチルドデカノール、ステアリ
ルアルコール等の高級アルコール;ポリエチレングリコ
ール(例えば、マクロゴール400、マクロゴール40
00等);プロピレングリコール、グリセリン等の多価
アルコール;モノオレイン酸エステル、ステアリン酸グ
リセリド、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン
酸イソプロピル等の脂肪酸エステル類;水、生理食塩
水、リン酸緩衝液などが挙げられる。
【0018】例えば、軟膏剤の場合、炭化水素類、脂肪
酸エステル類、ゲル化炭化水素、ミツロウ、ポリエチレ
ングリコール等が使用される。また、クリーム剤の場
合、炭化水素類、界面活性剤、水、グリセリン、セタノ
ール、ステアリルアルコール等が使用される。また、
ローション剤の場合、炭化水素類、水、カルボキシビニ
ルポリマー、グリセリン、セタノール、プロピレングリ
コール等が使用される。さらに、ゲル剤には、水、界面
活性剤、カルボキシビニルポリマー、低級アルコール類
等が使用される。
【0019】界面活性剤としては、例えば、ポリソルベ
ート80、レシチン誘導体、自己乳化型プロピレングリ
コールモノステアレート等のプロピレングリコール脂肪
酸エステル、モノステアリン酸グリセリン等のグリセリ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪
酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアル
デヒド縮合物、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキ
シエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロー
ル・水素添加ステロール、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルリン酸・リン酸塩、高
分子乳化剤などが挙げられる。これらに限定されるもの
ではないが、剤型にかかわらず、グリセリン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等がよく使用
される。
【0020】さらに必要に応じて、ポリビニルピロリド
ン等の溶解補助剤;カオリン、ベントナイト、酸化亜
鉛、酸化チタン等の無機充填剤;老化防止剤;トリエタ
ノールアミン等のpH調節剤;グリセリン、プロピレン
グリコール等の保湿剤;パラオキシ安息香酸メチル、パ
ラオキシ安息香酸プロピル、塩化ベンザルコニウム、塩
化ベンゼトニウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、パ
ラオキシ安息香酸類、ホウ酸、ホウ砂、カンフル等の防
腐剤;キサンタンガム、コンドロイチン硫酸ナトリウ
ム、流動パラフィン、グリセリン、ポリエチレングリコ
ール、ポリビニルピロリドン等の粘凋剤又は粘凋化剤な
どを添加してもよい。
【0021】また上記テープ剤の基剤としては、薬学的
に許容しうるものであればよく、従来公知のものを用い
ることができ、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着
剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げら
れ、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤が好適に用いられ
る。また上記支持体上に展延する際の粘着剤の性状とし
ては、溶剤系、エマルジョン系、ホットメルト系等の任
意のものを用いることができる。
【0022】上記アクリル系粘着剤としては、アルキル
(メタ)アクリレートを共重合して得られるポリアルキ
ル(メタ)アクリレートを主体とする粘着剤が挙げら
れ、アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な多官
能性モノマーやその他のビニルモノマーとの共重合体で
もよい。
