JP2002092950A - 光情報記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
光情報記録媒体およびその製造方法Info
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Abstract
いる溶融系の相変化型記録材料の特性改善を実現する光
情報記録媒体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 第一誘電体層2および第二誘電体層4が
記録層3と接触する面を含む層のうち少なくとも一方
が、Ti、V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Re、F
e、Ru、Os、Rh、Ir、およびPtからなる群か
ら選択される金属の酸化物あるいはその酸化物と硫化亜
鉛の混合体からなる誘電体材料により構成される層であ
るとし、記録層3は、Ag、In、Sb、およびTeを
含む系で構成された材料であるとし、反射層5は、A
g、あるいはAgを90%以上含む合金であるとする。
また、誘電体材料をターゲットとし、稀ガスおよび酸素
でスパッタする。
Description
により書き換え可能とした光情報記録媒体および該光情
報記録媒体の製造方法に関し、特に高線速対応およびオ
ーバーライトによる良好な記録が行えるとともに環境変
化に強い光情報記録媒体およびその製造方法に関する。
もに、光情報記録媒体が用いられる機会も増加し、ます
ます重要な存在となっている。それに従って、光情報記
録媒体の製造方法に関する発明も以下のように多数考案
されている。
るところの光記録媒体(以下、従来例1)では、第二誘
電体層を1nm以上50nm以下とし、急冷構造をとる
ことによって、多数回記録消去の安定性を高める構成が
開示されており、熱伝導率の大きい金属単体または合金
の光吸収層が設けられている。
開示するところの光学的情報記録媒体(以下、従来例
2)では、Nb2 O5 を30mol%以下含む誘電体が
記載されている。
開示するところの光ディスクとその製法(以下、従来例
3)では、照射による記録膜の温度特性が熱しやすくさ
めやすい特性を有するように、熱伝導制御層が設けられ
ている。
開示するところの相変化型光記録媒体(以下、従来例
4)では、ZnSSiO2 とSiCとの積層構造が記載
されており、記録層側がSiCとなっている。
開示するところの光学的情報記録媒体およびその製造方
法(以下、従来例5)では、記録層周辺の誘電体膜を稀
ガスのみでスパッタして形成する。記録層から離れた誘
電体は窒素または酸素と稀ガスによりスパッタする。
開示するところの光記録媒体(以下、従来例6)では、
ZnSSiO2 とSiCとの交互積層とし、高線速対応
およびDOW回数の向上が可能であることが記載されて
いる。
ィスクは、一般にプラスチック基板、ZnS・Si
O2 、カルコゲン系相変化記録媒体、ZnS・Si
O2 、およびAl系合金のような4層構成の膜構成を持
っている。
して用いられており、この誘電体材料は、瞬間的に融点
以上に昇温する記録層の熱から基板を保護するとともに
記録層の変形や破損を防ぐといった効果を有する。さら
に、光干渉効果により記録情報再生時に十分な信号強度
を得たり、記録時に良好な形状のアモルファスマークを
形成するのに適した冷却速度を実現するといった効果も
併せて持つ。
耐熱性、大きな屈折率、および適当な熱伝導率等といっ
た特性を有することが要求される。このような誘電体材
料としては、各種の酸化物、窒化物、カルコゲナイド化
合物あるいはこれらの混合物が知られている。
用いられている誘電体材料ZnS・SiO2 と溶融系の
相変化型記録材料AgInSbTeとの組み合わせで
は、オーバーライト記録回数は1000〜10000回
程度であり、固相記録消去系の相変化型材料GeSbT
eに比べるとその回数は少ないとされていた。
間を短縮するために記録材料の相変化に関わる処理速度
の向上も要求されていた。この要求を実現するために
は、記録層材料の周辺における急冷構造を設ける必要が
ある。
電体層と反射層側の間に熱伝導率が10W/mK〜20
0W/mKである金属の光吸収層を設ける構造(従来例
1)、および誘電体材料の面からは熱伝導性に優れた材
料を積層する構造(従来例6)などがある。
ると、記録パワーを増加させなければ完全なアモルファ
ス化が行うことできないといった問題点の他、モデュレ
ーションがとれないなどの問題点が生じてしまうため、
その熱伝導性のレベルの調整が必要となる。
構造では、記録時の加熱による熱膨張性の差から膜界面
における応力が発生し、界面での剥離を生ずる可能性も
ある。また、プロセス上も、成膜するための成膜処理槽
を設けなくてはならず、処理槽の数が増え、工程が増え
るため歩留まりが落ちてしまうなどコストアップとなる
要因が同時に発生してしまう。
のであり、オーバーライト記録回数の向上および急冷構
造による対応線速改善を実現し、特に、オーバーライト
記録回数が少ないといわれている溶融系の相変化型記録
材料AgInSbTe系の特性改善を実現する光情報記
録媒体およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
め、請求項1記載の発明は、透明基板上に少なくとも、
第一誘電体層、記録層、第二誘電体層、反射層を有し、
