JP2002092058A - プリント基板における部品の配置の計算方法、その装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

プリント基板における部品の配置の計算方法、その装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP2002092058A
JP2002092058A JP2000282588A JP2000282588A JP2002092058A JP 2002092058 A JP2002092058 A JP 2002092058A JP 2000282588 A JP2000282588 A JP 2000282588A JP 2000282588 A JP2000282588 A JP 2000282588A JP 2002092058 A JP2002092058 A JP 2002092058A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】プリント基板の作成に伴う開発費や製造費など
のコストの低減を図りながら、EMCに関する問題の発
生を抑制することができるようにする。 【解決手段】プリント基板に配置されている部品に対し
てEMCを考慮した最適な配置がなされているか否かを
計算する、プリント基板における部品の配置の計算方法
において、プリント基板上に配置される部品に対して、
部品の信号端子が持つ電気特性であるスルーレートの計
算を行う第1の処理と、第1の処理により計算されたス
ルーレートと、部品の電源/GND端子と基準部品の端
子との距離とに基づいて、該部品の電源/GNDパター
ンに応じた推奨距離を計算する第2の処理と、第2の処
理により計算された推奨距離と、部品の電源/GND端
子と基準部品の端子との距離とに基づいて、推奨距離と
部品が配置された距離との適合割合を計算する第3の処
理とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板にお
ける部品の配置の計算方法およびその装置に関し、さら
に詳細には、プリント基板におけるEMC(elect
romagnetic compatibility:
電磁的両立性)対策として用いて好適なプリント基板に
おける部品の配置の計算方法およびその装置に関し、特
に、プリント基板においてEMCを考慮した部品の配置
を実現する際に用いて好適なプリント基板における部品
の配置の計算方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント基板の設計において、プ
リント基板における部品の配置を決定する場合には、配
線効率や実装密度の観点のみから各部品の配置を決定す
ることが多く、プリント基板における各部品の配置は電
気的な影響をあまり考慮せずに決定されていた。
【0003】このため、上記のようにして部品の配置を
決定されたプリント基板においては、結果的にEMCの
点で問題を生ずることが多かった。
【0004】即ち、プリント基板の設計において、電気
的な影響を考慮せずに各部品の配置を決定すると、プリ
ント基板上に形成される配線構造によっては、意図しな
い不要な等価回路が基板の物理構造のためにできてしま
うことがある。
【0005】この意図しない不要な等価回路はEMCの
点で不具合を大きくすることがあるため、プリント基板
上に形成される配線はシンプルにする必要があり、その
ためには部品の配置を的確に行う必要があった。
【0006】さらに、電源/GND(ground:グ
ランド)のパターンもまた、EMCの点で問題を起こす
ことが多かった。以下、この点について説明する。
【0007】ここで、部品の信号伝達に伴う動作電流
は、部品の信号端子が持つ電気特性たるスルーレートに
依存する。この動作電流を高周波電流とすると、高周波
電流は、部品の電源/GNDの端子から信号端子を経て
配線に供給される。
【0008】この電源/GNDの高周波電流が、プリン
ト基板の電源/GNDのパターンに広がり、プリント基
板全体についてEMCの点で問題を悪化させることとな
っていた。
【0009】ところで、上記したようなEMCに関する
問題については、実際にプリント基板を作成してからで
ないと判らない点があった。
【0010】従って、従来においては、プリント基板の
作成後にEMCの点で問題が生じると、その問題が解決
されるまで何度でも設計を繰り返し行う必要があり、開
発費や製造費などのコストが増大する一方であるという
問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、プリント基板の作成に
