JP2002095553A - 流体ベッドの袋体 - Google Patents
流体ベッドの袋体Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 塩化ビニリデン又は塩化ビニルが積層されて
いない多層フィルムで作られた流体ベッドの袋体を提供
すること。 【解決手段】 ウレタン系のエラストマー5とポリエチ
レン3とをエチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマ
ー4で接着した三層フィルム2で流体ベッドの袋体1を
作ることにより、流体ベッドの袋体1として必要な、層
間接着力、「耐水透過性」、引張強度、溶着強度につい
て、層間接着力は三層フィルム2に対する熱処理で確保
し、「耐水透過性」はポリエチレン3の厚みで確保し、
引張強度はウレタン系のエラストマー5の厚みで確保
し、溶着強度はウレタン系のエラストマー5の面同士で
の高周波溶着で確保する。
いない多層フィルムで作られた流体ベッドの袋体を提供
すること。 【解決手段】 ウレタン系のエラストマー5とポリエチ
レン3とをエチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマ
ー4で接着した三層フィルム2で流体ベッドの袋体1を
作ることにより、流体ベッドの袋体1として必要な、層
間接着力、「耐水透過性」、引張強度、溶着強度につい
て、層間接着力は三層フィルム2に対する熱処理で確保
し、「耐水透過性」はポリエチレン3の厚みで確保し、
引張強度はウレタン系のエラストマー5の厚みで確保
し、溶着強度はウレタン系のエラストマー5の面同士で
の高周波溶着で確保する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層フィルムで作
られた流体ベッドの袋体に関する。
られた流体ベッドの袋体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、図9に示すように、流体
ベッドの流体マットレス100の中には、発泡弾性体1
01において、流体ベッドの袋体102が嵌装されてい
る。そして、流体ベッドの袋体102は、図10に示す
ように、多層フィルム103で作られた袋状のものであ
り、そこに封入された充填物が透過することを防ぐため
に(以下、「耐水透過性」という)、多層フィルム10
3として、塩化ビニリデン又は塩化ビニルが積層された
ものを使用することが多い。
ベッドの流体マットレス100の中には、発泡弾性体1
01において、流体ベッドの袋体102が嵌装されてい
る。そして、流体ベッドの袋体102は、図10に示す
ように、多層フィルム103で作られた袋状のものであ
り、そこに封入された充填物が透過することを防ぐため
に(以下、「耐水透過性」という)、多層フィルム10
3として、塩化ビニリデン又は塩化ビニルが積層された
ものを使用することが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塩化ビ
ニリデン又は塩化ビニルが積層された多層フィルム10
3は、廃棄焼却すると、塩酸ガスが発生するので、近年
の環境保護の観点から、塩化ビニリデン又は塩化ビニル
が積層されていない多層フィルム103の代替品が求め
られようになってきた。
ニリデン又は塩化ビニルが積層された多層フィルム10
3は、廃棄焼却すると、塩酸ガスが発生するので、近年
の環境保護の観点から、塩化ビニリデン又は塩化ビニル
が積層されていない多層フィルム103の代替品が求め
られようになってきた。
【0004】そこで、例えば、特開平8−230119
号に記載されたポリウレタン系多層フィルムを使用する
ことが考えられるが、塩化ビニリデン又は塩化ビニルは
積層されていないものの、流体ベッドの袋体102とし
て必要な層間接着力が不十分なものであった。
号に記載されたポリウレタン系多層フィルムを使用する
ことが考えられるが、塩化ビニリデン又は塩化ビニルは
積層されていないものの、流体ベッドの袋体102とし
て必要な層間接着力が不十分なものであった。
【0005】また、特表平9−502672号に記載さ
れた多層ハロゲン無含有遮断フィルムを使用することも
考えられるが、これも、塩化ビニリデン又は塩化ビニル
は積層されていないものの、流体ベッドの袋体102と
して必要な「耐水透過性」が不十分なものであった。
れた多層ハロゲン無含有遮断フィルムを使用することも
考えられるが、これも、塩化ビニリデン又は塩化ビニル
