JP2017122071A - ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制及び治癒促進のための経皮吸収製剤 - Google Patents
ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制及び治癒促進のための経皮吸収製剤 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】肥厚性瘢痕やケロイドの形成を抑制するとともに、既にこれらが形成された病変部の治癒を促進できる新規な経皮吸収製剤を提供すること。【解決手段】ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩を有効成分として含有する、ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤又はケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤。【選択図】図3
Description
本発明はケロイド・肥厚性瘢痕の形成抑制作用や治癒促進作用を有する経皮吸収製剤に関し、詳細には、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩を有効成分として含有するケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制/治癒促進経皮吸収製剤に関する。
肥厚性瘢痕やケロイドは、皮膚に生じた創傷が治癒する過程で、線維組織(線維芽細胞)の過剰増殖によって線維性の「瘢痕組織」とよばれる組織が形成され、いわばみみず腫れやしこり状になったものを指す。肥厚性瘢痕及びケロイドの病変部は非常に硬く、皮膚の伸縮性を著しく制限し、患部は痒みや痛みを伴うだけでなく、特に病変が関節部位に及ぶ場合は、関節可動域の制限等の機能的障害をも引き起こす。このため肥厚性瘢痕やケロイドの治療は、単なる整容的な観点だけではなく、自覚症状を軽減する観点や機能的観点からも重要である。
一方、経皮吸収製剤は、長時間にわたって有効成分の血中濃度を一定に維持することができる、肝臓での初回通過効果を回避できる、経口投与ができない患者にも容易に適用できるなどの種々の利点から、様々な薬物における投与形態の一つとして広く採用されている。
たとえばロキソプロフェン等の非ステロイド消炎鎮痛薬を有効成分として含有する経皮吸収製剤は、治療部位や治療目的に応じて、パップ剤(水系基材)やテープ剤(非水系基材)、ゲル製剤などが適宜選択され、適用されている。
但しロキソプロフェンをはじめとする非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)などは、その連続投与によって生体に顆粒球増多症をもたらすこと、そして顆粒球が過剰増多した場合、その不利益として創傷治癒を遷延させることが報告されている(非特許文献1 特に24頁2行〜4行、6〜8行:“A.サーカディアンリズムからみた創傷治癒”安保徹,23−31頁、創傷管理と治癒システム,金原出版株式会社,1998年)。さらに増殖後期にNSAIDsを使用すると、瘢痕形成に異常をきたすことが報告されている(非特許文献2 特にAbstract 6行〜7行:”Nonsteroidal Anti-Inflammatory Drugs for Wounds:Pain Relief or Excessive Scar Formation?”, Wen-Hsiang Su, et.al., Hindawai Publishing Corporation, Mediators of Inflammation Volume 2010, Article ID 413238, 8pages)。
たとえばロキソプロフェン等の非ステロイド消炎鎮痛薬を有効成分として含有する経皮吸収製剤は、治療部位や治療目的に応じて、パップ剤(水系基材)やテープ剤(非水系基材)、ゲル製剤などが適宜選択され、適用されている。
但しロキソプロフェンをはじめとする非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)などは、その連続投与によって生体に顆粒球増多症をもたらすこと、そして顆粒球が過剰増多した場合、その不利益として創傷治癒を遷延させることが報告されている(非特許文献1 特に24頁2行〜4行、6〜8行:“A.サーカディアンリズムからみた創傷治癒”安保徹,23−31頁、創傷管理と治癒システム,金原出版株式会社,1998年)。さらに増殖後期にNSAIDsを使用すると、瘢痕形成に異常をきたすことが報告されている(非特許文献2 特にAbstract 6行〜7行:”Nonsteroidal Anti-Inflammatory Drugs for Wounds:Pain Relief or Excessive Scar Formation?”, Wen-Hsiang Su, et.al., Hindawai Publishing Corporation, Mediators of Inflammation Volume 2010, Article ID 413238, 8pages)。
肥厚性瘢痕やケロイドの病因・病態は依然として十分な解明が為されておらず、これまでにも肥厚性瘢痕やケロイドの治療法として、圧迫固定療法、外科手術的療法、薬物療法などの種々の方法が提案されている(非特許文献3 特に3頁〜10頁:”Up-to-date approach to manage keloids and hypertrophic scars : A useful guide”, Anna I. Arno, et.al., Burns. 2014 November ; 40(7) : 1255-1266)。しかし、治療対象の肉体的・精神的負担を軽減し且つ治療効果の高い新たな治療方法がさらに望まれている。
本発明は、肥厚性瘢痕やケロイドの形成を抑制するとともに、既にこれらが形成された病変部の治癒を促進できる新規な経皮吸収製剤を提供することを課題とする。
本発明は、肥厚性瘢痕やケロイドの形成を抑制するとともに、既にこれらが形成された病変部の治癒を促進できる新規な経皮吸収製剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩を有効成分として含有する経皮吸収製剤を肥厚性瘢痕の肉芽組織形成モデルや、さらには肥厚性瘢痕患者の患部に適用したところ、これまで創傷の治癒
を遅延させるなどの報告があるにもかかわらず、驚くべきことに肥厚性瘢痕の形成抑制作用や治癒促進作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
を遅延させるなどの報告があるにもかかわらず、驚くべきことに肥厚性瘢痕の形成抑制作用や治癒促進作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩を有効成分として含有する、ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤に関する。
本発明の好ましい態様は、前記ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩が、ロキソプロフェンナトリウムである、前記ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、
前記経皮吸収製剤が、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び非水系粘着剤を含有する薬剤層とを備えるテープ剤である、前記ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、
前記経皮吸収製剤が、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び水溶性高分子を含有する膏体層とを備えるパップ剤である、前記ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、並びに、
前記経皮吸収製剤が、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び油性ゲル基剤又は水性ゲル基剤とを含有するゲル製剤である、前記ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、
に関する。
本発明の好ましい態様は、前記ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩が、ロキソプロフェンナトリウムである、前記ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、
前記経皮吸収製剤が、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び非水系粘着剤を含有する薬剤層とを備えるテープ剤である、前記ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、
前記経皮吸収製剤が、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び水溶性高分子を含有する膏体層とを備えるパップ剤である、前記ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、並びに、
