JP2002269825A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2002269825A
JP2002269825A JP2001073158A JP2001073158A JP2002269825A JP 2002269825 A JP2002269825 A JP 2002269825A JP 2001073158 A JP2001073158 A JP 2001073158A JP 2001073158 A JP2001073158 A JP 2001073158A JP 2002269825 A JP2002269825 A JP 2002269825A
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JP2001073158A
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Nobuaki Onaki
伸晃 小名木
Masaru Magai
勝 真貝
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相変化型光記録媒体において、保護膜が、膜
応力が小さく微視的な膜剥がれがない、また繰り返し記
録特性が優れ、かつまた熱伝導性が適度に調節され、し
かも保存信頼性が良い、該特性を有する光記録媒体を提
供する。 【解決手段】 結晶、非晶質の可逆変化を行う相変化記
録層の上部及び下部に隣接して透明保護膜を有し、該保
護層のうちの少なくとも一方がSiCとSiO2の混合
体である光記録媒体を主要な構成とする。その他9項あ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に関
し、更に詳しくは、レーザビームなどの熱による結晶・
非結晶間の可逆的変化を利用した相変化型光記録媒体の
保護膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光記録媒体のうち、CD- RWの
ような相変化型光ディスクは、一般にプラスチック基板
/ZnS-SiO2保護層/カルコゲン系相変化記録層/ZnS-Si
O2保護層/Al系反射放熱層のような4層構成の膜構成を
持っている。
【0003】Al系反射放熱層は光を反射すると共にレー
ザーで加熱された記録層の熱を逃して急冷して、非晶質
マークを形成させる働きがある。このため、より放熱の
良い、熱伝導の良い材料としてAgやCu系の反射層が用い
られることがあった。熱伝導の良い反射層をもつ光記録
媒体は膜厚や記録層組成のマージンが広く、くり返し書
き換え回数を増加させることが容易である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
AgやCu系の材料は一般的に硫化が起きやすく、保護層が
ZnS-SiO2であると、遊離した硫黄と反応して劣化が起き
やすい。そこでZnS-SiO2中の遊離硫黄量を小さくするた
めに原料の精製や、成膜法の工夫などが必要であった。
【0005】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、相変化型光記録媒体において、保護膜が、膜
応力が小さく微視的な膜剥がれがない、また繰り返し記
録特性が優れ、かつまた熱伝導性が適度に調節され、し
かも保存信頼性が良い、該特性を有する光記録媒体を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題は次の
手段により解決される。すなわち、本発明によれば、第
一に、請求項1では、レーザー光の照射によって記録再
生を行う相変化型光記録媒体において、結晶、非晶質の
可逆変化を行う相変化記録層の上部及び下部に隣接して
透明保護膜を有し、該保護層のうちの少なくとも一方が
SiCとSiO2 の混合体である光記録媒体であること
を主要な特徴とする。
【0007】第二に、請求項2では、上記請求項1 記載