は積層されていないものの、流体ベッドの袋体102と
して必要な「耐水透過性」が不十分なものであった。
【0006】すなわち、従来の技術においては、塩化ビ
ニリデン又は塩化ビニルが積層されていない多層フィル
ム103の代替品として考えられるものは、流体ベッド
の袋体102として必要な、層間接着力、「耐水透過
性」、引張強度、溶着強度のうち、少なくとも、いずれ
か一つが不十分なものであった。
ニリデン又は塩化ビニルが積層されていない多層フィル
ム103の代替品として考えられるものは、流体ベッド
の袋体102として必要な、層間接着力、「耐水透過
性」、引張強度、溶着強度のうち、少なくとも、いずれ
か一つが不十分なものであった。
【0007】そこで、本発明は、上述した問題点を解決
するためになされたものであり、塩化ビニリデン又は塩
化ビニルが積層されていない多層フィルムで作られた流
体ベッドの袋体を提供することを課題とする。
するためになされたものであり、塩化ビニリデン又は塩
化ビニルが積層されていない多層フィルムで作られた流
体ベッドの袋体を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に成された請求項1に係る発明は、ウレタン系のエラス
トマーとポリエチレンとをエチレン−アクリル酸の二成
分系のコポリマーで接着して三層フィルムとし、前記三
層フィルムを前記エラストマーの面同士で高周波溶着す
ることにより作られる流体ベッドの袋体であって、前記
三層フィルムは、前記ポリエチレンと前記コポリマーと
をインフレーション法で二層フィルムとし、前記二層フ
ィルムに前記エラストマーをラミネートした後に、11
5℃から124℃の範囲で高温放置の熱処理がなされた
ものであること、を特徴としている。
に成された請求項1に係る発明は、ウレタン系のエラス
トマーとポリエチレンとをエチレン−アクリル酸の二成
分系のコポリマーで接着して三層フィルムとし、前記三
層フィルムを前記エラストマーの面同士で高周波溶着す
ることにより作られる流体ベッドの袋体であって、前記
三層フィルムは、前記ポリエチレンと前記コポリマーと
をインフレーション法で二層フィルムとし、前記二層フ
ィルムに前記エラストマーをラミネートした後に、11
5℃から124℃の範囲で高温放置の熱処理がなされた
ものであること、を特徴としている。
【0009】また、請求項2に係る発明は、ウレタン系
のエラストマーとポリエチレンとをエチレン−アクリル
酸の二成分系のコポリマーで接着して三層フィルムと
し、前記三層フィルムを前記エラストマーの面同士で高
周波溶着することにより作られる流体ベッドの袋体であ
って、前記三層フィルムは、多層押し出しされたもので
あること、を特徴としている。
のエラストマーとポリエチレンとをエチレン−アクリル
酸の二成分系のコポリマーで接着して三層フィルムと
し、前記三層フィルムを前記エラストマーの面同士で高
周波溶着することにより作られる流体ベッドの袋体であ
って、前記三層フィルムは、多層押し出しされたもので
あること、を特徴としている。
【0010】すなわち、本発明の流体ベッドの袋体で
は、ウレタン系のエラストマーとポリエチレンとをエチ
レン−アクリル酸の二成分系のコポリマーで接着した三
層フィルムを使用しており、流体ベッドの袋体として必
要な、層間接着力、「耐水透過性」、引張強度、溶着強
度について、層間接着力は熱処理又は多層押し出しによ
り確保し、「耐水透過性」はポリエチレンの厚みで確保
し、引張強度はウレタン系のエラストマーの厚みで確保
し、溶着強度はウレタン系のエラストマーの面同士での
高周波溶着で確保することができるので、塩化ビニリデ
ン又は塩化ビニルが積層されていない多層フィルムで作
られた流体ベッドの袋体の製品として成立するものであ
る。
は、ウレタン系のエラストマーとポリエチレンとをエチ
レン−アクリル酸の二成分系のコポリマーで接着した三
層フィルムを使用しており、流体ベッドの袋体として必
要な、層間接着力、「耐水透過性」、引張強度、溶着強
度について、層間接着力は熱処理又は多層押し出しによ
り確保し、「耐水透過性」はポリエチレンの厚みで確保
し、引張強度はウレタン系のエラストマーの厚みで確保
し、溶着強度はウレタン系のエラストマーの面同士での
高周波溶着で確保することができるので、塩化ビニリデ
ン又は塩化ビニルが積層されていない多層フィルムで作
られた流体ベッドの袋体の製品として成立するものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照にして説明する。図1に、本実施の形態の流体ベ