伴う開発費や製造費などのコストの低減を図りながら、
EMCに関する問題の発生を抑制することができるよう
にしたプリント基板における部品の配置の計算方法およ
びその装置を提供しようとするものである。
【0012】また、本発明の目的とするところは、EM
Cの点で障害が起こらないようにする指標やガイダンス
を表示することのできるようにしたプリント基板におけ
る部品の配置の計算方法およびその装置を提供しようと
するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるプリント基板における部品の配置の計
算方法およびその装置は、プリント基板の設計データの
みを用いて計算処理を行うことでEMCに関する問題の
発生を予測し、プリント基板の作成に伴う開発費や製造
費などのコストの低減を図りながら、EMCに関する問
題の発生を抑制することができるようにしたものであ
る。
【0014】こうした本発明によるプリント基板におけ
る部品の配置の計算方法およびその装置を用いることに
よって、プリント基板における部品の配置をシンプルに
することが可能となり、意図しない不要な等価回路がプ
リント基板上に形成されることが防止されて、EMCに
関する問題の発生を確実に抑止することができるように
なる。
【0015】また、本発明によるプリント基板における
部品の配置の計算方法およびその装置を用いることによ
って、電源/GNDのパターンに広がる高周波電流が原
因となるEMCに関する問題の発生を確実に抑止するこ
とができるようになる。
【0016】ここで、本発明のうち請求項1に記載の発
明は、プリント基板に配置されている部品に対してEM
Cを考慮した最適な配置がなされているか否かを計算す
る、プリント基板における部品の配置の計算方法におい
て、プリント基板上に配置される部品に対して、部品の
信号端子が持つ電気特性であるスルーレートの計算を行
う第1の処理と、上記第1の処理により計算されたスル
ーレートと、部品の電源/GND端子と基準部品の端子
との距離とに基づいて、該部品の電源/GNDパターン
に応じた推奨距離を計算する第2の処理と、上記第2の
処理により計算された推奨距離と、部品の電源/GND
端子と基準部品の端子との距離とに基づいて、推奨距離
と部品が配置された距離との適合割合を計算する第3の
処理とを有するようにしたものである。
【0017】また、本発明のうち請求項2に記載の発明
は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、さら
に、第3の処理の計算結果に応じたガイダンスを表示す
る処理とを有するようにしたものである。
【0018】また、本発明のうち請求項3に記載の発明
は、プリント基板に配置されている部品に対してEMC
を考慮した最適な配置がなされているか否かを計算す
る、プリント基板における部品の配置の計算装置におい
て、プリント基板上に配置される部品に対して、部品の
信号端子が持つ電気特性であるスルーレートの計算を行
う第1の計算手段と、上記第1の処理により計算された
スルーレートと、部品の電源/GND端子と基準部品の
端子との距離とに基づいて、該部品の電源/GNDパタ
ーンに応じた推奨距離を計算する第2の計算手段と、上
記第2の処理により計算された推奨距離と、部品の電源
/GND端子と基準部品の端子との距離とに基づいて、
推奨距離と部品が配置された距離との適合割合を計算す
る第3の計算手段とを有するようにしたものである。
【0019】また、本発明のうち請求項4に記載の発明
は、本発明のうち請求項3に記載の発明において、さら
に、第3の計算手段による計算結果に応じたガイダンス
を表示する表示手段とを有するようにしたものである。
【0020】また、本発明のうち請求項5に記載の発明
は、プリント基板に配置されている部品に対してEMC
を考慮した最適な配置がなされているか否かを計算す
る、プリント基板における部品の配置の計算を、コンピ
ュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体において、プリント基板
上に配置される部品に対して、部品の信号端子が持つ電
気特性であるスルーレートの計算を行う第1の処理と、
上記第1の処理により計算されたスルーレートと、部品
の電源/GND端子と基準部品の端子との距離とに基づ
いて、該部品の電源/GNDパターンに応じた推奨距離
を計算する第2の処理と、上記第2の処理により計算さ
れた推奨距離と、部品の電源/GND端子と基準部品の
端子との距離とに基づいて、推奨距離と部品が配置され
た距離との適合割合を計算する第3の処理とを、コンピ
ュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体としたものである。
【0021】また、本発明のうち請求項6に記載の発明
は、本発明のうち請求項5に記載のコンピュータに実行
させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取
り可能な記録媒体において、さらに、第3の処理の計算
結果に応じたガイダンスを表示する処理とを、コンピュ
ータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体としたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しなが
ら、本発明によるプリント基板における部品の配置の計
算方法およびその装置の実施の形態の一例を詳細に説明
する。
【0023】図1には、本発明によるプリント基板にお
ける部品の配置の計算装置の実施の形態の一例のシステ
ム構成を表すブロック構成図が示されている。
【0024】即ち、この本発明によるプリント基板にお
ける部品の配置の計算装置(以下、単に「計算装置」と
称する。)は、その全体の動作を中央処理装置(CP
U)10を用いて制御するように構成されている。
【0025】このCPU10には、バス12を介して、
CPU10の制御のためのプログラムや後述する各種の
情報などを記憶するリードオンリメモリ(ROM)やC
PU10のワーキングエリアとして用いられる記憶領域
などを備えたランダムアクセスメモリ(RAM)などか
ら構成される内部記憶装置14と、CPU10の制御に
基づいて各種の表示を行うCRTや液晶パネルなどの画
面を備えた表示装置16と、表示装置16の画面上にお
ける任意の位置を指定するマウスなどのポインティング
デバイス18と、任意の文字を入力するためのキーボー
ドなどの文字入力デバイス20と、CPU10の制御に
より各種の情報を記憶させることができるとともに記憶
した各種の情報を読み出して内部記憶装置14に転送可
能とされたハードディスクなどの外部記憶装置22とが
接続されている。
【0026】なお、上記したように外部記憶装置22は
各種の情報を記憶しているものであるが、本発明の実施
に関連する情報としては、プリント基板の設計データた
るレイアウト設計データが記憶されている。
【0027】ここで、レイアウト設計データは、各種の
部品に関する情報である部品情報と、各種の部品間の配
線状態を示す配線情報と、後述する許容値ならびに後述
する閾値の指定値などから構成されている。
【0028】また、部品情報には、部品の配置位置を示
す配置位置情報と、部品の端子に関する情報である端子
情報とが含まれている。
【0029】一方、配線情報には、信号の振幅に関する
情報である信号振幅情報と、信号の立ち上がり時間に関
する情報である立上り時間情報とが含まれている。な
お、信号振幅情報と立上り時間情報との数値は、文字入
力デバイス20などを用いてユーザーが任意に設定可能
である。
【0030】以上の構成において、図2に示すフローチ
ャートならびに図3以下の各図を参照しながら、この計
算装置によって実行される処理の内容について説明す
る。
【0031】なお、この計算装置においては、ポインテ
ィングデバイス18や文字入力デバイス20をユーザー
が操作することにより、所望の指示を入力することがで
きるようになされている。
【0032】そして、ユーザーがポインティングデバイ
ス18や文字入力デバイス20を操作して、外部記憶装
置22からレイアウト設計データの読み出しを指示する
と、レイアウト設計データが外部記憶装置22から読み
出されて内部記憶装置14へ転送される。
【0033】そうすると、CPU10は、内部記憶装置
14へ転送されて記憶されたレイアウト設計データから
所定の情報を読み出して、以下に説明する処理をタイム
シェアリングにより並列して同時に実行することにな
る。
【0034】即ち、CPU10は、レイアウト設計デー
タから部品情報を読み込み(ステップS202)、部品
情報から配置位置情報を取得する(ステップS204)
とともに、部品情報から端子情報(ステップS206)
を取得する。
【0035】その一方で、CPU10は、レイアウト設
計データから配線情報を読み込み(ステップS20
8)、配線情報から信号振幅情報を取得する(ステップ
S210)とともに、配線情報から立上り時間情報を取
得する(ステップS212)。
【0036】それから、配置位置情報と端子情報とを部
品へのスルーレートの割付処理(ステップS214)へ
引き渡すとともに、信号振幅情報と立上り時間情報とを
用いてスルーレート計算処理(ステップS216)を行