これらの層を順次積層した相変化型の光情報記録媒体で
あって、第一誘電体層および第二誘電体層が記録層と接
触する面を含む層のうち少なくとも一方が、炭素を除く
IVb族元素を含まない化合物、あるいは化合物と硫化亜
鉛の混合体からなる誘電体材料により構成される層であ
ることを特徴とする光情報記録媒体。
り返し記録および消去されることにより生じる記録材料
への誘電体材料成分の拡散が起きても、初期の熱バラン
スを崩さない材料で誘電体層を形成することによって、
繰り返し記録および消去の回数を飛躍的に向上すること
が可能となる。さらに、ZnSとの混合膜とした場合
は、ZnSの成膜速度が速いので生産性を落とすことが
なく、ZnSの結晶化による膜のクラック発生等の弊害
を抑制することが可能となる。
項1記載の光情報記録媒体において、化合物は、Ti、
V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、
Os、Rh、Ir、およびPtからなる群から選択され
る金属の酸化物であることを特徴とする。
る程度の熱伝導性を有する金属の酸化物を誘電体層に用
いることによって、高線速記録および消去に対応した適
当な熱伝導の誘電体層を得ることが可能となる。
Mn、Re、Fe、Ru、Os、Rh、Ir、およびP
tからなる群から選択される金属の酸化物単独では熱伝
導が大き過ぎる場合でも、ZnSを混合することによっ
て、熱伝導の増大を押さえることができるとともに高線
速に対応した反射放熱層への冷却効果を保持することが
可能となる。
項1または2記載の光情報記録媒体において、第一誘電
体層および第二誘電体層のうち少なくとも一方が組成の
異なった誘電体材料の複数層からなり、誘電体膜が記録
層と接触する面近傍3nm以上は誘電体材料により構成
されることを特徴とする。
電体材料として、炭素を除くIVb族元素を含まない化合
物と、その化合物と硫化亜鉛の混合体と、Ti、V、N
b、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、
Rh、Ir、Ptからなる群から選択される金属の酸化
物と、のいずれかを用いる場合、誘電体材料を層全体と
して用いなくとも、記録材料への誘電体材料成分の拡散
を起こさないためのバリア層として、上記の誘電体層を
用いることによって、繰り返し記録および消去の回数を
飛躍的に向上することが可能となる。
項1から3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体にお
いて、記録層は、溶融記録系材料のAg、In、Sb、
およびTeを含む系で構成された材料であることを特徴
とする。
録材料として溶融記録および消去系の材料であるAgI
nSbTeを用いることによって、溶融時に材料成分を
容易に拡散させることが可能となる。
項1から4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体にお
いて、反射層は、Ag、あるいはAgを90%以上含む
合金であることを特徴とする。
射層用材料として、熱伝導性が良好であるAgまたはA
gを90%以上含む合金を用いることによって、高線速
対応のための急冷構造が容易に実現することが可能とな
る。また、誘電体材料として用いるZnS中のイオウと
Agとの反応による反射層の腐食は添加する材料および
製造条件により対処可能である。
に少なくとも、第一誘電体層、記録層、第二誘電体層、
反射層を有し、これらの層を順次積層する相変化型の光
情報記録媒体の製造方法であって、第一誘電体層および
第二誘電体層が記録層と接触する面を含む層のうち少な
くとも一方を、炭素を除くIVb族元素を含まない化合
物、あるいは化合物と硫化亜鉛の混合体からなる誘電体
材料により生成する誘電体層生成工程を有することを特
徴とする。
り返し記録および消去されることにより生じる記録材料
への誘電体材料成分の拡散が起きても、初期の熱バラン
スを崩さない材料で誘電体層を形成することによって、
繰り返し記録および消去の回数を飛躍的に向上すること
が可能となる。さらに、ZnSとの混合膜とした場合
は、ZnSの成膜速度が速いので生産性を落とすことが
なく、ZnSの結晶化による膜のクラック発生等の弊害
を抑制することが可能となる。
項6記載の光情報記録媒体の製造方法において、化合物
は、Ti、V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Re、F
e、Ru、Os、Rh、Ir、およびPtからなる群か
ら選択される金属の酸化物であることを特徴とする。
る程度の熱伝導性を有する金属の酸化物を誘電体層に用
いることによって、高線速記録および消去に対応した適
当な熱伝導の誘電体層を得ることが可能となる。
Mn、Re、Fe、Ru、Os、Rh、Ir、およびP
tからなる群から選択される金属の酸化物単独では熱伝
導が大き過ぎる場合でも、ZnSを混合することによっ
て、熱伝導の増大を押さえることができるとともに高線
速に対応した反射放熱層への冷却効果を保持することが
可能となる。
項6または7記載の光情報記録媒体の製造方法におい
て、第一誘電体層および第二誘電体層のうち少なくとも
一方を組成の異なった誘電体材料の複数層として生成
し、誘電体膜が記録層と接触する面近傍3nm以上を誘
電体材料により生成する誘電体膜接触面生成工程を有す
ることを特徴とする。
電体材料として、炭素を除くIVb族元素を含まない化合