ッドの袋体の断面図を示す。図1に示すように、本実施
の形態の流体ベッドの袋体1は、ポリエチレン3、エチ
レン−アクリル酸の二成分系のコポリマー4、ウレタン
系のエラストマー5の順に積層された三層フィルム2
を、ポリエチレン3の面を表皮側にウレタン系のエラス
トマー5の面を内部側にして、袋状に作られたものであ
る。
を参照にして説明する。図1に、本実施の形態の流体ベ
ッドの袋体の断面図を示す。図1に示すように、本実施
の形態の流体ベッドの袋体1は、ポリエチレン3、エチ
レン−アクリル酸の二成分系のコポリマー4、ウレタン
系のエラストマー5の順に積層された三層フィルム2
を、ポリエチレン3の面を表皮側にウレタン系のエラス
トマー5の面を内部側にして、袋状に作られたものであ
る。
【0012】この点、三層フィルム2は、流体ベッドの
袋体1として必要な、層間接着力、「耐水透過性」、引
張強度をそれぞれ十分に満たすように製造されたものを
使用している。そこで、ここでは、三層フィルム2の製
造工程について説明する。
袋体1として必要な、層間接着力、「耐水透過性」、引
張強度をそれぞれ十分に満たすように製造されたものを
使用している。そこで、ここでは、三層フィルム2の製
造工程について説明する。
【0013】尚、本実施の形態では、ポリエチレン3と
しては、日本ポリケム株式会社製の「カーネルKF27
1」の直鎖状で低密度のものを使用している。また、エ
チレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー4として
は、日本ポリケム株式会社製の「ユカロンEAA−A2
01K」を使用している。さらに、ウレタン系のエラス
トマー5としては、GF Goodrich社製の「タ
フレタン393SP10」を使用している。
しては、日本ポリケム株式会社製の「カーネルKF27
1」の直鎖状で低密度のものを使用している。また、エ
チレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー4として
は、日本ポリケム株式会社製の「ユカロンEAA−A2
01K」を使用している。さらに、ウレタン系のエラス
トマー5としては、GF Goodrich社製の「タ
フレタン393SP10」を使用している。
【0014】三層フィルム2を製造するには、先ず、ポ
リエチレン3と、エチレン−アクリル酸の二成分系のコ
ポリマー4とを、インフレーション法で二層フィルム6
とする。図5は、インフレーション法で二層フィルム6
を製造するインフレーション装置の概要図である。図5
のインフレーション装置11においては、一つのダイ1
2に対して、ポリエチレン3を押し出す押出機13A
と、エチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー4を
押し出す押出機13Bとが連結されている。そして、ダ
イ12には、図6に示すように、空気が吹き出す流路2
1と、エチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー4
が押し出されるスリット22と、ポリエチレン3が押し
出されるスリット23が形成されている。
リエチレン3と、エチレン−アクリル酸の二成分系のコ
ポリマー4とを、インフレーション法で二層フィルム6
とする。図5は、インフレーション法で二層フィルム6
を製造するインフレーション装置の概要図である。図5
のインフレーション装置11においては、一つのダイ1
2に対して、ポリエチレン3を押し出す押出機13A
と、エチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー4を
押し出す押出機13Bとが連結されている。そして、ダ
イ12には、図6に示すように、空気が吹き出す流路2
1と、エチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー4
が押し出されるスリット22と、ポリエチレン3が押し
出されるスリット23が形成されている。
【0015】従って、図5のインフレーション装置11
において、押出機13Aでポリエチレン3をダイ12に
押し出すと同時に、押出機13Bでエチレン−アクリル
酸の二成分系のコポリマー4を押し出すと、筒状の二層
フィルム6がダイ12から押し出されてくる。そして、
筒状の二層フィルム6は、空冷リング14、安定板1