前記経皮吸収製剤が、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び油性ゲル基剤又は水性ゲル基剤とを含有するゲル製剤である、前記ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、
に関する。
さらに本発明は、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩を有効成分として含有する、ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤にも関する。
本発明の好ましい態様は、
前記ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩が、ロキソプロフェンナトリウムである、前記ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤、
前記経皮吸収製剤が、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び非水系粘着剤を含有する薬剤層とを備えるテープ剤である、前記ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤、
前記経皮吸収製剤が、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び水溶性高分子を含有する膏体層とを備えるパップ剤である、前記ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤、並びに、
前記経皮吸収製剤が、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩と、油性ゲル基剤又は水性ゲル基剤とを含有するゲル製剤である、前記ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤、
に関する。
本発明の好ましい態様は、
前記ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩が、ロキソプロフェンナトリウムである、前記ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤、
前記経皮吸収製剤が、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び非水系粘着剤を含有する薬剤層とを備えるテープ剤である、前記ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤、
前記経皮吸収製剤が、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び水溶性高分子を含有する膏体層とを備えるパップ剤である、前記ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤、並びに、
前記経皮吸収製剤が、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩と、油性ゲル基剤又は水性ゲル基剤とを含有するゲル製剤である、前記ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤、
に関する。
本発明のケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤は、ケロイド・肥厚性瘢痕を引き起こし得る創傷部位に適用することにより、適用部位における赤み発生や硬度の増加を抑制し、ケロイド・肥厚性瘢痕の形成を抑制することができる。
また本発明のケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤は、ケロイド・肥厚性瘢痕の形成部位(患部)に適用することにより、ケロイド・瘢痕部の赤みを消失させ、これら患部における硬度を低下させ、さらに患部における痒みや疼痛を解消することができる。
また本発明のケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤は、ケロイド・肥厚性瘢痕の形成部位(患部)に適用することにより、ケロイド・瘢痕部の赤みを消失させ、これら患部における硬度を低下させ、さらに患部における痒みや疼痛を解消することができる。
[ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤]
本発明のケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤(以下、単に「経皮吸収製剤」ともいう)は、有効成分としてロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩を含有する製剤である。より具体的には、本発明の経皮吸収製剤は、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び非水系粘着剤を含有する薬剤層とを備えるテープ剤の形態、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び水溶性高分子を含有する膏体層とを備えるパップ剤の形態、或いは、、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び油性ゲル基剤又は水性ゲル基剤とを含有するゲル製剤の形態にて供される。
本発明のケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤(以下、単に「経皮吸収製剤」ともいう)は、有効成分としてロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩を含有する製剤である。より具体的には、本発明の経皮吸収製剤は、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び非水系粘着剤を含有する薬剤層とを備えるテープ剤の形態、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び水溶性高分子を含有する膏体層とを備えるパップ剤の形態、或いは、、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び油性ゲル基剤又は水性ゲル基剤とを含有するゲル製剤の形態にて供される。
<ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩>
本発明において、「ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩」の定義における「医学的に許容可能な塩」とは、ロキソプロフェンはその分子内にカルボキシル基を有するので、そのカルボキシル基に基づく陽イオンとの塩を意味する。そのような塩としては、好適にはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、のようなアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩;t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。更に好適には水溶性の塩であり、最も好適にはナトリウム塩である。
本発明において、「ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩」の定義における「医学的に許容可能な塩」とは、ロキソプロフェンはその分子内にカルボキシル基を有するので、そのカルボキシル基に基づく陽イオンとの塩を意味する。そのような塩としては、好適にはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、のようなアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩;t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。更に好適には水溶性の塩であり、最も好適にはナトリウム塩である。
更に、「ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩」は、大気中に放置したり、または再結晶をすることにより、水分または再結晶に用いた溶媒を吸収し、水和物または溶媒和物となる場合があり、そのような水和物および溶媒和物も本発明に包含される。
本発明において、経皮吸収製剤におけるロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩の配合量は、製剤化が可能であるかぎり特に限定はないが、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩を含有する層、すなわち、薬剤層(テープ剤)、膏体層(パップ剤)及びゲル製剤中に含まれる化合物(成分)全量を基準として、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが特に好ましい。有効成分が少なすぎると薬効作用が不十分であり、また多すぎても利点がないので経済的に不利である。