の光記録媒体において、膜構成が基板/下部保護層/相
変化記録層/上部保護層/反射放熱層の順で、上部保護
層がSiCとSiO2 の混合体であり、かつ反射放熱層
がAgを主成分とするAg合金である光記録媒体である
ことを特徴とする。
【0008】第三に、請求項3では、上記請求項2記載
の光記録媒体において、反射放熱層がCuを主成分とす
るCu合金である光記録媒体であることを特徴とする。
【0009】第四に、請求項4では、上記請求項1 記載
の光記録媒体において、膜構成が基板/反射放熱層/下
部保護層/相変化記録層/上部保護層/樹脂保護層の順
で、下部保護層がSiCとSiO2 の混合体であり、か
つ反射放熱層がAgを主成分とするAg合金である光記
録媒体であることを特徴とする。
【0010】第五に、請求項5では、上記請求項4記載
の光記録媒体において、反射放熱層がCuを主成分とす
るCu合金である光記録媒体であることを特徴とする。
【0011】第六に、請求項6では、上記請求項1 記載
の光記録媒体において、上記SiCとSiO2 混合体の
SiO2 モル分率が5〜95%である光記録媒体であるこ
とを特徴とする。
【0012】第七に、請求項7では、上記請求項2また
は3記載の光記録媒体において、上部保護層が2 層化さ
れており、該2層のSiCとSiO2 の比率が異なる光
記録媒体であることを特徴とする。
【0013】第八に、請求項8では、上記請求項4また
は5記載の光記録媒体において、下部保護層が2層化さ
れており、該2層のSiCとSiO2 の比率が異なる光
記録媒体であることを特徴とする。
【0014】第九に、請求項9では、上記請求項2また
は3記載の光記録媒体において、下部保護層が2 層化さ
れており、該2層のうち基板と接する側の層にSiNx、Al
2O3、ZnS 、ZnSe,CaS,SiAlOxN y、SiC 、及びZnS-SiO
2のうちの少なくとも1種が用いられる光記録媒体であ
ることを特徴とする。
【0015】第十に、請求項10では、上記請求項4ま
たは5記載の光記録媒体において、上部保護層が2 層化
されており、該2層のうち樹脂保護層と接する側の層に
SiNx、Al2O3 、ZnS 、ZnSe,CaS,SiAlOxN y、SiC 、及
びZnS-SiO2のうちの少なくとも1種が用いられる光記録
媒体であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
CD−RWのディスク等に使われる光記録媒体の保護層は、
透明で、かつ熱伝導率が適当な値であることが求められ
る。SiC 単独では熱伝導が大きすぎるので熱伝導の小さ
な、SiO2を混合して調節する。SiO2は単体では応力が大
きく、記録再生を繰り返すと微視的な膜はがれなどが発
生して再生信号が劣化するが、SiC と混合することで膜
応力が小さくなり、繰り返し記録特性が向上する。
【0017】また、SiC は屈折率が波長650nm にて2.5
程度で ZnSの2.3 よりやや大きい。熱伝導はSiC 0.03 c
al/cm sec deg 、ZnS 0.006 cal/cm sec degとSiC の方
が大きい。そこで熱伝導の小さなSiO2と混合することで
ZnS-SiO2同様の熱伝導にすることができ、熱的な構造が
ZnS-SiO2保護膜を用いる従来の相変化型光記録媒体と同
じにすることができる。
【0018】記録時に相変化記録層の温度を上げるた
め、記録層直近の誘電体は熱伝導が小さな方が良い。そ
して記録層が昇温して溶融した後は急冷して非晶質化し
て記録マークを形成する。そのため、反射放熱層には、
できるだけ熱伝導の良い材料を用いる。
【0019】この場合、上部誘電体の光学膜厚が不足し
て信号の変調度が小さくなることがある。これを防ぐに
は相変化記録層と反射層の間の誘電体を2 層化して記録
層の隣を断熱型、次に熱伝導の良い誘電体、そしてでき
るだけ熱伝導の良い、反射放熱層とする。これでマーク
形成の揺らぎ(ジッター)を良く維持したまま上部保護