5、ピンチロール16、17を介した後、フィルム状に
切り開かれて、巻取ロール18に巻き取られる。
において、押出機13Aでポリエチレン3をダイ12に
押し出すと同時に、押出機13Bでエチレン−アクリル
酸の二成分系のコポリマー4を押し出すと、筒状の二層
フィルム6がダイ12から押し出されてくる。そして、
筒状の二層フィルム6は、空冷リング14、安定板1
5、ピンチロール16、17を介した後、フィルム状に
切り開かれて、巻取ロール18に巻き取られる。
【0016】このとき、巻取ロール18に巻き取られた
二層フィルム6においては、ポリエチレン3の厚みが1
10μm、エチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマ
ー4の厚みが40μmにある。ポリエチレン3の厚みを
110μmとする理由としては、ポリエチレン3の厚み
と水蒸気透過性が図8に示す関係にあることを考慮し
て、ポリエチレン3の水蒸気透過性を1.3g/m2・
day以下にするためである。一方、エチレン−アクリ
ル酸の二成分系のコポリマー4の厚みを40μmとする
理由としては、その厚みは薄ければ薄いほど好ましいの
であるが、流体ベッドの袋体1として、安定した厚みを
得るためである。
二層フィルム6においては、ポリエチレン3の厚みが1
10μm、エチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマ
ー4の厚みが40μmにある。ポリエチレン3の厚みを
110μmとする理由としては、ポリエチレン3の厚み
と水蒸気透過性が図8に示す関係にあることを考慮し
て、ポリエチレン3の水蒸気透過性を1.3g/m2・
day以下にするためである。一方、エチレン−アクリ
ル酸の二成分系のコポリマー4の厚みを40μmとする
理由としては、その厚みは薄ければ薄いほど好ましいの
であるが、流体ベッドの袋体1として、安定した厚みを
得るためである。
【0017】尚、ポリエチレン3の水蒸気透過性につい
ては、温度が40℃で相対湿度が10%以下のドライ空
間と、温度が40℃で相対湿度が100%のウエット空
間とを、サンプルフィルムで区切り、ドライ空間に相対
湿度8%以下の空気を送るとともにドライ空間を外気と
遮断した後、ドライ空間の相対湿度が9%から11%に
なるまでの時間を測定することにより、求めたものであ
る。また、後述する流体ベッドの袋体1の水蒸気透過性
についても、同様して求められる。
ては、温度が40℃で相対湿度が10%以下のドライ空
間と、温度が40℃で相対湿度が100%のウエット空
間とを、サンプルフィルムで区切り、ドライ空間に相対
湿度8%以下の空気を送るとともにドライ空間を外気と
遮断した後、ドライ空間の相対湿度が9%から11%に
なるまでの時間を測定することにより、求めたものであ
る。また、後述する流体ベッドの袋体1の水蒸気透過性
についても、同様して求められる。
【0018】次に、巻取ロール18に巻き取られた二層
フィルム6は、ウレタン系のエラストマー5をラミネー
トされて、三層フィルム2とする。図7は、二層フィル
ム6にウレタン系のエラストマー5をラミネートするラ
ミネート装置の概要図である。図7のラミネート装置3
1においては、押出機32でフィルム状に押し出された
ウレタン系のエラストマー5に対し、ロール33で送ら
れた二層フィルム6を重ね合わせた後、一対のロール3
4で圧接させることにより、三層フィルム2とし、ロー
ル35、36で送りながら、巻取ロール37に巻き取ら
せている。
フィルム6は、ウレタン系のエラストマー5をラミネー
トされて、三層フィルム2とする。図7は、二層フィル
ム6にウレタン系のエラストマー5をラミネートするラ
ミネート装置の概要図である。図7のラミネート装置3
1においては、押出機32でフィルム状に押し出された
ウレタン系のエラストマー5に対し、ロール33で送ら
れた二層フィルム6を重ね合わせた後、一対のロール3
4で圧接させることにより、三層フィルム2とし、ロー
ル35、36で送りながら、巻取ロール37に巻き取ら
せている。
【0019】このとき、巻取ロール37に巻き取られた
三層フィルム2においては、ウレタン系のエラストマー
5の厚みが350±10μmにある。ウレタン系のエラ
ストマー5の厚みを350±10μmにする理由として
は、三層フィルム2の1cm幅あたりの引張強度を20
0±10Nにするためである。
三層フィルム2においては、ウレタン系のエラストマー
5の厚みが350±10μmにある。ウレタン系のエラ