った結果をスルーレートの割付処理(ステップS21
4)へ引き渡す。
【0037】そして、このスルーレートの割付処理(ス
テップS214)の結果から、スルーレートを部品へ割
り付けられるか否かを判断し(ステップS218)、ス
ルーレートを部品へ割り付けられると判断した場合には
当該部品を処理対象部品とし(ステップS220)、一
方、スルーレートを部品へ割り付けられるとは判断され
なかった場合には当該部品を処理対象外部品とする(ス
テップS222)。
【0038】ここで、上記した部品へのスルーレートの
割付処理(ステップS214)について、図3を参照し
ながら詳細に説明する。
【0039】まず、スルーレートは、「スルーレート=
信号振幅/立上り時間」によって定義されるものとす
る。
【0040】こうしたスルーレートを割り付ける対象と
なる部品としては、 (1)部品内に「電源/GNDに接続された端子」が存
在すること (2)部品内に「立上がり時間」と「信号振幅」の設定
されている信号配線に接続されている端子が存在するこ
と という条件を備えている部品を、スルーレートを割り付
ける対象となる部品、即ち、処理対象部品として選択し
て、 スルーレートの割付処理を行う。
【0041】なお、同一部品の複数端子に「立上がり時
間」と「信号振幅」が設定された場合は、その部品での
スルーレートの最大値を適用する。
【0042】一方、スルーレート計算処理(ステップS
216)の計算結果は、スルーレートの論理和処理(ス
テップS224)へ送られて、スルーレートの論理和が
得られる。
【0043】そして、スルーレートの論理和処理(ステ
ップS224)より得られたスルーレートの論理和は、
部品の配置距離計算処理(ステップS226)へ送られ
る。また、この部品の配置距離計算処理(ステップS2
26)には、処理対象部品(ステップS220)から処
理対象部品が送られる。
【0044】なお、処理対象部品(ステップS220)
からは、処理対象部品の位置情報の論理和処理(ステッ
プS228)へも処理対象部品が送られており、この処
理対象部品の位置情報の論理和処理(ステップS22
8)より得られた処理対象部品の論理和が、部品の配置
距離計算処理(ステップS226)へ送られる。
【0045】一方、ポインティングデバイス18の操作
などにより基準となる部品たる基準部品として任意に指
定された部品が読み込まれ(ステップS230)、この
基準部品は部品の配置距離計算処理(ステップS22
6)へ送られる。
【0046】ここで、上記した部品の配置距離計算処理
(ステップS226)について、図4を参照しながら詳
細に説明する。
【0047】まず、部品の配置距離計算処理(ステップ
S226)において使用する計算式は、「部品評価値=
推奨距離/距離」によって定義されるものとする。
【0048】ここで、部品評価値とは、実際の部品が配
置された距離と当該部品を配置する際の最適距離との適
合割合を表すものであり、最大値を「1」とする。
【0049】従って、「部品評価値=1」のときに、実
際の部品が配置された距離は当該部品を配置する際の最
適距離に最も適合しているものであり、部品評価値が
「1」より小さくなればなるほどその適合の度合いは低
くなる。
【0050】また、「部品評価値×100[%]」を準
拠度(「準拠度」とは、最適距離に対する配置位置適合
率を意味する。)として定義するものであり、図4には
上記した計算結果の一例が示されている。
【0051】ここで、推奨距離とは、「スルーレート=
ネットの『信号振幅/立上がり時間』のMAX(最大)
値」とし、「SSUM=対象部品の『1/スルーレー
ト』の総和」とし、「DSUM=対象部品の『基準部品
までの距離』の総和」とすると、「推奨距離=(1/対
象部品のスルーレート)×(DSUM/SSUM)」に
より定義されるものであり、部品の電源/GNDパター
ンに応じた当該部品と基準部品との最適な配置距離を示
すものである。
【0052】なお、「DSUM=対象部品の『基準部品
までの距離』の総和」における「距離」としては、例え
ば図4に示すように、最短距離やマンハッタン長などを
適宜に決定して用いるようにすればよい。
【0053】また、図4には、上記した演算式を用いた
計算結果の一例として、準拠度と配線状態との関係が示
されている。
【0054】また、準拠度が許容値内であるか否かを判
定する許容値の計算処理(ステップS234)において
用いる閾値の読み込みを行い(ステップS232)、読
み込んだ閾値を許容値の計算処理(ステップS234)
へ送る。
【0055】ここで、閾値としては、閾値1たる警告設
定値(%)と閾値2たる注意設定値(%)との2種類が