層の膜厚を増やすことができる。
【0020】SiC +SiO2のスパッタリングによる膜は透
過電子顕微鏡観察では ZnS-SiO2 と同様に少なくとも大
きな結晶粒はない。微結晶もしくは非晶質である。した
がって相変化型記録層の非晶質マークの結晶化を促進し
て消してしまう不具合はない。本実施例の記録後の光デ
ィスクを80℃の保存試験に入れても ZnS-SiO2 保護膜と
Al合金反射層ディスクの記録マークと保存信頼性は遜色
がない。
【0021】本発明に係わる相変化型光ディスクのうち
光が基板を通して入射する型のディスクの基本的な構成
は, 基板上に順次形成された下部誘電体保護層、相変化
型記録層、上部誘電体保護層、反射放熱層、樹脂接着
層、貼り合わせ用ダミー基板から構成されている。
【0022】各層の膜厚は光学的、熱的特性から最適化
するが、650nm の光を用いるDVD 系メディアの場合、下
部誘電体保護層2はZnS-SiO2のような屈折率2付近の誘
電体の場合、50〜250nm くらいの膜厚である。望ましく
は50〜80nmまたは160 〜220nm 程度である。
【0023】相変化型記録層は熱的な理由で急冷構造の
方がマーク形成がきれいにできやすいため、カルコゲン
系であればAgInSbTe系、GeSbTe系などにかかわらず、8
〜30nm、望ましくは13〜22nmが望ましい。上部誘電体層
も放熱層へ熱を導かねばならないのであまり厚くするこ
とはできない。5 〜60nm程度、望ましくは 5〜30nmが好
ましい。
【0024】上部誘電体層は、透明で、屈折率が大き
く、硫黄を含まず、AgやCuを劣化させない、SiC+SiO2
合体を用いる。SiO2比率は記録層の組成、記録線速度、
記録する光ピックアップのスポット径などによって最適
組成は異なる。一般にSiO2 5〜80mol%が望ましい。
【0025】相変化型記録層は、記録の都度、レーザー
光の急熱, 急冷に伴う熱衝撃を繰り返しうける。したが
って保護層も熱衝撃を受けるが、膜応力が大きいと、熱
衝撃に耐えられず、膜浮きなどが発生し繰り返し書換え
で信号が劣化する。SiO2は単独ではこの耐熱衝撃性が極
めて悪い。しかし、SiC と混合することで、これが著し
く向上する。くり返し書換えはSiO2単独の時よりも大き
くできる。また、SiC+SiO2はSiC 単独の時よりも熱伝導
が小さくなるため、記録感度が向上する。
【0026】透過型電子顕微鏡による観察でもSiC+SiO2
混合膜は、均一な膜になっており、その構造は非晶質で
あった。このため、記録層の非晶質マークに対する結晶
化促進作用もなく、記録マークの保存安定性もZnS-SiO2
と同等である。
【0027】反射放熱層は反射率が飽和するのは80nm以
下で良いが放熱性をよくしてくり返し書き換えの信頼性
を向上させるために100 〜200nm が好ましい。一般の金
属膜ではAgの熱伝導率が最良であり、Cuがそれに続く。
したがって反射放熱層はAg単体またはAgにCuを添加した
合金など、またはCu単体、Cu-Al 合金などが良好な放熱
を行い、良質な信号特性が得られる。
【0028】〔実施例〕次に、実施例によって本発明を
さらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例
によって限定されるものではない。
【0029】実施例1 プラスチック基板として厚さが0.6mm のポリカーボネー
ト基板を用意した。これらの基板上にマグネトロンスパ
ッタ装置を用いて光ディスク媒体を成膜した。なおSiC+
SiO2はSiC に導電性があるため、直流電源にてスパッタ
した。このため、装置コストが交流電源を用いるZnS-Si
O2より下げることができる。基板上にZnS-SiO270nm、Ag
InSbTe 20nm 、SiC+SiO2 15nm 、Ag120nm をこの順に成
膜した。その後、紫外線硬化樹脂でポリカーボネート樹
脂基板と貼り合せて1.2mm 厚さの光ディスクとした。Zn
S-SiO2はSiO220mol%、相変化記録層の組成はAg4In6Sb60