ストマー5の厚みを350±10μmにする理由として
は、三層フィルム2の1cm幅あたりの引張強度を20
0±10Nにするためである。
【0020】そして、巻取ロール37に巻き取られた三
層フィルム2は、巻取ロール37に巻き取られた状態
で、図示しない高温槽に配置され、120±2℃で24
時間の高温放置がなされる。このような熱処理を行う理
由としては、三層フィルム2は、図7のラミネート装置
31の巻取ロール37に巻き取られた段階では、ほとん
どくっついていないため、一定の条件の熱をかけること
により、層間接着力を確保するためである。
層フィルム2は、巻取ロール37に巻き取られた状態
で、図示しない高温槽に配置され、120±2℃で24
時間の高温放置がなされる。このような熱処理を行う理
由としては、三層フィルム2は、図7のラミネート装置
31の巻取ロール37に巻き取られた段階では、ほとん
どくっついていないため、一定の条件の熱をかけること
により、層間接着力を確保するためである。
【0021】一定の条件として、120±2℃で24時
間の高温放置としたのは、三層フィルム2の層間接着力
が図2に示す関係にあるため、三層フィルム2の1cm
幅あたりの層間接着力を5N以上にするためである。も
っとも、三層フィルム2の1cm幅あたりの層間接着力
を5N以上にするために、高温放置する際の温度は、1
15℃〜124℃の範囲に設定すればよい。なぜなら、
三層フィルム2を構成するポリエチレン3(PE)、エ
チレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー4、ウレタ
ン系のエラストマー5(TPU)のそれぞれのビカット
軟化点と融点は、図4の表に示すとおりであり、それら
の大小関係は図3に示すようになるので、ポリエチレン
3(PE)やウレタン系のエラストマー5(TPU)を
変質させることなく、エチレン−アクリル酸の二成分系
のコポリマー4の接着力を十分に発揮させるには、図3
により、115℃〜124℃の温度範囲Sにあればよい
からである。
間の高温放置としたのは、三層フィルム2の層間接着力
が図2に示す関係にあるため、三層フィルム2の1cm
幅あたりの層間接着力を5N以上にするためである。も
っとも、三層フィルム2の1cm幅あたりの層間接着力
を5N以上にするために、高温放置する際の温度は、1
15℃〜124℃の範囲に設定すればよい。なぜなら、
三層フィルム2を構成するポリエチレン3(PE)、エ
チレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー4、ウレタ
ン系のエラストマー5(TPU)のそれぞれのビカット
軟化点と融点は、図4の表に示すとおりであり、それら
の大小関係は図3に示すようになるので、ポリエチレン
3(PE)やウレタン系のエラストマー5(TPU)を
変質させることなく、エチレン−アクリル酸の二成分系
のコポリマー4の接着力を十分に発揮させるには、図3
により、115℃〜124℃の温度範囲Sにあればよい
からである。
【0022】但し、本実施の形態においては、高温放置
による熱処理時間を短くするために、115℃〜124
℃の温度範囲Sのうち、比較的高温の120±2℃に設
定している。
による熱処理時間を短くするために、115℃〜124
℃の温度範囲Sのうち、比較的高温の120±2℃に設
定している。
【0023】そして、120±2℃で24時間の高温放
置の熱処理がなされた三層フィルム2は、裁断された
後、図1に示すように、ウレタン系のエラストマー5の
面同士を重ね合わせ、重ね合わせた部分Rを高周波溶着
することにより、袋状にされる。最後に、袋状にされた
三層フィルム2は、その外周をトリミングされて、流体
ベッドの袋体1となる。
置の熱処理がなされた三層フィルム2は、裁断された
後、図1に示すように、ウレタン系のエラストマー5の
面同士を重ね合わせ、重ね合わせた部分Rを高周波溶着
することにより、袋状にされる。最後に、袋状にされた
三層フィルム2は、その外周をトリミングされて、流体
ベッドの袋体1となる。
【0024】以上詳細に説明したように、本実施の形態
の流体ベッドの袋体1では、ウレタン系のエラストマー
5とポリエチレン3とをエチレン−アクリル酸の二成分
系のコポリマー4で接着した三層フィルム2を使用して
作られており、その三層フィルム2は、塩化ビニリデン
又は塩化ビニルが積層されていない多層フィルムであ
る。そして、流体ベッドの袋体1として必要な、層間接
着力、「耐水透過性」、引張強度、溶着強度について