設定されており、これら2種類の閾値を読み込むもので
ある。
【0056】なお、警告設定値(%)と注意設定値
(%)との2種類の閾値はそれぞれ、ユーザーが文字入
力デバイス20などを用いて任意の値に設定することが
できるものである。
【0057】そして、許容値の計算処理(ステップS2
34)においては、準拠度が「警告」に該当するか、
「注意」に該当するか、あるいは「合格」に該当するか
判定するために、準拠度と閾値との比較処理を行う。
【0058】ここで、「準拠度(%)<警告設定値
(%)」の場合には「警告範囲」に該当し、「警告設定
値(%)≦準拠度(%)<注意設定値(%)」の場合に
は「注意範囲」に該当し、「注意設定値(%)≦準拠度
(%)」の場合には「許容値内」に該当するものとす
る。
【0059】次に、上記した比較処理の結果が警告範囲
であるか否かを判断し(ステップS236)、上記した
比較処理の結果が警告範囲であると判断された場合に
は、表示装置16の画面に表示する際に強調表示させる
強調表示処理(ステップS242)を行い、上記した比
較処理の結果が警告範囲ではないと判断された場合に
は、上記した比較処理の結果が注意範囲であるか否かを
判断する(ステップS238)。
【0060】さらに、上記した比較処理の結果が注意範
囲であると判断された場合には、表示装置16の画面に
表示する際に強調表示させる強調表示処理(ステップS
242)を行い、上記した比較処理の結果が注意範囲で
はないと判断された場合には、上記した比較処理の結果
は許容値内にあり合格とする(ステップS240)。
【0061】そして、強調表示処理(ステップS24
2)の処理結果に基づいて、表示装置16における画面
が画面表示される(ステップS248)。
【0062】ここで、警告設定値ならびに注意設定値の
設定と連動して、「警告」、「注意」ならびに「合格」
の場合に表示装置16の画面に表示する際の表示色を任
意設定することが可能である。
【0063】例えば、警告設定値を70%とするととも
に警告の表示色を赤色とし、注意設定値を80%とする
とともに警告の表示色を黄色とし、合格の表示色を緑色
とした場合には、図5に示すように、準拠度が50%の
場合には警告が赤色表示され、準拠度が75%の場合に
は注意が黄色表示され、準拠度が85%の場合には注意
が緑色表示される。
【0064】さらに、改善手法のガイダンスが読み込ま
れて(ステップS244)、部品位置の改善手法のガイ
ダンスの処理(ステップS246)に送られる。
【0065】また、部品位置の改善手法のガイダンスの
処理(ステップS246)には、処理対象部品220に
おける処理対象部品と部品の配置距離計算処理(ステッ
プS226)の処理結果とが送られる。
【0066】そして、部品位置の改善手法のガイダンス
の処理(ステップS246)の結果として、表示装置1
6にガイダンスの画面表示が行われる。
【0067】これにより、設計者に設計の変更を促すこ
とができるものであり、設計者はこガイダンスの表示を
確認することにより、容易に設計の変更を行うことがで
きる。
【0068】図6には、部品位置の改善手法のガイダン
スの処理による画面表示の一例が示されている。この図
6に示す例においては、部品の配置のルールとしては、
立上り時間が速く、信号振幅の大きい部品ほどコネクタ
側に配置されているか否かをチェックしている。
【0069】そして、推奨距離の短い部品がコネクタ近
傍に配置されていないため、表示装置16の画面にはガ
イダンスの表示として、「対策」について「『推奨距
離』の短い部品をコネクタ近傍に配置して下さい」との
テキスト表示がなされるとともに、推奨距離の短い部品
をコネクタ近傍に配置することを指示する図形表示がな
される。
【0070】また、表示装置16の画面には、「ルール
内容」ならびに「SI&EMCの問題点」も合わせてテ
キスト表示される。
【0071】ここで、図7には、部品位置の改善手法の
ガイダンスの処理による画面表示の他の例が示されてい
る。この図7に示す例においても、部品の配置のルール
としては、立上り時間が速く、信号振幅の大きい部品ほ
どコネクタ側に配置されているか否かをチェックしてい
る。
【0072】そして、推奨距離の短い部品がコネクタ近
傍に配置されていないため、表示装置16の画面にはガ
イダンスの表示として、「対策」について「警告または
注意の表示された部品を基準部品IC001近傍に配置
して下さい。例えば、警告とされたIC002は現状距
離200mmに配置されているのに対して、推奨距離が
150mmとなっています、部品位置を推奨距離以内に
配置する事をお勧めします。」とのテキスト表示がなさ
れるとともに、推奨距離の短い部品をコネクタ近傍に配