Te 30mol% 、SiC+SiO2は SiO260mol% とした。
【0030】このディスクを大出力レーザーを使用して
初期結晶化を行い、その後650nm NA0.65 の光ピックア
ップを持つドライブで評価した。線記録密度0.267um/bi
t 、トラックピッチ 0.74um 、記録線速度 3.5m/s 、信
号は8/16変調した。このディスクの初期ジッターは、6
%であった。10000 回の書換え後も8%以下と良好であ
った。
【0031】なお、下部誘電体保護層の成膜後Biを2nm
程度成膜して、その後、相変化記録層を成膜するとレー
ザーによる初期化がきわめて簡単になった。成膜直後
に、ある程度結晶化しており、レーザーアニールが簡便
になったと考えられる。レーザーパワーが半分程度で良
かった。
【0032】記録後の光ディスクを80℃85% 湿度1000時
間の保存試験を行った。反射放熱層の変質や、膜浮きに
起因する、バースト状のドロップアウト(反射率が部分
的に落ちるところ)やドロップイン(反射率が部分的に
上がるところ)は発生しなかった。すなわちAl合金に比
べ、劣化しやすいAgを用いても問題なかった。
【0033】実施例2 実施例1と同様に光ディスクを作製した。膜構成は同じ
である。ただし、SiC+SiO2の組成を振った。これらの
ディスクを大出力レーザーを使用して初期結晶化を行
い、その後 650nm、NA0.65の光ピックアップを持つドラ
イブで評価した。線記録密度0.267um/bit、トラックピ
ッチ0.74um、記録線速度3.5m/s、信号は8/16変調した。
記録パワーはピーク14mW、消去パワーが7.5mW とした。
結果を表1 に示す。SiC +SiO2の幅広い組成域で良好な
ジッターが得られている。
【0034】
【表1】
【0035】実施例3 実施例1同様に光ディスクを作製、評価したが、上部保
護層を2 層化した。表2 に上部保護層の内容と、特性を
示す。上部保護層1を熱伝導率を小さく、上部保護層2
(反射層に接する側)を熱伝導率を大きくすることで上
部保護層全体を厚くできた。こうすることで光の閉じ込
めが強くなり、信号の変調度が大きくなって、記録感度
が良くなる。また信号のジッターも減少する。
【0036】
【表2】
【0037】実施例4 実施例1同様に光ディスクを作製した。膜構成は同じで
ある。ただし、反射放熱層の組成を振った。表3 に反射
放熱層の組成と、特性を示す。
【0038】
【表3】
【0039】実施例5 実施例1同様に光ディスクを作製、評価したが、下部保
護層を2 層化した。表4に下部保護層の内容と、特性を
示す。下部保護層は厚いので低コストで高スパッタレー
トな材料を使えると光記録媒体の製造コスト低減に役立
つ。
【0040】
【表4】
【0041】SiNx系(X は成膜条件で変化する。SiとN
の比)の誘電体で光学膜厚を稼ぐと、材料コストが安価
なメリットがある。この場合、下部保護層すべてをSiNx
とすると、記録時の熱がSiNxにすぐに伝わるため、記録
感度が悪化する。また基板に熱が伝わりやすくなるため
に基板の劣化が加速し、繰り返し書き換え特性が悪くな
る。SiNxと同様な材料としてSiAlOxNyがある。
【0042】CaS 、ZnSeはスパッタレートが高い。SiC
は低コストかつ直流で放電し、電源コストが安い。
【0043】実施例6 基板上に ZnS-SiO270nm 、AgZnAlSbTe 20nm 、SiC+SiO2
12nm、Ag140nm をこの順に成膜した。その後、紫外線硬
化樹脂でポリカーボネート樹脂基板と貼り合せて1.2mm
厚さの光ディスクとした。ZnS-SiO2は SiO220mol% 、相
変化記録層の組成はAg2Zn 2Al4Sb64Te28 mol%SiC+Si
O2はSiO230mol%とした。このディスクを大出力レーザー
を使用して初期結晶化を行い、その後 650nmNA0.65の光
ピックアップを持つドライブで評価した。線記録密度0.