<テープ剤>
本発明の経皮吸収製剤は、上述したように、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び非水系粘着剤を含有する薬剤層とを備えるテー
プ剤の形態を採ることができる。
前記非水系粘着剤として用いることができる粘着剤としては、例えばゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。
また前記薬剤層は、さらに可塑剤、粘着付与剤、無機酸、皮膚透過促進剤および/または安定化剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤等の安定剤、さらに必要に応じて、充填剤、架橋剤、防腐剤等の、経皮吸収型テープ剤として慣用の成分を適宜配合することができる。
上記非水系粘着剤や、その他慣用の成分の配合量は、粘着性、皮膚への粘着性、薬剤(ロキソプロフェン)の皮膚透過性、皮膚刺激性等を考慮して適宜選択できる。
本発明の経皮吸収製剤は、上述したように、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び非水系粘着剤を含有する薬剤層とを備えるテー
プ剤の形態を採ることができる。
前記非水系粘着剤として用いることができる粘着剤としては、例えばゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。
また前記薬剤層は、さらに可塑剤、粘着付与剤、無機酸、皮膚透過促進剤および/または安定化剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤等の安定剤、さらに必要に応じて、充填剤、架橋剤、防腐剤等の、経皮吸収型テープ剤として慣用の成分を適宜配合することができる。
上記非水系粘着剤や、その他慣用の成分の配合量は、粘着性、皮膚への粘着性、薬剤(ロキソプロフェン)の皮膚透過性、皮膚刺激性等を考慮して適宜選択できる。
<パップ剤>
また本発明の経皮吸収製剤は、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び水溶性高分子を含有する膏体層とを備えるパップ剤の形態を採ることができる。
前記水溶性高分子としては、例えばポリアクリル酸;ポリアクリル酸ナトリウム;アクリル酸エステル共重合体およびそのエマルジョン;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体;アラビアゴム;ゼラチン;カゼイン;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体およびそのエマルジョン;寒天などの天然多糖類;等が挙げられる。
また前記膏体層には、さらに、溶剤、皮膚吸収助剤、架橋剤、保湿剤、粘着付与樹脂、界面活性剤、pH調節剤、充填剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、防腐剤等の経皮吸収型パップ剤として慣用の成分を適宜配合することができる。
上記水溶性高分子や、その他慣用の成分の配合量は、パップ剤自体の保型性、粘着性、皮膚への粘着性、薬剤(ロキソプロフェン)の皮膚透過性、皮膚刺激性等を考慮して適宜選択できる。
また本発明の経皮吸収製剤は、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び水溶性高分子を含有する膏体層とを備えるパップ剤の形態を採ることができる。
前記水溶性高分子としては、例えばポリアクリル酸;ポリアクリル酸ナトリウム;アクリル酸エステル共重合体およびそのエマルジョン;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体;アラビアゴム;ゼラチン;カゼイン;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体およびそのエマルジョン;寒天などの天然多糖類;等が挙げられる。
また前記膏体層には、さらに、溶剤、皮膚吸収助剤、架橋剤、保湿剤、粘着付与樹脂、界面活性剤、pH調節剤、充填剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、防腐剤等の経皮吸収型パップ剤として慣用の成分を適宜配合することができる。
上記水溶性高分子や、その他慣用の成分の配合量は、パップ剤自体の保型性、粘着性、皮膚への粘着性、薬剤(ロキソプロフェン)の皮膚透過性、皮膚刺激性等を考慮して適宜選択できる。
本発明の経皮吸収製剤がテープ剤又はパップ剤の形態にあるとき、上記の如く配合した薬剤層又は膏体層を支持体に展延・積層してなる。
該支持体は、薬剤層又は膏体層を支持し得るものであれば特に限定されず、伸縮性または非伸縮性の支持体を用いることができる。このような支持体としては、具体的には、布、不織布、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウムシート等、またはこれらの複合素材からなるものが挙げられる。
前記支持体の厚みは、経皮吸収製剤を貼付する際の作業性や経皮吸収製剤の製造工程における製造性を考慮し、例えば5〜1000μmの範囲内で適宜選択することができる。
また、本発明の経皮吸収製剤における薬剤層又は膏体層の厚みは特に制限されないが、薬剤(ロキソプロフェン)の皮膚透過性や、皮膚への付着性・追従性、粘着性を考慮し、例えば20〜200μmの範囲内で適宜選択することができる。
該支持体は、薬剤層又は膏体層を支持し得るものであれば特に限定されず、伸縮性または非伸縮性の支持体を用いることができる。このような支持体としては、具体的には、布、不織布、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウムシート等、またはこれらの複合素材からなるものが挙げられる。
前記支持体の厚みは、経皮吸収製剤を貼付する際の作業性や経皮吸収製剤の製造工程における製造性を考慮し、例えば5〜1000μmの範囲内で適宜選択することができる。
また、本発明の経皮吸収製剤における薬剤層又は膏体層の厚みは特に制限されないが、薬剤(ロキソプロフェン)の皮膚透過性や、皮膚への付着性・追従性、粘着性を考慮し、例えば20〜200μmの範囲内で適宜選択することができる。
また、本発明の経皮吸収製剤が薬剤層又は膏体層上に離型紙を備える場合、該離型紙は特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のフィルム、上質紙とポリオレフィンとのラミネートフィルム等を用いることができる。これらの剥離紙の薬剤層又は膏体層と接触する側の面にシリコーン処理を施すと、薬剤層又は膏体層から離型紙を剥離する際の作業容易性が高められるので好ましい。
本発明のケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、或いは、ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤として、市販のロキソプロフェン含有テープ剤を使用することができ、例えば、ロキソニン(登録商標)テープ50mg/ロキソニン(登録商標)テープ100mg(以上、リードケミカル(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「D
K」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「DK」(以上、大興製薬(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「EE」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「EE」(以上、エルメッドエーザイ(株)製、エーザイ(株)販売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「JG」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「JG」(以上、日本ジェネリック(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「KOG」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「KOG」(以上、救急薬品工業(株)製、興和(株)発売、興和創薬(株)販売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「NP」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「NP」(以上、ニプロパッチ(株)製、ニプロ(株)販売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「SN」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「SN」(以上、シオノケミカル(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