置することを指示する図形表示がなされる。
【0073】また、表示装置16の画面には、「ルール
内容」ならびに「SI&EMCの問題点」も合わせてテ
キスト表示される。
【0074】なお、図7の「対策」においてテキスト表
示された内容のなかで下線を付された「IC001」、
「IC002」、「200mm」ならびに「150m
m」は、他のテキスト表示とは異なる色(例えば、赤
色)で表示されており、その表示内容は、レイアウト設
計データに基づく図2に示す処理における計算結果に応
じて自動的に変更される。
【0075】なお、図8乃至図12には、表示装置16
の画面に実際の表示される表示例が示されている。
【0076】図8は、各ルールの設定を行う画面表示の
表示例であり、「部品の配置」は「A−10」の項にお
いて指定することができる。
【0077】また、「表示色」の項において「警告」、
「注意」および「合格」に関する表示色を指定すること
ができ、例えば、「警告」として「赤色」を指定し、
「注意」として「黄色」を指定し、「合格」として「緑
色」を指定することができる。
【0078】図9は、各ルール毎に出力された計算結果
を示す画面表示の表示例であり、「A−10」の項の
「部品の配置」に関しては、「警告」が「20」とな
り、「注意」が「7」となり、「合格」が「11」とな
っている。
【0079】図10は、部品の配置の計算結果を示す画
面表示の表示例であり、各部品毎に推奨距離(基準部品
からの最適距離)、距離(基準部品から当該部品までの
距離)、準拠度(配置位置適合率)および評価(準拠度
の判定結果を「警告」、「注意」あるいは「合格」で表
す。)が表示される。
【0080】図11は、図8において設定されたルール
をCADデータ上で表示した状態を示す画面表示の表示
例である。
【0081】図12は、図11に示す部品の位置を最適
に修正するのに必要なガイダンスの画面表示の表示例で
あり、設計者に設計の変更を促すことができる。
【0082】なお、上記した実施の形態は、以下に示す
(1)〜(3)のように変形してもよい。
【0083】(1)上記した実施の形態においては、改
善手法のガイダンスの処理(ステップS246)におい
て、テキスト表示と図形表示との双方を行うようにした
が、これに限られることなしに、テキスト表示と図形表
示とのいずれか一方のみを行うようにしてもよい。
【0084】(2)上記した実施の形態においては、改
善手法のガイダンスの処理(ステップS246)におい
て、改善手法のガイダンスを表示することにより、設計
者に設計の変更を促すようにしたが、これに限られるこ
となしに、自動的に設計変更を行うようにして、その変
更内容を表示するようにしてもよい。
【0085】(3)上記した実施の形態ならびに上記し
た(1)〜(2)に示す変形例は、適宜に組み合わせる
ようにしてもよい。
【0086】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、プリント基板の作成に伴う開発費や製造費
などのコストの低減を図りながら、EMCに関する問題
の発生を抑制することができるようになるという優れた
効果を奏する。
【0087】また、本発明は、以上説明したように構成
されているので、EMCの点で障害が起こらないように
する指標やガイダンスを表示することのできるようにな
るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプリント基板における部品の配置
の計算装置の実施の形態の一例のシステム構成を表すブ
ロック構成図である。
【図2】本発明によるプリント基板における部品の配置
の計算装置によって実行される処理の内容を示すフロー
チャートである。
【図3】部品へのスルーレートの割付処理の詳細を示す
説明図である。
【図4】部品の配置距離計算処理の詳細を示す説明図で
ある。
【図5】閾値ならびに許容値に関する説明図である。
【図6】部品位置の改善手法のガイダンスの処理による
画面表示の一例を示す説明図である。
【図7】部品位置の改善手法のガイダンスの処理による
画面表示の他の例を示す説明図である。
【図8】各ルールの設定を行う画面表示の表示例であ
る。
【図9】部品の配置の計算結果を示す画面表示の表示例
である。
【図10】部品の配置の計算結果を示す画面表示の表示
例である。
【図11】図8において設定されたルールをCADデー
タ上で表示した状態を示す画面表示の表示例である。
【図12】図11に示す部品の位置を最適に修正するの
に必要なガイダンスの画面表示の表示例である。
【符号の説明】