は、以下のようにして確保している。
の流体ベッドの袋体1では、ウレタン系のエラストマー
5とポリエチレン3とをエチレン−アクリル酸の二成分
系のコポリマー4で接着した三層フィルム2を使用して
作られており、その三層フィルム2は、塩化ビニリデン
又は塩化ビニルが積層されていない多層フィルムであ
る。そして、流体ベッドの袋体1として必要な、層間接
着力、「耐水透過性」、引張強度、溶着強度について
は、以下のようにして確保している。
【0025】すなわち、三層フィルム2を120±2℃
で24時間の高温放置の熱処理を行って、三層フィルム
2の1cm幅あたりの層間接着力を5N以上とすること
により、流体ベッドの袋体1として必要な層間接着力と
して、1cm幅あたり5N以上の数値を確保している。
また、ポリエチレン3の厚みを110μmとして、ポリ
エチレン3の水蒸気透過性を1.3g/m2・day以
下にすることにより、流体ベッドの袋体1の水蒸気透過
性を1.5g/m2・day以下にし、流体ベッドの袋
体1として必要な「耐水透過性」を確保している。
で24時間の高温放置の熱処理を行って、三層フィルム
2の1cm幅あたりの層間接着力を5N以上とすること
により、流体ベッドの袋体1として必要な層間接着力と
して、1cm幅あたり5N以上の数値を確保している。
また、ポリエチレン3の厚みを110μmとして、ポリ
エチレン3の水蒸気透過性を1.3g/m2・day以
下にすることにより、流体ベッドの袋体1の水蒸気透過
性を1.5g/m2・day以下にし、流体ベッドの袋
体1として必要な「耐水透過性」を確保している。
【0026】また、ウレタン系のエラストマー5の厚み
を350±10μmとして、三層フィルム2の1cm幅
あたりの引張強度を200±10Nにすることにより、
流体ベッドの袋体1として必要な引張強度として、1c
m幅あたり180N以上の数値を確保している。また、
三層フィルム2をウレタン系のエラストマー5の面同士
で高周波溶着することにより、流体ベッドの袋体1とし
て必要な溶着強度として、1cm幅あたり50N以上の
数値を確保している。
を350±10μmとして、三層フィルム2の1cm幅
あたりの引張強度を200±10Nにすることにより、
流体ベッドの袋体1として必要な引張強度として、1c
m幅あたり180N以上の数値を確保している。また、
三層フィルム2をウレタン系のエラストマー5の面同士
で高周波溶着することにより、流体ベッドの袋体1とし
て必要な溶着強度として、1cm幅あたり50N以上の
数値を確保している。
【0027】従って、流体ベッドの袋体1として必要
な、層間接着力、「耐水透過性」、引張強度、溶着強度
を確保することができるので、塩化ビニリデン又は塩化
ビニルが積層されていない多層フィルムで作られた流体
ベッドの袋体1の製品として成立するものである。
な、層間接着力、「耐水透過性」、引張強度、溶着強度
を確保することができるので、塩化ビニリデン又は塩化
ビニルが積層されていない多層フィルムで作られた流体
ベッドの袋体1の製品として成立するものである。
【0028】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が
可能である。例えば、本実施の形態において、三層フィ
ルム2を120±2℃で24時間の高温放置の熱処理を
行ったのは、、流体ベッドの袋体1として必要な層間接
着力として、1cm幅あたり5N以上の数値を確保する
ためであるので、流体ベッドの袋体1として必要な層間
接着力が変更されれば、図2に示す関係上、高温放置の
熱処理時間も24時間から変更されることがある。
ものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が
可能である。例えば、本実施の形態において、三層フィ
ルム2を120±2℃で24時間の高温放置の熱処理を
行ったのは、、流体ベッドの袋体1として必要な層間接
着力として、1cm幅あたり5N以上の数値を確保する
ためであるので、流体ベッドの袋体1として必要な層間
接着力が変更されれば、図2に示す関係上、高温放置の
熱処理時間も24時間から変更されることがある。
【0029】また、ポリエチレン3の厚みを110μm
としたのは、流体ベッドの袋体1として必要な「耐水透
過性」を確保する目安として、流体ベッドの袋体1の水
蒸気透過性を1.5g/m2・day以下にするためで
あるので、流体ベッドの袋体1として必要な「耐水透過
性」が変更されれば、図8に示す関係上、ポリエチレン