物と、その化合物と硫化亜鉛の混合体と、Ti、V、N
b、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、
Rh、Ir、Ptからなる群から選択される金属の酸化
物と、のいずれかを用いる場合、誘電体材料を層全体と
して用いなくとも、記録材料への誘電体材料成分の拡散
を起こさないためのバリア層として、上記の誘電体層を
用いることによって、繰り返し記録および消去の回数を
飛躍的に向上することが可能となる。
層は、請求項6から8のいずれか1項に記載の光情報記
録媒体の製造方法において、溶融記録系材料のAg、I
n、Sb、およびTeを含む系で構成された材料である
ことを特徴とする。
録材料として溶融記録および消去系の材料であるAgI
nSbTeを用いることによって、溶融時に材料成分を
容易に拡散させることが可能となる。
求項6から9のいずれか1項に記載の光情報記録媒体の
製造方法において、反射層は、Ag、あるいはAgを9
0%以上含む合金であることを特徴とする。
反射層用材料として、熱伝導性が良好であるAgあるい
はAgを90%以上含む合金を用いることによって、高
線速対応のための急冷構造が容易に実現することが可能
となる。また、誘電体材料として用いるZnS中のイオ
ウとAgとの反応による反射層の腐食は添加する材料お
よび製造条件により対処可能である。
求項6から10のいずれか1項に記載の光情報記録媒体
の製造方法において、誘電体材料をターゲットとし、稀
ガスのみでスパッタすることを特徴とする。
誘電体材料として、炭素を除くIVb族元素を含まない化
合物、およびその化合物と硫化亜鉛の混合体を用いた場
合、その誘電体材料をターゲットとし、稀ガスのみでス
パッタすることによって、簡便に成膜することが可能と
なり、生産性が向上する。
求項6から10のいずれか1項に記載の光情報記録媒体
の製造方法において、誘電体材料をターゲットとし、稀
ガスに加え酸素ガスを導入してスパッタすることを特徴
とする。
酸化物中の酸素含有量を増大させることによって、熱伝
導性を低下させることが可能となるとともに、記録およ
び消去時に半導体レーザからのエネルギーを記録層周辺
に留めることが可能となる。また、記録層を囲む誘電体
の熱伝導性の制御が容易になり、光情報記録媒体の熱的
な面での設計上の対応範囲を拡大することが可能とな
る。
求項6から10のいずれか1項に記載の光情報記録媒体
の製造方法において、誘電体材料をターゲットとし、誘
電体膜が記録層と接触する面近傍3nm以上に、稀ガス
に加え酸素ガスを導入してスパッタし、さらに記録層と
離れた部分を稀ガスのみでスパッタすることを特徴とす
る。
誘電体材料として、炭素を除くIVb族元素を含まない化
合物、およびその化合物と硫化亜鉛の混合体を用いた場
合、その誘電体材料をターゲットとし、誘電体膜と記録
層と接触する面近傍3nm以上を稀ガスに加え酸素ガス
を導入してスパッタし、さらに記録層と離れた部分を稀
ガスのみでスパッタすることによって、酸素導入の時間
制御のみで記録層を囲む誘電体の熱伝導性の制御を容易
に実現し、光情報記録媒体の熱的な面での設計上の対応
範囲を拡大することが可能となる。
求項12または13記載の光情報記録媒体の製造方法に
おいて、酸素ガスの分圧が1.0 ×10-4〜9.0 ×10-4Torr
であることを特徴とする。
酸素の分圧を1.0 ×10-4〜9.0 ×10 -4Torrとすることに
よって、記録層の劣化を伴うことなく、誘電体への酸化
物の導入を実施することが可能となる。
求項7記載の光情報記録媒体の製造方法において、ター
ゲットの比抵抗が10Ωcm以下であり、誘電体膜を直
流スパッタあるいは直流マグネトロンスパッタにより製
造することを特徴とする。
ターゲットの比抵抗が10Ωcm以下であり、Ti、
V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、
Os、Rh、Ir、およびPtからなる群から選択され
る金属の酸化物、あるいはその酸化物と硫化亜鉛の混合
体とからなる誘電体材料により構成される誘電体膜を高
周波スパッタと比較して安価で成膜速度も速い直流スパ
ッタあるいは直流マグネトロンスパッタにより製造する
ことによって、装置コストを削減するとともに、光情報
記録媒体製造面で効率的に生産することが可能となる。
頻繁に用いられている誘電体材料ZnS・SiO2 と溶
融系の相変化型記録材料AgInSbTeとが組み合わ
せられた誘電体層では、オーバーライト記録回数は10
00〜10000回程度であり、固相記録消去系の相変
化型材料GeSbTeによる誘電体層と比べると、その
回数は小さな値をとるとされている。
素(特にIVb族のGe、Sn)が記録層材料中に入り込
むと記録材の結晶化温度が上昇することが知られている
が、オーバーライト記録消去時に経時的に誘電体材料Z
nS・SiO2 中のIVb族元素Siが徐々に膜中に入り
込むため材料バランスが崩れ、結果として、熱的な特性
が経時的に変化するためと考えられる。
含まない系で構成し誘電体層を形成する。ただし、これ
らの材料単体では成膜速度が遅く、生産効率性の面で不
利となりかねないので、これらの酸化物材料と従来から
使用されている高速性膜可能な誘電体材料ZnSとの混
合物としてもよい。
に実現し、高速処理に適した材料が好ましいため誘電体
の中でも比較的熱伝導性が調整できる材料が望ましい。