【0023】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ドデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記多官能性モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキ
サングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレートなどが挙げられ、上記その他のビ
ニルモノマーとしては、例えば、N−ビニル−2−ピロ
リドン、酢酸ビニルなどが挙げられる。
【0024】上記ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチ
レン−オレフィン−スチレンブロック共重合体などを主
体とする粘着剤が挙げられ、一般に、ロジン、水添ロジ
ン、ロジンエステル、テルペン樹脂、テルペンフェノー
ル樹脂、石油系樹脂、クマロン樹脂、クマロン−インデ
ン樹脂などの粘着付与剤が添加されてなる。
【0025】上記支持体としては、その剤型(例えば、
パップ剤、テープ剤等)に応じて適宜選択されるが、薬
物が不透過又は難透過性で柔軟なものが好ましく、例え
ば、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩
化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−
ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの樹脂フ
ィルム;アルミニウムシート、織布、不織布など、及び
これらの積層シートなどが挙げられる。
【0026】本発明の外用剤の使用量は、疾患の種類や
症状の程度、患部の大きさなどによって異なるが、オキ
セサゼインとして1日当たり0.001〜10g、好ま
しくは0.01〜1gであり、これを1回又は適当な回
数に分けて患部に適用する。例えば、軟膏剤の場合、
0.001〜10g、好ましくは0.01〜1gであ
り、クリーム剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション
剤、乳剤、粉剤、懸濁剤、エアゾール剤等の場合は、
0.001〜10g、好ましくは0.01〜1gであ
る。また、支持体を有する硬膏剤、パップ剤、テープ
剤、プラスター剤場合は、0.001〜10g、好まし
くは0.01〜1gである。
【0027】本発明の外用剤は、その剤型に応じ、従来
公知の方法で製造される。例えば、油脂性軟膏剤を製造
する場合、原料基剤を加温して融解し、混和し、半ば冷
却した後、オキセサゼインを基剤に加えて、練り合わせ
て製造する。クリーム剤、乳剤を製造する場合、固形の
基剤は水浴上で溶かした後、約75℃に保ち、これに、
水溶性の基剤を水に溶かして同温度又は若干高い温度に
加温したものを加え、オキセサゼインをこれに加えて練
り合わせて製造する。また、ゲル剤を製造する場合、例
えば、ポリマーを水に加え、加温して膨潤させる。これ
に、水溶性の基剤及びオキセサゼインを溶媒に加温して
溶かしたものを加え、混合・溶解させた後、冷却して製
造する。さらに、ローション剤を製造する場合、例え
ば、ポリマーを水に加え、加温して膨潤させる。これ
に、水溶性の基剤を溶媒に加温して溶かしたものを加
え、更にオキセサゼインをこれに加えて混合・分散させ
た後、冷却して製造する。混合・溶解の方法としては、
乳鉢、乳棒による方法、練合機を用いる方法、乳化機を
用いる方法などがあるが、基剤の性状、調製量などによ
り適宜選択される。
【0028】
【発明の効果】本発明の外用剤は、欠損皮膚を除く皮膚
の表皮より内側の疼痛に対して長時間疼痛抑制作用を発
揮する。
【0029】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は
これら実施例に限定されるものではない。
【0030】製造例 市販の白色ワセリンと精製ラノリン(いずれも日本薬局
方収載品)を重量比2:1で、60℃の湯煎にかけなが
ら混合し、基剤を調製した。この基剤に純オキセサゼイ
ン結晶粉末を、濃度が2.5%、5%、10%及び20