3の厚みも110μmから変更されることがある。
としたのは、流体ベッドの袋体1として必要な「耐水透
過性」を確保する目安として、流体ベッドの袋体1の水
蒸気透過性を1.5g/m2・day以下にするためで
あるので、流体ベッドの袋体1として必要な「耐水透過
性」が変更されれば、図8に示す関係上、ポリエチレン
3の厚みも110μmから変更されることがある。
【0030】また、ウレタン系のエラストマー5の厚み
を350±10μmとしたのは、流体ベッドの袋体1と
して必要な引張強度として、1cm幅あたり180N以
上の数値を確保するためであるので、流体ベッドの袋体
1として必要な引張強度が変更されれば、ウレタン系の
エラストマー5の厚みも350±10μmから変更され
ることがある。
を350±10μmとしたのは、流体ベッドの袋体1と
して必要な引張強度として、1cm幅あたり180N以
上の数値を確保するためであるので、流体ベッドの袋体
1として必要な引張強度が変更されれば、ウレタン系の
エラストマー5の厚みも350±10μmから変更され
ることがある。
【0031】また、本実施の形態においては、ポリエチ
レン3とエチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー
4とをインフレーション法で二層フィルム6とし、その
二層フィルム6にウレタン系のエラストマー5をラミネ
ートすることにより作られた三層フィルム2に対して、
高温放置の熱処理を行っているが、多層押し出しするこ
とにより作られた三層フィルム2を使う場合には、高温
放置の熱処理は不要である。
レン3とエチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー
4とをインフレーション法で二層フィルム6とし、その
二層フィルム6にウレタン系のエラストマー5をラミネ
ートすることにより作られた三層フィルム2に対して、
高温放置の熱処理を行っているが、多層押し出しするこ
とにより作られた三層フィルム2を使う場合には、高温
放置の熱処理は不要である。
【0032】また、本実施の形態の流体ベッドの袋体1
に充填されるものには、水やジェル状のジェルなどがあ
る。従って、本実施の形態の流体ベッドの袋体1は、ウ
ォーターベッドやジェル入りベッドなどに使用される。
に充填されるものには、水やジェル状のジェルなどがあ
る。従って、本実施の形態の流体ベッドの袋体1は、ウ
ォーターベッドやジェル入りベッドなどに使用される。
【0033】
【発明の効果】本発明の流体ベッドの袋体では、ウレタ
ン系のエラストマーとポリエチレンとをエチレン−アク
リル酸の二成分系のコポリマーで接着した三層フィルム
を使用しており、流体ベッドの袋体として必要な、層間
接着力、「耐水透過性」、引張強度、溶着強度につい
て、層間接着力は熱処理で確保し、「耐水透過性」はポ
リエチレンの厚みで確保し、引張強度はウレタン系のエ
ラストマーの厚みで確保し、溶着強度はウレタン系のエ
ラストマーの面同士での高周波溶着又は多層押し出しに
より確保することができるので、塩化ビニリデン又は塩
化ビニルが積層されていない多層フィルムで作られた流
体ベッドの袋体の製品として成立するものである。
ン系のエラストマーとポリエチレンとをエチレン−アク
リル酸の二成分系のコポリマーで接着した三層フィルム
を使用しており、流体ベッドの袋体として必要な、層間
接着力、「耐水透過性」、引張強度、溶着強度につい
て、層間接着力は熱処理で確保し、「耐水透過性」はポ
リエチレンの厚みで確保し、引張強度はウレタン系のエ
ラストマーの厚みで確保し、溶着強度はウレタン系のエ
ラストマーの面同士での高周波溶着又は多層押し出しに
より確保することができるので、塩化ビニリデン又は塩
化ビニルが積層されていない多層フィルムで作られた流
体ベッドの袋体の製品として成立するものである。
【図1】本発明の流体ベッドの袋体の断面図である。
【図2】三層フィルムの層間接着力と高温放置時間との
関係について、高温放置温度をパラメータとして示した
図である。
関係について、高温放置温度をパラメータとして示した
図である。
【図3】三層フィルムを構成するポリエチレン(P
E)、エチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー、
ウレタン系のエラストマー(TPU)について、それぞ
れのビカット軟化点と融点の大小関係を示した図であ
る。