このような材料としては、ある材料組成の欠損により電
気伝導性が若干でも良くなる材料が好ましいので、その
ような材料の中から選ぶことができる。具体的には、誘
電体層は、Ti、V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、R
e、Fe、Ru、Os、Rh、Ir、およびPtからな
る群から選択される金属の酸化物で構成される。
射した際に、必要となる適度な熱伝導性を得ることが重
要となるが、一般的に使われている硫化亜鉛(ZnS)
と硫化亜鉛より熱伝導が良好な上記の金属の酸化物を混
合することによって、必要となる適度な熱伝導性を得る
ことができる。
辺に保持するのに適している。一方これらの酸化物は熱
伝導性が良好なので急冷構造を形成するのに適してい
る。ZnS単体では相変化材料を高速で非結晶化しにく
く更に材料自体が経時的に結晶化し易い。
記録材料に熱が保持されないので結晶化するためには過
大なレザーパワーが必要になる。ZnSと上記の金属の
酸化物との実用的な含有比率としては、酸化物の比率が
5mol%以上60mol%以下である。
ない系で構成した誘電体層を形成する厚みは少なくとも
3nmあれば良い。記録層の両側でなくとも、少なくと
も片側がIVb族元素を含まない系で構成した誘電体層で
あればオーバライト記録回数を向上することができる。
5側に熱伝導の良いSiC、あるいはAlNのような材
料を用いることによって、書き換え可能な光情報記録媒
体における書き換え回数と記録密度の向上を実現する構
成も考えられる。さらに、2層化した際の材料配列順序
を流動可能とする構成をとることによって、書き換え可
能な光情報記録媒体におけるその線速対応冗長性の向上
を実現する。
Teを主成分とした材料系は溶融温度が約600℃と高
く、情報記録媒体として半導体レーザで照射した限りで
は固相のままで一部が結晶化している。
200℃と低く、半導体レーザの照射により溶融変化し
て全体的に結晶化がすすんでいる。このような溶融して
相変化させる場合の方が材料成分の拡散が起こりやすい
ので、これらの誘電体材料は溶融記録および消去系の材
料であるAgInSbTeを含む記録材料に関して特に
有効である。
Ag系の反射層の方が高線速対応のための急冷構造が実
現しやすい。Agを90%以上含む材料であれば、混合
物による熱伝導性の劣化は光情報記録媒体としては問題
とならない。誘電体材料として用いるZnS中のイオウ
とAgとの反応による反射層の腐食は添加する材料およ
び製造条件により対処可能である。純Agを用いる場合
でも反射層の誘電体側に2nm程度の薄いバリア層を設
ければ良い。
ーゲットの状態で充分調整しておけば、稀ガス元素Ar
のみにより最も簡便に成膜を実施できる。
導入して成膜してもよい。特にTi、V、Nb、Cr、
Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Rh、I
r、およびPtからなる群から選択される金属の酸化物
材料は、元来酸素欠損により電気伝導性が優れているの
で、酸素を添加しながら成膜することでその電気伝導
性、つまり熱伝導性を調整することができる。
離れた部分では熱伝導性を向上させることで記録層の結
晶化と非結晶化に必要な除冷と急冷という相反する温度
プロファイルを実現できる。
素により記録層材料が酸化される場合があるが、1.0 ×
10-4〜9.0 ×10-4Torrの酸素分圧であれば記録層を酸化
劣化させずに光情報記録媒体を製造することが可能であ
る。
Mn、Re、Fe、Ru、Os、Rh、Ir、およびP
tからなる群から選択される金属の酸化物材料は導電性
があるためターゲットにした状態で10Ωcm以下であれ
ば、直流スパッタあるいは直流マグネトロンスパッタ、
またはパルス印可的に改造した直流スパッタあるいは直
流マグネトロンスパッタで成膜できる。このときの混合
比は元の酸化物材料の含有量により異なるが、10-4Ω
cm台の材料であれば、15vol%以上である。
記録媒体の構造を示す図である。光情報記録媒体は、透
明基板1と、第一誘電体層2と、記録層3と、第二誘電
体層4と、反射層5と、保護層6と、を有する。
る透明プラスチック基板であって、厚みは0.6mmま
たは1.2mm厚である。第一誘電体層2は、厚みは5
0〜250nmである。
Ag1−In8−Sb65−Te26(数字は原子%)
となる四元系の材料、またはAg2−In5−Sb71
−Te20−Ge2(数字は原子%)となる五元系材料
を用い、厚みは8〜30nmである。第二誘電体材料層
4は、厚みは10〜30nmである。
の金属層で、厚みは100〜200nmである。保護層
6は、有機材料により構成されており、各層の膜厚は光
学的熱的な特性上で最適化し微調整されるので、以下の
各実施例では、幅をもって記述する。
プラスチック基板として厚さが0.6mmのポリカーボ
ネートの透明基板1上にマグネトロンスパッタ装置を用
いて光情報記録媒体を成膜した。第一誘電体層2は、Z
nS・TiO2 とした。組成はZnS80% TiO2
20%(モル比)であり、膜厚は70nmである。
g2−In5−Sb71−Te20−Ge2(比率はモ
ル比)を20nmの膜厚で成膜した。この組成の記録膜
は結晶化速度が中程度で、中線速記録に適している。
のZnS・TiO2 の混合膜とした。膜厚は15nmで
ある。この記録層の組成で10m/sの線速に対応でき
る。一方、反射放熱層である反射層5は、Ag、膜厚は