「TS」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「TS」(以上、テイカ製薬(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「YD」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「YD」(以上、(株)陽進堂製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「タカタ」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「タカタ」(以上、高田製薬(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「トーワ」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「トーワ」(以上、東和薬品(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「ユートク」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「ユートク」(以上、祐徳薬品工業(株)製、久光製薬(株)発売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「ユートク」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「ユートク」(以上、祐徳薬品工業(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「ラクール」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「ラクール」(以上、東光薬品工業(株)製、ラクール薬品販売(株)発売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「杏林」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「杏林」(以上、キョーリンリメディオ(株)製、杏林製薬(株)販売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「科研」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「科研」(以上、帝國製薬(株)製、科研製薬(株)発売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「三友」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「三友」(以上、三友薬品(株)製、ラクール薬品販売(株)発売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「三和」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「三和」(以上、(株)三和化学研究所製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「日本臓器」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「日本臓器」(以上、日本臓器製薬(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「アメル」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「アメル」(以上、共和薬品工業(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「三笠」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「三笠」(以上、三笠製薬(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「FFP」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「FFP」(以上、富士フイルムファーマ(株)製)、ロキソプロフェンナトリウムテープ50mg「タイホウ」/ロキソプロフェンナトリウムテープ100mg「タイホウ」(以上、岡山大鵬薬品(株)製、大鵬薬品工業(株)販売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「日医工」/ロキソプロフェンナトリウムテープ100mg「日医工」(以上、日医工(株)製)、ロキソプロフェンナトリウムテープ50mg「ケミファ」/ロキソプロフェンナトリウムテープ100mg「ケミファ」(以上、日本ケミファ(株)製、日本薬品工業(株)販売)、ロキソプロフェンナトリウムテープ50mg「ケミファ」/ロキソプロフェンナトリウムテープ100mg「ケミファ」(以上、日本ケミファ(株)製)、ロキソプロフェンナトリウムテープ50mg「ファイザー」/ロキソプロフェンナトリウムテープ100mg「ファイザー」(以上、(株)大石膏盛堂製、ファイザー(株)販売)、を好適に用いることができる。
また本発明のケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、或いは、ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤として、市販のロキソプロフェン含有パップ剤を使用することができ、例えば、ロキソニン(登録商標)パップ100mg(リードケミカル(株)製)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「JG」(日本ジェネリック(株)製)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「KOG」(救急薬品工業(株)製、興和(株)発売、興和創薬(株)販売)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「NP」(ニプロパッ
チ(株)製、ニプロ(株)販売)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「YD」((株)陽進堂製)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「タカタ」(高田製薬(株)製)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「トーワ」(東和薬品(株)製)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「杏林」(キョーリンリメディオ(株)製、杏林製薬(株)販売)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「三和」((株)三和化学研究所製)、ロキソプロフェンNaパップ100mg/ロキソプロフェンNaパップ200mg「三笠」(三笠製薬(株)製)、ロキソプロフェンナトリウムパップ100mg「日医工」(日医工(株)製)、ロキソプロフェンナトリウムパップ100mg「ケミファ」(日本ケミファ(株)製)、ロキソプロフェンナトリウムパップ100mg「ファイザー」((株)大石膏盛堂製、ファイザー(株)販売)、を好適に用いることができる。
K」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「DK」(以上、大興製薬(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「EE」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「EE」(以上、エルメッドエーザイ(株)製、エーザイ(株)販売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「JG」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「JG」(以上、日本ジェネリック(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「KOG」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「KOG」(以上、救急薬品工業(株)製、興和(株)発売、興和創薬(株)販売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「NP」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「NP」(以上、ニプロパッチ(株)製、ニプロ(株)販売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「SN」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「SN」(以上、シオノケミカル(