267um/bit 、トラックピッチ0.74um、記録線速度3.5m/
s、信号は 8/16 変調した。このディスクの初期ジッタ
ーは、8 %であった。10000 回の書換え後も10%以下と
良好であった。
【0044】実施例7 基板上に ZnS-SiO270nm 、GeSbTe 25 nm、SiC+SiO230n
m、AgCuAl140nm をこの順に成膜した。その後、紫外線
硬化樹脂でポリカーボネート樹脂基板と貼り合せて1.2m
m 厚さの光ディスクとした。ZnS-SiO2は SiO220mol% 、
相変化記録層の組成はGe22Sb26Te52mol%、SiC+SiO 2 はS
iO250mol%、AgCuAlはAg98Cu1Al1wt% とした。
【0045】このディスクを大出力レーザーを使用して
初期結晶化を行い、その後 650nmNA0.65の光ピックアッ
プを持つドライブで評価した。線記録密度0.4um/bit 、
トラックピッチ0.74um、記録線速度6.0m/s、信号は8/16
変調した。ディスクの初期ジッターは、7 %であった。
10000 回の書換え後も8 %以下と良好であった。
【0046】実施例8 実施例1から7と成膜順序を逆にした光ディスクを作製
した。このため記録再生は膜面から光を入射させて行
う。この型のディスクは対物レンズに高倍率のものを使
えるため、大容量化が容易である。プラスチック基板と
して厚さが1.2mm のガラス基板を用意した。これらの基
板上にマグネトロンスパッタ装置を用いて成膜した。最
初に反射放熱層を成膜した。反射放熱層はAg97In3wt%、
100nm ある。なお、Ag合金はAl合金に比べて表面性が良
い。この構成のディスクは、反射層の上にすべての膜が
成膜されるためにAgの表面性が良いということが記録層
の滑らかさにもつながるのでなお、特性が良くなる。こ
の意味ではAgPd合金は高価だがさらに良好である。
【0047】次に下部誘電体保護層を成膜した。SiC +
SiO2を8nm、SiO2は30mol%。膜厚は15nm。次に相変化
記録層はAg2In5Sb65Te28at %とした。最後に上部誘電
体保護層としてSiC+SiO2(90:10at% )を40nm成膜し
た。この上に紫外線硬化樹脂をスピンコートして紫外線
ランプで硬化させた。なお、スピンコートした後、紫外
線を照射すると、ディスクの最外周の樹脂が盛り上がっ
て膜厚むらを生じる。そこで、本実施例ではディスクを
スピン中、そのスピン時間の90%経過後、スピンさせ
ながら紫外線を照射した。こうすることで最外周の樹脂
のむらを押え、光の収差を小さくできたので最外周まで
同じ記録密度で記録再生できた。このディスクを大出力
レーザーを使用して初期結晶化を行い、その後、650nmN
A0.8の光ピックアップを持つドライブで評価した。線記
録密度0.21um/bit、トラックピッチ0.6um 、記録線速度
3.5m/s、信号は1/7 変調した。記録パワーはピーク1 2
mW、消去パワーが6mW。このディスクの初期ジッター
は、7 %であった。10000 回の書換え後も10%以下と良
好であった。記録後の光ディスクを80℃1000時間の保存
試験を行った。反射放熱層の変質や、膜浮きに起因す
る、バースト状のドロップアウト(反射率が部分的に落
ちるところ)やドロップイン(反射率が部分的に上がる
ところ)は発生しなかった。すなわちAl合金に比べ、劣
化しやすいAgを用いても問題なかった。
【0048】実施例9 実施例8同様に反射層から順に成膜する。 1.2mmのポリ
カーボネート板上に純Ag160nm /SiC+40mol%SiO2/Ag2
In5Sb65Te28at %1 5nm/SiC+20mol%SiO2/SiC /100u
m 紫外線硬化型透明樹脂コートなる構造のディスクとし
た。光が入射する側に熱を逃すことは、基板のプリグル
ーブの熱変形を伴わないから、実施例1から7までのデ
ィスクとは逆に光入射側に熱を逃すことは好ましい。し
たがって記録層直近に熱伝導の悪いSiO2比率の高いSiC+
SiO2を用い、紫外線硬化樹脂側に熱伝導の良い、SiC 単
体を用いる。この意味ではZnS も好ましいが、SiC の方
が化学的安定性が良いのでディスクの保存信頼性がより
SiC の方が好ましい。
【0049】このディスクを大出力レーザーを使用して
初期結晶化を行い、その後650nm NA0.8の光ピックアッ