%となるように均一に練り込み、その後室温まで冷却
し、オキセサゼイン含有軟膏を製造した。
【0031】実施例1 正常皮膚における2.5、5、10及び20%オキセサ
ゼイン軟膏の鎮痛作用を試験した。 <試験方法>軟膏塗布前日にddY系雄性マウス(6週
齢)を電気バリカンと電気シェーバーを用いて剃毛し
た。このマウスの腹部を水で湿らせた脱脂綿で軽くふ
き、さらに乾いた脱脂綿で水分をふき取った。その後、
2.5、5、10及び20%オキセサゼイン軟膏又は軟
膏基剤を、マウス腹部の約2cm×2cmの範囲に、100
mg塗布した。塗布部を2.5cm×2.5cmの不織布で覆
い、この不織布を、両端にマジックテープを備えた弾力
包帯で固定した。1時間後、塗布した軟膏及び軟膏基剤
を、水で湿らせた脱脂綿でふき取り、さらに乾いた脱脂
綿で皮膚表面の水分をふき取った。マウスをプラスチッ
クケージに入れて5分間馴化させた後、1%ホルマリン
溶液又は生理食塩液を各々50μLずつマウス腹部に、
皮内投与した。投与直後から投与30分後まで、各5分
間毎に投与部位をなめる又は噛む等の行動(疼痛反応)
を示した時間を測定した。 <評価方法>組織へのホルマリン投与はタンパク質を変
性させ、末梢神経などの損傷などを引き起こし、神経細
胞が異常興奮し、生体に激しい痛みを生じさせる。この
ホルマリン投与による痛みは、ホルマリン投与後0〜5
分及び15〜25分をピークとして疼痛反応が認められ
ることから、ホルマリン投与後0〜5分及び15〜25
分の間に疼痛反応を示した時間(秒)を用いて薬効を評
価した。 <結果>試験結果を表1に示した。疼痛反応時間は、生
理食塩液投与群に対し、軟膏基剤塗布群は、有意に延長
した。これに対し、オキセサゼイン軟膏塗布群は、疼痛
反応時間を有意に短縮した。従って、オキセサゼイン軟
膏が正常皮膚において鎮痛作用を示すことが確認され
た。
【0032】
【表1】
【0033】実施例2 正常皮膚におけるオキセサゼイン軟膏の鎮痛作用を、市
販の5%キシロカイン軟膏(リドカイン軟膏)と比較し
た。 <試験方法>軟膏塗布前日にddY系雄性マウス(6週
齢)を電気バリカンと電気シェーバーを用いて剃毛し
た。このマウスの腹部を水で湿らせた脱脂綿で軽くふ
き、さらに乾いた脱脂綿で水分をふき取った。その後、
5%オキセサゼイン軟膏、5%キシロカイン軟膏又は軟
膏基剤を、マウス腹部の約2cm×2cmの範囲に、100
mg塗布した。塗布部を2.5cm×2.5cmの不織布で覆
い、この不織布を、両端にマジックテープを備えた弾力
包帯で固定した。これらマウスを2群にわけ、各々1及
び24時間後に、塗布した軟膏及び軟膏基剤を、水で湿
らせた脱脂綿でふき取り、さらに乾いた脱脂綿で皮膚表
面の水分をふき取った。マウスをプラスチックケージに
入れて5分間馴化させた後、1%ホルマリン溶液又は生
理食塩液を各々50μLずつマウス腹部に、皮内投与し
た。投与直後から投与30分後まで、各5分間毎に投与
部位をなめる又は噛む等の行動(疼痛反応)を示した時
間を測定した。 <評価方法>実施例1の評価方法と同様に薬効を評価し
た。 <結果>試験結果を表2及び3に示した。疼痛反応時間
は、生理食塩液投与群に対し、軟膏基剤塗布群は、有意
に延長した。これに対し、軟膏を1時間塗布した条件下
において、オキセサゼイン軟膏塗布群及びキシロカイン
軟膏塗布群は、軟膏基剤塗布群と比較して、0〜5分及
び15〜25分の疼痛反応時間が有意に短縮した(表
2)。同条件下において、オキセサゼイン軟膏塗布群
は、キシロカイン軟膏塗布群と比較して、15〜25分
の疼痛反応時間を有意に強く短縮した。
【0034】
【表2】
【0035】軟膏を24時間塗布した条件下において、
オキセサゼイン軟膏塗布群は、軟膏基剤塗布群と比較し
て、0〜5分及び15〜25分の疼痛反応時間を有意に
短縮したが、キシロカイン軟膏塗布群は、何れの疼痛反
応時間も軟膏基剤塗布群と同程度であった(表3)。同
条件下において、オキセサゼイン軟膏塗布群は、キシロ
カイン軟膏塗布群と比較して、0〜5分及び15〜25
分の疼痛反応時間を有意に強く短縮した。この結果か
ら、オキセサゼイン軟膏はキシロカイン軟膏より強い鎮