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「TS」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「TS」(以上、テイカ製薬(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「YD」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「YD」(以上、(株)陽進堂製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「タカタ」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「タカタ」(以上、高田製薬(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「トーワ」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「トーワ」(以上、東和薬品(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「ユートク」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「ユートク」(以上、祐徳薬品工業(株)製、久光製薬(株)発売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「ユートク」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「ユートク」(以上、祐徳薬品工業(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「ラクール」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「ラクール」(以上、東光薬品工業(株)製、ラクール薬品販売(株)発売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「杏林」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「杏林」(以上、キョーリンリメディオ(株)製、杏林製薬(株)販売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「科研」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「科研」(以上、帝國製薬(株)製、科研製薬(株)発売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「三友」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「三友」(以上、三友薬品(株)製、ラクール薬品販売(株)発売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「三和」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「三和」(以上、(株)三和化学研究所製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「日本臓器」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「日本臓器」(以上、日本臓器製薬(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「アメル」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「アメル」(以上、共和薬品工業(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「三笠」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「三笠」(以上、三笠製薬(株)製)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「FFP」/ロキソプロフェンNaテープ100mg「FFP」(以上、富士フイルムファーマ(株)製)、ロキソプロフェンナトリウムテープ50mg「タイホウ」/ロキソプロフェンナトリウムテープ100mg「タイホウ」(以上、岡山大鵬薬品(株)製、大鵬薬品工業(株)販売)、ロキソプロフェンNaテープ50mg「日医工」/ロキソプロフェンナトリウムテープ100mg「日医工」(以上、日医工(株)製)、ロキソプロフェンナトリウムテープ50mg「ケミファ」/ロキソプロフェンナトリウムテープ100mg「ケミファ」(以上、日本ケミファ(株)製、日本薬品工業(株)販売)、ロキソプロフェンナトリウムテープ50mg「ケミファ」/ロキソプロフェンナトリウムテープ100mg「ケミファ」(以上、日本ケミファ(株)製)、ロキソプロフェンナトリウムテープ50mg「ファイザー」/ロキソプロフェンナトリウムテープ100mg「ファイザー」(以上、(株)大石膏盛堂製、ファイザー(株)販売)、を好適に用いることができる。
また本発明のケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、或いは、ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤として、市販のロキソプロフェン含有パップ剤を使用することができ、例えば、ロキソニン(登録商標)パップ100mg(リードケミカル(株)製)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「JG」(日本ジェネリック(株)製)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「KOG」(救急薬品工業(株)製、興和(株)発売、興和創薬(株)販売)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「NP」(ニプロパッ
チ(株)製、ニプロ(株)販売)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「YD」((株)陽進堂製)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「タカタ」(高田製薬(株)製)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「トーワ」(東和薬品(株)製)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「杏林」(キョーリンリメディオ(株)製、杏林製薬(株)販売)、ロキソプロフェンNaパップ100mg「三和」((株)三和化学研究所製)、ロキソプロフェンNaパップ100mg/ロキソプロフェンNaパップ200mg「三笠」(三笠製薬(株)製)、ロキソプロフェンナトリウムパップ100mg「日医工」(日医工(株)製)、ロキソプロフェンナトリウムパップ100mg「ケミファ」(日本ケミファ(株)製)、ロキソプロフェンナトリウムパップ100mg「ファイザー」((株)大石膏盛堂製、ファイザー(株)販売)、を好適に用いることができる。
<ゲル製剤>
また本発明の経皮吸収製剤は、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び油性ゲル基剤又は水性ゲル基剤とを含有するゲル製剤の形態を採ることができる。
前記油性ゲル基材としては、例えばステアリン酸アルミニウム、脂肪酸デキストランエステル等が挙げられ、前記水性ゲル基剤としては、例えばカルボキシビニルポリマー、ベントナイト等を挙げることができる。
また前記ゲル製剤には、さらに、溶剤、溶解促進剤、皮膚吸収助剤、増粘剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、架橋剤、防腐剤等の経皮吸収型ゲル製剤として慣用の成分を適宜配合することができる。
本発明のケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、或いは、ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤として、市販のロキソプロフェン含有ゲル製剤を使用することができ、例えば、ロキソニン(登録商標)ゲル1%(第一三共(株)製)、ロキソプロフェンNaゲル1%「JG」(日本ジェネリック(株)製)、ロキソプロフェンNaゲル1%「NP」(ニプロパッチ(株)製、ニプロ(株)販売)、ロキソプロフェンNaゲル1%「ラクール」(三友薬品(株)製、ラクール薬品販売(株)発売)などを好適に用いることができる。
また本発明の経皮吸収製剤は、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び油性ゲル基剤又は水性ゲル基剤とを含有するゲル製剤の形態を採ることができる。
前記油性ゲル基材としては、例えばステアリン酸アルミニウム、脂肪酸デキストランエステル等が挙げられ、前記水性ゲル基剤としては、例えばカルボキシビニルポリマー、ベントナイト等を挙げることができる。