10 中央処理装置(CPU) 12 バス 14 内部記憶装置 16 表示装置 18 ポインティングデバイス 20 文字入力デバイス 22 外部記憶装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント基板に配置されている部品に対
    してEMCを考慮した最適な配置がなされているか否か
    を計算する、プリント基板における部品の配置の計算方
    法において、 プリント基板上に配置される部品に対して、部品の信号
    端子が持つ電気特性であるスルーレートの計算を行う第
    1の処理と、 前記第1の処理により計算されたスルーレートと、部品
    の電源/GND端子と基準部品の端子との距離とに基づ
    いて、該部品の電源/GNDパターンに応じた推奨距離
    を計算する第2の処理と、 前記第2の処理により計算された推奨距離と、部品の電
    源/GND端子と基準部品の端子との距離とに基づい
    て、推奨距離と部品が配置された距離との適合割合を計
    算する第3の処理とを有するプリント基板における部品
    の配置の計算方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプリント基板における
    部品の配置の計算方法において、さらに、 第3の処理の計算結果に応じたガイダンスを表示する処
    理とを有するプリント基板における部品の配置の計算方
    法。
  3. 【請求項3】 プリント基板に配置されている部品に対
    してEMCを考慮した最適な配置がなされているか否か
    を計算する、プリント基板における部品の配置の計算装
    置において、 プリント基板上に配置される部品に対して、部品の信号
    端子が持つ電気特性であるスルーレートの計算を行う第
    1の計算手段と、 前記第1の処理により計算されたスルーレートと、部品
    の電源/GND端子と基準部品の端子との距離とに基づ
    いて、該部品の電源/GNDパターンに応じた推奨距離
    を計算する第2の計算手段と、 前記第2の処理により計算された推奨距離と、部品の電
    源/GND端子と基準部品の端子との距離とに基づい
    て、推奨距離と部品が配置された距離との適合割合を計
    算する第3の計算手段とを有するプリント基板における
    部品の配置の計算方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のプリント基板における
    部品の配置の計算装置において、さらに、 第3の計算手段による計算結果に応じたガイダンスを表
    示する表示手段とを有するプリント基板における部品の
    配置の計算装置。
  5. 【請求項5】 プリント基板に配置されている部品に対
    してEMCを考慮した最適な配置がなされているか否か
    を計算する、プリント基板における部品の配置の計算
    を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録
    したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、 プリント基板上に配置される部品に対して、部品の信号
    端子が持つ電気特性であるスルーレートの計算を行う第
    1の処理と、 前記第1の処理により計算されたスルーレートと、部品
    の電源/GND端子と基準部品の端子との距離とに基づ
    いて、該部品の電源/GNDパターンに応じた推奨距離
    を計算する第2の処理と、 前記第2の処理により計算された推奨距離と、部品の電
    源/GND端子と基準部品の端子との距離とに基づい
    て、推奨距離と部品が配置された距離との適合割合を計
    算する第3の処理とを、コンピュータに実行させるため
    のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記
    録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のコンピュータに実行さ
    せるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り
    可能な記録媒体において、さらに、 第3の処理の計算結果に応じたガイダンスを表示する処
    理とを、コンピュータに実行させるためのプログラムを
    記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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