プを持つドライブで評価した。線記録密度0.21um/bit、
トラックピッチ0.6um 、記録線速度 3.5m/s 、信号は 1
/7変調した。記録パワーはピーク1 2mW、消去パワーが
6mW。このディスクの初期ジッターは、6%であった。
10000 回の書換え後も7%以下と良好であった。記録後
の光ディスクを80℃1000時間の保存試験を行った。反射
放熱層の変質や、膜浮きに起因する、バースト状のドロ
ップアウト(反射率が部分的に落ちるところ)やドロッ
プイン(反射率が部分的に上がるところ)は発生しなか
った。すなわちAl合金に比べ、劣化しやすいAgを用いて
も問題なかった。
【0050】比較例1 実施例1と同様に作製したが、上部保護層をZnS-SiO
2(80:20at% )単層15nmとした。ディスクを作製直
後に記録再生したところ、実施例1同様、良好な特性で
あった。しかし 80 ℃85% 湿度1000時間の保存試験を行
ったところ信号にバースト欠陥が多発し、正常に再生で
きなかった。Ag反射膜が劣化していた。
【0051】比較例2 実施例1と同様に作製したが、上部保護層をSiC 単層 2
0nm とした。初期ジッターが悪く、10%あった。くり返
し書換えのジッター上昇は少なかったが、最初から大き
目だったため、実用的ではなかった。変調度が小さかっ
たことから記録感度が悪いためと考えられる。
【0052】比較例3 実施例1と同様に作製したが、反射放熱層をAlTi(Ti 1w
t %)合金とした。初期ジッターが悪く、10%あった。
5000回書換え後のジッターが16%に達した。また反射放
熱層の熱伝導が悪くなって記録膜の温度が上がり気味に
なり、膜流動などの欠陥が早めに生じたと考えられる。
【0053】比較例4 実施例1と同様に作製したが、上部保護層をSiO220nm、
反射放熱層をAgとした。初期ジッターは良好で、7%で
あった。しかし書き換え試験中1000回未満で、バースト
欠陥が発生して記録できなくなった。一旦バーストが発
生したトラックは、正常にトラッキングすることすら不
可能であった。記録時の熱衝撃で膜浮きが発生したと考
えられる。
【0054】
【発明の効果】以上のように、請求項1の光記録媒体に
よれば、保護層としてSiC+SiO2を用いることから、ZnS-
SiO2と反応を起こしやすいAgやCu系の反射放熱層を保存
信頼性を損なわずに用いることができ、このため、Al反
射層の光記録媒体に比べ、信号のジッターが減少し、く
り返し書き換え回数も増加させることができる。
【0055】請求項2の光記録媒体によれば、上部保護
層のSiC+SiO2が、Ag反射放熱層と反応しないため、保存
信頼性を損なわない。また保護層にSiO2とSiC の混合体
を用いることで、相変化型記録層の対熱衝撃性を向上す
ることができる。さらにまたSiC+SiO2はSiC 単独の時よ
りも熱伝導が小さくなるため、記録感度を向上させるこ
とができる。
【0056】請求項3の光記録媒体によれば、上部保護
層のSiC+SiO2混合体とCuの反射放熱層は反応せず、上記
Ag反射放熱層の場合と同様、保存信頼性が損なわれな
い。また相変化型記録層の対熱衝撃性を向上することが
でき、さらにまた記録感度も向上する。
【0057】請求項4の光記録媒体によれば、上記請求
項2の場合と膜構成を逆にしたものであり、SiC+SiO2
部保護層とAg反射放熱相は隣接しているため、上記と同
様の効果を得ることができる。
【0058】請求項5の光記録媒体によれば、上記請求
項3の場合と同様、SiC+SiO2下部保護層とCuの反射放熱
相は隣接しているため、上記と同様の効果を得ることが
できる。
【0059】請求項6の光記録媒体によれば、SiC+SiO2
混合体のSiO2モル分率を5〜95%の範囲としたことか
ら、上記SiC+SiO2混合体の効果を最適に受けることがで
きる。
【0060】請求項7の光記録媒体によれば、上部保護
層が2 層化されており、該2層のSiCとSiO2 の比
率が異なることから、記録層の隣を断熱型、次に熱伝導
の良い誘電体とし、上部保護層全体の膜厚を厚くするこ
とにより、上部誘電体保護層の光学膜厚の不足による信
号の変調度低下を防ぐことができる。
【0061】請求項8の光記録媒体によれば、下部保護
層が2 層化されており、該2層のSiCとSiO2 の比
率が異なることから、上記請求項7の場合と膜構成が逆