また前記ゲル製剤には、さらに、溶剤、溶解促進剤、皮膚吸収助剤、増粘剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、架橋剤、防腐剤等の経皮吸収型ゲル製剤として慣用の成分を適宜配合することができる。
本発明のケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤、或いは、ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤として、市販のロキソプロフェン含有ゲル製剤を使用することができ、例えば、ロキソニン(登録商標)ゲル1%(第一三共(株)製)、ロキソプロフェンNaゲル1%「JG」(日本ジェネリック(株)製)、ロキソプロフェンNaゲル1%「NP」(ニプロパッチ(株)製、ニプロ(株)販売)、ロキソプロフェンNaゲル1%「ラクール」(三友薬品(株)製、ラクール薬品販売(株)発売)などを好適に用いることができる。
[投与方法]
本発明の経皮吸収製剤を患部への適用方法(投与方法)としては、例えば以下のとおりである。
まず、肥厚性瘢痕の形成抑制を目的とする場合、手術した後、縫合創が閉塞してから本発明の経皮吸収製剤の患部(縫合創周辺)への適用を開始する。またケロイドの形成抑制を目的とする場合、患部(火傷部分)が完全に表皮化した後、本発明の経皮吸収製剤の適用を開始する。いずれの場合においても、患部より一回り大きな範囲に本発明の経皮吸収製剤を適用し、例えばテープ剤又はパップ剤の形態においては、該経皮吸収製剤を1日1回24時間貼付し、またゲル製剤の形態においては、該経皮吸収製剤を1日数回塗布し、その投与期間は患部の状態に応じて例えば6乃至12ヶ月程度とする。
またケロイド・肥厚性瘢痕の治癒促進を目的とする場合、患部(ケロイド・肥厚性瘢痕形成部)を洗浄したのち(例えば入浴後)、患部より一回り大きな範囲に本発明の経皮吸収製剤を適用する。該経皮吸収製剤は、例えばテープ剤又はパップ剤の形態においては1日1回24時間貼付し、またゲル製剤の形態においては該経皮吸収製剤を1日数回塗布し、その投与期間は患部の状態に応じて例えば6乃至12ヶ月とする。
本発明の経皮吸収製剤を患部への適用方法(投与方法)としては、例えば以下のとおりである。
まず、肥厚性瘢痕の形成抑制を目的とする場合、手術した後、縫合創が閉塞してから本発明の経皮吸収製剤の患部(縫合創周辺)への適用を開始する。またケロイドの形成抑制を目的とする場合、患部(火傷部分)が完全に表皮化した後、本発明の経皮吸収製剤の適用を開始する。いずれの場合においても、患部より一回り大きな範囲に本発明の経皮吸収製剤を適用し、例えばテープ剤又はパップ剤の形態においては、該経皮吸収製剤を1日1回24時間貼付し、またゲル製剤の形態においては、該経皮吸収製剤を1日数回塗布し、その投与期間は患部の状態に応じて例えば6乃至12ヶ月程度とする。
またケロイド・肥厚性瘢痕の治癒促進を目的とする場合、患部(ケロイド・肥厚性瘢痕形成部)を洗浄したのち(例えば入浴後)、患部より一回り大きな範囲に本発明の経皮吸収製剤を適用する。該経皮吸収製剤は、例えばテープ剤又はパップ剤の形態においては1日1回24時間貼付し、またゲル製剤の形態においては該経皮吸収製剤を1日数回塗布し、その投与期間は患部の状態に応じて例えば6乃至12ヶ月とする。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。また、以下、特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味するものとする。
[実施例1:動物モデルに対する効果]
1−1 肉芽組織形成モデルの作製
モデルの作製には11週齢の雄性ヘアレスラット(HWY/Slc)を用いた。ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg,i.p.)麻酔下で前記ラットの尾根部付近を小切開し、あらかじめ調製しておいた0.1%κ−カラゲニン(ユニメディカル(株))を200μL封入したミニ浸透圧ポンプ(Alzet(登録商標),Model 2004,Alza社)を、皮下を通して頸背部付近に挿入した。
挿入後、小切開部位を縫合して、覚醒するまで動物を保温した。動物が覚醒した後に個別ケージにて飼育した。ミニ浸透圧ポンプ挿入2、4、6、8、10及び12週間後に、ミニ浸透圧ポンプの周囲に形成した肉芽組織を摘出した。肉芽組織の周囲に付着する結合組織を除去したのち、肉芽組織からミニ浸透圧ポンプを取り除き、肉芽組織質量を測定した(n=8〜10、平均及び標準誤差を算出)。所定期間経過後の肉芽組織質量の変化を図1に示す。
図1に示すように、ミニ浸透圧ポンプ挿入後6週より経時的に肉芽組織重量が増加して10週でほぼプラトー(停滞状態)に達した。
1−1 肉芽組織形成モデルの作製
モデルの作製には11週齢の雄性ヘアレスラット(HWY/Slc)を用いた。ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg,i.p.)麻酔下で前記ラットの尾根部付近を小切開し、あらかじめ調製しておいた0.1%κ−カラゲニン(ユニメディカル(株))を200μL封入したミニ浸透圧ポンプ(Alzet(登録商標),Model 2004,Alza社)を、皮下を通して頸背部付近に挿入した。
挿入後、小切開部位を縫合して、覚醒するまで動物を保温した。動物が覚醒した後に個別ケージにて飼育した。ミニ浸透圧ポンプ挿入2、4、6、8、10及び12週間後に、ミニ浸透圧ポンプの周囲に形成した肉芽組織を摘出した。肉芽組織の周囲に付着する結合組織を除去したのち、肉芽組織からミニ浸透圧ポンプを取り除き、肉芽組織質量を測定した(n=8〜10、平均及び標準誤差を算出)。所定期間経過後の肉芽組織質量の変化を図1に示す。
図1に示すように、ミニ浸透圧ポンプ挿入後6週より経時的に肉芽組織重量が増加して10週でほぼプラトー(停滞状態)に達した。
1−2 肉芽組織形成モデルに対する効果
上記モデルを用いて、試験製剤の肉芽組織形成に対する効果を評価した。
なお試験製剤には、ロキソニンテープとしてリードケミカル(株)製 ロキソニン(登録商標)テープ(ロキソプロフェンナトリウム無水物として0.71mg/cm2含有、その他の添加物:ハッカ油、ポリソルベート80、酸化チタン、酒石酸、エデト酸ナトリウム水和物、グリセリン、カルメロースナトリウム、タルク、乾燥水酸化アルミニウムゲル、クロタミトン、ポリアクリル酸部分中和物、その他2成分含有)を使用し、プラセボテープとして前記ロキソニンテープにおいて有効成分であるロキソプロフェンナトリウム(水和物)を含まずに作製したテープ剤を用いた。
また群構成は、無処置群、プラセボテープ処理群及びロキソニンテープ処理群の3群とした。
モデル作製翌日より、ミニ浸透圧ポンプの真上の皮膚に試験製剤(4cm×4cm) を1枚貼付して、その上を伸縮性粘着テープ(エラストポア(登録商標)、ニチバン(株)製)で固定した。なお、無処置群には何も施さなかった。
試験製剤処理群(プラセボテープ処理群、ロキソニンテープ処理群)は、1日1回24時間貼付して、24時間経過後、新たな製剤に取替えて同様に24時間貼付し、これを10週間反復貼付した。ミニ浸透圧ポンプ挿入10週間後に、ミニ浸透圧ポンプの周囲に形成した肉芽組織を摘出した。肉芽組織の周囲に付着する結合組織を除去したのち、肉芽組織からミニ浸透圧ポンプを取り除き、肉芽組織質量を測定した(n=8〜10、平均及び標準誤差を算出)。得られた結果を図2に示す。
図2に示すように、ロキソニンテープ処理群では無処置群に対して有意な肉芽組織形成抑制作用を示し(*;p<0.05)、プラセボテープ処理群に対しても肉芽組織量における減少傾向を示した(p=0.0581)。
上記モデルを用いて、試験製剤の肉芽組織形成に対する効果を評価した。
なお試験製剤には、ロキソニンテープとしてリードケミカル(株)製 ロキソニン(登録商標)テープ(ロキソプロフェンナトリウム無水物として0.71mg/cm2含有、その他の添加物:ハッカ油、ポリソルベート80、酸化チタン、酒石酸、エデト酸ナトリウム水和物、グリセリン、カルメロースナトリウム、タルク、乾燥水酸化アルミニウムゲル、クロタミトン、ポリアクリル酸部分中和物、その他2成分含有)を使用し、プラセボテープとして前記ロキソニンテープにおいて有効成分であるロキソプロフェンナトリウム(水和物)を含まずに作製したテープ剤を用いた。
また群構成は、無処置群、プラセボテープ処理群及びロキソニンテープ処理群の3群とした。
モデル作製翌日より、ミニ浸透圧ポンプの真上の皮膚に試験製剤(4cm×4cm) を1枚貼付して、その上を伸縮性粘着テープ(エラストポア(登録商標)、ニチバン(株)製)で固定した。なお、無処置群には何も施さなかった。
試験製剤処理群(プラセボテープ処理群、ロキソニンテープ処理群)は、1日1回24時間貼付して、24時間経過後、新たな製剤に取替えて同様に24時間貼付し、これを10週間反復貼付した。ミニ浸透圧ポンプ挿入10週間後に、ミニ浸透圧ポンプの周囲に形成した肉芽組織を摘出した。肉芽組織の周囲に付着する結合組織を除去したのち、肉芽組織からミニ浸透圧ポンプを取り除き、肉芽組織質量を測定した(n=8〜10、平均及び標準誤差を算出)。得られた結果を図2に示す。