140nmである。
期結晶化を行い、その後650nmNA0.6の光ピッ
クアップを持つドライブで評価した。線記録密度0.2
67μm/bit、トラックピッチ0.74μm、記録
線速度8.5m/s、信号は8/16変調した。
った。50000回の書換え後でも8%台を維持し繰り
返し記録消去の特性変化が比較的小さく良好であった。
両側ZnS・SiO2 に比べ、周期率表のIVb族元素を
含まない系で構成したため、IVb族元素のSiが膜中に
入り込むことがないため材料バランスが崩れず熱的な特
性が経時的に安定したためである。
プラスチック基板として厚さが0.6mmのポリカーボ
ネートの透明基板1上にマグネトロンスパッタ装置を用
いて光情報記録媒体を成膜した。第一誘電体層2は、Z
nS・SiO2 とした。組成は原子比でZnS80%S
iO2 20%、膜厚は70nmである。また、ZnS・
SiO2 の熱伝導率は0.66W/mKである。
料、および同じ膜厚で形成されている。第二誘電体層4
は、ZnSと酸素含量の少ないNbの酸化物(Nb2 O
5 とNbO2 を50%ずつとした混合体)の混合ターゲ
ットより成膜した。組成はモル比でZnS92% Nb
酸化物8%である。膜厚は15nmとした。また、スパ
ッタ成膜時のガス雰囲気はArガスのみで形成した。次
に、反射放熱層である反射層5は、Agを用い膜厚14
0nmで成膜した。
力レーザを使用して初期結晶化した後で、同じ光ピック
アップを持つドライブで評価した。図2は、本発明の一
実施例における光情報記録媒体のDOW(繰り返しダイ
レクトオーバーライト)回数とジッタとの関係を示す図
であり、DOWの結果を図2(IVb族なしと表示)に示
す。
し高めであったが、100000回の書換え後も8%台
を維持し繰り返し記録消去の特性変化が小さく良好であ
った。両側ZnS・SiO2 に比べ、少なくとも片側を
周期率表のIVb族元素を含まない系で構成したため、IV
b族元素Siが膜中に入り込む量が減少したために材料
バランスが崩れず熱的な特性が経時的に安定したためで
ある。
としての化学量論比がズレた酸素欠乏の状態のまま成膜
されるので、熱伝導性の良いNb酸化物が含まれること
になる。ZnSとNb酸化物の混合膜は急冷構造となる
ので、熱的なダメージの蓄積が起こり難くなる。
以下、ZnS・SiO2 とZnS・TiO2 の複層膜に
ついて、説明する。第一誘電体層2に、ZnS80%S
iO2 20%(モル比)の組成のZnS・SiO2 を膜
厚60nmで成膜し、さらに第1の実施例で用いたZn
SとTiO2 の混合膜を膜厚10nmで積層し、第一誘
電体層2を二層の膜とした。光学的な屈折率はこの二つ
の材料で同等である。したがって、膜厚構成は同じで良
い。
る面はIVb族元素を含まない系である。さらに、記録層
3以降は第1の実施例と同構成で光情報記録媒体を作製
した。第2の実施例と同様にDOWの増加に対するジッ
タの変化率を評価した結果は、初期ジッタが6%台、5
0000回の書換え後で8%台と第1の実施例と同じ結
果であった。
第2の実施例で、第二誘電体層4のZnSとNb酸化物
の混合体の成膜する時に、ArのみでなくArに加え酸
素を添加して成膜し、同構成の光情報記録媒体を作製し
た。添加した酸素の圧力は、4.2×10-4Torrで
ある。
に評価したところ、初期ジッタが6%台で80000回
の書換え後も8%台と良好であった。結果は、図2(IV
b族なし酸素添加と表示)に示した。DOWは第2の実
施例と比べると少なくなるが、10000回までのジッ
タ特性は改善されている。
は、できた膜が化学量論比に近くなるので熱伝導性が第
2の実施例の構成に比べて悪くなるため、光情報媒体と
しては熱がこもりやすくなる。その結果、熱的なダメー
ジの蓄積が起こり難くなる傾向が第2の実施例に比べる
と弱くなる。DOWが悪くなるのは、そのためである。
第2の実施例の構成と同じZnSとNb酸化物の混合タ
ーゲットを用い、酸素を導入した反応性スパッタにより
誘電体膜を形成した。組成比はそれぞれモル比でZnS
92% Nb酸化物8%である。導入した酸素ガスの量
は酸素ガス単体の分圧で6×10-4Torrであった。
体膜を形成したのは、第一誘電体層2側は記録層3側か
ら10nm、第二誘電体層4側も同じく記録層3側から
5nmのところまでに相当する部分とし、その他の誘電
体の部分は稀ガスのみによりスパッタ成膜した。
評価したところ、第4の実施例とほぼ同じ結果を得た。
すなわち、初期ジッタが6%台であった。80000回
の書換え後も8%台と良好であった。この場合では、成
膜処理槽の増加を伴わず、成膜条件の変更のみで時間配
分のみによって酸化物を含有する誘電体部分と含有しな
い誘電体部分を形成できた。
プラスチック基板として厚さが0.6mmのポリカーボ
ネートの透明基板1上にマグネトロンスパッタ装置を用
いて光情報記録媒体を成膜した。第一誘電体層2は、Z
nS・Cr2 O3 とした。組成はZnS80% Cr2
O3 20%(モル比)であり、膜厚は70nmである。
g1−In8−Sb65−Te26(比率はモル比)を
17nmの膜厚で成膜した。第二誘電体層4も、第一誘
電体層2と同組成のZnS・Cr2 O3 の混合膜とし
た。膜厚は20nmである。この記録層の組成で8.5
m/sの線速に対応できる。一方、反射放熱層である反
射層5はAg、膜厚は140nmである。
期結晶化を行い、その後650nmNA0.6の光ピッ