であることのみ相違することから、この場合も上記と同
様の効果を得ることができる。、
【0062】請求項9の光記録媒体によれば、下部保護
層が2 層化されており、該2層のうち基板と接する側の
層にSiNxやSiAlO xN yなどのうちの少なくとも1種を
用いることから、該SiNxやSiAlOxNyを誘電体として光学
膜厚を稼ぎ、下部誘電体保護層の光学膜厚の不足による
信号の変調度低下を防ぐことができる。
【0063】請求項10の光記録媒体によれば、上部保
護層が2 層化されており、該2層のうち樹脂保護層と接
する側の層にSiNxやSiAlO xN yなどのうちの少なくと
も1種を用いることから、上記と同様、上部誘電体保護
層の光学膜厚の不足による信号の変調度低下を防ぐこと
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 535 G11B 7/24 535G 535H 538 538E

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザー光の照射によって記録再生を行
    う相変化型光記録媒体において、結晶、非晶質の可逆変
    化を行う相変化記録層の上部及び下部に隣接して透明保
    護膜を有し、該保護層のうちの少なくとも一方がSiC
    とSiO2 の混合体であることを特徴とする光記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光記録媒体において、膜
    構成が基板/下部保護層/相変化記録層/上部保護層/
    反射放熱層の順であり、上部保護層がSiCとSiO2
    の混合体であり、反射放熱層がAgを主成分とするAg
    合金であることを特徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の光記録媒体において、反
    射放熱層がCuを主成分とするCu合金であることを特
    徴とする光記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光記録媒体において、膜
    構成が基板/反射放熱層/下部保護層/相変化記録層/
    上部保護層/樹脂保護層の順であり、下部保護層がSi
    CとSiO2 の混合体であり、反射放熱層がAgを主成
    分とするAg合金であることを特徴とする光記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の光記録媒体において、反
    射放熱層がCuを主成分とするCu合金であることを特
    徴とする光記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項記載の光
    記録媒体において、前記SiCとSiO2 混合体のSi
    2 モル分率が5〜95%であることを特徴とする光記録
    媒体。
  7. 【請求項7】 請求項2または3記載の光記録媒体にお
    いて、上部保護層が2 層化されており、該2層のSiC
    とSiO2 の比率が異なることを特徴とする光記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 請求項4または5記載の光記録媒体にお
    いて、下部保護層が2 層化されており、該2層のSiC
    とSiO2 の比率が異なることを特徴とする光記録媒
    体。
  9. 【請求項9】 請求項2または3記載の光記録媒体にお
    いて、下部保護層が2 層積層されており、該2層のうち
    基板と接する側の層にSiNx、Al2O3 、ZnS 、ZnSe,CaS,S
    iAlOxN y、SiC 、及びZnS-SiO2のうちの少なくとも1
    種が用いられることを特徴とする光記録媒体。
  10. 【請求項10】 請求項4または5記載の光記録媒体に
    おいて、上部保護層が2層積層されており、該2層のう
    ち樹脂保護層と接する側の層にSiNx、Al2O3、ZnS 、ZnS
    e,CaS,SiAlOxN y、SiC 、及びZnS-SiO2のうちの少な
    くとも1種が用いられることを特徴とする光記録媒体。
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