図2に示すように、ロキソニンテープ処理群では無処置群に対して有意な肉芽組織形成抑制作用を示し(*;p<0.05)、プラセボテープ処理群に対しても肉芽組織量における減少傾向を示した(p=0.0581)。
[参考例2:肥厚性瘢痕患者の皮膚硬度および皮膚色調の測定]
ケロイド・肥厚性瘢痕患者の患部皮膚(瘢痕皮膚)および正常皮膚のそれぞれについて、皮膚硬度および皮膚色調を測定した。
皮膚硬度測定は、携帯無線式粘弾性測定機Vesmeter(登録商標)E−100HB(Wave Cyber社)を用いて実施し、硬度、弾性、粘性係数、緩和時間、粘弾性率及び深度の各項目を測定した。
また皮膚色調測定には、分光測色計CM−700d(コニカミノルタ(株))を用い、L*値(明るさ)、a*値(赤み)及びb*値(黄色み)の各項目を測定した。
得られた結果、並びに正常皮膚及び瘢痕皮膚における各項目の値をt−検定にて比較した結果を表1及び表2に示す。
ケロイド・肥厚性瘢痕患者の患部皮膚(瘢痕皮膚)および正常皮膚のそれぞれについて、皮膚硬度および皮膚色調を測定した。
皮膚硬度測定は、携帯無線式粘弾性測定機Vesmeter(登録商標)E−100HB(Wave Cyber社)を用いて実施し、硬度、弾性、粘性係数、緩和時間、粘弾性率及び深度の各項目を測定した。
また皮膚色調測定には、分光測色計CM−700d(コニカミノルタ(株))を用い、L*値(明るさ)、a*値(赤み)及びb*値(黄色み)の各項目を測定した。
得られた結果、並びに正常皮膚及び瘢痕皮膚における各項目の値をt−検定にて比較した結果を表1及び表2に示す。
上記表1に示すように、皮膚硬度測定では、粘弾性率以外の測定項目で正常皮膚と瘢痕皮膚との間で有意な差が認められた。特に、硬度、弾性及び深度において顕著な差が認められた。一方、表2に示すように、皮膚色調測定では、いずれの測定項目において正常皮膚と瘢痕皮膚との間で有意な差が認められた。
[実施例2:肥厚性瘢痕患者に対する効果]
実施例1で試験製剤として用いたロキソニンテープを、後述する対象(2名)の肥厚性瘢痕患部の大きさに裁断して、1日1回夕方(入浴後または就寝前)に貼付した。貼付後、翌日の夕方(入浴前または就寝前)まで貼り続けて、入浴後または就寝前に貼り替えを行った。所定期間の経過毎に、瘢痕患部(瘢痕皮膚)並びに正常皮膚の硬度及び弾性を、携帯無線式粘弾性測定機Vesmeter(登録商標)E−100HB(Wave Cyber社)を用いて経時的に測定した。得られた結果を、試験開始前後の肥厚性瘢痕の写真とともに図3及び図4に示す。
また、試験開始前における瘢痕患部(皮膚)と正常皮膚の硬度又は弾性の差と、所定期間経過後における瘢痕患部(皮膚)と正常皮膚の硬度又は弾性の差をそれぞれ算出し、これらの値より、瘢痕患部における硬度又は弾性の改善率を算出した。得られた結果を下記の表3及び表4に示す。
実施例1で試験製剤として用いたロキソニンテープを、後述する対象(2名)の肥厚性瘢痕患部の大きさに裁断して、1日1回夕方(入浴後または就寝前)に貼付した。貼付後、翌日の夕方(入浴前または就寝前)まで貼り続けて、入浴後または就寝前に貼り替えを行った。所定期間の経過毎に、瘢痕患部(瘢痕皮膚)並びに正常皮膚の硬度及び弾性を、携帯無線式粘弾性測定機Vesmeter(登録商標)E−100HB(Wave Cyber社)を用いて経時的に測定した。得られた結果を、試験開始前後の肥厚性瘢痕の写真とともに図3及び図4に示す。
また、試験開始前における瘢痕患部(皮膚)と正常皮膚の硬度又は弾性の差と、所定期間経過後における瘢痕患部(皮膚)と正常皮膚の硬度又は弾性の差をそれぞれ算出し、これらの値より、瘢痕患部における硬度又は弾性の改善率を算出した。得られた結果を下記の表3及び表4に示す。
<対象1>
ロキソニンテープ貼付試験開始時55歳男性、貼付試験開始4年前に冠動脈バイパス術を実施、同3年前より手術部位である胸部に形成した肥厚性瘢痕を加療したが、依然肥厚性瘢痕を残していた。
<対象2>
ロキソニンテープ貼付試験開始時67歳女性、貼付試験開始6年前に胃がん手術を実施、同4年前より手術部位である腹部に形成した肥厚性瘢痕を加療したが、依然肥厚性瘢痕を残していた。
なお本臨床研究は、ヘルシンキ宣言の精神に基づくとともに「臨床研究に関する倫理指針(厚生労働省告示第415号、平成20年7月31日付)」およびその他関連法令通知等を遵守して実施した。また<対象1>においては39ヶ月間、<対象2>においては41ヶ月間、試験を実施した。
ロキソニンテープ貼付試験開始時55歳男性、貼付試験開始4年前に冠動脈バイパス術を実施、同3年前より手術部位である胸部に形成した肥厚性瘢痕を加療したが、依然肥厚性瘢痕を残していた。
<対象2>
ロキソニンテープ貼付試験開始時67歳女性、貼付試験開始6年前に胃がん手術を実施、同4年前より手術部位である腹部に形成した肥厚性瘢痕を加療したが、依然肥厚性瘢痕を残していた。
なお本臨床研究は、ヘルシンキ宣言の精神に基づくとともに「臨床研究に関する倫理指針(厚生労働省告示第415号、平成20年7月31日付)」およびその他関連法令通知等を遵守して実施した。また<対象1>においては39ヶ月間、<対象2>においては41ヶ月間、試験を実施した。
図3に示すように、<対象1>においては、本試験開始39ヶ月経過後において、皮膚の赤みがほぼ消褪し、平坦化した。また表3に示すように、39ヶ月経過後の改善率は、硬度が54.5%、弾性が86.0%であった。
また図4に示すように、<対象2>においては、本試験開始41ヶ月経過後において、皮膚の赤みがほぼ消褪し、平坦化した。また表4に示すように、41ヶ月経過後の改善率は、硬度が98.3%、弾性が39.4%であった。
また図4に示すように、<対象2>においては、本試験開始41ヶ月経過後において、皮膚の赤みがほぼ消褪し、平坦化した。また表4に示すように、41ヶ月経過後の改善率は、硬度が98.3%、弾性が39.4%であった。
また<対象1><対象2>のそれぞれに、瘢痕患部における自覚症状(疼痛・痒み)についてヒアリングしたところ、これら自覚症状が試験開始前と比べていずれも改善されたと評価した。
具体的には、<対象1>は、貼付開始前より瘢痕患部の皮膚がつっぱる感じがあり、また痛み・掻痒感(いずれも中等度)について訴えていたが、貼付開始5ヶ月後にはこうした自覚症状が緩和した。
また<対象2>は、貼付開始前より瘢痕患部の皮膚がかなり強く引張られる感じがあり、また掻痒感(中等度)よりも痛み(高度)を強く訴えていたが、貼付開始5ヶ月後には掻痒感は治まり、痛みも貼付開始12ヶ月後には完治したと評価した。
具体的には、<対象1>は、貼付開始前より瘢痕患部の皮膚がつっぱる感じがあり、また痛み・掻痒感(いずれも中等度)について訴えていたが、貼付開始5ヶ月後にはこうした自覚症状が緩和した。
また<対象2>は、貼付開始前より瘢痕患部の皮膚がかなり強く引張られる感じがあり、また掻痒感(中等度)よりも痛み(高度)を強く訴えていたが、貼付開始5ヶ月後には掻痒感は治まり、痛みも貼付開始12ヶ月後には完治したと評価した。
[実施例3:肥厚性瘢痕患者に対する効果(プラセボとの比較)]
実施例1で使用したロキソニンテープ(大きさ:14cm×10cm)、又は、プラセボテープ(大きさ:12cm×4cm)を、1日1回夕方(入浴後または就寝前)に後述する対象の肥厚性瘢痕患部に貼付して、翌日の夕方(入浴前または就寝前)まで貼り続けて、入浴後または就寝前に貼り替えを行った。
試験開始前と試験開始6ヶ月に、瘢痕患部(瘢痕皮膚)並びに正常皮膚の硬度及び弾性を携帯無線式粘弾性測定機Vesmeter(登録商標)E−100FB(Wave Cyber社)を用いて、瘢痕患部(瘢痕皮膚)並びに正常皮膚の色調(L*値(明るさ)及びa*値(赤み))を分光測色計CM−700d(コニカミノルタ社)を用いて、それぞれ測定した。
試験開始前の瘢痕患部(皮膚)と正常皮膚の各評価項目の差と、試験開始6ヶ月後の瘢痕皮膚と正常皮膚における各評価項目の差をそれぞれ算出し、これらの値より、瘢痕患部における各評価項目の改善率を算出し、改善率:10%以上を「改善」、改善率:−10%〜10%を「不変」、改善率:−10%以下を「悪化」として評価した。ロキソニンテープ処理群及びプラセボテープ処理群のそれぞれにおける各項目の評価結果を表5乃至表7に示す。
実施例1で使用したロキソニンテープ(大きさ:14cm×10cm)、又は、プラセボテープ(大きさ:12cm×4cm)を、1日1回夕方(入浴後または就寝前)に後述する対象の肥厚性瘢痕患部に貼付して、翌日の夕方(入浴前または就寝前)まで貼り続けて、入浴後または就寝前に貼り替えを行った。
試験開始前と試験開始6ヶ月に、瘢痕患部(瘢痕皮膚)並びに正常皮膚の硬度及び弾性を携帯無線式粘弾性測定機Vesmeter(登録商標)E−100FB(Wave Cyber社)を用いて、瘢痕患部(瘢痕皮膚)並びに正常皮膚の色調(L*値(明るさ)及びa*値(赤み))を分光測色計CM−700d(コニカミノルタ社)を用いて、それぞれ測定した。
試験開始前の瘢痕患部(皮膚)と正常皮膚の各評価項目の差と、試験開始6ヶ月後の瘢痕皮膚と正常皮膚における各評価項目の差をそれぞれ算出し、これらの値より、瘢痕患部における各評価項目の改善率を算出し、改善率:10%以上を「改善」、改善率:−10%〜10%を「不変」、改善率:−10%以下を「悪化」として評価した。ロキソニンテープ処理群及びプラセボテープ処理群のそれぞれにおける各項目の評価結果を表5乃至表7に示す。