痛作用を示し、さらにその鎮痛作用は長時間持続するこ
とが明らかとなった。
【0036】
【表3】
【0037】実施例3 正常皮膚におけるオキセサゼイン軟膏の払拭後の鎮痛作
用持続時間を、市販の5%キシロカイン軟膏(リドカイ
ン軟膏)と比較した。 <試験方法>軟膏塗布前日にddY系雄性マウス(6週
齢)を電気バリカンと電気シェーバーを用いて剃毛し
た。このマウスの腹部を水で湿らせた脱脂綿で軽くふ
き、さらに乾いた脱脂綿で水分をふき取った。その後、
5%オキセサゼイン軟膏、5%キシロカイン軟膏又は軟
膏基剤を、マウス腹部の約2cm×2cmの範囲に、100
mg塗布した。塗布部を2.5cm×2.5cmの不織布で覆
い、この不織布を、両端にマジックテープを備えた弾力
包帯で固定した。1時間後、塗布した軟膏及び軟膏基剤
を、水で湿らせた脱脂綿でふき取り、さらに乾いた脱脂
綿で皮膚表面の水分をふき取った。マウスを2群にわ
け、各々1、4時間放置した。マウスをプラスチックケ
ージに入れて5分間馴化させた後、1%ホルマリン溶液
又は生理食塩液を各々50μLずつマウス腹部に、皮内
投与した。投与直後から投与30分後まで、各5分間毎
に投与部位をなめる又は噛む等の行動(疼痛反応)を示
した時間を測定した。 <評価方法>実施例1の評価方法と同様に薬効を評価し
た。 <結果>試験結果を表4及び5に示した。疼痛反応時間
は、生理食塩液投与群に対し、軟膏基剤塗布群は、有意
に延長した。これに対し、軟膏払拭後1時間放置した条
件下において、オキセサゼイン軟膏塗布群は、軟膏基剤
塗布群と比較して、0〜5分及び15〜25分の疼痛反
応時間が有意に短縮した(表4)。これに対し、キシロ
カイン軟膏塗布群は、軟膏基剤塗布群と比較して、15
〜25分の疼痛反応時間を有意に短縮したが、0〜5分
の疼痛反応時間は同程度であった。
【0038】
【表4】
【0039】軟膏払拭後4時間放置した条件下におい
て、オキセサゼイン軟膏塗布群は、軟膏基剤塗布群と比
較して、15〜25分の疼痛反応時間を有意に短縮した
(表5)。これに対し、キシロカイン軟膏塗布群は、軟
膏基剤塗布群と比較して、0〜5分及び15〜25分の
疼痛反応時間は同程度であった。同条件下において、オ
キセサゼイン軟膏塗布群はキシロカイン軟膏塗布群と比
較して、15〜25分の疼痛反応時間を有意に短縮し
た。
【0040】この結果から、オキセサゼイン軟膏はキシ
ロカイン軟膏より強い鎮痛作用を示し、さらにその鎮痛
作用は軟膏払拭後も長時間持続することが明らかとなっ
た。
【0041】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古田 素子 京都府京都市下京区中堂寺粟田町1番地 マルホ株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4C206 AA01 AA02 GA19 MA83 ZA03 ZA08 ZA20 ZA89

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】欠損皮膚を除く皮膚の表皮より内側の疼痛
    を治療するための、オキセサゼインを有効成分とする皮
    膚外用剤。
  2. 【請求項2】疼痛が神経に起因する疼痛である請求項1
    記載の皮膚外用剤。
  3. 【請求項3】神経に起因する疼痛が帯状ヘルペス痛であ
    る請求項2記載の皮膚外用剤。
  4. 【請求項4】神経に起因する疼痛が帯状ヘルペス後神経
    痛である請求項2記載の皮膚外用剤。
  5. 【請求項5】剤型が軟膏剤、クリーム剤、乳剤又はゲル
    剤のいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載の皮
    膚外用剤。
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CN106619591A (zh) * 2015-11-04 2017-05-10 中国科学院武汉病毒研究所 奥昔卡因在制备药物中的用途及药物组合物

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