クアップを持つドライブで評価した。線記録密度0.2
67μm/bit、トラックピッチ0.74μm、記録
線速度8.5m/s、信号は8/16変調した。
あった。50000回の書換え後でも8%台を維持し繰
り返し記録消去の特性変化が比較的小さく良好であっ
た。
純粋に近いものはNb2 O5 単体の電気抵抗は高抵抗で
あるが、酸素欠乏状態(NbO2 あるいはNbO)とす
ることで金属相あるいは半導体相となり、10-2〜10-5Ω
cm台まで比抵抗が下がる。この様な組成のNb酸化物を
導電材として絶縁材料であるZnSと混合してターゲッ
トを作製した。
上)では焼結体自体の比抵抗が小さくなり直流マグネト
ロンスパッタが可能である。本実施例では、Nb酸化物
の含有量は20vol%とした。このときのターゲット
の比抵抗値は4.5Ωcmであった。こので誘電体を直流
マグネトロン方式でスパッタした。アーク放電を起こす
こともなく安定して成膜が可能であった。
例に示したと同様な酸素添加した条件で誘電体膜を形成
し、同構成で光情報記録媒体を作製し、第3の実施例と
同等な光情報記録媒体の特性が得られた。
いて、説明する。
第二誘電体層4を第一誘電体層2と同じ組成のZnS・
SiO2 としは他は第2の実施例と全て同じ材質・膜厚
条件で光情報記録媒体を製作した。この構成では、対応
できる線速は10m/sであった。
して初期結晶化を行い、その後 650nmNA0.6 の光ピック
アップを持つドライブで評価した。線記録密度0.267 μ
m/bit 、トラックピッチ 0.74 μm 、記録線速度 8.5m/
s 、信号は 8/16 変調した。
台であった。5000回の書換え後は8.5%である
が、10000回の書換え後は10%にまで上昇した。
DOWの結果を図2(IVb族ありと表示)に示す。
は、ZnS・SiO2 材料では熱的なダメージの繰り返
しによりSiが記録層に拡散し、初期の熱バランスが崩
れたことに原因している。
実施例と同じ組成のZnS・SiO2 とし、第二誘電体
層4を導電性SiCとした他は全て同じ材質・光学膜厚
条件で光情報記録媒体を製作した。
ところ、16mWのパワーでもアモルファス・マークを
記録することができなかった。この導電性SiCの比抵
抗は、ターゲットの状態で2. 1×10-3Ωcm、膜では
2. 1×102 Ωcmであった。このように導電性がある
場合は、熱伝導性も良くなるので記録材料の温度を溶融
するまで充分に上げられずアモルファス・マークを記録
することができないので実用的ではない。
記録層3をGeSbTeにした他は全て第1の実施例と
同材料同条件にして光情報記録媒体を形成した。このデ
ィスクを大出力レーザを使用して初期結晶化を行い、そ
の後650nmNA0.6の光ピックアップを持つドラ
イブで評価した。誘電体層をZnSSiO2 の場合と比
べると、繰り返し記録・消去後の再現回数は全く差がな
かった。
反射層5をAlにした他は全て実施例1と同材料同条件
にして光情報記録媒体を形成した。このディスクを大出
力レーザを使用して初期結晶化を行い、その後650n
mNA0.6の光ピックアップを持つドライブで評価し
た。このディスクの初期ジッタは、Ag場合と同様7%
であった。しかし、対応できる線速を測定してみると、
1.5m/s遅い8.5m/sであった。Al,Agの
違いを再チェックTL膜厚を薄い方に規定し、15nm
で開示する。
Arガス分圧が 4.0〜4.1×10-3Torrとし
酸素分圧が 1.1×10-3Torrとして、Nb酸化
物を約40mol%含有するZnSを誘電体として用い、A
gInSbTe四元系相変化記録材料を記録層としてメ
ディアを作製し評価した。850Wのレザーパワーによ
り初期化後、660nmの半導体レーザで書き込みした
ところ、条件を色々と変えても記録層をアモルファス化
することができず、情報の書き込みできなかったなかっ
た。
ZnSとNb酸化物の組成比で、Nb酸化物が15vo
l%未満(7mol%未満)の場合は、直流マグネトロ
ンスパッタ放電時にアーク放電が起こり、直流スパッタ
電源が異常電流を検出しダウンし、薄膜を形成すること
ができなかった。スパッタ陰極電圧をパルス状に反転さ
せ、陰極への電圧をパルス印可してもアーク放電が継続
して発生し成膜できなかった。
明は、時的に繰り返し記録および消去されることにより
生じる記録材料への誘電体材料成分の拡散が起きても、
初期の熱バランスを崩さない材料で誘電体層を形成する
ことによって、繰り返し記録および消去の回数を飛躍的
に向上することが可能となる。さらに、ZnSとの混合
膜とした場合は、ZnSの成膜速度が速いので生産性を
落とすことがなく、ZnSの結晶化による膜のクラック
発生等の弊害を抑制することが可能となる。
程度の熱伝導性を有する金属の酸化物を誘電体層に用い
ることによって、高線速記録および消去に対応した適当
な熱伝導の誘電体層を得ることが可能となる。
Mn、Re、Fe、Ru、Os、Rh、Ir、およびP
tからなる群から選択される金属の酸化物単独では熱伝
導が大き過ぎる場合でも、ZnSを混合することによっ
て、熱伝導の増大を押さえることができるとともに高線
速に対応した反射放熱層への冷却効果を保持することが
可能となる。
体材料として、炭素を除くIVb族元素を含まない化合物
と、その化合物と硫化亜鉛の混合体と、Ti、V、N
b、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、