<対象>
ロキソニンテープ処理群:男性5名、女性3名の計8名
プラセボテープ処理群 :男性1名、女性5名の計6名
なお本臨床研究は、ヘルシンキ宣言の精神に基づくとともに「臨床研究に関する倫理指針(厚生労働省告示第415号、平成20年7月31日付)」およびその他関連法令通知等を遵守して実施した。
ロキソニンテープ処理群:男性5名、女性3名の計8名
プラセボテープ処理群 :男性1名、女性5名の計6名
なお本臨床研究は、ヘルシンキ宣言の精神に基づくとともに「臨床研究に関する倫理指針(厚生労働省告示第415号、平成20年7月31日付)」およびその他関連法令通知等を遵守して実施した。
表5乃至表7に示すように、ロキソニンテープ処理群では、「改善」の評価は、硬度:5/8例、弾性:6/8例、明るさ:5/8例、赤み:4/8例であった。
一方、プラセボテープ処理群では、「改善」の評価は、硬度:2/6例、弾性:5/6例、明るさ:1/6例、赤み:1/6例であった。
すべての評価項目の数値を足し合わせてロキソニンテープ処理群とプラセボテープ処理群との間で効果の違いがあるのか、カイ二乗検定法にて検討した。その結果、ロキソニンテープ処理群とプラセボテープ処理群群との間に有意な差(χ2=6.0941,df=2,p<0.05)が認められた。
なお、ケロイド・肥厚性瘢痕の治療の一つにサージカルテープによる保存療法があり、本試験例においても、テープ剤を患部に貼付することで、皮膚の硬さすなわち「弾性」に関しては、プラセボテープ処理群とロキソニンテープ処理群ともに同程度に有効であるとみられる結果が確認された。
一方、プラセボテープ処理群では、「改善」の評価は、硬度:2/6例、弾性:5/6例、明るさ:1/6例、赤み:1/6例であった。
すべての評価項目の数値を足し合わせてロキソニンテープ処理群とプラセボテープ処理群との間で効果の違いがあるのか、カイ二乗検定法にて検討した。その結果、ロキソニンテープ処理群とプラセボテープ処理群群との間に有意な差(χ2=6.0941,df=2,p<0.05)が認められた。
なお、ケロイド・肥厚性瘢痕の治療の一つにサージカルテープによる保存療法があり、本試験例においても、テープ剤を患部に貼付することで、皮膚の硬さすなわち「弾性」に関しては、プラセボテープ処理群とロキソニンテープ処理群ともに同程度に有効であるとみられる結果が確認された。
また試験開始6ヶ月後、対象者に瘢痕患部における自覚症状(疼痛)についてヒアリングしたところ、これら自覚症状が試験開始前と比べて改善された(試験終了時点で疼痛が完全に消褪した)と評価した対象は、ロキソニンテープ処理群では6/8例、プラセボテープ処理群では、2/6例であった。同様に痒みについてヒアリングしたところ、これら自覚症状が試験開始前と比べて改善された(試験終了時点で痒みが完全に消褪した)と評価した対象は、ロキソニンテープ処理群では5/8例、プラセボテープ処理軍では4/6例であった。
"A.サーカディアンリズムからみた創傷治癒"安保徹,23−31頁、創傷管理と治癒システム,金原出版株式会社,1998年
"Nonsteroidal Anti-Inflammatory Drugs for Wounds:Pain Relief or Excessive Scar Formation?", Wen-Hsiang Su, et.al., Hindawai Publishing Corporation, Mediators of Inflammation Volume 2010, Article ID 413238, 8pages
"Up-to-date approach to manage keloids and hypertrophic scars : A useful guide", Anna I. Arno, et.al., Burns. 2014 November ; 40(7) : 1255-1266.
Claims (10)
- ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩を有効成分として含有する、ケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤。
- 前記ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩が、ロキソプロフェンナトリウムである、請求項1に記載のケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤。
- 前記経皮吸収製剤が、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び非水系粘着剤を含有する薬剤層とを備えるテープ剤である、請求項1又は請求項2に記載のケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤。
- 前記経皮吸収製剤が、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び水溶性高分子を含有する膏体層とを備えるパップ剤である、請求項1又は請求項2に記載のケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤。
- 前記経皮吸収製剤が、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び油性ゲル基剤又は水性ゲル基剤とを含有するゲル製剤である、請求項1又は請求項2に記載のケロイド・肥厚性瘢痕形成抑制経皮吸収製剤。
- ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩を有効成分として含有する、ケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤。
- 前記ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩が、ロキソプロフェンナトリウムである、請求項6に記載のケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤。
- 前記経皮吸収製剤が、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び非水系粘着剤を含有する薬剤層とを備えるテープ剤である、請求項6又は請求項7に記載のケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤。
- 前記経皮吸収製剤が、支持体とその上方に積層されたロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩及び水溶性高分子を含有する膏体層とを備えるパップ剤である、請求項6又は請求項7に記載のケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤。
- 前記経皮吸収製剤が、ロキソプロフェン又はその医学的に許容可能な塩と、油性ゲル基剤又は水性ゲル基剤とを含有するゲル製剤である、請求項6又は請求項7に記載のケロイド・肥厚性瘢痕治癒促進経皮吸収製剤。
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---|---|---|---|---|
CN108096228A (zh) * | 2018-01-31 | 2018-06-01 | 北京茗泽中和药物研究有限公司 | 洛索洛芬钠巴布剂 |
Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JP2013121933A (ja) * | 2011-12-12 | 2013-06-20 | Mikasa Seiyaku Co Ltd | ロキソプロフェンナトリウム含有テープ剤 |
WO2014002599A1 (ja) * | 2012-06-25 | 2014-01-03 | 興和株式会社 | 生薬等含有医薬組成物 |
-
2016
- 2016-01-08 JP JP2016002656A patent/JP2017122071A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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JP2013121933A (ja) * | 2011-12-12 | 2013-06-20 | Mikasa Seiyaku Co Ltd | ロキソプロフェンナトリウム含有テープ剤 |
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Title |
---|
日本形成外科学会総会・学術集会プログラム・抄録集, vol. 58, JPN6019038589, 2015, pages 293, ISSN: 0004246150 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108096228A (zh) * | 2018-01-31 | 2018-06-01 | 北京茗泽中和药物研究有限公司 | 洛索洛芬钠巴布剂 |
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