E)、エチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー、
ウレタン系のエラストマー(TPU)について、それぞ
れのビカット軟化点と融点の大小関係を示した図であ
る。
【図4】三層フィルムを構成するポリエチレン(P
E)、エチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー、
ウレタン系のエラストマー(TPU)について、それぞ
れのビカット軟化点と融点を示した表である。
E)、エチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー、
ウレタン系のエラストマー(TPU)について、それぞ
れのビカット軟化点と融点を示した表である。
【図5】インフレーション法で二層フィルムを製造する
インフレーション装置の概要図である。
インフレーション装置の概要図である。
【図6】図5のインフレーション装置に使用されるダイ
の斜視図である。
の斜視図である。
【図7】二層フィルムにウレタン系のエラストマーをラ
ミネートするラミネート装置の概要図である。
ミネートするラミネート装置の概要図である。
【図8】ポリエチレンの厚みと水蒸気透過性の関係を示
した図である。
した図である。
【図9】流体ベッドの流体マットレスの斜視図である。
【図10】流体ベッドの袋体の斜視図である。
1 流体ベッドの袋体 2 三層フィルム 3 ポリエチレン 4 エチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマー 5 ウレタン系のエラストマー 6 二層フィルム 11 インフレーション装置 31 ラミネート装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/40 B32B 27/40
Claims (2)
- 【請求項1】 ウレタン系のエラストマーとポリエチレ
ンとをエチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマーで
接着して三層フィルムとし、前記三層フィルムを前記エ
ラストマーの面同士で高周波溶着することにより作られ
る流体ベッドの袋体であって、 前記三層フィルムは、 前記ポリエチレンと前記コポリマーとをインフレーショ
ン法で二層フィルムとし、前記二層フィルムに前記エラ
ストマーをラミネートした後に、115℃から124℃
の範囲で高温放置の熱処理がなされたものであること、 を特徴とする流体ベッドの袋体。 - 【請求項2】 ウレタン系のエラストマーとポリエチレ
ンとをエチレン−アクリル酸の二成分系のコポリマーで
接着して三層フィルムとし、前記三層フィルムを前記エ
ラストマーの面同士で高周波溶着することにより作られ
る流体ベッドの袋体であって、 前記三層フィルムは、 多層押し出しされたものであること、 を特徴とする流体ベッドの袋体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000287961A JP2002095553A (ja) | 2000-09-22 | 2000-09-22 | 流体ベッドの袋体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000287961A JP2002095553A (ja) | 2000-09-22 | 2000-09-22 | 流体ベッドの袋体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002095553A true JP2002095553A (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=18771624
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000287961A Pending JP2002095553A (ja) | 2000-09-22 | 2000-09-22 | 流体ベッドの袋体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002095553A (ja) |
-
2000
- 2000-09-22 JP JP2000287961A patent/JP2002095553A/ja active Pending
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