Rh、Ir、Ptからなる群から選択される金属の酸化
物と、のいずれかを用いる場合、誘電体材料を層全体と
して用いなくとも、記録材料への誘電体材料成分の拡散
を起こさないためのバリア層として、上記の誘電体層を
用いることによって、繰り返し記録および消去の回数を
飛躍的に向上することが可能となる。
材料として溶融記録および消去系の材料であるAgIn
SbTeを用いることによって、溶融時に材料成分を容
易に拡散させることが可能となる。
層用材料として、熱伝導性が良好であるAgまたはAg
を90%以上含む合金を用いることによって、高線速対
応のための急冷構造が容易に実現することが可能とな
る。また、誘電体材料として用いるZnS中のイオウと
Agとの反応による反射層の腐食は添加する材料および
製造条件により対処可能である。
返し記録および消去されることにより生じる記録材料へ
の誘電体材料成分の拡散が起きても、初期の熱バランス
を崩さない材料で誘電体層を形成することによって、繰
り返し記録および消去の回数を飛躍的に向上することが
可能となる。さらに、ZnSとの混合膜とした場合は、
ZnSの成膜速度が速いので生産性を落とすことがな
く、ZnSの結晶化による膜のクラック発生等の弊害を
抑制することが可能となる。
程度の熱伝導性を有する金属の酸化物を誘電体層に用い
ることによって、高線速記録および消去に対応した適当
な熱伝導の誘電体層を得ることが可能となる。
Mn、Re、Fe、Ru、Os、Rh、Ir、およびP
tからなる群から選択される金属の酸化物単独では熱伝
導が大き過ぎる場合でも、ZnSを混合することによっ
て、熱伝導の増大を押さえることができるとともに高線
速に対応した反射放熱層への冷却効果を保持することが
可能となる。
体材料として、炭素を除くIVb族元素を含まない化合物
と、その化合物と硫化亜鉛の混合体と、Ti、V、N
b、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、
Rh、Ir、Ptからなる群から選択される金属の酸化
物と、のいずれかを用いる場合、誘電体材料を層全体と
して用いなくとも、記録材料への誘電体材料成分の拡散
を起こさないためのバリア層として、上記の誘電体層を
用いることによって、繰り返し記録および消去の回数を
飛躍的に向上することが可能となる。
材料として溶融記録および消去系の材料であるAgIn
SbTeを用いることによって、溶融時に材料成分を容
易に拡散させることが可能となる。
射層用材料として、熱伝導性が良好であるAgあるいは
Agを90%以上含む合金を用いることによって、高線
速対応のための急冷構造が容易に実現することが可能と
なる。また、誘電体材料として用いるZnS中のイオウ
とAgとの反応による反射層の腐食は添加する材料およ
び製造条件により対処可能である。
電体材料として、炭素を除くIVb族元素を含まない化合
物、およびその化合物と硫化亜鉛の混合体を用いた場
合、その誘電体材料をターゲットとし、稀ガスのみでス
パッタすることによって、簡便に成膜することが可能と
なり、生産性が向上する。
化物中の酸素含有量を増大させることによって、熱伝導
性を低下させることが可能となるとともに、記録および
消去時に半導体レーザからのエネルギーを記録層周辺に
留めることが可能となる。また、記録層を囲む誘電体の
熱伝導性の制御が容易になり、光情報記録媒体の熱的な
面での設計上の対応範囲を拡大することが可能となる。
電体材料として、炭素を除くIVb族元素を含まない化合
物、およびその化合物と硫化亜鉛の混合体を用いた場
合、その誘電体材料をターゲットとし、誘電体膜と記録
層と接触する面近傍3nm以上を稀ガスに加え酸素ガス
を導入してスパッタし、さらに記録層と離れた部分を稀
ガスのみでスパッタすることによって、酸素導入の時間
制御のみで記録層を囲む誘電体の熱伝導性の制御を容易
に実現し、光情報記録媒体の熱的な面での設計上の対応
範囲を拡大することが可能となる。
素の分圧を1.0 ×10-4〜9.0 ×10-4Torrとすることによ
って、記録層の劣化を伴うことなく、誘電体への酸化物
の導入を実施することが可能となる。
ーゲットの比抵抗が10Ωcm以下であり、Ti、V、
Nb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、O
s、Rh、Ir、およびPtからなる群から選択される
金属の酸化物、あるいはその酸化物と硫化亜鉛の混合体
とからなる誘電体材料により構成される誘電体膜を高周
波スパッタと比較して安価で成膜速度も速い直流スパッ
タあるいは直流マグネトロンスパッタにより製造するこ
とによって、装置コストを削減するとともに、光情報記
録媒体製造面で効率的に生産することが可能となる。
造を示す図である。
OWとジッタとの関係を示す図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 透明基板上に少なくとも、第一誘電体
層、記録層、第二誘電体層、反射層を有し、これらの層
を順次積層した相変化型の光情報記録媒体であって、 前記第一誘電体層および前記第二誘電体層が前記記録層
と接触する面を含む層のうち少なくとも一方が、炭素を
除くIVb族元素を含まない化合物、あるいは該化合物と
硫化亜鉛の混合体からなる誘電体材料により構成される
層であることを特徴とする光情報記録媒体。 - 【請求項2】 前記化合物は、Ti、V、Nb、Cr、
Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Rh、I
r、およびPtからなる群から選択される金属の酸化物
であることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒
体。 - 【請求項3】 前記第一誘電体層および前記第二誘電体
層のうち少なくとも一方が組成の異なった前記誘電体材
料の複数層からなり、誘電体膜が前記記録層と接触する
面近傍3nm以上は前記誘電体材料により構成されるこ
とを特徴とする請求項1または2記載の光情報記録媒
体。 - 【請求項4】 前記記録層は、溶融記録系材料のAg、
In、Sb、およびTeを含む系で構成された材料であ
ることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記
載の光情報記録媒体。 - 【請求項5】 前記反射層は、Ag、あるいはAgを9
0%以上含む合金であることを特徴とする請求項1から
4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。 - 【請求項6】 透明基板上に少なくとも、第一誘電体
層、記録層、第二誘電体層、反射層を有し、これらの層
を順次積層する相変化型の光情報記録媒体の製造方法で
あって、 前記第一誘電体層および前記第二誘電体層が前記記録層
と接触する面を含む層のうち少なくとも一方を、炭素を
除くIVb族元素を含まない化合物、あるいは該化合物と
硫化亜鉛の混合体からなる誘電体材料により生成する誘
電体層生成工程を有することを特徴とする光情報記録媒
体の製造方法。 - 【請求項7】 前記化合物は、Ti、V、Nb、Cr、
Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Rh、I
r、およびPtからなる群から選択される金属の酸化物
であることを特徴とする請求項6記載の光情報記録媒体
の製造方法。 - 【請求項8】 前記第一誘電体層および前記第二誘電体
層のうち少なくとも一方を組成の異なった前記誘電体材
料の複数層として生成し、誘電体膜が前記記録層と接触
する面近傍3nm以上を前記誘電体材料により生成する
誘電体膜接触面生成工程を有することを特徴とする請求
項6または7記載の光情報記録媒体の製造方法。 - 【請求項9】 前記記録層は、溶融記録系材料のAg、
In、Sb、およびTeを含む系で構成された材料であ
ることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記
載の光情報記録媒体の製造方法。 - 【請求項10】 前記反射層は、Ag、あるいはAgを
90%以上含む合金であることを特徴とする請求項6か
ら9のいずれか1項に記載の光情報記録媒体の製造方
法。 - 【請求項11】 前記誘電体材料をターゲットとし、稀
ガスのみでスパッタすることを特徴とする請求項6から
10のいずれか1項に記載の光情報記録媒体の製造方
法。 - 【請求項12】 前記誘電体材料をターゲットとし、前
記稀ガスに加え酸素ガスを導入してスパッタすることを
特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載の光
情報記録媒体の製造方法。 - 【請求項13】 前記誘電体材料をターゲットとし、前
記誘電体膜が前記記録層と接触する面近傍3nm以上
に、前記稀ガスに加え前記酸素ガスを導入してスパッタ
し、さらに前記記録層と離れた部分を前記稀ガスのみで
スパッタすることを特徴とする請求項6から10のいず
れか1項に記載の光情報記録媒体の製造方法。 - 【請求項14】 前記酸素ガスの分圧が1.0 ×10-4〜9.
0 ×10-4Torrであることを特徴とする請求項12または
13記載の光情報記録媒体の製造方法。 - 【請求項15】 前記ターゲットの比抵抗が10Ωcm
以下であり、誘電体膜を直流スパッタあるいは直流マグ
ネトロンスパッタにより製造することを特徴とする請求
項7記載の光情報記録媒体の製造方法。
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WO2006112344A1 (ja) * | 2005-04-15 | 2006-10-26 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 光学情報記録媒体および光学情報記録媒体への記録方法 |
US7859984B2 (en) | 2006-09-26 | 2010-12-28 | Nec Corporation | Optical information recording medium |
WO2011024381A1 (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-03 | パナソニック株式会社 | 情報記録媒体とその製造方法 |
-
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- 2000-09-12 JP JP2000277172A patent/JP4127455B2/ja not_active Expired - Fee Related
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